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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023048957
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/14 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
B67D1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188123
(22)【出願日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2021157753
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】今岡 広樹
(72)【発明者】
【氏名】嘉藤 由秋
(72)【発明者】
【氏名】原 英治
(72)【発明者】
【氏名】松原 充寿
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD20
3E082EE01
3E082EE03
(57)【要約】
【課題】飲料注出部から注出される飲料がカップ等の容器の外側に飛散しにくくするとともに、飲料に含まれる具材等の固形物が飲料注出部内に残りにくくする。
【解決手段】飲料供給装置10は、ハウジング11内に設けられて飲料の原料と飲料の原料水とを混合して生成した飲料を供給可能とする飲料供給部30と、ハウジング11の前部に設けられて飲料供給部30から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部23とを備え、飲料供給部30は載置部23の上側にて飲料を注出する筒形の飲料注出部42を備え、飲料注出部42の内周面には内側に突出する整流リブ42aを軸線方向に延出させ、整流リブ42aの上端部を突出させた先端側である突出端側が下側となるように下方に傾斜させている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に設けられて飲料の原料と飲料の原料水とを混合して生成した飲料を供給可能とする飲料供給部と、
前記ハウジングの前部に設けられて前記飲料供給部から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部とを備え、
前記飲料供給部は前記載置部の上側にて飲料を注出する筒形の飲料注出部を備えた飲料供給装置であって、
前記飲料注出部の内周面には内側に突出する整流リブを軸線方向に延出させ、前記整流リブの上端部を突出させた先端側である突出端側が下側となるように下方に傾斜させたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記飲料注出部の周面には前記整流リブが配設されている位置と周方向に異なる位置に軸線方向に延びるスリットを形成したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飲料供給装置において、
前記飲料注出部の周方向に複数の前記整流リブを互いに離間するように配設し、
前記複数の整流リブの突出端側を前記飲料注出部の径方向の中心部にて飲料が通過する通路を形成させるように互いに離間させて配置したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の飲料供給装置において、
前記スリットを前記飲料注出部の周方向にて前記複数の整流リブの間に形成したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の飲料供給装置において、
前記整流リブの下端部を前記突出端側が下側となるように下方に傾斜させるようにし、前記整流リブの下端部を前記飲料注出部の下端の注出口から下方に突出させたことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には飲料供給ノズル(飲料注出部)を有する飲料供給装置の発明が開示されている。この飲料供給装置は、飲料の原料となる粉末原料を収納するための複数のキャニスタと、粉末原料を溶解させる湯を貯えるための温水タンクと、キャニスタから放出された粉末原料と温水タンクから放出された湯を混合するための複数のミキシングボウルと、生成された飲料を下方に位置するカップ等の容器に注入するための飲料供給ノズルとを備えている。飲料供給ノズルは、飲料が流通する流通路を有するノズル本体と、ノズル本体の流通路の飲料流出側に設けられて流通する飲料を整流する整流板とを備え、飲料供給ノズルから流出する飲料がカップ等の容器の外側に飛散しにくくしている。この飲料供給ノズルの整流板は、飲料の流通路を周方向に均等に四等分する平面視で十字形をしている。
【0003】
この飲料供給装置においては、飲料を生成する際には、対応するキャニスタの粉末原料を放出してシュータを介してミキシングボウル内に投入するとともに、粉末原料が投入されるミキシングボウルに給湯管を介して温水タンクの湯を供給し、ミキシングボウル内で粉末原料と湯を混合してカップに注入する。このとき、飲料供給ノズルの飲料流出口から流出する飲料は、整流板によって流れが整えられてカップの外側へ飛散するのが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-231585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の飲料供給装置においては、飲料供給ノズルに整流板を設けるとともに、飲料供給ノズルをカップからできるだけ離さないようにすることで、飲料供給ノズルから流出する飲料はカップの外側へ飛散するのが抑制されている。この飲料供給装置においては、カップのような高さの低い容器に飲料を供給可能としているが、小型の水筒やタンブラー等の高さの高い容器に飲料を供給可能とすることが求められている。この場合に、飲料供給ノズルの配設位置を高くすることで、飲料供給ノズルから小型の水筒やタンブラー等の高さの高い容器に飲料を供給可能とすることができる。しかし、飲料供給ノズルに整流板が設けられているものの、飲料供給ノズルがカップのような高さの低い容器と高さ方向で離れることにより、飲料供給ノズルから流出する飲料がカップのような高さの低い容器の外側に飛散するおそれが生じる。
【0006】
また、特許文献1の飲料供給装置は、飲料の粉末原料と湯を混合して茶、コーヒー等の飲料を生成するものであるが、この種の飲料供給装置では、パセリや海苔や葱等の乾燥させた具材を含む粉末原料を湯と混合してスープのような飲料を供給するものもある。特許文献1の飲料供給装置の飲料供給ノズルには整流板が設けられており、整流板は飲料の流通路を周方向に均等に四等分する平面視で十字形をしている。スープのような飲料に含まれるパセリや海苔や葱等の具材は飲料供給ノズルの平面視で十字形の整流板の上端に引っかって残り、飲料供給ノズルの衛生面で好ましくなかった。本発明は、飲料供給装置において、飲料注出部から注出される飲料がカップ等の容器の外側に飛散しにくくするとともに、飲料に含まれる具材等の固形物が飲料注出部内に残りにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、ハウジング内に設けられて飲料の原料と飲料の原料水とを混合して生成した飲料を供給可能とする飲料供給部と、ハウジングの前部に設けられて飲料供給部から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部とを備え、飲料供給部は載置部の上側にて飲料を注出する筒形の飲料注出部を備えた飲料供給装置であって、飲料注出部の内周面には内側に突出する整流リブを軸線方向に延出させ、整流リブの上端部を突出させた先端側である突出端側が下側となるように下方に傾斜させたことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0008】
上記のように構成した飲料供給装置においては、飲料注出部の内周面には内側に突出する整流リブを軸線方向に延出させ、整流リブの上端部を突出させた先端側である突出端側が下側となるように下方に傾斜させている。飲料注出部を流れる飲料は、整流リブの上端部の傾斜によって突出端側に流れ落ちて集められることで下方へ流れる整流効果が高くなる。これにより、飲料注出部が載置部から高さ方向で離れるようなものであっても、飲料注出部から注出される飲料が容器の外側に飛散しにくくなる。また、飲料の原料に具材等の固形物が含まれていても、リブの上端部の傾斜によって上側に残りにくくなり、飲料注出部内に飲料に含まれる固形物が残りにくくなる。
【0009】
上記のように構成した飲料供給装置においては、飲料注出部の周面には整流リブが配設されている位置と周方向に異なる位置に軸線方向に延びるスリットを形成するのが好ましい。飲料注出部を通過する飲料の流量が少なくなると、飲料の一部は飲料注出部の整流リブに沿って流れ落ちるものの、飲料の一部が飲料注出部の整流リブが配設されていない位置の内周面を流れ落ちて下端の注出口から外側に広がって飛散するおそれがある。これに対し、飲料注出部の周面の整流リブが配設されている位置と周方向に異なる位置に軸線方向に延びるスリットが形成されていると、飲料注出部を流れる飲料によってスリットから飲料注出部内に空気が負圧吸引される。スリットから飲料注出部内に吸引された空気が飲料注出部内を流れる飲料を整流リブ側に押すようになり、飲料注出部内を流れる飲料が整流リブに沿って流れ落ちやすくなり、整流リブが配設されていない位置の下端の注出口から流れにくくなる。これにより、飲料注出部を流れ落ちる飲料は整流リブに沿って流れ落ちて下端の注出口から外側に広がって飛散しにくくなる。
【0010】
上記のように構成した飲料供給装置においては、飲料注出部の周方向に複数の整流リブを互いに離間するように配設し、複数の整流リブの突出端側を飲料注出部の径方向の中心部にて飲料が通過する通路を形成させるように互いに離間させて配置するのが好ましい。このようにしたときには、飲料注出部を流れ落ちる飲料は複数の整流リブの上端部の傾斜によって飲料注出部の径方向の中心部に集まり、飲料は飲料注出部の中心部の通路を流れ落ちることによってさらに整流効果が高められる。また、この場合にも、飲料の原料に具材等の固形物が含まれていても、各整流リブの上端部の傾斜によって飲料注出部の径方向の中心部の通路に流れ落ちて上側に残りにくくなり、飲料注出部内に飲料に含まれる固形物が残りにくくなる。この場合に、スリットを飲料注出部の周方向にて複数の整流リブの間に形成するのが好ましい。このようにしたときには、スリットから飲料注出部内に吸引された空気が両側の整流リブ側に押すようになり、飲料注出部内を流れる飲料が飲料注出部内で整流リブに沿って流れ落ちやすくなり、整流リブが配設されていない位置の下端の注出口から流れにくくなる。これにより、飲料注出部を流れ落ちる飲料は整流リブに沿って流れ落ちて下端の注出口から外側にさらに飛散しにくくなる。
【0011】
上記のように構成した飲料供給装置においては、整流リブの下端部を突出端側が下側となるように下方に傾斜させるようにし、整流リブの下端部を飲料注出部の下端の注出口から下方に突出させるのが好ましい。このようにしたときには、飲料注出部を通過する飲料は飲料注出部の下端の注出口から突出する整流リブの下端部の突出端側から下方に流れ落ちるので、飲料が飲料注出部の下端の注出口に表面張力によって残りにくくなり、飲料注出部から飲料の後だれが生じにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の飲料供給装置の正面図である。
図2図1の斜視図である。
図3図1の前面パネルを取り外した状態の斜視図である。
図4】A-A線での縦方向断面図である。
図5】ベースに形成した原料水供給口に給湯部と給水部が接続された状態を示す概略図である。
図6】飲料ガイドの斜視図(a)であり、飲料ガイドの平面図(b)である。
図7】B-B線での縦方向断面図(a)であり、C-C線での縦方向断面図(b)であり、D-D線での縦方向断面図(c)である。
図8】整流リブの突出端側を飲料注出部の下端の注出口から下方に突出させた実施形態の一部拡大断面図である。
図9】給湯部と給水部の概略図である。
図10】制御装置のブロック図である。
図11】飲料注出部に整流リブに加えてスリットを形成したときの斜め下方から見た斜視図である。
図12図11の底面図である。
図13】飲料注出部に1つの整流リブを形成したときの斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料供給装置10は、飲料ディスペンサとも呼ばれるものであり、カップ等の容器内に湯を含めた5種類の温かい茶等の温飲料、冷水(水)を含めた5種類の冷たい茶等の冷飲料を供給可能としている。また、この飲料供給装置10は、カップ等の高さの低い容器以外に、小型の水筒やタンブラー等の高さの高い容器に飲料を供給可能としている。さらに、この飲料供給装置10は、粉末原料と水または湯を混合して生成した茶等の飲料以外に、パセリや海苔や葱等の乾燥させた具材を含む粉末原料と水または湯を混合して生成したスープ等の飲料も供給可能としている。
【0014】
図1図4に示したように、飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11内の前部に茶等の飲料を生成するための茶等の粉末原料と湯及び/または冷水(水)とを混合して飲料を生成する飲料生成室20と、ハウジング11の後部に機械室21とを備え、ハウジング11内は仕切板22によって飲料生成室20と機械室21とに仕切られている。
【0015】
図1~4に示したように、ハウジング11は前側が開口したハウジング本体12と、ハウジング本体12の前面開口を塞ぐ前面パネル13とを備え、前面パネル13はハウジング本体12の右側部に鉛直軸線回りに回動可能に軸支されている。図1及び図2に示したように、前面パネル13の下部には左右方向の中央部に開口部13aが形成されており、飲料生成室20内の下部にはこの開口部13aが形成された位置にカップ等の容器を載置する載置部23が設けられている。この実施形態の載置部23は、カップ等の高さの低い容器に加え、小型の水筒やタンブラーのような高さの高い容器も載置可能としている。
【0016】
図1図4に示したように、載置部23は、カップ等の容器を載置する受台部24と、受台部24の上側を覆うカバー部25とを備えている。受台部24は簀の子状に形成され、カップ等の容器から溢出した飲料を下側に流すことができるようになっている。受台部24の上面にはカップ等の容器を置く目印となる円形の凹部24aが形成されており、この円形の凹部24aは飲料供給部30で生成された飲料が注ぎ出される飲料ガイド40の飲料注出部42(42A~42E)の直下に配置されている。
【0017】
図3に示したように、カバー部25は、受台部24に小型の水筒やタンブラーのような高さの高い容器を載置可能な高さを有し、受台部24の後側、左右両側及び上側を覆うように後壁、左右壁及び上壁を備えている。カバー部25の上壁の前端部には左右方向の中央部に切欠部25aが形成されており、この切欠部25aは受台部24の凹部24aの直上に配置されている。切欠部25aの内側には飲料ガイド40の飲料注出部42(42A~42E)が配置されており、切欠部25aは飲料注出部42(42A~42E)を容器を置く目印となる凹部24aの直上に配置する機能を有している。カバー部25の上壁上面の周縁部には前部を除く部分に上方に突出するリブ25bが形成されており、リブ25bは、カバー部25の強度を高くするだけでなく、後述する飲料ガイド40の脚部43の後端部と当接して飲料ガイド40が鉛直軸線回りに回転するのを防ぐ機能を有している。
【0018】
図3に示したように、飲料生成室20には載置部23に載置した容器内に飲料を供給する飲料供給部30が設けられている。この実施形態では、飲料生成室20には湯または冷水と、湯または冷水以外に4種類の温かいまたは冷たい飲料の粉末原料を供給するために4つの飲料供給部30が設けられている。湯または冷水以外の4つの飲料供給部30は実質的に同一の構成となっているので、以後の説明では主として1つの飲料供給部30を用いて説明する。
【0019】
図3及び図4に示したように、飲料供給部30は、載置部23に載置した容器に飲料を供給するものであり、湯及び/または冷水(水)よりなる原料水と飲料の粉末原料とから飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置部23の容器に案内する飲料ガイド40とを備えている。飲料生成部31は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、飲料の粉末原料と原料水を混合する混合容器33と、混合容器33内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置34とを備えている。
【0020】
粉末原料容器32は、茶等の粉末よりなる飲料の粉末原料を貯えるものであり、飲料生成室20に設けたベース14に着脱可能に取り付けられている。粉末原料容器32の底部には粉末原料の搬出口32aが設けられており、粉末原料は搬出口32aから混合容器33に搬出される。粉末原料容器32の下部にはスクリュー32bが設けられており、スクリュー32bはカップリング部材32cを介してモータ32dの駆動が伝達される。モータ32dの回転によってスクリュー32bが回転すると、粉末原料容器32内の粉末原料は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0021】
図4に示したように、混合容器33は、粉末原料と湯及び/または冷水(水)よりなる原料水とを撹拌して混合させるものであり、飲料生成室20に設けたベース14に着脱可能に支持されている。混合容器33は粉末原料容器32の下側で開口しており、粉末原料容器32の搬出口32aから搬出される粉末原料は混合容器33内に搬入される。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから下側に設けた飲料ガイド40に放出される。
【0022】
図5に示したように、ベース14には混合容器33内に湯及び/または冷水(水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口14aが設けられている。原料水供給口14aには後述する給湯部50及び給水部60が接続されており、混合容器33には給湯部50及び/または給水部60から送られる原料水としての湯及び/または冷水が原料水供給口14aを通って供給される。
【0023】
図4に示したように、混合容器33には撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34は、混合容器33の後側のベース14に設けた撹拌用モータ34aと、撹拌用モータ34aによって回転する回転軸34dと、回転軸34dの先端に設けられた円板部34eとを備えている。撹拌用モータ34aの出力軸にはカップリング用のマグネット34bが設けられ、回転軸34dの撹拌用モータ34a側となる基端にはカップリング用のマグネット34cが設けられている。回転軸34dはカップリング用のマグネット34b,34cによって撹拌用モータ34aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ34aはカップリング用のマグネット34b,34cを介して回転軸34dを回転させる。回転軸34dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸34dの先端には放出口33aの上側で円板部34eが設けられている。回転軸34dの先端の円板部34eの下面には撹拌羽根34fが設けられており、混合容器33内の粉末原料と原料水とは円板部34eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0024】
図3及び図6に示したように、飲料ガイド40は飲料生成部31で生成した飲料を載置部23に載置した容器に案内するものであり、載置部23のカバー部25の上側に支持されている。飲料ガイド40は、混合容器33の放出口33aの下側から載置部23の前部で左右方向の中央部まで延びる浅い箱形をしたガイド部41(41A~41D)と、飲料を注出する飲料注出部42(42A~42E)と、カバー部25に支持させるための左右一対の脚部43を備え、これらのガイド部41A~41Dと飲料注出部42A~42Eと脚部43を一体的に形成したものである。
【0025】
図6に示したように、ガイド部41(41A~41D)は、載置部23の前部で左右方向の中央部まで延びる飲料の通路を備え、この飲料の通路は載置部23の前部で左右方向の中央部が下側となるように下方に傾斜している。各飲料生成部31で生成された飲料はガイド部41(41A~41D)によって載置部23の前部で左右方向の中央部まで案内される。ガイド部41(41A~41D)には飲料の通路の下流位置に飲料注出部42(42A~42D)が設けられており、図3に示したように、飲料注出部42(42A~42D、図3では42Aと42Dだけが示されている)は載置部23のカバー部25に形成された切欠部25aから受台部24の凹部24aの上側に配置されている。飲料注出部42A,42Dは、最も左側及び最も右側の飲料生成部31にて生成された飲料を注出するものであって、飲料ガイド40の前部に配設されている。また、飲料注出部42B,42Cは、左から2番目及び右から2番目の飲料生成部31にて生成された飲料を注出するものであって、飲料ガイド40の前部にて飲料注出部42A,42Dの後側に配設されている。また、飲料ガイド40の前部にて飲料注出部42B,42Cの後側には飲料注出部42Eが配設されており、飲料注出部42Eには後述する給湯部50の第5湯送出管59eの導出端部に接続されている。
【0026】
図6及び図7に示したように、飲料注出部42(42A~42E)は軸線方向が鉛直方向となる円筒形状をしており、内部に飲料が通過する通路が形成されている。図6(b)及び図7に示したように、飲料注出部42(42A~42E)の内周面には内側として径方向の中心部に向けて突出する整流リブ42aが飲料注出部42の軸線方向に延出して形成されている。この整流リブ42aは、飲料注出部42を通過する飲料の流れを整えて、直下に載置されるカップ等の容器の外側に広がって飛散するのを防止する機能を有している。整流リブ42aは飲料注出部42の周方向にて等間隔に離間する3箇所に形成されている。各整流リブ42aは飲料注出部42の内径の半径より短く突出することで、3つの整流リブ42aの突出させた先端側である各突出端側は互いに離間しており、飲料注出部42の径方向の中心部には鉛直方向(軸線方向)に延びる飲料の通路が形成されている。3つの整流リブ42aの各突出端側が互いに当接していないことにより、飲料注出部42の内部の飲料の通路は水平方向にて複数に仕切られていない。
【0027】
図7に示したように、飲料注出部42の整流リブ42aの上端部は突出端側が下側となるように下方に傾斜しており、飲料注出部42を流れる飲料は整流リブ42aの傾斜によって飲料注出部42の径方向の中心部にて整流リブ42aの各突出端側に形成される飲料の通路に集められるようになる。このため、飲料注出部42を流れる飲料は径方向の中心部に集められて飲料の速さが速くなることで整流効果が高められた状態で注出される。また、整流リブ42aの下端部は、突出端側が下側となるように下方に傾斜しており、飲料注出部42を流れる飲料は整流リブ42aの突出端側を伝って下方に流れやすくなっている。なお、図7に示した飲料注出部42の整流リブ42aは、突出端側の下端部を飲料注出部42の下端の注出口から下方に突出させていないが、図8に示したように、整流リブ42aの突出端側の下端部を飲料注出部42の下端の注出口から下方に突出させたものでは、飲料注出部42内の飲料は整流リブ42aの突出端側から下方に流れ落ちやすくなり、飲料が飲料注出部42の下端の注出口に表面張力によって残りにくくなり、飲料注出部42から飲料の後だれが生じにくくなる。
【0028】
図3及び図6(a)に示したように、飲料注出部42Aの左側及び飲料注出部42Dの右側には外側に突出する係止突部44が設けられており、これらの係止突部44はカバー部25の切欠部25aの左右の側部に係止している。係止突部44がカバー部25の切欠部25aの左右の側部に係止することで、飲料注出部42(42A~42E)は受台部24の容器を置く目印となる円形の凹部24aの直上に配置されるように位置決めされる。また、図3に示したように、飲料ガイド40の下部に設けた左右の脚部43の後端部はカバー部25の上面に設けた左右のリブ25bに係止しており、飲料ガイド40はカバー部25の上側で鉛直軸線回りに回転しない。
【0029】
このように、係止突部44がカバー部25の切欠部25aに係止して左右の移動が規制されるとともに、脚部43はカバー部25のリブ25bに係止して鉛直軸線回りの回り止めがされているので、飲料注出部42(42A~42E)が凹部24aの直上に配置されるとともに、ガイド部41A~41Dが各飲料生成部31の混合容器33の放出口33aの直下に配置された状態で動きにくくなっている。これにより、飲料ガイド40がカバー部25の上側で位置がずれないようになり、飲料生成部31で生成した飲料が飲料ガイド40から外側に外れて放出されにくくすることができ、飲料注出部42から注出される飲料がカップ等の容器から外側に外れて注出されにくくすることができる。
【0030】
図9に示したように、給湯部50は、載置部23のカップ等の容器で受ける飲料の原料水となる湯を供給するものである。給湯部50は、飲料の原料水となる湯を貯える貯湯タンク51を備えており、貯湯タンク51には水道等の給水源から導出された第1給水管52が接続されている。第1給水管52には第1及び第2給水弁52a,52bが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁52a,52bを開放することによって貯湯タンク51に供給される。
【0031】
貯湯タンク51にはヒータ53と温度センサ54とが設けられている。ヒータ53は貯湯タンク51内の水(湯)を加熱して湯を生成するものである。温度センサ54は貯湯タンク51内の水(湯)の温度を検出するものである。ヒータ53は温度センサ54の検出温度に基づいて作動するように制御され、貯湯タンク51内の湯はヒータ53によって主に飲むのに適した温度となるように加熱(保温)されている。また、貯湯タンク51内には水位センサ55が設けられており、水位センサ55は貯湯タンク51内の水位を検出する。第1及び第2給水弁52a,52bは水位センサ55の検出水位によって開閉されるように制御され、貯湯タンク51内の水(湯)は所定の水位の範囲となるように維持されている。
【0032】
貯湯タンク51の下部には送湯管56が接続されており、送湯管56には送湯ポンプ57が介装されている。貯湯タンク51内の湯は送湯ポンプ57によって送湯管56に送られる。また、送湯管56には三方弁よりなる第1~第5湯送出弁58a~58eが介装されており、第1~第5湯送出弁58a~58eには第1~第5湯送出管59a~59eが接続されている。第1湯送出管59aの導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されており、第2湯送出管59bの導出端部は左から2番目の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されており、第3湯送出管59cの導出端部は左から3番目(右から2番目)の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続され、第4湯送出管59dの導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されている。第5湯送出管59eの導出端部は飲料ガイド40の飲料注出部42Eに接続されている。
【0033】
送湯ポンプ57を作動させ、第1~第4湯送出弁58a~58dの何れか1つを開放させることで、貯湯タンク51内の湯は、送湯管56と、開放させた第1~第4湯送出弁58a~58dに対応する第1~第4湯送出管59a~59dとを通って混合容器33内に供給される。また、送湯ポンプ57を作動させ、第5湯送出弁58eを開放させることで、貯湯タンク51内の湯は送湯管56と第5湯送出管59eとを通って載置部23に載置したカップ等の容器に供給される。
【0034】
図9に示したように、給水部60は、載置部23のカップ等の容器で受ける飲料の原料水となる冷水(水)を供給するものである。給水部60は、飲料の原料水となる冷水を生成するための冷却タンク61を備えており、冷却タンク61には冷却水が貯えられている。また、冷却タンク61内には冷凍装置の蒸発管62が設けられており、冷却タンク61内の冷却水は冷凍装置の蒸発管62を循環する冷媒が気化する気化熱によって冷却されている。冷却タンク61内には原料水となる水を冷却するための水冷却管63が設けられている。
【0035】
水冷却管63の水の導入端部には第1給水管52の第1給水弁52aの直ぐ下流側(第1給水弁52aと第2給水弁52bの間)から導出した第2給水管64が接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管52の一部と第2給水管64を通って冷却タンク61内の水冷却管63に送出される。水冷却管63の水の導出端部には送水管65が接続されており、水冷却管63により冷却された冷水は送水管65に送出される。送水管65には4つの分岐部65a~65dが設けられており、分岐部65a~65dから導出された管部と送水管65の先端部65eには第1~第5冷水送出弁66a~66eが介装されている。第1~第5冷水送出弁66a~66eには第1~第5冷水送出管67a~67eが接続されており、第1~第5冷水送出管67a~67eの導出端部は第1~第5湯送出管59a~59eの中間部に接続されている。
【0036】
第1給水弁52aと第1~第4冷水送出弁66a~66dの何れか1つとを開放させることで、給水源の水は第1給水管52の一部と第2給水管64を通って冷却タンク61の水冷却管63に送られて冷却されて冷水となる。冷却タンク61内の水冷却管63で冷却された冷水は、送水管65と、開放させた第1~第4冷水送出弁66a~66dに対応する第1~第4冷水送出管67a~67dと、第1~第4冷水送出管67a~67dに対応して接続された第1~第4湯送出管59a~59dとを通って混合容器33内に供給される。また、第1給水弁52aと第5冷水送出弁66eとを開放させることで、給水源の水は、第1給水管52の一部と第2給水管64を通って冷却タンク61の水冷却管63に送られて冷却されて冷水となり、冷却タンク61内の水冷却管63で冷却された冷水は、送水管65と第5冷水送出管67eと第5湯送出管59eとを通って載置部23に載置したカップ等の容器に供給される。
【0037】
図1及び図2に示したように、前面パネル13の前面には開口部13aの上側に飲料供給部30から飲料を供給させるための操作パネル部70が設けられている。操作パネル部70の左右方向の中央部には飲料の種類を表示するための表示用パネル71が設けられ、操作パネル部70の表示用パネル71の左右両側の隣接する位置に飲料供給部30から飲料を供給させる操作をするための供給操作部として接触式供給操作部72と、非接触式供給操作部73とが設けられている。
【0038】
この実施形態では、表示用パネル71の左側に5種類の冷たい飲料を供給するための5つの接触式供給操作部72A~72Eが上下に並べて配置され、接触式供給操作部72A~72Eの左側に接触式供給操作部72A~72Eと同じ飲料を供給するための5つの非接触式供給操作部73A~73Eが配置されている。また、表示用パネル71の右側に5種類の温かい飲料を供給するための5つの接触式供給操作部72F~72Jが上下に並べて配置され、接触式供給操作部72F~72Jの右側に接触式供給操作部72F~72Jと同じ飲料を供給するための5つの非接触式供給操作部73F~73Jが配置されている。また、温度の異なる(冷たいのと温かい)同じ飲料を供給するための接触式供給操作部72A~72E(非接触式供給操作部73A~73E)と接触式供給操作部72F~72J(非接触式供給操作部73F~73J)とが同じ高さ位置で左右に並べて配置されている。
【0039】
図10に示したように、飲料供給装置10は、載置部23に載置した容器に飲料の供給を制御する制御装置80を備えており、制御装置80は、飲料原料搬出用モータ32d、撹拌用モータ34a、第1及び第2給水弁52a,52b、ヒータ53、温度センサ54、水位センサ55、送湯ポンプ57、第1~第5湯送出弁58a~58e、第1~第5冷水送出弁66a~66e及び操作パネル部70に接続されている。
【0040】
制御装置80は、飲料供給部30にて生成した飲料を供給する飲料供給手段として、冷却タンク61内で冷却された冷水(水)を用いた冷飲料をカップ等の容器の容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段と、冷却タンク61内で冷却された冷水をカップ等の容器に供給する冷水供給手段と、貯湯タンク51内の湯を用いた温飲料をカップ等の容器の容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、貯湯タンク51内の湯をカップ等の容器に供給する湯供給手段を備えている。
【0041】
接触式供給操作部72A~72Dの何れか1つを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部73A~73Dの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、接触式供給操作部72A~72Dまたは非接触式供給操作部73A~73Dに対応した冷飲料供給手段を実行して飲料供給部30から冷たい飲料を供給するように制御する。接触式供給操作部72Eを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部73Eの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、冷水供給手段を実行して飲料供給部30から冷水を供給するように制御する。
【0042】
接触式供給操作部72F~72Iの何れか1つを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部73F~73Iの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、接触式供給操作部72F~72Iまたは非接触式供給操作部73F~73Iに対応した温飲料供給手段を実行して飲料供給部30から温かい飲料を供給するように制御する。接触式供給操作部72Jを押下操作したときの操作信号、または、非接触式供給操作部73Jの前側に手指等の物体をかざして非接触操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、湯供給手段を実行して飲料供給部30から湯を供給するように制御する。
【0043】
次に、冷飲料供給手段と、冷水供給手段と、温飲料供給手段及び湯供給手段の制御について説明する。接触式供給操作部72A~72Dの何れか1つを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部73A~73Dの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は冷飲料供給手段を実行する。制御装置80は、冷飲料供給手段の実行によって、接触式供給操作部72A~72Dまたは非接触式供給操作部73A~73Dに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、第1給水弁52aと接触式供給操作部72A~72Dまたは非接触式供給操作部73A~73Dに対応する第1~第4冷水送出弁66a~66dを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、冷却タンク61内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と冷水は撹拌混合されて冷飲料となり、生成された冷飲料はガイド部41A~41Dを通って飲料注出部42A~42Dから載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに冷飲料が供給される。
【0044】
接触式供給操作部72Eを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部73Eの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は冷水供給手段を実行する。制御装置80は、冷水供給手段段の実行によって、第1給水弁52aと第5冷水送出弁66eを容器に応じた時間で開放させる。冷却タンク61内で冷却された冷水は飲料注出部42Eから載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに冷水(冷飲料)が供給される。
【0045】
接触式供給操作部72F~72Iの何れか1つを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部73F~73Iの何れか1つの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は温飲料供給手段を実行する。制御装置80は、温飲料供給手段の実行により、接触式供給操作部72F~72Iまたは非接触式供給操作部73F~73Iに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ57を作動させ、接触式供給操作部72F~72Iまたは非接触式供給操作部73F~73Iに対応する第1~第4湯送出弁58a~58dを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、貯湯タンク51内の湯は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料はガイド部41A~41Dを通って飲料注出部42A~42Dから載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに温飲料が供給される。
【0046】
接触式供給操作部72Jを押下操作による操作信号、または、非接触式供給操作部73Jの前側に手指等の物体をかざして非接触操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は湯供給手段を実行する。制御装置80は、湯供給手段の実行により、送湯ポンプ57を容器に応じた時間で作動させるとともに第5湯送出弁58eを開放させる。貯湯タンク51内の湯は飲料注出部42Eから載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに湯(温飲料)が供給される。
【0047】
上記のように構成した飲料供給装置10は、ハウジング11内に設けられて飲料の原料と飲料の原料水とを混合して生成した飲料を供給可能とする飲料供給部30と、ハウジング11の前部に設けられて飲料供給部30から供給される飲料を受ける容器を載置する載置部23とを備えている。この実施形態の飲料供給装置10の載置部23は、カップ等の高さの低い容器に加え、小型の水筒やタンブラーのような高さの高い容器も載置可能としている。
【0048】
飲料供給部30は、飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成された飲料を載置部23に載置したカップ等の容器に案内する飲料ガイド40とを備え、飲料ガイド40には載置部23の上側にて飲料を注出する筒形の飲料注出部42(42A~42E)を備えている。載置部23に小型の水筒やタンブラーのような高さの高い容器も載置可能としているので、載置部23にカップ等の高さの低い容器を載置したときに、飲料注出部42(42A~42E)がカップ等の高さの低い容器と高さ方向で離れることになる。これに対し、この飲料供給装置10においては、飲料注出部42(42A~42E)の内周面には内側に突出する整流リブ42aを軸線方向に延出させ、整流リブ42aの上端部を径方向に突出させた先端側である突出端側が下側となるように下方に傾斜させている。
【0049】
飲料注出部42(42A~42E)を流れ落ちる飲料は、整流リブ42aの上端部の傾斜によって突出端側に流れ落ちて集められることで下方へ流れる整流効果が高くなる。また、この実施形態では、整流リブ42aは飲料注出部42の内周面にて周方向に等間隔に離間した位置で3箇所に形成され、3つの整流リブ42aの突出端側を飲料注出部42の径方向の中心部にて飲料が通過する通路を形成させるように互いに離間させるように配置している。飲料注出部42を流れ落ちる飲料は、3つの整流リブ42aの上端部の傾斜によって飲料注出部42の径方向の中心部に集まり、飲料は飲料注出部42の中心部の通路を流れ落ちることによって1つの整流リブ42aを設けたときよりも下方へ流れる整流効果が高くなる。これにより、載置部23に小型の水筒やタンブラーのような高さの高い容器も載置可能とすることで、飲料注出部42(42A~42E)が載置部23に載置したカップ等の小型の容器から高さ方向で離れることになっても、飲料注出部42(42A~42E)から注出される飲料がカップ等の小型の容器から外側に飛散しないようにすることができる。
【0050】
また、この飲料供給装置10においては、粉末原料容器32内にパセリや海苔や葱等の乾燥させた具材(固形物)を含む粉末原料が貯えられたものであるときには、パセリや海苔や葱等の乾燥させた具材(固形物)を含む粉末原料と湯または冷水よりなる飲料の原料水を混合して生成したスープや吸い物等の飲料が供給可能となる。生成されたスープや吸い物等の飲料にはパセリや海苔や葱等の具材よりなる固形物が含まれているので、この固形物が水または湯を注出する飲料注出部42E以外の飲料注出部42A~42D内にて整流リブ42aの上端部に引っかかって残るおそれがある。具材よりなる固形物は整流リブ42aの上端部の傾斜によって上側に残りにくくなり、飲料注出部42A~42D内に飲料に含まれ具材よりなる固形物が残りにくくなる。上述したように、この実施形態では、整流リブ42aは飲料注出部42の内周面にて周方向に等間隔に離間した位置で3箇所に形成され、3つの整流リブ42aの突出端側を飲料注出部42A~42Dの径方向の中心部にて飲料が通過する通路を形成させるように互いに離間させるように配置している。飲料注出部42A~42Dを流れ落ちる飲料は、3つの整流リブ42aの上端部の傾斜によって飲料注出部42A~42Dの径方向の中心部に集まる。飲料注出部42A~42D内を流れる飲料に含まれる具材等の固形物は、飲料注出部42A~42Dの径方向の中心部の通路にて各整流リブ42aの突出端側に集められて流れが速くなる飲料によって飲料注出部42A~42Dの内部に残らずに流れ出るようになる。
【0051】
また、図8に示した実施形態では、飲料注出部42(42A~42E)の整流リブ42aの下端部を突出端側が下側となるように下方に傾斜させるようにし、整流リブ42aの下端部を飲料注出部(42A~42E)の下端の注出口から下方に突出させている。飲料注出部42を通過する飲料は、飲料注出部(42A~42E)の下端の注出口から突出する整流リブ42aの下端部の突出端側から下方に流れ落ちるので、飲料が飲料注出部(42A~42E)の下端の注出口に表面張力によって残りにくくなり、飲料注出部(42A~42E)から飲料の後だれが生じにくくなる。
【0052】
上記の実施形態の飲料供給装置10においては、飲料注出部42(42A~42E)から飲料を注出するときに、飲料の注出開始時のように飲料の流量が多いときには、飲料は整流リブ42aの上端部の傾斜によって突出端側に流れ落ちて集められることで整流効果が高い状態で下端の注出口から下方へ流れる。飲料の注出の後半となって飲料の流量が少なくなると、飲料注出部42内にて整流リブ42aによる整流効果が低くなり、飲料が飲料注出部42の内周面の整流リブ42aが形成されていない部分に沿って流れ落ちるようになる。この際に、飲料注出部42の整流リブ42aが形成されていない部分に沿って流れ落ちる飲料が、飲料注出部42の下端の注出口から流れ出るときに、飲料注出部42の下面に沿って外側に流れるようになり、飲料注出部42から外側に飛散して容器で受けられずに周囲に飛散するおそれがある。
【0053】
特に、飲料注出部42の整流リブ42aと整流リブ42aとの間の部分の周方向の長さが長いと、飲料が飲料注出部42の下端の注出口から流れ出るときに飲料注出部42の下面に沿って流れるようになって外側に飛散しやすい傾向にある。これに対し、整流リブ42aの数を多くすると、飲料注出部42の整流リブ42aと整流リブ42aとの間の部分の周方向の長さが短くなり、飲料が飲料注出部42の下端の注出口から流れ出るときに飲料注出部42の下面に沿って流れにくくなって外側に飛散しにくくなる。しかし、整流リブ42aの数を多くすると、パセリや海苔や葱等の乾燥させた具材が整流リブ42aに引っかかって残りやすくなるとともに、飲料注出部42からの飲料の注出速度が遅くなる。
【0054】
これに対し、図11及び図12に示す実施形態の飲料供給装置10においては、筒形をした飲料注出部42(42A~42E)の周面には整流リブ42aが配設されている位置と周方向に異なる位置に軸線方向に延びるスリット42bを形成するようにしている。この実施形態においても、整流リブ42aは飲料注出部42の周方向にて等間隔に離間する3箇所に形成されており、スリット42bは飲料注出部42の内周面にて整流リブ42aと整流リブ42aとの間の周方向の中央部にて飲料注出部42の周方向に等間隔に離間する3箇所に形成されている。また、整流リブ42aは飲料注出部42の内周面にて軸線方向のほぼ全長にわたって延出しているのに対し、スリット42bは飲料注出部42の軸線方向の略中央部より少し下側から下端まで延出している。スリット42bの上端が飲料注出部42の軸線方向にて高い位置に形成されていないので、飲料注出部42から飲料を注出しているときにスリット42bから飲料が流出しない。
【0055】
この実施形態の飲料供給装置10においても、飲料注出部42から飲料を注出するときには、飲料の注出開始時のように飲料の流量が多いときには整流リブ42aの上端部の傾斜によって突出端側に流れ落ちて集められることで整流効果が高い状態で下方へ流れる。飲料の注出開始時のように飲料の流量が多いときには、飲料は整流リブ42aによる下方へ流れる整流効果が高められた状態で下端の注出口から注出される。
【0056】
飲料の注出の後半となって飲料の流量が少なくなると、飲料注出部42を流れ落ちる飲料の流れによりスリット42bから空気が飲料注出部42内に負圧吸引され、飲料注出部42内を流れ落ちる飲料はスリット42bから吸引される空気によって整流リブ42a側に押されるようになって整流リブ42aによる下方に流れる整流効果を得ることができる。これにより、飲料の注出開始時から飲料の注出後半となっても、飲料注出部42内を流れ落ちる飲料は整流リブによって下方へ流れる整流効果を高めた状態で下端の注出口から注出され、飲料注出部42から外側に飛散することなく容器で受けられるようになる。特に、この実施形態の飲料供給装置10においては、スリット42bは飲料注出部42の周方向にて整流リブ42aと整流リブ42aの間に形成されているので、スリット42bから飲料注出部42内に吸引された空気が両側の整流リブ側に押されるようになり、飲料注出部内を流れる飲料が飲料注出部42内で整流リブ42aに沿って流れ落ちやすくなり、整流リブ42aが配設されていない位置の下端の注出口から流れにくくなる。これにより、飲料注出部42を流れ落ちる飲料は整流リブに沿って流れ落ちて下端の注出口から外側にさらに飛散しにくくなる。
【0057】
上記の各実施形態の飲料供給装置10においては、飲料注出部42の整流リブ42aを周方向に等間隔に離間した位置で3箇所に形成しているが、これに限られるものでなく、整流リブ42aを飲料注出部42の内周面の1箇所のみ、または、整流リブ42aを飲料注出部42の内周面に2箇所以上に形成したものであってもよい。同様に、飲料注出部42にスリット42bを形成した実施形態では、飲料注出部42のスリット42bを整流リブ42aが配設されている位置と周方向に異なる位置で3箇所に形成し、各スリット42bは飲料注出部42の周方向にて整流リブ42aと整流リブ42aの間に形成されているが、これに限られるものでなく、スリット42bを飲料注出部42の周面に1箇所のみ、または、スリット42bを飲料注出部42の内周面に2箇所以上に形成したものであってもよい。
【0058】
また、整流リブ42aを飲料注出部42の内周面の1箇所のみに形成したときには、図13に示したように、5つの飲料注出部42A~42Eの各整流リブ42aを飲料ガイド40の中心部から外側に突出するように形成するのが好ましい。このようにしたときには、各飲料注出部42A~42Eから飲料が注出されるときの注出後半時のように飲料の流量が少なくなったときに、注出される飲料は整流リブ42aによって流れることで飲料ガイド40の中心部側で流れやすくなり、飲料が受台部24の凹部24aに載置したカップ等の容器から外側に外れにくくなる。なお、整流リブ42aを飲料注出部42の内周面の1箇所のみに形成したときには、整流リブ42aを飲料注出部42の径方向の反対側の内周面に届かない範囲で、飲料注出部42の中心部より長く突出させたものであってもよいし、飲料注出部42の中心部より短く突出させたものであってもよい。
【0059】
この実施形態の飲料供給装置10においては、飲料ガイド40は5つの飲料注出部42を備えたものであるが、これに限られるものでなく、飲料ガイド40が1つ以上の飲料注出部42を備えるものであってもよい。また、上記の実施形態の飲料供給装置10においては、全ての飲料注出部42に本願請求の範囲に記載の整流リブ42aを設けるようにしているが、これに限られるものでなく、一部の飲料注出部42に本願請求の範囲に記載の整流リブ42aを設けるようにしたものであってもよい。
【0060】
10…飲料供給装置、11…ハウジング、23…載置部、30…飲料供給部、42(42A~42E)…飲料注出部、42a…整流リブ、42b…スリット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13