(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049049
(43)【公開日】2023-04-07
(54)【発明の名称】器官維持および輸送のためのシステムならびに方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/36 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
A61M1/36 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022188133
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2022549953の分割
【原出願日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】62/979,144
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】594010009
【氏名又は名称】デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア フィルゲート
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ディー. モロー
(72)【発明者】
【氏名】スコット エー. クール
(72)【発明者】
【氏名】パイパー エル. カーティス
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン エム. フェレンティーノ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エル. ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ホーバン
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート エー. ジェイコブソン
(72)【発明者】
【氏名】ケイティ イー. レオン
(72)【発明者】
【氏名】ケイトリン モスル
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077BB10
4C077CC04
4C077DD29
4C077JJ03
4C077JJ13
4C077JJ15
4C077KK30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流と、ドナーからレシピエントへの器官の輸送とを可能にするシステムおよび方法の提供。
【解決手段】本システム(100)は、酸素化された灌流液を器官(135)に提供し、器官を通して移動する灌流液の連続監視を可能にする、循環システムを含む。タンク(123)は、選択された注入可能物質を受け取り得る入口と、サンプリングおよび廃棄物除去を可能にし得る出口とを提供することができる。本システムは、器官が浸される溶液槽を絶えず監視することができ、本システムは、タンク内のガスの組成を管理することができる。直動式空気圧ポンプが、最小の溶血を可能にするために使用され得る。システムは、使い捨て部分と、耐久性部分とを含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本実用特許出願は、2020年2月20日に出願され、「System and Method for Kidney Transport」と題された、米国仮特許出願第62/979,144号(弁理士整理番号第AA195号)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、移植レシピエントのための採取された器官の維持に関する。多くのタイプの器官が、器官ドナーから採取され、最も一般的なものは、腎臓である。2018年には、米国で年間700,000人以上の患者および世界で推定200万人の患者が、末期腎不全(ESRD)に罹患していた。ESRDに関する主要な治療は、透析および腎臓移植である。米国では、ESRDを伴う人々の圧倒的な割合が、透析を受けており、移植を受けて生活している人は、ごく一部である。一般に、透析を受ける患者は、腎臓移植を受ける患者よりも短い平均寿命および悪い生活の質を有する。透析治療を受けており、代わりに移植を望み得る患者は、利用可能なドナーの腎臓の数の5倍を上回る列に並ぶ必要性がある。大部分の移植される腎臓は、死亡したドナーからのものであるが、多数の利用可能な腎臓は、廃棄されなければならない。死亡したドナーの腎臓は、いくつかの課題、すなわち、(1)高い率の臓器移植後臓器機能障害(DGF)、寒冷誘発傷害に対するより高い感度、およびより低い長期移植組織生存率を有する。輸送のための器官の低温保管は、ロジスティクス的には効果的であるものの、器官を損傷させ得、特に、器官が低温であり、代謝的に活性ではないとき、器官の健康状態を査定することは、困難であり得る。低温保管サイクル(高温-低温-高温)の結果は、虚血傷害を引き起こし得る、O2欠乏の連鎖反応であり得る。そのような傷害の初期影響は、臓器移植後臓器機能障害を含み得、腎臓機能に対する長期の影響が、存在し得る。現在の腎臓スクリーニングの方法は、欠陥があり得、腎臓の健康状態の直接的な測定値を提供し得ない。腎臓が、可能性として限界であると見なされるとき、腎臓査定システムは、廃棄に偏る。結果として、多数の提供される器官(米国のみで3,500件)が、毎年廃棄されている。研究は、これらの廃棄のうちのかなりの割合が、結果として生じる患者のための好ましい転帰を伴って移植された可能性があることを見出している。器官の徹底的な定量的生体外査定が、廃棄率を低減させるために重要である。生体外器官査定は、ドナースコアリングへの依存を除去し、腎臓の健康状態のリアルタイム測定を提供することができ、これは、リスク回避型の医師の気持ちを和らげることができる。他の将来の選択肢は、ドナーマッチング問題をより少なくし得る免疫調節薬、生体内で腎臓を治療するための遺伝子療法、腎臓組織工学、および組織移植を含むことができる。なおもさらなる選択肢は、保全時間を延長し、リアルタイム器官診断を可能にし、寒冷誘発傷害を排除する可能性が高い、正常体温/亜正常体温灌流を含む。生体外正常体温機械灌流(NMP)等の保全技法は、レシピエントを外科手術に委ねる前に、移植前の腎臓の品質を蘇生させ、査定するために使用されることができ、廃棄腎臓を回復させるために使用されている。正常体温または亜正常体温灌流は、代謝的に活性の腎臓をもたらし、これは、査定を可能にする。
【0003】
必要とされるものは、廃棄される器官の数を低減させるように設計されるシステムである。必要とされるものは、可能性として、ドナーから移植レシピエントへの輸送の間、循環する灌流液において事前選択された酸素レベルを維持し得る、および/または器官を常に監視し、所望の酸素レベルを動的に調節し得るシステムである。システムは、例えば、24時間にわたって続き得る輸送の間であっても、その生命力を維持するために必要な栄養素を器官に提供するように設計されなければならない。システムは、医療従事者が器官が生存してるかどうかを決定するために役立つ十分な範囲の特性、例えば、限定ではないが、グルコースおよびpHを感知するように設計されなければならない。成功した器官輸送システムは、医療従事者に器官の健康状態の定量的な測定値を提供し、移植に先立ってその性能を最適化するための器官の再調整を可能にし、器官輸送の間に起こり得る器官に対する急性傷害を限定し、器官の生体外治療、例えば、限定ではないが、薬理的および遺伝子療法を可能にし得る。さらに必要とされるものは、低溶血を達成し、器官の所望の特性を維持するシステムである。必要とされるものは、リアルタイムに腎臓の健康状態を査定するためのオンボードセンサを伴う正常体温/亜正常体温器官灌流デバイスである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの構成によると、本教示は、正常体温腎臓灌流のためのシステムおよび方法を含む。正常体温灌流は、保全時間を延長し、リアルタイム腎臓診断を可能にし、寒冷誘発傷害を排除することができる。本教示のシステムでは、腎臓は、ポータブルまたは定常であるように構成され得るタンク内で灌流されることができる。
【0005】
ポータブルタンクは、独立型であり、壁電源および支持機器から切り離され、比較的に長い持続時間、例えば、限定ではないが、24時間にわたって外部電力を伴わずに動作するように構成されることができる。注入液が、タンクの中にもたらされることができ、腎臓は、可能性として、他の成分の中でも、腎臓が灌流されている際に腎臓の腎静脈から退出する流体中に浸されることができる。灌流および注入は、例えば、限定ではないが、灌流回路内および溶液槽内で一列に並んで据え付けられるセンサからフィードバックを受信するコントローラによって管理される、繰り返し成功するプロセスを含むことができる。本システムおよび方法は、成功する腎臓移植の回数を増加させ、患者の健康状態を改善し、腎臓移植臨床技法における進歩を可能にすることができる。腎臓灌流のためのシステムおよび方法は、外科医に腎臓の健康状態の定量的な測定値を提供し、移植後の腎臓の性能を最適化するための移植に先立つ腎臓の再調整を可能にし、腎臓輸送の間に起こり得る急性腎傷害を限定し、腎臓の生体外治療、例えば、限定ではないが、薬理的および遺伝子療法を可能にすることができる。本システムおよび方法は、限界の腎臓が修復され、可能な移植候補として適格にされることを可能にすることができる。本システムおよび方法は、腎臓の健康状態の定量化を可能にすることができる。
【0006】
本教示の方法は、限定ではないが、腎臓をタンクの中に設置するステップを含むことができる。タンクは、空気を捕捉することができ、再循環する気泡を防止することができる。タンクは、容積がタンク内で変化することを可能にすることができ、これは、灌流システムからの真空圧力の腎臓に対する暴露を限定し、腎臓を通した循環を可能にすることができる。本方法は、腎動脈を灌流システムに接続するステップと、尿管を排出ラインに接続するステップとを含むことができる。腎動脈の中に圧送される灌流液は、少なくとも部分的に、腎静脈を通して逃散することができ、タンクの中に流動することができる。灌流システムは、ほぼ生理学的な圧力、例えば、90mmHgを供給することができる。いくつかの構成では、最大200mmHgの圧力および最大500mL/分の流率が、本教示の方法において適応されることができる。灌流液は、タンクから腎動脈の中に戻るように再循環されることができる。灌流液は、限定ではないが、例えば、限定ではないが、パーフルオロカーボン、ヘモグロビンベースの流体、および海洋ワームヘモグロビンベースの流体等の酸素担体を含むことができる。ヘモグロビンベースの酸素担体は、精製されたヒトまたは動物ヘモグロビンから調製された注入可能酸素搬送流体を含むことができる。海洋ワームヘモグロビンベースの流体は、灌流液に密度および粘性を追加することができる。灌流液は、電解質、糖、ビタミン、およびpH緩衝液の組み合わせを含むことができる。本方法は、灌流液を腎臓の中に圧送することに先立って、灌流液の温度を監視および調整するステップを含むことができる。いくつかの構成では、温度は、室温に調整されることができる。いくつかの構成では、温度は、体温に調整されることができる。いくつかの構成では、温度は、3~42℃の範囲に調整されることができる。本教示のシステムにおける、その方法を通した通常の腎臓取扱手順は、長い時間周期にわたって極端な温度から腎臓を保護することができる。腎臓を低体温レベルに維持するとき、標的温度は、3~10℃の範囲を含むことができる。腎臓を亜正常体温レベルに維持するとき、標的温度は、18.5~25.5℃の範囲を含むことができる。腎臓を正常体温レベルに維持するとき、標的温度は、32~42℃の範囲を含むことができる。
【0007】
本方法は、空気から酸素を抽出し得る酸素化装置の中に空気を圧送するステップと、酸素を灌流液に供給するステップとを含むことができる。溶解酸素に関する標的範囲は、動脈で74~100mmHgおよび静脈で30~40mmHgを含むことができる。酸素化された灌流液は、腎臓内で生成されたCO2が逃散することを可能にすることができる。CO2の標的範囲は、23~29mmol/Lを含むことができる。本方法は、腎臓の健康状態を維持するために必要な流体、塩分、栄養素、および他の生物学的化合物の補充を含むことができる。いくつかの構成では、注入ポンプが、1~20mL/分の流率において溶液槽125の中に流体の補充を提供するために使用されることができる。本方法は、例えば、限定ではないが、腎抵抗変化(圧力/流動)、酸素消費量、およびpHのステータスを監視することを通して、腎臓の生命力を監視するステップを含むことができる。腎臓特性の監視は、腎臓の健康状態のインジケーションを提供することができる。
【0008】
いくつかの構成では、補充原料は、例えば、限定ではないが、グルコースの縮合から導出される複合多糖類である、0.026g/mLのデキストランを伴うプラズマライトの単一の注入溶液を含むことができる。補充の間、本方法は、170~180mg/dLの標的グルコース範囲および15分毎に10mLの基礎流量を維持するステップを含むことができる。これらの標的は、満たされる場合、25gのデキストラン/日および960mLの灌流液補充を送達することができる。本方法は、標的を達成するために、投与の間の時間を調節するステップを含むことができる。感知されたグルコース読取値に応じて、インスリンが、添加されることができる。
【0009】
いくつかの構成では、補充原料は、例えば、限定ではないが、2つの注入溶液を含むことができる。注入溶液は、限定ではないが、プラズマライト/デキストラン溶液および緩衝溶液を含むことができる。プラズマライト/グルコース溶液は、0.026g/mLデキストランを伴うプラズマライトを含むことができる。緩衝液は、灌流液のpHを調整するために使用されることができる。標的pHは、6.9~7.9の範囲を含むことができる。いくつかの構成では、本方法は、高流量、低カリウム保全溶液を用いて腎臓を洗除するステップを含むことができる。いくつかの構成では、本方法は、腎臓を再灌流するステップと、注入が腎臓の生存能力を維持しているかどうかを判定するために、腎臓の特性を監視するステップとを含むことができる。
【0010】
いくつかの構成では、腎臓を所望の温度に維持するステップは、重量、熱負荷、およびサイズ要件を満たす温度調整選択肢を選択するステップを含むことができる。可能性として考えられる選択肢は、限定ではないが、カルノー、相変化、および熱電システムを含むことができる。いくつかの構成では、熱負荷は、環境と腎臓との間の20°の温度差を維持するために10~20Wであり、腎臓が亜正常体温温度に維持される場合、より小さい。10~20W範囲のより高い側上での熱負荷に関して、カルノーシステムが、選択されることができる。バッテリのサイズが重要であり得るシステムに関して、熱電システムが、それらがスケーリングされることができるため、選択されることができる。腎臓封入体が、封入された面積内に設置されるべきであるとき、相変化材料システムが、それらが周囲環境への/からの熱の伝達を要求しないため、選択されることができる。腎臓を所望の温度に維持することは、適切な断熱材を選択することを含むことができる。いくつかの構成では、真空パネル、エアロゲル、および/または独立気泡剛性断熱システムが、選択されることができる。
【0011】
他の構成では、本教示のシステムは、器官灌流、灌流液再循環、および可能性として注入を可能にし得る、ポンプサブシステムを含むことができる。ポンプサブシステムは、灌流液、例えば、血液を器官を通して圧送することができる。血液は、例えば、全血または濃厚赤血球を含むことができる。いくつかの構成では、ポンプサブシステムは、20~120mmHgの圧力において最大500ml/分の率において灌流液流動を可能にすることができる。流動は、随意に、拍動性であり得、率は、調節可能であり得る。実施例として、低流率が、損傷した腎臓に関して要求され得る。腎臓機能が改善するにつれて、流率は、変化した条件に適応するように調節されることができる。拍動性流動または生理学的パラメータによって制御される流率は、両方とも本教示のポンプによって適応されることができる。ポンプのタイプは、遠心ポンプおよび直動式空気圧ポンプを含むことができる。遠心ポンプは、携帯性および生理学的条件の維持を可能にすることができる。直動式空気圧ポンプは、血液のより連続的な流動を供給するために連動して使用されることができる。直動式空気圧ポンプは、血流回路内の流動が、高度に制御され得るように、能動的な入口および出口弁を含むことができる。例えば、腎臓は、200~500mL/分の流率に耐えることができる。流率を調節することは、例えば、始動時の任意の固有の機器変動に適応することができる。ポンプ選定の1つの目標は、溶血を低減させることである。直動式空気圧ポンプは、最小の溶血および接液材料に関する流動計量を可能にすることができる。生理学的拍動性圧力デューティサイクルに合致するように、直動式空気圧の圧送サイクルを修正することが、可能性として考えられ得る。
【0012】
いくつかの構成では、ポンプは、直動式であり、圧縮空気(または真空)が、流体に対して膜を押動/引動するために使用される。弁のセットが、圧送ポッドが接続される場所を制御し、入口からの充填および出口への押動を可能にする。いくつかの構成では、2つの圧送ポッドが、存在する。各ストロークの開始時に、一方が、充填し、一方が、送達する。そのシーケンスが完了するまで、新しいストロークは、完了されない。部分的ストロークが、例えば、溶血を軽減するために、可能性として考えられる。ポンプは、供給弁を絞ることによって、圧送ポッド内の公称圧力を制御する。結果は、時間グラフの代わりに、鋸歯圧力である。ポンプ圧力制御モードでは、充填/送達公称圧送ポッド圧力は、調節されることができる。より高い圧力(または真空)は、より速い充填または送達時間をもたらすであろう。ポンプは、平滑な/一貫した流動および拍動性流動を提供することができる。いくつかの構成では、本システムは、複数のコントローラ、例えば、弁コントローラ、圧送チャンバコントローラ、およびポンプコントローラを含むことができる。本教示のシステムは、灌流を維持しながら、灌流液体積の大部分を交換することができる。
【0013】
灌流ループの役割は、別様に身体で行われるであろう基本的な生物学的機能を提供することである。これらは、酸素化、栄養素供給、および二酸化炭素の除去を含む。酸素化および二酸化炭素の除去は、定常状態の膜酸素化装置の使用を通して行われる。灌流流体は、腎臓を離れ、酸素化装置を通して通過され、次いで、腎臓の中に戻るように圧送される。栄養素は、灌流溶液中に供給され、手動で、または注入液の使用を通して添加されることができる。腎臓によって発生された尿は、尿管から外に流動し、滅菌サンプルポートを通してサンプリングのために利用可能であろう。尿は、次いで、灌流ループに戻るように指向される。尿流率および体積が、本システムによって測定ならびに記憶される。再循環する尿が困難であることが判明する場合では、本システムは、尿が収集される、または潜在的に透析ループを通して通過されるように修正されることができる。
【0014】
再循環ループは、腎臓タンクの充填または排出およびタンクからの流体の再循環を可能にする、本システムに関する維持ループのように作用し、本質的に、タンクを攪拌する。本ループは、注入液が、腎臓の中に直接通過される代わりに、送達され、希釈され、灌流液に混合され得るように、注入ポンプを含むことができる。注入ポンプのうちのいくつかまたは全ては、灌流ループの一部にされることができる。いくつかの構成では、本システムは、気泡が検出されるときのプライミングの間に開放され得るバイパス弁を含むことができる。新しい血液を導入する、または本システムを排出させるために、本システムは、注入経路と関連付けられる少なくとも1つのピンチ弁を含むことができる。いくつかの構成では、ピンチ弁が、流入する灌流液と関連付けられることができる一方、別のピンチ弁が、排出経路と関連付けられることができる。灌流液ポンプはまた、組織封入体を排出させることができる。
【0015】
これが血液を酸素化装置の中に圧送する際の灌流ポンプの流率および圧力は、腎臓の中に進む流率および圧力が調整されるように、調整されることができる。腎臓の抵抗は、これがより良好な健康状態を達成するにつれて経時的に変化し、圧送される灌流液の圧力は、腎臓の必要性に適応する必要がある。流体ラインを過剰に加圧することは、溶解を引き起こし得る。
【0016】
血液灌流ポンプは、限定ではないが、ローラ、遠心、拍動性、および非閉塞性ローラを含むことができる。本教示のシステムの灌流を可能にし得るポンプは、血液を損傷させることなく、高い抵抗に対して生理学的血流を送達することができ、厳密であり、容易に監視される流動を提供し、いかなる乱流または停滞も作成せず、停電の場合に手動で動作可能であり得る。いくつかの構成では、シリコーン膜接触器を伴う体外膜酸素化(ECMO)タイプデバイスが、本システムにおいて血液を灌流および酸素化するために使用されることができる。
【0017】
いくつかの構成では、低ボーラス、高正確度注入ポンプが、処方血管拡張薬またはインスリン等の臨床注入を可能にするために使用されることができる。いくつかの構成では、複数の注入ポンプが、複数の異なる物質が、可能性として同時に注入されることを可能にするために使用されることができる。いくつかの構成では、ポンプリザーバは、3mLであり、ポンプは、0.5~300.0μL/時間の注入率に適応することができ、0.5~250.0μLの注入体積に適応することができ、器官封入体の中に給送される再循環ループの中に注入することができる。
【0018】
本システムは、適正な灌流を可能にし、腎臓査定のためのデータを収集するためのセンサを含むことができる。本システムは、滅菌シリンジを使用して、尿および灌流液流体を除去するための滅菌サンプルポートを含むことができる。本教示のシステムは、流体経路の外にあるセンサならびに流体経路内にあるセンサを含む。本システムは、組織封入体から退出し、熱交換器から退出する管類上に圧力センサを含むことができる。熱交換チャネルと熱制御パッドとの間の膜は、圧力センサを含むことができる。膜は、例えば、ゴム材料であり得る。本システムは、気泡が流入する灌流液の上部に浮遊する、空気トラップを含むことができ、流体が、空気トラップの非空気区分から退出することができる。本システムは、カニューレ処置された尿道から収集される尿を測定するために、流動/液滴センサを含むことができる。
【0019】
本教示のシステムは、熱交換器を通して灌流液の温度を制御する。熱交換器は、熱伝導性および反射性膜の上に載っている蛇行流路を含む。いくつかの構成では、熱制御板は、灌流液の温度の能動的制御のためのカートリッジ要素を含む。本システムは、これが蛇行経路に進入し、それから退出する際に灌流液の温度を感知する、温度センサを含む。温度の能動的制御は、腎臓灌流のために必要とされる37℃の温度を維持することができる。カートリッジ要素の数およびサイズは、少なくとも、蛇行経路を横断する均一な分布を維持するために必要とされる特性に基づく。熱制御板のサイズは、カートリッジの数およびサイズによって決定付けられる。蛇行チャネルの幅は、チャネルの内側に適正な表面積を維持し、停滞を回避し、極端な圧力を回避し、均一な熱伝達を維持する必要性に基づく。蛇行チャネルの幾何学形状は、停滞を防止するために重要であり得る。いくつかの構成では、カメラが、可能性として組織封入体内の窓を通して、器官のマクロビューを見るためにスケーリングされることができる。いくつかの構成では、カメラは、タイムラプス写真、スナップショット、およびビデオを撮影することができる。
【0020】
灌流液を用いた器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするための本教示のシステムは、限定ではないが、プラットフォームと、流体リザーバとを有する、組織封入体を含み、プラットフォームは、ある高さを有し、流体リザーバは、ある流体レベルを有し、流体レベルは、その高さよりも低く、器官は、プラットフォーム上に位置付けられることができる。本システムは、灌流液におけるガス飽和度を調節する、ガス管理サブシステムと、事前選択された閾値に従って、灌流液の温度を調節する、熱管理サブシステムであって、事前選択された閾値は、正常体温または亜正常体温である、熱管理サブシステムと、器官、ガス管理システム、および熱管理サブシステムを通して灌流液を循環させる、灌流サブシステムであって、灌流液は、器官に関する持続的な正常体温または亜正常体温条件を可能にする、灌流サブシステムとを含むことができる。本システムは、随意に、器官からの出力を測定する、出力管理サブシステムと、灌流液からガスを除去する、ガストラップと、灌流液および/または流体リザーバの特性を監視する、センササブシステムと、添加剤を灌流液および/または流体リザーバに導入する、注入サブシステムとを含むことができる。注入サブシステムは、随意に、少なくとも1つの灌流ポンプを含むことができる。灌流サブシステムは、随意に、低溶血を可能にする、少なくとも1つの灌流ポンプを含むことができる。ガス管理サブシステムは、随意に、酸素を灌流液に供給し、二酸化炭素レベルを管理する、少なくとも1つの酸素化装置と、少なくとも1つのガスを灌流液に提供する、少なくとも1つのガス供給デバイスとを含むことができる。少なくとも1つのガスは、随意に、酸素、窒素、および二酸化炭素を含むことができる。熱管理サブシステムは、随意に、熱交換器を含むことができる。熱交換器は、随意に、熱エネルギーの源と、灌流液を保持する、少なくとも1つのチャネルを有する、表面と、表面を被覆し、源から膜を通して灌流液に熱エネルギーを伝導する、膜と、膜と源との間の熱伝達板とを含むことができる。
【0021】
本システムは、随意に、灌流液が熱管理サブシステムに進入する前の灌流液の灌流液温度を監視する、少なくとも1つの熱センサのうちの第1のものと、灌流液が熱管理サブシステムから退出した後の灌流液の灌流液温度を監視する、少なくとも1つの熱センサのうちの第2のものと、流体リザーバ内の灌流液の灌流液温度を監視する、少なくとも1つの熱センサのうちの第3のものとを含むことができる。本システムは、随意に、灌流液が器官に進入する前の灌流液の酸素飽和度を監視する、少なくとも1つの酸素飽和度センサのうちの第1のものと、流体リザーバから離れる灌流液の酸素飽和度を監視する、少なくとも1つの酸素飽和度センサのうちの第2のものとを含むことができる。本システムは、随意に、流体リザーバ内の灌流液のpHを監視する、少なくとも1つのpHセンサと、流体リザーバ内の灌流液の溶解酸素を監視する、少なくとも1つの溶解酸素センサとを含むことができる。本システムは、随意に、灌流液がガス管理サブシステムに進入する前の灌流液の圧力を監視する、少なくとも1つの圧力センサのうちの第1のものと、灌流液が器官に進入する前の灌流液の圧力を監視する、少なくとも1つの圧力センサのうちの第2のものとを含むことができる。
【0022】
灌流液を用いた器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするための本教示のシステムは、限定ではないが、流体リザーバを有する、組織封入体であって、組織封入体は、器官を保持する、組織封入体と、灌流液におけるガス飽和度を調節する、ガス管理サブシステムと、事前選択された閾値に従って、灌流液の温度を調節する、熱管理サブシステムであって、事前選択された閾値は、正常体温または亜正常体温である、熱管理サブシステムと、器官、ガス管理サブシステム、および熱管理サブシステムを通して灌流液を循環させる、灌流サブシステムであって、灌流液は、器官に関する持続的な正常体温または亜正常体温条件を可能にする、灌流サブシステムと、灌流液を圧送するために灌流サブシステムを駆動する、空気圧サブシステムと、空気圧サブシステム、熱管理サブシステム、およびガス管理サブシステムを制御する、制御サブシステムとを含むことができる。本システムは、随意に、器官からの出力を測定する、出力管理サブシステムと、灌流液からガスを除去する、ガストラップと、灌流液の特性を監視する、センササブシステムであって、センササブシステムは、センサデータを収集する、センササブシステムとを含むことができる。本システムは、随意に、センサデータを受信し、センサデータを制御サブシステムに提供する、データプロセッサであって、制御サブシステムは、少なくともセンサデータに基づいて、熱管理サブシステムを制御する、データプロセッサと、センサデータを受信する、データプロセッサであって、データプロセッサは、センサデータを制御サブシステムに提供し、制御サブシステムは、少なくともセンサデータに基づいて、空気圧サブシステムを制御する、データプロセッサとを含むことができる。本システムは、随意に、センサデータを受信する、データプロセッサであって、データプロセッサは、センサデータを制御サブシステムに提供し、制御サブシステムは、少なくともセンサデータに基づいて、ガス管理サブシステムを制御する、データプロセッサと、添加剤を灌流液に導入する、注入サブシステムとを含むことができる。
【0023】
ガス管理システムは、随意に、使い捨て酸素化装置を含むことができる。熱管理サブシステムは、随意に、使い捨て熱交換器と、使い捨て熱伝導性膜と、耐久性熱エネルギー源とを含むことができる。灌流サブシステムは、随意に、器官を通して灌流液を圧送する、少なくとも1つの使い捨てポンプと、少なくとも1つの使い捨てポンプを空気圧サブシステムと結合する、少なくとも1つの耐久性ポンプインターフェースとを含むことができる。空気圧サブシステムは、随意に、少なくとも1つの耐久性弁と、少なくとも1つの耐久性チャンバと、少なくとも1つの耐久性圧力源と、少なくとも1つの耐久性真空源とを含むことができる。
【0024】
灌流液を用いた器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするための本教示のシステムであって、本システムは、限定ではないが、使い捨てコンポーネントと、使い捨てコンポーネントをともに結合し、器官を通した灌流液の循環を可能にする循環ループを形成する、管類とを含む、使い捨て部分と、灌流液の循環を駆動する、空気圧システムと、循環する灌流液を正常体温または亜正常体温温度に維持するために、熱エネルギーを灌流液に供給する、熱エネルギー源と、空気圧システムおよび熱エネルギー源を制御する、制御システムとを含む、耐久性部分とを含むことができる。使い捨て部分は、随意に、熱エネルギー源から灌流液に熱を伝達する、熱交換器を含むことができる。熱交換器は、随意に、流体経路をエッチングされた第1の側と、第2の対向する側とを有する、板であって、第2の対向する側は、組織封入体に対して位置付けられ、組織封入体は、器官を格納する、板と、第1の側を被覆する第1の膜側を有する、熱伝導性膜であって、熱伝導性膜は、熱エネルギー源に対して位置付けられる、第2の対向する膜側を有する、熱伝導性膜とを含むことができる。使い捨て部分は、随意に、酸素を灌流液に提供する、酸素化装置と、器官を通して灌流液を圧送する、少なくとも1つのポンプであって、空気圧システムは、少なくとも1つのポンプを駆動する、少なくとも1つのポンプと、灌流液の中に物質を注入する、少なくとも1つのポンプと、器官からの出力を測定する、少なくとも1つの出力管理システムと、灌流液からのガスを除去する、ガストラップとを含むことができる。耐久性部分は、随意に、センサデータを提供し、器官を監視する、少なくとも1つのセンサと、センサデータを受信および処理する、少なくとも1つのデータプロセッサであって、少なくとも1つのデータプロセッサは、処理されたセンサデータを制御システムに提供し、制御システムは、少なくとも処理されたセンサデータに基づいて、空気圧システムおよび熱エネルギー源を制御する、少なくとも1つのデータプロセッサとを含むことができる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
腎臓の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするためのシステムであって、
前記腎臓を格納するタンクであって、前記タンクは、ガス気泡の再循環を防止し、前記タンクは、真空圧力への前記腎臓の暴露を限定し、前記タンクは、溶液槽を保持し、前記溶液槽は、前記腎臓を囲繞する、タンクと、
前記腎臓の少なくとも1つのオリフィスと動作可能に結合される灌流システムであって、前記灌流システムは、前記腎臓を通して灌流液を循環させ、前記灌流システムは、前記灌流液が循環する際の前記灌流液の監視および調節を可能にする、灌流システムと、
前記溶液槽および前記灌流液を所望の温度に維持する温度管理システムであって、前記温度管理システムは、断熱材を含む、温度管理システムと、
前記タンク、前記灌流システム、および前記温度管理システムを保持するキャリングケースであって、前記キャリングケースは、前記腎臓の輸送を可能にする、キャリングケースと
を備える、システム。
(項目2)
前記灌流システムは、前記腎臓を通して前記所望の温度において灌流溶液を圧送する灌流ポンプを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記灌流液に酸素を供給し、二酸化炭素が前記腎臓から逃散することを可能にする酸素化装置をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目4)
選択された溶液を前記タンクの中に圧送する注入ポンプをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目5)
選択された溶液を前記腎臓の中に圧送する注入ポンプをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記灌流液の少なくとも1つの灌流液特性および前記腎臓の少なくとも1つの腎臓特性を収集する少なくとも1つのセンサをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
尿を収集するサンプル/廃棄物容器をさらに備え、前記尿は、前記腎臓の少なくとも1つの腎臓特性を示す、項目1に記載のシステム。
(項目8)
腎臓の持続的な正常体温灌流を可能にするための方法であって、前記腎臓は、尿管と、腎動脈とを含み、前記腎臓は、タンク内に格納され、前記腎臓は、ドナーからレシピエントに輸送され、前記方法は、
灌流液を前記腎動脈の中に圧送するステップであって、前記腎臓は、タンクを充填する溶液槽によって囲繞される、ステップと、
前記腎臓が輸送されている間、前記灌流液の灌流液特性を監視するステップと、
前記監視に基づいて、前記腎臓が輸送されている間、前記灌流液特性を調節するステップと
を含む、方法。
(項目9)
前記腎臓が輸送されている間、前記灌流液を事前選択された温度に維持するステップをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記尿管から尿をサンプリングするステップと、
前記サンプリングされた尿を廃棄するステップと
をさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目11)
前記溶液槽の溶液槽特性を監視するステップと、
切換弁および注入ポンプを制御するステップであって、前記切換弁および前記注入ポンプは、前記溶液槽特性に基づいて、選択された溶液を前記溶液槽の中に引き込む、ステップと、
前記溶液槽特性に基づいて、温度管理システムを制御するステップと
をさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目12)
前記腎臓が輸送されている間、前記灌流液を酸素化するステップをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目13)
灌流液を用いた器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするためのシステムであって、前記システムは、
プラットフォームと、流体リザーバとを有する組織封入体であって、前記プラットフォームは、高さを有し、前記流体リザーバは、流体レベルを有し、前記流体レベルは、前記高さよりも低く、前記器官は、前記プラットフォーム上に位置付けられる、組織封入体と、
前記灌流液におけるガス飽和度を調節するガス管理サブシステムと、
事前選択された閾値に従って、前記灌流液の温度を調節する熱管理サブシステムであって、前記事前選択された閾値は、正常体温または亜正常体温である、熱管理サブシステムと、
前記器官、前記ガス管理システム、および前記熱管理サブシステムを通して灌流液を循環させる灌流サブシステムであって、前記灌流液は、前記器官に関する持続的な正常体温または亜正常体温条件を可能にする、灌流サブシステムと
を備える、システム。
(項目14)
前記器官からの出力を測定する出力管理サブシステムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記灌流液からガスを除去するガストラップをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目16)
前記灌流液の特性を監視するセンササブシステムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目17)
前記流体リザーバの特性を監視するセンササブシステムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目18)
添加剤を前記灌流液に導入する注入サブシステムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目19)
添加剤を前記流体リザーバに導入する注入サブシステムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目20)
少なくとも1つの灌流ポンプを含む注入サブシステムをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目21)
前記灌流サブシステムは、少なくとも1つの灌流ポンプを備え、前記灌流ポンプは、低溶血を可能にする、項目13に記載のシステム。
(項目22)
前記ガス管理サブシステムは、少なくとも1つの酸素化装置を備え、前記少なくとも1つの酸素化装置は、酸素を前記灌流液に供給し、二酸化炭素レベルを管理する、項目13に記載のシステム。
(項目23)
前記ガス管理サブシステムは、少なくとも1つのガス供給デバイスを備え、前記少なくとも1つのガス供給デバイスは、少なくとも1つのガスを前記灌流液に提供する、項目13に記載のシステム。
(項目24)
前記少なくとも1つのガスは、酸素を含む、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記少なくとも1つのガスは、窒素を含む、項目23に記載のシステム。
(項目26)
前記少なくとも1つのガスは、二酸化炭素を含む、項目23に記載のシステム。
(項目27)
前記熱管理サブシステムは、熱交換器を備える、項目13に記載のシステム。
(項目28)
前記熱交換器は、
熱エネルギーの源と、
少なくとも1つのチャネルを有する表面であって、前記少なくとも1つのチャネルは、前記灌流液を保持する、表面と、
前記表面を被覆する膜であって、前記膜は、前記源から前記膜を通して前記灌流液に熱エネルギーを伝導する、膜と
を備える、項目27に記載のシステム。
(項目29)
前記熱交換器はさらに、前記膜と前記源との間の熱伝達板を備える、項目28に記載のシステム。
(項目30)
前記灌流液が前記熱管理サブシステムに進入する前の前記灌流液の灌流液温度を監視する少なくとも1つの熱センサのうちの第1のものと、
前記灌流液が前記熱管理サブシステムから退出した後の前記灌流液の灌流液温度を監視する前記少なくとも1つの熱センサのうちの第2のものと、
前記流体リザーバ内の前記灌流液の灌流液温度を監視する前記少なくとも1つの熱センサのうちの第3のものと
をさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目31)
前記灌流液が前記器官に進入する前の前記灌流液の酸素飽和度を監視する少なくとも1つの酸素飽和度センサのうちの第1のものと、
前記流体リザーバから離れる前記灌流液の酸素飽和度を監視する前記少なくとも1つの酸素飽和度センサのうちの第2のものと
をさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目32)
前記流体リザーバ内の前記灌流液のpHを監視する少なくとも1つのpHセンサと、
前記流体リザーバ内の前記灌流液の溶解酸素を監視する少なくとも1つの溶解酸素センサと
をさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目33)
前記灌流液が前記ガス管理サブシステムに進入する前の前記灌流液の圧力を監視する少なくとも1つの圧力センサのうちの第1のものと、
前記灌流液が前記器官に進入する前の前記灌流液の圧力を監視する前記少なくとも1つの圧力センサのうちの第2のものと
をさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目34)
灌流液を用いた器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするためのシステムであって、前記システムは、
流体リザーバを有する組織封入体であって、前記組織封入体は、前記器官を保持する、組織封入体と、
前記灌流液におけるガス飽和度を調節するガス管理サブシステムと、
事前選択された閾値に従って、前記灌流液の温度を調節する熱管理サブシステムであって、前記事前選択された閾値は、正常体温または亜正常体温である、熱管理サブシステムと、
前記器官、前記ガス管理サブシステム、および前記熱管理サブシステムを通して灌流液を循環させる灌流サブシステムであって、前記灌流液は、前記器官に関する持続的な正常体温または亜正常体温条件を可能にする、灌流サブシステムと、
前記灌流液を圧送するために前記灌流サブシステムを駆動する空気圧サブシステムと、
前記空気圧サブシステム、前記熱管理サブシステム、および前記ガス管理サブシステムを制御する制御サブシステムと
を備える、システム。
(項目35)
前記器官からの出力を測定する出力管理サブシステムをさらに備える、項目34に記載のシステム。
(項目36)
前記灌流液からガスを除去するガストラップをさらに備える、項目34に記載のシステム。
(項目37)
前記灌流液の特性を監視するセンササブシステムをさらに備え、前記センササブシステムは、センサデータを収集する、項目34に記載のシステム。
(項目38)
前記センサデータを受信するデータプロセッサをさらに備え、前記データプロセッサは、前記センサデータを前記制御サブシステムに提供し、前記制御サブシステムは、少なくとも前記センサデータに基づいて、前記熱管理サブシステムを制御する、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記センサデータを受信するデータプロセッサをさらに備え、前記データプロセッサは、前記センサデータを前記制御サブシステムに提供し、前記制御サブシステムは、少なくとも前記センサデータに基づいて、前記空気圧サブシステムを制御する、項目37に記載のシステム。
(項目40)
前記センサデータを受信するデータプロセッサをさらに備え、前記データプロセッサは、前記センサデータを前記制御サブシステムに提供し、前記制御サブシステムは、少なくとも前記センサデータに基づいて、前記ガス管理サブシステムを制御する、項目37に記載のシステム。
(項目41)
添加剤を前記灌流液に導入する注入サブシステムをさらに備える、項目34に記載のシステム。
(項目42)
前記ガス管理システムは、使い捨て酸素化装置を備える、項目34に記載のシステム。
(項目43)
前記熱管理サブシステムは、
使い捨て熱交換器と、
使い捨て熱伝導性膜と、
耐久性熱エネルギー源と
を備える、項目34に記載のシステム。
(項目44)
前記灌流サブシステムは、
前記器官を通して前記灌流液を圧送する少なくとも1つの使い捨てポンプと、
前記少なくとも1つの使い捨てポンプを前記空気圧サブシステムと結合する少なくとも1つの耐久性ポンプインターフェースと
を備える、項目34に記載のシステム。
(項目45)
前記空気圧サブシステムは、
少なくとも1つの耐久性弁と、
少なくとも1つの耐久性チャンバと、
少なくとも1つの耐久性圧力源と、
少なくとも1つの耐久性真空源と
を備える、項目34に記載のシステム。
(項目46)
灌流液を用いた器官の持続的な正常体温または亜正常体温灌流を可能にするためのシステムであって、前記システムは、
使い捨て部分であって、前記使い捨て部分は、使い捨てコンポーネントと、前記使い捨てコンポーネントをともに結合し、循環ループを形成する管類とを含み、前記循環ループは、前記器官を通した前記灌流液の循環を可能にする、使い捨て部分と、
耐久性部分であって、前記耐久性部分は、前記灌流液の循環を駆動する空気圧システムと、前記循環する灌流液を正常体温または亜正常体温温度に維持するために、熱エネルギーを前記灌流液に供給する熱エネルギー源と、前記空気圧システムおよび前記熱エネルギー源を制御する制御システムとを含む、耐久性部分と
を備える、システム。
(項目47)
前記使い捨て部分は、前記熱エネルギー源から前記灌流液に熱を伝達する熱交換器を備える、項目46に記載のシステム。
(項目48)
前記熱交換器は、
流体経路をエッチングされた第1の側と、第2の対向する側とを有する板であって、前記第2の対向する側は、組織封入体に対して位置付けられ、前記組織封入体は、前記器官を格納する、板と、
前記第1の側を被覆する第1の膜側を有する熱伝導性膜であって、前記熱伝導性膜は、前記熱エネルギー源に対して位置付けられる第2の対向する膜側を有する、熱伝導性膜と
を備える、項目47に記載のシステム。
(項目49)
前記使い捨て部分は、酸素を前記灌流液に提供する酸素化装置を備える、項目46に記載のシステム。
(項目50)
前記使い捨て部分は、前記器官を通して前記灌流液を圧送する少なくとも1つのポンプを備え、前記空気圧システムは、前記少なくとも1つのポンプを駆動する、項目46に記載のシステム。
(項目51)
前記使い捨て部分は、前記灌流液の中に物質を注入する少なくとも1つのポンプを備える、項目46に記載のシステム。
(項目52)
前記使い捨て部分は、前記器官からの出力を測定する少なくとも1つの出力管理システムを備える、項目46に記載のシステム。
(項目53)
前記耐久性部分は、
センサデータを提供する少なくとも1つのセンサであって、前記少なくとも1つのセンサは、前記器官を監視する、少なくとも1つのセンサと、
前記センサデータを受信および処理する少なくとも1つのデータプロセッサであって、前記少なくとも1つのデータプロセッサは、前記処理されたセンサデータを前記制御システムに提供し、前記制御システムは、少なくとも前記処理されたセンサデータに基づいて、前記空気圧システムおよび前記熱エネルギー源を制御する、少なくとも1つのデータプロセッサと
を備える、項目46に記載のシステム。
(項目54)
前記使い捨て部分は、前記灌流液からガスを除去するガストラップを備える、項目46に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の前述の特徴は、付随の図面を参照して検討される、以下の説明を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【0026】
【
図1】
図1は、本教示のシステムの概略ブロック図である。
【0027】
【
図2】
図2は、本教示のシステムの第1の構成の絵画表現である。
【0028】
【
図2A】
図2Aは、本教示のシステムの第2の構成の絵画表現である。
【0029】
【
図2B】
図2Bは、本教示のシステムの第3の構成の絵画表現である。
【0030】
【
図2C】
図2Cは、本教示のシステムの第4の構成の絵画表現である。
【0031】
【
図2D】
図2Dは、本教示のシステムの第5の構成の絵画表現である。
【0032】
【
図2E】
図2Eは、本教示のシステムの第6の構成の絵画表現である。
【0033】
【
図3】
図3A-3Cは、本教示のシステムおよび方法の動作の結果のグラフィック図示である。
【0034】
【
図4A】
図4A-4Fは、本教示のシステムの構成の概略ブロック図である。
【
図4B】
図4A-4Fは、本教示のシステムの構成の概略ブロック図である。
【
図4C】
図4A-4Fは、本教示のシステムの構成の概略ブロック図である。
【
図4D】
図4A-4Fは、本教示のシステムの構成の概略ブロック図である。
【
図4E】
図4A-4Fは、本教示のシステムの構成の概略ブロック図である。
【
図4F】
図4A-4Fは、本教示のシステムの構成の概略ブロック図である。
【0035】
【
図4G】
図4G-4Hは、本教示のシステムの構成の具体的実装の概略ブロック図である。
【
図4H】
図4G-4Hは、本教示のシステムの構成の具体的実装の概略ブロック図である。
【0036】
【
図5A】
図5A-5Bは、本教示のシステムの第1の実装のコンポーネントのビューの斜視図である。
【
図5B】
図5A-5Bは、本教示のシステムの第1の実装のコンポーネントのビューの斜視図である。
【0037】
【
図6A】
図6A-6Bは、本教示のシステムの第1の実装の耐久性封入体アセンブリのビューの斜視図である。
【
図6B】
図6A-6Bは、本教示のシステムの第1の実装の耐久性封入体アセンブリのビューの斜視図である。
【0038】
【
図6D】
図6D-6Hは、本教示のシステムの第1の実装の弁およびポンプのビューの斜視図である。
【
図6E】
図6D-6Hは、本教示のシステムの第1の実装の弁およびポンプのビューの斜視図である。
【
図6F】
図6D-6Hは、本教示のシステムの第1の実装の弁およびポンプのビューの斜視図である。
【
図6G】
図6D-6Hは、本教示のシステムの第1の実装の弁およびポンプのビューの斜視図である。
【
図6H】
図6D-6Hは、本教示のシステムの第1の実装の弁およびポンプのビューの斜視図である。
【0039】
【
図6I】
図6Iは、本教示のシステムの第1の実装の灌流ポンプの斜視図である。
【0040】
【
図6J】
図6J-6Kは、本教示のシステムの第1の実装のマニホールドシステムのビューの斜視図である。
【
図6K】
図6J-6Kは、本教示のシステムの第1の実装のマニホールドシステムのビューの斜視図である。
【0041】
【
図7A】
図7A-7Cは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てインターフェース封入体アセンブリのビューの斜視図である。
【
図7B】
図7A-7Cは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てインターフェース封入体アセンブリのビューの斜視図である。
【
図7C】
図7A-7Cは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てインターフェース封入体アセンブリのビューの斜視図である。
【0042】
【
図8A】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8B】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8C】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8D】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8E】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8F-1】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8F-2】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8G】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8H】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【
図8I】
図8A-Iは、本教示のシステムの第1の実装の使い捨てアセンブリのビューの斜視図である。
【0043】
【
図9A】
図9A-9Cは、本教示のシステムの第1の実装の電子機器アセンブリのビューの斜視図である。
【
図9B】
図9A-9Cは、本教示のシステムの第1の実装の電子機器アセンブリのビューの斜視図である。
【
図9C】
図9A-9Cは、本教示のシステムの第1の実装の電子機器アセンブリのビューの斜視図である。
【0044】
【
図10A】
図10A-10Cは、本教示のシステムの第2の実装のビューの斜視図である。
【
図10B】
図10A-10Cは、本教示のシステムの第2の実装のビューの斜視図である。
【
図10C】
図10A-10Cは、本教示のシステムの第2の実装のビューの斜視図である。
【0045】
【
図11】
図11は、本教示のシステムの第2の実装における流体流動の概略図である。
【0046】
【
図12】
図12は、本教示の空気圧サブシステムの構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
詳細な説明
熱制御を伴う正常体温腎臓輸送を提供するための本教示のシステムは、腎臓を格納するためのタンク封入体と、循環システムとを含むことができる。タンク封入体および循環システムは、熱的に制御されることができる。いくつかの構成では、タンクは、断熱されることができる。循環システムは、酸素化された灌流液を腎臓に提供することができ、腎臓を通して移動する灌流液の連続監視を可能にすることができる。タンクは、選択された注入可能物質を受け取り得る入口と、サンプリングおよび廃棄物除去を可能にし得る出口とを提供することができる。本システムは、腎臓が浸される溶液槽を絶えず監視することができ、本システムは、タンク内のガスの組成を管理することができる。
【0048】
ここで
図1を参照すると、システム100は、限定ではないが、タンク123と、酸素源157と、サンプル/廃棄物容器131と、注入可能溶液103と、循環モニタセンサ148と、タンクモニタセンサ104と、温度管理サブシステム101と、ポンプ129/113と、コントローラ102とを含むことができる。タンク123は、移植されるべき腎臓135、腎臓135を浸し得る溶液槽125、および溶液槽125の上部のガス163を収容するように定寸されることができる。いくつかの構成では、タンク123は、腎臓135の視覚的監視を可能にするために、透明な側から構築されることができる。酸素源157は、溶解酸素を循環ルート126内の灌流液に提供することができる。
【0049】
ここで
図2を参照すると、システム100Aは、システム100の第1の構成を提供する。システム100Aでは、腎動脈141は、循環ルート126を通して腎臓135の中に灌流液を受け取ることができ、腎臓135は、灌流液を処理し、処理された灌流液を腎静脈139および尿管137を通して排出することができる。腎静脈139は、処理された灌流液を溶液槽125に提供することができる。灌流ポンプ129は、灌流液を溶液槽125から循環ルート126に圧送することができる。灌流ポンプ129によって付与された圧力は、これが圧力ゲージ117からデータを受信する際にコントローラ102によって監視されることができる。コントローラ102は、少なくとも圧力ゲージ117によって集められたデータに基づいて、循環ルート126内の灌流液に対する圧力を所望の圧力に調節することができる。
【0050】
継続して
図2を参照すると、循環ルート126は、腎臓135の中への、腎臓を通してタンク123の中への、タンク123から循環モニタセンサ148および温度管理101を過ぎてタンク123ならびに腎臓135の中に戻る灌流液の移動を可能にすることができる。灌流ポンプ129は、身体内で通常起こるであろうことをシミュレートするために、腎臓135を通して灌流液を圧送することができる。灌流液は、腎臓135に酸素を提供し、CO
2を除去し、老廃物を除去し、化学的緩衝液を供給し、腎臓135に対するほぼ生理学的に正しい化学的条件を作成することができる。腎臓135に進入する灌流液は、腎臓135が所望の全圧力および/または所望の化学的勾配の両方を被ることを確実にするために、制御された圧力において保持されることができる。圧力に関する上限は、生理学的境界によって設定されることができ、例えば、過剰な圧力は、腎臓に気圧性外傷をもたらし得る、または圧力が30~40mmHgを上回る場合、温度が低体温になり、浮腫が、生じ得る。灌流ポンプ129のタイプの選定は、灌流液のタイプに基づき得る。可能性として考えられる灌流液溶液および原料は、限定ではないが、血液または濃厚赤血球、従来の器官保管溶液、例えば、限定ではないが、KPS-1、HTK、およびUW、代用血漿、例えば、限定ではないが、プラズマライト、リンゲル溶液、およびステルフンディン、pH緩衝液、アミノ酸、細胞培地、例えば、限定ではないが、DMEMおよび成長因子、糖、電解質、医薬品、例えば、限定ではないが、ヘパリン、血管拡張薬、抗生物質、および抗真菌薬、ヘモグロビン抽出物、例えば、限定ではないが、Hb02治療剤およびヘマリーナ、パーフルオロカーボン酸素担体、例えば、限定ではないが、パーフルオロデカリン、ならびに血管拡張薬を含むことができる。いくつかの溶液(血液ベースの溶液等)は、溶血を最小限にするために、低剪断条件を要求することができる。加えて、密度および粘度等の灌流液の機械的性質は、ポンプ要件を決定付けることができる。
【0051】
継続して
図2を参照すると、生理学的圧力は、一定ではないため、灌流ポンプ129の幾何学形状および/またはそれによって灌流ポンプ129が制御されるプロセスは、生理学的条件に近い圧力プロファイルを作成するように調整されることができる。例えば、直動式圧送チャンバのサイズおよび形状は、カスタマイズされることができ、蠕動ポンプの閉塞は、ローラの半径方向位置を改変することによって変動されることができ、デュアルポンプヘッドおよびポンプストロークのタイミングのブレンドが、使用されることができ、ポンプストロークのタイミングは、変動されることができ、圧送チャンバのサイズは、変更されることができる。灌流ポンプのタイプは、限定ではないが、蠕動、回転ベーン、回転ピストン、および直動式空気圧ポンプを含むことができる。後者は、低剪断条件が必要とされる場合、有用であり得る。
【0052】
継続して
図2を参照すると、タンクモニタセンサ104(
図1)は、溶液槽125の特性を監視し、溶液槽125の特性を調節するために溶液103の添加を可能にすることができる。例えば、限定ではないが、タンクレベル105、タンクサーミスタ107、pH109、および溶解酸素111等のセンサが、溶液槽125を監視することができる。コントローラ102は、少なくとも感知されたデータに基づいて、溶液槽125の特性を調節することができる。腎臓135の生命力は、サンプル/廃棄物容器131内の尿を試験し得る腎臓センサ108(
図1)によって監視されることができる。コントローラ102は、腎臓センサ108、循環モニタセンサ148、およびタンクモニタセンサ104からデータを受信することができ、腎臓135の所望の生命力を維持するために、溶液槽125の特性を修正するべきかどうかを評価することができる。コントローラ102は、腎臓135の実際のステータスを報告することができる。
【0053】
継続して
図2を参照すると、灌流液は、これが循環ルート126に沿って進行する際、酸素化および温度管理に暴露されることができる。酸素化装置の役割は、身体内で肺が作用するであろうように作用し、酸素を供給し、再循環する灌流流体からCO
2を除去することである。空気圧縮機159は、本システムの中に新鮮な空気を引き込むことによって、人体の横隔膜と肺との間の相互作用に類似し得る方法で酸素化装置158とともに動作することができる。ポータブルシステムは、ポータブル空気圧縮機を含むことができる。非ポータブルシステムは、室内酸素供給源に接続することができ、可能性として、酸素化装置158または空気圧縮機159のいかなる必要性も有していない。本システムに進入する空気は、微粒子、細菌/かび、および毒性煙霧、例えば、限定ではないが、塗装煙霧および自動車排気ガスを除去するように濾過されることができる。フィルタは、限定ではないが、微粒子フィルタ、滅菌フィルタ、および活性炭フィルタを含むことができる。いくつかの構成では、酸素化装置158は、空気圧縮機159によって提供される空気から酸素を抽出することができ、コントローラ102が、溶解酸素センサ151から集められたセンサデータから、循環する灌流液が所望の溶解酸素レベルを下回って測定されることを発見するとき、酸素を循環する灌流液に提供することができる。いくつかの構成では、空気圧縮機159は、空気圧管161を通して空気を酸素化装置158に提供することができる。酸素化装置158は、必要なときに廃棄空気155を排出することができる。本教示のシステムおよび方法の必要性を満たし得る酸素化装置のタイプは、シリコーン膜酸素化装置、バブラータイプシステム、および「エアリフト」酸素化ループを含むことができる。体外膜酸素化治療が、腎臓135を通して灌流液を循環させるために使用されることができる。エアリフト酸素化ループでは、空気が、流体カラムの底部におけるスパージャを通して導入され、気泡は、流体を変位させ、流体を押し上げ、これは、次いで、タンク123の中に注がれ、排出ポート164から外へカラムの中に戻るように再循環し、したがって、独立した酸素化ループを作成する。いくつかの構成では、エアリフトは、タンク123と統合されることができ、カラムの気泡共振時間は、例えば、限定ではないが、気泡サイズをより小さくし、より長い流路を誘発することによって増加されることができる。
【0054】
継続して
図2を参照すると、いくつかの構成では、空気は、腎臓135に進入しないように防止されることができる。腎臓135内の空気の気泡は、流動を阻害し得、これは、ひいては、例えば、限定ではないが、酸素の供給またはCO
2の除去等の生理学的タスクの実施を限定し得る。空気トラップが、空気が腎臓135に進入しないように防止することができる。空気トラップは、種々の物理的形態において具現化されることができ、受動的または能動的コンポーネントであり得る。いくつかの構成では、空気トラップは、タンクからの出口と直列ではない入口を伴い、気泡がタンクの上部まで上昇することを可能にされるタンクを含むことができる。いくつかの構成では、ベンチュリまたは遠心力が、溶液から気泡を引き出すために使用されることができる、もしくは脱気チャンバが、巻き込まれた気泡が灌流液中に留まるために好ましくない擾乱または他の条件を作成することができる。気泡検出器、例えば、限定ではないが、光学および超音波センサが、灌流液中の気泡を検出することができる。コントローラ102は、気泡トラップが巻き込まれた気泡を収集するまで、弁143の制御を通して、腎臓135を迂回するように灌流液を再指向することができる。気泡トラップの使用は、本システムをプライミングする必要性を低減または排除し得る。
【0055】
継続して
図2を参照すると、注入ポンプ113は、溶液槽125の調節が必要であるとき、注入溶液103をタンク123に圧送することができる。注入溶液103は、流体、電解質、および/または栄養素の補充を可能にすることができ、例えば、限定ではないが、グルコース、インスリン、緩衝溶液、抗生物質、血管拡張薬、または他の医薬品等の補正溶液の投与を可能にすることができる。切換弁115は、注入ポンプ113が複数の注入液を管理することを可能にすることができる。注入ポンプ113および切換弁115はともに、計量された量の注入溶液103をタンク123の中に投与することができる。保管タンク123の中に注入溶液103を直接提供することは、腎臓135の中に循環されることに先立って、注入溶液103が溶液槽125と混合し、溶液槽125の中に拡散することを可能にすることができる。拡散は、腎臓135の中に直接投与され得るよりも、比較的に高い濃度の注入溶液103の投与を可能にすることができる。代替として、注入溶液103は、管類118を通して腎臓135に直接供給されることができる。応答時間が、因子である場合、注入溶液103は、開放する弁134および管118を通して腎臓135に圧送されることができる。いくつかの構成では、注入溶液103は、事前混合され、滅菌容器内で保管されることができる。いくつかの構成では、コントローラ102は、事前選択された時間間隔において事前選択された用量における注入溶液103を送達するように構成されることができる。例えば、医薬品が、事前選択されたスケジュールで送達されることができる。いくつかの構成では、コントローラ102は、種々の構成要素を所望のレベルにするために、ボーラスを送達するように構成されることができる。例えば、グルコースボーラスが、グルコースを所望のレベルにするために送達されることができる。表Iは、可能性として考えられる注入スケジュールを例証する。
【表1】
【0056】
継続して
図2を参照すると、注入ポンプ113の正確度は、濃度を管理するために依拠されている希釈の量および本システムがポータブルであるかどうかに応じて、変動し得る。切換弁115は、種々の方法、例えば、ステッパまたはサーボモータによって給電される回転切換弁、一連のラインおよび閉塞弁、ならびにスプール閉塞弁において具現化されることができる。いくつかの構成では、使い捨てラインは、スプールローラの傍を通過することができ、ローラは、その位置に基づいて、種々のラインを転動させ、閉塞させ得るモータによって回転されることができる。いくつかの構成では、洗浄化学物質が、本システムを洗浄するために注入されることができる。
【0057】
継続して
図2を参照すると、コントローラ102は、所望の少なくとも1つの注入溶液103を溶液槽125に提供するように切換弁115を設定することができる。溶液槽125の特性は、感知され、コントローラ102および注入溶液103によって調節されることができる。溶液槽125の特性は、タンクレベル、温度、pH、および溶解酸素を含むことができる。
【0058】
継続して
図2を参照すると、タンク123のレベルは、タンクレベルセンサ105によって感知されることができ、コントローラ102が注入溶液103を添加し、排出ポート163を通して過剰な溶液槽125を排出することによって調節されることができる。タンク123は、腎臓135および灌流のために要求される灌流液の大部分を保持することができる。灌流液は、腎臓135を囲繞することができ、化学的均質性を提供することができ、腎臓135のための機械的支持を提供することができる。タンク123は、注入溶液103と溶液槽125との混合に適応することができる。タンク123は、灌流ポンプ129が腎臓135を真空に暴露しないように防止するために、応従性特徴を含むことができる。いくつかの構成では、応従性特徴は、タンク123を通気するための滅菌通気キャップを含むことができる。滅菌通気キャップは、タンク123内の圧力を周囲圧力付近に維持することができる。さらに、滅菌通気キャップは、タンク123内に捕捉される空気が、流体が押し込まれる際に出ることができるため、本システムのプライミングを可能にすることができる。溶液槽125の上方の空気163の存在は、空気163が、必要に応じて圧縮および拡張することができるため、応従性を提供することができる。いくつかの構成では、タンク123は、滅菌かつ使い捨てであり得、例えば、限定ではないが、成型プラスチック、ステンレス鋼、ガラス、または可撓性プラスチックから作製されることができる。タンク123は、例えば、限定ではないが、灌流ライン、尿/サンプルポート、および注入入力等の接続を収容することができる。例えば、限定ではないが、ポータブル構成等のいくつかの構成では、タンク123は、タンク123の壁に遭遇しないように腎臓135を保護するための手段を含むことができる。
【0059】
継続して
図2を参照すると、低体温から正常体温領域を提供するために、亜正常体温および正常体温領域に重点を置いて、いくつかの構成では、温度は、腎臓135の必要性に対して調節可能であり得る。いくつかの構成では、タンク163は、タンク123を囲繞する断熱材144を含み、断熱材144は、溶液槽125を加熱/冷却するために必要されるエネルギーの量を最小限にすることができる。いくつかの構成では、断熱材144は、限定ではないが、真空パネルおよびエアロゲルを含むことができる。いくつかの構成では、加熱/冷却は、高温/低温板を介して直接灌流液ラインに、またはタンク123の壁に印加されることができる。いくつかの構成では、付加的冷却ループは、熱交換器を含むことができる。いくつかの構成では、加熱は、抵抗加熱器によって提供されることができ、冷却は、ペルチェデバイスによって提供されることができる。いくつかの構成では、相変化材料、例えば、限定ではないが、氷およびワックスが、コールドシンクとして作用することができ、加熱要素が、温度を平衡させるために使用されることができる。いくつかの構成では、相変化材料が、例えば、限定ではないが、灌流液ラインの周囲および/またはタンク123の周囲のリザーバ内で使用されることができ、抵抗性加熱器が、相変化材料を「充電」し、これを融解させ、本システムを温かく保つために使用されることができる。いくつかの構成では、本システムが、相変化材料が凍結する温度を下回って冷却される場合、加熱器は、相変化材料を融解させることができる。
【0060】
継続して
図2を参照すると、センサが、腎臓135の生命力を査定するために、腎臓135についての診断データを提供することができ、生物学的条件を維持し得る本システムにおける能動的制御を可能にすることができる。いくつかの構成では、コントローラ102は、循環する灌流液が調節を必要とするかどうかを判定するために、循環する灌流液の特性を査定することができ、任意の所望の調節を実施するために、注入液を能動的に制御することができる。特性は、例えば、限定ではないが、グルコースセンサ149およびpHセンサ153等のセンサからのセンサデータから判定されることができる。調節は、溶液槽125に添加される溶液103を調節することによって灌流液に行われることができる。サーミスタ147は、循環する灌流液の温度を測定することができ、温度管理システム101は、循環する灌流液の温度を所望の値に調節することができる。センサは、限定ではないが、圧力、温度、溶解酸素、オキシメータ、pH、グルコース/乳酸、伝導率、タンクレベル、および灌流液流動センサまたはポンプ計量を含むことができる。いくつかの構成では、差分測定が、例えば、限定ではないが、灌流液が腎臓135に遭遇する前および後に行われることができる。差分酸素レベルが、酸素消費量を計算するために使用されることができる。差分圧力レベルが、例えば、限定ではないが、詰まりを検出するために使用されることができる。いくつかの構成では、ヒドロゲルセンサおよび/またはヒドロゲルスポットならびに光学源/受信機が、本システム内に含まれることができる。光学源は、スポットと相互作用し得る光を発生させることができ、放出された波長は、光学センサによって受光されることができる。種々の波長が、単色フィルタを調節することによって、または特定の波長を供給するようにLEDのバンクを構成することによって放出されることができる。いくつかの構成では、伝導率センサは、灌流液の塩濃度の間接的測定値を提供することができる。伝導率センサは、3極システムを含むことができ、極性は、所定の周波数上の2つの点の間で反転され、回路に沿った電圧は、オフセットされるが、同一の周波数上でチェックされることができる。伝導率センサは、必要とされるデータ処理を限定することができる。伝導率センサに関するタイミングは、マイクロコントローラまたはFPGAを介して達成されることができる。センサ間の選定は、少なくとも部分的に、感知が使い捨て部分と併せて行われているかどうかに基づき得る。
【0061】
継続して
図2を参照すると、本システムに関する随意のコンポーネントである、廃棄物/サンプル容器131は、充填に先立って、コンポーネントの全体的重量を最小化するために応従性であり得、腎臓診断のために使用され得る尿サンプルが収集されることを可能にすることができる。腎臓135が、機能しているとき、尿は、尿管137を通してサンプル/廃棄物容器131の中に分泌される。腎臓135が適切に機能しているかどうかを判定するために、サンプル/廃棄物容器131の量および内容物が、検査されることができる。いくつかの構成では、レベルセンサ133は、サンプル/廃棄物容器131内の尿の量を検出することができる。
【0062】
ここで
図2Aを参照すると、温度管理システム101は、高温区域1151と、低温区域1153とを含むことができる。複数の断熱されたコンパートメントは、種々の温度管理解決策、例えば、限定ではないが、抵抗性加熱および/または高温/低温パックを含むことができる。温度管理システム101は、所望の温度に応じて、高温区域1151または低温区域1153を通した弁指向流動を含むことができる。
【0063】
ここで
図2Bを参照すると、温度管理システム101は、例えば、限定ではないが、逆極性が加熱/冷却効果を達成するために使用され得る、ペルチェ式技術1155等の熱電技術を含むことができる。
【0064】
ここで
図2Cを参照すると、温度管理システム101は、可逆的熱ポンプ1159を有する、熱交換器技術1157を含むことができる。熱ポンプ1159は、加熱/冷却効果を達成するために逆転されることができる。いくつかの構成では、灌流液の流率は、熱伝達を管理するために変動されることができる。
【0065】
ここで
図2Dを参照すると、温度管理システム101は、抵抗性熱交換器1163と、冷却交換器1165とを有する、直列二重熱交換器技術を含むことができる。抵抗性熱交換器1163は、追加される熱の程度を抑制することを可能にする。冷却回路1161は、冷却交換器1165によって送達される必要がある冷却の程度の抑制を可能にする。
【0066】
ここで
図2Eを参照すると、温度管理システム101は、タンク123を囲繞する、相変化材料1167を含むことができる。いくつかの構成では、いかなる能動的熱制御も、必要ではない場合がある。
【0067】
ここで
図3-3Cを参照すると、本教示のシステムおよび方法は、事前選択された圧力において、室温において、タンク内の他のパラメータを加減しながら腎臓を灌流することができる。これらのパラメータは、タンクおよび環境温度センサと並行して、溶解酸素ならびにpHのための直列(腎臓前)センサおよびタンクセンサの両方を含むことができる。直列管が、タンクの中に給送し、そこで、カニューレ処置された腎臓が、取り付けられることができる。続けて、本システムは、タンク自体から直列管の中に灌流液を引動し、腎静脈は、カニューレ処置/分離されない。本システムは、脱酸素化された灌流液体を大気平衡レベルまで酸素化し得る、膜接触器を含むことができる。いくつかの構成では、灌流液は、生体外用途のために設計された溶液である、Custodiol-HTKを含むことができる。本溶液は、活性の腎臓の代謝的必要性を満たすために、4.5g/Lのグルコースで補足されることができる。使用前に、溶液は、例えば、限定ではないが、滅菌フィルタを用いて濾過されることができる。本教示の方法は、尿サンプルが所望される場合に、腎動脈および尿管をカニューレ処置するステップを含むことができる。本方法は、可能性として考えられる汚染物質を腎臓から取り除くために、腎臓を通して灌流液を圧送するステップを含むことができる。本方法は、本システムを通して洗浄溶液を圧送するステップと、所望のpHに到達するまで、例えば、限定ではないが、滅菌DIを用いて本システムを濯ぐステップとを含むことができる。本方法は、カニューレを直列管類に取り付けるステップと、バイパス管類119およびバイパス弁143を通してカニューレをプライミングするステップと、バイパス弁143を閉鎖し、腎臓135の灌流を開始するステップとを含むことができる。灌流圧力は、手動で設定されることができる、デフォルト値を含むことができる、または動的に判定されることができる。本方法は、事前選択された時間量、例えば、限定ではないが、24時間にわたって腎臓を灌流するステップを含むことができる。本方法は、グルコース値を周期的にチェックするステップを含むことができる。
【0068】
継続して
図3A-3Cを参照すると、本明細書に説明される方法を実行することからの結果は、経時的な腎抵抗を含む。
図3Aに示されるような腎抵抗は、腎臓の健康状態のインジケータと見なされることができる。低い抵抗および経時的に増加しないものが、所望の転帰である。直列センサおよびタンクセンサの両方に関する
図3Bに示されるような溶解酸素値は、腎臓内の酸素消費のレベルを示すことができる。
図3Cに示されるようなpH値は、腎臓の健康状態および細胞の生存能力を示すことができる。特に、酸性化が、健康な腎臓を示す。
【0069】
ここで
図4A-4Gを参照すると、正常体温および亜正常体温器官灌流のための本教示のシステムは、使い捨てコンポーネントと、耐久性コンポーネントとを含むことができる。これは、本システムの動作費用を低減させることができ、1つの器官灌流サイクルから別のものへの汚染を低減させることができる。正常体温という用語は、32℃~38℃の温度を指すように本明細書に使用され、亜正常体温という用語は、20℃~32℃の範囲内の温度を指すように本明細書に使用され、低体温という用語は、4℃~19℃の範囲内の温度を指し得る。使い捨てコンポーネントは、器官灌流、流体の再循環、および注入のうちのいずれかを可能にするためのポンプを含むことができる。使い捨てコンポーネントはまた、熱交換器および器官を保持するための組織封入体等の熱制御コンポーネントを含むことができる。全ての構成では、全ての接液コンポーネントは、使い捨てであると見なされる。いくつかの構成では、使い捨てコンポーネントは、器官封入体、酸素化装置、管類、カニューレ、マニホールド、ポンプカセット、リザーバ、熱交換器、および内部搭載センサを含むことができる。耐久性部分は、使い捨てコンポーネントを本システムの他の部分と結合するためのインターフェースコンポーネント、電子機器、空気圧、および制御装置を含むことができる。耐久性コンポーネントはまた、非侵襲性センサおよび熱制御要素を含むことができる。いくつかの構成では、例えば、撮像センサが、器官についてのリアルタイム情報を記録することができる。例えば、画像/ビデオが、器官の色およびサイズの変化を記録することができる。色は、器官を通した灌流の品質を示すことができ、サイズは、器官の浮腫を示すことができる。いくつかの構成では、器官封入体は、それを通して撮像捕捉が行われ得る、曇りがない表面を維持し得る、デフロスタ窓を含むことができる。
【0070】
ここで
図4Aを参照すると、例示的システム500Aは、器官1029の正常体温または亜正常体温維持を提供することができる。システム500Aは、限定ではないが、灌流システム1001と、ガス管理1025と、熱管理1013と、出力管理527と、空気圧505と、データプロセッサ503と、制御装置501とを含むことができる。システム500Aは、収容されている組織のタイプに応じて、任意の形状およびサイズをとり得る、組織封入体1005を含むことができる。例えば、組織封入体1005は、例えば、4つの側および蓋を含むことができる。いくつかの構成では、側および蓋は、封入された組織を視認するために、透明であり得る。いくつかの構成では、組織封入体1005を形成する表面のうちのいずれかは、曇り止め特徴を含むことができる。1つのそのような特徴は、埋設されたワイヤを含み得る、曇り止めパッチを含むことができる。電流が、埋設されたワイヤを通して流され、曇り止めパッチを加熱することができ、これは、したがって、水蒸気が凝縮しないように防止する、または水蒸気が蒸発することを可能にすることによって、組織封入体1005の下にある表面を透明にすることができる。組織封入体1005は、ガス通気孔およびフィルタ1004を含むことができる。ガス通気孔およびフィルタ1004は、器官1029からの退出圧力を固定することができる。本システムは、サンプルポート502(
図4A)を含むことができる。他のポートも、必要に応じて追加されることができる。器官1029は、バイオリアクタ1005内に、可能性として、プラットフォーム1018または任意の好適な支持手段上に載ることができる。バイオリアクタ1005は、具体的タイプの器官のために成形および定寸されることができる、またはいくつかの器官タイプに一般的である特性を含むことができる。バイオリアクタ1005は、流体入力および出力を可能にするための種々のインターフェースを含むことができる。システム500Aは、可能な範囲で、流体リザーバ1027から引き込まれた灌流液の循環が、器官1029を通した生体内流動を模倣することを可能にすることができる。制御システム501は、事前選択された、デフォルトの、ユーザ規定された、動的に判定された、または他の基準に従って、空気圧システム505およびデータプロセッサ503をアクティブ化ならびに監視することができる。制御システム501は、循環する灌流液の流率および圧力を制御するように空気圧システム505に指示することができる。灌流システム1001は、灌流ポンプを含むことができる。灌流ポンプは、例えば、2012年9月25日に発行され、「Pumping Cassette」と題された、米国特許第8,273,049号に記載されるもの等の特性を含むことができる。加えて、圧力のプロファイルは、調節されることができる。圧送カセットの充填圧力および送達圧力は、所望の圧力を達成するように圧送カセットを制御する弁のうちのいずれかをフェザリング/トグルすることによって、流率を管理するために独立して調節されることができる。例示的弁配列が、
図12に示される。特に重要なことは、灌流ポンプが、器官1029に進入する流率および流動圧力を調整する能力を有することである。器官1029における抵抗が、変化するとき、灌流ポンプは、変化した抵抗に適応するために、圧送圧力および流率を変化させる能力を含む必要がある。灌流ポンプはまた、低溶血を可能にする必要がある。データプロセッサ503は、システム500Aにおける任意の監視コンポーネントからデータを受信および記憶し、それらのデータを制御システム501に提供することができる。生体内挙動を適正に模倣するために、灌流液の溶解ガス濃度および温度は、例えば、事前選択される、手動で打ち込まれる、または動的に判定され得るレベルに維持されることができる。いくつかの構成では、灌流システム1001は、灌流液を、ガス管理システム1025および熱管理システム1013を通して、空気トラップ1009を通して、かつ動脈カニューレ1033を通して器官1029の中に、器官1029を通して廃棄物退出カニューレ1031の外に、かつ流体リザーバ1027の中に戻るように圧送することができる。同時に、灌流システム1001は、流体リザーバ1027から灌流液を引き込み、循環プロセスを継続することができる。灌流液中のガスは、灌流システム1001が灌流液をガス管理システム1025に圧送するときに調節されることができる。ガス管理システム1025は、灌流液が器官1029を通して進行する際に枯渇したガスを調節することができる。灌流液温度は、熱管理システム513によって事前選択された温度範囲内に維持されることができる。ガス気泡が、利用可能な任意の直列方法によって灌流液から除去されることができる。いくつかの構成では、ガストラップ1009は、ガス気泡が封入体の上部に浮遊するための空間を提供し、例えば、動脈カニューレ1033を通して液体灌流液を器官1029の中に流動させることができる。静脈を通して器官1029から退出する灌流液は、最終的に、流体リザーバ1027または循環された灌流液を管理するための他のコンポーネント(図示せず)に指向されることができる。いくつかの構成では、静脈出力は、灌流システム1001に直接流動し、閉ループ循環を作成し、可能性として溶血を軽減することができる。いくつかのタイプの器官に関して、出力を流体リザーバ1027の中に流動させることは、可能な限り人体に類似し得る環境を作成することができる。いくつかの構成では、出力は、廃棄物処理システムに送られることができ、代替溶液が、出力流率に合致する流率において本システムの中に注入されることができる。いくつかの構成では、退出する灌流液、すなわち、出力は、測定されることができる。いくつかの構成では、出力管理527は、例えば、事前選択された時間量にわたって流率を測定することができる。廃棄物の他のタイプの測定が、システム500Aによって適応されることができる。流体リザーバ1027は、したがって、器官1029を通した灌流液の完全な循環を可能にすることができる。いくつかの構成では、フィルタが、流体リザーバ1027と灌流システム1001との間に設置されることができる。フィルタは、器官内に圧送されないように、例えば、組織塊または汚染等の微粒子を捕捉することができる。いくつかの構成では、フィルタは、20~30ミクロンのスクリーンを含むことができる。いくつかの構成では、バイオリアクタ1005は、1つの環境から別の環境に、具体的には、比較的に低温の環境から本明細書に説明される正常体温環境に移動されることができる。
【0071】
ここで
図4Bを参照すると、いくつかの構成では、システム500Bは、注入システム507を用いて物質を流体リザーバ1027に添加するために使用されることができる。注入システム507は、例えば、灌流液が欠乏および/または不平衡を有すると判定されるとき、もしくは通常の投薬スケジュールで、例えば、限定ではないが、グルコース、インスリン、ホルモン、血管拡張薬、および医薬品等の1つまたはそれを上回る添加剤が灌流液の中に注入されることを可能にすることができる。制御システム501は、可能性として、センサデータに応答して、注入システム507を駆動するように空気圧システム505に指示することができる。例えば、血管抵抗が、測定されることができ、抵抗が、事前選択またはユーザ規定された閾値もしくは動的に判定された閾値外であると見なされるとき、応答は、血管拡張薬の導入であり得る。グルコースが、測定されることができ、グルコースが、事前選択またはユーザ規定された閾値もしくは動的に判定された閾値外であると見なされるとき、応答は、グルコースまたはインスリンの導入であり得る。複数の物質が、同時に添加されることができる。注入システム507は、例えば、限定ではないが、2013年12月24日に発行され、「Infusion Pump Assembly」と題された、米国特許出願第8,613,724号に説明されるもの等の特性を伴うポンプを使用することができる。いくつかの構成では、注入システム507は、バイオリアクタ1005の中への直接の物質の注入を可能にすることができる。いくつかの構成では、注入システム507は、本教示のシステムの部分を相互に流体的に接続する管類の中への物質の注入を可能にすることができる。例えば、5~10分等の比較的に短い半減期を伴う化合物を注入するとき、動脈供給管の中に化合物を直接注入することは、化合物が、これが器官内に到着する時間までにその半減期に到達していないことを確実にすることができる。
【0072】
ここで
図4Cを参照すると、システム500Cにおいて、センサが、循環する灌流液を監視するために使用されることができる。監視され得る特性は、限定ではないが、例えば、灌流液流率、クレアチニン濃度、ナトリウム濃度、バイオリアクタ1005内の流体レベル、温度、pH、溶解酸素濃度、Hb飽和度、伝導率、およびガスを含むことができる。ポンプ圧力は、ポンプ圧力センサ1037によって監視されることができる。ポンプ圧力センサ1037は、灌流ポンプ1001およびガス管理1025を接続する管類を通して流動する灌流液の直列圧力を判定することができる。いくつかの構成では、ポンプ圧力センサ1037は、耐久性であり得る一方、ポンプ圧力センサ1037を管類と結合する直列コネクタは、使い捨てであり得る。いくつかの構成では、センサもまた、使い捨てであり得る。ポンプ圧力センサ1037は、感知された圧力をデータプロセッサ503に提供することができる。制御システム501は、それらのデータを使用し、灌流システム1001によって付与される圧力の増加または低減を自動的にトリガすることができる。圧力はまた、手動で調節される、または時間スケジュール、レシピに基づいて、もしくは圧力センサ1037によって検出される圧力に加えた、またはその代わりの他の因子に基づいて調節されることができる。圧力変化は、器官の抵抗が変化する際に、例えば、器官の健康ステータスが変化するときに要求されることができる。圧力センサは、システム500Cの循環ループ全体を通して位置付けられることができる。例えば、灌流液圧力センサ1011は、熱管理システム513を離れる流体の圧力を監視することができる。本情報は、器官1029への重要な進入点における灌流液の圧力を監視するために有用であり得る。事前選択された範囲を超える灌流液圧力は、器官1029を損傷させ得る一方、低すぎる灌流液圧力は、器官1029を通した不適正な栄養素流動および廃棄物除去を引き起こし得る。いくつかの構成では、圧力センサ1011は、耐久性であり得る一方、センサに感知された圧力へのアクセスを与える直列コネクタは、使い捨てであり得る。他のセンサも、バイオリアクタ1005内に保持される組織の必要性に応じて、種々のパラメータを測定することができる。例えば、光学クリアランスセンサが、一連のLEDを使用し、異なる波長における吸収変化を検出し、血液および器官出力のクレアチニン/BUN測定値をもたらすことができる。いくつかの構成では、光学クリアランスセンサは、管類内および出力システム内に位置する非接触センサであり得る。センサはともに、例えば、クレアチニンクリアランスを測定することができる。
【0073】
継続して
図4Cを参照すると、グルコースセンサ1036は、流体リザーバ1027から圧送される灌流液のグルコースおよび可能性としてラクトースレベルを監視することができる。いくつかの構成では、グルコースセンサ1036は、使い捨て直列グルコースセンサと結合される、耐久性PCBを含むことができる。制御システム501は、グルコースセンサ1036によって集められ、データプロセッサ503に提供されたグルコースデータを使用し、グルコースおよび/または他の物質を循環する灌流液に添加するように注入ポンプ1003のうちの1つまたはそれを上回るものを自動的にトリガすることができる。グルコースデータは、手動で監視されることができ、グルコースおよび/または他の物質は、手動で灌流液に添加されることができる。
【0074】
ここで
図4Dを参照すると、システム500Dは、出力測定手段としてピンチ弁1039を含むことができる。いくつかの構成では、出力管理527は、事前選択された時間量にわたって廃棄物流率を測定することができ、ピンチ弁1039は、同一の時間周期にわたって出力を保定することができる。出力の量およびその流率が、測定されることができ、ピンチ弁1039は、時間が経過した後に開放され、流体リザーバ1027の中に出力を放出することができる。いくつかの構成では、サンプルポートが、例えば、実験作業に関する出力のサンプリングを可能にすることができる。いくつかの構成では、レベルセンサが、出力の量を測定するために使用されることができる。いくつかの構成では、蓄積された出力は、手動で、または自動的に、出力の光学検査のために使用され得る透明な封入体内に保定されることができる。例えば、腎臓の出力の色は、尿中の血液を示すことができる、または濁った尿は、可能性として考えられる腎臓健康問題を示すことができる。いくつかの構成では、光学クリアランスセンサは、一連のLEDおよび光検出器を使用して、クレアチニン濃度ならびに血中尿窒素濃度の自動化測定を可能にすることができる。
【0075】
ここで
図4Eを参照すると、システム500Eにおいて、センサが、循環する灌流液を徹底的に監視し、必要に応じて調節をトリガするために、有利に設置されることができる。本システムにおけるセンサは、医療専門家が器官の品質を査定することを支援し得る診断情報を提供することができる。診断情報は、限定ではないが、動脈流および動脈圧の関数として血管抵抗、酸素消費量、グルコース消費量、出力生成、身体的外観、糸球体クリアランス、ならびにナトリウム分画排泄率を含むことができる。ナトリウム分画排泄率は、出力流率、血液および出力のナトリウム濃度、ならびに糸球体クリアランスの関数として計算されることができる。ナトリウム濃度は、種々の手段によって測定されることができ、本システムの任意の場所から測定されることができる。いくつかの構成では、ナトリウム濃度は、再循環ライン内および出力ループ内で測定されることができ、2つの測定値の間の差異が、計算されることができる。明示的に示されないが、全てのセンサは、センサデータをデータプロセッサ503に提供することができる。データプロセッサ503は、例えば、センサデータフィルタリング、センサデータ融合、およびセンサデータ監視を実施し、ならびに情報を制御システム501に供給することができる。制御システム501は、受信されたセンサデータに従って、センサ自体のアクション、ならびにシステム500Eの他のコンポーネントのアクションを制御することができる。システム500Eでは、グルコースセンサ1036およびポンプ圧力センサ1037が、灌流システム1001からガス管理システム1025に流動している灌流液についてのセンサデータを収集するために位置付けられることができる。循環サイクルのこの時点でのグルコース測定は、該当する場合、バイオリアクタ1005内の器官のタイプおよび器官修復の段階に応じて、他の設置可能性に優る利点を提供することができる。例えば、光学レベルセンサが、出力リザーバ内で事前選択された高さにおいて位置付けられることができ、出力が事前選択された高さに到達すると、流体リザーバの中への出力の放出をトリガすることができる。
【0076】
継続して
図4Eを参照すると、システム500Eは、これが熱管理システム513に進入する際に灌流液の温度を感知する、熱センサ1124を含むことができる。熱センサ1124は、いくつかの構成では、それを通して灌流液が進行する使い捨て管類と結合される、耐久性IRセンサを含むことができる。システム500Eは、灌流液が熱管理システム513から退出する際に灌流液の温度を測定し得る、熱センサ1014を含むことができる。灌流液が、熱交換手段1013から退出するとき、灌流液の温度は、温度センサ1014によって判定されることができる。熱管理システム513の進行の前および後の温度を監視することは、事前選択された熱目標、手動で打ち込まれた熱目標、および/または、可能性として、器官1029のステータスならびに/もしくは他のセンサデータに基づいて、動的に判定された熱目標に応じて、熱管理の変更が必要であり得ることを制御システム501に示すことができる。システム500Eは、灌流液が流体リザーバ1027を離れる際に灌流液の温度を監視するために位置付けられる、熱センサ1044によるさらなる熱監視を含むことができる。そのような読取値は、灌流液が器官1029に進入したときと、灌流液が灌流システム1001への途中で循環経路を完了したときとの間の熱変化のレベルを示すことができる。熱変化は、例えば、経時的な熱変動を最小限にすることを可能にし得る、バイオリアクタ1005の環境における調節をトリガすることができる。いくつかの構成では、本明細書に説明される温度センサは、外部赤外線センサ(IR)を含むことができ、耐久性であり得る一方、それにセンサが取り付けられる管類は、使い捨てであり得る。
【0077】
継続して
図4Eを参照すると、システム500Eは、静脈酸素飽和度を測定し得る、耐久性酸素飽和度センサ1046を含むことができる。静脈酸素飽和度における異常は、器官1029の代謝要求が満たされていないことを示すことができる。システム500Eは、灌流液が動脈カニューレ1033を通して器官1029に進入する前の酸素飽和度を測定し得る、酸素飽和度センサ1026を含むことができる。器官1029に進入する灌流液の酸素飽和度における異常は、補助的酸素の必要性を示すことができる。ガス管理システム1025は、そのような酸素を灌流液に供給することができる。いくつかの構成では、酸素飽和度センサ1026は、耐久性アイテムであり得る一方、それを通して酸素飽和度が測定される管は、使い捨てであり得る。いくつかの構成では、本教示のシステムは、ガス管理1025への酸素の供給を変更することによって、高/低酸素飽和度に反応することができる。いくつかの構成では、本教示のシステムは、ガス管理1025に流動する二酸化炭素の供給を変更することによって、高/低pH値に反応することができる。
【0078】
継続して
図4Eを参照すると、灌流液が器官1029に進入する前に、システム500Eは、灌流液中のガスを検出し得るガスセンサ1034を含むことができる。十分な量において、灌流液中のガスは、器官1029に対する重大な合併症を引き起こし得る。ガスセンサ1034からの情報は、データプロセッサ503に提供されることができ、これは、可能性として、少なくとも、例えば、限定ではないが、事前選択された、動的に判定された、または手動で打ち込まれた許容されるガス閾値に応じて、可能性として考えられる軽減方略について制御システム501に知らせることができる。ガスセンサ1034は、耐久性であり得る超音波筐体を含むことができる一方、それを通して灌流液がプロービングされる管類は、使い捨てであり得る。ガスセンサ1034は、自動的システムプライミングのために使用されることができる。器官は、ガスセンサ1034がいかなるガスも検出しなくなるまで、迂回される、または全く循環ループの一部でなくなり得る。システム500Eは、灌流液が器官1029に進入する際にポンプ流動圧力および流率を測定し得る、ポンプ流動センサ1032を含むことができる。本センサからのデータは、空気圧システム505を調整するために使用されることができ、これは、最終的に、灌流システム1001の圧力を調節することができる。ポンプ流動センサ1032は、耐久性であり得る超音波筐体を含むことができる一方、それを通して灌流液がプロービングされる管類は、使い捨てであり得る。通常の状況(すなわち、いかなるトリガもセンサデータによってオフに設定されない)下で、灌流液は、動脈カニューレ1033に進入し、次いで、器官1029に進入することができる。
【0079】
継続して
図4Eを参照すると、システム500Eは、流体リザーバ1027内にセンサを含むことができる。例示的センサは、限定ではないが、溶解酸素センサ1022およびpHセンサ1024を含むことができる。溶解酸素センサ1022は、灌流液中の酸素濃度を監視することができる。ガス管理システム1025は、少なくとも溶解酸素センサ1022からのセンサデータに基づいて、灌流液に添加される酸素の量を調節するように制御システム501によって指示されることができる。いくつかの構成では、溶解酸素センサ1022は、使い捨てコンポーネントと、耐久性コンポーネントとを含むことができる。使い捨てコンポーネントは、随意に、自己接着し得る、スポットセンサを含むことができる。耐久性コンポーネントは、センサ特有電子機器および配線を含むことができる。配線は、随意に、光ファイバケーブルを含むことができる。pHセンサ1024は、灌流液のpHを監視することができる。灌流液が、正常な酸/塩基平衡から外れるとき、調節が、例えば、修復されている器官のタイプに応じて、種々の周知の手段を通して可能である。調節のタイプは、限定ではないが、緩衝化合物を添加すること、および/またはガス管理1025への二酸化炭素入力を改変すること、ならびに/もしくは緩衝液を注入することを含むことができる。いくつかの構成では、pHセンサ1024は、使い捨てコンポーネントと、耐久性コンポーネントとを含むことができる。使い捨てコンポーネントは、随意に、自己接着し得る、スポットセンサを含むことができる。耐久性コンポーネントは、センサ特有電子機器および配線を含むことができる。配線は、随意に、光ファイバケーブルを含むことができる。
【0080】
ここで
図4Fを参照すると、システム500Fは、システム500D(
図4D)および500E(
図4E)のコンポーネント、具体的には、システム500Eに関して説明されるセンサと、システム500Dに関して説明される出力測定手段とを含むことができる。実際には、コンポーネントの任意の組み合わせおよび他の付加的コンポーネントが、本教示のシステムによって想定される。センサ設置は、維持および/または修復されている組織の必要性に依存し得る。
【0081】
ここで
図4Gおよび4Hを参照すると、例示的システム1000Aは、腎臓2029等の器官に適用されるようなシステム500A-500Fのうちのいずれかの構成の実装を提供することができる。システム1000Aの灌流システムは、限定ではないが、灌流液の循環が、可能な範囲で灌流液源から腎臓2029を通した生体内流動を模倣することを可能にし得る、灌流ポンプ2001を含むことができる。いくつかの構成では、灌流液の拍動性圧送が、生理学的リズムを模倣し得る率において、可能性として考えられる。ポンプストロークのタイミングは、そのような拍動性流動を達成するように調節されることができる。いくつかの構成では、灌流ポンプ1001の圧送ポッドに空気圧を提供する弁のPWMは、灌流ポンプ1001の流体側上で所望の流体圧力を作成し得る、空気圧における圧力プロファイルを作成することができる。流体リザーバ1027から圧送される灌流液は、例えば、限定ではないが、本明細書に議論されるように、それぞれ、温度センサ1014および酸素飽和度センサ1016による温度および酸素飽和度試験を受けることができる。システム1000Aにおけるガス管理は、酸素化装置1035を含むことができる。本専門用語は、本教示のシステムにおけるガス調節を酸素のみに限定しない。可能性として考えられる酸素化デバイスは、限定ではないが、例えば、体外膜酸素化(ECMO)デバイスおよび微多孔中空繊維酸素化装置を含むことができる。いくつかの構成では、酸素および他のガスが、例えば、供給キャニスタ、酸素濃縮器によって、または任意の他の酸素分離もしくは濃縮方法によって酸素化装置に供給されることができる。酸素化装置1035に給送され得る例示的ガスは、限定ではないが、酸素1019、窒素1021、および二酸化炭素1023のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。他のタイプのガスも、想定され、本教示のシステムによって適応されることができる。灌流液が灌流ポンプ2001から酸素化装置1035に圧送される前に、灌流液は、種々の特性に関して試験されることができる。例えば、グルコースセンサ1036は、灌流液のグルコースレベルを監視し、循環サイクルの間に灌流液の調節をトリガすることができる。
【0082】
継続して
図4Gおよび4Hを参照すると、酸素化に続いて、灌流液は、熱管理システムによる熱調節を受けることができる。いくつかの構成では、システム1000Aの熱管理システムは、限定ではないが、例えば、熱交換手段1013、熱伝達板1015、および熱発生器1017を含むことができる。いくつかの構成では、熱交換手段1013は、熱伝達板1015上に載ることができ、これは、熱発生器1017上に載ることができる。熱発生器1017は、ある量の熱エネルギーを熱伝達板1015を通して熱交換手段1013に提供することができる。熱エネルギーの量は、例えば、灌流液に利用可能な熱エネルギーを調節するためにセンサデータに依拠し得る、制御システムによって判定されることができる。代替として、例えば、熱調節が、事前設定されたタイムテーブルで行われることができる、または手動調節が、行われることができる。熱交換手段1013は、限定ではないが、熱交換手段1013内の流体が、熱伝達板1015と物理的に接触することなく、熱伝達板1015の広がりを横断して拡散され得るシステムを含むことができる。熱交換手段1013は、熱伝達板1015を熱交換手段1013と幾何学的に結合し得る膜を含み、それによって、断熱および効率的なエネルギー伝達を提供することができる。いくつかの構成では、膜は、厚さが0.01インチであり得、圧力が印加されるときに延伸する材料から構築されることができる。いくつかの構成では、膜は、流路を作成するためにレーザ溶接されることができる。熱交換手段1013は、膜によって被覆される任意の形状の流体経路を含み、流体経路は、少なくとも1つの流体チャネルを有することができる。流体経路の長さは、熱伝達板1015のサイズを決定付けることができる。流体経路を構成するチャネルの幅および深さは、灌流液と熱伝達板1015との間の(膜を通した)所望の表面インターフェース面積、および熱伝達の所望の均一性に基づき得る。膜は、限定ではないが、ポリマー等の共形化材料、例えば、ゴム、プラスチック、繊維、接着剤、およびコーティング、共形化および断熱性質を有する任意の材料を含むことができる。いくつかの構成では、膜は、圧力センサとして機能することができる。膜の一方の側上には、流動する灌流液があり、他方の側には、熱伝導性熱伝達板1015がある。熱伝達板1015および熱発生器1017から灌流液を分離することは、熱管理手段における使い捨てコンポーネントの数が、熱交換手段1013に限定されることを可能にすることができる。いくつかの構成では、熱伝達板1015は、限定ではないが、アルミニウム等の熱伝導性材料から構築されることができる。したがって、熱発生器1017に由来する熱エネルギーは、熱伝達板1015に伝達することができ、これは、熱エネルギーを、共形化する膜を通して、流体チャネル内で流動する灌流液に伝達することができる。いくつかの構成では、熱発生器1017は、例えば、限定ではないが、OMEGA
TM カートリッジヒータCSS-03130/120V等の熱カートリッジのための空洞を含むことができる。カートリッジのサイズ、カートリッジの数、およびカートリッジの他の特性は、熱発生器1017を横断し、したがって、熱伝達板1015を横断し、最終的に、熱交換手段1013を通して流動する灌流液における均一な加熱の必要性に基づいて判定されることができる。他の熱交換器システムも、本教示のシステムによって想定される。例えば、限定ではないが、例えば、LAIRD
tm 熱システム熱板(モデル番号SH10 125 05 L1)等の熱電デバイスは、加熱および冷却の両方を灌流液に提供することができる。温度は、灌流液が熱交換器に進入する前に温度センサ1012(
図4H)によって測定され、灌流液が熱交換器から退出した後に温度センサ1014(
図4H)によって測定されることができる。
【0083】
継続して
図4Gおよび4Hを参照すると、ガスが、利用可能な任意の方法によって灌流液から除去されることができる。いくつかの構成では、空気トラップ1009は、ガス気泡が封入体の上部に浮遊するための空間を提供し、液体灌流液を腎臓2029の中に流動させることができる。他のガス捕捉および除去システムも、想定される。通常の状況(すなわち、いかなるトリガもセンサデータによってオフに設定されない)下で、灌流液は、動脈カニューレ1033に進入し、次いで、腎臓2029に進入することができる。腎臓2029の濾過タスクの結果、流体が、尿管カニューレ1031を通して尿管から退出する。腎臓2029から退出する灌流液は、最終的に、流体リザーバ1027に指向されるであろう。いくつかの構成では、退出する灌流液、すなわち、出力は、測定されることができる。流動センサ1007は、ピンチ弁1039を用いて、ある時間周期にわたって尿管1031からの出力を蓄積することができる。蓄積時間が経過すると、出力の量が、把握され、ピンチ弁1039は、出力を流体リザーバ1027の中に放出することができる。いくつかの構成では、出力は、シリンジポートを通して抽出されることができる。出力は、現場または別の場所で試験されることができる。
【0084】
ここで
図5Aおよび5Bを参照すると、本教示の例示的システム20000は、例えば、システム500A-500Fならびにシステム1000Aおよび1000Bのうちのいずれかを実装することができる。例示的システム20000は、限定ではないが、電子機器アセンブリ20010と、耐久性封入体アセンブリ20006と、使い捨てインターフェース封入体アセンブリ20007と、使い捨てアセンブリ20008とを含むことができる。本システムのコンポーネントの他の構成も、想定され、本明細書に説明される。電子機器アセンブリ20010は、例えば、限定ではないが、センサ、熱管理513(
図4F)、ガス管理1025(
図4F)、注入システム507(
図4F)、および空気圧505(
図4F)等のシステムコンポーネントのうちのいずれか1つまたは全てを給電し、そのセンサデータ処理および制御を可能にし得るコンポーネントを含むことができる。耐久性封入体アセンブリ20006は、例えば、限定ではないが、空気圧弁システム、空気リザーバ、および灌流、ならびに可能性として注入ポンプ耐久性インターフェースを含むことができる。使い捨てインターフェース封入体アセンブリ20007は、限定ではないが、組織封入体、熱管理システム、酸素化装置、灌流ポンプ、センサ、および全ての使い捨てコンポーネントを接続し、流体循環を可能にする管類を含む、使い捨てアセンブリ20008のための搭載プラットフォームを含むことができる。ガス管理システム1025(
図4F)からのガスは、ガス出口40085を通して組織封入体30019(
図8A)または別の場所に供給されることができる。
【0085】
ここで
図6A-6B、8C、および8Dを参照すると、耐久性封入体アセンブリ20006は、例えば、限定ではないが、例えば、空気圧圧送アセンブリ20004、圧送ブラケットアセンブリ20003、および圧送マニホールドアセンブリ20002等のアセンブリを含むことができる。耐久性封入体アセンブリ20006は、アセンブリのための保護を提供する封入体を含むことができる。封入体は、例えば、圧送ブラケットマウント側板30017(
図6A)、圧送ブラケットマウント上部板30018(
図8D)、圧送ブラケットマウント板30015(
図5B)、耐久性側注入板30034(
図8D)を含むことができる。封入体内部および外部の搭載ならびにコネクタ特徴が、具体的構成のために必要であり得る。酸素化装置等の機器を封入体に縛り付けるための商業的に入手可能な電気コンポーネント縛り付けストラップ40073(
図8D)が、本教示の構成の外部搭載特徴の実施例である。酸素化装置はさらに、酸素化装置マウント30047(
図8C)上に載ることができる。耐久性封入体アセンブリ20006内で、充填および排出のために流動を再指向するために使用される、ピンチ弁40014(
図6B)が、ブラケット40074(
図6A)によって定位置に保持されることができ、角ブラケット40075(
図6A)によって耐久性封入体アセンブリ20006に取り付けられることができる。本教示のシステムはさらに、耐久性封入体アセンブリ20006内に、充填および排出のために流動を再指向するために使用される、ピンチ弁40037(
図6B)を含むことができる。ピンチ弁40037(
図6B)は、ブラケット40076(
図6B)によって定位置に保持されることができ、これは、角ブラケット40077(
図6B)によって耐久性封入体アセンブリ20006に取り付けられることができる。ガスポンプマウント40004(
図6B)によって搭載される、ガスポンプ40002(
図6B)は、ポンプフィルタ40033(
図6B)によって濾過されたガスを酸素化装置40047(
図8C)の中に圧送することができる。レベルセンサ40035(
図6B)は、組織封入体30019(
図8B)内の流体レベルを検証することができる。
【0086】
ここで
図6D-6Hを参照すると、圧送ブラケットマウント底部板30013(
図6A)および圧送ブラケットマウント支持板30016(
図6H)によって封入体20006内に少なくとも部分的に定位置に保持される、空気圧圧送アセンブリ20004が、スタンドオフによって圧送ブラケットマウント上部板30018(
図8D)に取り付けられることができる。アセンブリ20004は、例えば、限定ではないが、空気圧プロセスのために要求される正圧のために利用可能な空気を保定し得る空気リザーバタンク30099(
図6D)と、真空空気圧を提供するための真空ポンプ40032(
図6D)とを含むことができる。空気リザーバタンクは、空気圧動作を可能にするために必要な空気を提供するために、圧送マニホールドアセンブリ20002(
図6K)と結合されることができる。ポンプ搭載板30046(
図6F)は、一方の側上で主要コントローラ基板および電力切替基板40017(
図6G)のための搭載面を提供し、他方の側上で空気ポンプマウント40003によってポンプ搭載板30046上に定位置に保持される、空気ポンプ40034(
図6G)を提供することができる。空気ポンプ40034(
図6G)は、流入する空気の濾過を提供するために、ポンプフィルタ40033(
図6B)と動作可能に結合されることができる。アセンブリ20004におけるコンポーネントの結合を可能にするものは、コネクタ40070(
図6H)、コネクタ40068(
図6H)、およびコネクタ40069(
図6H)である。
【0087】
ここで
図6Iを参照すると、圧送ブラケットアセンブリ20003は、例えば、限定ではないが、搭載板30033(
図6H)を囲繞し得る、圧送ブラケット30004および圧送ブラケットラッチ30005を含むことができる。圧送ブラケット30004は、圧送ブラケット30004内に保持され得、例えば、その移動軸としてダウエルピン40064を有し得る、圧送ブラケットエジェクタ30006によって使用後に解放され得る、使い捨て圧送カセットに幾何学的に共形化するように構成されることができる。圧送は、本教示の空気圧システムによって送達される正圧および負圧によって可能にされることができる。圧送マニホールド空気圧管類インターフェース30007は、空気圧システムと使い捨てカセットの制御装置との間の管類を可能にし得る、ホースバーブ40065およびホースバーブ非弁挿入器40067を受け取ることができる。負圧および正圧は、ホースバーブ40065および非弁挿入器40067を横断する管類を通して空気を給送または抜去する管類を通して送達されることができる。
【0088】
ここで
図6Jおよび6Kを参照すると、圧送マニホールドアセンブリ20002は、調整された圧力を圧送カセット20005のチャンバに印加するためのマニホールド40000(
図6K)のうちの2つと、設定された(より高い)圧力を圧送カセット20005の弁に供給するためのマニホールド40000(
図6K)のうちの2つとを含むことができる。チャンバは、ガスまたは流体のいずれかで充填され、弁は、流動を指向する。第5のマニホールドは、調整器である。マニホールド40000(
図6K)はそれぞれ、制御回路基板50002(
図6J)に接続される。5つのマニホールドは、圧送マニホールド端部板30003(
図6J)の間に挟装される。ガスリザーバ30099(
図6D)は、継手場所40062(
図6J)において蓄積タンクマニホールドブロック30009(
図6J)に搭載されることができる。蓄積タンクマニホールドブロック30009(
図6J)は、調整器マニホールドブロック30008(
図6J)と結合し、したがって、管継手40061を通した圧送カセットへの正の空気圧を制御することができる。蓄積タンクマニホールドブロック30009は、加圧空気を大気に通気させ得るマフラ40063を含むことができる。
【0089】
ここで
図7A-7Cを参照すると、使い捨てインターフェース封入体アセンブリ20007は、限定ではないが、ヒンジ40071(
図7A)によって結合され得、3つの側上で使い捨てインターフェーススカート板30020(
図7A)によって囲繞される部分的封入体の一部であり得る、使い捨てインターフェース裏板上部30023(
図7A)を含むことができる。封入体は、電子機器アセンブリ20010(
図9A)を暴露するように上昇されることができる。使い捨てインターフェース前板上部30021(
図7A)は、気泡センサ(図示せず)を保持し得る、気泡センサマウント30053(
図7C)のための搭載場所を提供することができる。また、オキシメータセンサマウント30054(
図7A)が、使い捨てインターフェース前板上部30021(
図7A)上に搭載されることができ、オキシメータセンサカバー30055(
図7A)が、管類およびセンサを保定するために、オキシメータセンサマウント30054(
図7A)に結合されることができる。オキシメータ40011(
図7C)等のセンサは、例えば、オキシメータ搭載クランプ40072(
図7C)の使用を通してオキシメータセンサマウント30054(
図7A)に搭載されることができる。使い捨てインターフェース前板上部30021(
図7A)は、使い捨てインターフェース前板底部30022(
図7A)上に搭載されることができ、使い捨てインターフェーススカート板30020(
図7A)によって使い捨てインターフェース前板底部30022(
図7A)から上昇されることができる。使い捨てインターフェース前板上部30021(
図7A)は、熱管理コンポーネント、例えば、加熱板30031(
図7B)のための余地を可能にするために、上昇されることができる。組織封入体整合基部30037(
図7C)は、熱管理コンポーネントの上部に搭載されることができる。基板40006(
図7B)を囲繞する、基板マウント30028(
図7B)が、使い捨てインターフェース前板上部30021(
図7A)と使い捨てインターフェース前板底部30022(
図7A)との間に搭載されることができる。レベルセンサ筐体40049(
図7C)は、組織封入体整合基部30037(
図7C)に対して載ることができ、組織封入体整合基部30037(
図7C)内に搭載され得る組織封入体内の流体のレベルを感知し得る、液体レベルスイッチ40031(
図7A)に関する搭載を提供することができる。固着シャフト30044(
図7C)は、組織封入体上の熱交換器への組織封入体整合基部30037(
図7C)の締結を可能にすることができる。
【0090】
ここで
図8A-8Fを参照すると、使い捨てアセンブリ20008は、限定ではないが、例えば、修復または維持されるプロセスにある腎臓等の器官を保持し得る、組織封入体30019(
図8A)を含むことができる。循環する流体である、灌流液は、組織封入体30019に進入し、それから退出することができる。例えば、組織が、腎臓である場合、灌流液は、いくつかの進入管/コネクタ組み合わせのうちの1つを通して組織封入体に進入することができ、腎臓の動脈開口部に直接管で輸送されることができる。灌流液が腎臓から退出する際、これは、例えば、腎臓から退出した流体の量、および可能性として、廃棄生成物の他の特性を検出し得るセンサに配策されることができる。代替として、出力は、廃棄および/または試験されることができる。組織を亜正常体温または正常体温レベルに維持するために、熱エネルギーが、本システムに追加される必要性があり得る。灌流ポンプ20005(
図8C)は、灌流液を、管類40090(
図8C)および体積制御弁40084(
図8C)を通して酸素化装置40047(
図8C)に圧送することができる。注入ポンプ20005-1(
図8C)は、物質を組織封入体30019の中に注入することができる。グルコース等の物質が、これがその物質が欠如していると見出される場合、灌流液を調節するために添加されることができる。コントローラが、例えば、体積制御弁を通してガス管理システムに選択されたガスを提供する際、ガス管理が、本明細書に酸素化装置40047(
図8C)として示されるガス管理システムによって行われることができる。酸素化された灌流液は、熱管理30032を通してその循環経路を継続することができる。熱管理30032(
図8F)によって誘発される熱変化は、組織封入体30019(
図8F)内の所望の温度を維持するために、熱交換器膜30050(
図8F)によって行われることができる。熱管理され、酸素化された灌流液は、圧力センサ40008(
図8C)を過ぎて、コネクタ40083(
図8A)および気泡センサを通して組織封入体30019(
図8F)の中に、組織内の動脈開口部に循環することができる。組織からの廃棄物は、組織封入体30019(
図8F)から退出し、測定のために流動チャンバ30051(
図8C)に進入し、組織封入体30019(
図8F)内の流体リザーバの中に戻るように流動することができる。灌流液は、流体チャンバから、例えば、限定ではないが、グルコースおよび/または酸素飽和度ならびに/もしくは温度センサ40007を過ぎて、灌流液ポンプ20005(
図8E)に戻るように圧送され、循環し続ける。いくつかの構成では、グルコース等の添加剤が、別個の圧送システムによって流体リザーバの中に圧送されることができる。例えば、限定ではないが、サーミスタ、pHセンサ、およびDOセンサ等のセンサが、流体リザーバ内に位置付けられ、灌流液の特性および組織の健康状態を監視することができる。加えて、センサが、熱管理30032の温度が、事前選択された、ユーザによって打ち込まれた、または動的に判定された閾値を超えないことを確実にするために、熱管理30032(
図8F)の内外に位置付けられることができる。
【0091】
ここで
図8G-8Iを参照すると、本教示の熱管理は、灌流液を組織の中に圧送する前に、熱交換器を通して灌流液を循環させるステップを含むことができる。灌流液は、熱交換器30032の面積を横断して、例えば、限定ではないが、蛇行経路1201(
図8I)において循環することができる。他のタイプの経路、例えば、限定ではないが、捩れ、波状、または湾曲も、可能性として考えられる。所望の経路は、流体リザーバ1211(
図8H)内および組織封入体30019(
図8G)内と同様に、組織に進入する灌流液の均一な温度管理を達成するべきである。灌流液は、例えば、導管1203(
図8I)を通して開口部1205(
図8I)において進入することができる。灌流液は、経路1201(
図8I)の長さを進行し、コネクタ40098(
図8H)を通して開口部1207(
図8I)において熱交換器30032から退出することができる。灌流液は、管類40090を通して進行し、コネクタ40082(
図8H)を通して組織封入体30019に進入することができる。組織への接続管(図示せず)が、組織の灌流を可能にすることができる。廃棄物は、例えば、コネクタ40086(
図8G)またはコネクタ1213(
図8G)を通して組織封入体30019から退出することができる。複数の退出経路を伴う構成が、本明細書に説明されるように想定されるが、本明細書に説明される構成に限定されない。経路1201は、熱エネルギーの源との間の熱伝達を可能にしながら、灌流液を保定するために膜によって被覆されることができる。コネクタ40086(
図8G)を通して退出する灌流液は、本明細書に説明されるように、灌流ポンプに戻るように進み、循環ループを継続することができる。
【0092】
ここで
図9A-9Cを参照すると、電子機器アセンブリ20010は、限定ではないが、その上に複数のUSBハブ40019(
図9A)が搭載される、電子機器基部板30035(
図9A)を含むことができる。USBハブ40019(
図9A)は、USBハブマウント30039(
図9B)に対して安定化されることができる。スタンドオフ40059(
図9A)が、電子機器上部板30036(
図9A)を上昇させ、電子機器上部板30036(
図9A)に搭載される主要基板40015(
図9A)のための余地を作製することができる。また、電子機器基部板30035(
図9A)上に搭載されるものは、他のコンポーネントの中でもとりわけ、複数の電力リレー40025(
図9C)および電力切替基板40017(
図9C)である。電力プラグマウント30041(
図9C)は、限定ではないが、電力エントリモジュール40039(
図9C)と、USBエントリモジュール40038(
図9C)と、その中に搭載される電力ポート40040(
図9C)とを含むことができ、耐久性封入体アセンブリ20006(
図6A)の筐体への接続のために使用され得る足部を含むことができる。電子機器後部パネル板30042(
図9B)が、耐久性封入体アセンブリ20006(
図6A)の筐体への接続のために、電子機器基部板30035(
図9A)の角に搭載される。電気化学インピーダンス分光ポテンショスタット40024(
図9B)が、主要基板40015(
図9A)から電子機器上部板30036(
図9A)の裏側上に搭載される。また、電子機器基部板30035(
図9A)上に搭載されるものは、電気光学モジュールDOセンサを搭載するための複数のスロットを含み得る、モジュールマウント30038(
図9B)である。ソリッドステートACリレーが、電子機器基部板30035(
図9A)に搭載されるスタンドオフ上に搭載されることができる。本明細書に説明されるコンポーネントの他の構成および他のコンポーネント、例えば、他のタイプのセンサが、本教示のアーキテクチャによって適応されることができる。本明細書の説明は、本システムの可能性として考えられるコンポーネントをレイアウトするための1つの可能性として考えられる方法を例証するためのものである。
【0093】
ここで
図10A-10Cを参照すると、別の構成では、本教示のシステムは、3つの主要なアセンブリ、すなわち、電子機器アセンブリ20013と、耐久性封入体アセンブリ20015と、使い捨てアセンブリ(図示せず)とを含むことができる。構成20000(
図5A)と構成20012(
図10A)との間の差異は、限定ではないが、電子機器および使い捨てインターフェース封入体アセンブリが構成20012(
図10A)において組み合わせられていること、注入ポンプ20005-1(
図8C)が除去されていること、マニホールドの数が2つの構成の間で異なること、ならびに注入ポンプ搭載面積30056(
図10B)および流動センサ40051(
図10B)が構成20012(
図10A)において組織封入体搭載面積30032の近傍に搭載されていることを含む。これらの変更の組み合わせは、占有面積および本システムを動作させるための費用を低減させることができる。例示的システム20000(
図5A)および20012(
図10A)は、限定ではないが、灌流液圧力、灌流液流率、酸素化、温度、pH、廃棄物発生、グルコース消費量、乳酸生成、溶血、血液ナトリウム濃度、廃棄物ナトリウム濃度、廃棄物クレアチニン濃度、および血液伝導率等のパラメータの生理学的レベルに合致するように構成されることができる。
【0094】
継続して
図10A-10Cを参照すると、耐久性封入体アセンブリは、限定ではないが、耐久性封入体上部板30069(
図10A)と、耐久性封入体左側板30080(
図10A)と、耐久性封入体後板30070(
図10A)と、耐久性封入体前板30079(
図10C)とを含むことができる。耐久性封入体はまた、例えば、前スカート板30087(
図10B)と、センサ搭載特徴30090(
図10B)と、流動コントローラ40052(
図10B)とを含むことができる。コネクタは、USBおよび電力を含むことができる。USBは、プラグマウント30065(
図10B)に取り付けられることができ、電力は、配電ブロック40036(
図10B)によって有効にされることができる。電子機器上部板30081(
図10B)および電子機器基部板30082(
図10B)は、搭載を可能にするために電子機器を挟装することができる。使い捨てコンポーネントおよび耐久性コンポーネントは、限定ではないが、使い捨てインターフェース前板30083(
図10B)を含む、種々の方法で相互から分離されることができる。使い捨て組織封入体30019(
図8A)は、組織封入体整合基部30086(
図10B)を通して耐久性コンポーネントとインターフェースをとることができる。
【0095】
ここで
図11を参照すると、構成20012(
図10A)の例示的循環経路が、示される。コネクタ40086を通して組織封入体30019内の流体リザーバを離れる灌流液は、管類1231を通してポンプ31107に進行することができる。本明細書に説明される全ての管類は、事前選択された外径および内径を含むことができる。例えば、外径は、3/8インチであり得、内径は、1/4インチであり得る、または出力輸送のための内径は、1/8インチであり得、外径は、1/4インチであり得る。管類の長さおよび直径が、例示にすぎず、本システムの所望の特性に依存することを理解されたい。1つのタイプのポンプ31107の特性が、本明細書に説明されている。低溶血の維持等の特性および本明細書に説明される他の特徴を伴うポンプが、使用されることができる。ポンプ31107は、灌流液を管類1221を通して圧力センサ40008に圧送することができ、これは、コネクタ73316-1によってアクセスされ、サンプルポート80213-1を含む。管類1223は、灌流液をガス管理システム40047に輸送することができる。ガス管理システム40047は、灌流液中のガス、例えば、酸素飽和度のレベルを必要に応じて調節することができる。灌流液は、ガス管理40047から、管類1227を通して、または管類1233を通して、コネクタ40081を通して、コネクタ40098-1を通して熱管理システム30032への管類1225上に退出することができる。熱管理システム30032は、そうであることに限定されないが、組織封入体30019の下に搭載されることができる。灌流液が、そうであることに限定されないが、熱交換システムであり得る熱管理システム30032内の流体経路30032-1を横断した後、灌流液は、コネクタ40098-2を通して、管類1239を通して、使い捨て圧力センサ40008に退出することができる。コネクタ40103および73316-2は、圧力センサ40008ならびにサンプルポート80213-2を灌流液と結合するために使用されることができる。灌流液は、次に、ガストラップ30088まで管類1241を横断することができる。ガストラップ30088は、灌流液が組織封入体30019内の組織に導入される前に、酸素化された灌流液中のいかなるガスも除去することができる。ガスが灌流液から除去された後、灌流液は、コネクタ73316-3およびサンプルポート80213-3を横断することができ、これは、これが組織封入体30019および器官に進入する前に灌流液をサンプリングするために使用されることができる。灌流液は、組織封入体30019に向かって、管類1243を通して、コネクタ40097および管継手40091を通して、組織のカニューレ処置された動脈に進入する管類まで進むことができる。老廃物は、組織から、廃棄物カニューレを通して、管類および管継手40092ならびに管類1235に嵌合されたコネクタ40097を通して退出することができる。管類1235は、コネクタ40095-1を通して出力キャップ30051に進入し、次いで、測定のために出力本体30052上に進入することができる。コネクタ88213およびサンプルポート80213-4は、器官からの老廃物であり得る、出力のサンプリングを可能にすることができる。出力は、管類1237を通して、コネクタ40093-40096および40078を通して、組織封入体30019内の流体リザーバの中に戻るように指向されることができる。出力キャップ30051は、コネクタ40095-2を通して通気されることができ、通気された物質は、管類1229を通して組織封入体30019の中に戻るように進行することができる。循環ループは、完成する。いくつかの構成では、熱交換器は、エネルギー効率およびバッテリ電力で動作するそれらのシステムのための重要な特徴である、可能な廃熱の捕捉を確実にするために、組織封入体と直接接触する。
【0096】
ここで
図12を参照すると、弁が、ポンプチャンバの充填および送達、したがって、灌流液の流動を制御するために、圧送カセットと関連付けられることができる。
図12に示される構成では、2つの弁バンクおよび調整器が、充填ならびに送達を別個に管理することができる。正および負ラインが、正圧を付与し、または真空を形成し、カセット膜の移動およびカセットの内容物の圧送を強制することができる。コントローラが、所望の流率および圧力を可能にする弁に従って、弁を開放および閉鎖することができる。
【0097】
種々の代替および修正が、本開示から逸脱することなく、当業者によって考案されることができる。故に、本開示は、全てのそのような代替、修正、および変形例を包含することを意図している。加えて、本開示のいくつかの例示的構成が、図面に示された、および/または本明細書に議論されたが、本開示が、当技術分野が許容するであろう限り広い範囲であり、本明細書が同様に熟読されることを意図しているため、本開示が、それに限定されることを意図していない。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に、特定の構成の例示として解釈されるべきである。また、当業者は、本明細書に添付される請求項の範囲および精神内の他の修正を想定するであろう。上記および/または添付される請求項に説明されるものと非実質的に異なる他の要素、ステップ、方法、および技法もまた、本開示の範囲内であることを意図している。
【0098】
図面は、本開示のある実施例を実証するためにのみ提示される。また、説明される図面は、例証的にすぎず、非限定的である。図面では、例証目的のために、要素のうちのいくつかのサイズは、誇張され得、特定の縮尺で描かれていない。加えて、同一の番号を有する図面内に示される要素は、文脈に応じて、同じ要素であり得る、または類似する要素であり得る。
【0099】
用語「~を備える」が、本説明および請求項に使用される場合、これは、他の要素またはステップを除外しない。不定冠詞または定冠詞、例えば、「a」、「an」、または「the」が、単数の名詞に言及するときに使用される場合、これは、何か別のことが具体的に記載されない限り、その名詞の複数形を含む。したがって、用語「~を備える」は、その後に列挙されるアイテムに制限されるものとして解釈されるべきではなく、これは、他の要素またはステップを除外せず、したがって、表現の範囲「アイテムAおよびBを備えるデバイス」は、コンポーネントAおよびBのみから成るデバイスに限定されるべきではない。
【0100】
さらに、用語「第1」、「第2」、「第3」、および同等物は、説明または請求項で使用されるかどうかにかかわらず、類似する要素を区別するために提供され、必ずしも順次的または時系列順序を説明するために提供されない。そのように使用される用語が、適切な状況下で(明確に別様に開示されない限り)同義的であり、本明細書に説明される開示の例示的構成が、本明細書に説明または例証される他のシーケンスならびに/もしくは配列における動作が可能であることを理解されたい。
【外国語明細書】