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特開2023-48889風向風速測定装置及び風向風速測定用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048889
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】風向風速測定装置及び風向風速測定用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01P 13/00 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
G01P13/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158464
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊光
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信一
(72)【発明者】
【氏名】田村 豊
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晋也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 功次
【テーマコード(参考)】
2F034
【Fターム(参考)】
2F034AA02
2F034DA09
2F034DA16
2F034DB01
(57)【要約】
【課題】小型の構成で、必要な場所へ移動させて簡便に風向風速の測定を可能とする。
【解決手段】到来する風を平面上で、3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、得られた各方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段と、前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段と、風の方向と風速を出力するための風情報出力手段と、前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルに基づき、風方向情報、風速情報を前記風情報出力手段に出力する出力制御手段とを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、
得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段と、
前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段と、
風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、
前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段と、
を具備することを特徴とする風向風速測定装置。
【請求項2】
前記風強度取得手段は、風量を検出する4つの風量センサを、風の取込口が90度ずつ異なるように円盤状基台の中心から等距離の位置に配置して前記円盤状基台上に設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の風向風速測定装置。
【請求項3】
前記ベクトル加算手段は、前記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得ることを特徴とする請求項1または2に記載の風向風速測定装置。
【請求項4】
複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の風向風速測定装置。
【請求項5】
前記風向風速測定装置を構成する本体を備え、前記出力手段は、前記本体の円形天板の円周に沿って等間隔で設けられた複数のLEDにより構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の風向風速測定装置。
【請求項6】
前記出力制御手段は、前記円形天板の円の中心と点灯したLEDを結ぶ線分における、点灯したLEDから前記中心へ向かう方向が風向となるように、複数のLEDの1つを点灯させることを特徴とする請求項5に記載の風向風速測定装置。
【請求項7】
前記出力制御手段は、前記ベクトル加算手段によって求められたベクトルの大きさに基づく風速の速度に応じてLEDの輝度と色調の少なくとも一方を変化させることを特徴とする請求項5または6に記載の風向風速測定装置。
【請求項8】
前記風強度取得手段と、前記2方向検出手段と、前記ベクトル加算手段と、前記出力制御手段と、前記出力手段が1つの第1のハウジングに設けられ、
前記第1のハウジングには、前記出力制御手段から出力された風方向情報と風速情報とを無線通信により送信する無線送信手段が備えられ、
前記第1のハウジングとは別の第2のハウジングには、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための第2のハウジング側風情報出力手段と、前記無線送信手段から送信された風方向情報と風速情報とを受信する無線受信手段と、この受信した風方向情報と風速情報とを前記第2のハウジング側風情報出力手段へ出力する第2のハウジング側出力制御手段とが備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の風向風速測定装置。
【請求項9】
到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、を備える風向風速測定装置に備えられるコンピュータを、
前記風強度取得手段により得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段、
前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段、
前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段、
として機能させることを特徴とする風向風速測定用プログラム。
【請求項10】
前記風強度取得手段は、風量を検出する4つの風量センサを、風の取込口が90度ずつ異なるように円盤状基台の中心から等距離の位置に配置して前記円盤状基台上に設けたものであることを特徴とする請求項9に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを前記ベクトル加算手段として、前記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るように機能させることを特徴とする請求項9または10に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、更に、
複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段として機能させることを特徴とする請求項11に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項13】
前記風向風速測定装置を構成する本体を備え、前記出力手段は、前記本体の円形天板の円周に沿って等間隔で設けられた複数のLEDにより構成されることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを前記出力制御手段として、前記円形天板の円の中心と点灯したLEDを結ぶ線分における、点灯したLEDから前記中心へ向かう方向が風向となるように、複数のLEDの1つを点灯させることを特徴とする請求項13に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを前記出力制御手段として、前記ベクトル加算手段によって求められたベクトルの大きさに基づく風速の速度に応じてLEDの輝度と色調の少なくとも一方を変化させることを特徴とする請求項13または14に記載の風向風速測定用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、風向風速測定装置及び風向風速測定用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プロペラ型により風速を計測し、飛行機型尾翼により風向を計測する、所謂飛行機型の風向風速測定装置が知られている。この風向風速測定装置は、主に、設置して利用するものであり、装置を移動させて複数の測定点で簡便に測定することを狙ったものではない。また、室内など微風かつ狭小の空間での測定は極めて困難である。
【0003】
超音波やレーザー式による風向風速測定装置も知られているが、これらも、主に、装置を設置して利用するタイプのもので、装置を移動させて複数の測定点で測定する簡便なものではない。
【0004】
特許文献1には、風向風速計測装置および風向風速計測システムが開示されている。このシステムでは、所定の回転軸と、回転軸を中心として回転する回転体と、回転体の表面に回転軸に垂直な方向に向けて開口した圧力孔と、圧力孔から導入される風の圧力を検出する圧力検出器を用いて測定する方法が採られているが、風向を知るためには、常に回転体を回転させておく必要がある。
【0005】
また、特許文献2には、風力発電装置及び風力発電施設の運転制御方法が開示されている。この特許文献2の装置では、自然力により回転する物の先端にセンサを取り付ける構成を採用しているため、風向をセンシングするために装置自体を回転動作させるなどの構成が必要となるわけではないが、圧力センサについては風力発電に使えるほどの風力を感知するもので、例えば、室内での微弱な風を感知することはできない。
【0006】
また、特許文献3には、風向風速の測定方法及び風向風速測定装置が開示されている。この装置では、台板に取り付けられた棒の先端に球状材を取り付けた状態のものをカメラで撮影し、球状材が動いた方向と動いた距離によって風向風速を測定するものであるが、棒や球状材を動かすほどの風力を測定するものであり、微細な風を測定するものではない。
台板、棒、カメラを既定の組み合わせで測定する必要があり、鉄道橋や橋梁或いは建造物に付設した測定を顧慮した大型のもので、所望の場所の風向風速を測定するために設置変更が簡便にできるような測定装置ではない。
【0007】
更に、特許文献4には、側方散乱光を用いた遠隔レーザーレーダー微粒子計測装置が開示されている。この装置は、光をシート状に照射し、発生させたエアロゾルにより拡散された光をカメラで撮影するというものであるが、レーザー光発生装置、エアロゾル発生装置、カメラの組み合わせで測定する必要があり、所望の場所の風向風速を測定するには大型であり、必要な場所へ簡便に移動させて測定することができるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011-89842号公報
【特許文献2】特開2018-123762号公報
【特許文献3】特開2016-133433号公報
【特許文献4】特開2005-62055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような従来の風向風速測定装置における問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型の構成とすることができ、必要な場所へ移動させて簡便に風向風速の測定が可能な風向風速測定装置及び風向風速測定用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態の風向風速測定装置は、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段と、前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本実施形態の風向風速測定用プログラムは、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、を備える風向風速測定装置に備えられるコンピュータを、前記風強度取得手段により得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段、前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段、前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段、として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の構成図。
図2】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の要部構成図。
図3】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の分解斜視図。
図4】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の要部平面図。
図5】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態のLED配置を示す平面図。
図6】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の正面図。
図7】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の動作を示すフローチャート。
図8】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の風向風速測定過程を示す平面図。
図9】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の風向風速測定された情報を示す図。
図10】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の風向風速測定された情報を2方向検出手段により処理した結果を示す図。
図11】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の風向風速測定された情報を2方向検出手段により処理した結果を、更にベクトル加算手段により処理した結果を示す図。
図12】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の風向風速測定された情報を出力した状態を示す図。
図13】本発明の風向風速測定装置の第1の実施形態の風向風速測定された情報の出力に関する別の例を説明するための図。
図14】本発明の風向風速測定装置の第2の実施形態の構成図。
図15】本発明の風向風速測定装置の第2の実施形態の風向風速測定された情報を出力した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照して、本発明に係る風向風速測定装置及び風向風速測定用プログラムの実施形態の構成を説明する。本実施形態では、図1に示すようなコンピュータの構成により第1の実施形態に係る風向風速測定装置を実現する。即ち、図1のコンピュータは、CPU101が主メモリ102に記憶されたプログラムとデータに基づき各部を制御して演算を行い、風向風速情報を得るものである。CPU101には、バス103を介して、外部記憶インタフェース111、入力インタフェース112、出力インタフェース113、I/Oインタフェース114が接続されている。
【0014】
外部記憶インタフェース111には、外部記憶装置121が接続されており、この外部記憶装置121には、図2に示されるように、風向風速測定装置を実現するための、2方向検出手段181、ベクトル加算手段182、出力制御手段183、補正係数取得手段184が備えられている。これら2方向検出手段181、ベクトル加算手段182、出力制御手段183、補正係数取得手段184は、プログラムであり、主メモリ102に読み出してCPU101がプログラムを実行して各手段の機能が実現される。
【0015】
入力インタフェース112には、キーボードやタッチパネル或いはスイッチなどのコマンド入力装置122が接続されることが可能であるが、本実施形態ではコマンド入力装置122は電源スイッチが設けられていれば良い。
【0016】
出力インタフェース113には、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報の出力手段としての、表示機器123が接続されている。表示機器123は、後に説明するように複数のLEDにより構成することができる。
【0017】
I/Oインタフェース114には、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、上記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段としての風量センサ124-1~124-4が接続されている。本実施形態では、4個の風量センサ124-1~124-4であるが、3個以上であってもよい。勿論、1つのハウジングに、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、上記3方向毎に風強度情報を得るセンサ等を備えるものであっても良い。
【0018】
本実施形態に係る風向風速測定装置は、その分解斜視図を図3に示すように、本体30の基部側に円盤状基台33が設けられ、この円盤状基台33上に、風量を検出する4つの風量センサ124-1~124-4を、風の取込口が90度ずつ異なるように円盤状基台33の中心から等距離の位置に配置した構成を有する。図3では、風量センサ124-1~124-4について、風の取込口125-1~125-4は、円盤状基台33の上面の円の中心から風量センサ124-1~124-4の中心へ向かう半径方向に向かって開口している。従って、円盤状基台33上の、風量を検出する4つの風量センサ124-1~124-4は、図4に示す平面図に示す如く、風の取込口125-1~125-4が90度ずつ異なるように、円盤状基台33の中心から等距離の位置に配置している。風量センサ124-1は、矢印X1により示される方向の風強度情報を得るものであり、風量センサ124-2は、矢印X2により示される方向の風強度情報を得るものであり、風量センサ124-3は、矢印X3により示される方向の風強度情報を得るものであり、風量センサ124-4は、矢印X4により示される方向の風強度情報を得るものである。このように本実施形態では、風量センサ124-1~124-4によって90度ずつ異なる4方向の風方向を捉える構成を採用し、4方向の風強度情報が得られる構成となっている。
【0019】
風量センサ124-1~124-4は、特に限定するものではないが、本実施形態ではオムロン株式会社製のMEMS風量センサを用いている。風量センサ124-1~124-4は、やや平たい直方体形状を有している。このセンサは、シリコン基板上に薄膜を形成し、この薄膜上にヒータと、このヒータの両側にサーモパイルを設け、風の取込口125-1~125-4から風を取り込み、風(気体)の移動に伴って生じる熱の移動を気流の変化として捕らえて流量を測定する形式の熱式質量流量センサである。
【0020】
再び図3に戻って説明を行う。本実施形態では、風速測定装置を構成する本体30を備え、風情報の出力手段としての、表示機器123は、上記本体30の円形天板32の円周に沿って等間隔で設けられた複数(ここでは、16個)のLED31-1~31-16により構成される。円形天板32はLED31-1~31-16を上面に設ける回路基板であり、回路基板の円周部分に、円を16等分する半径線状に16個のLED31-1~31-16が配置されている(図5)。図3の矢印A方向から見た正面図である図6に示すように、円形天板32の上には、円形天板32に近接して、例えば白色の光に対する半透過性を有する円形アクリル板35が設けられている。複数のLED31のいずれか1つが点灯されると、円形アクリル板35を介して発光が現れ、円形アクリル板35における円の中心と、点灯したLED31を結ぶ線分における、点灯したLED31から上記中心へ向かう方向が風向として表示出力がなされる。円形天板32及び円形アクリル板35は、円柱34によって並列に固定され、円盤状基台33に取り付けられている。
【0021】
円盤状基台33内には、図1に示すようなコンピュータの構成により風向風速測定装置におけるコマンド入力装置122、表示機器123、風強度取得手段としての風量センサ124-1~124-4以外の構成が備えられている。
【0022】
円盤状基台33内に備えられたCPU101は、2方向検出手段181、ベクトル加算手段182、出力制御手段183、補正係数取得手段184として機能するプログラムを、主メモリ102に読み出して、このプログラムを実行して各手段の機能が実現される。
【0023】
上記の2方向検出手段181は、風量センサ124-1~124-4によって得られた少なくとも3方向(本実施形態では、4方向)の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出するものである。ベクトル加算手段182は、上記2方向検出手段181により検出された2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るものである。出力制御手段183は、上記ベクトル加算手段182により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、上記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として上記風情報出力手段であるLED31に出力する。補正係数取得手段184は、複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求めるものである。この補正係数は、外部記憶装置121に記憶されて上記ベクトル加算手段182により用いられる。即ち、ベクトル加算手段182は、上記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得る。
【0024】
以上の構成を有する風向風速測定装置は、図7に示すフローチャートに対応するプログラムに基づき動作を行う。本実施形態では、コマンド入力装置122により構成される電源スイッチのオン操作により動作が開始されるものとする。動作開始となると、風量センサ124-1~124-4により風強度情報を得る(S11)。例えば、図8に四角枠で囲って示すように、風量センサ124-1の風強度情報が0.4(m/s)、風量センサ124-2の風強度情報が0.32(m/s)、風量センサ124-3の風強度情報が-0.2(m/s)、風量センサ124-4の風強度情報が0(m/s)であったとする。
【0025】
ステップS11の次に、CPU101は4つの風強度情報を大きい順に並べ、上位2つの風強度情報を選択する(S12)。図8に示した4つの風強度情報を(図の上から)大きい順に並べると図9のようになり、上位2つは、風量センサ124-1の風強度情報0.4(m/s)と、風量センサ124-2の風強度情報0.32(m/s)となる。
【0026】
次に、上位2つの風量センサは、隣接しているかを検出する(S13)。即ち、通常、ある方向に風が吹いている場合、隣接する風量センサにより大きな風強度が得られるためであり、検出エラーの場合に風向風量を出力することを回避している。このため、風量センサの数が多くなると、必ずしも「隣接」でなくとも良く、例えば、「2つ隣(となり)の範囲にあるか」を検出するようにしても良い。このステップS13においてNOへ分岐した場合には、ステップS11へ戻って処理を行う。
【0027】
このステップS13においてYESへ分岐した場合には、第2位の風強度が0以下であるかを検出する(S14)。これもステップS13と同様に、隣接する風量センサの位置において風強度が極端に異なるという検出エラーの場合に風向風量を出力することを回避している。このステップS14においてYESへ分岐すると、第1位の風量センサの風方向を風方向情報とし、得られた大きさを風速情報として風情報出力手段に出力する(S15)。
【0028】
ステップS14においてNOへ分岐すると、CPU101は、第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得る(S16)。補正係数は、複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき、実測値に近づく値を求めるものである。本実施形態では、1.8を補正係数として示す。この補正係数1.8を、風量センサ124-2の風強度情報0.32(m/s)に掛けて0.58(m/s)を得る。第1位の風強度と第2位の補正風強度は図10に示すようである。
【0029】
ステップS16の次に、CPU101は、第1位の風強度情報と第2位補正風強度情報を用いて、これらのベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得る(S17)。ここでは、第1位の風強度情報が0.4(m/s)、第2位の補正風強度情報が0.58(m/s)であり、第1位の風量センサの風方向は図11の左方向へ向かうベクトルであり、第2位の風量センサの風方向は図11の上方向へ向かうベクトルであり、ベクトル加算により図11に示すような1つの加算結果ベクトルFが得られる。
【0030】
ステップS17の次に、CPU101は、得られた1つの加算結果ベクトルFの方向を風方向情報とし、この加算結果ベクトルFの大きさを風速情報として風情報出力手段に出力する(S18)。本実施形態では、16個のLED31-1~31-16により構成される表示機器123を出力手段としている。そこで図12に示すように、円形天板の円の中心Oと、点灯したLED(ここではLED31-3)を結ぶ線分における、点灯したLED31-3から上記中心Oへ向かう方向が風向となるように、複数のLEDの1つを点灯させる。また、風速に関しては、加算結果ベクトルの大きさに基づく風速の強さに応じてLEDの輝度と色相の少なくとも一方を変化させることができる。即ち、風速が大きくなるほど高輝度とし、色相については図13のように、赤→橙→黄→緑→青→紫と色を変化させて点灯可能なLEDを用い、風速は赤が最強で紫が最弱として表示するようにしても良い。
【0031】
図14に、第2の実施形態に係る風向風速測定装置のブロック図を示す。この第2の実施形態は、第1のハウジング10と第2のハウジング20とを備える。第1のハウジング10には、図1に示したコンピュータの構成により構成される第1の実施形態に係る風向風速測定装置に加えて、バス103に通信インタフェース115が接続され、通信インタフェース115に送受信部135が接続された構成とすることができる。送受信部135は、無線通信により送受信が可能なものである。
【0032】
従って、第1のハウジング10には、風強度取得手段である風量センサ124-1~124-4と、2方向検出手段181と、ベクトル加算手段182と、出力制御手段183と、出力手段であるLED31-1~31-16が備えられる。
【0033】
第2のハウジング20には、送受信部135との間で無線通信により送受信が可能な送受信部301と、送受信部301に接続されたコントローラ300と、コントローラ300に接続された表示器303とが備えられる。表示器303は映像や文字を表示するLEDディスプレイ装置により構成することができ、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するためのものであり、第2のハウジング側風情報出力手段である。
【0034】
第1のハウジング10では、上記出力制御手段183としてCPU101が図7に示したフローチャートのステップS18において、得られた1つの加算結果ベクトルFの方向を風方向情報とし、この加算結果ベクトルFの大きさを風速情報として風情報出力手段に出力したときに、出力制御手段183から出力された風方向情報と風速情報とを無線通信により送信する無線送信手段として、通信インタフェース115及び送受信部135が機能する。
【0035】
第2のハウジング20では、通信インタフェース115及び送受信部135により構成される上記無線送信手段から送信された風方向情報と風速情報とを受信する無線受信手段である送受信部301により受信し、この受信した風方向情報と風速情報とを第2のハウジング側出力制御手段であるコントローラ300が上記第2のハウジング側風情報出力手段である表示器303へ出力する。この結果、第2のハウジング側風情報出力手段である表示器303では、風の方向と風速とにより構成される風情報が出力される。
【0036】
図15に、表示器303における風方向情報と風速情報との表示例を示す。表示器303の画面には、風速測定装置を構成する本体30の円形アクリル板35をイメージする円に、0度から90度おきに角度が表記され、本体30の設置状態に対する風向きが表示される。例えば、風量センサ124-4における風の取込口125-4の中央が0度であり、風量センサ124-1における風の取込口125-1の中央が90度であり、風量センサ124-2における風の取込口125-2の中央が180度であり、風量センサ124-3における風の取込口125-3の中央が270度である。
【0037】
本実施形態においても、第1の実施形態において示したように、第1位の風強度情報が0.4(m/s)、補正風強度情報が0.58(m/s)であり、第1位の風量センサの風方向は図11の左方向へ向かうベクトルであり、第2位の風量センサの風方向は図11の上方向へ向かうベクトルであり、ベクトル加算により図11に示すような1つの加算結果ベクトルFが得られたものする。この場合に、ベクトルFの大きさは0.63であり、風量が0.63m/s得られ、ベクトルFの方向は、円の138°の位置から円の中心へ向かう情報が得られたとする。この風の方向と風速とにより構成される風情報が通信インタフェース115及び送受信部135により構成される上記無線送信手段から送信されてくるので、風の方向が138°、風速0.63m/sと図15の円の中央部に表示される。また、円の138°の位置に点灯したLEDをイメージする丸印161が表示される。
【0038】
この第2の実施形態によれば、風速測定装置を構成する本体30から離れた場所に居ても、風向風速測定装置を構成する本体30の位置における風向風速を確実に知ることができ便利である。なお、第1のハウジング10に、温度センサ、湿度センサ等を設け、温度情報や湿度情報を無線送信手段から送信するように構成し、これを第2のハウジングで受信して上記表示器303の画面に表示するようにして、風以外の環境情報を表示するとより便利である。
【符号の説明】
【0039】
10 第1のハウジング 20 第2のハウジング
30 本体 31-1~31-16 LED
32 円形天板 33 円盤状基台
34 円柱 35 円形アクリル板
102 主メモリ 103 バス
111 外部記憶インタフェース 112 入力インタフェース
113 出力インタフェース 114 I/Oインタフェース
115 通信インタフェース 121 外部記憶装置
122 コマンド入力装置 123 表示機器
124-1~124-4 風量センサ 125-1~125-4 取込口
135 送受信部 161 丸印
181 2方向検出手段 182 ベクトル加算手段
183 出力制御手段 184 補正係数取得手段
300 コントローラ 301 送受信部
303 表示器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、
得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段と、
前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段と、
風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、
前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段と、
複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段と、
を具備し、
前記ベクトル加算手段は、前記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得ることを特徴とする風向風速測定装置。
【請求項2】
前記風強度取得手段は、風量を検出する4つの風量センサを、風の取込口が90度ずつ異なるように円盤状基台の中心から等距離の位置に配置して前記円盤状基台上に設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の風向風速測定装置。
【請求項3】
前記風向風速測定装置を構成する本体を備え、前記出力手段は、前記本体の円形天板の円周に沿って等間隔で設けられた複数のLEDにより構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の風向風速測定装置。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記円形天板の円の中心と点灯したLEDを結ぶ線分における、点灯したLEDから前記中心へ向かう方向が風向となるように、複数のLEDの1つを点灯させることを特徴とする請求項に記載の風向風速測定装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記ベクトル加算手段によって求められたベクトルの大きさに基づく風速の速度に応じてLEDの輝度と色調の少なくとも一方を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の風向風速測定装置。
【請求項6】
前記風強度取得手段と、前記2方向検出手段と、前記ベクトル加算手段と、前記出力制御手段と、前記出力手段が1つの第1のハウジングに設けられ、
前記第1のハウジングには、前記出力制御手段から出力された風方向情報と風速情報とを無線通信により送信する無線送信手段が備えられ、
前記第1のハウジングとは別の第2のハウジングには、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための第2のハウジング側風情報出力手段と、前記無線送信手段から送信された風方向情報と風速情報とを受信する無線受信手段と、この受信した風方向情報と風速情報とを前記第2のハウジング側風情報出力手段へ出力する第2のハウジング側出力制御手段とが備えられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の風向風速測定装置。
【請求項7】
到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、を備える風向風速測定装置に備えられるコンピュータを、
前記風強度取得手段により得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段、
前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段、
前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段、
複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段、
として機能させることを特徴とする風向風速測定用プログラムであって、
前記コンピュータを、前記ベクトル加算手段として、前記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るように機能させることを特徴とする風向風速測定用プログラム。
【請求項8】
前記風強度取得手段は、風量を検出する4つの風量センサを、風の取込口が90度ずつ異なるように円盤状基台の中心から等距離の位置に配置して前記円盤状基台上に設けたものであることを特徴とする請求項に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項9】
前記風向風速測定装置を構成する本体を備え、前記出力手段は、前記本体の円形天板の円周に沿って等間隔で設けられた複数のLEDにより構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを前記出力制御手段として、前記円形天板の円の中心と点灯したLEDを結ぶ線分における、点灯したLEDから前記中心へ向かう方向が風向となるように、複数のLEDの1つを点灯させることを特徴とする請求項に記載の風向風速測定用プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを前記出力制御手段として、前記ベクトル加算手段によって求められたベクトルの大きさに基づく風速の速度に応じてLEDの輝度と色調の少なくとも一方を変化させることを特徴とする請求項7または8に記載の風向風速測定用プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本実施形態の風向風速測定装置は、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段と、前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段と、複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段と、を具備し、前記ベクトル加算手段は、前記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得ることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本実施形態に係る風向風速測定用プログラムは、到来する風を平面上で、少なくとも3方向においてそれぞれ捉え、前記3方向毎に風強度情報を得る風強度取得手段と、風の方向と風速とにより構成される風情報を出力するための風情報出力手段と、を備える風向風速測定装置に備えられるコンピュータを、前記風強度取得手段により得られた前記少なくとも3方向の風強度情報の大小比較を行って第1位の風強度情報と第2位の風強度情報が得られた風方向中の2方向を検出する2方向検出手段、前記2方向のそれぞれの方向をベクトルの向きとし、それぞれの方向の風強度情報をベクトルの大きさとする2つのベクトルを発生し、このベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るベクトル加算手段、前記ベクトル加算手段により得られた加算結果ベクトルの方向を風方向情報とし、前記加算結果ベクトルの大きさを風速情報として前記風情報出力手段に出力する出力制御手段、複数回の試験運用によって得られた加算結果ベクトルにより求められた風方向と風速と、試験運用時に実測した風方向と風速との比較結果に基づき補正係数を求める補正係数取得手段、として機能させることを特徴とする風向風速測定用プログラムであって、前記コンピュータを、前記ベクトル加算手段として、前記第2位の風強度情報に補正係数を掛けて第2位の補正風強度情報を得て、この第2位の補正風強度情報を用いてベクトルの加算を行って1つの加算結果ベクトルを得るように機能させることを特徴とする。