(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048951
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ストーマ(人工膀胱)と装着方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/458 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
A61F5/458
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021174160
(22)【出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】521465728
【氏名又は名称】早川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】早川 雅博
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC24
4C098CC32
4C098CC33
4C098CD01
4C098CE02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カテーテル出口部の皮膚表面は衛生的に良好な状態に保たれ、皮膚疾患の防止ができ、さらに、「受皿」の構造が従来の「面板」に比し簡易になり、装着が容易に行えるストーマ(人工膀胱)と装着方法を提供する。
【解決手段】従来のストーマ「面板」をなくし、本発明に係る考案の、ストーマ「受皿」をカテーテル露出部の皮膚表面に圧着し、「小水」を受け止め「管」「小水管」を通して「小水袋」に貯め排出する。「小水袋」は、ストーマパンツに組み込んだ「ポケット」に収納し、貯まった「小水」の重みを支える。(従来は「面板」で支えていた。)「受皿」の糊面績は従来の糊面の約100分の1になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーマ「受皿」(以下「受皿」)は、カテーテル露出部の皮膚表面に圧着するもので、カテーテルから排泄された尿(以下「小水」)を受け止める。
「受皿」には 皮膚表面に圧着させるための糊がつい縁があり保護ビニールで覆ってる。使用時は、この保護ビニールをはがして、糊面を露出し、皮膚表面に圧着させる。
【請求項2】
ストーマ「管」(以下「管」)は「受皿」壁部に接続固定し「受皿」に排泄された「小水」を「小水管」(以下「小水管」)に流す。
排泄された「小水」は「受皿」「管」「小水管」を通ってストーマ「袋」(以下「小水袋」)に流れ入る。
【請求項3】
「小水袋」は、「受皿」から「管」「小水管」を通って流れてきた「小水」を貯めるものである。
「小水袋」の底部には、排出栓があり、この栓を開放することで、貯まった「小水」を排出する。
【請求項4】
ストーマポケット(以下「ポケット」)は、ストーマ専用のパンツ(以下「パンツ」)外側に組み込まれているもので、「小水袋」を収納し、「小水袋」に貯まった「小水」の重みを支えるものである。
【請求項5】
本発明は、「受皿」と「小水袋」を 「小水管」でつないで、独立して装着する考案で、「小水袋」に貯まった「小水」の重みを従来のストーマ「面板」で支えるのではなく「ポケット」で支えるようにしたものである。
【請求項6】
「受皿」は、カテーテル露出部の保護の機能と共に、「小水」を「小水袋」に流し込むもので、構造が簡易なためストーマ装着のわずらわしさ、難儀さが大幅に軽減できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストーマ(人工膀胱)と装着方法について考案したもので、ある。
図1に示すように、「受皿」 「管」 「小水管」 「小水袋」)の構造形状 を考案し、さらにその装着方法についても考案しストーマの装着が容易に行えるようにしたものである。
【0002】
ストーマ装着者は、週1~2回のストーマ交換が必要である。
交換の際、カテーテル露出部周辺の皮膚の状況(水分 汗 湿疹 皮膚疾患薬の残液等)があるとストーマの圧着がうまくできず ストーマのはがれ、接着糊の漏れ 圧着の歪み等で、円滑な交換ができず 失敗すると 初めからやり直すことになり、このわずらわしさ 難儀さが大きな負担となっている。
【背景技術】
【0003】
図2に示すストーマは、公知されている。
このストーマは、ストーマ「面板」とストーマ「袋」を組み合わせることで、カテーテルからの小水処理をおこなっている。
【0004】
ストーマ「面板」は カテーテルが露出している皮膚表面に圧着されストーマ「面板」とストーマ「袋」は相互の接続リンクA,Bで接続される。
【0005】
カテーテルから排泄された「小水」は、ストーマ「袋」に流れ込み貯まる。
【0006】
ストーマ「袋」に貯まった「小水」は、ストーマ「袋」の底部に設けられた排水栓を開放し排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【非特許文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図2に示すとおり 従来のストーマは、カテーテル露出部の皮膚表面にストーマ「板面」を 圧着し、これに、ストーマ「袋」が接続され「小水」を処理している。
この課題は、ストーマ「袋」の重みをストーマ「面板」で支えるようになっていることである。
このため、ストーマ「面板」は糊で皮膚表面に圧着され、これがカテーテル露出部及び周辺の皮膚にかぶれ、湿疹 細菌の発生等が生じ、さらに、これらの疾患による薬の残液によりストーマ「面板」の圧着がうまくできない等様々な弊害が生じている。
【0008】
この課題を解決するため、 従来のストーマ「面板」をなくし、代わりに、カテーテル露出部にカテーテル受皿(以下「受皿」)を圧着する。
「受皿」 は、カテーテルから排泄する小水を受け止め「管」「小水管」を通って ストーマ小水袋(以下「小水袋」)に流し込む機能をもたせる。 「小水袋」は、パンツに作られたポケット(以下「ポケット」)に収納し、ポケットで「小水袋」の重みを支える。
【0009】
「受皿」は、従来の「面板」に比し 簡易な構造になり、皮膚に圧着する糊面が縮小され、 カテーテル露出部の皮膚表面が衛生的に良好に保たれ、かぶれ、皮膚疾患を防ぐことができる。
【0010】
「受皿」の構造が簡易なため、装着が容易に行え、特に 高齢者 介護者には、大きな負担軽減になる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るストーマは、「小水袋」に貯まっ小水の重みを従来の「面板」で支持するのではなく「小水袋」を収納するポケットで支えるようにした。
このため従来の「面板」をなくし、代わりに、カテーテル露出部皮膚表面にストーマ受皿(以下「受皿」)を圧着する。
「受皿」は、カテーテルから排泄する「小水」を受け止め「管」「小水管」を通ってストーマ小水袋(以下「小水袋」)に流し込む機能をもたせる。
「小水袋」は、パンツに作られたポケット(以下「ポケット」で支える。
【発明の効果】
【0012】
本発明による「受皿」は、従来の「面板」に比し 簡易な構造になり、皮膚に圧着する糊面が縮小できるのでカテーテル露出部の皮膚表面が衛生的に良好に保たれ、かぶれ、皮膚疾患を防ぐことができる。
【0013】
「受皿」の構造が簡易なため、装着が容易になり、特に 高齢者 介護者には、大きな負担軽減になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】 本発明に係る構造 「受皿」「管」「小水管」「小水袋」「ポケット」を示す。
【
図2】 従来のストーマ「面板」 ストーマ「袋」「(模式図)を示す。
【0015】
「受皿」は、透明プラスチックで、径50mm 高さ15mm 厚1mmの円筒で、上面はプラスチックで閉塞 底面は空洞で、皮膚表面に圧着させる縁がある。この縁に糊をつけ、ビニールで底部全部を覆っている。
使用時は、このビニールをはがし、糊面を露出して、皮膚表面に圧着させる。
【0016】
「受皿」の側壁には、径8mmの穴があり、外部に「管」が接続固定されている。
「小水」は、この「管」「小水管」を流れて「小水袋」に貯まる。
「小水管」には、「小水袋」と接続する接続ゴムをもうけている。
【0017】
「小水袋」は 厚0,1mmの透明ビニールで縦150mm 横100mm 巾5mmの袋状で、「小水」を貯める袋である。
「小水袋」の内部は、貯まった「小水」が逆流しないよう 逆流防止壁を設けている。
「小水袋」の底部には、「小水」を排出する開閉栓 を設け、開閉栓を「開」にすることで、貯った小水を排出する。
【0018】
「ポケット」は、「小水袋」を収納するもので、ストーマパンツ(以下「パンツ」)の右又は左前方に組み込んでいる。
「小水袋」に貯まった「小水」の重みは、このポケットで支える。
「小水管」および「小水袋」には 接続するための接続ゴムがある。
【符号の説明】
【0019】
1 「カテーテル」 腎臓からの尿道に取り付けられた管で、腹部の体外へ露出している。「小水」はこのカテーテルから体外へ排泄される。
2 「受皿」 カテーテルから排泄された「小水」をうけとめ「管」へ流し入れる。
3 「縁」 「受皿」と皮膚表面を圧着させるもので、糊面を設ける。
4 「管」 「受皿」からの「小水」を流す管で「小水管」と接続する。
5 「小水管」 「受皿」「管」 を流れてきた小水を流す。
6 「接続ゴム」 「小水管」と「小水袋」を接続する。
7 「小水袋」 「受皿」「管」「小水管」を流れてきた「小水」を貯める。
8 「逆流防止壁」 貯まった「小水」が下から上へ逆流しないようにするための壁である。
9 「開閉栓」 貯まった小水を排出する。
10「ポケット」 「小水袋」を収納し、「小水袋」に貯まった「小水」の重みを支える。
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