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特開2023-48934マッチング装置、マッチングシステム、マッチング方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048934
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】マッチング装置、マッチングシステム、マッチング方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230331BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158523
(22)【出願日】2021-09-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】521425537
【氏名又は名称】寺尾 千晶
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 千晶
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】機密性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合に適切な業務提携を行えるようにする。
【解決手段】マッチング装置1は、ユーザが利用するユーザ端末2と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末3と、ネットワークNWを介して通信可能に構成され、ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶部1Eを有し、所定の候補者の候補者端末3から、ユーザとの業務提携契約の応募を受け付けると、判定処理部15により、応募を受け付けた所定の候補者と、ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、
所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける応募受付手段と、
応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する判定処理手段と、を有する、
マッチング装置。
【請求項2】
前記判定処理手段は、前記所定の候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記所定の候補者と当該契約中の契約者とのコンフリクトを判定する、
請求項1記載のマッチング装置。
【請求項3】
契約に関わる機密情報を記憶した機密情報記憶部と、
前記ユーザ端末から、契約に応募した所定の候補者について選考に進むか否かの判断結果を受け付ける判断結果受付手段と、
選考に進むことになった前記所定の候補者に対し、前記機密情報にアクセスするためのアクセス情報を発行する発行処理部と、
前記機密情報にアクセスした前記所定の候補者の前記候補者端末から所定の申請書類の提供を受け付ける申請書類受付手段と、をさらに有し、
前記判定処理手段は、前記申請書類を提出した前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する、
請求項1又は2記載のマッチング装置。
【請求項4】
ユーザが定める募集要項を記憶する募集要項記憶手段と、
前記募集要項を満たす前記候補者を選定するマッチング処理手段と、
選定した前記候補者の前記候補者端末に対し、契約への応募を案内する案内手段と、をさらに有する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載のマッチング装置。
【請求項5】
ユーザが利用するユーザ端末、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末、及びマッチング装置がネットワークを介して通信可能に構成されたシステムであって、
ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、
所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける応募受付手段と、
応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する判定処理手段と、を有する、
マッチングシステム。
【請求項6】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
ユーザが締結している契約情報を記憶する契約情報記憶手段、を有するコンピュータにより、
所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける処理と、
応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する処理と、を実行する、
マッチング方法。
【請求項7】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
ユーザが締結している契約情報を記憶する契約情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、
所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける処理と、
応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務提携契約において候補者の選定から業務提携契約締結、さらには契約締結後のプロセスの管理を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
研究開発においては、そのステージごとにあるいは包括的に業務提携先の選定、合意、及び契約のプロセスが必要とされる。
【0003】
この点、研究開発は機密情報が多いため、情報の開示範囲など、業務提携先の募集の行い方には細心の注意が必要とされる。
【0004】
この点、特許文献1には、精度がより高いビジネスマッチングを実現するシステムであって、従業員が属する企業の企業情報及び経営者が経営する企業の企業情報の少なくとも何れかを記憶する記憶部と、通信端末に表示したWebサイト内での従業員及び経営者の少なくとも何れかの行動に関するログを示す行動ログを取得し、取得した行動ログ、及び記憶部にて当該行動ログが取得された従業員及び経営者の少なくとも何れかに対応づけられている企業情報を基に、当該企業に紹介する企業を選定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-160272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明は、業務提携先を探す場合に秘密管理性を担保しながら自らの機密情報を候補先に開示したり、複数の企業等と業務提携をする場合に業務提携先間のコンフリクトを判断して適切な業務提携を行えるようにしたりするものではなかった。
【0007】
そこで本発明は、機密情報の秘密管理性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合に適切な業務提携を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るマッチング装置は、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける応募受付手段と、応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する判定処理手段と、を有する。
【0009】
前記判定処理手段は、前記所定の候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記所定の候補者と当該契約中の契約者とのコンフリクトを判定するものとしてもよい。
【0010】
契約に関わる機密情報を記憶した機密情報記憶部と、前記ユーザ端末から、契約に応募した所定の候補者について選考に進むか否かの判断結果を受け付ける判断結果受付手段と、選考に進むことになった前記所定の候補者に対し、前記機密情報にアクセスするためのアクセス情報を発行する発行処理部と、前記機密情報にアクセスした前記所定の候補者の前記候補者端末から所定の申請書類の提供を受け付ける申請書類受付手段と、をさらに有し、前記判定処理手段は、前記申請書類を提出した前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定するものとしてもよい。
【0011】
ユーザが定める募集要項を記憶する募集要項記憶手段と、前記募集要項を満たす前記候補者を選定するマッチング処理手段と、選定した前記候補者の前記候補者端末に対し、契約への応募を案内する案内手段と、をさらに有するものとしてもよい。
【0012】
本発明の別の観点に係るマッチングシステムは、ユーザが利用するユーザ端末、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末、及びマッチング装置がネットワークを介して通信可能に構成されたシステムであって、ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける応募受付手段と、応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する判定処理手段と、を有する。
【0013】
本発明の別の観点に係るマッチング方法は、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、ユーザが締結している契約情報を記憶する契約情報記憶手段、を有するコンピュータにより、所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける処理と、応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する処理と、を実行する。
【0014】
本発明の別の観点に係るコンピュータプログラムは、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、ユーザが締結している契約情報を記憶する契約情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、所定の候補者の前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける処理と、応募を受け付けた前記所定の候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する処理と、を実行させる。
【0015】
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、コンピュータ読み取り可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機密情報の秘密管理性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合にも適切な業務提携を行える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るマッチングシステムが備える機能を示した機能ブロック図である。
図2】本実施形態に係るマッチングシステムによる処理の流れの概略を示した処理フロー図である。
図3】実施例1に係るマッチングシステムによる処理の流れを示したシーケンス図である。
図4】実施例1に係るマッチングシステムによる処理の流れを示したシーケンス図である。
図5】実施例1に係るマッチングシステムによる処理の流れを示したシーケンス図である。
図6】実施例1に係るマッチングシステムによる処理の流れのうち、コンフリクトチェックの流れを示した処理フロー図である。
図7】実施例2に係るマッチングシステムによる処理の流れを示したシーケンス図である。
図8】実施例3に係るマッチングシステムによる処理の流れを示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示す本発明の実施形態に係るマッチングシステム10は、業務提携先を探している人あるいは企業の要望に応じて候補者の中から業務提携先を選定すると共に、合意を経た契約、さらには契約終了までの相互確認や評価までを行うまでのプロセスを支援する。
なお、以下の説明においては、業務提携先を探している人あるいは企業を「ユーザ」と称することがある。また、以下において業務提携の候補者は、業務提携契約が締結された後は契約者となる。また、以下の本実施形態において「契約」といった場合には、特に断りがない限り「業務提携契約」を意味するものとする。
【0019】
●処理の概略
本実施形態に係るマッチングシステム10によって実行される処理の概略を図2に示す。
まず、マッチングシステム10において、ユーザが定めた募集要項が掲載される(S11)。募集要項の掲載は例えば、事前に登録している候補者が所定のウェブサイト等から閲覧可能となるような態様で行われる。
【0020】
募集要項に基づき、事前に登録している候補者の中からマッチングによって候補者が選定されると、当該候補者に対して応募の推奨が行われる(S12)。候補者がこのような応募の推奨を受けて、あるいは掲載されている募集要項を閲覧して自発的に応募申請をすると、当該応募申請が受け付けられる(S13)。
【0021】
マッチング装置1は、応募申請を受け付けるとコンプライアンスチェックを行い(S14)、問題がなければ、秘密保持契約を締結する(S15)。秘密保持契約を締結した候補者は、ユーザの機密情報にアクセスし(S16)、さらなる情報を把握した上で申請書類を提出し、マッチング装置1は当該申請書類の提出を受け付ける(S17)。
【0022】
申請書類に基づいた候補者の書類審査(S18)、さらには面接審査(S19)が行われ、業務提携が決定する(S20)。業務提携が決定すると、改めコンフリクトチェックが行われ(S21)、業務提携契約が締結される(S22)。
【0023】
業務提携契約が締結された後も、契約内容に応じて、業務提携契約が終了するまでマイルストン毎の相互確認と評価が行わる(S23、S24)。
【0024】
なお、図2に示した処理の概略に関わらず、コンプライアンスチェックやコンフリクトチェックが行われるタイミングは他のタイミングとすることもできる。例えば、コンフリクトチェックをマッチングやコンプライアンスチェックあるいは書類審査の際やその前後に行うこともできる。同様に、コンプライアンスチェックも、マッチングやコンフリクトチェックあるいは書類審査の際やその前後に行うこともできる。また、コンプライアンスチェックとコンフリクトチェックは、場合にはよってその内容がどちらにも分類され得ることもあるが、ここではその意味合いは広く捉えられるべきである。
【0025】
●機能構成
図1に示されるように、本発明の実施形態に係るマッチングシステム10は、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に構成されたマッチング装置1、ユーザ端末2及び候補者端によって構成されている。
マッチング装置1は所謂コンピュータ等によって実現され、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブといったハードウェア資源、CPUが実行するコンピュータプログラム等のソフトウェア資源により、ユーザ情報記憶部1A、候補者情報記憶部1B、募集要項記憶部1C、選考情報記憶部1D、契約情報記憶部1E、機密情報記憶部1F、抽出処理部11、マッチング処理部12、チェック処理部13、発行処理部14、判定処理部15、管理部16、及び通信処理部17からなる機能ブロックを構成する。
【0026】
ユーザ情報記憶部1Aは、ユーザに関するユーザ情報を記憶した記憶部である。
このユーザ情報記憶部1Aには例えば、ユーザを識別可能なユーザ識別情報に関連付けて、ユーザの名称や属性等の基本情報のほか、広く業務提携契約に関わるユーザの情報であって、公開可能な情報が記憶されている。
【0027】
候補者情報記憶部1Bは、候補者に関する情報を記憶した記憶部である。候補者情報記憶部1Bに記憶される情報は、候補者が自ら登録しておくことができるほか、業務提携契約の締結プロセスにおいて適宜に収集されて登録されることもある。
この候補者情報記憶部1Bには、図2の例に示されるように、候補者を識別可能な候補者識別情報に関連付けて、候補者の名称や属性等の基本情報のほか、マッチングやコンプライアンスチェック、さらにはコンフリクトチェックに必要な情報が記憶される。このような情報には例えば、候補者の業務の内容や範囲、携わっている研究分野、関連会社の情報など、広く候補者の業務提携先としての適格性を判断するために必要な情報が含まれる。
マッチングシステム10はこの候補者情報に基づいて、所定のユーザの提供先の候補者を検索することができる。
【0028】
募集要項記憶部1Cは、ユーザが募集する業務提携先の条件や、候補者がユーザと業務提携を行うかどうかを判断する材料となる情報を募集要項として記憶した記憶部である。
この募集要項には例えば、研究開発のステージや分野、ユーザ候補者に求める研究開発の資本、概要と抱えている課題や必要な解決手段、想定される成果と貢献、案件及び研究チームに係るコンプライアンスの申請といった情報が含まれる。
【0029】
選考情報記憶部1Dは、募集要項の掲載に始まって、候補者の選定過程に関する選考情報を記憶する記憶部である。
この選考情報には例えば、コンプライアンスチェック、書類審査、面接審査、あるいはコンフリクトチェックによる候補者の落選又は除外の理由、業務提携の基本合意の締結如何に関する情報が含まれる。
なお、この選考情報記憶部1Dにはこれらの情報のほか、業務提携契約の締結後に行われる相互評価やマイルストン管理に関する情報を記憶することもできる。また、この選考情報記憶部1Dに記憶される情報、特に候補者の落選や除外の理由に関する情報は必ずしも候補者に開示する必要はなく、候補者によるアクセスが不可能となるように管理されていてもよい。
【0030】
契約情報記憶部1Eは、ユーザが所定の候補者と取り交わした基本合意の内容を含め、ユーザが所定の候補者(契約を締結した場合には契約者)と締結した業務提携契約に関する契約情報を記憶する記憶部である。
この契約情報には、広く契約内容に関する情報が含まれ、基本合意の内容には例えば、業務提携の目的や内容、契約期間や締結日、業務提携の範囲、成果物の定義/提供日/提供方法、予算の範囲、従うべき関係法規などの情報が挙げられる。また、実際の業務提携契約に関する情報には例えば、基本合意の内容に加えて、締結済みの契約書を電子化した原本、契約の締結日や期間、業務提携範囲ごとの提携先の提示、定型業務ごとの責任範囲の明示、責任者や担当者の連絡先など、契約に基づいたマイルストン管理に必要な情報のほか、実際のマイルストン管理の結果に関する情報が挙げられる。
【0031】
機密情報記憶部1Fは、候補者がユーザと業務提携した際の具体的な研究開発や業務の内容など、ユーザの情報として公開されていない情報であって、業務提携契約に関わる機密情報を記憶した記憶部である。
ユーザの判断により選考に進むこととなった候補者は、発行処理部14によって発行されたアクセス情報によりユーザの機密情報にアクセスできる。
【0032】
抽出処理部11は、各処理部による処理に際して、各記憶部から必要な情報を抽出する処理を実行する。
【0033】
マッチング処理部12は、募集要項記憶部1C及び候補者情報記憶部1Bを参照し、所定の募集要項にマッチする候補者を選定することにより、ユーザと候補者とのマッチングを実行する。
【0034】
チェック処理部13は、応募申請をしてきた候補者についてコンプライアンスのチェックや、候補者の申請書類の書類審査を実行する。
コンプライアンスチェックは、ユーザと候補者の関係性あるいは候補者自体の属性等に応じて、研究不正の有無、利益相反、研究倫理、業界ごとの事情などの観点から実行される。具体的な処理においては例えば、チェック処理部13が候補者情報記憶部1Bを参照して、対象となる候補者の情報にコンプライアンス違反となる所定の情報が存するか否かを判別する。
なお、コンプライアンスチェックにおいては、外部のデータベースなどを適宜に参照して判断材料とすることもできる。
【0035】
書類審査の審査対象となる申請書類は、候補者が機密情報にアクセスした後、ユーザの要求や応募条件等に応じて作成したものであり、電子データによって構成することができる。チェック処理部13は、当該申請書類について、応募要項や、その他の申請書類において求められるものとして予め定められている条件あるいは情報に基づいて、その適否をチェックすることができる。
なお、他の実施形態においては、候補者から提供された申請書類に基づく書類審査はユーザが行うものとし、マッチング装置1は当該ユーザによる書類審査の結果を受け付け、その結果に基づいて以降の処理を実行することもできる。
【0036】
発行処理部14は、ユーザの判断によってさらなる選考に進むことになった候補者に対し、機密情報にアクセスするための権限を証するアクセス情報を発行する。アクセス情報の発行を受けたユーザは、当該アクセス情報を使ってユーザの機密情報を閲覧する。
【0037】
判定処理部15は、所定の候補者と、ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する。判定処理部15はさらに、所定の候補者の契約予定期間と、ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複するか否かを判別し、重複する場合には当該所定の候補者と当該契約中の契約者とのコンフリクトを判定し、重複しない場合には当該所定の候補者と当該契約中の契約者とのコンフリクトを判定しないもとすることもできる。ただし、このことは、契約予定期間等にかかわらず、既にユーザが業務提携契約を締結している契約者との間のコンフリクトを判定することを妨げない。
なお、具体的な判定処理部15によるコンフリクトの判定は例えば、特定の企業同士のコンフリクトを示す情報や、コンフリクトする研究分野に関する情報を所定のテーブルに保持しておき、当該テーブルに基づいて行うことができる。
【0038】
管理部16は、業務提携契約に基づいたマイルストン管理を実行する。具体的には、管理部16は契約情報記憶部1Eを参照して、契約時の定めに沿って、マイルストン毎の相互確認や評価をユーザや契約者に要求したり、管理部16自ら所定の基準に基づいた評価を実行したりする。
【0039】
通信処理部17は、ユーザ端末2や候補者端末3とネットワークNWを介して各種のデータの送受信を実行する。
この通信処理部17により、マッチング装置1は例えば、ユーザ端末2との間で候補者との面談又は提携の可否に関する情報の送受信を実行する。また、候補者端末3との間では、マッチング結果に基づいた契約への応募の案内やこれに応じた応募申請の受け付け、さらにはユーザとの面談又は提携の可否に関する通知を実行する。
【0040】
ユーザ端末2は、ユーザが利用する端末であって、所謂パーソナルコンピュータ等によって実現される。
ユーザはこのユーザ端末2を介して、所定の候補者について選考を進めるか否かの判断結果や候補者との面接の可否に係る情報をマッチング装置1に通知するなど、マッチング装置1と情報のやり取りを行う。
【0041】
候補者端末3は、ユーザの業務提携先となり得る候補者が利用する端末であって、所謂パーソナルコンピュータ等によって実現される。
候補者はこの候補者端末3を介して、ユーザによる業務提携の募集に応募するなど、マッチング装置1と情報のやり取りを行う。
【実施例0042】
マッチング装置1及びマッチングシステム10によって実行される処理の流れの一の実施例について図3から図5を参照して説明する。
なお、以下の説明においては、ユーザと候補者は予め自らのユーザ情報又は候補者情報をそれぞれ、ユーザ情報記憶部1A及び候補者情報記憶部1Bに登録しておくものとする。
また、以下の例では、ユーザや候補者による情報のやり取りや各種の情報の提供は所定のウェブサイト又はプラットフォームサイト上で行われるものとし、当該所定のウェブサイト又はプラットフォームサイトのことを「専用サイト」と称することとする。ただし、本例にかかわらず、情報のやり取りは、電子メール等のやり取りによることもできる。
【0043】
まず、ユーザはユーザ端末2を介して、マッチング装置1に募集申請を送信する(S101)。募集申請は例えば、専用サイトから募集要項を入力したり、所定のフォームで作成した募集要項のデータをアップロードしたりすることによって実行される。
ユーザから募集申請を受け付けたマッチング装置1は、募集要項を募集要項記憶部1Cに記憶すると共に、候補者が参照可能となるよう、募集要項を専用サイト上に掲載する(S102)。
【0044】
新たな募集要項が掲載されたとき、あるいは募集要項が更新されたときには、マッチング処理部12によって募集要項に基づいたユーザと候補者とのマッチング処理が実行され、マッチングによってヒットした候補者の候補者端末3に対して応募申請の推奨が通知される(S103)。
【0045】
候補者がこのような応募の推奨を受けて、あるいは掲載されている募集要項を閲覧して自発的に応募を申請すると(S104)、当該応募申請が受け付けられる(S105)。
なお、所定の募集要項に応じた応募申請が受け付けられたときや、当該所定の募集要項が新たに掲載されたとき、当該所定の募集要項を識別可能な情報を選考情報記憶部1Dに登録し、以後の当該所定の募集要項に関わる選考情報を登録しておくことができる。
【0046】
マッチング装置1は、応募申請を受け付けるとチェック処理部13により、ユーザ情報記憶部1Aや候補者情報記憶部1Bを適宜に参照してコンプライアンスチェックを実行する(S106)。
コンプライアンスチェックの結果は、候補者の情報と共にユーザ端末2に提供され(S107)、ユーザはチェック結果に基づいて、当該候補者の選考に進むか否かを判断する。ユーザは判断の後、その判断結果をマッチング装置1に送信する(S108)。
【0047】
ユーザが選考を進めると判断しなかった場合には(S109)、対象の候補者の候補者端末3に対して落選通知が送信され(S110)、落選という選考結果が対象の募集要項に関連付けて選考情報記憶部1Dに登録される(S111)。
【0048】
一方、ユーザが選考を進めると判断した場合には(S109)、候補者端末3に対してその旨の通知が送信される(S112)。マッチング装置1はこれに続けて、ユーザと候補者との間で秘密保持契約を締結させる(S113)。秘密保持契約の締結は例えば、予めユーザ情報を反映させた秘密保持契約書のフォームを用意しておき、これを専用サイト上で候補者に提供した上、候補者から当該フォームへの必要事項の入力や電子署名等を受け付ける。なお、これに限らず、実際の原本の送付を候補者から受けることもできる。
【0049】
秘密保持契約を締結した候補者に対しては、発行処理部14により機密情報にアクセスするためのアクセス情報が発行され(S114)、これにより候補者は、機密情報記憶部1Fに記憶されているユーザの機密情報にアクセスする(S116)。
【0050】
候補者は、選考に必要な所定の情報をまとめた申請書類を作成し、当該申請書類を提出する(S201)。
なお、申請書類は例えば、所定のフォームに基づいた電子データとして構成され、候補者端末3からマッチング装置1に提供されるものであってもよいし、専用サイト上に設けられた入力フォームから入力して作成されるものであってもよい。このほか、マッチング装置1の管理者等が、候補者が実際に紙面で作成したものの送付を受け付け、これを電子データとしてマッチング装置1に入力したり、当該管理者等が判断した書類審査の結果をマッチング装置1に入力したりすることもできる。
【0051】
マッチング装置1は各候補者からの申請書類を所定の優先順位に基づいて絞り込んだ上(S202)、チェック処理部13により当該絞り込んだ申請書類について書類審査を実行する(S203)。
なお、所定の優先順位に基づいた絞り込みの方法又は態様は特に限られないが、例えば、先着順や、募集要項に定められている条件との一致率、候補者の資本力等によることができ、ユーザが任意に設定できるようになっていてもよい。なお、このことは申請書類を所定の優先順位に基づいて絞り込むことなく、全ての申請書類について書類審査を実行することを妨げない。
【0052】
また、他の実施例では、候補者から提供された申請書類に基づく書類審査はユーザが行うものとし、マッチング装置1は当該ユーザによる書類審査の結果を受け付け、その結果に基づいて以降の処理を実行するものとしてもよい。
また、書類審査のやり取りは一度で完結する必要はなく、申請書類の内容やユーザの要求に応じて複数回、行われてもよい。
【0053】
書類審査の結果、該当者がいなかった場合には(S204)、結果が選考情報記憶部1Dに登録されると共に、適宜に募集要項の見直しが行われた後、ユーザから改めて募集申請が行われる(S205)。
【0054】
一方、書類審査の結果、該当者がいた場合には(S204)、マッチング装置1からユーザ端末2に対し、該当者がいた旨と共に、該当した候補者との面談可否の確認通知が送信される(S206)。面談可否の確認通知の送信に際しては適宜、該当した候補者の候補者情報や、申請書類などがユーザに提供される。
【0055】
マッチング装置1は、ユーザから端末から候補者との面談可否についての情報を受信すると(S208)、それが不許可で会った場合には、対象の候補者の候補者端末3に対して落選通知を送信し(S209)、落選という選考結果を対象の募集要項に関連付けて選考情報記憶部1Dに登録する(S210)。
【0056】
一方、ユーザが面談を許可した場合には(S208)、候補者端末3に対して面談通知が送信される(S211)。この際には、面談の日時や場所等が合わせて候補者に通知されるようになっていてもよい。ただし、面談の日時や場所等は面談通知とは別のタイミングで設定されるようになっていてもよいし、また、当事者間で設定されるようになっていてもよい。
【0057】
所定の日時及び場所にて、ユーザによる候補者の面接審査が行われると(S212)、ユーザは候補者と提携可否を判断し、判断結果をマッチング装置1に通知する(S213)。
その結果、提携が許可されなかった場合には、マッチング装置1は対象の候補者の候補者端末3に対して落選通知を送信し(S215)、落選という選考結果を対象の募集要項に関連付けて選考情報記憶部1Dに登録する(S216)。
一方、ユーザが提携を決定した場合には、マッチング装置1から候補者端末3に対して提携の決定通知が送信される(S217)。
【0058】
そして、マッチング装置1は判定処理部15によりコンフリクトチェックを実行する(S301)。コンフリクトチェックにおいては、提携の決定がなされた後に、さらに候補者から提供された情報に基づいて、あるいは当該候補者から提供された情報を加味して実行されてもよい。
【0059】
なお、本例において、判定処理部15は図6に示されるように、契約情報記憶部1Eを参照して、コンフリクトチェックの対象候補者の契約予定期間と、ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複するか否かを判別する(S3011)。その結果、重複しない場合には当該所定の候補者と当該契約中の契約者とのコンフリクトを判定することなく、コンフリクトの問題は生じないものと判定する。一方、重複する場合には当該所定の候補者と当該契約中の契約者とのコンフリクトを判定し(S3012)、判定結果を出力する。
【0060】
ただし、他の例において、あるいはユーザやマッチング装置1の管理者等による任意の設定によっては、契約予定期間等にかかわらず、既にユーザが業務提携契約を締結している契約者と候補者との間のコンフリクトを判定することもできる。
なお、ユーザが契約中の契約者は複数いる場合もあるところ、候補者の契約予定期間と、ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複するか否かを判別する場合には、候補者と全ての契約者について判別する。
【0061】
判定処理部15によるコンフリクトチェックの結果、コンフリクトの問題が生じた場合には(S303)、提携の決定が取り消される(S304)。
【0062】
一方、判定処理部15によるコンフリクトチェックの結果、コンフリクトの問題が生じなかった場合には(S303)、ユーザと候補者との間で業務提携の基本合意が締結され(S305)、基本合意が選考情報記憶部1Dや契約情報記憶部1Eに登録される(S306)。
正式に業務提携契約が締結されると(S307)、契約内容が契約情報記憶部1Eに登録され、マイルストンの管理が開始される(S308)。
【0063】
予め決められた所定のタイミングに至ると(S309)、管理部16は、契約情報記憶部1Eを参照してマイルストン毎の相互確認や評価をユーザや契約者に要求したり、自ら所定の基準に基づいた評価を実行したりする(S310)。
【0064】
マイルストン毎の相互確認や評価を経て、予め契約で定められていた業務提携の終了のタイミングに至る、あるいは両当事者の合意によって業務提携が終了することになると(S311)、業務提携における相互評価がなされた後(S312)、当該相互評価が契約情報記憶部1Eに登録され(S313)、業務提携が終了となる。
【0065】
なお、マイルストンごとの相互確認や評価によっては、契約内容の見直しが行われ(S314)、見直しが行われた場合には以後、見直しされた契約内容に沿って、マイルストン管理が実行される。
【0066】
以上の本実施例に係るマッチング装置1及びマッチングシステム10によれば、機密情報の秘密管理性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合にも適切な業務提携を行える。
【実施例0067】
図7は、上記した実施例1の変形例における処理の流れを示している。
この実施例では、実施例1と同様に、候補者による申請書類の提出(S201)、申請書類の所定の優先順位に基づいた絞り込み(S202)、及び書類審査(S203)が行われた後、S204の処理において該当者の存否が判断される前の段階でコンフリクトチェックが実行される(S401)。
なお、判定処理部15によるコンフリクトチェックの処理は上記した実施例1と同様であり、このS401の段階でコンフリクトチェックに必要な情報がある場合には、申請書類の提出の際、候補者にそのような情報の提供を求めるようにしてもよい。
【0068】
本実施例によれば、ユーザは候補者のコンフリクトチェックを踏まえて候補者との面談可否を判断することができる。その結果、提携が決定すると、決定が取り消されることなく業務提携の基本合意の締結へと処理が進む。
【実施例0069】
図8は、上記した実施例1又は実施例2の変形例における処理の流れを示している。
この実施例では、実施例1と同様に、ユーザが業務提携の許可を決定し、決定通知が出された後にコンフリクトチェックが行われる一方、コンフリクトチェックはこの段階で候補者側において実行される(S501)。
【0070】
即ち、本実施例では例えば、コンフリクトチェックのための情報が業務提携の決定通知と共に、あるいは当該決定通知の後に候補者端末3に対して提供され、候補者が当該情報に基づいてコンフリクトをチェックしてその結果をマッチング装置1に通知する(S302)。
マッチング装置1は、候補者から受け付けたコンフリクトチェックの結果に基づいて、業務提携契約の決定の取り消しや業務提携の基本合意の締結といった処理に進む。
本実施例によれば、ユーザの判断と責任のもとにおいてコンフリクトチェックが行われる。
【0071】
なお、以上の本実施形態に係るマッチングシステム1において、コンプライアンスチェックやコンフリクトチェックの結果に応じて、所定の候補者と契約者との間にコンソーシアム契約などの契約を提案、締結させるなどしてもよい。これにより、ユーザと業務提携契約を締結する複数の契約者は、他の契約者の存在に関わらず、あるいは当該他の契約者の存在によるリスクを把握して事業を展開することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 :マッチング装置
10 :マッチングシステム
11 :抽出処理部
12 :マッチング処理部
13 :チェック処理部
14 :発行処理部
15 :判定処理部
16 :管理部
17 :通信処理部
1A :ユーザ情報記憶部
1B :候補者情報記憶部
1C :募集要項記憶部
1D :選考情報記憶部
1E :契約情報記憶部
1F :機密情報記憶部
2 :ユーザ端末
3 :候補者端末
NW :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
募集要項記憶部1Cは、ユーザが募集する業務提携先の条件や、候補者がユーザと業務提携を行うかどうかを判断する材料となる情報を募集要項として記憶した記憶部である。
この募集要項には例えば、研究開発のステージや分野、ユーザ候補者に求める資本、概要と抱えている課題や必要な解決手段、想定される成果と貢献、案件及び研究チームに係るコンプライアンスの申請といった情報が含まれる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
チェック処理部13は、応募申請をしてきた候補者についてコンプライアンスのチェックや、候補者の申請書類の書類審査を実行する。
コンプライアンスチェックは、ユーザと候補者の関係性あるいは候補者自体の属性等に応じて利益相反、不正、業界ごとの事情などの観点から実行される。具体的な処理においては例えば、チェック処理部13が候補者情報記憶部1Bを参照して、対象となる候補者の情報にコンプライアンス違反となる所定の情報が存するか否かを判別する。
なお、コンプライアンスチェックにおいては、外部のデータベースなどを適宜に参照して判断材料とすることもできる。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、
前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理手段と、を有
前記判定処理手段は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
マッチング装置。
【請求項2】
前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける応募受付手段を備え、
前記判定処理手段は、前記応募受付手段によって応募を受け付けた前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定する、
請求項1記載のマッチング装置。
【請求項3】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、
前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理手段と、
契約に関わる機密情報を記憶した機密情報記憶部と、
前記ユーザ端末から、契約に応募した前記候補者について選考に進むか否かの判断結果を受け付ける判断結果受付手段と、
選考に進むことになった前記候補者に対し、前記機密情報にアクセスするためのアクセス情報を発行する発行処理部と、を有し、
前記アクセス情報の発行を受けた前記候補者から前記機密情報へのアクセスを受け付ける、
マッチング装置。
【請求項4】
前記機密情報にアクセスした前記候補者の前記候補者端末から所定の申請書類の提供を受け付ける申請書類受付手段を有する、
請求項3に記載のマッチング装置。
【請求項5】
ユーザが利用するユーザ端末、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末、及びマッチング装置がネットワークを介して通信可能に構成されたシステムであって、
前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、
前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理手段と、を有し、
前記判定処理手段は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
マッチングシステム。
【請求項6】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段にアクセス可能なコンピュータにより、
前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理を実行し、
前記判定処理は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
マッチング方法。
【請求項7】
ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、
前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段にアクセス可能なコンピュータに対し、
前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理を実行させ、
前記判定処理は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
コンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明は、業務提携先を探す場合に自らの機密情報を候補先に開示したり、複数の企業等と業務提携をする場合に業務提携先間のコンフリクトを判断して適切な業務提携を行えるようにしたりするものではなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そこで本発明は、機密性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合に適切な業務提携を行えるようにすることを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るマッチング装置は、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理手段と、を有前記判定処理手段は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記候補者端末から、前記ユーザとの業務提携契約の応募を受け付ける応募受付手段を備え、前記判定処理手段は、前記応募受付手段によって応募を受け付けた前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを判定するものとしてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の別の観点に係るマッチング装置は、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理手段と、契約に関わる機密情報を記憶した機密情報記憶部と、前記ユーザ端末から、契約に応募した前記候補者について選考に進むか否かの判断結果を受け付ける判断結果受付手段と、選考に進むことになった前記候補者に対し、前記機密情報にアクセスするためのアクセス情報を発行する発行処理部と、を有し、前記アクセス情報の発行を受けた前記候補者から前記機密情報へのアクセスを受け付ける
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記機密情報にアクセスした前記候補者の前記候補者端末から所定の申請書類の提供を受け付ける申請書類受付手段を有するものとしてもよい。
さらに、ユーザが定める募集要項を記憶する募集要項記憶手段と、前記募集要項を満たす前記候補者を選定するマッチング処理手段と、選定した前記候補者の前記候補者端末に対し、契約への応募を案内する案内手段と、をさらに有するものとしてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の別の観点に係るマッチングシステムは、ユーザが利用するユーザ端末、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末、及びマッチング装置がネットワークを介して通信可能に構成されたシステムであって、前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段と、前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理手段と、を有し、前記判定処理手段は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明の別の観点に係るマッチング方法は、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段にアクセス可能なコンピュータにより、前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理を実行し、前記判定処理は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明の別の観点に係るコンピュータプログラムは、ユーザが利用するユーザ端末と、当該ユーザとの業務提携契約の候補者が使用する候補者端末と、ネットワークを介して通信可能に構成され、前記ユーザが締結している契約に関する契約情報を記憶する契約情報記憶手段にアクセス可能なコンピュータに対し、前記候補者と、前記ユーザが契約中の契約者とのコンフリクトを、前記候補者と契約者との間のコンフリクトを示す情報に基づいて判定する判定処理を実行させ、前記判定処理は、前記候補者の契約予定期間と、前記ユーザが契約中の契約者の契約期間とが重複する場合に、前記候補者と当該契約中の契約者とにコンフリクトがあると判定する
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明によれば、機密性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合にも適切な業務提携を行える。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
以上の本実施例に係るマッチング装置1及びマッチングシステム10によれば、機密性を適切に保ちながら、複数の業務提携先を抱えることになる場合にも適切な業務提携を行える。