IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社一冨士本店の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049064
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】荷下げ用フック
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/38 20060101AFI20230403BHJP
   B64D 9/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B66C1/38
B64D9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158570
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】503250218
【氏名又は名称】株式会社一冨士本店
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】工藤 政宣
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004CC01
3F004CD06
3F004EA40
(57)【要約】
【課題】構造が簡単で取扱いが容易な荷下げ用フックを提供する。
【解決手段】荷運搬装置による荷物の運搬に使用される荷下げ用フックであって、荷物を吊り下げるための鉤状部と、荷運搬装置から垂下される索状体に取付けるための取付部とを備え、取付部は、重心に対して鉤状部に近い部位から遠い部位まで索状体に移動可能に掛合する構成とした。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷運搬装置による荷物の運搬に使用されるものであって、
前記荷物を吊り下げるための鉤状部と、
前記荷運搬装置の被取付部に取付けるための取付部と、
を備え、
前記取付部は、重心に対して前記鉤状部に近い部位から遠い部位まで前記被取付部に移動可能に掛合する構成としたことを特徴とする荷下げ用フック。
【請求項2】
前記取付部は、前記被取付部を挿通させて取付けるための取付穴を有し、該取付穴内に重心が位置するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の荷下げ用フック。
【請求項3】
前記鉤状部の倒伏を阻止する倒伏阻止部材を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の荷下げ用フック。
【請求項4】
荷運搬装置による荷物の運搬に使用されるものであって、
前記荷物を吊り下げるための鉤状部と、
前記荷運搬装置の被取付部に取付けるための取付部と、
を備え、
前記取付部は、重心に対し前記鉤状部に近い部位で前記被取付部に掛合する構成としたことを特徴とする荷下げ用フック。
【請求項5】
前記取付部は、前記被取付部を挿通させて取付けるための取付穴を有し、該取付穴は、重心に対し前記鉤状部側に設けたことを特徴とする請求項4に記載の荷下げ用フック。
【請求項6】
前記鉤状部および前記取付部をそれぞれ一対づつ所定間隔を開けて備えたことを特徴とする請求項1または4に記載の荷下げ用フック。
【請求項7】
前記鉤状部および前記取付け部は、一本の線条体を屈曲して形成したことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の荷下げ用フック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンやヘリコプターなどの荷運搬装置による荷物の運搬に使用される荷下げ用フックに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の荷下げ用フックとしては、従来、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、様々な個所に荷重体を搬送して荷下げするような使用態様であっても、荷重体がフック部分から外れることがないようにした荷下用フックが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、吊り下げた荷物を自動にてリリースすることができる荷下用フックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-18929号公報
【特許文献2】特開2020-183326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれも構造が複雑で取扱いが面倒であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、構造が簡単で取扱いが容易な荷下げ用フックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、荷運搬装置による荷物の運搬に使用されるものであって、荷物を吊り下げるための鉤状部と、荷運搬装置の被取付部に取付けるための取付部とを備え、取付部は、重心に対して前記鉤状部に近い部位から遠い部位まで被取付部に移動可能に掛合する構成としたことを特徴とするものである。
【0009】
取付部は、被取付部を挿通させて取付けるための取付穴を有し、取付穴内に重心が位置するように構成するのが好ましい。
【0010】
また、鉤状部の倒伏を阻止する倒伏阻止部材を備えることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明は、荷運搬装置による荷物の運搬に使用されるものであって、荷物を吊り下げるための鉤状部と、荷運搬装置の被取付部に取付けるための取付部とを備え、取付部は、重心に対し前記鉤状部に近い部位で前記被取付部に掛合する構成としたことを特徴とするものである。
【0012】
取付部は、被取付部を挿通させて取付けるための取付穴を有し、取付穴は、重心に対し鉤状部側に設けるのが好ましい。
【0013】
また、鉤状部および取付部は、それぞれ一対づつ所定間隔を開けて備えてもよい。。
【0014】
さらに、鉤状部および取付部は、一本の線条体を屈曲して形成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、構造が簡単で取扱いが容易な荷下げ用フックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の第1実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図2】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図3】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図4】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図5】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図6】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図7】同荷下げ用フックの傾倒阻止部材の変形例を示す斜視図。
図8】同傾倒阻止部材の作用を説明するための斜視図。
図9】本発明の第2実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図10】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図11】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図12】本発明の第3実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図13】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図14】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図15】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図16】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図17】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図18】同荷下げ用フックの取付部の変形例を示す斜視図。
図19】同荷下げ用フックの取付部の他の変形例を示す斜視図。
図20】本発明の第4実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図21】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図22】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図23】同荷下げ用フックの作用を説明するための斜視図。
図24】本発明の第5実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図25】本発明の第6実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図26】同荷下げ用フックを示す正面図。
図27】同荷下げ用フックの変形例を示す斜視図。
図28】同荷下げ用フックの変形例を示す斜視図。
図29】同荷下げ用フックの変形例を示す斜視図。
図30】本発明の第7実施形態に係る荷下げ用フックを示す斜視図。
図31】同荷下げ用フックの変形例を示す正面図。
図32】同荷下げ用フックの変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1中、符号1は、本発明に係る荷下げ用フックを示している。
【0019】
この荷下げ用フック1は、ドローンやヘリコプターなどの荷運搬装置2による荷物Wの搬送に使用されるもので、フック本体3を有している。
【0020】
このフック本体3は、く字状に屈曲形成され、屈曲部4を境として一方が第1のフレーム部5、他方が第2のフレーム部6となっている。
【0021】
第1のフレーム部5の先端は屈曲部4の内角方向へ折返されていて、荷物Wを吊り下げるための鉤状部7となっている。
【0022】
また、第2のフレーム部6の先端には、鉤状部7の倒伏を阻止する倒伏阻止部8が連接されている。
【0023】
この倒伏阻止部8は、第2のフレーム6の先端に一端側が連結する一対の側辺部材9,9とこれら側辺部材9,9の他端側に連結する底辺部材10とによって三角形状に形成されている。
【0024】
また、フック本体3の屈曲部4には、荷運搬装置2の一部であってこの荷運搬装置2から垂下された索状体(被取付部)Sを取付けるための取付部11が設けられている。
【0025】
この取付部11は、第1のフレーム部5の中間部および第2のフレーム部6の中間部に両端が連結された湾曲状部材12を有していて、この湾曲状部材12、第1のフレーム部5、および第2のフレーム部6によって索状体Sが挿通可能な取付穴13が形成されている。
【0026】
そして、この取付穴13の鉤状部7に近い第1の部位14から遠い第2の部位15まで索状体Sが移動することができるようになっている。
【0027】
また、荷下げ用フック1の重心Gは、この第1の部位14と第2の部位15との間に位置するように構成されている。
【0028】
すなわち、取付部11は、荷下げ用フック1の重心Gに対して鉤状部7に近い第1の部位14から鉤状部7から遠い第2の部位15まで索状体Sを移動可能かつ支点として揺動可能に掛合することができるように構成されている。
【0029】
しかして、荷物Wの運搬時には、予め荷運搬装置2から垂下される索状体Sの下端部分が荷下げ用フック1の取付穴13に挿通され、取付穴13内において移動可能にフック本体3に結び付けられる。
【0030】
ついで、図1に示すように、荷物Wに取り付けられた紐状体Pが荷下げ用フック1の鉤状部7に引っ掛けられ、荷物Wが吊り上げられると、荷下げ用フック1は、鉤状部7が荷物Wの重量で下側になる。
【0031】
このとき、索状体Sは、取付部11の取付穴13の第2の部位15に位置し、すなわち、重心Gより上で荷下げ用フック1に掛合している。
【0032】
また、フック本体3はく字状に屈曲しているので、第2のフレーム部6および傾倒阻止部8が索状体Sと干渉することがない。
【0033】
ついで、図2に示すように、荷物Wが着地すると、紐状体Pが緩むが、荷下げ用フック1の鉤状部7は、重心Gが索状体Sの取付位置すなわち取付穴13の第2の部位15より下方となるため、鉤状部7は下側になっている。
【0034】
ついで、図3に示すように、荷下げ用フック1の鉤状部7の下端が荷物Wに当たると、図4に示すように、荷下げ用フック1は索状体Sを支点として回動し始める。
【0035】
ついで、図5に示すように、傾倒阻止部8が荷物Wに当たると、取付穴13の第2の部位15より第1の部位14が上になり、索状体Sを引き上げると、索状体Sは取付穴13内を第2の部位15から第1の部位14へ移動する。
【0036】
このとき、傾倒阻止部8が荷物Wに当たるので、鉤状部7の傾倒を阻止することができる。
【0037】
ついで、図6に示すように、索状体Sをさらに引き上げると、重心Gが第1の部位14より下方になるので鉤状部7は上側になり、紐状体Pが鉤状部7から外れる。
【0038】
このとき、フック本体3がく字状に屈曲しているので、第1のフレーム部5が索状体Sと干渉することがない。
【0039】
以上の構成によれば、荷下げ用フック1は、可動部分がないので、構造が簡単で取扱いが容易である。
【0040】
なお、傾倒阻止部材8は、第2のフレーム部6に取り付けたが、図7に示すように、鉤状部7の近傍に設けてもよい。
【0041】
すなわち、フック本体3の第1のフレーム部5には、一対の張出部材16,16が連結され、この張出部材16,16が、図8に示すように、荷物Wに当たることにより鉤状部7の傾倒を阻止することができるようになっている。
【0042】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0043】
図9に示すように、本第2実施形態では、第1実施形態の傾倒阻止部材8は設けられていない。
【0044】
また、取付部11は荷下げ用フック1の重心Gより鉤状部7側になるように構成されている。
【0045】
すなわち、本第2実施形態では、取付部11が屈曲部4に設けられ、重心Gが第2のフレーム部6側に位置するように構成されていて、取付穴13に挿通される索状体Sは常に荷下げ用フック1の重心Gより鉤状部7側で荷下げ用フック1に掛合するようになっている。
【0046】
この場合、取付部11の取付穴13は、取付穴13に挿通される索状体Sに対し荷下げ用フック1が回動できる程度の大きさ、すなわち、取付穴13に索状体Sが緩く挿通される大きさに形成されている。
【0047】
しかして、図9に示すように、荷物Wに取り付けられた紐状体Pが荷下げ用フック1の鉤状部7に引っ掛けられ、荷物Wが吊り上げられると、荷下げ用フック1は、鉤状部7が荷物Wの重量で下側になる。
【0048】
ついで、図10に示すように、荷物Wが着地すると、紐状体Pが緩み、荷下げ用フック1は、重心Gが取付部11より上方に位置するため、重心Gが取付部11の下方になるように索状体Sを支点として回動し始める。
【0049】
これにより、荷下げ用フック1が荷物Wに接触することなく、索状体Sが鉤状部7から外れる。
【0050】
ついで、図11に示すように、索状体Sを引き上げると、重心Gが取付部11の下方になり、鉤状部7が上側になる。
【0051】
以上の構成においても、荷下げ用フック1は、可動部分がないので、構造が簡単で取扱いが容易である。
【0052】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0053】
本第3実施形態では、図12に示すように、鉤状部7および取付け部11がそれぞれ一対づつ備えられている。
【0054】
そして、これら鉤状部7,7および取付部11,11は、一本の線条体17を屈曲して所定間隔を開けて平行に形成されている。
【0055】
すなわち、線条体17は、中央に所定幅の連結部18を有し、この連結部18の両端から同方向に屈曲されて一対の平行部19,19が形成されている。
【0056】
この平行部19,19は、中途部で屈曲され、この屈曲部4,4の連結部18側が第1平行部20,20、連結部18と反対側が第2平行部21,21となっている。
【0057】
また、この平行部19,19は、屈曲部4,4で輪状に湾曲して取付部11,11の取付穴13,13が形成され、これら取付穴13,13に荷物運搬装置2から垂下される索状体S,Sがそれぞれ挿通されて取付部11,11に取付けられるようになっている。
【0058】
取付部11,11の線条体17は、第1平行部20,20に対して第2平行部21,21が外側となるように面対称に屈曲形成され、これにより第2平行部21,21の間隔は、第1平行部20,20の間隔より幅広となっている。
【0059】
第2平行部21,21の先端は、同方向に折返されて鉤状部7,7が形成されている。
【0060】
また、各索状体Sは、取付穴13の鉤状部7に近い第1の部位14から遠い第2の部位15まで移動することができるようになっている。
【0061】
また、荷下げ用フック1の重心Gは、この第1の部位14と第2の部位15との間かつ取付穴13,13の間に位置するように構成されている。
【0062】
すなわち、各取付部11は、荷下げ用フック1の重心Gに対して鉤状部7に近い第1の部位14から鉤状部7から遠い第2の部位15まで索状体Sを移動可能かつ支点として揺動可能に掛合することができるように構成されている。
【0063】
しかして、荷物Wの運搬時には、予め荷運搬装置2から垂下される索状体S,Sの下端部分が荷下げ用フック1の取付穴13,13にそれぞれ挿通され、取付穴13内において移動可能にフック本体3,3に結び付けられる。
【0064】
ついで、図12に示すように、荷物Wに取り付けられた紐状体Pが荷下げ用フック1の鉤状部7,7に引っ掛けられ、荷物Wが吊り上げられると、荷下げ用フック1は、鉤状部7,7が荷物Wの重量で下側になる。
【0065】
このとき、各索状体Sは、取付部11の取付穴13の第2の部位15に位置し、すなわち、重心Gより上で荷下げ用フック1に掛合している。
【0066】
ついで、図13に示すように、荷物Wが着地すると、紐状体Pが緩むが、荷下げ用フック1の鉤状部7,7は、重心Gが索状体Sの取付位置すなわち取付穴13の第2の部位15より下方となるため、鉤状部7は下側になっている。
【0067】
ついで、図14に示すように、荷下げ用フック1の鉤状部7,7の下端が荷物Wに当たると、図15に示すように、荷下げ用フック1は索状体S,Sを支点として回動し始める。
【0068】
ついで、図16に示すように、連結部18が荷物Wに当たると、取付穴13,13の第2の部位15,15より第1の部位14,14が上になり、索状体S,Sを引き上げると、索状体S,Sは取付穴13,13内を第2の部位15から第1の部位14へ移動する。
【0069】
このとき、連結部18および鉤状部7,7が荷物Wに当たるので、鉤状部7,7の傾倒を阻止することができる。
【0070】
ついで、図17に示すように、索状体S,Sをさらに引き上げると、重心Gが第1の部位14より下方になるので鉤状部7,7は上側になり、紐状体Pが鉤状部7,7から外れる。
【0071】
以上の構成によれば、荷下げ用フック1は、可動部分がないので、構造が簡単で取扱いが容易であり、しかも、荷下げ用フック1の製造が容易に行える。
【0072】
また、取付部11,11が所定間隔を開けて設けられ、2本の索状体S,Sで吊下げられているので、荷物Wのたとえば回転などの揺れを軽減することができる。
【0073】
さらに、連結部18と一対の離間したフック部3,3により、荷下げ用フック1の倒伏を防止することができる。
【0074】
なお、第3実施形態では、取付部11を輪状に形成したが、図18に示すように三角形状や図19に示すように楕円形状に形成してもよい。
【0075】
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0076】
第3実施形態では、荷下げ用フック1の重心Gは、この第1の部位14と第2の部位15との間かつ取付穴13,13の間に位置するように構成したが、本第4実施形態では、取付穴13,13が小さく形成され、重心Gが取付穴13,13の間より連結部18,18側の第1平行部20,20の間に位置するように構成されている。
【0077】
しかして、図20に示すように、荷物Wに取り付けられた索状体S,Sが荷下げ用フック1の鉤状部7,7に引っ掛けられ、荷物Wが吊り上げられると、荷下げ用フック1は、鉤状部7,7が荷物Wの重量で下側になる。
【0078】
ついで、図21に示すように、荷物Wが着地すると、索状体S,Sが緩み、荷下げ用フック1は、重心Gが取付部11,11より上方に位置するため、重心Gが取付部11,11の下方になるように索状体S,Sを支点として回動し始める。
【0079】
これにより、図22に示すように、荷下げ用フック1が荷物Wに接触することなく、索状体S,Sが鉤状部7,7から外れる。
【0080】
ついで、図23に示すように、索状体S,Sを引き上げると、重心Gが取付部11,11の下方になり、鉤状部7,7が上側になる。
【0081】
以上の構成においても、荷下げ用フック1は、可動部分がないので、構造が簡単で取扱いが容易である。
【0082】
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0083】
第3および第4実施形態では、荷下げ用フック1を一本の線条体17を屈曲して形成したが、第1および第2実施形態の荷下げ用フック1も一本の線条体17を屈曲して形成してもよい。
【0084】
図24に第1実施形態の荷下げ用フック1を一本の線条体17を屈曲して形成した例を示す。
【0085】
<第6実施形態>
以下、本発明の第6実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0086】
第3実施形態では被取付部としての索状体Sに荷下げ用フック1を取付けたが、本実施形態では、図25および図26に示すように、荷運搬装置2の脚部22に取付けた緊縛部材(被取付部)Tに荷下げ用フック1を取付けた構成となっている。
【0087】
すなわち、緊縛部材Tを取付部11の取付穴13に挿通し、荷運搬装置2の脚部22に緊縛することによって、取付部11は、荷下げ用フック1の重心Gに対して鉤状部7に近い第1の部位14から鉤状部7から遠い第2の部位15まで索状体Sに移動可能かつ支点として揺動可能に掛合することができるように構成されている。
【0088】
また、荷運搬装置2の脚部22周辺はスペースが狭いことを考慮し、第1平行部20を短く形成し、連結部18に錘24を取付けた構成となっている。
【0089】
なお、図27に示すように、2つの荷下げ用フック1を対向させて脚部22,22に取付けるようにしてもよく、図28に示すように、2つの荷下げ用フック1を同じ向きで脚部22,22に取付けるようにしてもよい。
【0090】
さらに、第1平行部22,22の代わりに、図29に示すように、内方に傾斜した傾斜部25,25としてもよい。
【0091】
<第7実施形態>
以下、本発明の第7実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0092】
第3実施形態では被取付部として索状体Sを用い、第6実施形態では被取付部として緊縛部材Tを用いたが、本実施形態では、図30に示すように、荷運搬装置2の脚部22を取付部11の取付穴13に挿通することによって荷下げ用フック1を取付けられ、取付部11は、荷下げ用フック1の重心Gに対して鉤状部7に近い第1の部位14から鉤状部7から遠い第2の部位15まで脚部22に移動可能かつ支点として揺動可能に掛合することができるように構成されている。
【0093】
なお、図31および図32に、第6実施形態の荷下げ用フック1を本実施形態に適用した例を示す。
【0094】
図31では、荷下げ用フック1が2つ、鉤状部7の向きが同一方向、図32では、荷下げ用フック1が2つ、鉤状部7の向きが反対方向になるように、脚部22,22に取付けられている。
【符号の説明】
【0095】
1 荷下げ用フック
2 荷運搬装置
7 鉤状部
8 倒伏阻止部材
11 取付部
13 取付穴
17 線状体
22 被取付部(脚部)
W 荷物
S 被取付部(索状体)
G 重心
T 被取付部(緊縛部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32