(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004907
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】皮膚接触型生理学的測定を改善するための熱活性化電極
(51)【国際特許分類】
A61B 5/276 20210101AFI20230110BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20230110BHJP
A61B 5/28 20210101ALI20230110BHJP
A61B 5/26 20210101ALI20230110BHJP
【FI】
A61B5/276 300
A61B5/276 100
A61B5/256 220
A61B5/256 110
A61B5/256 210
A61B5/28
A61B5/26
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022093059
(22)【出願日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】17/358,644
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パウエル, ヴィクトリア エム.
(72)【発明者】
【氏名】モイン, アリ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127AA06
4C127LL13
4C127LL15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】皮膚接触型生理学的測定において、皮膚接触の質を改善するための熱活性化電極を提供する。
【解決手段】皮膚接触の生物学的測定のためのデバイス100は、皮膚接触を介した信号伝達を可能にするための1つ以上の電極102と、電極皮膚間のインピーダンス(ESI)を調整するために1つ以上の電極に結合された制御機構と、を含む。制御機構は、サーマルアクチュエータ110を用いてESI調整を実行するように構成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚接触型生物学的測定のためのデバイスであって
皮膚接触を介した信号伝達を可能にするように構成された1つ以上の電極と、
前記1つ以上の電極に結合され、電極皮膚間インピーダンス(ESI)を調整するように構成された制御機構と、を有し、
前記制御機構が、サーマルアクチュエータを用いて前記ESI調整を実行するように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上の電極が、追加の導電性媒体なしで皮膚に適用可能な乾燥電極を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記1つ以上の電極が生体信号電極を有し、前記皮膚接触が導電性ゲルなしでの皮膚への接触を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記制御機構が、前記1つ以上の電極を前後に移動させるように構成された、1つ以上の剛体アーム、ばね、および旋回軸を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記サーマルアクチュエータが熱膨張収縮ベースのアクチュエータを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記サーマルアクチュエータが形状記憶合金を有し、前記形状記憶合金がニッケル-チタン合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記サーマルアクチュエータがホットアンドコールドアームアクチュエータを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記制御機構が、局所皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによってESI調整を実現するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の電極が心電図(ECG)電極を有し、前記皮膚接触が導電性ゲルなしでの皮膚への接触を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御機構が、前記皮膚接触型生物学的測定の間に前記制御機構内のプロセッサによって活性化されるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
装置であって、
プロセッサと、
デバイスに搭載され、制御機構に結合された1つ以上の電極と、を有し、
前記制御機構が、前記プロセッサによって熱的に動かされ、
前記制御機構が、局所皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによって、ESIを調整するように構成される、装置。
【請求項12】
前記デバイスが、埋め込み電極を備えた、スマートウォッチ、体組成計測器、ヘッドマウントデバイス、またはウェアラブルデバイスのうちの1つを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記デバイスが、皮膚接触型生物学的測定を行うように構成され、前記皮膚接触型生物学的測定は、前記1つ以上の電極に適用される導電性ゲルを適用する必要がないEEG測定、筋電図(EMG)測定またはECG測定を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、皮膚接触型生物学的測定の間に前記制御機構を活性化するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記制御機構が、サーマルアクチュエータを更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記サーマルアクチュエータが形状記憶合金を有し、前記形状記憶合金がニッケル-チタン合金を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
システムであって、
携帯型通信デバイスと、
前記携帯型通信デバイスに通信可能に接続されたデバイスと、を有し、
前記デバイスは、
1つ以上の電極と、
前記1つ以上の電極に結合され、かつ、サーマルアクチュエータを用いて、皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによってESIを調整するように構成された制御機構と、を含む、システム。
【請求項18】
前記サーマルアクチュエータが熱膨張収縮ベースのアクチュエータを有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の電極が、追加の導電性媒体なしで皮膚に適用可能な乾燥電極を有する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記サーマルアクチュエータが形状記憶合金を有し、前記形状記憶合金がニッケル-チタン合金を含む、請求項17に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は概してセンサ技術に関し、より具体的には、皮膚接触型生理学的測定を改善するための熱活性化電極に関する。
【背景技術】
【0002】
生理学的パラメータは、一般に、検出可能な電気信号を提供するために、皮膚接触電極を利用するアナログまたはデジタルディスプレイを備えた電子デバイスを用いて測定される。電極は、金属などの導電性材料で作製されている。接触電極に依存する生物学的測定の例としては、筋電図(EMG)、眼電図(EOG)、脳波図(EEG)、心電図(ECG)、体温、血圧、心拍数測定などがある。皮膚接触型生理学的測定では、皮膚接触の質は、結果の精度に大きく影響を及ぼし得る。現在、一部の皮膚接触型生理学的測定では、電極に導電性ゲルが塗布され、皮膚電極接触インピーダンスとしても知られる皮膚と電極との間のインピーダンスを制御する。接触インピーダンスは、コンデンサおよび1つ以上の抵抗器などの電気素子でモデル化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本願の技術の特定の特徴を、添付の特許請求の範囲に示している。しかしながら、説明を目的として、本願の技術のいくつかの実施形態を、以下の図に示している。
【0004】
【
図1A】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイスの例の構造および動作状態を示す図である。
【
図1B】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイスの例の構造および動作状態を示す図である。
【0005】
【
図2A】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイスの例の構造および動作状態を示す図である。
【
図2B】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイスの例の構造および動作状態を示す図である。
【0006】
【
図3A】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極の応用例を示す図である。
【
図3B】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極の応用例を示す図である。
【
図3C】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極の応用例を示す図である。
【
図3D】本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極の応用例を示す図である。
【0007】
【
図4A】本願の技術の1つ以上の態様による、対応する電気回路モデルと共に皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイスの例を示す図である。
【
図4B】本願の技術の1つ以上の態様による、対応する電気回路モデルと共に皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイスの例を示す図である。
【0008】
【
図5】本願の技術の1つ以上の態様を実装することができる無線通信デバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載されている詳細な説明は、主題の技術の様々な構成の説明として意図されており、主題の技術が実施され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。添付の図面は、本明細書に組み込まれており、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供するために特定の詳細を含む。しかしながら、本願の技術は、本明細書で示された特定の詳細には限定されず、1つ以上の特定の詳細がなくても実施することができる。いくつかの例では、本願の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、構造体及び構成要素がブロック図の形態で示されている。
【0010】
本願の技術は、概して、皮膚接触生物学的測定のためのデバイスを示す。いくつかの実装形態では、開示されたデバイスは、皮膚接触を介した信号伝達を可能にするための1つ以上の電極と、電極皮膚間インピーダンス(ESI)を調整するために電極に結合された制御機構と、を含む。制御機構は、以下に論じられるように、ESI調整を実行するために電気的活性化を適用することができる。
【0011】
1つ以上の実装形態では、本願の技術の装置は、プロセッサと、デバイス上に搭載されており、制御機構に結合された1つ以上の電極と、を含む。この制御機構は、プロセッサによって活性化可能であり、局所的な皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによってESIを調整することができる。
【0012】
いくつかの実装形態では、本願の技術によるシステムは、携帯通信デバイスと、携帯通信デバイスに通信可能に接続されたデバイスと、を含む。デバイスは、1つ以上の電極と、1つ以上の電極に結合されて、サーマルアクチュエータを用いて、ユーザの皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによってESIを調整する制御機構とを含む。いくつかの態様では、サーマルアクチュエータは、固体材料の熱膨張および収縮を介して熱エネルギーを機械的エネルギーに変換することができる。サーマルアクチュエータの例としては、形状記憶合金(SMA)アクチュエータ、ホットアンドコールドアームアクチュエータ、およびバイモルフ型アクチュエータが挙げられる。また、形状記憶合金は、例えば、ニッケル-チタン合金で作製することができる。ホットアンドコールドアームアクチュエータは、材料のマイクロ構造における非対称熱膨張に基づく。バイモルフ型アクチュエータは、異種材料の2つ以上の層からなり得、異種材料の熱膨張係数(CTE)の差に基づいて動作する。
【0013】
図1Aおよび
図1Bは、本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイス100の例の構造および動作状態を示す図である。
図1Aに示すように、デバイス100は、電極102、ばね104、旋回軸Pを介して結合された2本の剛体バー106(106-1および106-2)、およびサーマルアクチュエータ110(以下、アクチュエータ110)を含む。アクチュエータ110は、点AおよびBで剛体バー106に結合され、ばね104は、ポイントCで剛体バー106-1に結合されるとともに、固定位置Dに結合されている。アクチュエータ110の長さは、熱を加えることによって変化させることができる。アクチュエータ110の長さの変化により、電極102を移動させることができる。例えば、
図1Bに示すように、アクチュエータ110の収縮は、電極102を軸112の方向に引っ張ることができる。これにより、電極102と、(電極102が生物学的測定システムの一部である場合における皮膚のような)隣接する表面との間に、所望の圧力を維持することができる。
【0014】
脳波(EEG)測定などの生物学的測定値は、ウェアラブル技術域において関心が高まりつつある領域である。乾燥電極(導電性ゲルなし)を用いた測定では用いて、測定値の信号対ノイズ比(SNR)を損なうような複数の課題が生じる。これらの測定における重要な目的は、可能な限りESIを低減することである。低ESIには、皮膚と電極との間の良好な初期接触が必要である。更に、モーションアーチファクトによる信号品質の低下を回避するために、電極皮膚間の良好な接触が維持されるべきである。本願の技術のいくつかの実装形態によれば、デバイス100において、アクチュエータ110は、SMAまたは他のアクチュエータを用いて実現されて、電極皮膚間の接触力(または圧力)を増加させることができる。接触力を増加させることにより、個体差によって生じうる複雑で多様な皮膚の外形差による初期ESIが低減される。更に、接触力が増加することで、摩擦力の保持性が高まるため、測定中の接触を維持することができるようになる。これにより、必要に応じた電極のトリガが可能になり、測定が行われないときの高圧点を回避する。このSMAは、ニッケル-チタン複合体であり得、ニッケル-チタン複合体の遷移温度に加熱されたときに、収縮する筋肉のように作用する。SMAのこの材料特性により、マイクロアクチュエータとして優れた候補となる。SMAアクチュエータは、例えば、可撓性であり(複雑な表面に搭載することができ)、使用が簡単であり、低容積を有する、有利な特徴を有する。最近の研究結果は、ハフニウム(hf)およびジルコニウム(Zr)の添加が、SMAに対してより広い移行温度範囲およびより大きな寸法安定性を提供することができることを示す。
【0015】
図2Aおよび
図2Bは、本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイス200の例の構造および動作状態を示す図である。
図2Aは、皮膚220と接触しようとするデバイス200を示す。デバイス200は、旋回軸Pを有し、点Bでサーマルアクチュエータ214(以下、アクチュエータ214)に結合された剛体アーム206に結合された活性電極202を有する。アクチュエータ214は、アクチュエータ214を供給電圧V+および接地電位Gに接続するワイヤ212に結合されている。アクチュエータ214は、SMAまたは他の熱膨張収縮ベースの材料を用いて実装することができ、デバイス200の構造の一部を形成する支持材料210に埋め込まれ得る。サーマルアクチュエータの例としては、上記で説明したように、ホットアンドコールドアームアクチュエータおよびバイモルフ型アクチュエータが挙げられる。
【0016】
供給電圧V+は、アクチュエータ214を流れ、アクチュエータ214を収縮させる電流を提供することができ、これにより、剛体アーム206へ力が与えられ、
図2Bに示すように電極202が皮膚220に押しつけられることにより、良好な電極皮膚間の接触が維持される。
【0017】
図3A、
図3B、
図3C、および
図3Dは、本願の技術の1つ以上の態様による、皮膚接触を改善するための活性電極の応用例を示す図である。
図3Aは、皮膚接触を改善するために、本願の技術の活性電極を使用することによって、EEG測定に使用することができるアラウンドイヤー・ヘッドホンを示す。
【0018】
図3Bは、開示された活性電極を使用できる接触電極によって血圧、心拍数、及び/又は心電図(ECG)などの生物学的測定を行うことを可能にするスマートウォッチを示す。
【0019】
図3Cは、本願の技術の開示された活性電極活性電極を使用することによって、EEG測定に使用することができるオーバーイヤー・ヘッドホンを示す。
【0020】
図3Dは、本願の技術の活性電極を使用することによって1つ以上の生物学的測定を行うことができるスマートスケールなどの体組成計測器を示す。
【0021】
図4Aは、本願の技術の1つ以上の態様による、対応する電気回路モデル430と共に皮膚接触を改善するための活性電極を有するデバイス410の例を示す図である。デバイス410は、皮膚420と接触するように
図4Aに示されている。デバイス410は、本願の技術の1つ以上の活性電極を有する
図3Aに示されるデバイスと構造的に類似していてもよい。電極皮膚間の接触は、電気回路モデル430でモデル化されたESIを有する。
【0022】
図4Bは、半電池電位差(E
hc)に接続され、抵抗器と(R
d)とコンデンサ(C
d)を含む並列接続サブ回路と直列に接続された抵抗R
sを含む電気回路430を示す。
活性電極と基準電極との間の半電池電位差は、ベースラインドリフトおよび信号歪みを低減するために最小化されるべきである。活性電極は、人体から信号を受信する皮膚位置に接続され、基準電極は、人体上の基準位置を覆う皮膚位置に接続されている。本願の技術の活性電極は、ESIを低減し、したがって信号品質を改善するのに役立つ。
【0023】
図5は、本願の技術の1つ以上の態様が実装され得る無線通信デバイス500を示すブロック図である。1つ以上の実装形態では、無線通信デバイス500は、皮膚接触を改善するために活性電極を含む本願の技術のデバイスをホストするスマートウォッチである。無線通信デバイス500は、高周波(RF)アンテナ510、デュプレクサ512、受信機520、送信機530、ベースバンド処理モジュール540、メモリ550、プロセッサ560、局部発振発生器(LOGEN)570、およびディスプレイ580を含み得る。本願の技術の各種実施形態では、
図5に表されるブロックのうちの1つ以上は、1つ以上の半導体基板上に統合され得る。例えば、ブロック520~570は、チップ上の単一のチップまたは単一のシステムで実現され得るか、またはマルチチップチップセット内で実現され得る。
【0024】
受信機520は、RFアンテナ510から信号を受信および処理するように動作可能であってもよい、好適な論理回路及び/又はコードを含み得る。受信機520は、例えば、受信された無線信号を増幅及び/又はダウンコンバートするように動作可能であってもよい。本願の技術の各種実施形態では、受信機520は、受信信号のノイズをキャンセルするように動作可能であり得、広範囲の周波数にわたって直線形であり得る。このようにして、受信機520は、Wi-Fi、WiMAX、Bluetooth、および様々なセルラー標準などの様々なワイヤレス標準に従って信号を受信するのに適していてもよい。本願の技術の各種実施形態では、受信機520は、いかなる鋸歯状音波(SAW)フィルタと、大きなコンデンサおよびインダクタなどのオフチップの個別の構成要素をほとんどまたは全く使用しなくてもよい。
【0025】
送信機530は、RFアンテナ510から信号を処理および送信するように動作可能であってもよい、好適な論理回路及び/又はコードを含み得る。送信機530は、例えば、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートし、RF信号を増幅するように動作可能であってもよい。本願の技術の各種実施形態では、送信機530は、様々なワイヤレス標準に従って処理されたベースバンド信号をアップコンバートおよび増幅するように動作可能であってもよい。そのような標準の例には、Wi-Fi、WiMAX、Bluetooth、および様々なセルラー標準が含まれ得る。本願の技術の各種実施形態では、送信機530は、1つ以上の電力増幅器によるさらなる増幅のための信号を提供するように動作可能であってもよい。
【0026】
デュプレクサ512は、受信機520の飽和、または受信機520の部品の損傷を回避し、受信機520の1つ以上の設計要件を緩和するように、伝送バンドを隔離し得る。更に、デュプレクサ512は、受信バンド内のノイズを減衰させることができる。デュプレクサ512は、様々なワイヤレス標準の複数の周波数帯域で動作可能であってもよい。
【0027】
ベースバンド処理モジュール540は、ベースバンド信号の処理を実行するように動作可能であってもよい、好適なロジック、回路、インターフェース、及び/又はコードを含み得る。ベースバンド処理モジュール540は、例えば、受信信号を分析し、受信機520などの無線通信デバイス500の様々な構成要素を構成するための制御及び/又はフィードバック信号を生成することができる。ベースバンド処理モジュール540は、1つ以上のワイヤレス標準に従って、エンコード、デコード、コード変換、変調、復調、暗号化、復号、スクランブル、デスクランブル、及び/又は他の方法でデータを処理するように動作可能であってもよい。
【0028】
プロセッサ560は、データ処理、及び/又は無線通信デバイス500の動作制御を可能にする、好適なロジック、回路、及び/又はコードを含んでもよい。これに関して、プロセッサ560は、無線通信デバイス500の様々な他の部分に制御信号を提供できるようにしてもよい。プロセッサ560はまた、無線通信デバイス500の様々な部分同士、またはそれらの間でのデータ伝送を制御してもよい。加えて、プロセッサ560は、無線通信デバイス500の動作を管理するために、オペレーティングシステムの実行を可能にするか、又はそうでなければコードを実行することができる。1つ以上の実装形態では、プロセッサ560は、アクチュエータ(例えば、
図2Aの214)に流れる電流の量を制御することによって、制御機構の動作を制御するために使用することができる。プロセッサ560は、電極から受信した信号(例えば、
図2の202)を更に処理することができる。
【0029】
メモリ550は、受信データ、生成データ、コード、及び/又は構成情報などの様々なタイプの情報の記憶を可能にする、好適なロジック、回路、及び/又はコードを含んでもよい。メモリ550は、例えば、RAM、ROM、フラッシュ、及び/又は磁気記憶装置を含み得る。本願の技術の各種実施形態では、メモリ550に記憶された情報は、受信機520及び/又はベースバンド処理モジュール540を構成するために利用してもよい。
【0030】
LOGEN570は、1つ以上の周波数の1つ以上の振動信号を生成するように動作可能であり得る好適なロジック、回路、インターフェース、及び/又はコードを含んでもよい。LOGEN570は、デジタル信号及び/又はアナログ信号を生成するように動作可能であってもよい。このようにして、LOGEN570は、1つ以上のクロック信号及び/又は正弦波信号を生成するように動作可能であってもよい。周波数およびデューティサイクルなどの振動信号の特徴は、例えば、プロセッサ560及び/又はベースバンド処理モジュール540からの1つ以上の制御信号に基づいて決定し得る。
【0031】
動作中、プロセッサ560は、信号を受信することが所望されるワイヤレス標準に基づいて、無線通信デバイス500の様々な構成要素を構成し得る。無線信号は、RFアンテナ510を介して受信され、受信機520によって増幅され、ダウンコンバートされ得る。ベースバンド処理モジュール540は、ベースバンド信号のノイズ推定及び/又はノイズキャンセル、復号、及び/又は復調を実行し得る。このようにして、受信信号内の情報を回復し、適切に利用し得る。例えば、情報は、無線通信デバイスのユーザに提示されるオーディオ及び/又はビデオ、メモリ550に格納されるデータ、及び/又は無線通信デバイス500の動作に影響を及ぼす、及び/又はその動作を可能にする情報であり得る。ベースバンド処理モジュール540は、様々なワイヤレス標準に従って送信機530によって送信されるオーディオ、ビデオ、及び/又は制御信号に対して他の処理を変調、エンコード、および実行し得る。
【0032】
いくつかの態様では、開示されたデバイスは、皮膚接触を介した信号伝達を可能にするための1つ以上の電極と、ESIを調整するために電極に結合された制御機構と、を含む。制御機構は、以下に論じられるように、ESI調整を実行するために電気的アクティブ化を適用することができる。
【0033】
いくつかの他の態様では、本願の技術の装置は、プロセッサと、デバイス上に搭載されており、制御機構に結合された1つ以上の電極と、を含む。この制御機構は、プロセッサによってアクティブ化可能であり、局所皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによってESIを調整することができる。
【0034】
更に他の態様では、本願の技術によるシステムは、携帯型通信デバイスと、携帯型通信デバイスに通信可能に接続されたデバイスと、を含む。このデバイスは、1つ以上の電極と、1つ以上の電極に結合された制御機構とを含み、これにより、皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持するために、サーマルアクチュエータを用いてESIを調整する。
【0035】
前述の説明は、本明細書で説明した様々な態様を当業者が実施することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様にも適用することができる。それゆえ、請求項は、本明細書に示される態様に限定されること意図されておらず、文言による請求項に合致した全範囲を認められるべきであり、単数形による要素への言及は、特に断りのない限り、「唯一の(one and only one)」を意味することを意図されておらず、むしろ、「1つ以上の(one or more)」を意味すること意図されている。特記しない限り、「いくつかの(some)」という用語は、1つ以上のものを指す。男性形(例えば、彼の)のような代名詞は、女性及び中性の性別(例えば、彼女の及びその)を含み、並びにその逆も同様である。もしあれば、見出し及び小見出しは、便宜上のみに使用され、本願の開示を限定するものではない。
【0036】
「~ように構成された(configured to)」、「~ように動作可能な(operable to)」、及び「~ようにプログラムされた(programmed to)」という述語は、対象物の特有の有形又は無形の改変を意味するものではなく、むしろ交換可能に使用されることを意図している。例えば、動作若しくは構成要素を監視及び制御するように構成されたプロセッサとは、プロセッサが、動作を監視及び制御するようにプログラムされていること、又はプロセッサが、動作を監視及び制御するように動作可能であることも意味し得る。同様に、コードを実行するように構成されたプロセッサは、コードを実行するようにプログラムされた、又はコードを実行するように動作可能なプロセッサ、として解釈することができる。
【0037】
「態様(aspect)」などの語句は、このような態様が本願の技術に必須であること、又はこのような態様が本願の技術の全ての構成に適用されることを含意しない。一態様に関する開示は、全ての構成、又は1つ以上の構成に適用され得る。「一態様(an aspect)などの語句は1つ以上の態様を指し、その逆も真である。「構成(configuration)」などの語句は、このような構成が本願の技術に必須であること、又はこのような構成が本願の技術の全ての構成に適用されることを含意しない。一構成(a configuration)に関する開示は、全ての構成、又は1つ以上の構成に適用され得る。一構成(a configuration)などの語句は1つ以上の構成を指し、その逆も真である。
【0038】
単語「例(example)」は、本明細書において、「例又は実例の役割を果たすこと」を意味するために使用される。「実施例」として本明細書において説明される態様又は設計はいずれも、必ずしも、他の態様又は設計よりも好ましい若しくは有利なものと解釈されるべきではない。
【0039】
当業者に知られているか又は後に知られるようになる、本開示を通じて説明される様々な態様のエレメントに対する全ての構造的及び機能的な均等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、かつ、特許請求の範囲に包含されるものと意図する。更に、本明細書で開示されたいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明白に列挙されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなるクレーム要素も、要素が、表現「~のための手段(means for)」を用いて明示的に列挙されるか、又は方法クレームの場合には、要素が、表現「~のためのステップ(step for)」を用いて列挙されない限り、米国特許法第112条第6段落の規定に基づいて解釈されるべきではない。更に、用語「含む(include)」、「有する(have)」又は同様のものが明細書又は特許請求の範囲で使用される限りにおいて、そのような用語は、「備える(comprise)」が特許請求の範囲において移行語として使用されるときに解釈されるように、用語「備える(comprise)」と同様の様態で包括的であることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚接触型生物学的測定のためのデバイスであって
皮膚接触を介した信号伝達を可能にするように構成された1つ以上の電極と、
前記1つ以上の電極に結合され、電極皮膚間インピーダンス(ESI)を調整するように構成された制御機構と、を有し、
前記制御機構が、サーマルアクチュエータを用いて前記ESI調整を実行するように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上の電極が、追加の導電性媒体なしで皮膚に適用可能な乾燥電極を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記1つ以上の電極が生体信号電極を有し、前記皮膚接触が導電性ゲルなしでの皮膚への接触を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記制御機構が、前記1つ以上の電極を前後に移動させるように構成された、1つ以上の剛体アーム、ばね、および旋回軸を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記サーマルアクチュエータが熱膨張収縮ベースのアクチュエータを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記サーマルアクチュエータが形状記憶合金を有し、前記形状記憶合金がニッケル-チタン合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記サーマルアクチュエータがホットアンドコールドアームアクチュエータを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記制御機構が、局所皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによって前記ESI調整を実現するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の電極が心電図(ECG)電極を有し、前記皮膚接触が導電性ゲルなしでの皮膚への接触を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御機構が、前記皮膚接触型生物学的測定の間にプロセッサによって活性化されるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
装置であって、
プロセッサと、
デバイスに搭載され、制御機構に結合された1つ以上の電極と、を有し、
前記制御機構が、前記プロセッサによって熱的に動かされ、
前記制御機構が、局所皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによって、電極皮膚間インピーダンス(ESI)を調整するように構成される、装置。
【請求項12】
前記デバイスが、埋め込み電極を備えた、スマートウォッチ、体組成計測器、ヘッドマウントデバイス、またはウェアラブルデバイスのうちの1つを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記デバイスが、皮膚接触型生物学的測定を行うように構成され、前記皮膚接触型生物学的測定は、前記1つ以上の電極に適用される導電性ゲルを適用する必要がない脳波図(EEG)測定、筋電図(EMG)測定または心電図(ECG)測定を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、皮膚接触型生物学的測定の間に前記制御機構を活性化するように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記制御機構が、サーマルアクチュエータを更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記サーマルアクチュエータが形状記憶合金を有し、前記形状記憶合金がニッケル-チタン合金を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
システムであって、
携帯型通信デバイスと、
前記携帯型通信デバイスに通信可能に接続されたデバイスと、を有し、
前記デバイスは、
1つ以上の電極と、
前記1つ以上の電極に結合され、かつ、サーマルアクチュエータを用いて、皮膚表面の様々な外形に対して所望の電極皮膚間の圧力を維持することによって電極皮膚間インピーダンス(ESI)を調整するように構成された制御機構と、を含む、システム。
【請求項18】
前記サーマルアクチュエータが熱膨張収縮ベースのアクチュエータを有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の電極が、追加の導電性媒体なしで皮膚に適用可能な乾燥電極を有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記サーマルアクチュエータが形状記憶合金を有し、前記形状記憶合金がニッケル-チタン合金を含む、請求項17に記載のシステム。
【外国語明細書】