(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048912
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20230331BHJP
B62M 25/08 20060101ALI20230331BHJP
B62J 45/41 20200101ALI20230331BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M25/08
B62J45/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158494
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】田河 賢治
(72)【発明者】
【氏名】白井 豊土
(72)【発明者】
【氏名】坂川 優希
(72)【発明者】
【氏名】中島 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】島津 速人
(57)【要約】
【課題】電動装置を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車の電動装置を制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、第1制御状態と、第2制御状態と、の間において制御状態を切り替えて前記電動装置を制御するように構成され、前記人力駆動車の走行路の前方情報を取得できる前方検出部によって取得される前記前方情報に応じて前記走行路の舗装状態を特定するように構成され、前記走行路が舗装路の場合、前記第1制御状態において前記電動装置を制御するように構成され、前記走行路が未舗装路の場合、前記第2制御状態において前記電動装置を制御するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車の電動装置を制御するように構成される制御部を備え、
前記制御部は、
第1制御状態と、第2制御状態と、の間において制御状態を切り替えて前記電動装置を制御するように構成され、
前記人力駆動車の走行路の前方情報を取得できる前方検出部によって取得される前記前方情報に応じて前記走行路の舗装状態を特定するように構成され、
前記走行路が舗装路の場合、前記第1制御状態において前記電動装置を制御するように構成され、
前記走行路が未舗装路の場合、前記第2制御状態において前記電動装置を制御するように構成される、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記前方情報から前記舗装状態を特定する人工知能処理部を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記前方検出部は、撮像装置を含み、
前記前方情報は、前記撮像装置によって取得される前方画像を含む、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記人工知能処理部は、前記前方画像から前記走行路を特定し、特定された前記走行路に基づいて前記舗装状態を特定する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記人工知能処理部は、前記前方画像から前記舗装路に関連する第1特徴物を特定し、特定された前記第1特徴物に基づいて前記舗装状態を特定する、請求項3または4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1特徴物は人工物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つを含む、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記人工知能処理部は、前記前方画像から前記未舗装路に関連する第2特徴物を特定し、特定された前記第2特徴物に基づいて前記舗装状態を特定する、請求項3から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第2特徴物は自然物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記人力駆動車の前方において、前記走行路の前記舗装状態が変化する場合、前記舗装状態が変化する地点までの距離に応じて、前記電動装置を制御するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1制御状態において、前記走行路に関する第1情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2制御状態において、前記走行路に関する第2情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1制御状態において、前記走行路に関する第1情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成され、
前記第2制御状態において、前記走行路に関する第2情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成され、
前記第1情報は、前記第2情報と異なる、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記第2情報は、前記未舗装路の傾斜および前記未舗装路の通過難易度に関する、請求項11または12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記第2情報は、前記前方情報から取得される、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記第1情報は、前記舗装路の傾斜および前記舗装路の通過難易度に関する、請求項10または12に記載の制御装置。
【請求項16】
前記第1情報は、前記前方情報から取得される、請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記電動装置は、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第1制御状態の場合の前記モータによるアシストレベルを、前記第2制御状態の場合の前記アシストレベルと異ならせるように前記モータを制御するように構成され、
前記アシストレベルは、人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、前記人力駆動力が低下する場合における前記モータの出力変化の規制レベル、前記人力駆動力が増加する場合における前記モータの出力の増加速度、および、前記モータの出力の少なくとも1つを含む、請求項17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記電動装置は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する前記人力駆動車の車輪の回転速度の比率である変速比を変更する変速装置を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記第1制御状態の場合に、第1条件によって前記変速装置を制御し、第2制御状態の場合に、前記第1条件とは異なる第2条件によって前記変速装置を制御する、請求項19に記載の制御装置。
【請求項21】
前記電動装置は、電動アジャスタブルシートポストをさらに含み、
前記電動アジャスタブルシートポストは、前記人力駆動車のシートポストの高さを制御できるように構成され、
前記制御部は、前記制御状態に応じて、前記高さを変更するように前記電動アジャスタブルシートポストを制御するように構成される、請求項1から20のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項22】
前記電動装置は、サスペンション装置をさらに含み、
前記制御部は、前記制御状態に応じて、前記サスペンション装置のストローク長、反発力、および、減衰力の少なくとも1つを制御するように構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車の走行状態に応じて電動装置を制御できるが、周辺環境については考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、電動装置を好適に制御できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車の電動装置を制御するように構成される制御部を備え、前記制御部は、第1制御状態と、第2制御状態と、の間において制御状態を切り替えて前記電動装置を制御するように構成され、前記人力駆動車の走行路の前方情報を取得できる前方検出部によって取得される前記前方情報に応じて前記走行路の舗装状態を特定するように構成され、前記走行路が舗装路の場合、前記第1制御状態において前記電動装置を制御するように構成され、前記走行路が未舗装路の場合、前記第2制御状態において前記電動装置を制御するように構成される。
第1側面の制御装置によれば、前方情報に応じて特定した走行路の舗装状態に応じて制御状態を第1制御状態と第2制御状態との間において切り替えるように電動装置が制御されるため、前方の走行路の舗装状態に応じて電動装置を好適に制御できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記前方情報から前記舗装状態を特定する人工知能処理部を含む。
第2側面の制御装置によれば、人工知能処理部によって走行路の舗装状態を特定できる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記前方検出部は、撮像装置を含み、前記前方情報は、前記撮像装置によって取得される前方画像を含む。
第3側面の制御装置によれば、人工知能処理部は前方画像によって走行路の舗装状態を好適に特定できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の制御状態において、前記人工知能処理部は、前記前方画像から前記走行路を特定し、特定された前記走行路に基づいて前記舗装状態を特定する。
第4側面の制御状態によれば、人工知能処理部によって特定された走行路に基づいて走行路の舗装状態を好適に特定できる。
【0009】
本開示の第3または第4側面に従う第5側面の制御装置において、前記人工知能処理部は、前記前方画像から前記舗装路に関連する第1特徴物を特定し、特定された前記第1特徴物に基づいて前記舗装状態を特定する。
第5側面の制御装置によれば、前方画像から特定される舗装路に関連する第1特徴物によって舗装状態を好適に特定できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記第1特徴物は人工物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つを含む。
第6側面の制御装置によれば、前方画像から特定される未舗装路に関連する自然物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つに応じて舗装状態を好適に特定できる。
【0011】
本開示の第3から第6側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記人工知能処理部は、前記前方画像から前記未舗装路に関連する第2特徴物を特定し、特定された前記第2特徴物に基づいて前記舗装状態を特定する。
第7側面の制御装置によれば、前方画像から特定される未舗装路に関連する第2特徴物によって舗装状態を好適に特定できる。
【0012】
本開示の第7側面に従う第8側面の制御装置において、前記第2特徴物は自然物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つを含む。
第8側面の制御装置によれば、前方画像から特定される舗装路に関連する人工物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つに応じて舗装状態を好適に特定できる。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動車の前方において、前記走行路の前記舗装状態が変化する場合、前記舗装状態が変化する地点までの距離に応じて、前記電動装置を制御するように構成される。
第9側面の制御装置によれば、走行路の舗装状態が変化する場合、舗装状態が変化する地点までの距離に応じて、電動装置を好適に制御できる。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記走行路に関する第1情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成される。
第10側面の制御装置によれば、制御状態が第1制御状態の場合、走行路に関する第1情報によって電動装置を制御できる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御状態において、前記制御部は、前記第2制御状態において、前記走行路に関する第2情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成される。
第11側面の制御状態によれば、制御状態が第2制御状態の場合、走行路に関する第2情報によって電動装置を制御できる。
【0016】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第12側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1制御状態において、前記走行路に関する第1情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成され、前記第2制御状態において、前記走行路に関する第2情報に応じて、前記電動装置を制御するように構成され、前記第1情報は、前記第2情報と異なる。
第12側面の制御装置によれば、制御状態が第1制御状態の場合、走行路に関する第1情報によって電動装置を制御できる。第12側面の制御装置によれば、制御状態が第2制御状態の場合、第1情報とは異なる走行路に関する第2情報によって電動装置を制御できる。
【0017】
本開示の第11または第12側面に従う第13側面の制御装置において、前記第2情報は、前記未舗装路の傾斜および前記未舗装路の通過難易度に関する。
第13側面の制御装置によれば、制御状態が第2制御状態の場合、未舗装路の傾斜および未舗装路の通過難易度に関する第2情報に応じて、電動装置を制御できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面の制御装置において、前記第2情報は、前記前方情報から取得される。
第14側面の制御装置によれば、制御状態が第2制御状態の場合、前方情報から取得される、未舗装路の傾斜および未舗装路の通過難易度に関する第2情報に応じて、電動装置を制御できる。
【0019】
本開示の第10または第12側面に従う第15側面の制御装置において、前記第1情報は、前記舗装路の傾斜および前記舗装路の通過難易度に関する。
第15側面の制御装置によれば、制御状態が第1制御状態の場合、舗装路の傾斜および舗装路の通過難易度に関する第1情報に応じて、電動装置を制御できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の制御装置において、前記第1情報は、前記前方情報から取得される。
第16側面の制御装置によれば、制御状態が第1制御状態の場合、前方情報から取得される、舗装路の傾斜および舗装路の通過難易度に関する第1情報に応じて、電動装置を制御できる。
【0021】
本開示の第1から第16側面に従う第17側面の制御装置において、前記電動装置は、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを含む。
第17側面の制御装置によれば、走行路の舗装状態に応じて好適にモータを制御できる。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1制御状態の場合の前記モータによるアシストレベルを、前記第2制御状態の場合の前記アシストレベルと異ならせるように前記モータを制御するように構成され、前記アシストレベルは、人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、前記人力駆動力が低下する場合における前記モータの出力変化の規制レベル、前記人力駆動力が増加する場合における前記モータの出力の増加速度、および、前記モータの出力の少なくとも1つを含む。
第18側面の制御装置によれば、人力駆動力に対するモータによるアシスト力の比率、モータの出力の上限値、人力駆動力が低下する場合におけるモータの出力変化の規制レベル、人力駆動力が増加する場合におけるモータの出力の増加速度、および、モータの出力の少なくとも1つを、制御状態に応じて異ならせるようにできる。
【0023】
本開示の第1から第18側面のいずれか1つに従う第19側面の制御装置において、前記電動装置は、前記人力駆動車のクランクの回転速度に対する前記人力駆動車の車輪の回転速度の比率である変速比を変更する変速装置を含む。
第19側面の制御装置によれば、走行路の舗装状態に応じて好適に変速装置を制御できる。
【0024】
本開示の第19側面に従う第20側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1制御状態の場合に、第1条件によって前記変速装置を制御し、第2制御状態の場合に、前記第1条件とは異なる第2条件によって前記変速装置を制御する。
第20側面の制御装置によれば、走行路が舗装路の場合、第1制御状態において、第1条件によって変速装置を制御できる。第20側面の制御装置によれば、走行路が未舗装路の場合、第2制御状態において、第1条件とは異なる第2条件によって変速装置を制御できる。
【0025】
本開示の第1から第20側面のいずれか1つに従う第21側面の制御装置において、前記電動装置は、電動アジャスタブルシートポストをさらに含み、前記電動アジャスタブルシートポストは、前記人力駆動車のシートポストの高さを制御できるように構成され、前記制御部は、前記制御状態に応じて、前記高さを変更するように前記電動アジャスタブルシートポストを制御するように構成される。
第21側面の制御装置によれば、走行路の舗装状態に応じて電動アジャスタブルシートポストを好適に制御できる。
【0026】
本開示の第1から第21側面に従う第22側面の制御装置において、前記電動装置は、サスペンション装置をさらに含み、前記制御部は、前記制御状態に応じて、前記サスペンション装置のストローク長、反発力、および、減衰力の少なくとも1つを制御するように構成される。
第22側面の制御装置によれば、走行路の舗装状態に応じて、サスペンション装置を好適に制御できる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の人力駆動車用の制御装置によれば、電動装置を好適に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用の制御装置と人力駆動車用のコンポーネントの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2の人工知能処理部に含まれる学習モデルの模式図である。
【
図4】
図2の制御部によって実行される制御状態に応じて電動装置を制御する処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図2の制御部によって実行される制御状態に応じて変速装置を制御する処理を示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態の制御部によって実行される制御状態に応じて電動装置を制御する処理を示すフローチャートである。
【
図7】第3実施形態の制御部によって実行される制御状態に応じてモータおよび変速装置を制御する処理の第1部分を示すフローチャートである。
【
図8】第3実施形態の制御部によって実行される制御状態に応じてモータおよび変速装置を制御する処理の第2部分を示すフローチャートである。
【
図9】第4実施形態の制御部によって実行される制御状態に応じて電動装置を制御する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
図1から
図5を参照して、人力駆動車用の制御装置70が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車を電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車として説明する。
【0030】
本明細書において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車の基準位置(例えば、サドルまたはシート上)においてハンドルバーを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。
【0031】
人力駆動車10は、車体12、クランク14、および、少なくとも1つの車輪16を備える。車体12は、フレーム18を含む。クランク14は、クランク軸20、クランクアーム22、および、ペダル24を含む。クランク軸20は、フレーム18に対して回転可能にフレーム18に設けられる。クランク軸20の両端には、クランクアーム22がそれぞれ設けられる。クランクアーム22の一方の端部は、クランク軸20のそれぞれの端部に連結する。ペダル24は、クランクアーム22の他方の端部に連結する。ペダル24に人力駆動力が入力されると、クランク14が回転する。
【0032】
少なくとも1つの車輪16は、前輪16F、および、後輪16Rを含む。前輪16F、および、後輪16Rは、フレーム18にそれぞれ支持される。本実施形態では、後輪16Rは、駆動機構26によって、クランク14に連結される。例えば、後輪16Rは、クランク14が回転することによって駆動される。
【0033】
駆動機構26は、第1回転体28、第2回転体30、および、連結部材32を含む。例えば、第1回転体28は、フロントスプロケットを含む。例えば、第1回転体28は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。第1回転体28は、クランク軸20と一体回転するように連結されてもよく、第1ワンウェイクラッチに仲介されて連結されてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク14を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に、第1回転体28を前転させる。第1ワンウェイクラッチは、クランク14を人力駆動車10が前進する方向と反対に回転させた場合に、クランク14と第1回転体28との相対回転を許容するように構成される。第1ワンウェイクラッチは、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。
【0034】
第2回転体30は、後輪16Rに連結される。例えば、第2回転体30は、リアスプロケットを含む。第2回転体30は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。例えば、第2回転体30と後輪16Rとの間には、第2ワンウェイクラッチが設けられる。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体30を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に、後輪16Rを前転させる。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体30を人力駆動車10が前進する方向と反対に回転させた場合に、第2回転体30と後輪16Rとの相対回転を許容するように構成される。連結部材32は、第1回転体28、および、第2回転体30に係合し、第1回転体28の回転力を第2回転体30に伝達する。第2ワンウェイクラッチは、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。連結部材32は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0035】
本実施形態では、第1回転体28と、クランク軸20とは、同軸に配置される。第1回転体28と、クランク軸20とは、同軸に配置されなくてもよい。第1回転体28と、クランク軸20とが同軸に配置されない場合、第1回転体28と、クランク軸20とは、第1伝達機構に仲介されて、接続される。第1伝達機構は、ギア、プーリ、チェーン、シャフト、および、ベルトの少なくとも1つを含む。本実施形態では、第2回転体30と、後輪16Rとは、同軸に配置される。第2回転体30と、後輪16Rとは、同軸に配置されなくてもよい。第2回転体30と、後輪16Rとが同軸に配置されない場合、第2回転体30と、後輪16Rとは、第2伝達機構に仲介されて、接続される。第2伝達機構は、ギア、プーリ、チェーン、シャフト、および、ベルトの少なくとも1つを含む。
【0036】
フレーム18には、フロントフォーク34が取り付けられる。フロントフォーク34には、前輪16Fが取り付けられる。フロントフォーク34には、ステム36が取り付けられる。ステム36には、ハンドルバー38が連結される。フレーム18には、シートポスト40が取り付けられる。シートポスト40には、サドルが設けられる。本実施形態では、後輪16Rが駆動機構26によってクランク14に連結されるが、後輪16Rおよび前輪16Fの少なくとも1つが、駆動機構26によってクランク14に連結されてもよい。
【0037】
人力駆動車10は、電動装置42をさらに含む。例えば、電動装置42は、人力駆動車10に推進力を付与するモータ44を含む。モータ44は、1または複数の電気モータを含む。モータ44に含まれる電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。モータ44は、人力駆動車10のフレーム18に設けられる。モータ44は、連結部材32を駆動するように構成される。例えば、モータ44は、第1回転体28に仲介されて連結部材32を駆動する。例えば、モータ44は、クランク14に入力される人力駆動力に応じて、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。例えば、モータ44は、ペダル24から後輪16Rまでの人力駆動力の動力伝達経路にアシスト力を伝達するように構成される。例えば、モータ44は、第1回転体28に回転力を伝達するように構成される。
【0038】
人力駆動車10は、モータ44が収容されるハウジングをさらに含む。ハウジングは、フレーム18に取り付けられる。モータ44およびハウジングを含んで、ドライブユニットが構成される。ハウジングは、クランク軸20を回転可能に支持する。例えば、モータ44は、連結部材32に直接回転力を伝達するように構成されてもよい。例えば、この場合、モータ44の出力軸、または、モータ44の出力軸の力が伝達される伝達部材に連結部材32と係合するスプロケットが設けられる。
【0039】
モータ44と人力駆動力の動力伝達経路との間には、減速機が設けられてもよい。減速機は、例えば、複数の歯車を含んで構成される。例えば、モータ44と人力駆動力の動力伝達経路との間には、第3ワンウェイクラッチが設けられてもよい。例えば、第3ワンウェイクラッチは、クランク14を人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に、クランク14の回転力がモータ44に伝達することを抑制するように構成される。第3ワンウェイクラッチは、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。
【0040】
ドライブユニットは、出力部を含む。出力部は、例えば、クランク軸20と、減速機とに連結される。出力部には、クランク14に入力される人力駆動力とモータ44の回転力とが入力される。第1回転体28は、出力部と一体回転するように出力部に連結される。
【0041】
例えば、電動装置42は、人力駆動車10のクランク14の回転速度Cに対する人力駆動車10の車輪16の回転速度Wの比率である変速比Rを変更する変速装置46を含む。変速装置46は、ディレーラ46Aと、複数のスプロケット46Bと、を有する。複数のスプロケット46Bは、回転軸心SCを有し、回転軸心SCの延びる方向に並ぶ。ディレーラ46Aは、人力駆動車10のクランク14の回転速度Cに対する人力駆動車10の車輪16の回転速度Wの比率である変速比Rを変更するように構成される。変速比Rと、回転速度Wと、回転速度Cとの関係は、式(1)によって表される。
式(1):変速比R=回転速度W/回転速度C
【0042】
例えば、ディレーラ46Aは、フロントディレーラおよびリアディレーラの少なくとも1つを含む。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、第1回転体28は、複数のスプロケット46Bを含む。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、第2回転体30は、複数のスプロケット46Bを含む。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、連結部材32は、チェーンを含む。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、ディレーラ46Aは、第2回転体30に含まれる複数のスプロケット46Bのうちの1つに係合するチェーンを、複数のスプロケット46Bのうちの他の1つに移動させる。ディレーラ46Aは、連結部材32を操作して、第1回転体28および第2回転体30の少なくとも1つと、連結部材32との係合状態を変更することによって変速比Rを変更させる。
【0043】
例えば、変速装置46は、変速比Rを段階的に変更可能である。例えば、変速装置46は変速比Rを変更するために連結部材32を操作するように構成される。複数のスプロケット46Bのそれぞれのスプロケットには、異なる変速比Rが設定される。例えば、変速段数は、複数のスプロケット46Bの数と等しい。
【0044】
本実施形態では、ディレーラ46Aは、リアディレーラを含む。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、複数のスプロケット46Bのうち歯数が最小のスプロケットは、変速比Rが最大の変速段と対応する。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、複数のスプロケット46Bのうち歯数が最大のスプロケットは、変速比Rが最小の変速段と対応する。ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、変速段が大きくなるほど、変速比Rは大きくなる。例えば、ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、複数のスプロケット46Bのうち歯数の大きいスプロケットは、複数のスプロケット46Bのうち歯数の小さいスプロケットよりも軸心中心面に近い位置に配置される。人力駆動車10の軸心中心面は、人力駆動車10の前後方向に沿う中心軸に沿う面である。人力駆動車10の軸心中心面は、回転軸心SCと直交する。
【0045】
例えば、人力駆動車10は、電動アクチュエータ46Cをさらに含む。電動アクチュエータ46Cはディレーラ46Aを操作するように構成される。例えば、変速装置46は、電動アクチュエータ46Cによって動作する。電動アクチュエータ46Cは、例えば、電気モータを含む。
【0046】
電動アクチュエータ46Cは、例えば、電気モータの出力軸に連結される減速機をさらに含んでいてもよい。電動アクチュエータ46Cは、ディレーラ46Aに設けられてもよく、人力駆動車10のうちのディレーラ46Aから離れた位置に設けられてもよい。電動アクチュエータ46Cが駆動することによってディレーラ46Aが連結部材32を操作し、変速動作が行われる。
【0047】
ディレーラ46Aがリアディレーラを含む場合、ディレーラ46Aは、例えば、ベース部材と、可動部材と、可動部材をベース部材に対して移動可能に連結するリンク機構と、を含む。可動部材は、連結部材32をガイドするガイド部材を含む。ガイド部材は、例えば、ガイドプレートと、プーリと、を含む。電動アクチュエータ46Cは、例えば、リンク機構を直接駆動してもよい。電動アクチュエータ46Cは、ケーブルを経由して、リンク機構を駆動してもよい。
【0048】
例えば、電動装置42は、電動アジャスタブルシートポスト48をさらに含む。電動アジャスタブルシートポスト48は、人力駆動車10のシートポスト40の高さを制御できるように構成される。例えば、電動アジャスタブルシートポスト48は、シートポスト40に取り付けられる。電動アジャスタブルシートポスト48は、シートポスト40をフレーム18に対して上昇および下降させる。
【0049】
電動アジャスタブルシートポスト48は、機械式シートポスト、または、電動モータの力によって伸縮する電気式シートポストを含む。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、空気圧式シートポストを含む。
【0050】
電動アジャスタブルシートポスト48が機械式シートポストの場合、油または空気の流路を開閉するバルブの開閉によってシートポスト40の上昇と下降を制御する。電動アジャスタブルシートポスト48が機械式シートポストの場合、バルブが開いている状態では、電動アジャスタブルシートポスト48は、ばね、および、空気の少なくとも1つの力で伸びようとする。電動アジャスタブルシートポスト48が機械式シートポストの場合、バルブが閉じている状態では、電動アジャスタブルシートポスト48の長さは変化しない。
【0051】
電動アジャスタブルシートポスト48が電気式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト48は、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。電動アジャスタブルシートポスト48が電気式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト48は、電動アクチュエータまたは電動モータを動作させることによって、シートポスト40の上昇と下降を制御する。
【0052】
電動アジャスタブルシートポスト48は、シートポスト40の高さが異なる複数の動作状態によって動作する。電動アジャスタブルシートポスト48は、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。機械式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト48は、動作指令を受け取ると、バルブを開く。機械式シートポストの場合、動作指令を受け取ると、所定時間の間、バルブを開く構成としてもよい。機械式シートポストの場合、動作指令を受け取ると、次に動作指令を受け取るまでバルブを開く構成としてもよい。電気式シートポストの場合、電動アジャスタブルシートポスト48は、動作指令を受け取ると、電動アクチュエータまたは電動モータを動作させる。
【0053】
例えば、電動装置42は、サスペンション装置50をさらに含む。例えば、サスペンション装置50は、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つを含む。例えば、フロントサスペンションは、フロントフォーク34に設けられて前輪16Fに加えられた衝撃を減衰する。例えば、リアサスペンションは、フレーム18に設けられて後輪16Rに加えられた衝撃を減衰する。サスペンション装置50は、第1部分50Aと、第2部分50Bとを備える。第2部分50Bは、第1部分50Aに嵌め込まれる。第2部分50Bは、第1部分50Aに対して相対移動可能である。
【0054】
サスペンション装置50は、油圧式、空気圧式、および、油圧を含むハイブリッド式のサスペンションのいずれであってもよい。サスペンション装置50は、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。サスペンション装置50は、油または空気の流路を開閉するバルブを含む。
【0055】
サスペンション装置50は、複数の動作状態によって動作する。複数の動作状態は、サスペンション装置50のストローク長、サスペンション装置50の反発力、および、サスペンション装置50の減衰力の少なくとも1つが異なる動作状態を含む。サスペンション装置50は、動作指令に応じて、複数の動作状態を切り替えるように構成される。
【0056】
サスペンション装置50のストローク長は、第2部分50Bの第1部分50Aへの嵌め込まれ具合を含む。サスペンション装置50のストローク長が大きい場合、第2部分50Bの第1部分50Aへの嵌め込まれ具合が深い。サスペンション装置50のストローク長が小さい場合、第2部分50Bの第1部分50Aへの嵌め込まれ具合が浅い。
【0057】
例えば、サスペンション装置50の反発力は、サスペンション装置50のロック状態、アンロック状態、および、半ロック状態の場合の反発力を含む。例えば、サスペンション装置50がロック状態の場合、サスペンション装置50の反発力は最大である。例えば、サスペンション装置50がアンロック状態の場合、サスペンション装置50の反発力は最小である。例えば、サスペンション装置50が半ロック状態の場合、サスペンション装置50の反発力は最大の反発力と、最小の反発力との中間である。
【0058】
例えば、サスペンション装置50がロック状態の場合、第2部分50Bは、第1部分50Aの間を相対移動しない。例えば、サスペンション装置50がアンロック状態の場合、第2部分50Bは、第1部分50Aの間を相対移動する。例えば、サスペンション装置50が半ロック状態の場合、第2部分50Bは、第1部分50Aの間をわずかに相対移動する。
【0059】
例えば、サスペンション装置50の減衰力は、第1部分50Aの内径のオリフィス径を変更することによって調整される。例えば、オリフィス径は、第1部分50Aの内径のうち最も狭くなる部分の直径である。
【0060】
例えば、人力駆動車10は、前方検出部52をさらに含む。前方検出部52は、人力駆動車10の走行路の前方情報を取得できる。前方検出部52は、撮像装置52Aを含む。撮像装置52Aは、人力駆動車10の前方画像を取得するように人力駆動車10に設けられる。例えば、撮像装置52Aは、フレーム18またはハンドルバー38に設けられる。例えば、撮像装置52Aは、ライダに設けられてもよい。撮像装置52Aがライダに設けられる場合、例えば、撮像装置52Aは、ライダが着用するヘルメットに設けられる。
【0061】
撮像装置52Aは、例えばカメラを含む。撮像装置52Aは、前方画像のみを撮影可能なものであってもよい。撮像装置52Aは、前方画像以外の周辺画像を同時に撮影可能なものであってもよい。撮像装置52Aは、人力駆動車10の周囲において全周を撮影可能なものであってもよい。撮像装置52Aは、無線通信装置、および、電気ケーブルの少なくとも1つによって制御部72と通信可能に構成される。撮像装置52Aは、撮影した前方画像を、制御部72に送信するように構成される。
【0062】
人力駆動車10は、制御装置70を含む。制御装置70は、例えば、ドライブユニットに設けられる。制御装置70は、フレーム18に設けられてもよい。制御装置70は、人力駆動車10の電動装置42を制御するように構成される制御部72を備える。制御部72は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部72に含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部72に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部72は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0063】
好ましくは、制御装置70は、記憶部74をさらに含む。記憶部74には、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部74は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0064】
制御装置70は、例えば、モータ44の駆動回路76をさらに備える。例えば、駆動回路76と、制御部72とは、ドライブユニットのハウジングに設けられる。例えば、駆動回路76と、制御部72とは、同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路76は、インバータ回路を含む。駆動回路76は、バッテリ54からモータ44に供給される電力を制御する。駆動回路76は、制御部72と、導電線、電気ケーブルまたは無線通信装置などを介して接続される。駆動回路76は、制御部72からの制御信号に応じてモータ44を駆動させる。
【0065】
人力駆動車10は、制御部72に電力を供給するバッテリ54をさらに含む。例えば、バッテリ54は、フレーム18に設けられる。バッテリ54は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。例えば、バッテリ54は、制御部72、および、電動装置42に電力を供給するように構成される。バッテリ54は、制御部72、および、電動装置42と電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリ54は、例えば電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部72と通信可能である。
【0066】
好ましくは、人力駆動車10は、車速センサ56、クランク回転センサ58、および、人力駆動力検出部60の少なくとも1つをさらに含む。車速センサ56は、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。車速センサ56は、無線通信装置、および、電気ケーブルの少なくとも1つによって制御部72と通信可能に構成される。本実施形態では、車速センサ56は、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪16の回転速度Wに関する情報を検出するように構成される。車速センサ56は、車輪16の回転速度Wに応じた信号を出力する。制御部72は、車輪16の回転速度Wに応じた信号と、車輪16の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。記憶部74には車輪16の周長に関する情報が記憶される。
【0067】
車速センサ56は、例えばリードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子などの磁気センサを含む。車速センサ56は、フレーム18のチェーンステイに取り付けられ、後輪16Rに取り付けられる磁石を検出するように構成される。車速センサ56は、フロントフォーク34に設けられ、前輪16Fに取り付けられる磁石を検出するように構成されてもよい。本実施形態において、車速センサ56は、車輪16が1回転した場合に、リードスイッチが磁石を1回検出するように構成される。車速センサ56は、人力駆動車10の車速に関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。
【0068】
車速センサ56は、車輪16に設けられる磁石を検出する構成に限定されない。例えば、車速センサ56は、センサリングに設けられるスリットを検出するように構成されてもよい。例えば、センサリングは、車輪16と一体となって回転する部材である。例えば、車速センサ56は、光学センサなどを含んで構成されてもよい。例えば、車速センサ56は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んで構成されてもよい。車速センサ56がGPS受信器を含む場合、制御部72は、時間と移動距離とに応じて車速を算出できる。
【0069】
クランク回転センサ58は、クランク14の回転速度Cに関する情報を検出するように構成される。クランク回転センサ58は、無線通信装置、および、電気ケーブルの少なくとも1つによって制御部72と通信可能に構成される。クランク回転センサ58は、例えば、人力駆動車10のフレーム18またはドライブユニットに設けられる。クランク回転センサ58は、ドライブユニットのハウジングに設けられてもよい。クランク回転センサ58は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石は、クランク軸20、クランク軸20に連動して回転する部材、または、クランク14から第1回転体28までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク軸20に連動して回転する部材は、モータ44の出力軸を含んでもよい。
【0070】
クランク回転センサ58は、クランク14の回転速度Cに応じた信号を出力する。例えば、クランク14と第1回転体28との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、磁石は、第1回転体28に設けられてもよい。クランク回転センサ58は、クランク14の回転速度Cに関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。クランク回転センサ58は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0071】
例えば、制御部72は、クランク回転センサ58の出力に応じて人力駆動力の低下を判定してもよい。制御部72がクランク回転センサ58の出力に応じて人力駆動力の低下を判定する場合、制御部72は、例えば、クランク14の回転角度が、人力駆動力が最も低下しやすい角度と対応する角度を含む範囲の回転角度になった場合、人力駆動力が低下したと判定する。制御部72がクランク回転センサ58の出力に応じて人力駆動力の低下を判定する場合、制御部72は、例えば、クランク14の回転角度が、クランク14の上死点または下死点を含む予め定める範囲に含まれる場合、人力駆動力が低下したと判定する。
【0072】
人力駆動力検出部60は、人力駆動力に関する情報を検出するように構成される。人力駆動力検出部60は、無線通信装置、および、電気ケーブルの少なくとも1つによって制御部72と通信可能に構成される。例えば、人力駆動力検出部60は、人力駆動車10のフレーム18、ドライブユニット、クランク14、または、ペダル24に設けられる。人力駆動力検出部60は、ドライブユニットのハウジングに設けられてもよい。
【0073】
人力駆動力検出部60は、例えば、トルクセンサを含む。トルクセンサは、人力駆動力によってクランク14に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。例えば、トルクセンサは、クランク14と第1回転体28との間に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、クランク14から第1回転体28までの間の動力伝達経路の第1ワンウェイクラッチよりも上流側に設けられる。トルクセンサは、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。
【0074】
トルクセンサは、クランク14から第1回転体28までの間の動力伝達経路、または、クランク14から第1回転体28までの間の動力伝達経路に含まれる部材の近傍に設けられる。例えば、クランク14から第1回転体28までの間の動力伝達経路に含まれる部材は、クランク軸20、クランクアーム22、ペダル24、または、クランク14と第1回転体28との間において人力駆動力を伝達する部材である。人力駆動力検出部60は、人力駆動力に関する情報を取得できればどのような構成であってもよい。例えば、人力駆動力検出部60は、ペダル24に与えられる圧力を検出するセンサ、または、チェーンの張力を検出するセンサなどを含んでいてもよい。
【0075】
傾斜検出部62は、人力駆動車10の傾斜に関する情報を検出するように構成される。例えば、傾斜検出部62は、ジャイロセンサまたは加速度センサを含む。例えば、傾斜検出部62は、GPS受信部を含んでいてもよい。制御部72は、GPS受信部によって取得したGPS情報と、記憶部74に予め記録している地図情報に含まれる路面勾配とに応じて、人力駆動車10の走行する路面の傾斜角度を演算してもよい。
【0076】
制御部72は、例えば、人力駆動力検出部60の出力に応じて人力駆動力の低下を判定してもよい。制御部72が人力駆動力検出部60の出力に応じて人力駆動力の低下を判定する場合、制御部72は、例えば、予め定める周期において人力駆動力の検出値を取得し、前回検出された検出値と、今回検出された検出値とを比較する。制御部72は、今回検出された検出値が、前回検出された検出値よりも小さい場合、人力駆動力が低下したと判定する。制御部72は、今回検出された検出値が、複数回連続して、前回検出された検出値よりも小さい場合、人力駆動力が低下したと判定してもよい。例えば、予め定める周期は、クランク14が5度回転する期間よりも短い。
【0077】
制御部72は、前方検出部52によって取得される前方情報に応じて走行路の舗装状態を特定するように構成される。例えば、制御部72は、撮像装置52Aが取得する走行路の前方画像に応じて、土地情報および障害物の少なくとも1つを推定する。土地情報は、人力駆動車10の走行方向と交差する第1平面におけるものである。障害物は、第1平面におけるものである。
【0078】
例えば、第1平面は、人力駆動車10の走行方向の前方に設定される。例えば、第1平面は、走行方向と直交する。本実施形態では、人力駆動車10の横方向をX軸方向、人力駆動車10の高さ方向をY軸方向、人力駆動車10の走行方向をZ軸方向とする。第1平面は、Z軸方向において人力駆動車10から所定距離にある前方の平面によって定義される。例えば、第1平面は、Z軸方向に直交する。例えば、第1平面は、X軸方向と垂直、かつ、Y軸方向と垂直である。第1平面は、X軸方向、および、Y軸方向の少なくとも1つと垂直ではないように設定してもよい。
【0079】
例えば、制御部72は、第1平面に加えて、第1平面とは異なる第2平面を設定し、第2平面における土地情報、および、第2平面における障害物の少なくとも1つを推定してもよい。第2平面は、複数の異なる平面を含んでいてもよい。例えば、複数の異なる平面のそれぞれは、人力駆動車10との位置関係が異なる。第2平面は、第1平面と平行し、かつ、Z軸方向において人力駆動車10から所定距離とは異なる距離にある前方の平面であってもよい。
【0080】
例えば、制御部72は、人工知能処理部78を備える。人工知能処理部78は、前方情報から舗装状態を特定する。前方情報は、撮像装置52Aによって取得される前方画像を含む。例えば、人工知能処理部78は、前方画像から走行路を特定し、特定された走行路に基づいて舗装状態を特定する。
【0081】
例えば、人工知能処理部78は、演算処理装置を含む。例えば、記憶部74は、ソフトウェアを記憶し、演算処理装置は、記憶部74に記憶されているソフトウェアを実行する。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、CPUまたはMPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)を含む。演算処理装置は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでいてもよい。人工知能処理部78は、1または複数の演算処理装置を含んでいてもよい。人工知能処理部78は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0082】
例えば、記憶部74は、制御プログラム、学習プログラム、および、学習モデルを記憶する。学習モデルは、所定学習アルゴリズムによって学習された学習済みのモデルであってもよく、学習アルゴリズムによって更新されるよう構成されるものであってもよい。学習アルゴリズムは、機械学習、深層学習、または、深層強化学習を含む。例えば、学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、および、強化学習の少なくとも1つを含む。
【0083】
学習アルゴリズムは、人工知能の分野に属する手法を用いて学習モデルを更新させるように構成されていれば、本明細書に記載されている手法以外の手法を用いてもよい。例えば、学習モデルを更新させるための学習処理は、GPUによって行われる。学習アルゴリズムは、ニューラルネットワーク(NN;Neural Network)を用いてもよい。学習アルゴリズムは、リカレントニューラルネットワーク(RNN;Recurrent Neural Network)を用いてもよい。
【0084】
例えば、人力駆動車10は、記憶部74とは別に記憶装置を備えていてもよい。記憶装置は、人力駆動車10の外部に設けられてもよい。記憶装置は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。人力駆動車10が記憶装置を含む場合、ソフトウェア、制御プログラム、学習プログラム、および、学習モデルなどは、記憶装置に記憶されてもよい。
【0085】
図3に示されるように、人工知能処理部78の学習モデルの一例は、入力層80、中間層82、および、出力層84を含む。入力層80には、入力情報が入力される。学習モデルは、入力層80に情報が入力されると、出力層84から出力情報を出力するように予め学習される。中間層82は、教師データを用いることによって、入力層80に入力される情報と、出力層84が出力する出力情報との関係を学習する。
【0086】
例えば、学習モデルは、外部装置によって更新可能に構成されてもよい。外部装置は、例えばスマートフォンまたはパソコンである。例えば、学習モデルが外部装置によって更新可能な場合、外部装置は、中間層82の畳み込み層86、プーリング層88、および、全結合層90の数を更新可能である。例えば、学習モデルが外部装置によって更新可能な場合、外部装置は、入力層80に入力される入力情報と、出力層84が出力する出力情報と、の間の中間層82が学習する関係を、更新可能である。
【0087】
例えば、人工知能処理部78は、前方画像から舗装路に関連する第1特徴物を特定する。例えば、人工知能処理部78は、特定された第1特徴物に基づいて舗装状態を特定する。第1特徴物は、舗装状態が舗装路である場合に前方画像に含まれやすい物体である。例えば、人工知能処理部78は、前方画像から未舗装路に関連する第2特徴物を特定する。例えば、人工知能処理部78は、特定された第2特徴物に基づいて舗装状態を特定する。第2特徴物は、舗装状態が未舗装路である場合に前方画像に含まれやすい物体である。
【0088】
例えば、第1特徴物は人工物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つを含む。例えば、人工物は、歩道、交差点、ガードレール、縁石、および、ビルなどを含む。例えば、第1特徴物における地形は、坂道、平坦、丘、および、壁などを含む。例えば、第1特徴物における路面状況は、アスファルト、コンクリート、および、階段などを含む。例えば、第1特徴物における植生は、植木などを含む。例えば、第1特徴物における標識は、看板、道路標示、交通標識、中央線、車線境界線、および、停止線などを含む。例えば、第1特徴物における移動体は、車、自動二輪車、自転車、歩行者、および、歩行者に追随する動物などを含む。例えば、歩行者に追随する動物は、犬や猫のペットを含む。例えば、第1特徴物における境界物は、路面の濃淡、および、路面の舗装材料の境界などを含む。
【0089】
例えば、第2特徴物は自然物、地形、路面状況、植生、信号、標識、移動体、および、境界物の少なくとも1つを含む。例えば、自然物は、木、草、岩、川、谷、および、池などを含む。例えば、第2特徴物における地形は、尾根、斜面トラバース、緩やかな片落ち、急な片落ち、平坦、丘、片バンク、緩やかな片斜面、急な片斜面、および、壁などを含む。例えば、第2特徴物における路面状況は、アスファルト、コンクリート、土、砂利、砂、岩、ガレ場、草、泥、および、段差などを含む。例えば、第2特徴物における標識は、看板、道路標示、地図、分岐の記号、コース名称、および、順位が記載された看板や立て札などを含む。例えば、第2特徴物における移動体は、走行中の他のライダ、動物、および、観客などを含む。例えば、第2特徴物における境界物は、路面の濃淡、コーステープ、および、草のはげた状態などを含む。
【0090】
人工知能処理部78において、入力情報は走行路の前方画像である。人工知能処理部78において、出力情報は走行路の舗装状態が舗装路であるか未舗装路であるかに関する情報である。中間層82によって用いられる教師データは、走行路の画像に関する情報と、第1特徴物および第2特徴物の少なくとも1つに関する情報と、第1特徴物および第2特徴物の少なくとも1つに関する情報を特定するための情報と、を含む。
【0091】
例えば、人工知能処理部78は、前方画像に基づいて第1特徴物および第2特徴物の少なくとも1つを特定する。例えば、人工知能処理部78は、前方画像を画像処理することによって、第1特徴物および第2特徴物の少なくとも1つを特定する。例えば、人工知能処理部78は、撮像装置52Aから送信される前方画像が入力されると、前方画像に基づいて、走行路の舗装状態を推定する。例えば、人工知能処理部78は、前方画像からエッジ検出をし、検出されたエッジを第1特徴物および第2特徴物の少なくとも1つとして特定する。
【0092】
例えば、人工知能処理部78は、走行路に第1特徴物がある場合、走行路が舗装路であると特定する。例えば、人工知能処理部78は、走行路に第2特徴物がある場合、走行路が未舗装路であると特定する。例えば、人工知能処理部78は、走行路に第1特徴物および第2特徴物のそれぞれがある場合、第1特徴物の数と、第2特徴物の数との比率、および、第1特徴物の面積の和と、第2特徴物の面積の和との比率の少なくとも1つに応じて舗装状態を特定してもよい。
【0093】
例えば、人工知能処理部78は、特定した第1特徴物および第2特徴物の少なくとも1つに基づいて前方画像における走行路である領域と走行路ではない領域との境界を特定してもよい。人工知能処理部78は、特定した境界に基づいて走行路を推定するように構成される。例えば、人工知能処理部78は、前方画像からエッジ検出することで走行路を推定する。
【0094】
例えば、前方画像における走行路ではない領域とは、前方画像のうちの地表面ではない領域、および、前方画像のうちの地表面であって走行に適しない領域を含む。例えば、地表面ではない領域は、水面、空、および、空間を含む。例えば、走行に適していない領域は、緑地、走破不可能な斜面、崖などを含む。例えば、人工知能処理部78によって推定された走行路は、人力駆動車10の走行方向と直交する人力駆動車10の左右方向において幅を有する。例えば、人工知能処理部78は、人力駆動車10によって通過できない障害物がある場合、その部分を走行路として特定しない。
【0095】
例えば、人工知能処理部78は、前方に向かう境界に基づいて、走行路の変化があると推定する。例えば、人工知能処理部78は、前方に向かう境界が曲がっている場合、走行路にカーブがあると判定する。例えば、人工知能処理部78は、前方に向かう境界が人力駆動車10の進行方向において途切れている場合、および、境界が前方において横方向に延び、2つの境界が重なる場合、推定走行路に段差があると判定する。
【0096】
例えば、人工知能処理部78は、境界が歪んでいる場合、走行路に路面勾配があると推定する。例えば、人工知能処理部78は、空と対応する部分と接する境界の前方画像上の位置に基づいて、走行路に路面勾配があると推定する。例えば、人工知能処理部78は、境界の歪みに応じて、走行路に路面勾配の変化があると推定する。例えば、人工知能処理部78は、空と対応する部分と接する境界の前方画像上の位置に基づいて、走行路に路面勾配の変化があると推定する。例えば、人工知能処理部78は、境界がある領域を囲んでいる場合、走行路に障害物があると推定する。
【0097】
制御部72は、第1制御状態と、第2制御状態と、の間において制御状態を切り替えて電動装置42を制御するように構成される。制御部72は、走行路が舗装路の場合、第1制御状態において電動装置42を制御するように構成される。制御部72は、走行路が未舗装路の場合、第2制御状態において電動装置42を制御するように構成される。例えば、電動装置42は、無線通信装置、および、電気ケーブルの少なくとも1つによって制御部72と通信可能に構成される。
【0098】
例えば、制御部72は、人力駆動車10の走行路の前方が舗装路の場合、第1制御状態において電動装置42を制御するように構成される。制御部72は、走行路の前方が未舗装路の場合、第2制御状態において電動装置42を制御するように構成される。
【0099】
例えば、電動装置42にモータ44が含まれる場合、制御部72は、人力駆動車10の車速、クランク14の回転速度C、および、人力駆動力の少なくとも1つに応じてモータ44を制御する。例えば、制御部72は、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じてモータ44を制御するように構成される。人力駆動力は、トルクによって表されてもよく、仕事率によって表されてもよい。
【0100】
図4を参照して、制御状態に応じて、制御部72が制御状態に応じて電動装置42を制御する処理が説明される。例えば、制御部72に電力が供給されると、制御部72は処理を開始して
図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部72は、
図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後に
図4のステップS11からの処理を繰り返す。
【0101】
制御部72は、ステップS11において、人力駆動車10が走行状態か否かを判定する。人力駆動車10が走行状態か否かは、人力駆動車10の車速、人力駆動車10の加速度、人力駆動車10のピッチ角度、人力駆動力、クランク14の角度、クランク14の回転速度C、および、モータ44のアシストトルク等に応じて制御部72によって判断される。制御部72は、人力駆動車10が走行状態ではない場合、処理を終了する。制御部72は、人力駆動車10が走行状態である場合、ステップS12に移行する。
【0102】
制御部72は、ステップS12において、人力駆動車10の走行路が舗装路か否かを判定する。人力駆動車10の走行路が舗装路である場合、制御部72は、ステップS13に移行する。
【0103】
制御部72は、ステップS13において、制御状態を第1制御状態に移行して、ステップS15に移行する。制御部72は、ステップS15において、電動装置42を制御して、処理を終了する。制御部72は、ステップS15以降において、第1制御状態において電動装置42を制御するように構成される。
【0104】
ステップS13において、人力駆動車10の走行路が舗装路ではない場合、制御部72は、ステップS14に移行する。制御部72は、ステップS14において、人力駆動車10の走行路が未舗装路か否かを判定する。人力駆動車10の走行路が未舗装路である場合、制御部72は、ステップS16に移行する。人力駆動車10の走行路が未舗装路ではない場合、制御部72は、処理を終了する。ステップS12において、人力駆動車10の走行路が舗装路ではなく、かつ、ステップS14において、人力駆動車10の走行路が未舗装路ではないと判定される場合、制御部72は、ステップS13およびステップS16の一方に移行するようにしてもよい。
【0105】
制御部72は、ステップS16において、制御状態を第2制御状態に移行して、ステップS17に移行する。制御部72は、ステップS17において、第2制御状態において電動装置42を制御して、処理を終了する。制御部72は、ステップS15以降において、第2制御状態において電動装置42を制御するように構成される。
【0106】
例えば、制御部72は、第1制御状態の場合のモータ44によるアシストレベルを、第2制御状態の場合のアシストレベルと異ならせるようにモータ44を制御するように構成される。例えば、制御部72は、第1制御状態の場合のモータ44によるアシストレベルが、第2制御状態の場合のアシストレベルよりも大きくなるようにモータ44を制御するように構成される。制御部72は、制御状態ごとにユーザが設定したアシストレベルになるように、モータ44を制御するように構成されてもよい。
【0107】
アシストレベルは、人力駆動力に対するモータ44によるアシスト力の比率、モータ44の出力の上限値、人力駆動力が低下する場合におけるモータ44の出力変化の規制レベル、人力駆動力が増加する場合におけるモータ44の出力の増加速度、および、モータ44の出力の少なくとも1つを含む。
【0108】
人力駆動力に対するモータ44によるアシスト力の比率を、アシスト比率と記載する場合がある。制御部72は、例えば、人力駆動力に対して、モータ44によるアシスト力が所定比率になるように、モータ44を制御するように構成されてもよい。人力駆動力は、ユーザがクランク14を回転させることによって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。アシスト力は、モータ44の回転によって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。所定比率は、一定ではなく、例えば、人力駆動力に応じて変化してもよく、クランク14の回転速度Cに応じて変化してもよく、人力駆動車10の車速に応じて変化してもよく、人力駆動力、クランク14の回転速度C、および、人力駆動車10の車速のうちのいずれか2つ、または、全てに応じて変化してもよい。
【0109】
人力駆動力およびアシスト力をトルクによって表わす場合、人力駆動力を人力トルクと記載し、アシスト力をアシストトルクと記載する。人力駆動力およびアシスト力を仕事率によって表わす場合、人力駆動力を人力仕事率と記載し、アシスト力をアシスト仕事率と記載する。人力駆動力に対するモータ44によるアシスト力の比率は、人力駆動車10の人力トルクに対するアシストトルクのトルク比率であってもよく、人力仕事率に対するモータ44によるアシスト仕事率の比率であってもよい。
【0110】
例えば、クランク14が変速機を介さずに第1回転体28に接続され、かつ、モータ44の出力が第1回転体28に入力される。例えば、人力駆動力は、ユーザがクランク14を回転させることによって第1回転体28に入力される駆動力に対応する。例えば、アシスト力は、モータ44が回転することによって第1回転体28に入力される駆動力に対応する。例えば、モータ44の出力が減速機を介して第1回転体28に入力される場合は、アシスト力は、減速機の出力に対応する。
【0111】
制御部72は、アシスト力がモータ44の出力の上限値以下になるようにモータ44を制御するように構成される。モータ44の出力が第1回転体28に入力され、かつ、アシスト力がトルクによって表される場合、制御部72は、アシストトルクがモータ44の出力トルクの上限値以下になるようにモータ44を制御するように構成される。好ましくは、モータ44の出力トルクの上限値は、20Nm以上200Nm以下の範囲の値である。モータ44の出力が第1回転体28に入力され、かつ、アシスト力が仕事率によって表される場合、制御部72は、アシスト仕事率がモータ44の仕事率の上限値以下になるようにモータ44を制御するように構成される。
【0112】
例えば、制御部72は、モータ44の出力変化の規制レベルを変更可能に構成される。モータ44の出力変化の規制レベルが大きくなるほど、モータ44の制御パラメータの単位時間当たりの変化量に対するモータ44の出力の単位時間当たりの変化量が減少する。モータ44の出力変化の規制レベルが小さくなるほど、モータ44の制御パラメータの単位時間当たりの変化量に対するモータ44の出力の単位時間当たりの変化量が増加する。
【0113】
例えば、モータ44の制御パラメータは、人力駆動力に対応する。モータ44の制御パラメータは、クランク14の回転速度Cに対応してもよい。例えば、モータ44の出力変化の規制レベルは、人力駆動力またはクランク14の回転速度Cが減少する場合における規制レベルに対応する。モータ44の出力変化の規制レベルは、モータ44の応答速度に反比例する。モータ44の応答速度は、モータ44の制御パラメータの単位時間当たりの変化量に対するモータ44の出力の単位時間当たりの変化量によって表される。モータ44の出力変化の規制レベルが増加すると、モータ44の応答速度は減少する。
【0114】
例えば、制御部72は、フィルタ回路によってモータ44の出力変化の規制レベルを変更する。例えば、フィルタ回路は、時定数を有するローパスフィルタを含む。制御部72は、フィルタの時定数を変更することによってモータ44の出力変化の規制レベルを変更する。制御部72は、人力駆動力からモータ44の出力を算出するためのゲインを変更することによってモータ44の出力変化の規制レベルを変更するようにしてもよい。フィルタ回路は、例えば、演算処理装置において所定のソフトウェアを実行することによって構成される。
【0115】
例えば、電動装置42に変速装置46が含まれる場合、制御部72は、制御状態に応じて電動アクチュエータ46Cを制御するように構成される。例えば、制御部72は、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータと対応する変速条件に応じて、変速装置46を制御する。例えば、人力駆動車10の走行状態は、車速、クランク14の回転速度C、人力駆動力、および、人力駆動車10のピッチ角度の少なくとも1つを含む。例えば、人力駆動車10の走行環境は、人力駆動車10の走行路の斜度を含む。例えば、変速条件は、人力駆動車10の走行中に、パラメータが所定範囲内に維持されるように変速装置46を制御するための条件として設定される。変速条件は、例えば、人力駆動車10の走行開始時に、変速比Rを所定変速比RX以下にするための条件として設定される。
【0116】
例えば、制御部72は、変速条件が成立すると、変速要求を発生させる。例えば、制御部72は、所定閾値と、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータと、を比較することによって、変速条件が成立するか否かを判定する。例えば、制御部72は、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータが所定閾値よりも大きい場合、変速要求を発生させる。制御部72は、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータが所定閾値よりも小さい場合、変速要求を発生させる。
【0117】
例えば、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータが所定閾値以上になると、制御部72に変速比Rを増加させるための変速要求を発生させ、変速装置46から制御部72に変速要求が送信される。例えば、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに関するパラメータが所定閾値以下になると、制御部72に変速比Rを減少させるための変速要求を発生させる。変速要求が発生すると、制御部72は、変速要求に応じて変速装置46に変速動作を開始させる。
【0118】
例えば、変速条件は、第1条件および第2条件を含む。例えば、制御部72は、第1制御状態の場合に、第1条件によって変速装置46を制御し、第2制御状態の場合に、第1条件とは異なる第2条件によって変速装置46を制御する。例えば、第2条件は、第1条件よりも変速比Rを変更しやすい条件になるように構成される。例えば、変速条件が、人力駆動車10の走行中に、パラメータが所定範囲内に維持されるように変速装置46を制御するための条件として設定される場合、変速条件における所定閾値が第1条件と第2条件との間において異なる。
【0119】
例えば、変速条件が、人力駆動車10の走行開始時に、変速比Rを所定変速比RX以下にするための条件として設定される場合、変速比Rを所定変速比RXに変更するための所定閾値が第1条件と第2条件との間において異なる。制御状態が第1制御状態の場合と、第2制御状態の場合とにおいて、所定変速比RXが異なるように構成されていてもよい。例えば、制御状態が第2制御状態の場合の所定変速比RXは、制御状態が第1制御状態の場合の所定変速比RXよりも小さい。
【0120】
図5を参照して、制御部72が制御状態に応じて変速装置46を制御する処理が説明される。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部72は、
図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0121】
制御部72は、ステップS21において、変速要求が発生したか否かを判定する。例えば、制御部72は、変速条件を用いて変速要求が発生したか否かを判定する。例えば、制御部72は、制御状態が第1制御状態の場合、第1条件が成立する場合、変速要求が発生したと判定する。例えば、制御部72は、制御状態が第2制御状態の場合、第2条件が成立する場合、変速要求が発生したと判定する。制御部72は、変速要求が発生していない場合、処理を終了する。制御部72は、変速要求が発生した場合、ステップS22に移行する。
【0122】
制御部72は、ステップS22において、変速が可能か否かを判定する。制御部72は、例えば、変速比Rを大きくする変速要求が発生する場合において、現在の変速比Rが変速装置46の最大の変速比Rよりも小さい場合、変速が可能と判定する。制御部72は、例えば、変速比Rを大きくする変速要求がある場合において、現在の変速比Rが変速装置46の最大の変速比Rの場合、変速が可能ではないと判定する。制御部72は、例えば、変速比Rを小さくする変速要求がある場合において、現在の変速比Rが変速装置46の最小の変速比Rよりも大きい場合、変速が可能と判定する。制御部72は、例えば、変速比Rを小さくする変速要求がある場合において、現在の変速比Rが変速装置46の最小の変速比Rの場合、変速が可能ではないと判定する。制御部72は、変速が可能ではない場合、処理を終了する。制御部72は、変速が可能の場合、ステップS23に移行する。
【0123】
制御部72は、ステップS23において、人力駆動力が低下したか否かを判定する。制御部72は、人力駆動力が低下していない場合、ステップS23に移行する。制御部72は、人力駆動力が低下した場合、ステップS24に移行する。
【0124】
制御部72は、ステップS24において、変速装置46の変速動作を開始させて処理を終了する。制御部72は、変速装置46の電動アクチュエータ46Cを駆動させて、変速装置46の変速動作を開始させる。
【0125】
例えば、電動装置42に電動アジャスタブルシートポスト48が含まれる場合、制御部72は、電動アジャスタブルシートポスト48を制御するように構成される。例えば、制御部72は、制御状態に応じて、シートポスト40の高さを変更するように電動アジャスタブルシートポスト48を制御するように構成される。電動アジャスタブルシートポスト48が機械式アジャスタブルシートポストを含む場合、制御部72は、機械式アジャスタブルシートポストのバルブを制御する。電動アジャスタブルシートポスト48が電動式アジャスタブルシートポストを含む場合、制御部72は、電動式アジャスタブルシートポストの電動アクチュエータまたは電動モータを制御する。
【0126】
例えば、制御状態が第1制御状態の場合、制御部72は、シートポスト40が第1高さになるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御する。例えば、第1高さは、舗装路において最適な高さである。例えば、第1制御状態の場合、制御部72は、シートポスト40がユーザの設定した高さになるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御してもよい。
【0127】
例えば、制御状態が第2制御状態の場合、制御部72は、シートポスト40が第2高さになるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御する。例えば、第2高さは、未舗装路において最適な高さである。例えば、第2高さは、第1高さよりも低い。例えば、第2制御状態の場合、制御部72は、シートポスト40がユーザの設定した高さになるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御してもよい。
【0128】
例えば、電動装置42にサスペンション装置50が含まれる場合、制御部72は、サスペンション装置50を制御するように構成される。例えば、制御部72は、制御状態に応じて、サスペンション装置50のストローク長、反発力、および、減衰力の少なくとも1つを制御するように構成される。
【0129】
例えば、制御状態が第1制御状態の場合、制御状態が第2制御状態の場合よりもサスペンション装置50のストローク長が短くなるように、制御部72は、サスペンション装置50を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合、制御部72は、サスペンション装置50の反発力が大きくなるようにサスペンション装置50を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合のサスペンション装置50の減衰力が、制御状態が第2制御状態の場合の減衰力よりも小さくなるように、制御部72はサスペンション装置50を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合、制御部72は、第1制御状態に対してユーザの設定したサスペンション装置50の設定になるようにサスペンション装置50を制御してもよい。
【0130】
例えば、制御状態が第2制御状態の場合、制御状態が第1制御状態の場合よりもサスペンション装置50のストローク長が長くなるように、制御部72は、サスペンション装置50を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合のサスペンション装置50の反発力が、制御状態が第1制御状態の場合の反発力よりも小さくなるように、制御部72はサスペンション装置50を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合のサスペンション装置50の減衰力が、制御状態が第1制御状態の場合の減衰力よりも大きくなるように、制御部72はサスペンション装置50を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合、制御部72は、第2制御状態に対してユーザの設定したサスペンション装置50の設定になるようにサスペンション装置50を制御してもよい。
【0131】
<第2実施形態>
図6を参照して、第2実施形態の制御装置70について説明する。第2実施形態の制御装置70は、
図4の処理に代えて
図6の処理を実行する点、および、各制御状態における電動装置42の動作状態が異なる点以外は第1実施形態の制御装置70と同様である。第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0132】
本実施形態において、制御部72は、第1制御状態において、走行路に関する第1情報に応じて、電動装置42を制御するように構成される。例えば、制御部72は、第2制御状態において、走行路に関する第2情報に応じて、電動装置42を制御するように構成される。例えば、第1情報は、第2情報と異なる。
【0133】
例えば、第1情報は、舗装路の傾斜および舗装路の通過難易度に関する。第2情報は、未舗装路の傾斜および未舗装路の通過難易度に関する。例えば、第1情報は、前方情報から取得される。例えば、第2情報は、前方情報から取得される。通過難易度の判定は、人工知能処理部78が行ってもよい。
【0134】
例えば、第1情報は、走行中の舗装路の傾斜と、前方の舗装路の傾斜との組み合わせと対応する通過難易度に関する情報を含む。例えば、傾斜は、下り傾斜、平坦、および、上り傾斜を含む。表1には、第1情報と対応する走行中の走行路の傾斜と、前方の走行路の傾斜との組み合わせが示される。制御部72は、第1情報が組み合わせA1からA9までのいずれであるかを判定する。
【0135】
【0136】
例えば、第2情報は、走行中の未舗装路の傾斜と、前方の未舗装路の傾斜との組み合わせと対応する通過難易度に関する情報を含む。表2には、第2情報と対応する走行中の走行路の傾斜と、前方の走行路の傾斜との組み合わせが示される。第1情報と対応する走行中の走行路の傾斜と、前方の走行路の傾斜との組み合わせと、第2情報と対応する走行中の走行路の傾斜と、前方の走行路の傾斜との組み合わせとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。制御部72は、第2情報が組み合わせB1からB9までのいずれであるかを判定する。
【0137】
【0138】
図6を参照して、制御状態に応じて、制御部72が異なる情報に基づいて電動装置処理が説明される。例えば、制御部72に電力が供給されると、制御部72は処理を開始して
図6に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部72は、
図6のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後に
図6のステップS31からの処理を繰り返す。
【0139】
制御部72は、ステップS31において、人力駆動車10が走行状態か否かを判定する。人力駆動車10が走行状態か否かは、人力駆動車10の車速、人力駆動車10の加速度、人力駆動車10のピッチ角度、人力駆動力、クランク14の角度、クランク14の回転速度C、および、モータ44のアシストトルク等に応じて制御部72によって判断される。制御部72は、人力駆動車10が走行状態ではない場合、処理を終了する。制御部72は、人力駆動車10が走行状態である場合、ステップS32に移行する。
【0140】
制御部72は、ステップS32において、人力駆動車10の走行路が舗装路か否かを判定する。人力駆動車10の走行路が舗装路である場合、制御部72は、ステップS33に移行する。
【0141】
制御部72は、ステップS33において、制御状態を第1制御状態に移行して、ステップS35に移行する。制御部72は、ステップS35において、第1情報に応じて電動装置42を制御して、処理を終了する。
【0142】
ステップS32において、人力駆動車10の走行路が舗装路ではない場合、制御部72は、ステップS34に移行する。制御部72は、ステップS34において、人力駆動車10の走行路が未舗装路か否かを判定する。人力駆動車10の走行路が未舗装路である場合、制御部72は、ステップS36に移行する。人力駆動車10の走行路が未舗装路ではない場合、制御部72は、処理を終了する。ステップS12において、人力駆動車10の走行路が舗装路でなく、かつ、ステップS14において、人力駆動車10の走行路が未舗装路ではないと判定される場合、制御部72は、ステップS13およびステップS16の一方に移行するようにしてもよい。
【0143】
制御部72は、ステップS36において、制御状態を第2制御状態に移行して、ステップS37に移行する。制御部72は、ステップS37において、第2情報に応じて電動装置42を制御して、処理を終了する。
【0144】
表3には、第1制御状態における電動装置42の制御と、組み合わせA1からA9との関係の一例が示される。表3におけるモータ44によるアシストレベルの欄の通常は、平坦な道を走行する場合に対して予め設定されるモータ44によるアシストレベルと対応する。表3におけるモータ44によるアシストレベルの欄の低は、通常よりも低いモータ44によるアシストレベルと対応する。表3におけるモータ44によるアシストレベルの欄の高は、通常よりも高いモータ44によるアシストレベルと対応する。表3における変速装置46の欄の通常は、平坦な道を走行する場合に対して予め設定される変速条件と対応する。表3における変速装置46の欄の促進は、通常に対して変速比Rの変更が促進される変速条件と対応する。表3における変速装置46の欄の抑制は、通常に対して変速比Rの変更が抑制される変速条件と対応する。表3は、制御部72がサスペンション装置50のロック状態を制御する場合を示しているが、制御部72は、サスペンション装置50の反発力を制御してもよい。
【0145】
【0146】
表4には、第2制御状態における電動装置42の制御と、組み合わせB1からB9と、第2制御状態との関係の一例が示される。表4におけるモータ44によるアシストレベルの欄の通常は、平坦な道を走行する場合に対して予め設定されるモータ44によるアシストレベルと対応する。表4におけるモータ44によるアシストレベルの欄の低は、通常よりも低いモータ44によるアシストレベルと対応する。表4におけるモータ44によるアシストレベルの欄の高は、通常よりも高いモータ44によるアシストレベルと対応する。表4における変速装置46の欄の通常は、平坦な道を走行する場合に対して予め設定される変速条件と対応する。表4における変速装置46の欄の促進は、通常に対して変速比Rの変更が促進される変速条件と対応する。表4における変速装置46の欄の抑制は、通常に対して変速比Rの変更が抑制される変速条件と対応する。表4は、制御部72がサスペンション装置50のロック状態を制御する場合を示しているが、制御部72は、サスペンション装置50の反発力を制御してもよい。
【0147】
【0148】
第1情報は、走行中の未舗装路の傾斜と、前方の未舗装路の傾斜との組み合わせに加えて、または代えて、前方の舗装路の傾斜と、前方の舗装路のカーブとの組み合わせに応じた通過難易度に関する情報を含んでいてもよい。例えば、第2情報は、走行中の未舗装路の傾斜と、前方の未舗装路の傾斜との組み合わせに加えて、または代えて、前方の未舗装路の傾斜と、前方の未舗装路のカーブとの組み合わせに応じた通過難易度に関する情報を含んでいてもよい。
【0149】
例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、変速比Rを維持するように変速装置46を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、通常のアシストを行うようにモータ44を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、シートポスト40の高さが第1高さよりも高くなるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、サスペンション装置50がロック状態になるようにサスペンション装置50を制御する。
【0150】
例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、変速比Rを維持するように変速装置46を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、アシストレベルを下げるようにモータ44を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、シートポスト40の高さが第1高さよりも低くなるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御する。例えば、制御状態が第1制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、サスペンション装置50がアンロック状態または半ロック状態になるようにサスペンション装置50を制御する。
【0151】
例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、変速比Rを維持するように変速装置46を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、通常のアシストを行うようにモータ44を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、シートポスト40の高さが第2高さよりも高くなるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に上りカーブまたは平地カーブが現れる場合、制御部72は、サスペンション装置50がロック状態になるようにサスペンション装置50を制御する。
【0152】
例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、変速比Rを維持するように変速装置46を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、アシストレベルを下げるようにモータ44を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、シートポスト40の高さが第2高さよりも低くなるように電動アジャスタブルシートポスト48を制御する。例えば、制御状態が第2制御状態の場合において、前方に下りカーブが現れる場合、制御部72は、サスペンション装置50がアンロック状態または半ロック状態になるようにサスペンション装置50を制御する。
【0153】
例えば、制御状態が第1制御状態の場合、および、第2制御状態のいずれの場合であっても、人力駆動車10の走行中に前方情報から人力駆動車10の走行が困難であると判断される場合、制御部72は、走行の停止に向けた電動装置42の制御を行ってもよい。例えば、前方情報から人力駆動車10の走行が困難であると判断する場合は、交差点からの車、自動二輪車、および、自転車などの乗り物の飛び出しがある場合、交差点からの人の飛び出しがある場合、および、障害物がある場合、の少なくとも1つを含む。例えば、障害物がある場合は、事故車、前方車両の急減速、落下物等がある場合を含む。
【0154】
例えば、制御部72は、人力駆動車10の走行中に前方情報から人力駆動車10の走行が困難であると判断する場合、モータ44によるアシストを停止するようにモータ44を制御する。例えば、制御部72は、舗装路または未舗装路を走行中に前方情報から人力駆動車10の走行が困難であると判断する場合、変速比Rが減少するように変速装置46を制御する。
【0155】
<第3実施形態>
図7、および、
図8を参照して、第3実施形態の制御装置70について説明する。第3実施形態の制御装置70は、
図4および
図5の処理に代えて
図7および
図8の処理を実行する点以外は第1実施形態の制御装置と同様である。第3実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0156】
本実施形態の電動装置42は、モータ44および変速装置46を含む。制御部72は、変速比Rを変更するように変速装置46を制御する場合、モータ44によるアシストレベルを低下するようにモータ44を制御するように構成される。制御部72は、第1制御状態において変速比Rが変更される場合のアシストレベルの低下量が、第2制御状態において変速比Rが変更される場合のアシストレベルの低下量と異なるようにモータ44を制御するように構成される。例えば、制御部72は、第1制御状態において変速比Rが変更される場合のアシストレベルの低下量が、第2制御状態において変速比Rが変更される場合のアシストレベルの低下量以上になるようにモータ44を制御するように構成される。
【0157】
制御部72は、アシストレベルが低下してから、所定期間が経過した場合、アシストレベルを増加させるように構成される。所定期間は、人力駆動車10の車輪16の回転量が所定回転量になるまでの期間を含む。所定回転量は、30度以上かつ460度未満である。例えば、所定回転量は、変速装置46の変速動作が開始されてから完了するまでの期間に応じて設定される。例えば、制御部72は、アシストレベルを低下させてから所定期間が経過すると、アシストレベルを低下させる前のアシストレベルに戻るようにアシストレベルを変更する。アシストレベルを低下させる前のアシストレベルは、例えば、アシストレベルを低下させる直前のアシストレベルである。
【0158】
図7および
図8を参照して、制御部72が制御状態に応じてモータ44および変速装置46を制御する処理が説明される。例えば、制御部72に電力が供給されると、制御部72は処理を開始して
図7に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部72は、
図7および
図8のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後に
図7のステップS41からの処理を繰り返す。
【0159】
制御部72は、ステップS41において、人力駆動車10が走行状態か否かを判定する。人力駆動車10が走行状態ではない場合、制御部72は処理を終了する。人力駆動車10が走行状態の場合、制御部72は、ステップS42に移行する。制御部72は、ステップS42において、走行路が舗装路か否かを判定する。走行路が舗装路の場合、制御部72は、ステップS43に移行する。走行路が舗装路ではない場合、制御部72はステップS49に移行する。
【0160】
制御部72は、ステップS43において、制御状態を第1制御状態に移行し、ステップS44に移行する。制御部72は、ステップS44において、変速比Rが変更されるか否かを判定する。変速比Rが変更されない場合、制御部72は処理を終了する。変速比Rが変更される場合、制御部72はステップS45に移行する。制御部72は、ステップS45においてアシストレベルを低下し、ステップS46に移行する。
【0161】
制御部72は、ステップS46において、所定時間が経過したか否かを判定する。所定期間が経過した場合、制御部72は、ステップS48に移行する。所定期間が経過していない場合、制御部72は、ステップS47に移行する。制御部72は、ステップS47において、変速が完了したか否かを判定する。変速が完了していない場合、制御部72は、ステップS46に移行する。変速が完了した場合、制御部72は、ステップS48に移行する。制御部72は、ステップS48において、アシストレベルを増加させ、処理を終了する。
【0162】
制御部72は、ステップS49において、走行路が未舗装路か否かを判定する。走行路が未舗装路の場合、制御部72は、ステップS50に移行する。走行路が未舗装路ではない場合、制御部72は処理を終了する。制御部72は、ステップS42およびステップS49によって、人力駆動車10の走行路が舗装路でなく、かつ、未舗装路ではないと判定した場合、制御部72は、ステップS43およびステップS50の一方に移行するようにしてもよい。
【0163】
制御部72は、ステップS50において、制御状態を第2制御状態に移行し、ステップS51に移行する。制御部72は、ステップS51において、変速比Rが変更されるか否かを判定する。変速比Rが変更されない場合、制御部72は処理を終了する。変速比Rが変更される場合、制御部72はステップS52に移行する。制御部72は、ステップS52においてアシストレベルを低下し、ステップS53に移行する。ステップS52におけるアシストレベルの低下量は、ステップS45におけるアシストレベルの低下量より小さい。
【0164】
制御部72は、ステップS53において、所定時間が経過したか否かを判定する。所定期間が経過した場合、制御部72は、ステップS55に移行する。所定期間が経過していない場合、制御部72は、ステップS54に移行する。制御部72は、ステップS54において、変速が完了したか否かを判定する。変速が完了していない場合、制御部72は、ステップS53に移行する。変速が完了した場合、制御部72は、ステップS55に移行する。制御部72は、ステップS55において、アシストレベルを増加させ、処理を終了
【0165】
<第4実施形態>
図9を参照して、第4実施形態の制御装置70について説明する。第4実施形態の制御装置70は、
図5の処理に代えて
図9の処理を実行する点以外は第1実施形態の制御装置と同様である。第4実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0166】
本実施形態の制御部72は、人力駆動車10の前方において、走行路の舗装状態が変化する場合、舗装状態が変化する地点までの距離に応じて、電動装置42を制御するように構成されてもよい。
【0167】
例えば、人力駆動車10が舗装路を走行している場合、舗装状態が未舗装路に変化する地点まで第1距離以下の場合、制御部72は第2制御状態において電動装置42を制御する。例えば、人力駆動車10が未舗装路を走行している場合、舗装状態が舗装路に変化する地点まで第2距離以下の場合、制御部72は第2制御状態において電動装置42を制御する。第1距離と第2距離とは等しくてもよく、異なっていてもよい。例えば、舗装状態が変化するまでの距離は、前方画像から人工知能処理部78によって推定される。
【0168】
例えば、第1距離は、電動装置42の動作に応じて設定される。例えば、電動装置42が変速装置46を含む場合、第1距離は、変速動作にかかる期間に応じて設定される。例えば、第1距離は、変速動作の実行を開始してから変速動作が完了するまでに十分な人力駆動車10の走行距離に応じて設定される。例えば、第2距離は、電動装置42の動作に応じて設定される。例えば、電動装置42が変速装置46を含む場合、第2距離は、変速動作にかかる期間に応じて設定される。例えば、第2距離は、変速動作の実行を開始してから変速動作が完了するまでに十分な人力駆動車10の走行距離に応じて設定される。
【0169】
図9を参照して、制御状態に応じて、制御部72が制御状態に応じて電動装置42を制御する処理が説明される。例えば、制御部72に電力が供給されると、制御部72は処理を開始して
図9に示すフローチャートのステップS61に移行する。制御部72は、
図9のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS61からの処理を繰り返す。
【0170】
制御部72は、ステップS61において、人力駆動車10が走行状態か否かを判定する。人力駆動車10が走行状態ではない場合、制御部72は処理を終了する。人力駆動車10が走行状態の場合、制御部72は、ステップS62に移行する。制御部72は、ステップS62において、走行路が舗装路か否かを判定する。走行路が舗装路の場合、制御部72は、ステップS63に移行する。制御部72は、ステップS62において、人力駆動車10の現在地点が舗装路か否かを判定してもよい。
【0171】
制御部72は、ステップS63において、舗装状態が変化する地点まで第1距離以下か否かを判定する。舗装状態が変化する地点まで第1距離以下の場合、制御部72は、ステップS65に移行する。舗装状態が変化する地点まで第1距離以下ではない場合、制御部72は、ステップS66に移行する。
【0172】
制御部72は、ステップS65において、制御状態を第2制御状態に移行し、ステップS67に移行する。制御部72は、ステップS67において、電動装置42を制御して処理を終了する。制御部72は、ステップS66において、制御状態を第1制御状態に移行し、ステップS68に移行する。制御部72は、ステップS68において、電動装置42を制御して処理を終了する。
【0173】
ステップS63において、走行路が舗装路ではない場合、制御部72は、ステップS64に移行する。制御部72は、ステップS64において、走行路が未舗装路か否かを判定する。走行路が未舗装路の場合、制御部72は、ステップS69に移行する。走行路が未舗装路ではない場合、制御部72は、処理を終了する。制御部72は、ステップS62において、人力駆動車10の現在地点が未舗装路か否かを判定してもよい。
【0174】
制御部72は、ステップS69において、舗装状態が変化する地点まで第2距離以下か否かを判定する。舗装状態が変化する地点まで第2距離以下の場合、制御部72は、ステップS70に移行する。舗装状態が変化する地点まで第2距離以下ではない場合、制御部72は、ステップS71に移行する。
【0175】
制御部72は、ステップS70において、制御状態を第1制御状態に移行し、ステップS72に移行する。制御部72は、ステップS72において、電動装置42を制御して処理を終了する。制御部72は、ステップS71において、制御状態を第2制御状態に移行し、ステップS73に移行する。制御部72は、ステップS73において、電動装置42を制御して処理を終了する。
【0176】
<変形例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
する。
【0177】
・
図2に破線で示されるように、前方検出部52は、レーザ装置52Bを含んでいてもよい。前方検出部52がレーザ装置52Bを含む場合、前方情報は、レーザ装置52Bによって取得される障害物情報を含む。例えば、障害物情報は、車、自動二輪車、他の人力駆動車、人、動物、木、岩、および、家屋などを含む。
【0178】
・
図2に破線で示されるように、前方検出部52は、位置情報検出部52Cを含んでいてもよい。前方検出部52が位置情報検出部52Cを含む場合、前方情報は、位置情報検出部52Cによって取得される走行路の地図情報を含む。
【0179】
・第2実施形態において、通過難易度は、テクニカルであるか否かと対応してもよい。この場合、例えば、制御部72は、走行路に障害物があると推定した場合、走行路の通過難易度がテクニカルであると判定する。例えば、制御部72は、走行路に障害物があると判定した障害物の種類に応じて、推定走行路の通過難易度がテクニカルであると判定してもよい。通過難易度がテクニカルとは、例えば、人力駆動車10が走行路を通過する場合の、ライダによる人力駆動車10の操縦が困難な場合である。例えば、走行路に岩や木の根が露出していることによって推定走行路に凹凸がある場合、走行路の通過難易度はテクニカルである。
【0180】
・第3実施形態の制御部72は、
図9のステップS62において、制御状態が第1制御状態か否かを判定してもよい。この場合、制御部72は、制御状態が第1制御状態の場合、ステップS63に移行する。制御部72は、制御状態が第1制御状態ではない場合、ステップS64に移行する。
【0181】
・第3実施形態の制御部72は、
図9のステップS64において、制御状態が第2制御状態か否かを判定してもよい。この場合、制御部72は、制御状態が第2制御状態の場合、ステップS69に移行する。制御部72は、制御状態が第2制御状態ではない場合、処理を終了する。
【0182】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0183】
10…人力駆動車、14…クランク、16…車輪、40…シートポスト、42…電動装置、44…モータ、46…変速装置、48…電動アジャスタブルシートポスト、50…サスペンション装置、52…前方検出部、52A…撮像装置、70…制御装置、72…制御部、78…人工知能処理部。