(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048936
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】機器取付用ポール、街路灯及び機器設置方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158527
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松本 匡弘
(72)【発明者】
【氏名】樹下 浩
(72)【発明者】
【氏名】松田 次弘
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 誠
(72)【発明者】
【氏名】山下 卓哉
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA09
5J047BF04
5J047BF10
(57)【要約】
【課題】簡単に機器を所望の位置に設置する。
【解決手段】通信用ポール2は、ポール10と、機器の一例であるアンテナ部30と、ポール10との間に隙間140が設けられるようにポール10が挿通された状態でポール10に固定された環状部材100と、隙間140に挿通され、アンテナ部30に接続されたワイヤ40と、を備える。アンテナ部30は、環状部材100の一部を支点としてワイヤ40の張力に応じて上下方向に回動可能に環状部材100に支持されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールと、
機器と、
前記ポールとの間に隙間が設けられるように前記ポールが挿通された状態で前記ポールに固定された環状部材と、
前記隙間に挿通され、前記機器に接続された第1ワイヤと、を備え、
前記機器は、前記環状部材の一部を支点として前記第1ワイヤの張力に応じて上下方向に回動可能に前記環状部材に支持されている、
機器取付用ポール。
【請求項2】
前記機器は、前記環状部材の周方向に沿ってスライド可能である、
請求項1に記載の機器取付用ポール。
【請求項3】
前記環状部材の内周面には、周方向に沿って並ぶ2以上の凹部が設けられている、
請求項2に記載の機器取付用ポール。
【請求項4】
前記2以上の凹部の形状は、前記ポールの軸方向から見た場合に、鋸歯状である、
請求項3に記載の機器取付用ポール。
【請求項5】
前記第1ワイヤは、前記2以上の凹部の1つに係止されている、
請求項3又は4に記載の機器取付用ポール。
【請求項6】
前記環状部材は、第1環状部材と、前記第1環状部材の内側に位置する第2環状部材と、を含み、
前記機器は、前記第1環状部材の周方向に沿ってスライド可能であり、
前記第1ワイヤは、前記第2環状部材に架け渡されている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の機器取付用ポール。
【請求項7】
前記環状部材は、さらに、前記第1環状部材の周方向に沿ってスライド可能に前記第1環状部材に支持された支持部材を含み、
前記支持部材は、前記第1環状部材に支持された部位を支点として上下に回動可能であり、
前記支持部材には、前記第1ワイヤが挿通された挿通孔が設けられ、
前記機器は、前記第1ワイヤが下方に引っ張られた場合に前記支持部材に接触することで前記支持部材に支持される、
請求項6に記載の機器取付用ポール。
【請求項8】
さらに、前記支持部材に接続された第2ワイヤを備え、
前記第2ワイヤは、前記第2環状部材の内周面に周方向に沿って並んで設けられた2以上の凹部の1つに係止されている、
請求項7に記載の機器取付用ポール。
【請求項9】
前記第2ワイヤは、前記支持部材の2ヶ所以上に接続されている、
請求項8に記載の機器取付用ポール。
【請求項10】
前記環状部材は、前記2以上の凹部にそれぞれ係止された複数のリングを有し、
前記第2ワイヤは、前記複数のリングに挿通されている、
請求項8又は9に記載の機器取付用ポール。
【請求項11】
さらに、前記第1ワイヤを収納するカバーを備える、
請求項1~10のいずれか1項に記載の機器取付用ポール。
【請求項12】
前記ポールは、内部に中空空間を有し、
前記ポールの側面には、前記中空空間に連通する開口が設けられ、
前記第1ワイヤは、前記開口を介して前記中空空間に収納されている、
請求項1~10のいずれか1項に記載の機器取付用ポール。
【請求項13】
前記機器は、アンテナを含むアンテナ部である、
請求項1~12のいずれか1項に記載の機器取付用ポール。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の機器取付用ポールと、
前記ポールの先端に取り付けられた灯具と、を備える、
街路灯。
【請求項15】
ポールが挿通された状態で前記ポールに固定された環状部材と前記ポールとの間の隙間に挿通されて前記環状部材に引っ掛けられたワイヤの一端を下方に引くことで、前記ワイヤの他端に取り付けられた機器を前記環状部材に接触するまで上方に持ち上げるステップと、
前記機器と前記環状部材とが接触した状態で前記ワイヤの一端を引く力を調整することで、前記機器を上下方向に回動させて前記機器の水平面に対してなす角度を調整するステップと、を含む、
機器設置方法。
【請求項16】
さらに、
前記ワイヤを前記ポールの軸回りに沿って引っ張ることにより、前記機器を前記環状部材の周方向に沿ってスライドさせるステップを含む、
請求項15に記載の機器設置方法。
【請求項17】
さらに、
前記環状部材の内周面に周方向に沿って並んで設けられた2以上の凹部の1つに前記ワイヤを係止させることで、前記機器の位置を固定するステップを含む、
請求項15又は16に記載の機器設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器取付用ポール、街路灯及び機器設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、柱体と、柱体に沿って昇降する昇降体と、アンテナ取付アームと、を有するアンテナポジショナが開示されている。アンテナ取付アームは、昇降体に対して水平軸回りに回動可能に取り付けられており、昇降体の昇降に応じてアンテナ取付アームが回動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、簡単に機器を所望の位置に設置することができる機器取付用ポール、街路灯及び機器設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る機器取付用ポールは、ポールと、機器と、前記ポールとの間に隙間が設けられるように前記ポールが挿通された状態で前記ポールに固定された環状部材と、前記隙間に挿通され、前記機器に接続された第1ワイヤと、を備える。前記機器は、前記環状部材の一部を支点として前記第1ワイヤの張力に応じて上下方向に回動可能に前記環状部材に支持されている。
【0006】
本発明の一態様に係る街路灯は、上記一態様に係る機器取付用ポールと、前記ポールの先端に取り付けられた灯具と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る機器設置方法は、ポールが挿通された状態で前記ポールに固定された環状部材と前記ポールとの間の隙間に挿通されて前記環状部材に引っ掛けられたワイヤの一端を下方に引くことで、前記ワイヤの他端に取り付けられた機器を前記環状部材に接触するまで上方に持ち上げるステップと、前記機器と前記環状部材とが接触した状態で前記ワイヤの一端を引く力を調整することで、前記機器を上下方向に回動させて前記機器の水平面に対してなす角度を調整するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単に機器を所望の位置に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る街路灯の概略側面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る通信用ポールに取り付けられた環状部材及びアンテナ部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る環状部材の上面図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態に係る機器設置方法におけるアンテナ部の持ち上げ工程を説明するための側面図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態に係る機器設置方法におけるアンテナ部と環状部材との接触工程を説明するための側面図である。
【
図4C】
図4Cは、実施の形態に係る機器設置方法におけるアンテナ部の上下方向の調整工程を説明するための側面図である。
【
図4D】
図4Dは、実施の形態に係る機器設置方法におけるアンテナ部の上下方向の調整工程を説明するための側面図である。
【
図4E】
図4Eは、実施の形態に係る機器設置方法におけるアンテナ部の水平方向の調整工程を説明するための側面図である。
【
図4F】
図4Fは、実施の形態に係る機器設置方法におけるアンテナ部の水平方向の調整工程を説明するための側面図である。
【
図5】
図5は、変形例1に係る通信用ポールに取り付けられた環状部材及びアンテナ部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、変形例2に係る通信用ポールに取り付けられた環状部材及びアンテナ部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、変形例3に係る通信用ポールに取り付けられた環状部材及びアンテナ部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態に係る機器取付用ポール、街路灯及び機器設置方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
また、本明細書において、平行、垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、円柱、角柱などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0013】
また、本明細書において、ワイヤの「一端」及び「他端」は、厳密な意味でのワイヤの端部を意味している訳ではない。すなわち、ワイヤの「一端」とは、ワイヤの一方側の先端部分を意味するだけでなく、先端部分の近傍の範囲も含む意味である。「他端」についても同様である。近傍の範囲とは、例えば、ワイヤの全長の1/4程度である。
【0014】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0015】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る街路灯の概要について、
図1を用いて説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る街路灯1の概略側面図である。
図1に示される街路灯1は、道路、通路、駐車場、広場若しくは公園などの地面、又は、橋梁、高架若しくは建物などの建造物に設置され、下方(地面)を照らす照明装置である。
図1に示されるように、街路灯1は、通信用ポール2と、灯具20と、を備える。通信用ポール2は、機器取付用ポールの一例である。通信用ポール2は、ポール10と、アンテナ部30と、ワイヤ40と、配線50と、カバー60と、環状部材100と、を備える。
【0017】
ポール10は、鉛直上方に延びるように地面に立設されている。ポール10の高さは、例えば数mから十数m程度である。ポール10は、例えば、内部の少なくとも一部が中空の円柱体(例えば、円筒体)であるが、これに限定されない。ポール10は、内部の少なくとも一部が中空の角柱体(例えば、角筒体)であってもよい。あるいは、ポール10は、下端から上端に向かって先細る形状であってもよい。また、ポール10は、地面又は設置面に対して斜め上方に向かって延びるように設けられていてもよい。ポール10は、金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0018】
灯具20は、ポール10の先端部(上端部)に取り付けられている。灯具20は、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含む照明器具である。灯具20の形状及び大きさは、特に限定されない。
【0019】
アンテナ部30は、機器の一例である。アンテナ部30は、無線信号の送受信を行うアンテナと、当該アンテナを内部に収容する筐体と、を有する。アンテナ部30は、筐体内部に収容された無線機を有してもよい。なお、アンテナ部30の構成は、特に限定されない。例えば、アンテナ部30では、筐体の外側面にアンテナが取り付けられていてもよい。あるいは、アンテナ部30は、筐体を有しなくてもよい。
【0020】
アンテナ部30は、環状部材100に支持されている。アンテナ部30を支持する構造の具体例については、後で説明する。
【0021】
ワイヤ40は、第1ワイヤの一例であり、アンテナ部30に接続されている。ワイヤ40は、環状部材100に係止されている。また、ワイヤ40の一部は、カバー60に収納されている。ワイヤ40は、例えば金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0022】
ワイヤ40は、一端がアンテナ部30に接続されており、所定の張力でアンテナ部30を引っ張った状態で他端がポール10に固定されている。詳細については後で説明するが、ワイヤ40の張力を調整することにより、アンテナ部30の位置を調整することができる。なお、本明細書において、「位置」とは、アンテナ部30の傾きなどの「姿勢」も含む概念である。
【0023】
ワイヤ40の他端は、例えばポール10の下部において、人が届く範囲に固定されている。ポール10の下部には、ワイヤ40が巻きつけられた滑車が取り付けられていてもよい。滑車を回転させることで、ワイヤ40の張力を調整することができる。滑車は、ハンドルが設けられて、人力で回転させることができる。あるいは、滑車は、ステッピングモータなどの駆動装置が設けられて、自動で回転が制御されてもよい。
【0024】
配線50は、アンテナ部30に接続されている。配線50の一部は、カバー60に収納されている。配線50は、例えば、アンテナ部30への電力供給用の配線、及び、アンテナ部30との通信用の配線などを含んでいる。例えば、配線50は、同軸ケーブルである。あるいは、アンテナ部30にアンテナだけでなく、無線機も含まれている場合、配線50は、光ファイバ及び電源配線を含んでいてもよい。
【0025】
カバー60は、ワイヤ40及び配線50を収納する。カバー60は、金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0026】
カバー60は、例えば、ポール10の側面に沿ってポール10の軸回りにスライド可能である。具体的には、カバー60は、環状部材100に吊り下げられており、環状部材100をガイドレールとしてポール10の軸回りにスライド可能である。カバー60をスライドさせることにより、ワイヤ40及び配線50をポール10の軸回りに引っ張ることができる。なお、ポール10の側面には、軸回りにカバー60をスライドさせるためのガイドレールが設けられていてもよく、当該ガイドレールにカバー60が支持されていてもよい。
【0027】
環状部材100は、アンテナ部30を所望の位置に設置するための部材である。環状部材100は、ポール10との間に隙間140(
図2及び
図3を参照)が設けられるようにポール10に挿通された状態でポール10に固定されている。以下では、
図2及び
図3を用いて環状部材100の具体的な構造について説明する。
【0028】
[環状部材]
図2は、本実施の形態に係る通信用ポール2に取り付けられた環状部材100及びアンテナ部30を示す斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る環状部材100の上面図である。なお、
図3では、ポール10の上面視における外形を破線で表している。
【0029】
図2及び
図3に示されるように、環状部材100は、第1環状部材110と、第2環状部材120と、支持部材130と、を有する。第1環状部材110、第2環状部材120及び支持部材130はそれぞれ、金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0030】
第1環状部材110は、円環状の部材である。第1環状部材110は、支持部材130を周方向に沿ってスライド可能に支持する。つまり、第1環状部材110は、支持部材130のガイドレールとして機能する。
【0031】
第2環状部材120は、第1環状部材110の内側に位置している。第1環状部材110と第2環状部材120とは、例えば、同心円状に配置されている。第2環状部材120と第1環状部材110との間には隙間が設けられている。また、第2環状部材120とポール10の側面との間には、ワイヤ40を通すための隙間140が設けられている。
【0032】
第2環状部材120の内周面には、周方向に沿って並ぶ2以上の凹部122が設けられている。本実施の形態では、凹部122は、第2環状部材120の全周に亘って設けられている。複数の凹部122は、ポール10の軸方向から見た場合(すなわち、上面視において)、鋸歯状である。「鋸歯状」とは、凹部122が一方向(ここでは周方向)に沿って連続して並んで設けられており、かつ、当該一方向に直交する方向(ここでは上下方向)から見た場合に、凹部122を形成する2つの側面がなす角度が鋭角(90度未満)であることを意味する。この構成により、凹部122に挿通されたワイヤ40が2つの側面の一方に係止されやすくなる。
【0033】
具体的には、
図3に示されるように、複数の凹部122はそれぞれ、傾斜の異なる2つの側面123及び124を有する。例えば、側面123は、第2環状部材120の周方向に直交する面、すなわち、第2環状部材120の径方向に平行な面である。側面124は、第2環状部材120の周方向に対して所定の傾斜角で傾斜している。この傾斜角は、例えば45度未満であるが、これに限定されない。
【0034】
図2に示されるように、凹部122には、ワイヤ40が挿通されて係止される。ワイヤ40を第2環状部材120の周に沿って一方向(例えば、
図3において反時計回り)に引っ張った場合、ワイヤ40は、側面124に沿って移動可能であり、複数の凹部122を順に移動する。一方で、ワイヤ40を反対方向(
図3において時計回り)に引っ張った場合、ワイヤ40は、側面123に係止され、隣の凹部122へ移動しない。このように、ワイヤ40の周方向に沿った移動を一方向に限定し、反対方向への移動を規制することができる。
【0035】
なお、側面123は、ワイヤ40の移動を規制できればよく、径方向に平行な面でなくてもよい。側面123は、例えば、側面124よりも急峻な角度で傾斜した傾斜面であってもよい。
【0036】
支持部材130は、アンテナ部30の位置決め用の部材である。支持部材130には、ワイヤ40に引っ張られたアンテナ部30が接触する。支持部材130は、アンテナ部30の位置及び姿勢を安定させるために設けられている。
【0037】
支持部材130は、第1環状部材110の周方向に沿ってスライド可能に第1環状部材110に支持されている。支持部材130がスライドすることにより、支持部材130に支持されたアンテナ部30もスライドする。
【0038】
支持部材130は、第1環状部材110に支持された部位を支点として上下に回動可能である。具体的には、支持部材130は、
図2及び
図3に示されるように、支持部131を有する。支持部131は、第1環状部材110が内部に挿通された筒状の部分である。第1環状部材110を軸として支持部131が上下方向に回動することで、支持部材130全体が回動する。これにより、支持部材130に支持されたアンテナ部30も上下方向に回動する。支持部材130の回動は、アンテナ部30に接続されたワイヤ40を引っ張ることで行われる。
【0039】
支持部材130は、例えば、平板状の部材である。支持部材130には、挿通孔132が設けられている。挿通孔132にはワイヤ40が挿通される。挿通孔132は、支持部材130の支持部131から離れた位置に配置されている。支持部131が支持部材130の端部に設けられている場合、挿通孔132は、支持部131とは反対側の端部の近傍(支持部材130の中心よりも支持部131とは反対側)に配置されている。これにより、挿通孔132と支持部131との距離を確保することができる。ワイヤ40を引っ張ることでアンテナ部30にかかる力は、支持部材130の挿通孔132の近傍にかかる。このため、支持部131からの距離を長くすることにより、支持部材130及びアンテナ部30の回動を弱い力で簡単に行うことができる。
【0040】
第1環状部材110及び第2環状部材120はそれぞれ、ポール10に固定されている。第1環状部材110及び第2環状部材120の一方がポール10に固定され、他方は、ポール10に固定された部材に固定されてもよい。各々の固定の方法は、特に限定されないが、例えば、
図3に示されるように、L字金具などの固定具150を利用して固定される。隙間140が固定具150によってできるだけ塞がれないようにすることで、支持部材130の可動域を増やすことができる。支持部材130は、第1環状部材110を360度回転可能であることが望ましいが、これに限定されない。支持部材130は、固定具150の存在によって、可動域が360度よりも小さくてもよい。
【0041】
[機器設置方法]
続いて、機器設置方法について、
図4A~
図4Fを用いて説明する。
図4A~
図4Fはそれぞれ、本実施の形態に係る機器設置方法の各工程を説明するための図である。
【0042】
図4Aに示されるように、ポール10の上部には、ワイヤ40が引っ掛けられた状態で環状部材100が固定されている。ワイヤ40は、ポール10の側面と環状部材100(第2環状部材120)との間の隙間140と、支持部材130の挿通孔132とに、この順で挿通されている。ワイヤ40の両端は、ポール10の下部まで延びており、ワイヤ40の一端はポール10に固定可能である。ワイヤ40の他端にはアンテナ部30が取り付けられている。なお、
図4A~
図4Fでは、カバー60の図示が省略されている。
【0043】
ワイヤ40の一端を下方に引くことで、ワイヤ40の他端に取り付けられたアンテナ部30を持ち上げる。
図4Bに示されるように、アンテナ部30を環状部材100(具体的には、支持部材130)に接触するまで上方に持ち上げる。
【0044】
なお、アンテナ部30が環状部材100に接触していない状態では、
図4Aに示されるように、環状部材100の支持部材130は、初期位置(具体的には、上下方向(回動方向)への初期の姿勢)として水平に保たれている。例えば、支持部材130の支持部131には、初期姿勢を維持するためのバネなどの弾性部材が設けられていてもよい。すなわち、ワイヤ40によって支持部材130に力が加わっていない場合には、支持部材130は初期姿勢を維持する。なお、初期姿勢は、水平には限定されず、水平面より上側でも下側であってもよい。また、弾性部材は設けられていなくてもよく、支持部材130の初期姿勢は、その自重によって支持部131から鉛直下方に延びる姿勢であってもよい。
【0045】
次に、
図4Cに示されるように、アンテナ部30が支持部材130に接触した状態でワイヤ40の一端を下方に引っ張る。ワイヤ40にかかる張力によって、アンテナ部30が支持部材130を押し上げ、支持部材130がアンテナ部30とともに上方へ回動する。ワイヤ40の一端を引っ張る力を弱めることで、アンテナ部30が支持部材130を押す力も弱くなるので、支持部材130がアンテナ部30とともに下方へ回動する。このように、ワイヤ40の一端を引く力を調整することにより、アンテナ部30の角度を調整することができる。これにより、
図4Dに示されるように、水平面に対して所望の角度となるように、アンテナ部30の位置(上下方向への姿勢)を調整することができる。
【0046】
次に、アンテナ部30の水平方向の位置、すなわち、ポール10の軸回りの位置を調整する。
図4Eに示されるように、ワイヤ40をポール10の軸回りに引っ張る。これにより、ワイヤ40の張力によって支持部材130がアンテナ部30とともに、第1環状部材110の周方向に沿ってスライドする。引っ張る方向は、第2環状部材120の凹部122の側面123に引っかからない方向である。例えば、
図4Fに示されるように、凹部122aに係止されていたワイヤ40を、上面視で反時計回りに引っ張ることで、周方向に沿って並ぶ複数の凹部122を順にワイヤ40を滑らせることができる。このため、所望の位置までアンテナ部30をスライドさせることができる。例えば、
図4Fに示されるように、凹部122bまでワイヤ40を滑らせることで、アンテナ部30の位置を変更することができる。
【0047】
所望の位置までアンテナ部30を移動させた後、反対方向(時計回り)に引っ張ると、ワイヤ40が側面123に係止される。側面123に係止される方向に張力を加えた状態でワイヤ40の一端を固定することにより、アンテナ部30の位置を固定することができる。なお、ワイヤ40がカバー60で覆われている場合、カバー60ごとポール10の軸回りに移動させればよい。
【0048】
また、アンテナ部30のメンテナンス又は交換が必要になった場合、ワイヤ40の張力を緩めればよい。ワイヤ40の張力が弱まることで、支持部材130によるアンテナ部30の支持が解除される。ワイヤ40の一端を上方へ繰り出すことにより、他端に接続されたアンテナ部30を下方に下ろすことができる。
【0049】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る通信用ポール2は、ポール10と、アンテナ部30と、ポール10との間に隙間140が設けられるようにポール10が挿通された状態でポール10に固定された環状部材100と、隙間140に挿通され、アンテナ部30に接続されたワイヤ40と、を備える。アンテナ部30は、環状部材100の一部を支点としてワイヤ40の張力に応じて上下方向に回動可能に環状部材100に支持されている。
【0050】
これにより、簡単にアンテナ部30を所望の位置に設置することができる。具体的には、ワイヤ40の張力を調整するだけで簡単にアンテナ部30の上下方向の姿勢を調整することができる。例えば、ワイヤ40をポール10の下部の手の届く範囲にまで延ばしておくことで、高所作業が不要になる。アンテナ部30の位置の調整だけでなく、アンテナ部30のメンテナンス及び交換の際にも、ワイヤ40の張力を緩めてアンテナ部30を下方まで下ろすことができるので、高所作業が不要である。このように、簡単にアンテナ部30のメンテナンス及び交換も可能になる。
【0051】
また、例えば、アンテナ部30は、環状部材100の周方向に沿ってスライド可能である。
【0052】
これにより、上下方向の姿勢だけでなく、ポール10の軸回りの位置も簡単に調整することができる。
【0053】
また、例えば、環状部材100の内周面には、周方向に沿って並ぶ2以上の凹部122が設けられている。
【0054】
これにより、ワイヤ40を2以上の凹部122に引っ掛けることができるので、ワイヤ40の固定が簡単になる。
【0055】
また、例えば、2以上の凹部122の形状は、ポール10の軸方向から見た場合に、鋸歯状である。
【0056】
これにより、ワイヤ40を一方向へスムーズに移動させることができ、かつ、反対方法へは凹部122の側面に引っ掛かりやすくなる。よって、ワイヤ40の所望の位置での固定が簡単になる。
【0057】
また、例えば、ワイヤ40は、2以上の凹部122の1つに係止されている。
【0058】
これにより、ワイヤ40を凹部122に係止させることで、アンテナ部30の位置の調整を簡単に行うことができる。
【0059】
また、例えば、環状部材100は、第1環状部材110と、第1環状部材110の内側に位置する第2環状部材120と、を含む。アンテナ部30は、第1環状部材110の周方向に沿ってスライド可能である。ワイヤ40は、第2環状部材120に架け渡されている。
【0060】
これにより、第1環状部材110をアンテナ部30の移動のガイドレールとして機能させることができる。ワイヤ40は、第2環状部材120とポール10との隙間140に挿通されるので、第1環状部材110には直接接触しにくくなる。このため、アンテナ部30の移動の際にワイヤ40が邪魔になりにくく、スムーズな移動が可能になる。
【0061】
また、例えば、環状部材100は、さらに、第1環状部材110の周方向に沿ってスライド可能に第1環状部材110に支持された支持部材130を含む。支持部材130は、第1環状部材110に支持された部位を支点として上下に回動可能である。支持部材130には、ワイヤ40が挿通された挿通孔132が設けられている。アンテナ部30は、ワイヤ40が下方に引っ張られた場合に支持部材130に接触することで支持部材130に支持される。
【0062】
これにより、支持部材130によってアンテナ部30の位置の調整を安定して行うことができる。
【0063】
また、例えば、通信用ポール2は、ワイヤ40を収納するカバー60を備える。
【0064】
これにより、ワイヤ40を保護することができる。
【0065】
また、本実施の形態に係る街路灯1は、通信用ポール2と、ポール10の先端に取り付けられた灯具20と、を備える。
【0066】
これにより、簡単にアンテナ部30を、街路灯1の上部の所望の位置に設置することができる。
【0067】
また、本実施の形態に係るアンテナ設置方法は、ポール10が挿通された状態でポール10に固定された環状部材100とポール10との間の隙間140に挿通されて環状部材100に引っ掛けられたワイヤ40の一端を下方に引くことで、ワイヤ40の他端に取り付けられたアンテナ部30を環状部材100に接触するまで上方に持ち上げるステップと、アンテナ部30と環状部材100とが接触した状態でワイヤ40の一端を引く力を調整することで、アンテナ部30を上下方向に回動させてアンテナ部30の水平面に対してなす角度を調整するステップと、を含む。
【0068】
これにより、簡単にアンテナ部30を所望の位置に設置することができる。具体的には、ワイヤ40の張力を調整するだけで簡単にアンテナ部30の上下方向の姿勢を調整することができる。例えば、ワイヤ40をポール10の下部の手の届く範囲にまで延ばしておくことで、高所作業が不要になる。アンテナ部30の位置の調整だけでなく、アンテナ部30のメンテナンス及び交換の際にも、ワイヤ40の張力を緩めてアンテナ部30を下方まで下ろすことができるので、高所作業が不要である。このように、簡単にアンテナ部30のメンテナンス及び交換も可能になる。
【0069】
また、例えば、アンテナ設置方法は、ワイヤ40をポール10の軸回りに沿って引っ張ることにより、アンテナ部30を環状部材100の周方向に沿ってスライドさせるステップを含む。
【0070】
これにより、上下方向の姿勢だけでなく、ポール10の軸回りの位置も簡単に調整することができる。
【0071】
また、例えば、アンテナ設置方法は、環状部材100の内周面に周方向に沿って並んで設けられた2以上の凹部122の1つにワイヤ40を係止させることで、アンテナ部30の位置を固定するステップを含む。
【0072】
これにより、ワイヤ40を2以上の凹部122に引っ掛けることができるので、ワイヤ40の固定が簡単になる。
【0073】
[変形例]
続いて、実施の形態の変形例について説明する。以下の説明では、実施の形態との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0074】
[変形例1]
図5は、変形例1に係る通信用ポール202に取り付けられた環状部材100及びアンテナ部30を示す斜視図である。
図5に示されるように、本変形例に係る通信用ポール202は、実施の形態に係る通信用ポール2と比較して、ポール10の代わりにポール210を備える点と、カバー60を備えない点と、が相違する。
【0075】
ポール210は、内部に設けられた中空空間と、側面に設けられた開口211及び212を有する。開口211及び212はそれぞれ、中空空間に連通している。開口211には、ワイヤ40が挿通されている。開口212には、配線50が挿通されている。つまり、本変形例では、ワイヤ40及び配線50は、ポール210の中空空間に収納されている。
【0076】
図5には示されていないが、ポール210の下部にも開口が設けられており、ワイヤ40が外に引き出されている。外に引き出されたワイヤ40を引っ張ることにより、実施の形態と同様にアンテナ部30の位置の調整を行うことができる。
【0077】
以上のように、本変形例に係る通信用ポール202では、ポール210は、内部に中空空間を有し、ポール210の側面には、中空空間に連通する開口211が設けられている。ワイヤ40は、開口211を介して中空空間に収納されている。
【0078】
これにより、ワイヤ40を保護することができる。また、配線50も中空空間に収納することにより、配線50を保護することもできる。
【0079】
本変形例では、ワイヤ40を通す開口211と、配線50を通す開口212と、の2つを設ける例を示したが、これに限らない。ポール210には1つの開口が設けられ、当該1つの開口にワイヤ40及び配線50を通してもよい。
【0080】
また、
図5では、開口211が円形の開口である例を示したが、これに限定されない。例えば、開口211は、ポール210の軸回りに沿って延びる形状を有してもよい。これにより、ポール210の軸回りに沿ったワイヤ40の可動域が増えるので、ワイヤ40を移動させやすくなる。よって、ポール210の軸回りへのアンテナ部30の移動を容易に行うことができる。
【0081】
[変形例2]
図6は、変形例2に係る通信用ポール302に取り付けられた環状部材100及びアンテナ部30を示す斜視図である。
図6に示されるように、本変形例に係る通信用ポール302は、実施の形態に係る通信用ポール2と比較して、さらにワイヤ340を備える点が相違する。
【0082】
ワイヤ340は、支持部材130に接続された第2ワイヤの一例である。本変形例では、ワイヤ340は、支持部材130の2ヶ所以上に接続されている。具体的には、
図6に示されるように、ワイヤ340の先端部には、三角形状の環341が設けられている。
【0083】
三角形状の環341は、所定の間隔を空けて設けられた2ヶ所の頂点342及び343で支持部材130に接続され、この2ヶ所の各々から延びるワイヤ部分を1ヶ所の頂点344で繋ぐことで形成されている。なお、支持部材130に接続される2ヶ所の頂点342及び343間を繋ぐワイヤ部分は設けられていなくてもよい。頂点342及び343は、例えば、互いを繋ぐワイヤ部分が環状部材100の周方向に平行になるように配置されている。
【0084】
ワイヤ340は、支持部材130をスライドさせるためのワイヤである。ワイヤ340をポール10の軸回りに引っ張ることにより、支持部材130及びアンテナ部30を第1環状部材110の周方向に沿ってスライドさせることができる。本変形例では、ワイヤ340が2ヶ所で接続されているので、周方向へ引っ張る力及び向きが安定し、スムーズに支持部材130及びアンテナ部30をスライドさせることができる。
【0085】
以上のように、本変形例に係る通信用ポール302は、支持部材130に接続されたワイヤ340を備える。ワイヤ340は、第2環状部材120の内周面に周方向に沿って並んで設けられた2以上の凹部122の1つに係止されている。
【0086】
本変形例では、アンテナ部30の上下方向の位置の調整は、実施の形態と同様に、アンテナ部30に取り付けられたワイヤ40によって行われる。つまり、上下方向の位置を調整するワイヤ40と、ポール10の軸回りの位置を調整するワイヤ340と、の2つのワイヤを設けることで、各々の調整の精度を高めることができる。例えば、上下方向の位置の調整が終わったワイヤ40を固定することで、軸回りの調整の際に上下方向の位置がずれないようにすることができる。
【0087】
また、例えば、ワイヤ340は、支持部材130の2ヶ所以上に接続されている。
【0088】
これにより、アンテナ部30の周方向に沿ったスライドを安定させることができる。
【0089】
なお、ワイヤ340は、アンテナ部30に接続されていてもよい。
【0090】
[変形例3]
図7は、変形例3に係る通信用ポール402に取り付けられた環状部材100及びアンテナ部30を示す斜視図である。
図7に示されるように、本変形例に係る通信用ポール402は、変形例2に係る通信用ポール302と比較して、環状部材100の代わりに、環状部材400を備える点が相違する。なお、
図7では、ワイヤ40の図示が省略されている。
【0091】
環状部材400の第2環状部材420は、ポール10の軸回りに回動可能に支持されている。また、環状部材400は、複数のリング440を有する。
図7に示されるように、複数のリング440は、第2環状部材420を通して配置され、2以上の凹部122にそれぞれ係止されている。複数のリング440は、例えば金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0092】
ワイヤ340は、複数のリング440に挿通されている。ワイヤ340を下方に引っ張ることにより、複数のリング440を下方に引っ張る力が加わる。この力が第2環状部材420を周方向に回動させる方向に変換されて第2環状部材420を回動させる。つまり、ワイヤ340を下方に引くだけで第2環状部材420を回動させることができる。第2環状部材420が回動することで、支持部材130及びアンテナ部30をスライドさせることができる。
【0093】
以上のように、本変形例に係る通信用ポール402では、環状部材400は、2以上の凹部122にそれぞれ係止された複数のリング440を有する。ワイヤ340は、複数のリング440に挿通されている。
【0094】
ポール10の高さが高い場合、下方で水平方向へワイヤ340を引っ張っても上方ではうまく力が伝わらない場合も考えられる。これに対して、ワイヤ340を下方へ引く力を複数のリング440によって、ポール10の軸回りの回動方向に変換することができるので、アンテナ部30のスライドを容易に行うことができる。
【0095】
(その他)
以上、本発明に係る機器取付用ポール、街路灯及び機器設置方法について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0096】
例えば、上記の実施の形態では、ポール10又は210の上部に取り付けられる機器の例としてアンテナ部30を示したが、これに限らない。ポール10又は210に取り付けられる機器は、例えば、配電機器、カメラなどの画像若しくは映像の取得機器、又は、スピーカーなどの音声出力機器などであってもよい。
【0097】
また、例えば、上記の実施の形態では、通信用ポール2が街路灯1に利用される例を示したが、これに限定されない。通信用ポール2は、通信専用のポールであってもよい。あるいは、通信用ポール2には、灯具20以外の機能モジュールが取り付けられていてもよい。例えば、通信用ポール2には、監視カメラが取り付けられていてもよい。
【0098】
また、例えば、支持部材130に設けられた挿通孔132は、支持部材130の平板部分を貫通する貫通孔であるが、これに限定されない。挿通孔132は、平板部の端面から内方に向かって切り欠かれた形状のスリットであってもよい。
【0099】
また、例えば、環状部材100は、第1環状部材110と第2環状部材120との多重環構造を有するが、これに限定されない。1つの環状部材が支持部材130のガイドレールとしての機能と、凹部122によるワイヤ40の係止機能と、を担ってもよい。また、環状部材100は、支持部材130を有しなくてもよい。アンテナ部30を環状部材100の環部分に接触させることで、接触部位を支点として上下方向の位置を調整してもよい。
【0100】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 街路灯
2、202、302、402 通信用ポール
10、210 ポール
20 灯具
30 アンテナ部
40 ワイヤ(第1ワイヤ)
60 カバー
100、400 環状部材
110 第1環状部材
120、420 第2環状部材
122、122a、122b 凹部
130 支持部材
132 挿通孔
140 隙間
211、212 開口
340 ワイヤ(第2ワイヤ)
440 リング