(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049060
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】書画カメラ
(51)【国際特許分類】
H04N 23/66 20230101AFI20230403BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230403BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20230403BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20230403BHJP
【FI】
H04N5/232 030
H04N5/222 300
G06F3/0488
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158560
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】521126427
【氏名又は名称】テクノホライゾン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】新田 洋次
(72)【発明者】
【氏名】清水 謙
【テーマコード(参考)】
5C122
5E555
【Fターム(参考)】
5C122DA28
5C122EA42
5C122FK23
5C122FK24
5C122FK40
5C122FL03
5C122FL05
5C122FL07
5C122GC38
5C122GC46
5C122GC62
5C122GC86
5C122HB05
5E555AA16
5E555AA54
5E555BA13
5E555BA18
5E555BA28
5E555BB13
5E555BB18
5E555BB28
5E555BC01
5E555BC09
5E555CA12
5E555CA17
5E555CA42
5E555CB12
5E555CB20
5E555CB34
5E555CB48
5E555CB74
5E555CC01
5E555CC03
5E555DA31
5E555DB18
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC63
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】書画カメラから、電子黒板等の画像表示装置の画面に対する所定の操作を遠隔操作可能に構成し、利便性を向上させた書画カメラを提供する。
【解決手段】書画カメラ10は、電子黒板50との間に双方向通信回線を開設し、双方向で通信する双方向通信手段と、双方向通信回線上を伝送する信号を電子黒板と共有して、当該信号に基づく動作が電子黒板と同時に実行されるように、電子黒板とペアリングさせるミラーリング手段を有している。そして、無線によって双方向通信回線を開設する場合、書画カメラ側から双方向回線を開設することを要求する要求信号Rを出力するとき、当該要求信号Rに電子黒板側からの応答信号Aを返す場合に当該応答信号に係る情報を二次元コード化したマーカーを描画エリア53に表示させる命令を含めるようにしたので、書画カメラがモニタ画面の視認手段を備えてない機種であっても容易に双方向通信回線を開設することができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の被写体を撮像して所定の画像を形成するカメラと、
当該カメラの所定の動作を操作する操作部と、
当該操作部からの操作に応じて前記カメラの動作を制御する制御部と、
前記画像を表示可能なディスプレイ部を備えた所定の画像表示装置を接続可能な入出力端子とから構成され、
前記被写体を撮像した前記画像をエンコードして形成した画像信号を、前記入出力端子を介して前記画像表示装置へ出力する書画カメラであって、
前記制御部に、
前記画像表示装置との間に双方向通信回線を開設して、当該双方向通信回線上の前記画像表示装置と双方向に通信する双方向通信手段と、
前記双方向通信回線上を伝送する信号を前記画像表示装置と共有して、当該信号に基づく動作が前記画像表示装置と同時に実行されるように、前記画像表示装置とペアリングさせるミラーリング手段とを設け、
前記入出力端子を介して接続された前記画像表示装置に対して、
前記双方向通信回線を開設することを要求する要求信号を出力し、
当該要求信号に応答して前記画像表示装置から前記双方向通信を開設させる応答信号を取得したとき、
前記双方向通信手段が、前記画像表示装置との間に前記双方向通信回線を開設すると共に、前記ミラーリング手段が、前記画像表示装置をペアリングして、
前記双方向通信回線を通じて、前記操作部で行った入力操作に係る操作信号を前記画像表示装置と共有し、
前記操作信号に基づく前記入力操作が、前記画像表示装置と同時に実行されるようにして、
前記操作部から前記画像表示装置を遠隔操作するようにしたことを特徴とする書画カメラ。
【請求項2】
前記双方向通信回線が有線であることを特徴とする請求項1に記載の書画カメラ。
【請求項3】
前記入出力端子から出力される前記要求信号が、前記応答信号に係る所定のマーカーを前記ディスプレイ部へ表示させる命令を備え、
当該要求信号に基づいて、前記画像表示装置が前記マーカーを前記ディスプレイ部に表示したとき、
当該マーカーを前記カメラで撮像してマーカー画像を形成し、
前記制御部が、前記マーカー画像をエンコードして前記応答信号を形成し、
当該応答信号に基づいて無線による前記双方向通信回線が開設されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の書画カメラ。
【請求項4】
前記マーカーが、二次元コードであることを特徴とする請求項3に記載の書画カメラ。
【請求項5】
前記カメラで撮像された画像に、前記操作部に係る操作アイコンを重ね合わせて表示可能に構成すると共に、タッチパネルを備えたサブモニタを設け、
前記画像表示装置側の前記ディスプレイ部の表示画面を操作する画面操作信号を前記ミラーリング手段で共有し、
前記操作アイコン又は前記タッチパネルに対する操作が、前記画面操作信号に係る各入力操作に割り当てられて、
前記操作アイコン又は前記タッチパネルに対する操作を介した前記入力操作によって、前記ディスプレイ部の表示画面を遠隔操作するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の書画カメラ。
【請求項6】
前記画像表示装置側の前記ディスプレイ部の表示画面を操作する画面操作信号を前記ミラーリング手段で共有し、
前記操作部が備える操作ボタン、十字キー又はこれらに類する複数個の操作スイッチ類が、前記画面操作信号に係る各入力操作に割り当てられて、
前記操作スイッチ類を介した前記入力操作によって、前記ディスプレイ部の表示画面を遠隔操作するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の書画カメラ。
【請求項7】
前記画像表示装置が、電子黒板であることを特徴とする請求項1に記載の書画カメラ。
【請求項8】
前記画像が少なくとも前記ディスプレイ部の一部領域に表示されたとき、
前記電子黒板において、前記操作アイコン又は前記操作スイッチ類からの遠隔操作がオンに切り替わるスイッチ手段を設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の書画カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書画カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
書画カメラとは、机上に載置されるベースにアームを立設し、当該アーム先端でカメラを支持するように構成したカメラであって、当該カメラが、物、書類、見開き表示した本等の被写体を俯瞰で撮像するように構成されている。当該カメラのベースに設けた出力端子からは撮像した画像をエンコードして形成した画像信号を出力するように構成されている。当該画像信号は、直接又はネットワークを介して電子黒板等の画像表示装置へ出力され、当該画像表示装置のディスプレイに画像信号をデコードして形成した画像を表示するように構成されている。
このようにして書画カメラは、別体に設けられた画像表示装置と共に使用されている。
出願人は、書画カメラについて、たとえば、特許第6754816号等の特許権を有し、当該書画カメラについて製造販売等の実施をしている。
【0003】
ここで、画像表示装置の一例として、電子黒板が知られている。
電子黒板とは、ディスプレイ表面に指又はスタイラスペン等を用いて描いた文字、線図が電子的に変換されて表示されるようにした液晶モニタを備えた画像表示装置であって、文字等とともに電子黒板に接続した外部機器、たとえば、パソコン端末装置、デジタルカメラ、書画カメラ、USBメモリ装置から取り込んだ動画又は静止画からなる画像を表示することができるように構成されている。
そして、いくつかの資料や写真を表示したパソコン端末装置の画面をそのまま電子黒板に表示することができ、さらに任意の写真を指定し、当該写真を拡大又は縮小して表示することができる。また、電子黒板上の板書を画像データとして記録保存し、当該データをパソコン端末装置又はUSBメモリ装置へ保存することができ、当該板書を静止画のデータではなく動画として録画保存することも可能であるので、授業の記録或いは会議の議事録を容易に形成することができる。
たとえば、特開2018-67018号公報に開示されている電子黒板は、無線通信回線を使用して上記の外部機器、特にパソコン端末装置と接続し、電子黒板側のディスプレイに表示されたパソコン端末装置の画面に対してクリック等の操作をすることによって、パソコン端末装置側を遠隔操作するようにしている。これによって、有線ケーブルの距離以上に離れた位置にあるパソコン端末装置の画面を表示し、有線ケーブルを差替えなくとも一の端末装置と他の端末装置の接続を切り替え可能に構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6754816号
【特許文献2】特開2018-67018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の書画カメラと電子黒板は、たとえば、
図5に示すように、教育現場では教師の手元を撮影している書画カメラと、当該書画カメラで映している画面を電子黒板に表示して授業を行うことが行われている。このような場合に、書画カメラの近傍で手元を映し、たとえば、電子黒板に表示している画像を入れ替えるために教壇上を行き来するのは忙しなく、聴講している生徒、児童は集中し難くいという問題がある。
また、
図5に示すように、教師が電子黒板を背にして説明しているとき、電子黒板の画面の切り替えのため、操作アイコンが表示された電子黒板へ向きなおり、またリモコン装置を手にして電子黒板へ振り返ったとき、書画カメラで映している手元がおろそかになるおそれがある。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、書画カメラから、電子黒板等の画像表示装置の画面に対する所定の操作を遠隔操作可能に構成し、利便性を向上させた書画カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の書画カメラは、所定の被写体を撮像して所定の画像を形成するカメラと、
当該カメラの所定の動作を操作する操作部と、
当該操作部からの操作に応じて前記カメラの動作を制御する制御部と、
前記画像を表示可能なディスプレイ部を備えた所定の画像表示装置を接続可能な入出力端子とから構成され、
前記被写体を撮像した前記画像をエンコードして形成した画像信号を、前記入出力端子を介して前記画像表示装置へ出力する書画カメラであって、
前記制御部に、
前記画像表示装置との間に双方向通信回線を開設して、当該双方向通信回線上の前記画像表示装置と双方向に通信する双方向通信手段と、
前記双方向通信回線上を伝送する信号を前記画像表示装置と共有して、当該信号に基づく動作が前記画像表示装置と同時に実行されるように、前記画像表示装置とペアリングさせるミラーリング手段とを設け、
前記入出力端子を介して接続された前記画像表示装置に対して、
前記双方向通信回線を開設することを要求する要求信号を出力し、
当該要求信号に応答して前記画像表示装置から前記双方向通信を開設させる応答信号を取得したとき、
前記双方向通信手段が、前記画像表示装置との間に前記双方向通信回線を開設すると共に、前記ミラーリング手段が、前記画像表示装置をペアリングして、
前記双方向通信回線を通じて、前記操作部で行った入力操作に係る操作信号を前記画像表示装置と共有し、
前記操作信号に基づく前記入力操作が、前記画像表示装置と同時に実行されるようにして、
前記操作部から前記画像表示装置を遠隔操作するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の書画カメラは、請求項1に記載の発明において、前記双方向通信回線が有線であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の書画カメラは、請求項1に記載の発明において、前記入出力端子から出力される前記要求信号が、前記応答信号に係る所定のマーカーを前記ディスプレイ部へ表示させる命令を備え、
当該要求信号に基づいて、前記画像表示装置が前記マーカーを前記ディスプレイ部に表示したとき、
当該マーカーを前記カメラで撮像してマーカー画像を形成し、
前記制御部が、前記マーカー画像をエンコードして前記応答信号を形成し、
当該応答信号に基づいて無線による前記双方向通信回線が開設されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の書画カメラは、請求項3に記載の発明において、前記マーカーが、二次元コードであることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の書画カメラは、請求項1に記載の発明において、前記カメラで撮像された画像に、前記操作部に係る操作アイコンを重ね合わせて表示可能に構成すると共に、タッチパネルを備えたサブモニタを設け、
前記画像表示装置側の前記ディスプレイ部の表示画面を操作する画面操作信号を前記ミラーリング手段で共有し、
前記操作アイコン又は前記タッチパネルに対する操作が、前記画面操作信号に係る各入力操作に割り当てられて、
前記操作アイコン又は前記タッチパネルに対する操作を介した前記入力操作によって、前記ディスプレイ部の表示画面を遠隔操作するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の書画カメラは、請求項1に記載の発明において、前記画像表示装置側の前記ディスプレイ部の表示画面を操作する画面操作信号を前記ミラーリング手段で共有し、
前記操作部が備える操作ボタン、十字キー又はこれらに類する複数個の操作スイッチ類が、前記画面操作信号に係る各入力操作に割り当てられて、
前記操作スイッチ類を介した前記入力操作によって、前記ディスプレイ部の表示画面を遠隔操作するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の書画カメラは、請求項1に記載の発明において、前記画像表示装置が、電子黒板であることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の書画カメラは、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の発明において、前記画像が少なくとも前記ディスプレイ部の一部領域に表示されたとき、
前記電子黒板において、前記操作アイコン又は前記操作スイッチ類からの遠隔操作がオンに切り替わるスイッチ手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る書画カメラによれば、当該書画カメラと画像表示装置との間に双方向通信回線を開設して、当該双方向通信回線上で画像表示装置と双方向に通信する双方向通信手段と、双方向通信回線上を伝送する信号を画像表示装置と共有して、当該信号に基づく動作が画像表示装置と同時に実行されるように、画像表示装置とペアリングさせるミラーリング手段とを設けた。そして、書画カメラ側から当該双方向通信回線を開設することを要求する要求信号を発し、これに応答して画像表示装置側から発せられる応答信号を書画カメラが取得したとき、書画カメラと画像表示装置間で双方向通信回線が開設されるようにして、書画カメラと画像表示装置がペアリングされるようにした。
これによって、書画カメラの操作部で行った入力操作に係る操作信号が、画像表示装置と共有され、当該操作信号に基づく入力操作が書画カメラと画像表示装置で同時に実行されて、書画カメラ側の操作部から画像表示装置を遠隔操作するように構成することができ、書画カメラの利便性を向上させることができる。
また好ましくは、書画カメラと画像表示装置を有線で接続して双方向通信回線を開設するようにした。これによって、書画カメラと画像表示装置を直に繋ぐことができ、書画カメラ側の操作部から画像表示装置を遠隔操作するように構成して、書画カメラの利便性を向上させることができる。
さらに好ましくは、書画カメラ側の要求信号が、応答信号に係る所定のマーカーを画像表示装置のディスプレイ部へ表示させる命令を備えるようにした。そして、当該要求信号に基づいて、画像表示装置がマーカーをディスプレイ部に表示したとき、当該マーカーをカメラで撮像してマーカー画像を形成するようにした。当該マーカー画像を制御部でエンコードしたとき、マーカー画像に基づく応答信号を書画カメラが取得することができる。これによって、書画カメラと画像表示装置との間で無線による双方向通信回線が開設され、書画カメラと画像表示装置とを同期させてミラーリングさせることができる。そのため、書画カメラ側の操作部から画像表示装置を遠隔操作するように構成して、書画カメラの利便性を向上させることができる。なお、マーカーはカメラで読み取り容易な二次元コードが好ましい。
【0016】
さらに、書画カメラが、カメラで撮像された画像と、操作部に係る操作アイコンを重ね合わせて表示可能に構成したサブモニタを有している場合は、操作アイコンを、画像表示装置のディスプレイ部に係る画面操作信号に係る各入力操作に割り当てるようにした。これによって、書画カメラの操作アイコンを用いて画像表示装置を遠隔操作するように構成して、書画カメラの利便性を向上させることができる。
一方、書画カメラが、上記のサブモニタを有していない場合は、操作部が備える操作ボタン、十字キー又はこれらに類する複数個の操作スイッチ類を、画像表示装置のディスプレイ部に係る画面操作信号に係る各入力操作に割り当てるようにした。これによって、書画カメラの操作スイッチ類を用いて画像表示装置を遠隔操作するように構成して、書画カメラの利便性を向上させることができる。
【0017】
そして、画像表示装置が好ましくは電子黒板であって、当該電子黒板のディスプレイ部が、複数の画像を並列表示可能に構成されている場合に、分割された画面の少なくとも一部領域に、書画カメラから入力された撮像画像が表示されたとき、電子黒板において、操作アイコン又は操作スイッチ類からの遠隔操作がオンに切り替わるスイッチ手段を設けた。これによって、たとえば、書画カメラを手元に置いているときに電子黒板を操作して画像を切り替える等、必要に応じて書画カメラの操作スイッチ類を用いて画像表示装置を遠隔操作することができ、書画カメラの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施例に係る書画カメラの構成の概略を示した説明図である。
【
図2】第1実施例に係る書画カメラの制御に係る構成の概略を示したブロック図である。
【
図3】第1実施例に係る書画カメラを接続する電子黒板の構成の概略を示した説明図である。
【
図4】第1実施例に係る書画カメラと電子黒板を有線通信回線で接続した場面を示す説明図である。
【
図5】第1実施例に係る書画カメラの使用例を示す説明図である。
【
図6】第2実施例に係る書画カメラの構成の概略を示した説明図である。
【
図7】第2実施例に係る書画カメラの制御に係る構成の概略を示したブロック図である。
【
図8】第2実施例に係る書画カメラが接続される電子黒板の描画エリアを拡大した部分拡大図である。
【
図9】第2実施例に係る書画カメラを電子黒板に接続する場面を示す説明図である。
【
図10】第2実施例に係る書画カメラと電子黒板を無線通信回線で接続した場面を示す説明図である。
【実施例0019】
本発明に係る書画カメラの実施例を、添付した図面にしたがって説明する。
図1は本実施例に係る書画カメラの構成の概略を示した説明図、
図2は本実施例に係る書画カメラの制御に係る構成の概略を示すブロック図、
図3は本実施例に係る書画カメラを接続する画像表示装置として例示する電子黒板の構成の概略を示した説明図である。
【0020】
本発明の実施例に係る書画カメラ10は、
図1に示すように、カメラヘッド11と、当該カメラヘッド11を支持するアーム12と、当該アーム12が立設されるベース13とから構成されている。
【0021】
カメラヘッド11は、略角柱状のカメラハウジング11aを有している。カメラハウジング11aの底面部所定位置に撮像レンズ(図示略)が設けられ、カメラハウジング11a内には所定の規格に準拠した撮像素子が収納されている。撮像レンズと撮像素子からカメラが構成されている。
そして、当該カメラで撮影した撮影画像は、撮像素子で電子的に変換され、エンコード等の所定の符号化処理が施される前の画像基信号が形成される。当該画像基信号は、後述する制御部へ送信され、所定の通信規格に準拠した画像信号へエンコードされて画像表示装置へ出力可能に構成される。
【0022】
アーム12は、第1アーム、第2アーム、第3アーム、第4アームから構成されている。
第1アームは、一対の支柱12aと、底面カバー12bと、両支柱12aの基端部を連結する第1ベース部12cとから構成されている。第1ベース部12cは、第1アームをパン方向へ所定の範囲内で回動自在に軸支する縦軸によってベース13へ組み付けられ、両支柱12aの基端部をチルト方向へ所定の範囲内で回動自在に軸支している。これによって、第1アームは、当該第1アームをベース13上へ折り畳んだときの基準位置からパン・チルト方向へ所定の範囲内で自在に回動させることができる。
第2アームは、一対の支柱12dと、両支柱12dの基端部を連結する第2ベース部12eとから構成されている。第2アームは、第2ベース部12eが第1アームの両支柱12aの先端部に挟持され、軸支されている。これによって、第2アームは、チルト方向へ所定の範囲内で回動自在に構成されている。
第3アームは、その基端部12fが第2アームの支柱12dの先端部で挟持され、軸支されている。これによって、第3アームは、チルト方向へ所定の範囲内で回動自在に構成されている。
第4アームは、その基端部12hが縦断面視L字状に切り欠いて形成され、同様に縦断面視L字状に切り欠いて形成された第3アームの先端部12gで互いの切り欠き面を合わせるようにして軸支されている。これによって、第4アームは第3アームに対してパン方向へ所定の範囲内で回動自在に構成されている。そして、第4アームの先端部12iには、カメラヘッド11のカメラハウジング基端部11bが軸支されている。これによって、カメラヘッド11は、第4アームに対してパン方向へ回動自在に構成されている。
上記のように、第1アームから第4アームの各アームを軸で回動可能に接続することによって、カメラヘッド11を任意の方向へ指向させることができ、また、カメラヘッド11とアーム12を折り畳んでコンパクトに収納することができる。
【0023】
ベース13は、略長方体状の扁平なベース本体13aを備え、上面部に起倒自在なモニタ画面13bを有している。上面部の前端には、電源スイッチ、撮像レンズの焦点距離を調整するズーミングスイッチ、撮像レンズの焦点調整を行うオートフォーカススイッチ等の各種操作スイッチ類を供えた操作部13cが設けられている。そして、ベース本体13aの前面部には電源端子や、後述する電子黒板等の画像表示装置と接続可能な入出力端子13dが設けられている。
【0024】
モニタ画面13bは、表面がタッチパネルで構成されている。そして、モニタ画面13bには、操作部13cと同様の入力操作可能な操作アイコン、特にズーミングスイッチ、オートフォーカススイッチ、シャッタースイッチ等を示す操作アイコンが表示されている。これによって、操作部13cに対する操作に替えてタッチパネルを介して操作アイコンを操作することで書画カメラ10に係る所定の入力操作を行うようにしても良い。タッチパネルは、公知の構成であるので詳細な説明は省略する。
所定の入力操作とは、指又はスタイラスペンによる描画入力操作の他、例えばタッチパネルに触れた指を使ったジェスチャー操作、UI画像に表示したアイコンに触れるタッチ操作、またはこれらの操作の他、複数の入力操作方法が設定されている。そして、ジェスチャー操作は、たとえば、タッチパネルをタップするタップ操作、タッチパネルを長時間指先で触れる長押し操作、アイコン或いは撮影画像等をタッチした指をそのまま引き摺ってアイコン或いは撮影画像等を移動させるドラッグ操作、タッチパネルの離間した2点に触れて、当該2点間の距離を近づけ又は遠ざけるピンチイン/ピンチアウト操作等である。これらのジェスチャー操作方法については公知であるから詳細な説明は省略する。
【0025】
ベース本体13aの上面部は、倒伏したモニタ画面13bを凹部へ格納可能に構成したモニタ画面格納部13eが形成されている。モニタ画面格納部13eへモニタ画面13bを格納したとき、モニタ画面13bはベース本体13aの上面部と略面一になるようにベース本体13aへ組み付けられている。モニタ画面格納部13eの前端には軸が設けられており、当該軸がモニタ画面13bの前端部を軸支している。これによって、モニタ画面13bは、軸を中心にチルト方向へ起倒自在に構成されている。
【0026】
ベース本体13aの内部には、基板が収納されている。当該基板上には、
図2のブロック図に示すように、カメラで撮影して形成した撮像画像に係る画像処理等の各処理操作、その他書画カメラの各動作を制御する制御部20を構成する回路が形成されている。
【0027】
制御部20は、
図2に示すように、書画カメラ10の各動作をそれぞれ総合的に制御する処理を行う制御手段を有している。制御手段のうち、書画カメラ10を外部の画像表示装置と接続して、当該画像表示装置との間の通信を制御することに関して、制御部20は、双方向通信回線の制御に係る処理を行う双方向通信手段、及び書画カメラ10内を伝送する信号と、接続された画像表示装置内を伝送する信号を共有して、モニタ画面13bと画像表示装置のディスプレイ部とペアリングして信号に基づく動作を同時に実行するミラーリング手段を有している。
【0028】
双方向通信手段及びミラーリング手段は、
図2に示すように、接続した画像表示装置を検知する検知部21と、検知した画像表示装置との間に双方向通信回線を開設し、当該双方向通信回線上を伝送する信号を制御する通信制御部22によって実行されるように構成されている。
検知部21は、所定の通信規格に準拠した通信ケーブル30を介して、入出力端子13dに接続された外部機器を検知するように構成されている。検知部21は、接続された外部機器を検知したとき、当該外部機器に対して、書画カメラ10との間で双方向通信回線を開設することを要求する要求信号Rを出力するように構成されている。
当該要求信号Rを取得した外部機器は、要求信号Rを出力した書画カメラ10に対して、双方向通信回線を開設させることができる場合に、それを許可する応答信号Aを出力するように構成されている。
当該応答信号Aを検知部21が検知したとき、応答信号Aに含まれている外部機器を識別するデータに基づいて、当該外部機器が、制御部20に付した記憶部23に予め登録した画像表示装置、たとえば、後述する電子黒板50であるか否かを判定認証して、まず、書画カメラ10と画像表示装置とをペアリングする処理が行われるように構成されている。
ペアリング処理は、本実施例に係る書画カメラ10と画像表示装置、たとえば、電子黒板50を一組にして、互いに通信や動作を許可する処理をいう。このように、双方向通信回線の開設を要求する要求信号Rと、それを許可して、双方向通信回線の開設を許可する応答信号Aの通信を通じて、書画カメラ10と画像表示装置との間でペアリング処理が行われ、続いて、通信制御部22は、双方向通信回線を開設する処理を行うように形成されている。
これによって、書画カメラ10と画像表示装置との間で双方向通信回線を開設することができる。
なお、本実施例においては、
図4に示すように、有線の通信ケーブル30を介してペアリング処理を行うように構成したが、これに限定されるものでは無く、たとえば、Bluetooth(登録商標)、Wi-fi(登録商標)のような無線通信規格を用いて無線通信回線による双方向通信回線を開設するようにしても良い。
【0029】
通信制御部22は、開設された双方向通信回線を通じてペアリング処理が行われた後、双方向通信回線上を伝送する信号を制御するように構成されている。
通信制御部22は、書画カメラ10と画像表示装置、たとえば電子黒板50がペアリング処理されているとき、画像表示装置から信号を取得して、モニタ画面13bへ、画像表示装置のディスプレイと同一の画面を表示すると共に、画像表示装置のディスプレイに表示された操作アイコンを表示するように構成されている。これによって、画像表示装置側のディスプレイをメインモニタ、モニタ画面13bをサブモニタとして使用することができる。
そして、当該操作アイコンを操作して操作信号が形成されたとき、当該操作信号を画像表示装置へ出力するように構成されている。
当該操作に係る操作信号をペアリング中の画像表示装置が取得したとき、当該画像表示装置は取得した操作信号に基づいてディスプレイ画面を操作する動作を行うことができる。
これによって、書画カメラ10のモニタ画面13bと画像表示装置のディスプレイに同じ画像、操作アイコンが表示され、ユーザーの手元に置いた書画カメラのモニタ画面の操作アイコンをタッチ操作等することによって、画像表示装置のディスプレイ上の操作アイコンが遠隔操作されるミラーリング手段に係る処理を実行することができる。
【0030】
次に、本実施例に係る書画カメラが接続される画像表示装置の一形態として、電子黒板を例示して説明する。
電子黒板50は、
図3に示すように、ディスプレイ部51と、入出力端子部52を有している。
ディスプレイ部51は、枠体で囲橈された描画エリア53を有している。描画エリア53は、公知の液晶パネル、有機ELパネル等から構成されているので詳細な説明は省略する。
描画エリア53は、複数の画面を仮想的に重ね合わされた、いわゆるレイヤー(layer:層、階層)状に構成されている。そして、各レイヤー画面に、それぞれ所定の画像を表示するように割り当てることによって、それぞれのレイヤー画面に所定の画像を表示して、たとえば、教科書の画像の上に説明文、図形等を書き込んで描画した画像を重ね合わせることができ、また重ね合わせた画像から所定のレイヤー画面に表示した画像のみを容易に消すことができる。これらのレイヤー画面のうち、一のレイヤー画面には、操作アイコン54が表示されるように構成され、さらに、描画エリア53の表面はタッチセンサを備えたタッチパネルで構成されている。
これによって、各レイヤー画面に割り当てた表示画像に対して、操作アイコン54を操作することで所定の入力操作を行うことができる。タッチパネル及びタッチセンサは、公知の構成であるので詳細な説明は省略する。
所定の入力操作とは、指又はスタイラスペンによる描画入力操作の他、例えばタッチパネルに触れた指を使ったジェスチャー操作、UI画像に表示したアイコンに触れるタッチ操作、またはこれらの操作の他、複数の入力操作方法が設定されている。そして、ジェスチャー操作は、たとえば、タッチパネルをタップするタップ操作、タッチパネルを長時間指先で触れる長押し操作、アイコン或いは外部画像等をタッチした指をそのまま引き摺ってアイコン或いは外部画像等を移動させるドラッグ操作、タッチパネルの離間した2点に触れて、当該2点間の距離を近づけ又は遠ざけるピンチイン/ピンチアウト操作等である。これらのジェスチャー操作方法については公知であるから詳細な説明は省略する。
そして、上記のような複数の入力操作のうち、一の入力操作に対して電子黒板50側は所定の応答動作を行うように構成されている。
【0031】
入出力端子部52は、
図3に示すように、ディスプレイ部51の枠体の所定位置に配置されている。入出力端子部52には、公知の規格に準拠した複数個の入力端子、入出力端子、出力端子が外部機器を接続可能に配置されている。
ここで、外部機器のうち、特に電子黒板へ外部画像を入力可能な装置を外部画像入力装置という。当該外部画像入力装置とは、たとえば、書画カメラ、デジタルカメラ、USBメモリ装置であり、さらにはパソコン端末装置、並びにタブレット型端末装置、スマートホン、携帯電話等の携帯型端末装置等をいう。本実施例においては、
図1に示した書画カメラ10である。
書画カメラ10は、上記したように、当該書画カメラで撮像した画像、又は当該書画カメラ10内に保存されている画像をエンコードして画像信号を形成し、当該画像信号を電子黒板50へ出力するように構成されている。
書画カメラ10を入出力端子部52の入力端子又は入出力端子へ接続したとき、電子黒板50は、双方向通信回線を通じて書画カメラ10から所定の画像信号を取得する。電子黒板50は、当該画像信号をデコードして、書画カメラ10が出力した外部画像を復号し、静止画として、または、単位時間あたりに所定の枚数の静止画を順次映し出す動画として描画エリア53の所定のレイヤー画面に当該外部画像を表示するように構成されている。
一方、電子黒板50内に記憶保存されている保存画像、また入力端子、入出力端子を介して入力される入力画像を出力端子、又は入出力端子を介して、書画カメラ10或いはUSBメモリ装置等へ出力して保存させるようにしても良い。
【0032】
また、描画エリア53に表示された仮想的な操作アイコン54の他、たとえば、
図3に示すように、操作スイッチ部55を設けても良い。当該操作スイッチ部55は、たとえば、押しボタンスイッチ、ロータリースイッチ等の複数個の操作スイッチ類をディスプレイ部51の枠体の所定の位置に配置して構成されている。各操作スイッチには、それぞれ所定の操作が割り当てられている。これによって、たとえば、描画エリア53の各レイヤー画面を切り替えて、いずれかのレイヤー画面に対して、ジェスチャー操作、タッチ操作、又は描画入力操作を行うことができる。
【0033】
さらに、電子黒板50は、
図2に示すように、制御部56を有している。
制御部56は、電子黒板50の各動作をそれぞれ総合的に制御する処理を行う制御手段を有している。制御手段のうち、電子黒板50を書画カメラ10と接続して、当該書画カメラ10との間の通信を制御することに関して、制御部56は、双方向通信回線の制御に係る処理を行う双方向通信手段、及び電子黒板50内を伝送する信号と、接続された書画カメラ10内を伝送する信号を共有して、電子黒板50の描画エリア53と書画カメラ10のモニタ画面13bとペアリングして信号に基づく動作を同時に実行するミラーリング手段を有している。
【0034】
双方向通信手段及びミラーリング手段は、
図2に示すように、接続した書画カメラ10を検知する検知部57と、検知した書画カメラ10との間に双方向通信回線を開設し、当該双方向通信回線上を伝送する信号を制御する通信制御部58によって実行されるように構成されている。
検知部57は、所定の通信規格に準拠した通信ケーブル30を介して、入出力端子52に接続された書画カメラ10を検知するように構成されている。検知部57は、接続された書画カメラ10を検知したとき、当該書画カメラ10から出力された双方向通信回線を開設することを要求する要求信号Rを取得するように構成されている。
当該要求信号Rを取得した電子黒板50は、要求信号Rを出力した書画カメラ10が、制御部56に付した記憶部59に予め登録された書画カメラ10である場合に、これを認証して双方向通信回線を開設させることを許可する応答信号Aを出力するように構成されている。これによって、上記した書画カメラ10と同様に、電子黒板50側でも登録された書画カメラ10を認証してペアリング処理を行うように構成することで、書画カメラ10について、特定の電子黒板50に対する利便性を向上させて、ユーザーを囲い込むことができる。
そして、書画カメラ10からの双方向通信回線の開設を要求する要求信号Rと、それを許可して、双方向通信回線の開設を許可する応答信号Aの通信を通じて、書画カメラ10と電子黒板50との間でペアリング処理が行われ、続いて、通信制御部58は、双方向通信回線を開設する処理を行って、書画カメラ10と電子黒板50との間で双方向通信回線が開設される。
【0035】
通信制御部58は、開設された双方向通信回線を通じてペアリング処理が行われた後、双方向通信回線上を伝送する信号を制御するように構成されている。
通信制御部58は、書画カメラ10と電子黒板50がペアリング処理されているとき、電子黒板50から描画エリア53に表示している画面に係る画面信号を出力し、当該画面信号を書画カメラ10が取得したとき、書画カメラ10のモニタ画面13bへ、描画エリア53と同一の画面を表示すると共に、当該描画エリア53の一のレイヤー画面に表示された操作アイコン54を表示するように構成されている。そして、当該操作アイコン54を操作した操作信号が書画カメラ10から出力され、当該操作信号を電子黒板53が取得したとき、当該電子黒板50は取得した操作信号に基づいて描画エリア53へ表示された画面を操作する動作を行うことができる。
これによって、
図4に示すように、電子黒板50側の描画エリア53をメインモニタ、モニタ画面13bをサブモニタとして構成し、書画カメラ10のモニタ画面13bと電子黒板50の描画エリア53に同じ画像、操作アイコン54を表示して、ユーザーの手元に置いた書画カメラ10のモニタ画面13bの操作アイコンをタッチ操作等することによって、電子黒板50の描画エリア53上の操作アイコン54が遠隔操作されるミラーリング手段に係る処理を実行することができる。
【0036】
上記の構成を有する書画カメラ10と電子黒板50とを接続したときの使用例を以下説明する。
書画カメラ10と電子黒板50を、
図4に示すように、所定の通信規格に準拠した通信ケーブル30で接続したとき、1対1で接続された両者間では、書画カメラ10から電子黒板50に対して、双方向通信回線を開設することを要求する情報が含まれた要求信号Rが送信される。
これに対して、電子黒板は双方向通信を開設させることを許可する応答信号Aを書画カメラ10へ返信する。そして、当該応答信号Aを検知部21が検知したとき、書画カメラ10の双方向通信手段は、当該書画カメラ10と電子黒板50の両者間に双方向通信回線を開設する。
ここで、検知部21が、応答信号Aに含まれている電子黒板50の識別情報、形式等に基づいて、予め書画カメラ10に登録された所定の電子黒板50であるか否かを判定して、登録されている電子黒板50である場合にはこれを認証して、所定の電子黒板50のみ双方向通信回線を開設させるようにしても良い。これによって、本実施例に係る書画カメラ10と所定の電子黒板50のみが組み合わせられるようにして、書画カメラ10の利便性を高め、ユーザーの囲い込みを行うことができる。
一方で、たとえば、電子黒板50側で応答信号Aを返信可能な書画カメラ10に係る情報を登録し、登録外の書画カメラ10については応答信号Aの返信を禁止するように構成するようにしても良い。これによって、上記同様に、登録外の書画カメラ10を弾いて、たとえば、本実施例に係る書画カメラ10と所定の電子黒板50のみが組み合わせられるようにして、書画カメラ10の利便性を高め、ユーザーの囲い込みを行うことができる。
【0037】
検知部21が電子黒板50からの応答信号Aを検知し、判定し、認証したとき、電子黒板50が登録された機種であった場合は、通信制御部22が双方向通信回線を開設する。これによって、通信制御部22は、当該双方向通信回線上を伝送する信号を制御することができる。ミラーリング手段は、通信制御部22が信号を制御することによって実行される。
すなわち、書画カメラ10から撮像した画像に係る画像信号が電子黒板50へ送信されて、電子黒板50の描画エリア53の少なくとも一部の領域に当該画像信号に基づく画像が表示され、さらに書画カメラ10から当該描画エリア53に表示された画像を含めた表示画面の操作に係る操作信号を出力するように形成されている。また、電子黒板50の描画エリアに表示している画面に係る画面信号が電子黒板50から出力され、書画カメラ10が当該画面信号を取得したとき、書画カメラ10のモニタ画面13bに電子黒板50の描画エリア53と同じ画面が表示される。
このように、双方向通信回線上を様々な信号が伝送し、これを通信制御部22が制御することによって、
図4に示すように、書画カメラ10のモニタ画面13b上に電子黒板50の描画エリア53と同一画面が表示され、モニタ画面13b上の操作アイコンを操作することで、電子黒板50の描画エリア53の操作アイコン54を遠隔操作するミラーリング手段に係る処理を実行することができる。
【0038】
ここで、書画カメラ10と電子黒板50の具体的な使用例を示す。
電子黒板50は、描画エリア53の表示画面を、
図5に示すように、たとえば、四分割等して、領域I、領域II、領域III、領域IVでそれぞれ相違する画面を表示することができるように構成されているものとする。さらに、電子黒板50側の通信制御部58は、描画エリア53の各領域I~IVのうち、少なくとも一の領域において書画カメラ10で撮像された画像が表示されたとき、すなわち、書画カメラ10が出力した画像信号を、電子黒板50側の通信制御部58が取得して、
図5に示す領域IVへ表示したとき、
図2に示すように、上記ミラーリング手段に係る処理を実行するようにオン信号を出力するスイッチ手段60を有している。
スイッチ手段60は、
図5に示す各領域I~IVに任意の画像が表示され、領域IVに書画カメラ10で撮像した画像が表示されたとき、電子黒板50側の通信制御部58は、当該表示画像に係る画像信号を取得して、ミラーリング手段を起動するオン信号を出力する。
当該オン信号は、双方向通信回線上を伝送する。そして、オン信号を取得した書画カメラ10側の通信制御部22は、上記のミラーリング手段に係る処理を実行して、書画カメラ10のモニタ画面13bに電子黒板50の描画エリア53の画面を表示し、当該モニタ画面13bに表示された操作アイコンをモニタ画面13b内で操作することによって、電子黒板50の描画エリア53に表示された操作アイコン54に係る操作を遠隔操作することができる。
【0039】
上記のように、書画カメラ10と電子黒板50とを接続し、さらに電子黒板50の描画エリア53内の少なくとも一領域で書画カメラ10からの画像が表示されたときにミラーリング手段に係る処理が実行されるように構成して、書画カメラ10から電子黒板50を遠隔操作することができるように構成した場合、次に示すように使用した場合に利点がある。当該利点について添付した
図5にしたがって説明する。
図5は、教室で使用した場合の一例を示した説明図である。
【0040】
従来の教室の場合、一般的には、正面の壁面に設置された黒板の手前に教壇(図示略)が配置され、当該黒板の脇に教卓が配置されている。このような場面で、電子黒板50は、
図5に示すように、従来の黒板の手前に設置される場合が多く、教卓上に書画カメラ10が載置される。
ここで、
図5に示すような授業の一形態を例に挙げると、たとえば、描画エリア53内の領域Iには電気回路を構成する部品図が表示され、領域IIには組立図が表示され、領域IIIには完成図が表示されている。このとき、書画カメラ10で教師の手元を撮影した画像を領域IVへ表示したとき、手元画像に係る画像信号が書画カメラ10から出力される。当該画像信号を取得した電子黒板50はオン信号を出力し、当該オン信号を取得した書画カメラ10は、ミラーリング手段に係る処理に基づいて電子黒板50を遠隔操作することができるようになる。
次に、教師が教卓上で部品を組み立てる様を書画カメラ10で撮像しながら、領域IIに表示した組立図の組立順に係る画像を次の画像へ切り替えるスワイプ操作をモニタ画面10上で行う。このとき、組み立てている様子を書画カメラ10で撮影し、その様子を描画エリアの領域IVへ表示しながら、教師は電子黒板50を背にした状態で、組立図を次の画像へ遠隔操作で切り替えることができる。
このように、教師は、書画カメラ10で教卓上の部品を組み立てる様子を撮影しながら、かつ、電子黒板50の描画エリア53に表示した組立図等の他の画像を切り替えることができる。そのため、描画エリア53の領域I~領域IVに表示した画像を切り替えるために、わざわざ電子黒板50側へ向きなおったり、電子黒板の操作アイコン54側へ移動したりせずに素早く画像を切り替え、授業の進行をスムーズにして限られた授業時間を有効に使うことができる。
【0041】
また、
図5に例示した教室以外にも、大きな階段教室、講義室、視聴覚室等の特殊教室の場合、或いは企業の会議室、ホール等では、書画カメラ10が、電子黒板50から離されて設置されている場合がある。
このような場合においても、書画カメラ10側で講師の手元を撮影したまま、電子黒板50の描画エリア53に表示された書画カメラ10からの撮影画像及びその他描画エリアへ表示された画像をも切り替えることができるので、説明、発表をスムーズに行うことができる。
【0042】
なお、本実施例に係る電子黒板50と書画カメラ10は、
図4に示すように、通信ケーブル30で接続した有線による双方向通信回線の場合を説明したものであるが、これに限定されるものでは無い。たとえば、教室内で書画カメラ10と電子黒板50とを無線による双方向通信回線で接続しても良いし、書画カメラ10と電子黒板50、さらに複数のタブレット型端末装置をそれぞれ接続して形成したLAN(構内情報網)を使用した場合、またインターネットを介して、一の教室と他の教室を接続し、一の教室に配置した書画カメラ10で撮影した画像を、他の教室に配置した電子黒板50の描画エリアに表示させる場合等、ネットワークを介して書画カメラ10と電子黒板50が接続されている場合であっても良い。
【0043】
モニタ画面13bを備えた書画カメラ10から電子黒板50を遠隔操作する場合は、上記の通りであって、第1実施例に係る書画カメラ10によれば、当該書画カメラ10のモニタ画面13bと電子黒板50の描画エリア53を、書画カメラ10の通信制御部22で同期して、両画面をミラーリングさせて同一の操作で同一の動作を行うように構成した。これによって、書画カメラ10近傍で、書画カメラ10のカメラで手元を映しながら、さらに書画カメラ10のモニタ画面13b上の操作アイコンを操作することによって、当該操作に係る操作信号を電子黒板50側と共有し、モニタ画面13b上に反映させた電子黒板50の描画エリア53上の操作アイコン54を操作し、電子黒板54を遠隔操作することができる。
カメラヘッド11とアーム12の構成は、第1実施例と同様であるから説明を省略する。すなわち、図 に示すように、第1アームから第4アームの各アームを軸で回動可能に接続することによって、カメラヘッド11を任意の方向へ指向させることができ、また、カメラヘッド11とアーム12を折り畳んでコンパクトに収納することができる。
ベース13Aは、扁平な略長方体状に形成され、上面部に、電源スイッチ、撮像レンズの焦点距離を調整するズーミングスイッチ、撮像レンズの焦点調整を行うオートフォーカススイッチ等の各種操作スイッチ類を供えた操作部70が設けられている。そして、ベース13Aの後面部に電源端子や、後述する電子黒板等の画像表示装置と接続可能な入出力端子71が設けられている。ベース13Aの右側面には軸が設けられ、当該軸によって第1アーム基端部12cが軸支されている。これによって、ベース13Aに対してアーム12を起倒自在に立設させることができる。
なお、本実施例に係る書画カメラ10Aを所定の通信規格に準拠した通信ケーブル30で電子黒板と直に接続したときは、上記のようにマーカー80を介さずとも第1実施例に記載したように接続させることができる。また、第1実施例に記載したモニタ画面13bを備えた書画カメラ10の場合、本実施例に記載した書画カメラ10Aのように、たとえば、Wi-Fi Direct(登録商標)又はMiracast(登録商標)と呼ばれる通信規格に準拠した近距離無線通信回線30Aによって接続した場合は、書画カメラ10のモニタ画面13b上に電子黒板50のSSIDを表示させて、接続を視認することができるので、当該SSIDを選択指定することによって、書画カメラ10と電子黒板50とを直に近距離無線通信回線30Aで接続させることができる。
第1実施例及び第2実施例に記載した書画カメラ10,10Aによれば、書画カメラ10,10Aと電子黒板50を通信ケーブル30又は近距離無線通信回線30Aで接続して双方向通信回線を開設し、書画カメラ10,10Aと電子黒板50をペアリングして、書画カメラ10,10A側から電子黒板50を遠隔操作するようにした。これによって、ユーザーは書画カメラ10,10Aで手元を映しながら、離れた位置にある電子黒板50の描画エリアに表示した画面を切り替える等の操作を行うことができる。そのため、頻繁に書画カメラ10,10Aと電子黒板50との間を往復しなくても良くなるので、書画カメラ10,10Aで映し出している場面、それに対する説明を集中して行うことができ、書画カメラ10,10Aの利便性を向上させることができる。