(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049061
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】かご台車への荷物積載装置
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20230403BHJP
B65G 47/90 20060101ALN20230403BHJP
【FI】
B65G57/03 G
B65G47/90 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158563
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126712
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 督生
(72)【発明者】
【氏名】古賀 直幸
(72)【発明者】
【氏名】渡 研司
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼村 悠登
(72)【発明者】
【氏名】林 功二
(72)【発明者】
【氏名】中島 匠
【テーマコード(参考)】
3F029
3F072
【Fターム(参考)】
3F029AA04
3F029AA07
3F029BA01
3F029CA51
3F029DA15
3F072AA09
3F072GA06
3F072GD05
3F072KA26
3F072KD01
3F072KD11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】かご台車に積載効率よく荷物同士の隙間が生じにくいようにかご台車に荷物を積載する、かご台車への荷物積載装置を提供する。
【解決手段】本発明のかご台車100への荷物積載装置1は、前記荷物を収容している荷物収容エリア220から、前記第1段、第2段・・第N段に対応する荷物(以下、「積載段荷物」という)を取り出す取り出し機構30と、前記取り出し機構で取り出された積載段荷物を移送させる移送機構40と、前記移送された積載段荷物を、前記かご台車に積載する積載機構20とを、備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かご台車の底板から上方に向けて第1段、第2段・・第N段に荷物を積載するかご台車への荷物積載装置であって、
前記荷物を収容している荷物収容エリアから、前記第1段、第2段・・第N段に対応する荷物(以下、「積載段荷物」という)を取り出す取り出し機構と、
前記取り出し機構で取り出された積載段荷物を移送させる移送機構と、
前記移送された積載段荷物を、前記かご台車に積載する積載機構とを、備え、
前記積載機構は、
第1載置台、前記第1載置台の一方側に連結する第2載置台、前記第1載置台の他方側に連結する第3載置台を有する載置部と、
前記第1載置台の上下移動、前記第2載置台の左右移動および前記第3載置台の左右移動を制御する移動制御部と、
前記載置部を、かご台車に挿入するもしくは前記かご台車から引き抜く動作を制御する積載制御部と、を備え、
前記第1載置台は、荷物を載置可能であると共に上下移動可能であり、
前記第2載置台は、荷物を載置可能であると共に左右移動可能であり、
前記第3載置台は、荷物を載置可能であると共に左右移動可能であり、
前記載置部に載置される前記積載段荷物の全体幅が、前記かご台車の幅より大きい場合(以下、「幅超え状態」という)には、
前記移動制御部は、前記第1載置台を上方に移動させ、前記第2載置台および前記第3載置台を前記第1載置台に向けて移動させて、前記複数の荷物を山なり状態にさせ、
前記積載制御部は、前記載置部の前記複数の荷物が山なりになった状態で、前記載置部を前記かご台車に挿入し、
前記載置部に載置される前記積載段荷物の全体幅が、前記かご台車の幅以下である場合(以下、「幅以下状態」という)には、
前記移動制御部は、前記第1載置台、前記第2載置台および前記第3載置台に載置された前記複数の荷物を平行状態にさせ、
前記積載制御部は、前記載置部の前記複数の荷物が平行になった状態で、前記載置部を、前記かご台車に挿入する、かご台車への荷物積載装置。
【請求項2】
前記幅超え状態では、前記移動制御部は、
前記荷物を載置している前記第1載置台を上昇させ、
前記荷物を載置している前記第2載置台と前記第3載置台を前記第1載置台に近づけ、
前記載置部に載置されている積載段荷物の底面側の全体幅は、前記かご台車の幅以下となる、請求項1記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項3】
前記かご台車は、底板および側面フレームを備え、
前記側面フレームは、前記底板から上方に向かって広がる形態を有し、
前記第1段~前記第N段に向かうにつれて、前記かご台車の幅が広くなる、請求項1または2記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項4】
前記積載制御部は、
前記第1段~第N段のそれぞれに対応する前記積載段荷物を載置している前記載置部を、前記かご台車に挿入し、
前記積載段荷物を前記かご台車に積載した後で、前記載置部を引き抜く、請求項1から3のいずれか記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項5】
前記積載制御部は、
前記第1段~前記第N段の内で前記幅超え状態の段の上段に前記載置部を、前記かご台車に挿入させるのに合わせて、
前記載置部が、前記幅超え状態の段に積載された山なり状態の複数の荷物を押さえ付けるように制御する、請求項4記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項6】
前記積載制御部は、前記載置部を、前記第1段~前記第N段において荷物を積載する高さに設定する、請求項1から5のいずれか記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項7】
前記取り出し機構は、前記荷物収容エリアから、積載段に対応する個数の荷物を、前記積載段荷物として移送手段に渡す、請求項1から6のいずれか記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項8】
前記移送機構は、
前記積載段荷物を前記積載機構に移送する移送手段と、
前記載置部に載置させる載置手段と、
を備える、請求項1から7のいずれか記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項9】
前記移送手段は、コンベア機構を有し、前記積載段荷物を前記載置部に対応する位置に移送する、請求項8記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項10】
前記載置手段は、前記積載段荷物を、前記コンベア機構と交差する方向に移動させることで、前記載置部に載置する、請求項9記載のかご台車への荷物積載装置。
【請求項11】
前記載置手段は、前記積載段荷物の位置調整を行う、請求項10記載のかご台車への荷物積載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が箱詰めされた荷物を、かご台車へ積載効率の良い状態に積載する、かご台車への荷物積載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の嗜好の多様化に伴って、多くの種類の物品が製造されている。これらの多種多様な物品は、様々な製造業者により製造されている。日本であれ海外であれ、様々な地域にある製造業者により製造される。このため、多くの物品が、様々な地域から他の地域へ配送されることが必要となる。
【0003】
このような物品は、製造業者から小売業者や卸売業者などへ配送される。あるいは、配送業者が集荷して、配送業者が様々な物品をまとめて配送することもある
【0004】
また、インターネットショッピングが隆盛である。顧客が、従来の店舗型商店(スーパーマーケットや百貨店)などに直接訪問して商品を購入して持ち帰るスタイルから、インターネット上で商品を発注して電子決済するようになっている。このようなインターネットショッピングでも、注文・決済された商品が、購入者へ配送される必要がある。
【0005】
このような場合にも、様々な物品が製造業者、販売業者などから、購入者へ配送される。あるいは、配送業者によって集荷されて配送される。物品は、段ボールなどの箱に収納された状態で配送されることも多い。配送時における物品への損傷などを防ぎつつ、配送先や配送量などの管理のためである。
【0006】
もちろん、同一品種の物品を詰めた多数の箱を、台車に積み込む必要が、様々な場面で存在する。同じ商品を詰めた複数の段ボール箱を、台車に積載するような場合は多々ある。
【0007】
製造業者、販売業者、配送業者など様々な役割をもつ主体者が、物品を必要な場所に配送する。
【0008】
上述したように、物品をそのまま配送するのではなく、段ボールなどの箱に収納して配送することが多い。すなわち、箱に入った荷物の状態として、物品は配送される。箱にバーコードや二次元バーコードなどが付されることで、配送管理がなされる。
【0009】
ここで、物品が箱詰めされた荷物は、トラック、貨物列車、船などに積まれて配送される。このとき、箱詰めされた荷物は、作業効率を高めるために、かご台車などに積載された状態で、トラックなどに積まれる。多数の荷物をまとめてトラックなどに積むことで、配送効率が上がるからである。
【0010】
もちろん、かご台車などに複数の荷物が積載されることで、作業者の作業負担や肉体的負担は軽減される。配送後の、荷下ろしでの効率化も高まるメリットもある。例えば、同一配送先に関する複数の荷物を、あるかご台車にまとめて積載することで、配送効率や作業効率を高めることができる。トラックなどで運搬されたこのかご台車を、ある配送先に引き渡すだけで済むからである。
【0011】
このように、多種多様な物品が収納された荷物を、効率よく配送するための積載が必要となっている。このような関連での技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1は、出荷指示情報に基づいて、該当する商品ケース12をピックし、ベルトコンベア(搬送手段)14により搬送させていく商品ケース搬送ステップと、商品ケース12の特性情報を認識するとともに、特性情報に該当するストレージ用搬送手段20へと仕分け搬送させる商品ケース仕分けステップと、商品ケース12を積み付け、出荷先へと搬送するために用いるカートラック22を商品ケース12の積み付けエリア26へと移動させるカートラック移動ステップと、出荷指示情報と、商品ケース12の特性情報と、商品ケース12の載置状態から積み付けデータを作成し、出荷指示情報に基づいてカートラック22に所定の位置及び順序で積み付けていく商品ケース積み付けステップと、各カートラック22を積み付けエリア26から払い出すカートラック払い出しステップとを含む自動積み付けシステムを開示する。
【0014】
しかしながら、自動機構によって商品を搬送台車に積んでいくために、この機構の動作に必要となる動作領域の確保のために、搬送台車に積載される商品同士の間に距離を生じさせる必要がある。あるいは、自動機構での積載の結果、商品同士の間に必然的に距離が生じてしまう。
【0015】
また、搬送台車の幅と、商品の幅との比例関係があっておらず、搬送台車の横方向に複数の商品を積載すると、どうしても隙間が生じる可能性がある。
【0016】
このように、搬送台車に積載された荷物同士の間に距離が生じると、トラックなどで運送中に、荷物が倒れてしまう問題がある。荷物が倒れてしまうと、当然に収納されている商品や物品に損傷などの問題が生じうる。
【0017】
転倒を防ぐために、荷物を積載している状態で台車をフィルムで巻いて荷物を固定するなどが必要となる。これは、コストや手間、また配送後の荷下ろしでの手間などに繋がる問題がある。
【0018】
このように、特許文献1などのような従来技術は、台車に荷物を自動で積み込む技術を開示しているが、(1)荷物同士の間に隙間が生じてしまう、(2)隙間が生じた状態での運搬で荷物の転倒が生じてしまう、(3)台車への荷物の積載効率が下がる、(4)転倒防止のための対策での手間やコスト増加、といった問題があった。
【0019】
また、実際の現場では、機械で積載すると入りきれない全体幅となる一列の荷物を、人力で無理に押し込んで、いわゆるぎゅうぎゅう詰めで台車幅と荷物の全体幅を合わせるような作業を行っていた。当然、載置、積載、適切な積み込みの全てが人力となって、機械による載置や積載がそもそもできない問題もあった。
【0020】
また、実際の現場では、熟練した作業者であれば、機械で積載すると入りきれない全体幅となる一列の荷物を、加減を見ながら積み込むことで、いわゆるぎゅうぎゅう詰めで台車幅と荷物の全体幅を合わせるような作業が可能であった。当然、載置、積載、適切な積み込みの全てが人力となって、機械による載置や積載がそもそもできない問題もあった。
【0021】
加えて、かご台車に人力で荷物を積載することになると、多量の荷物を積載することは困難である。労力や時間などの問題があるからである。上述したように、多量の荷物をかご台車に次々と積載する必要がある。この場合には、人力では難しい。また、隙間が生じるような積載も、運搬中の荷崩れなどの問題を連続的に発生させることになる。あるいは機械と人力を混在させて積載を行う必要があり、これも現実的ではない。
【0022】
すなわち、従来技術では上述した問題に加えて、多量の荷物を効率よくかご台車に積載することができない問題があった。
【0023】
本発明は、上記の課題に鑑み、かご台車に積載効率よく荷物同士の隙間が生じにくいようにかご台車に荷物を積載する、かご台車への荷物積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題に鑑み、本発明のかご台車への荷物積載装置は、かご台車の底板から上方に向けて第1段、第2段・・第N段に荷物を積載するかご台車への荷物積載装置で合って、
前記荷物を収容している荷物収容エリアから、前記第1段、第2段・・第N段に対応する荷物(以下、「積載段荷物」という)を取り出す取り出し機構と、
前記取り出し機構で取り出された積載段荷物を移送させる移送機構と、
前記移送された積載段荷物を、前記かご台車に積載する積載機構とを、備え、
前記積載機構は、
第1載置台、前記第1載置台の一方側に連結する第2載置台、前記第1載置台の他方側に連結する第3載置台を有する載置部と、
前記第1載置台の上下移動、前記第2載置台の左右移動および前記第3載置台の左右移動を制御する移動制御部と、
前記載置部を、かご台車に挿入するもしくは前記かご台車から引き抜く動作を制御する積載制御部と、を備え、
前記第1載置台は、荷物を載置可能であると共に上下移動可能であり、
前記第2載置台は、荷物を載置可能であると共に左右移動可能であり、
前記第3載置台は、荷物を載置可能であると共に左右移動可能であり、
前記載置部に載置される前記積載段荷物の全体幅が、前記かご台車の幅より大きい場合(以下、「幅超え状態」という)には、
前記移動制御部は、前記第1載置台を上方に移動させ、前記第2載置台および前記第3載置台を前記第1載置台に向けて移動させて、前記複数の荷物を山なり状態にさせ、
前記積載制御部は、前記載置部の前記複数の荷物が山なりになった状態で、前記載置部を前記かご台車に挿入し、
前記載置部に載置される前記積載段荷物の全体幅が、前記かご台車の幅以下である場合(以下、「幅以下状態」という)には、
前記移動制御部は、前記第1載置台、前記第2載置台および前記第3載置台に載置された前記複数の荷物を平行状態にさせ、
前記積載制御部は、前記載置部の前記複数の荷物が平行になった状態で、前記載置部を、前記かご台車に挿入する。
【発明の効果】
【0025】
本発明のかご台車への荷物積載装置は、かご台車へ積載可能な数の荷物を効率よく積載することができる。積載効率が向上することで、荷物の配送能力を向上させて、配送コストを低減させることができる。
【0026】
また、隙間を減少させてかご台車に荷物を積載できるので、運搬中の荷物の転倒を防止できる。これにより、荷物の損傷や取り換えの必要性などを防止できる。また、隙間が生じることでの転倒防止のために荷物全体をフィルム巻きするなどの余分な手間を削減できる。
【0027】
また、かご台車の形状や大きさに合わせて最適化された個数の荷物を積載できることで、トータルとしてのコストや環境負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】発明者の分析による従来技術でのかご台車への荷物の積載状態を示す模式図である。
【
図2】従来技術でのかご台車への荷物の積載状態を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるかご台車への第1段の荷物を積載する状態を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施の形態1における荷物積載装置のブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態1におけるかご台車に荷物が積載された状態を示す正面図である。
【
図6】本発明の実施の形態1における移送機構での動作を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態におけるかご台車への第1段の荷物を積載する状態を示す模式図である。
【
図8】第1段から第2段への荷物の積載を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施の形態1における第2段から第4段の荷物の積み込みを示す模式図である。
【
図10】本発明の実施の形態1における積載機構の模式図である。
【
図11】本発明の実施の形態における載置部の機能を示す模式図である。
【
図12】第1載置台21~第3載置台23の移動動作によって、積載段荷物210の荷物200が山なり状態となったことを示す模式図である。
【
図13】本発明の実施の形態1における荷物積載装置によるかご台車への荷物積載の過程を示す模式図である。
【
図14】本発明の実施の形態2における移送機構から積載機構への荷物の私を示す側面図である。
【
図15】本発明の実施の形態2におけるかご台車に対する載置部の上下移動を説明する側面図である。
【
図16】本発明の実施の形態2における積載機構周辺の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の第1の発明に係るかご台車への荷物積載装置は、かご台車の底板から上方に向けて第1段、第2段・・第N段に荷物を積載するかご台車への荷物積載装置であって、
前記荷物を収容している荷物収容エリアから、前記第1段、第2段・・第N段に対応する荷物(以下、「積載段荷物」という)を取り出す取り出し機構と、
前記取り出し機構で取り出された積載段荷物を移送させる移送機構と、
前記移送された積載段荷物を、前記かご台車に積載する積載機構とを、備え、
前記積載機構は、
第1載置台、前記第1載置台の一方側に連結する第2載置台、前記第1載置台の他方側に連結する第3載置台を有する載置部と、
前記第1載置台の上下移動、前記第2載置台の左右移動および前記第3載置台の左右移動を制御する移動制御部と、
前記載置部を、かご台車に挿入するもしくは前記かご台車から引き抜く動作を制御する積載制御部と、を備え、
前記第1載置台は、荷物を載置可能であると共に上下移動可能であり、
前記第2載置台は、荷物を載置可能であると共に左右移動可能であり、
前記第3載置台は、荷物を載置可能であると共に左右移動可能であり、
前記載置部に載置される前記積載段荷物の全体幅が、前記かご台車の幅より大きい場合(以下、「幅超え状態」という)には、
前記移動制御部は、前記第1載置台を上方に移動させ、前記第2載置台および前記第3載置台を前記第1載置台に向けて移動させて、前記複数の荷物を山なり状態にさせ、
前記積載制御部は、前記載置部の前記複数の荷物が山なりになった状態で、前記載置部を前記かご台車に挿入し、
前記載置部に載置される前記積載段荷物の全体幅が、前記かご台車の幅以下である場合(以下、「幅以下状態」という)には、
前記移動制御部は、前記第1載置台、前記第2載置台および前記第3載置台に載置された前記複数の荷物を平行状態にさせ、
前記積載制御部は、前記載置部の前記複数の荷物が平行になった状態で、前記載置部を、前記かご台車に挿入する。
【0030】
この構成により、かご台車の横幅一杯に隙間なく荷物を積むことができる。隙間が生じて運搬中に荷崩れすることを防止できる。また人力でぎゅうぎゅう詰めする作業負担を削減できる。
【0031】
本発明の第2の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第1の発明に加えて、前記幅超え状態では、前記移動制御部は、
前記荷物を載置している前記第1載置台を上昇させ、
前記荷物を載置している前記第2載置台と前記第3載置台を前記第1載置台に近づけ、
前記載置部に載置されている積載段荷物の底面側の全体幅は、前記かご台車の幅以下となる。
【0032】
この構成により、幅超え状態でも、かご台車に積み込むことができるようになる。特に、積載段荷物の底部部分の幅がそのままの状態よりも小さくなり、かご台車の底側の狭さにも対応して挿入することができる。挿入された後では、上から押さえ付けて押し込むことで、積載が可能となる。
【0033】
本発明の第3の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第1または第2の発明に加えて、前記かご台車は、底板および側面フレームを備え、
前記側面フレームは、前記底板から上方に向かって広がる形態を有し、
前記第1段~前記第N段に向かうにつれて、前記かご台車の幅が広くなる。
【0034】
この構成により、幅超え状態でも荷物を積載することができる。特に、人力ではなく、機械である荷物積載装置を用いた自動積載が可能となる。
【0035】
本発明の第4の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、前記積載制御部は、
前記第1段~第N段のそれぞれに対応する前記積載段荷物を載置している前記載置部を、前記かご台車に挿入し、
前記積載段荷物を前記かご台車に積載した後で、前記載置部を引き抜く。
【0036】
この構成により、荷物を段々に積むことができる。
【0037】
本発明の第5の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第4の発明に加えて、前記積載制御部は、
前記第1段~前記第N段の内で前記幅超え状態の段の上段に前記載置部を、前記かご台車に挿入させるのに合わせて、
前記載置部が、前記幅超え状態の段に積載された山なり状態の複数の荷物を押さえ付けるように制御する。
【0038】
この構成により、山なりで詰まれた荷物も、平行状態(平らな状態)にすることができる。
【0039】
本発明の第6の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、前記積載制御部は、前記載置部を、前記第1段~前記第N段において荷物を積載する高さに設定する。
【0040】
この構成により、段ごとに荷物を積載することができる。
【0041】
本発明の第7の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、前記取り出し機構は、前記荷物収容エリアから、積載段に対応する個数の荷物を、前記積載段荷物として移送手段に渡す。
【0042】
この構成により、積載機構で積載される荷物を、順々に移送させることができる。また、荷物収容エリアの荷物のかご台車への積載までつなげることができる。
【0043】
本発明の第8の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、前記移送機構は、
前記積載段荷物を前記積載機構に移送する移送手段と、
前記載置部に載置させる載置手段と、
を備える。
【0044】
この構成により、積載段に合わせた個数の積載段荷物が移送されて積載機構の載置部に載置される。これにより、移送機構で移送された積載段荷物が、積載機構によってかご台車へ積載されるように繋がる。
【0045】
本発明の第9の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第8の発明に加えて、前記移送手段は、コンベア機構を有し、前記積載段荷物を前記載置部に対応する位置に移送する。
【0046】
この構成により、効率よく荷物を移送できる。
【0047】
本発明の第10の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第9の発明に加えて、前記載置手段は、前記積載段荷物を、前記コンベア機構と交差する方向に移動させることで、前記載置部に載置する。
【0048】
この構成により、積載機構での積載に繋げることができる。
【0049】
本発明の第11の発明に係るかご台車への荷物積載装置では、第10の発明に加えて、前記載置手段は、前記積載段荷物の位置調整を行う。
【0050】
この構成により、載置部からかご台車への挿入での積載において、正しい姿勢と並びでの積載が可能となる。また、山なりにする場合でも平行のままとする場合でも、かご台車の横幅に最適にアジャストされて積載される。
【0051】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
(発明者による分析)
発明者は、従来技術での台車への荷物積載の問題点である隙間の発生を次のように分析した。
図1は、発明者の分析による従来技術でのかご台車への荷物の積載状態を示す模式図である。かご台車の幅と複数の荷物の全体幅が合っていないことが多い(荷物の幅がかご台車の幅と比例していない)。このため、荷物をかご台車に積載すると、綺麗に嵌まらずに最後の一つが積載できない。
図1のように、右端に余り領域が生じてしまう。
【0053】
この余り領域にもう一つの荷物を入れようとすると、人力や機械を用いて、無理やり押し込む必要がある。こうなると、作業の手間が増える問題がある。
【0054】
一方で、複数の荷物を幅の余裕をもって積載すると、
図2のように、複数の荷物同士の間に隙間が生じてしまう。
図2は、従来技術でのかご台車への荷物の積載状態を示す模式図である。
図1,
図2のいずれの場合でも、隙間があることで、荷物を積載したかご台車をトラックなどで運搬する際に、荷物が転倒する懸念がある。
【0055】
もちろん、上述した通り、もう一つの荷物を入れて手作業や別途の機械を用いた機械作業で、押し込んで隙間を無くすことは、手間やコストを増加させる問題がある。発明者は、このような分析に基づいて、複数の荷物をかご台車の幅に合わせるように効率よく積載する荷物積載装置に至った。
【0056】
特に、手作業でぎゅうぎゅうに押し込むことも不可能ではないが、作業者の作業負担が増える問題がある。勿論、積載に要する人的資源も余分に必要となり、積載の自動化が困難となる。また、人的作業による作業時間の長大化の問題も生じる。
【0057】
(実施の形態1)
【0058】
(全体概要)
図4は、本発明の実施の形態1における荷物積載装置のブロック図である。荷物積載装置1の全体を、上から見た状態を示している。加えて、
図4では、荷物積載装置1において荷物が積載されたかご台車を移動させたり操作させたりする作業者500を合わせて示している。
【0059】
荷物積載装置1は、かご台車100の底板から上方に向けて、第1段、第2段・・・第N段に荷物200を積載する。
図5のように、かご台車100の底板から第1段の荷物200が積載され、第1段の上の第2段に次の荷物200が積載され、第N段まで荷物200が積載される。この時、
図5に示されるように第1段~第N段において積載される荷物200は、横に複数の荷物200が並んだ状態である。
【0060】
図5は、本発明の実施の形態1におけるかご台車に荷物が積載された状態を示す正面図である。第1段~第N段の順に積載されて行く。この第1段、第2段・・第N段のそれぞれに対応する荷物200を、必要に応じて「積載段荷物」という。
【0061】
荷物積載装置1は、取り出し機構30、移送機構40、積載機構20を備える。
【0062】
取り出し機構30は、複数の荷物200を収容している荷物収容エリア220から、第1段、第2段・・第N段に対応する荷物200を取り出す。荷物収容エリア220には、段ボールのような箱形態の多数の荷物200が収容されている。また、次々と、荷物収容エリア220には新しい荷物200が運び込まれてもよい。
【0063】
取り出し機構30は、荷物収容エリア220から、積載段荷物を取り出す。これを移送機構40に引き渡して、最終的には積載段荷物をかご台車100に積載する。
【0064】
つまり、荷物積載装置1は、この荷物収容エリア220からかご台車100までに、荷物200を移動させて積載させる機能を有する。
【0065】
移送機構40は、取り出し機構30により取り出された積載段荷物を、積載機構20まで移送させる。積載段荷物として移送するので、移送される単位が、積載段荷物である。積載段荷物の単位で移送することで、積載機構20において積載段荷物の状態で、かご台車100に積載することができる。
【0066】
図6は、本発明の実施の形態1における移送機構での動作を示す斜視図である。移送機構40は、
図6にあるように積載段荷物210を移送する。積載段荷物210は、かご台車100と荷物200の幅の対比によって、含む荷物200の個数が決まる。取り出し機構30は、この定まる個数に対応する荷物200をまとめて取り出して、積載段荷物210の状態で移送機構40に引き渡す。
【0067】
移送機構40は、積載段荷物210を積載機構20に引き渡す。引き渡されることで、積載機構20は、荷物200を積載段荷物210の状態で、かご台車100に積載することができるようになる。
【0068】
積載機構20は、積載段荷物210の状態で、かご台車100の底板から上に向けて第1段、第2段・・第N段に対応する位置に積載していく。
図5のように、積載機構20によって、かご台車100に順々に荷物200が積載されて行く。
【0069】
積載機構20によって荷物200が積載されたかご台車100は、作業者500により、次のステージに移動させされる。また、作業者500は、新しい空のかご台車100を設置する。
【0070】
このように、荷物積載装置1は、荷物収容エリア220から積載された状態のかご台車100の搬出までの全体をカバーできる。
【0071】
(積載機構20による荷物の積載フロー)
【0072】
図7~
図9を用いて、積載機構20によるかご台車への荷物の積載フローについて説明する。まず、積載フロー(積載されている状態)を説明する。荷物積載装置1は、
図1、2などを用いて説明したように、積載段荷物210の幅は、かご台車100の横幅を超えること(「幅超え状態」)があり得る。このような前提があっても、かご台車100にきちんと収まるように積載できる。
【0073】
(第1段の荷物の積載)
図7は、本発明の実施の形態におけるかご台車への第1段の荷物を積載する状態を示す模式図である。
図7は、かご台車100を正面(荷物200を積み込むために開口している側)から見た状態を示している。
図8~
図9も同様である。
図7では、かご台車100の最下段である第1段に複数の荷物200を含む積載段荷物210が積載される。
【0074】
このとき、かご台車100の幅方向に対して(
図7の正面から見た横方向)複数の荷物200が並んだ状態(積載段荷物210の状態)で積載される。第1段の積載段荷物210の全体幅が、かご台車100の第1段に対応する領域の幅より大きいことがある(以下、「幅超え状態」という)。
図7はこの状態を示している。
【0075】
このように幅超え状態では、積載機構20は、複数の荷物200を
図3のように山なりにしてかご台車100に挿入する。真ん中にある荷物200を両サイドの荷物200より上の位置になるようにする。この位置関係によって、底部側の全体幅が本来より小さくなり、かご台車100に挿入可能となる。
【0076】
ここで、かご台車100は、底板102および側面フレーム101を備える。側面フレーム101は、底板102から上方に向かって広がる形態を有している。
図7の正面から見た状態は、これを示している。両サイドの側面フレーム101が上に向かって広がっているので、第1段から上に向けた第2段、第3段・・と行くにつれて、幅が大きくなる状態となる。
【0077】
まずは、積載機構20は、第1段に積載段荷物210を積み込む。幅超え状態であれば、
図7のように、中央の荷物200を上に上げる位置関係として、山なり状態としてかご台車100の幅に入るように第1段の荷物200を積み込む。
【0078】
(第1段から第2段)
図7に続いて、
図8のようになる。
図8は、第1段から第2段への荷物の積載を示す模式図である。積載機構20により、
図8左のように、中央の荷物200が上に上がり、両サイドの荷物200がそれより下の位置である状態で、かご台車100に積み込まれている。
【0079】
次いで、
図8の右側の状態となる。積載機構20は、第1段の積載段荷物210の上に、第2段の積載段荷物210を積載する。後述するが、積載機構20は、1段ごとの積載段荷物210を乗せる載置部を備える。
図8の左側のように、かご台車100に第1段の積載段荷物210が積載されている状態から、
図8の右側のように載置部に乗った積載段荷物210が、第2段の位置に積み込まれる。
【0080】
図8の右側のように、第2段の積載段荷物210が積まれる際に、載置部は第1段の積載段荷物210を上から押さえる。この押さえつけと、第2段の積載段荷物210の荷重によって、山なりとなっていた第1段の積載段荷物210は、
図8の右側のように平らな状態となる。
【0081】
また、第2段の積載段荷物210の全体幅は、かご台車100の幅以下である場合(以下、「幅以下状態」という)には、第2段の積載段荷物210は、平行状態のまま、かご台車100の第2段の位置に積み込まれる。
【0082】
これらの結果、山なりだった第1段の積載段荷物210は押さえつけられて平らとなり、第2段の積載段荷物210は平らな状態で積載された状態となる。
図8の右側のように、第1段、第2段のそれぞれで積載段荷物210が平らとなる。こうして、底板102から上の段に向けて、平行で平らな状態で積載段荷物210が積まれて行く。
【0083】
もちろん、第2段においても幅超え状態の場合には、第2段の積載段荷物210も、第1段と同じように山なり状態で積み込まれる。その第2段の上の第3段の積載段荷物210が積まれる時に、載置部により上から押さえ付けられて第2段の積載段荷物210も平らな状態となる。
【0084】
(第2段からそれ以降)
図9は、本発明の実施の形態1における第2段から第4段の荷物の積み込みを示す模式図である。かご台車100の側面フレーム101は、上に向けて広がる態様である。このため、第2段、第3段、第4段・・第N段と上がっていくにつれて、その高さでのかご台車100の幅は広くなる。このため、上の段に行くと、積載機構20は、平らな状態で積載段荷物210を載せていくことができる。こうして、
図9のように上の段に向けて積載段荷物210を積載することができる。
【0085】
なお、
図9では、上の段の積載段荷物210の全体幅が大きいが、このようにする必要があるわけではなく、第1段から第N段に積載される積載段荷物210の全体幅は、同一でもよい。
【0086】
図7~
図9で説明したように、本発明の荷物積載装置1は、底板102の第1段から第N段に向けて積載段荷物210が積載される。このとき、幅超え状態では、中央の荷物200を両サイドの荷物より上に上げて底面側の幅を狭くして積載する。山なりとなっている段の荷物200に対しては、次の段の積載段荷物210が積まれる際に押さえつけられて平らとされる。このフローで積載されることで、幅超えとなってしまうかご台車100への積載段荷物210の積み込みでも、人力で調整しつつ押さえつけるなどの作業を不要として、機械である荷物積載装置による積載が可能となる。
【0087】
(積載機構の構成と機能説明)
【0088】
積載機構20の構成と機能について説明する。
【0089】
図10は、本発明の実施の形態1における積載機構の模式図である。積載機構20は、移送機構40で移送された積載段荷物210に含まれる複数の荷物200を載置して、かご台車100への挿入によりかご台車100に積載段荷物210を積載する。また、かご台車100から載置部2の引抜動作も行って、積載段荷物210を積載した後で、次段に対応する積載段荷物210の積載に動作変化できる。
【0090】
積載機構20は、載置部2,移動制御部3,積載制御部4を備える。載置部2は、
図7などで説明したかご台車100の第1段~第N段に対応する一列の積載段荷物210を載置する。載置部2の幅方向に沿って複数の荷物200が載置され、この載置された列状態の複数の荷物200が、積載段荷物210である。これが、かご台車の第1段、第2段などの位置に積まれて行く。
【0091】
載置部2は、中央の第1載置台21、第1載置台21の両側に備わる第2載置台22、第3載置台23とを備える。第1載置台21と第2載置台22は連結しており、第1載置台21と第3載置台23とも連結している。第1載置台21、第2載置台22、第3載置台33のそれぞれに荷物200が載置されて、これらにより載置部2全体で複数の荷物200である積載段荷物210が載置される。
【0092】
また、載置部2がかご台車100に挿入されてかご台車100に荷物が積み込まれる。載置部2は、かご台車100の幅に対応しており、載置部2がかご台車100に挿入されて載置している荷物200を下ろすことで、かご台車100に積載段荷物210が積載される。載置部2の挿入と引き抜きが繰り返されることで、第1段~第N段への積載段荷物210の積載が進む。
【0093】
すなわち、載置部2に載置された複数の荷物200の全体幅が、かご台車100の幅との比較で、幅超え状態もしくは幅以下状態となる。
【0094】
載置部2は、第1載置台21~第3載置台23を備える。ここで、
図11に示されるように、第1載置台21~第3載置台23のそれぞれは、移動動作可能である(移動動作とは、上下への可動や左右の可動を言う)。
図11は、本発明の実施の形態における載置部の機能を示す模式図である。
【0095】
第1載置台21は、荷物200を載置可能であると共に上下移動可能である。第1載置台21の上下移動を可能とする上下駆動部31が載置部2に備わる。移動制御部3は、上下駆動部31を動作させることで、第1載置台21を上下移動させることができる。
【0096】
第2載置台22は、荷物200を載置可能であると共に左右移動可能である。第2載置台22の左右移動を可能とする左右駆動部32が載置部2に備わる。移動制御部3は、左右駆動部32を動作させることで、第2載置台22を左右移動させることができる。
【0097】
第3載置台23は、荷物200を載置可能であると共に左右移動可能である。第3載置台23の左右移動を可能とする左右駆動部33が載置部2に備わる。移動制御部3は、左右駆動部33を動作させることで、第3載置台23を左右移動させることができる。
【0098】
荷物200を載せた状態で、第1載置台21が上方に移動すると、第1載置台21に載置されている荷物200が上方に位置するようになる。このとき、第2載置台22と第3載置台23とが上方移動しないので、第1載置台21に乗っている荷物200だけが上方に位置する状態となる。
【0099】
加えて、第2載置台22が第1載置台21に近づくように左右移動し、第3載置台23も第1載置台23に近づくように左右移動する。こうすることで、第1載置台21~第3載置台23に載置されている複数の荷物200は、
図3のように山なりの態様となる。
【0100】
図12は、この第1載置台21~第3載置台23の移動動作によって、積載段荷物210の荷物200が山なり状態となったことを示す模式図である。
【0101】
載置部2に載置されている複数の積載段荷物210の全体幅が、挿入する段のかご台車100の幅を超える幅超え状態では、
図12の左側の状態(複数の荷物200が平行)では、かご台車100に積めない。この幅超え状態では、
図12の右側のように、第1載置台21を上方に移動させ、第2載置台22および第3載置台23を第1載置台21に近づけることで、載置部2の幅は小さくなる。すなわち、積載段荷物210の底部の全体幅が小さくなり、かご台車100の幅に合わせて挿入が可能となる。積載段荷物210は、
図12の右側のように山なり状態となる。
【0102】
積載制御部4は、載置部2をかご台車100への挿入するもしくはかご台車100からの引抜を制御する。荷物200が載置された載置部2を、かご台車100に挿入する。挿入後に、載置部2から積載段荷物210をかご台車100に下ろす。積載制御部4は、積載段荷物210を下ろし終わった載置部2をかご台車100から引き抜く。すなわち戻す。
【0103】
積載制御部4は、載置部2のかご台車100への出し入れを制御する。また、
図9に示すように、荷物積載装置1は、かご台車100の底板102から上に向けて、第1段、第2段、第3段・・と積載段荷物210を積載する。積載制御部4は、これに合わせて、載置部2を第1段、第2段、第3段・・・の位置に移動させることを行う。
【0104】
以上をまとめると次のようになる。
【0105】
載置部2には、第1段に対応する複数の荷物200(積載段荷物210)が載置される。このとき、載置部2を構成する第1載置台21、第2載置台22,第3載置台23のそれぞれに荷物200が載置される。移動制御部3および積載制御部4の少なくとも一方は、積載段荷物210の全体幅(載置部2の幅により計測してもよい)とかご台車100における積載段荷物210を積む段の幅とを比較する(センサーなどによる計測器、あるいは、予めプログラムされた数値から判断する)。
【0106】
この比較の結果、幅超え状態であれば、移動制御部3は、第1載置台21を上方に移動させ、第2載置台22と第3載置台23を、第1載置台21に向けて移動させる。
図9のようにする。すなわち、第1段に対応する積載段荷物210は、載置部2の上で山なりとなる。
【0107】
この山なりとなることで、積載段荷物210の底面幅は小さくなり、幅超え状態であっても、かご台車100の第1段の位置に挿入可能となる。この挿入可能な状態で、積載制御部4は、第1段の位置に載置部2を挿入する。すなわち、山なり状態で、載置部2を挿入する。挿入された載置部2は、積載段荷物210を第1段の位置に置く。積載制御部4が、載置部2を傾けるなどして荷物200を下ろして積めばよい。
【0108】
積載制御部4は、積載段荷物210をかご台車100に積み終わると、載置部2を引き抜く(引き戻す)。これにより、載置部2は、次の段に対応する積載段荷物210を載置できるようになる。
【0109】
次いで、載置部2は、第2段に対応する積載段荷物210を載置する。このとき、積載段荷物210の全体幅と第2段でのかご台車100の幅とを比較して、幅超え状態であるか、幅以下状態であるかを判断する。幅超え状態であれば、第1段の場合と同じように、移動制御部3は、第1載置台21を上に移動させ、第2載置台22と第3載置台23を第1載置台21に向けて移動させる。
【0110】
逆に、幅以下状態であれば、移動制御部3は、第1載置台21、第2載置台22および第3載置台23を平行状態のままとして、載置している積載段荷物210を平行状態(
図12の左側)にする。積載制御部4は、この状態で、載置部2をかご台車100の第2段の位置に挿入する。挿入後に、載置部2から積載段荷物210をかご台車100の第2段の位置に積む。
【0111】
このとき、第1段の積載段荷物210の上に第2段の積載段荷物210が乗っている。第1段の積載段荷物210は山なりである。積載制御部4は、載置部2を操作して、第1段の積載段荷物210を上から押さえる。圧力を加えることで押さえる。第2段に積載段荷物210が積まれたときには、載置部2は、第1段の荷物200の上にあるからである。
【0112】
この押さえつけにより、山なりになっていた第1段の積載段荷物210は平行状態に近づく。第2段の積載段荷物210の荷重も加わり、並列になっていく。
図8、
図9などに示すとおりである。人力で押し込んで詰め込むのと同じことが機械で実行される。
【0113】
第3段以降についても同様である。結果として、
図9のように複数の段で積載段荷物210の積載ができる。従来技術のように隙間ができることを防止できる。また、隙間を出さないように人力で押さえつけてぎゅうぎゅう詰めにする負担が削減できる。
【0114】
かご台車100には、底板102から上に向けて第1段、第2段、第3段・・・第N段と積み重ねられていく。この第1段~のいずれかにおいて、幅超え状態の段においては、上述のように載置部2に載置される積載段荷物210を山なりにする。幅以下状態の段においては、載置部2に載置される積載段荷物210は平行状態のままである。これにより、それぞれに適した荷物200の積載ができる。
【0115】
第1段~第N段は、幅超え状態および幅以下状態の少なくとも一方を含む。幅超え状態では載置部2の積載段荷物210を山なりにし、幅以下状態では、載置部2の積載段荷物210を平行にする。
【0116】
(荷物積載装置による積載)
図13は、本発明の実施の形態1における荷物積載装置によるかご台車への荷物積載の過程を示す模式図である。既述した動作を行って、荷物積載装置1は、かご台車100に、第1段~第N段と荷物200を積載していく。
【0117】
図13に示されるように、1~11の順序で荷物200が積載されて行く。第1段においては、積載段荷物210の全体幅が幅超え状態である。この場合には、載置部2において、第1載置台21が上方に移動し、第2載置台22と第3載置台23とは、第1載置台21に近づく。これにより、
図13の1のように第1段の積載段荷物210は山なりとなる。
【0118】
第2段においても、幅超え状態であるので、やはり積載段荷物210は山なり状態で積載される。第3段においては、幅以下状態であるので、平行状態で積載段荷物210を積載する。
【0119】
幅超え状態では、第2載置台22および第3載置台23の底面の位置に対して、第1載置台21の底面の位置は高い位置となる。このような態様での荷物の載置により、積載段荷物210はやまなりになる。第1載置台21に載置されている荷物200の底面は、第2載置台22や第3載置台23に載置されている荷物200の底面の位置よりも高くなるからである。
【0120】
幅以下状態では、第1載置台21,第2載置台22、第3載置台23の底面は、略同一の高さとなる。この略同一の高さにより、載置されている荷物200は、平行状態となる。移動制御部3により、載置部2がこのように制御されて、積載段荷物210を、その段に合わせた積載ができるようになる。また、積載制御部4は、積み込む段の高さに、載置部2の高さを合わせる。こうして、第1段~第3段と、積載段荷物210が積載される。
【0121】
図13では、第1段の積載段荷物210が積載された後で、山なりだった積載段荷物210が平行状態になっている。上の段の積載段荷物210を積む前に、載置部2によって山なりの荷物200を押さえつけて、平行状態にする。あるいは、
図7~9で説明したように、山なりとなっている段の積載段荷物210の上の段の積載段荷物210が積載される際に、載置部2で押さえつけることで山なりから平行にしてもよい。
【0122】
このように、第1段~第3段の順序で積載段荷物210を積載する過程で、幅超え状態の段での段と幅以下状態での段とのそれぞれに対応して積載段荷物210を積載する。これにより、最終的に必要な段数の積載段荷物210を、かご台車100に積載できる。また、幅超え状態の段もきっちりと幅方向に積めることができるので、隙間の無い状態での積載となる。
【0123】
これにより、運送中に荷物が落下するなどの問題を防止できる。
【0124】
図13に示されるようなかご台車100への積載は、積載制御部4によって行われる。
【0125】
積載制御部4は、第1段~第N段のそれぞれに対応する荷物を載置している載置部2を、かご台車100に積載していく。このとき、載置部2に積載段荷物210が載置されている状態で、積載制御部4は、かご台車100に積載段荷物210の乗った載置部2を挿入する。これにより、積載段荷物210がかご台車100に積まれる。その後で、積載制御部4は、載置部2をかご台車100から引き抜く。
【0126】
また、積載制御部4は、山なりの積載段荷物210の上から載置部2を押さえ付けるように制御する。この押さえつけにより、山なりの態様の積載段荷物210を平行にできる。
【0127】
以上のように、実施の形態1の荷物積載装置1は、かご台車100に対して、隣接する荷物200同士に隙間が生じるのを防止できる。また、隙間を生じさせないために、人力で押し込んでぎゅうぎゅう詰めにする作業負担を削減できる。
【0128】
(実施の形態2)
【0129】
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2では、取り出し機構30や移動機構40の詳細などについて説明する。
【0130】
(荷物収容エリア)
図4に示すように、荷物収容エリア220は、複数の荷物200を収容する。荷物200は、物品を収容する段ボール箱のような態様である。段ボール箱だけでなく、他の形態の箱状のものであることもある。
【0131】
荷物収容エリア220には、多数の荷物200が収容されており、取り出し機構30により取り出される。このとき、取り出し機構30は、かご台車100への積載の第1段・・などに合わせた積載段荷物210の態様で取り出す。すなわち、積載段荷物210の個数が荷物200が5個であれば、取り出し機構30は、5個の荷物200を取り出す。
【0132】
このため、これに合わせて荷物収容エリアでは、5個の荷物200を基準として列になって収容されていることもよい。勿論、かご台車100のサイズ、荷物200のサイズ、同じかご台車100であっても第1段・・・第N段など、段によって積載可能な個数が異なる、などがある。このため、荷物収容エリア220で、積載段荷物210の個数に合わせた個数で収容されていなくてもよい。
【0133】
荷物収容エリア220には、次の荷物200が供給される供給機能が繋がっていることもよい。コンベアなどで荷物200が供給されたり、人力で荷物200が供給されたり、輸送機械で荷物200が供給されたりする。このようにして、荷物収容エリア220は、かご台車100に積載するのに必要な荷物200を収容している。
【0134】
(取り出し機構)
取り出し機構30は、荷物収容エリア220から荷物200を取り出す。取り出された荷物200は、移送機構を通じて、積載機構20に運ばれる。取り出し機構30は、移動するフレーム板あるいはロボットアームなどを備えて、これにより、荷物収容エリア220から移送機構40に荷物200を取り出すことができる。
【0135】
あるいは、荷物収容エリア220と移送機構との間にローラーが備わっており、このローラーによって荷物200が移送機構に引き渡されてもよい。
【0136】
ここで、取り出し機構30は、荷物収容エリア220から、積載段荷物210に相当する個数の荷物200を取り出すことが好適である。
図6においては、積載段荷物210(かご台車100の積載段に積むのに対応する個数の荷物200)を、取り出して移送機構40で移送している状態が示されている。
【0137】
取り出し機構30が、積載段荷物210に対応する個数の荷物200を取り出すことで、移送機構40、積載機構20での作業を効率化できる。積載機構20では、積載段荷物210を一つの単位として処理するからである。
【0138】
このため、取り出し機構30は、荷物200の個数や積載段荷物210に対応する幅を把握するセンサーを備えることでもよい。あるいは、予めプログラミングされて、このプログラミングに応じて、積載段荷物210に対応する個数の荷物200を取り出してもよい。勿論、作業者が、必要に応じて操作スイッチなどを操作して、取り出す荷物200の個数を調整してもよい。
【0139】
取り出し機構30は、移送機構40と繋がっており、取り出された荷物200は、そのまま移送機構40によって移送される。
図6は、この移送機構40での移送も示している。
【0140】
(移送機構)
移送機構40は、
図6に示されるように、取り出し機構30で取り出された荷物200を積載機構20まで移送する。
図66のようなローラーコンベアや、ベルトコンベアなどのコンベア機構により、荷物200を移送すればよい。また、積載段荷物210の個数に合わせた荷物200を、一つの単位として移送することでもよい。
【0141】
これを一つの単位として移送することで、移送機構40で移送された荷物200を、そのまま積載機構20が積載処理することが効率的に行えるからである。送られた単位の数の荷物200を、積載機構20をそのまま取り扱えばよいからである。
【0142】
図14は、本発明の実施の形態2における移送機構から積載機構への荷物の私を示す側面図である。
【0143】
移送機構40は、荷物200を移送してから積載機構20に引き渡す。ここで、移送機構40は、積載段荷物210に対応する荷物200を移送する移送手段41と、積載機構20の載置部2に荷物200を載置する載置手段42とを備える。
図14は、この構成を示している。
【0144】
移送手段41は、荷物200を移送する。例えば、コンベア機構を有して、荷物200を載置部2に対応する位置まで移送させる。
図6は、ローラーコンベアが荷物200を移送させている状態を示している。この位置まで移送されると、荷物200は、積載機構20に渡される。
【0145】
載置手段42は、移送手段41で到着した荷物200を、積載機構20の載置部2に載置させる。
図14では、荷物200を載置部2に押し出す押出し機構が備わり、これが載置手段42の役割を果たしている。積載機構20と移送機構40の移送方向とは交差している。このため、押出し機構などによる載置手段42は、移送手段41の移送方向に交差する方向に、荷物200を移動させる。
【0146】
図14は、この交差方向での移動を示している。移送手段41で運ばれた荷物200が、
図14の右側から左側に向けた方向(移送手段41での移送方向に交差している)に、押し出されている。この押し出しによって、移送されてきた荷物200が、載置部2に載置される。
【0147】
また、載置手段42は、
図14のように積載段荷物210に対応する複数の荷物200を両サイドから挟むようにして保持し、載置部2に移動させてもよい。この両サイドから挟むことで、積載段荷物210に対応する複数の荷物200の幅方向の位置調整を行うことも好適である。
【0148】
加えて、荷物200の後方に部材を当てることで、積載段荷物210の荷物200の前後方向の位置調整を行うことも好適である。
【0149】
これらのように位置調整されてから載置部2に載置される。これにより、載置部2に乗せられた荷物200のそれぞれは、適切な状態で載置されている。この状態から、かご台車100に積みこまれるので、適切できれいな姿勢での積載が可能となる。
【0150】
位置調整された積載段荷物210の荷物200は、載置部2に載置される。載置部2は、実施の形態1で説明したように、必要に応じて山なりにされたり平行にされたりする。この態様変化の上で、載置部2が、かご台車100に挿入されて積載段荷物210が積み込まれる。
【0151】
(載置部の上下制御)
図15は、本発明の実施の形態2におけるかご台車に対する載置部の上下移動を説明する側面図である。かご台車100と積載機構20との相対関係に基づいて示している。
【0152】
積載制御部4は、かご台車100の第1段、第2段・・第N段に対応する位置に、載置部2を上下移動させる。
図15は、この上下移動を表している。この載置部2の上下移動により、積載すべき段への積載段荷物210の積み込みが適切に行われる。
【0153】
また、載置部2の上下移動に合わせて、載置手段42も上下移動してもよい。つまり、移送手段41で移送された積載段荷物210が載置手段42に載る。この載置手段42そのものが上下移動して、さらには載置部2もこれに合わせて上下移動することでもよい。このように載置部2が上下移動することで、積載すべき段への積載段荷物210が積み込める。
【0154】
(全体像)
図16は、本発明の実施の形態2における積載機構周辺の斜視図である。移送機構40で移送された荷物200が、載置部2からかご台車100に積載される様子を、かご台車100側から見た状態を示している。
【0155】
積載機構20は、必要に応じたフレーム52や制御ボックス51を備える。制御ボックス51は、作業者による操作や、操作に必要な基盤や操作機構が格納されている。
【0156】
移送手段41で移送された積載段荷物210は、載置手段42で、載置部2に載せられる。載置部2は、実施の形態1で説明したように、幅超え状態では積載段荷物210を山なりにする。
図16は、この状態を示している。また、この山なりにされた積載段荷物210は、かご台車100の一番下の第1段に積み込まれている。
【0157】
山なりにされた第1段の積載段荷物210の上に、更に第2段の積載段荷物210が積載される。この積載の過程で、山なりになっている状態が平らにならされて、最終的には、平らとなって複数の段数に荷物200が積載される。
図9の右側の状態になる。
【0158】
以上のように、荷物収容エリア220から、取り出し機構30で取り出され、移送機構40で移送された荷物200は、積載機構20によってかご台車100の段のそれぞれに順々に積載されて行く。最終的に、必要な荷物200が積載されたかご台車100は、次のステージに引き渡される。
【0159】
なお、実施の形態で説明されたかご台車への荷物積載装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【符号の説明】
【0160】
1 かご台車への荷物積載装置
2 載置部
21 第1載置台
22 第2載置台
23 第3載置台
3 移動制御部
4 積載制御部
100 かご台車
200 荷物
20 積載機構
30 取り出し機構
40 移送機構
41 移送手段
42 載置手段
210 積載段荷物
220 荷物収容エリア