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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048910
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 25/08 20060101AFI20230331BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20230331BHJP
【FI】
B62M25/08
B62J45/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158492
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(57)【要約】
【課題】変速装置を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する車輪の回転速度の比率と対応する変速比を変更する変速装置を含み、制御装置は、第1変速条件に応じて前記変速比を変更するように前記変速装置を制御するように構成される制御部を含み、前記制御部は、前記人力駆動車の走行路の前方において、前記走行路の傾斜角度、および、前記人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更するように構成され、前記第2角度は、正の値であり、かつ、前記第1角度よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する車輪の回転速度の比率と対応する変速比を変更する変速装置を含み、
第1変速条件に応じて前記変速比を変更するように前記変速装置を制御するように構成される制御部を含み、
前記制御部は、前記人力駆動車の走行路の前方において、前記走行路の傾斜角度、および、前記人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更するように構成され、
前記第2角度は、正の値であり、かつ、前記第1角度よりも大きい、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第1角度から前記第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度がゼロになるように、前記第1変速条件を変更するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第1角度から前記第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更した後、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第2角度から第3角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第1変速条件を変更するように構成され、
前記第3角度は、前記第2角度よりも小さい、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1角度は、正の値である、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第2角度は、前記第1角度よりも、第1差以上大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1変速条件は、第1閾値を含み、
前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に関する第1パラメータと前記第1閾値との比較に応じて、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1パラメータが前記第1閾値よりも大きい場合、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御するように構成される、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1パラメータの変化量が第1変化閾値よりも大きい場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更するように構成される、請求項6または7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記第1パラメータは、前記クランクの回転速度、前記車輪の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記変速装置は、第2変速条件に応じて前記変速比を変更し、
前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更するように構成され、
前記第5角度は、正の値であり、かつ、前記第4角度よりも大きい、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する車輪の回転速度の比率と対応する変速比を変更する変速装置を含み、
第2変速条件に応じて前記変速比を変更するように前記変速装置を制御するように構成される制御部を含み、
前記制御部は、前記人力駆動車の走行路の前方において、前記走行路の傾斜角度、および、前記人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更するように構成され、
前記第5角度は、正の値であり、かつ、前記第4角度よりも大きい、制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第4角度から前記第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように、前記第2変速条件を変更するように構成される、請求項10または11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第4角度から前記第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更した後、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第5角度から第6角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第2変速条件を変更するように構成され、
前記第6角度は、前記第5角度よりも小さい、請求項10から12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第4角度は、正の値である、請求項10から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記第5角度は、前記第4角度よりも、第2差以上大きい、請求項10から14のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項16】
前記第2変速条件は、第2閾値を含み、
前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に関する第2パラメータと前記第2閾値との比較に応じて、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御するように構成される、請求項10から15のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記第2パラメータが前記第2閾値よりも小さい場合、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御するように構成される、請求項16に記載の制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第2パラメータの変化量が第2変化閾値よりも大きい場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更するように構成される、請求項16または17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記第2パラメータは、前記クランクの回転速度、前記車輪の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項20】
前記制御部は、第1検出部から入力される前方情報に応じて、前記走行路を推定し、
前記人力駆動車の前方の推定した前記走行路における前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つを判定する、請求項1から19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
前記第1検出部は、前記走行路の前方を撮影する撮像装置を含み、
前記前方情報は、画像情報である、請求項20に記載の制御装置。
【請求項22】
前記制御部は、第2検出部から入力される走行情報に応じて、前記走行路における現在の前記傾斜角度、および、前記人力駆動車の現在の前記ピッチ角度の前記少なくとも1つを取得するように構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項23】
前記第2検出部は、傾斜センサを含む、請求項22に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の人力駆動車用の制御装置は、走行状態を検出するセンサの出力に応じて変速装置を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-110402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車の走行状態に応じた制御は実行できるが、周辺環境等については考慮されない。本開示の目的は、変速装置を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する車輪の回転速度の比率と対応する変速比を変更する変速装置を含み、第1変速条件に応じて前記変速比を変更するように前記変速装置を制御するように構成される制御部を含み、前記制御部は、前記人力駆動車の走行路の前方において、前記走行路の傾斜角度、および、前記人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更するように構成され、前記第2角度は、正の値であり、かつ、前記第1角度よりも大きい。
第1側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化する場合、変速比が大きくなるように変速比を変更する頻度を少なくできる。このため、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化する場合のライダの負荷が増加しにくくなるように、変速装置を好適に制御できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第1角度から前記第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度がゼロになるように、前記第1変速条件を変更するように構成される。
第2側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化する場合、変速比が大きくなる変速比の変更を行わないようにできる。
【0007】
本開示の第1または2側面に従う第3側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第1角度から前記第2角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更した後、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第2角度から第3角度に変化する場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第1変速条件を変更するように構成され、前記第3角度は、前記第2角度よりも小さい。
第3側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度から第2角度に変化した後、第2角度から第3角度に変化すると、第1変速条件に応じて細やかに変速比を変更できる。
【0008】
本開示の第1から3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記第1角度は、正の値である。
第4側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが正の値の第1角度から正の値かつ第1角度よりも大きい第2角度に変化する場合、変速比が大きくなるように変速比を変更する頻度を少なくできる。
【0009】
本開示の第1から4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記第2角度は、前記第1角度よりも、第1差以上大きい。
第5側面の制御装置によれば、第2角度が第1角度よりも第1差以上大きくなるような走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つの変化が大きい場合に、変速比が大きくなるように変速比を変更する頻度を少なくできる。
【0010】
本開示の第1から5側面のいずれか1つに従う第6側面の制御装置において、前記第1変速条件は、第1閾値を含み、前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に関する第1パラメータと前記第1閾値との比較に応じて、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御するように構成される。
第6側面の制御装置によれば、第1パラメータと第1閾値との比較に応じて、変速比を大きくできる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1パラメータが前記第1閾値よりも大きい場合、前記変速比が大きくなるように前記変速装置を制御するように構成される。
第7側面の制御装置によれば、第1パラメータが第1閾値よりも大きい場合、変速比を大きくできる。
【0012】
本開示の第6または7側面に従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1パラメータの変化量が第1変化閾値よりも大きい場合、前記変速比が大きくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第1変速条件を変更するように構成される。
第8側面の制御装置によれば、第1パラメータの変化量が第1変化閾値よりも大きい場合、変速比が大きくなるように変速比を変更する頻度を少なくできる。
【0013】
本開示の第6から8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記第1パラメータは、前記クランクの回転速度、前記車輪の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。
第9側面の制御装置によれば、クランクの回転速度、車輪の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つに応じて、変速比が大きくなるように変速比を変更できる。
【0014】
本開示の第1から9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記変速装置は、第2変速条件に応じて前記変速比を変更し、前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更するように構成され、前記第5角度は、正の値であり、かつ、前記第4角度よりも大きい。
第10側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を多くできる。このため、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合のライダの負荷が増加しないように、変速装置を好適に制御できる。
【0015】
本開示の第11側面の制御装置において、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する車輪の回転速度の比率と対応する変速比を変更する変速装置を含み、第2変速条件に応じて前記変速比を変更するように前記変速装置を制御するように構成される制御部を含み、前記制御部は、前記人力駆動車の走行路の前方において、前記走行路の傾斜角度、および、前記人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更するように構成され、前記第5角度は、正の値であり、かつ、前記第4角度よりも大きい。
第11側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を多くできる。このため、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合のライダの負荷が増加しないように、変速装置を好適に制御できる。
【0016】
本開示の第10または11側面に従う第12側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第4角度から前記第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更するように、前記第2変速条件を変更するように構成される。
第12側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化する場合、第2変速条件を変更することによって、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を少なくできる。
【0017】
本開示の第10から12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御装置において、前記制御部は、前記走行路の前方において、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第4角度から前記第5角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更した後、前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つが前記第5角度から第6角度に変化する場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が少なくなるように、前記第2変速条件を変更するように構成され、前記第6角度は、前記第5角度よりも小さい。
第13側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度から第5角度に変化した後、第5角度から第6角度に変化すると、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を少なくできる。このため、ライダが違和感を覚えにくくなる。
【0018】
本開示の第10から13側面のいずれか1つに従う第14側面の制御装置において、前記第4角度は、正の値である。
第14側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つが正の値の第4角度から正の値かつ第4角度よりも大きい第5角度に変化する場合、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を多くできる。
【0019】
本開示の第10から14側面のいずれか1つに従う第15側面の制御装置において、前記第5角度は、前記第4角度よりも、第2差以上大きい。
第15側面の制御装置によれば、第5角度が第4角度よりも第2差以上大きくなるような走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つの変化が大きい場合に、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を多くできる。
【0020】
本開示の第10から15側面のいずれか1つに従う第16側面の制御装置において、前記第2変速条件は、第2閾値を含み、前記制御部は、前記人力駆動車の走行状態に関する第2パラメータと前記第2閾値との比較に応じて、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御するように構成される。
第16側面の制御装置によれば、第2パラメータと第2閾値との比較に応じて、変速比を小さくできる。
【0021】
本開示の第16側面に従う第17側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2パラメータが前記第2閾値よりも小さい場合、前記変速比が小さくなるように前記変速装置を制御するように構成される。
第17側面の制御装置によれば、第2パラメータの変化量が第2変化閾値よりも小さい場合、変速比を小さくできる。
【0022】
本開示の第16または17側面に従う第18側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2パラメータの変化量が第2変化閾値よりも大きい場合、前記変速比が小さくなるように前記変速比を変更する頻度が多くなるように、前記第2変速条件を変更するように構成される。
第18側面の制御装置によれば、第2パラメータの変化量が第2変化閾値よりも大きい場合、変速比が小さくなるように変速比を変更する頻度を多くできる。
【0023】
本開示の第16から18側面のいずれか1つに従う第19側面の制御装置において、前記第2パラメータは、前記クランクの回転速度、前記車輪の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。
第19側面の制御装置によれば、クランクの回転速度、車輪の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つに応じて、変速比が小さくなるように変速比を変更できる。
【0024】
本開示の第1から19側面のいずれか1つに従う第20側面の制御装置において、前記制御部は、第1検出部から入力される前方情報に応じて、前記走行路を推定し、前記人力駆動車の前方の推定した前記走行路における前記傾斜角度、および、前記ピッチ角度の前記少なくとも1つを判定する。
第20側面の制御装置によれば、第1検出部から入力される前方情報によって、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つを好適に判定できる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面の制御装置において、前記第1検出部は、前記走行路の前方を撮影する撮像装置を含み、前記前方情報は、画像情報である。
第21側面の制御装置によれば、画像情報によって、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つを好適に判定できる。
【0026】
本開示の第1から21側面のいずれか1つに従う第22側面の制御装置において、前記制御部は、第2検出部から入力される走行情報に応じて、前記人力駆動車の現在の走行路における前記傾斜角度、および、前記人力駆動車の現在の前記ピッチ角度の前記少なくとも1つを取得するように構成される。
第21側面の制御装置によれば、第2検出部から入力される走行情報によって、現在の走行路の傾斜角度、および、人力駆動車の現在のピッチ角度の少なくとも1つを好適に取得できる。
【0027】
本開示の第22側面に従う第23側面の制御装置において、前記第2検出部は、傾斜センサを含む。
第23側面の制御装置によれば、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つを傾斜センサによって好適に取得できる。
【発明の効果】
【0028】
本開示の人力駆動車用の制御装置は、変速装置を好適に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図である。
図2図1の人力駆動車用の制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】前方画像の一例を模式的に示す模式図である。
図4図2の制御部によって実行され、第1変速条件に応じて変速装置を制御する処理のフローチャートである。
図5図2の制御部によって実行され、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つに応じて第1変速条件を変更する処理のフローチャートである。
図6図2の制御部によって実行され、第2変速条件に応じて変速装置を制御する処理のフローチャートである。
図7図2の制御部によって実行され、走行路の傾斜角度、および、人力駆動車のピッチ角度の少なくとも1つに応じて第2変速条件を変更する処理のフローチャートである。
図8】第2実施形態の制御部によって実行され、第1パラメータの変化量に応じて第1変速条件を変更するように変速装置を制御する処理のフローチャートである。
図9】第2実施形態の制御部によって実行され、第2パラメータの変化量に応じて第2変速条件を変更するように変速装置を制御する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<第1実施形態>
図1から図7を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の制御装置50が説明される。以下では、人力駆動車用の制御装置50を、制御装置50と呼称する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪14を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪14の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪14を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電気モータによって推進が補助されるマウンテンバイクとして説明する。
【0031】
図1に示すように、人力駆動車10は、クランク12と、少なくとも1つの車輪14と、車体16と、を備える。クランク12は、入力回転軸12A、クランクアーム12B、および、ペダル12Cを含む。入力回転軸12Aは、クランク12に含まれるクランク軸である。クランクアーム12Bは、入力回転軸12Aに連結する。ペダル12Cは、クランクアーム12Bに連結する。ペダル12Cに人力駆動力が入力されると、クランク12が回転する。少なくとも1つの車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18を含む。車体16には、フレーム18に対して回転可能な入力回転軸12Aが設けられる。後輪14Aは、フレーム18に支持される。本実施形態では、後輪14Aは、駆動機構20によって、クランク12に連結される。後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。
【0032】
駆動機構20は、第1回転体22を含む。第1回転体22は、入力回転軸12Aに連結される。第1回転体22は、入力回転軸12Aと一体回転するように連結される。第1回転体22は、フロントスプロケットを含む。第1回転体22は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。
【0033】
駆動機構20は、第2回転体24と連結部材26とを含む。第2回転体24は、後輪14Aに連結される。第2回転体24は、リアスプロケットを含む。第2回転体24は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。連結部材26は、第1回転体22の回転力を第2回転体24に伝達する。連結部材26は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0034】
フレーム18には、フロントフォーク28を介して前輪14Bが取り付けられる。フロントフォーク28には、ハンドルバー30がステム32を介して連結される。フレーム18には、シートポスト34が取り付けられる。シートポスト34には、サドル34Aが設けられる。
【0035】
人力駆動車10は、変速装置36を含む。変速装置36は、人力駆動車10のクランク12の回転速度に対する車輪14の回転速度の比率と対応する変速比Rを変更する。変速装置36は、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御装置50と通信可能に構成される。
【0036】
変速装置36は、人力駆動力の伝達経路に設けられる。変速比Rは、変速装置36に入力される入力回転速度に対する、変速装置36が出力する出力回転速度の比率によって表される。変速比Rを式によって表すと、“変速比R=出力回転速度/入力回転速度”である。本実施形態では、変速装置36は、ディレーラ36Aと、複数のスプロケット36Bとを有する。複数のスプロケット36Bは、回転軸心を有し、回転軸心の延びる方向に並ぶ。ディレーラ36Aがリアディレーラである場合、複数のスプロケット36Bは、第2回転体24を含む。ディレーラ36Aがフロントディレーラである場合、複数のスプロケット36Bは、第1回転体22を含む。変速装置36がディレーラ36Aである場合、入力回転速度は、第1回転体22の回転速度に対応する。変速装置36がディレーラ36Aである場合、出力回転速度は、第2回転体24の回転速度に対応する。変速装置36は、内装変速機であってもよい。
【0037】
変速装置36は、電動アクチュエータを備える。変速装置36がディレーラ36Aである場合、電動アクチュエータは、ディレーラ36Aに設けられて、ディレーラ36Aを動作させる。電動アクチュエータは、ディレーラ36Aおよび内装変速機の少なくとも1つから離れて、例えば、フレーム18に設けられてもよい。電動アクチュエータがフレーム18に設けられる場合、電動アクチュエータは、例えばボーデンケーブルによって、ディレーラ36Aまたは内装変速機の少なくとも1つに接続される。電動アクチュエータは、電気モータおよび減速機を含む。
【0038】
人力駆動車10は、第1検出部38を含む。第1検出部38は、人力駆動車10の前方情報Fを取得する。第1検出部38は、電力線通信、CAN、または、UARTによって制御装置50と通信可能に構成される。第1検出部38は、制御装置50に前方情報Fを入力する。第1検出部38は、人力駆動車10に設けられる。第1検出部38は、フレーム18またはハンドルバー30に設けられる。第1検出部38は、ライダに設けられてもよい。この場合、第1検出部38は、ライダが着用するヘルメットに設けられてもよい。
【0039】
図2および図3に示すように、例えば、第1検出部38は、撮像装置38Aを含む。撮像装置38Aは、走行路Yの前方を撮影する。撮像装置38Aは、例えばカメラを含む。例えば、前方情報Fは、画像情報である。撮像装置38Aは、制御装置50に画像情報を送信する。撮像装置38Aは、周期的に画像情報を取得し、制御装置50に画像情報を送信する。撮像装置38Aは、ライダによる任意の状況において、画像情報を取得するように構成されてもよい。撮像装置38Aは、人力駆動車10の前方の画像を撮影可能に設けられる。撮像装置38Aは、人力駆動車10の前方とは異なる方向の画像情報を同時に撮影可能なものであってもよい。撮像装置38Aは、人力駆動車10の周囲において全周を撮影可能なものであってもよい。
【0040】
図1および図2に示すように、人力駆動車10は、第2検出部40を含む。第2検出部40は、電力線通信、CAN、または、UARTによって制御装置50と通信可能に構成される。第2検出部40は、人力駆動車10の走行情報を検出する。例えば、第2検出部40は、傾斜センサ40Aを含む。人力駆動車10の走行情報は、人力駆動車10のピッチ角度を含む。第2検出部40は、車速センサ40Bおよびトルクセンサ40Cの少なくとも1つを含む。人力駆動車10の走行状態は、人力駆動車10のクランク12の回転速度、人力駆動車10の車輪14の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。
【0041】
傾斜センサ40Aは、人力駆動車10のピッチ角度を検出する。傾斜センサ40Aは、人力駆動車10のピッチ角度に応じた信号を制御装置50に出力する。傾斜センサ40Aは、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、および、GPS(Global Positioning System)センサの少なくとも1つを含む。GPSセンサは、道路勾配に関する情報を含む地図情報を予め記憶し、人力駆動車10の現在地の道路勾配をピッチ角度として検出する。
【0042】
車速センサ40Bは、クランク12および車輪14の少なくとも1つの回転速度を検出する。車速センサ40Bは、クランク12および車輪14の少なくとも1つの回転速度に応じた信号を制御装置50に出力する。例えば、車速センサ40Bは、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪14の回転速度に関する情報を検出するように構成される。車速センサ40Bは、例えば、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪14に設けられる磁石を検出するように構成される。車速センサ40Bは、例えば、人力駆動車10のクランク12に設けられる磁石を検出するように構成される。車速センサ40Bは、例えばリードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子などの磁気センサを含む。
【0043】
トルクセンサ40Cは、人力駆動車10に与えられる人力駆動力を検出する。人力駆動力は、例えば、ペダル12Cに入力される力である。トルクセンサ40Cは、人力駆動力に応じた信号を制御装置50に出力する。トルクセンサ40Cは、歪センサまたは磁歪センサを含む。トルクセンサ40Cは、入力回転軸12Aと第1回転体22との間の動力伝達経路に設けられる。
【0044】
人力駆動車10は、制御装置50を含む。制御装置50は、第1検出部38から前方情報Fを取得可能に構成される。制御装置50は、第2検出部40から人力駆動車10の走行情報を取得可能に構成される。制御装置50は、制御部52を含む。制御部52は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部52に含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部52に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部52は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0045】
例えば、制御部52は、第1検出部38から入力される前方情報Fに応じて、走行路Yを推定する。例えば、制御部52は、走行路Yを推定する走行路推定部54を含む。例えば、走行路推定部54は、人工知能処理部54Aを備える。人工知能処理部54Aは、例えば、ソフトウェアを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されているソフトウェアを実行する演算処理装置と、を備える。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、好ましくは、CPUまたはMPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)を含んでいる。演算処理装置は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでいてもよい。人工知能処理部54Aは、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。人工知能処理部54Aは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0046】
記憶装置は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0047】
記憶装置は、学習モデルを記憶する。学習モデルは、予め定める学習アルゴリズムによって学習された学習済みのモデルであってもよく、学習アルゴリズムによって更新されるよう構成されるものであってもよい。学習アルゴリズムは、機械学習、深層学習、または、深層強化学習を含む。学習アルゴリズムは、例えば、教師あり学習、教師なし学習、および、強化学習の少なくとも1つを含む。学習アルゴリズムとしては、人工知能の分野に属する手法を用いて学習モデルを更新させるように構成されていれば、本明細書に記載されている手法以外の手法を用いてもよい。学習モデルを更新させるための学習処理は、好ましくは、GPUによって行われる。学習アルゴリズムは、ニューラルネットワーク(NN;Neural Network)を用いてもよい。学習アルゴリズムは、リカレントニューラルネットワーク(RNN;Recurrent Neural Network)を用いてもよい。
【0048】
学習モデルは、入力層、少なくとも1つの中間層、および、出力層を含む。入力層には、前方画像F1に関する情報が入力される。中間層は、畳み込み層、プーリング層、および、全結合層を含む。出力層は、走行路Yの走行環境を出力する。学習モデルは、前方画像F1に関する情報と、走行路Yの走行環境との関係を記憶する。
【0049】
図3に示すように、前方画像F1に関する情報は、例えば、前方画像F1のうち、走行路Yと推定される区画に関する情報である。走行路Yと推定される区画に関する情報は、走行路Yと推定される区画の大きさ、走行路Yと推定される区画の色、および、走行路Yと推定される区画の形状の少なくとも1つを含む。学習モデルは、例えば、走行路Yを含む画像のうち走行路Yである区画と、走行路Yの走行環境との関係を記憶するように、学習アルゴリズムによって更新される。走行路Yの走行環境は、路面状態、障害物、走行時間、土地、および、天候の少なくとも1つを含む。路面状態は、路面傾斜、芝生、舗装路、および、未舗装路の少なくとも1つを含む。障害物は、盛り土M1、木の根、段差、および、乗り越え可能な壁の少なくとも1つを含む。走行時間は、昼間、および、夜間の少なくとも1つを含む。土地は、街、森M2、および、砂漠の少なくとも1つを含む。天候は、晴れ、雨、および、霧の少なくとも1つを含む。例えば、図3は、前方画像F1の一例である。図3は、土地が森M2であって、障害物が盛り土M1を含む走行路Yに関する画像情報である。
【0050】
本実施形態では、走行路推定部54は、前方画像F1から、走行路Yの路面傾斜および障害物の少なくとも1つを推定する。例えば、制御部52は、人力駆動車10の前方の推定した走行路Yにおける傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つを判定する。制御部52は、推定した走行路Yの路面傾斜および障害物の少なくとも1つから、推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つを判定する。例えば、制御部52は、路面傾斜の角度を、推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つと判定する。例えば、制御部52は、人力駆動車10が障害物に乗り上げた場合の人力駆動車10のピッチ角度を推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つと判定する。
【0051】
例えば、制御部52は、第2検出部40から入力される走行情報に応じて、走行路Yにおける現在の傾斜角度、および、人力駆動車10の現在のピッチ角度の少なくとも1つを取得するように構成される。例えば、制御部52は、傾斜センサ40Aが検出した人力駆動車10のピッチ角度を、走行路Yにおける現在の傾斜角度、および、人力駆動車10の現在のピッチ角度の少なくとも1つとして取得する。
【0052】
例えば、制御装置50は、記憶部56を備える。記憶部56には、予め定める制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部56は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。
【0053】
制御部52は、変速装置36を制御するように構成される。例えば、制御部52は、電動装置制御部58を含む。電動装置制御部58は、変速比Rを変更するように変速装置36を制御する。制御部52は、第1変速条件A1に応じて変速比Rを変更するように変速装置36を制御するように構成される。第1変速条件A1は、変速装置36の変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更するために設定される変速条件である。例えば、第1変速条件A1は、第1閾値T1を含む。第1閾値T1は、複数の第1閾値T1を含んでもよい。複数の第1閾値T1は、変速装置36の変速比Rごとに設定される。複数の第1閾値T1は、変速装置36の変速比Rと対応して記憶部56に記憶される。
【0054】
例えば、制御部52は、第1パラメータP1と第1閾値T1との比較に応じて、変速比Rが大きくなるように変速装置36を制御するように構成される。第1パラメータP1は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータである。例えば、第1パラメータP1は、クランク12の回転速度、車輪14の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。第1閾値T1は、第1パラメータP1と対応して設定される。第1パラメータP1が人力駆動車10のクランク12の回転速度である場合、第1閾値T1はクランク12の回転速度に関する値である。第1パラメータP1が人力駆動車10の車輪14の回転速度である場合、第1閾値T1は車輪14の回転速度に関する値である。第1パラメータP1が人力駆動力である場合、第1閾値T1は人力駆動力に関する値である。人力駆動力は、トルクによって表されてもよく、仕事率によって表されてもよい。
【0055】
例えば、制御部52は、第1パラメータP1が第1閾値T1よりも大きい場合、変速比Rが大きくなるように変速装置36を制御するように構成される。この場合、例えば、第1パラメータP1は、ライダの負荷が増加すると小さくなるパラメータである。ライダの負荷が増加すると小さくなるパラメータは、例えば、クランク12の回転速度、車輪14の回転速度、および、人力駆動車10の車速の少なくとも1つを含む。
【0056】
制御部52は、第1パラメータP1が第1閾値T1よりも小さい場合、変速比Rが大きくなるように変速装置36を制御するように構成されてもよい。この場合、例えば、第1パラメータP1は、ライダの負荷が増加すると大きくなるパラメータである。ライダの負荷が増加すると大きくなるパラメータは、例えば、人力駆動力である。
【0057】
図4のフローチャートを参照して、制御部52が第1変速条件A1に応じて変速装置36を制御する処理を説明する。制御部52は、例えば、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部52は、図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0058】
ステップS11において、制御部52は、第1パラメータP1を取得し、ステップS12に移行する。例えば、制御部52は、人力駆動車10の走行情報に応じて、第1パラメータP1を取得する。ステップS12において、制御部52は、第1パラメータP1が第1閾値T1よりも大きいか否かを判定する。制御部52は、第1パラメータP1が第1閾値T1よりも大きい場合、ステップS13に移行する。制御部52は、第1パラメータP1が第1閾値T1よりも大きくない場合、処理を終了する。
【0059】
ステップS13において、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更可能か否かを判定する。制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更可能である場合、ステップS14に移行する。制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更可能ではない場合、処理を終了する。ステップS14において、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更するように変速装置36を制御し、処理を終了する。
【0060】
制御部52は、人力駆動車10の走行路Yの前方において、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更するように構成される。例えば、制御部52は、第1閾値T1が大きくなるように第1閾値T1を変更することによって、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度を少なくする。
【0061】
例えば、制御部52は、走行路Yの前方において、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度がゼロになるように、第1変速条件A1を変更するように構成される。例えば、制御部52は、第1閾値T1が大きくなるように第1閾値T1を変更することによって、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度をゼロにする。制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更することを禁止することによって変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度をゼロにしてもよい。
【0062】
例えば、第1角度X1は、正の値である。走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1の場合、走行路Yは、登り坂である。第1角度X1は、負の値であってもよく、ゼロであってもよい。制御部52は、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを第1角度X1としてもよい。例えば、制御部52は、傾斜センサ40Aから入力された現在の人力駆動車10のピッチ角度を、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを第1角度X1とする。第1角度X1が正の値である場合、かつ、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを第1角度X1とする場合、制御部52は、現在の走行路Yが下り坂および平道の場合は、第1変速条件A1を変更しないように構成されてもよい。
【0063】
第2角度X2は、正の値であり、かつ、第1角度X1よりも大きい。走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2の場合、走行路Yは、登り坂である。例えば、第2角度X2は、第1角度X1よりも、第1差以上大きい。例えば、制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1差以上大きくなる場合に、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化すると判定してもよい。この場合、制御部52は、前方画像F1から推定した走行路Yにおいて、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する位置を特定する。
【0064】
第2角度X2が、正の値であり、かつ、第1角度X1よりも大きい場合は、例えば、走行路Yの前方に障害物等がある場合と対応する。障害物等は、盛り土M1、木の根、段差、および、乗り越え可能な壁を含む。例えば、第1差は、走行路Yの前方に障害物および段差等と対応するような値が設定される。制御部52は、前方画像F1によって、走行路Yの前方に障害物等がある場合、第2角度X2が第1角度X1よりも第1差以上である判定してもよい。制御部52は、前方画像F1によって、走行路Yの前方に障害物等がある場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更するように構成されてもよい。
【0065】
例えば、制御部52は、走行路Yの前方において、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更した後、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化する場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第1変速条件A1を変更するように構成される。例えば、第3角度X3は、第2角度X2よりも小さい。例えば、第3角度X3は、第2角度X2よりも、所定差以上小さい。所定差は、走行路Yの前方にあった障害物等を乗り越えたことを、制御部52が判定できる角度が設定される。第3角度X3は、第1角度X1よりも小さくてもよく、第1角度X1と同じ角度でもよく、第1角度X1よりも大きくてもよい。
【0066】
例えば、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化した後の第1変速条件A1は、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する前の第1変速条件A1と、同じである。傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化した後の第1変速条件A1は、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する前の第1変速条件A1と、異なってもよい。傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化した後の第1変速条件A1は、第3角度X3に応じて決定されてもよい。
【0067】
図5のフローチャートを参照して、制御部52が第1変速条件A1を変更する処理を説明する。制御部52は、例えば、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部52は、図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0068】
ステップS21において、制御部52は、前方画像F1が入力されたか否かを判定する。制御部52は、前方画像F1が入力されたと判定した場合、ステップS22に移行する。制御部52は、前方画像F1が入力されていないと判定した場合、処理を終了する。
【0069】
ステップS22において、制御部52は、走行路Yを推定し、推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つを判定し、ステップS23に移行する。制御部52は、ステップS22において、推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つを判定する。
【0070】
ステップS23において、制御部52は、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化するか否かを判定する。例えば、制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1差以上大きくなる場合、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化すると判定する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化すると判定した場合、ステップS24に移行する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化しないと判定した場合、処理を終了する。
【0071】
ステップS24において、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更し、ステップS25に移行する。例えば、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1閾値T1を変更する。例えば、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度がゼロになるように、第1閾値T1が大きくなるように第1閾値T1を変更する。
【0072】
ステップS25において、制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化するか否かを判定する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化すると判定した場合、ステップS26に移行する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第2角度X2から第3角度X3に変化しないと判定した場合、ステップS25の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS26において、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第1変速条件A1を変更し、処理を終了する。例えば、制御部52は、第1変速条件A1を、ステップS24において変更する前の第1変速条件A1に変更する。例えば、制御部52は、第1閾値T1を、第3角度X3に応じた第1閾値T1に変更してもよい。
【0074】
例えば、制御部52は、第2変速条件A2に応じて変速比Rを変更するように変速装置36を制御するように構成される。第2変速条件A2は、変速装置36の変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更するために設定される変速条件である。例えば、第2変速条件A2は、第2閾値T2を含む。第2閾値T2は、複数の第2閾値T2を含んでもよい。複数の第2閾値T2は、変速装置36の変速比Rごとに設定される。複数の第2閾値T2は、変速装置36の変速比Rと対応して記憶部56に記憶される。
【0075】
例えば、制御部52は、第2パラメータP2と第2閾値T2との比較に応じて、変速比Rが小さくなるように変速装置36を制御するように構成される。第2パラメータP2は、人力駆動車10の走行状態に関するパラメータである。例えば、第2パラメータP2は、クランク12の回転速度、車輪14の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。例えば、第2パラメータP2は、第1パラメータP1と等しい。第2パラメータP2が第1パラメータP1と等しい場合、例えば、制御部52は、第1パラメータP1が第1閾値T1と第2閾値T2との間になるように変速比Rを変更するように変速装置36を制御するように構成される。第2パラメータP2は、第1パラメータP1と異なっていてもよい。
【0076】
第2閾値T2は、第2パラメータP2と対応して設定される。第2パラメータP2が人力駆動車10のクランク12の回転速度である場合、第2閾値T2はクランク12の回転速度に関する値である。第2パラメータP2が人力駆動車10の車輪14の回転速度である場合、第2閾値T2は車輪14の回転速度に関する値である。第2パラメータP2が人力駆動力を含む場合、第2閾値T2は人力駆動力に関する値である。
【0077】
例えば、制御部52は、第2パラメータP2が第2閾値T2よりも小さい場合、変速比Rが小さくなるように変速装置36を制御するように構成される。この場合、例えば、第2パラメータP2は、ライダの負荷が増加すると小さくなるパラメータである。
【0078】
制御部52は、第2パラメータP2が第2閾値T2よりも大きい場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更するように変速装置36を制御するように構成されてもよい。この場合、例えば、第2パラメータP2は、ライダの負荷が増加すると大きくなるパラメータである。
【0079】
図6のフローチャートを参照して、制御部52が第2変速条件A2に応じて変速装置36を制御する処理を説明する。制御部52は、例えば、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図6に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部52は、図6のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0080】
ステップS31において、制御部52は、第2パラメータP2を取得し、ステップS32に移行する。例えば、制御部52は、人力駆動車10の走行情報に応じて、第2パラメータP2を取得する。ステップS32において、制御部52は、第2パラメータP2が第2閾値T2よりも小さいか否かを判定する。制御部52は、第2パラメータP2が第2閾値T2よりも小さい場合、ステップS33に移行する。制御部52は、第2パラメータP2が第2閾値T2よりも小さくない場合、処理を終了する。
【0081】
ステップS33において、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更可能か否かを判定する。制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更可能である場合、ステップS34に移行する。制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更可能ではない場合、処理を終了する。ステップS34において、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更するように変速装置36を制御し、処理を終了する。
【0082】
例えば、制御部52は、人力駆動車10の走行路Yの前方において、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更するように構成される。例えば、制御部52は、第2閾値T2が大きくなるように第2閾値T2を変更することによって変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度を多くするように構成される。
【0083】
例えば、制御部52は、走行路Yの前方において、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する場合、変速比Rが小さくなるように、第2変速条件A2を変更するように構成される。制御部52は、走行路Yの前方において、第2閾値T2が大きくなるように第2閾値T2を変更することによって変速比Rが小さくなるように構成される。例えば、制御部52は、走行路Yの前方において、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する場合、第2閾値T2を現在の第2パラメータP2よりも大きくすることによって、変速比Rが小さくなるように第2変速条件A2を変更する。例えば、制御部52は、走行路Yの前方において、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する場合、第2パラメータP2および第2閾値T2に関わらず、変速比Rが小さくなるように第2変速条件A2を変更し、かつ、変速比Rが大きくなる変速比Rの変更を禁止してもよい。
【0084】
例えば、第4角度X4は、正の値である。走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1の場合、走行路Yは、登り坂である。第4角度X4は、第1角度X1と同じ角度でもよい。第4角度X4は、負の値であってもよく、ゼロであってもよい。制御部52は、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを第4角度X4としてもよい。例えば、制御部52は、傾斜センサ40Aから入力された現在の人力駆動車10のピッチ角度を、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを第4角度X4とする。第4角度X4が正の値である場合、かつ、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを第4角度X4とする場合、制御部52は、現在の走行路Yが下り坂および平道の場合は、第2変速条件A2を変更しないように構成されてもよい。
【0085】
第5角度X5は、正の値であり、かつ、第4角度X4よりも大きい。走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5の場合、走行路Yは、登り坂である。例えば、第5角度X5は、第4角度X4よりも、第2差以上大きい。例えば、制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第2差以上大きくなる場合に、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化すると判定してもよい。この場合、制御部52は、前方画像F1から推定した走行路Yにおいて、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する位置を特定する。第5角度X5は、第2角度X2と同じ角度でもよい。第2差は、第1差と同じ角度でもよい。
【0086】
第5角度X5が、正の値であり、かつ、第4角度X4よりも大きい場合は、例えば、走行路Yの前方に障害物等がある場合と対応する。例えば、第2差は、走行路Yの前方に障害物および段差等と対応するような値が設定される。制御部52は、前方画像F1によって、走行路Yの前方に障害物等がある場合、第5角度X5が第4角度X4よりも第2差以上である判定してもよい。制御部52は、前方画像F1によって、走行路Yの前方に障害物等がある場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更するように構成されてもよい。
【0087】
例えば、制御部52は、走行路Yの前方において、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更した後、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化する場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第2変速条件A2を変更するように構成される。例えば、第6角度X6は、第5角度X5よりも小さい。例えば、第6角度X6は、第5角度X5よりも、所定差以上小さい。所定差は、走行路Yの前方にあった障害物等を乗り越えたことを、制御部52が判定できる角度が設定される。第6角度X6は、第4角度X4よりも小さくてもよく、第4角度X4と同じ角度でもよく、第4角度X4よりも大きくてもよい。第6角度X6は、第3角度X3と同じ角度でもよい。
【0088】
傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化した後の第2変速条件A2は、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する前の第2変速条件A2と、同じになるように構成される。傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化した後の第2変速条件A2は、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する前の第2変速条件A2と、異なってもよい。例えば、傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化した後の第2変速条件A2は、第6角度X6に応じて決定される。
【0089】
図7のフローチャートを参照して、制御部52が第2変速条件A2を変更する処理を説明する。制御部52は、例えば、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図7に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部52は、図7のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0090】
ステップS41において、制御部52は、前方画像F1が入力されたか否かを判定する。制御部52は、前方画像F1が入力されたと判定した場合、ステップS42に移行する。制御部52は、前方画像F1が入力されていないと判定した場合、処理を終了する。
【0091】
ステップS42において、制御部52は、走行路Yを推定し、推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つを判定し、ステップS43に移行する。制御部52は、ステップS42において、推定した走行路Yの前方における傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つを判定する。
【0092】
ステップS43において、制御部52は、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化するか否かを判定する。例えば、制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第2差以上大きくなる場合、現在の走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化すると判定する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化すると判定した場合、ステップS44に移行する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化しないと判定した場合、処理を終了する。
【0093】
ステップS44において、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更し、ステップS45に移行する。例えば、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2閾値T2を変更する。例えば、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更するように、第2閾値T2が大きくなるように第2閾値T2を変更する。
【0094】
ステップS45において、制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化するか否かを判定する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化すると判定した場合、ステップS46に移行する。制御部52は、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第5角度X5から第6角度X6に変化しないと判定した場合、ステップS45の処理を繰り返す。
【0095】
ステップS46において、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第2変速条件A2を変更し、処理を終了する。例えば、制御部52は、第2変速条件A2を、ステップS44において変更する前の第2変速条件A2に変更する。例えば、制御部52は、第2閾値T2を、第6角度X6に応じた第2閾値T2に変更してもよい。
【0096】
障害物等によって路面傾斜が急に大きくなる場合に、変速比Rが大きいと、ライダの負荷が大きくなる。本実施形態の制御装置50は、走行路Yの前方において傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが大きく変化する場合に、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度を少なくするため、例えば、障害物等を乗り越えるためにライダが人力駆動力を増加させても変速比Rが大きくなりにくい。このため、実際に人力駆動車10が障害物等を乗り越える場合にライダの負荷が大きくなりにくい。
【0097】
本実施形態の制御装置50は、走行路Yの前方において傾斜角度、および、ピッチ角度の少なくとも1つが大きく変化する場合に、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度を多くするため、実際に人力駆動車10が障害物等を乗り越える場合にライダが軽い負荷によって障害物等を乗り越えできる。
【0098】
<第2実施形態>
図8および図9を参照して、第2実施形態の制御装置50について説明する。第2実施形態の制御装置50は、図8および図9の処理を実行する点以外は第1実施形態の制御装置50と同様である。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0099】
本実施形態では、制御部52は、第1実施形態の構成に加え、第1パラメータP1の変化量に応じて、第1変速条件A1を変更するように構成される。制御部52は、人力駆動車10の走行情報に応じて、第1パラメータP1の変化量を取得する。第1パラメータP1の変化量は、例えば、第1所定期間において、第1パラメータP1が変化した量である。第1所定期間は、例えば、瞬間的な第1パラメータP1の変化を検出できる期間が設定される。第1所定期間は、人力駆動車10の車速に応じて変更可能に構成されてもよい。この場合、人力駆動車10の車速が速いほど、第1所定期間は短く設定される。
【0100】
本実施形態では、制御部52は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きい場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更するように構成される。第1変化閾値C1は、正の値である。例えば、人力駆動車10のクランク12の回転速度が速く変化した場合、第1パラメータP1の変化量は正の値である。例えば、人力駆動車10の車輪14の回転速度が速く変化した場合、第1パラメータP1の変化量は正の値である。例えば、人力駆動力が大きく変化した場合、第1パラメータP1の変化量は正の値である。第1変化閾値C1は、複数の第1変化閾値C1を含んでもよい。複数の第1変化閾値C1は、変速装置36の変速比Rごとに設定される。
【0101】
例えば、制御部52は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きい場合、図5の処理によって変更された第1閾値T1をさらに大きくする。制御部52は、第1パラメータP1の変化量および図5の処理によって大きくした第1閾値T1を用いて図4のステップS12の処理を実行する。制御部52は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きい場合、変更される第1閾値T1と、図5の処理によって変更される第1閾値T1とを比較して、大きい方の第1閾値T1を第1変速条件A1に用いるようにしてもよい。
【0102】
例えば、制御部52は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きい場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更した後、第1パラメータP1の変化量が所定変化閾値CVよりも小さい場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第1変速条件A1を変更するように構成される。例えば、所定変化閾値CVは、負の値である。例えば、人力駆動車10のクランク12の回転速度が遅く変化した場合、第1パラメータP1の変化量は負の値である。例えば、人力駆動車10の車輪14の回転速度が遅く変化した場合、第1パラメータP1の変化量は負の値である。例えば、人力駆動力が小さく変化した場合、第1パラメータP1の変化量は負の値である。
【0103】
図8のフローチャートを参照して、制御部52が変速装置36を制御する処理を説明する。制御部52は、例えば、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図8に示すフローチャートのステップS51に移行する。制御部52は、図8のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS51からの処理を繰り返す。
【0104】
ステップS51において、制御部52は、第1パラメータP1の変化量を取得し、ステップS52に移行する。
【0105】
ステップS52において、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きいか否かを判定する。制御部52は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きい場合、ステップS53に移行する。制御部52は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1よりも大きくない場合、処理を終了する。
【0106】
ステップS53において、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更し、ステップS54に移行する。例えば、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度がゼロになるように、第1変速条件A1を変更する。例えば、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度がゼロになるように、第1閾値T1が大きくなるように第1閾値T1を変更する。
【0107】
ステップS54において、制御部52は、第1パラメータP1の変化量が所定変化閾値CVよりも小さいか否かを判定する。制御部52は、第1パラメータP1の変化量が所定変化閾値CVよりも小さいと判定した場合、ステップS55に移行する。制御部52は、第1パラメータP1の変化量が所定変化閾値CVよりも大きいと判定した場合、ステップS54の処理を繰り返す。
【0108】
ステップS55において、制御部52は、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第1変速条件A1を変更し、処理を終了する。例えば、制御部52は、第1変速条件A1を、ステップS53において変更する前の第1変速条件A1に変更する。例えば、制御部52は、第1閾値T1を、第3角度X3に応じた第1閾値T1に変更してもよい。
【0109】
本実施形態では、制御部52は、第1実施形態の構成に加え、第2パラメータP2の変化量に応じて、第2変速条件A2を変更するように構成される。制御部52は、人力駆動車10の走行情報に応じて、第2パラメータP2の変化量を取得する。第2パラメータP2の変化量は、例えば、第2所定期間において、第2パラメータP2が変化した量である。第2所定期間は、例えば、瞬間的な第2パラメータP2の変化を検出できる期間が設定される。第2所定時間は、人力駆動車10の車速に応じて変更可能に構成されてもよい。この場合、人力駆動車10の車速が速いほど、第2所定期間は短く設定される。
【0110】
例えば、制御部52は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きい場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更するように構成される。第2変化閾値C2は、正の値である。例えば、人力駆動車10のクランク12の回転速度が速く変化した場合、第2パラメータP2の変化量は正の値である。例えば、人力駆動車10の車輪14の回転速度が速く変化した場合、第2パラメータP2の変化量は正の値である。例えば、人力駆動力が大きく変化した場合、第2パラメータP2の変化量は正の値である。第2変化閾値C2は、複数の第2変化閾値C2を含んでもよい。複数の第2変化閾値C2は、変速装置36の変速比Rごとに設定される。第2変化閾値C2は、第1変化閾値C1と同じ値でもよい。
【0111】
例えば、制御部52は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きい場合、図7の処理によって変更された第2閾値T2をさらに小さくする。制御部52は、第1パラメータP1の変化量および図7の処理によって小さくした第2閾値T2を用いて図6のステップS32の処理を実行する。制御部52は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きい場合、変更される第2閾値T2と、図7の処理によって変更される第2閾値T2とを比較して、大きい方の第2閾値T2を第2変速条件A2に用いるようにしてもよい。
【0112】
例えば、制御部52は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きい場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更した後、第2パラメータP2の変化量が所定変化閾値CVよりも小さい場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第2変速条件A2を変更するように構成される。例えば、所定変化閾値CVは、負の値である。例えば、人力駆動車10のクランク12の回転速度が遅く変化した場合、第2パラメータP2の変化量は負の値である。例えば、人力駆動車10の車輪14の回転速度が遅く変化した場合、第2パラメータP2の変化量は負の値である。例えば、人力駆動力が小さく変化した場合、第2パラメータP2の変化量は負の値である。
【0113】
図9のフローチャートを参照して、制御部52が変速装置36を制御する処理を説明する。制御部52は、例えば、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図9に示すフローチャートのステップS61に移行する。制御部52は、図9のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS61からの処理を繰り返す。
【0114】
ステップS61において、制御部52は、第2パラメータP2の変化量を取得し、ステップS62に移行する。
【0115】
ステップS62において、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きいか否かを判定する。制御部52は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きい場合、ステップS63に移行する。制御部52は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2よりも大きくない場合、処理を終了する。
【0116】
ステップS63において、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更し、ステップS64に移行する。例えば、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2閾値T2を変更する。例えば、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更するように、第2閾値T2が大きくなるように第2閾値T2を変更する。
【0117】
ステップS64において、制御部52は、第2パラメータP2の変化量が所定変化閾値CVよりも小さいか否かを判定する。制御部52は、第2パラメータP2の変化量が所定変化閾値CVよりも小さいと判定した場合、ステップS65に移行する。制御部52は、第2パラメータP2の変化量が所定変化閾値CVよりも大きいと判定した場合、ステップS64の処理を繰り返す。
【0118】
ステップS65において、制御部52は、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第2変速条件A2を変更し、処理を終了する。例えば、制御部52は、第2変速条件A2を、ステップS63において変更する前の第2変速条件A2に変更する。例えば、制御部52は、第2閾値T2を、第6角度X6に応じた第2閾値T2に変更してもよい。
【0119】
人力駆動車10が障害物等を乗り越える場合に、人力駆動車10のクランク12の回転速度、人力駆動車10の車輪14の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つの変化量が急に大きくなる。第1パラメータP1の変化量が急に変化すると、変速比Rを変更する頻度が多くなり、ライダが違和感を覚えやすい。本実施形態の制御装置50は、第1パラメータP1の変化量が第1変化閾値C1以上大きくなる場合に、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度を少なくするため、ライダが違和感を覚えにくい。
【0120】
本実施形態の制御装置50は、第2パラメータP2の変化量が第2変化閾値C2以上大きくなると、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度を多くするため、人力駆動車10が障害物等を乗り越えるような走行路Yを走行する場合に、ライダの負荷を低減できる。
【0121】
<変形例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0122】
・制御部52は、人力駆動車10の走行路Yの前方において、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第1角度X1から第2角度X2に変化する場合、変速比Rが大きくなるように変速比Rを変更する頻度が少なくなるように、第1変速条件A1を変更するように構成されていれば、他の構成は省略してもよい。この場合、例えば、図7の処理が省略される。
【0123】
・制御部52は、人力駆動車10の走行路Yの前方において、走行路Yの傾斜角度、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つが第4角度X4から第5角度X5に変化する場合、変速比Rが小さくなるように変速比Rを変更する頻度が多くなるように、第2変速条件A2を変更するように構成されていれば、他の構成は省略してもよい。この場合、例えば、図5の処理が省略される。
【0124】
・制御部52は、図5の各ステップに用いられる値の少なくとも1つを学習によって更新するように構成されてもよい。例えば、制御部52は、ライダの変速操作部が操作される場合の第1パラメータP1に応じて、図5の各ステップに用いられる値を更新する。
【0125】
・制御部52は、図7の各ステップに用いられる値の少なくとも1つを学習によって更新するように構成されてもよい。例えば、制御部52は、ライダの変速操作部が操作される場合の第2パラメータP2に応じて、図7の各ステップに用いられる値を更新する。
【0126】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0127】
10…人力駆動車、12…クランク、14…車輪、36…変速装置、38…第1検出部、38A…撮像装置、40…第2検出部、40A…傾斜センサ、50…制御装置、52…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9