(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049118
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】プログラム駆動装置
(51)【国際特許分類】
A63H 17/395 20060101AFI20230403BHJP
A63H 17/25 20060101ALI20230403BHJP
A63H 29/22 20060101ALI20230403BHJP
A63H 31/08 20060101ALI20230403BHJP
H02P 5/46 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
A63H17/395
A63H17/25 Z
A63H29/22 C
A63H31/08 D
H02P5/46 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158666
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】595020883
【氏名又は名称】株式会社はくぶん
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英明
(74)【代理人】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100206195
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】塚本 修
【テーマコード(参考)】
2C150
5H572
【Fターム(参考)】
2C150CA08
2C150DA06
2C150DA09
2C150EB01
2C150EC03
2C150ED42
5H572AA01
5H572EE03
5H572EE04
5H572JJ03
5H572JJ17
5H572KK05
5H572LL01
5H572PP01
(57)【要約】
【課題】 駆動の正確性が向上したプログラム駆動装置を提供する。
【解決手段】 プログラム駆動装置1は、筐体10と、筐体10の駆動を指示する駆動情報が保持され、筐体10に脱着自在に装着されるプログラム媒体2と、筐体10に装着されたプログラム媒体2から駆動情報を取得する情報取得部3と、情報取得部3から取得された駆動情報に基づいて左側モーター15及び右側モーター16の少なくとも一方を稼働させることで筐体10を駆動させる駆動部4と、左側モーター15及び右側モーター16の各々の回転数の情報を取得し、取得された回転数の情報に基づいてその差を減少させるよう駆動部4を制御する回転制御部5とから主に構成されている。このようにすると、左側モーター15及び右側モーター16を略同一の回転数で稼働させることができるため、左右の駆動力のバランスが整い、駆動の正確性が向上する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の駆動を指示する駆動情報が保持され、前記筐体に脱着自在に装着されるプログラム媒体と、
前記筐体に装着された前記プログラム媒体から前記駆動情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部から取得された前記駆動情報に基づいて左側モーター及び右側モーターの少なくとも一方を稼働させることで前記筐体を駆動させる駆動部と、
前記左側モーター及び前記右側モーターの各々の回転数の情報を取得し、取得された回転数の情報に基づいてその差を減少させるよう前記駆動部を制御する回転制御部とを備える、プログラム駆動装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記左側モーター及び前記右側モーターの両方を稼働させることで前記筐体を前進させ、前記左側モーター及び前記右側モーターの一方を稼働させることで前記筐体を左折又は右折させる、請求項1記載のプログラム駆動装置。
【請求項3】
前記回転制御部は、前記左側モーター及び前記右側モーターの各々の回転数を読み取る回転数センサーと、
前記左側モーター及び前記右側モーターの回転数が多い方の回転数を減少させ、又は回転数が少ない方の回転数を増加させる補正手段とを備える、請求項1又は請求項2記載のプログラム駆動装置。
【請求項4】
前記回転数センサーは、前記左側モーター又は前記右側モーターに接続されたギアと連結され前記左側モーター又は前記右側モーターと同一の回転数で回転し、回転方向に等間隔で貫通孔が設けられた平板状の遮光板と、
前記貫通孔の貫通方向延長上の一方側に位置する発光素子と、他方側に位置し前記発光素子からの光を計測する受光素子とを備え、
所定時間内に前記貫通孔を通して光を計測した回数を前記左側モーター又は前記右側モーターの回転数の情報として取得する、請求項3記載のプログラム駆動装置。
【請求項5】
前記プログラム媒体は、それぞれに前記駆動情報が保持された複数個の切片が前後方向に連結されて構成され、
前記情報取得部は、複数個の前記切片の各々の前記駆動情報を前記前後方向順に取得する、請求項1から請求項4のいずれかに記載のプログラム駆動装置。
【請求項6】
前記切片は、前記前後方向及び前記前後方向と直交する左右方向に延びる平板状であって、その前記前後方向長さが前記情報取得部による情報取得時間として取得される本体部と、
前記本体部の前記左右方向端部から延出する羽根とを含み、
前記切片が連結された状態において、隣接する2個の前記切片の前記羽根同士は前記前後方向に間隔を設けて構成される、請求項5記載のプログラム駆動装置。
【請求項7】
前記プログラム媒体は、前記筐体の駆動を終了させる駆動情報が保持された駆動終了用切片を含み、
前記筐体は、その先端が上方に付勢され、上方から押圧されると前記情報取得部による前記プログラム媒体からの前記駆動情報の取得が進行する送り用ピンを含み、
前記駆動終了用切片は、前記送り用ピンの前記先端と係止する大きさの開口状である停止孔が形成されている、請求項5又は請求項6記載のプログラム駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプログラム駆動装置に関し、特に使用者が駆動情報をプログラムすることができるプログラム駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動装置として、電池やモーターを用いて、所定の進路を走行する玩具車両が存在する。
【0003】
このような玩具車両は、電気回路の仕組みや、モーターのトルクの仕組みや、このトルクを車輪に伝達するギア機構の仕組み等を理解することができるため、遊戯用としてのみならず教育用としても使用される。
【0004】
ところで、昨今、プログラムに関する教育の重要性が叫ばれている。プログラムに関する教育とは、例えば小学生児童の使用者が情報を入力し、入力された情報に基づいて結果が出力され、更にその出力結果を得た使用者はそれが意図していた態様であったか否かを判断して、次回において入力する情報を修正することができるものである。
【0005】
このようなプログラムに関する教育を目的とし、どのような態様で駆動するかといった駆動情報をあらかじめ入力することができるプログラム駆動装置として、特許文献1のものがある。特許文献1には、前進、左折、右折及び後退の各駆動情報を保持した各種の切片を連結させ、連結した切片を読み取ることによって筐体が駆動するプログラム駆動装置が記載されている。筐体には電池と電気的に接続されたモーターや、当該モーターとギア的に接続された車輪が含まれる。使用者は切片の連結パターンを変更することにより、筐体の駆動態様を修正することができ、所望の駆動態様を模索することでプログラムに関して学ぶことができる。
【0006】
このように従来のプログラム駆動装置は、使用者が例えば所定の進路を計画する等してあらかじめプログラム媒体に駆動情報を設定し、実際に筐体を駆動させてその駆動態様を確認し、目的とする駆動態様と比較して、またプログラム媒体の駆動情報を修正することができるものであった。
【0007】
又、モーターの製造の都合上、個々のモーターの回転数(所定時間あたりの総回転数)には微細な差が生じることが知られており、左右側のモーターの回転数を補正する手段として、治具を用いて手動で調整する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来のプログラム駆動装置のように手動でモーターの回転数を調整することは、まずは実際に筐体を駆動させて微細な差の有無や程度を確認する手間がかかり、駆動の正確性にも改善の余地があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、駆動の正確性が向上したプログラム駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、筐体と、筐体の駆動を指示する駆動情報が保持され、筐体に脱着自在に装着されるプログラム媒体と、筐体に装着されたプログラム媒体から駆動情報を取得する情報取得部と、情報取得部から取得された駆動情報に基づいて左側モーター及び右側モーターの少なくとも一方を稼働させることで筐体を駆動させる駆動部と、左側モーター及び右側モーターの各々の回転数の情報を取得し、取得された回転数の情報に基づいてその差を減少させるよう駆動部を制御する回転制御部とを備えるプログラム駆動装置である。
【0012】
このように構成すると、左側モーター及び右側モーターを略同一の回転数で稼働させることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、駆動部は、左側モーター及び右側モーターの両方を稼働させることで筐体を前進させ、左側モーター及び右側モーターの一方を稼働させることで筐体を左折又は右折させるものである。
【0014】
このように構成すると、前進がより直進に近くなり、左折及び右折の角度が所定のものに近くなる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、回転制御部は、左側モーター及び右側モーターの各々の回転数を読み取る回転数センサーと、左側モーター及び右側モーターの回転数が多い方の回転数を減少させ、又は回転数が少ない方の回転数を増加させる補正手段とを備えるものである。
【0016】
このように構成すると、回転数センサーにより回転数の情報を正確に取得することができ、補正手段によりその回転数の差を減少させることができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、回転数センサーは、左側モーター又は右側モーターに接続されたギアと連結され左側モーター又は右側モーターと同一の回転数で回転し、回転方向に等間隔で貫通孔が設けられた平板状の遮光板と、貫通孔の貫通方向延長上の一方側に位置する発光素子と、他方側に位置し発光素子からの光を計測する受光素子とを備え、所定時間内に貫通孔を通して光を計測した回数を左側モーター又は右側モーターの回転数の情報として取得するものである。
【0018】
このように構成すると、モーターの稼働から即時に回転数の情報を取得することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、プログラム媒体は、それぞれに駆動情報が保持された複数個の切片が前後方向に連結されて構成され、情報取得部は、複数個の切片の各々の駆動情報を前後方向順に取得するものである。
【0020】
このように構成すると、切片の連結パターンを変更することにより筐体の駆動態様を変更することができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、切片は、前後方向及び前後方向と直交する左右方向に延びる平板状であって、その前後方向長さが情報取得部による情報取得時間として取得される本体部と、本体部の左右方向端部から延出する羽根とを含み、切片が連結された状態において、隣接する2個の切片の羽根同士は前後方向に間隔を設けて構成されるものである。
【0022】
このように構成すると、情報取得の作業は継続したまま駆動情報は一時停止して、意図した駆動時間と実際の駆動時間との誤差の蓄積を適時にリセットすることができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明の構成において、プログラム媒体は、筐体の駆動を終了させる駆動情報が保持された駆動終了用切片を含み、筐体は、その先端が上方に付勢され、上方から押圧されると情報取得部によるプログラム媒体からの駆動情報の取得が進行する送り用ピンを含み、駆動終了用切片は、送り用ピンの先端と係止する大きさの開口状である停止孔が形成されているものである。
【0024】
このように構成すると、駆動終了用切片を読み込むと、停止孔に送り用ピンの先端が係止し、筐体の駆動が終了する。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、左側モーター及び右側モーターを略同一の回転数で稼働させることができるため、左右の駆動力のバランスが整い、駆動の正確性が向上する。
【0026】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、前進がより直進に近くなり、左折及び右折の角度が所定のものに近くなるため、より正確な駆動が可能となる。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、回転数センサーにより回転数の情報を正確に取得することができ、補正手段によりその回転数の差を減少させることができるため、回転制御部の制御がより正確なものとなる。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、モーターの稼働から即時に回転数の情報を取得することができるため、駆動と同時進行で回転数を制御することができる。
【0029】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、切片の連結パターンを変更することにより筐体の駆動態様を変更することができるため、プログラムの修正が容易となる。
【0030】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、情報取得の作業は継続したまま駆動情報は一時停止して、意図した駆動時間と実際の駆動時間との誤差の蓄積を適時にリセットすることができるため、より正確な駆動が可能となる。
【0031】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6記載の発明の効果に加えて、駆動終了用切片を読み込むと、停止孔に送り用ピンの先端が係止し、筐体の駆動が終了するため、筐体が駆動途中で止まることを防止し、駆動の正確性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】この発明の実施の形態によるプログラム駆動装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1で示したプログラム駆動装置の内部機構を示す斜視図である。
【
図3】
図2で示したプログラム駆動装置の内部機構の各部構成を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】
図1に示したプログラム駆動装置が読み取り処理を行うことができるプログラム媒体の切片を示す斜視図である。
【
図5】
図4で示した切片を連結して構成されたプログラム媒体を示す斜視図である。
【
図6】
図1等に示したプログラム媒体が装着され読み取りが開始した状態の内部機構を示す斜視図である。
【
図7】
図6で示したプログラム駆動装置においてプログラム媒体の読み取りが進んだ状態を示す斜視図である。
【
図8】
図1に示したプログラム駆動装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図9】この発明の実施の形態におけるプログラム媒体の各切片の関係性を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図1で示したプログラム駆動装置の回転制御部周辺の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、この発明の実施の形態によるプログラム駆動装置の外観を示す斜視図である。
【0034】
尚、以下では、プログラム駆動装置の各車輪が正転した場合に進む方向を前方とし、これと逆方向を後方とし、この前後方向を基準に左右方向を定めている。
【0035】
同図を参照して、プログラム駆動装置1は、後述する各構成要素を搭載する筐体10と、筐体10の上方を覆うように取り付けられ、脱着自在な上部カバー11とを備える。
【0036】
筐体10には、その内部機構において、電池に電気的に接続されたモーターや、モーターの動力がギア機構を介して伝達される車輪等が収容される。筐体10に収容される内部機構の詳細については後述する。尚、上部カバー11は通常の使用時に取り外す必要は無く、メンテナンス等の時において、プログラム駆動装置1の内部機構にアクセスする必要がある場合に取り外される。上部カバー11の前方から後方にかけてプログラム媒体を進行させるための案内溝13a、13bが形成されている。又、上部カバー11の案内溝13a、13bの上方には案内溝13a、13bを左右方向に跨ぐように開閉部12が設けられ、これにより案内溝13a、13bと開閉部12との間にプログラム媒体の搬送路Mが形成される。開閉部12の一方端部は、ヒンジにより上部カバー11と接続されており、開閉部12の他方端を開閉することで、後述するプログラム媒体を搬送路Mに装着可能となる。
【0037】
搬送路Mに、後述する
図4で示すようなプログラム媒体を装着することで、筐体10に搭載されている後述する情報取得部がプログラム媒体に入力された駆動情報を取得する。そして、取得した駆動情報に基づいて、筐体10に搭載されている左側モーター及び右側モーターの一方あるいは両方が稼働して、駆動力が筐体10底部の左右に配置された駆動部としての車輪(図示せず)に伝達され、筐体10が前進、左折、右折又は後退といった駆動を行う。
【0038】
以下において、プログラム駆動装置1の内部機構について説明する。
【0039】
図2は
図1で示したプログラム駆動装置の内部機構を示す斜視図であり、
図3は
図2で示したプログラム駆動装置の内部機構の各部構成を分解して示す分解斜視図である。
【0040】
これらの図を参照して、筐体10には、まず図示しない電池と、後述する各種スイッチを介して、電池と電気的に接続された左側モーター15及び右側モーター16と、左側モーター15の動力がギア機構を介して伝達可能に構成され、筐体10の底面の左方に配置された左側車輪17と、右側モーター16の動力がギア機構を介して伝達可能に構成され、筐体10の底面の右方に配置された右側車輪18と、左側・右側モーター15、16の動作を制御するためのスイッチ機構6と、スイッチ機構6が制御に用いる駆動情報を保持するプログラム媒体を搬送する搬送機構7とが搭載されている。
【0041】
スイッチ機構6は、制御基板8と、制御基板8の表面に搭載される送り用スイッチ22及びモーター制御用のスイッチ28、29と、これらのスイッチに対応する送り用ピン21a、21b及び駆動情報読み取り用のピン26、27と、制御基板8の裏面に搭載され、左側・右側モーター15、16の回転数の情報を取得する回転数センサー65、66とを備える構成である。
【0042】
搬送機構7は、送り用スイッチ22を介して電池と電気的に接続された送り用モーター23と、送り用モーター23の動力がギア機構を介して伝達される送り用歯車24a、24bとを備える構成である。
【0043】
スイッチ機構6について、より具体的に説明すると以下の通りである。送り用ピン21a、21bは、筐体10の内側中央部、即ち制御基板8中央部において、先端が上方に付勢された状態で配置されている。
【0044】
又、送り用ピン21a、21bの下方には、送り用スイッチ22が配置されている。送り用ピン21a、21bが上方から押圧されている間は送り用スイッチ22がオン状態になり、送り用スイッチ22と電気的に接続された送り用モーター23が稼働することで、送り用歯車24a、24bが回転する。送り用歯車24a、24bが回転することで、後述するプログラム媒体の読み取りが進行する。
【0045】
又、送り用ピン21a、21bの左右両側には、同様に先端が上方に付勢された駆動情報読み取り用のピン26、27が配置されている。又、ピン26、27の下方には、それぞれ、スイッチ28、29が配置されている。左側のピン26が上方から押圧された場合、左側のスイッチ28がオン状態になり、スイッチ28と接続された左側モーター15は逆転するように設定されている。そして、左側モーター15の逆転に伴って、左側モーター15の動力がギア機構を介して左側車輪17に伝達され、これにより左側車輪17は逆転する。尚、スイッチ28がオフ状態のとき、左側モーター15は正転し、これに伴って左側車輪17は正転する。
【0046】
右側のピン27についてもピン26と同様に、上方からの押圧によってスイッチ29のオン状態及びオフ状態が切り替わり、右側のスイッチ29がオン状態のとき、右側モーターは逆転し、これに伴って右側車輪18は逆転する。又、スイッチ29がオフ状態のとき、右側モーター16は正転し、これに伴って右側車輪18は正転する。
【0047】
そのため、ピン26、27の両方が押されていないとき(オフ状態)、左側・右側車輪17、18が正転することで筐体10は前進する。又、ピン26、27の両方が押されているとき(オン状態)、左側・右側車輪17、18が逆転することで筐体10は後退する。更に、左側のピン26が押されておらず(オフ状態)、右側のピン27が押されているとき、左側車輪17が正転する一方で右側車輪18が逆転することで筐体10は右折する。更に、左側のピン26が押されており(オン状態)、右側のスイッチ27が押されていないとき(オフ状態)、左側車輪17が逆転する一方で右側車輪18が正転することで筐体10は左折する。
【0048】
尚、プログラム駆動装置1の各種モーター、スイッチ機構6及び電池の間の回路構成については、公知の技術を採用することができる。例えば、回路構成として、特開2021-69555号公報に開示されているようなものを採用することができる。
【0049】
尚、スイッチ機構6が備える回転数センサー65及び回転数センサー66の詳細については後述する。
【0050】
次に、
図4は
図1に示したプログラム駆動装置が読み取り処理を行うことができるプログラム媒体の切片を示す斜視図であり、
図5は
図4で示した切片を連結して構成されたプログラム媒体を示す斜視図である。
【0051】
まず
図4を参照して、プログラム媒体2は、合成樹脂からなり、筐体に装着される前あるいは装着された後に、使用者によって駆動情報が入力される。駆動情報とは、筐体の前進や右左折、後退等の駆動を開始あるいは終了させたり、そのような駆動態様を変更させたりするための情報であり、例えばプログラム媒体2を構成する各種切片の読み取り領域に位置する羽根の有無として実装される。駆動情報の入力とは、例えば、筐体が所望通りに駆動するよう各種切片を連結させることをいう。
【0052】
プログラム媒体2は、例示的には、後方(筐体に取り付けられ、読み取りが開始される先端方向)から順に、先端に配置される駆動開始用切片31、右折の駆動情報を有する右折用切片32、左折の駆動情報を有する左折用切片33、前進の駆動情報を有する前進用切片34、後退の駆動情報を有する後退用切片35、及び、駆動を終了させる駆動情報を有する駆動終了用切片36を含み、これらを前後方向(読み取り開始方向から読み取り終了方向)に連結することで
図5に示す読み取りの準備が完了した連結状態のプログラム媒体2となる。
【0053】
後退用切片35は、前後方向及び左右方向に延びる平板状の本体部38と、本体部38の左方端部から延出する左側の羽根39と、本体部38の右方端部から延出する右側の羽根40とを有する。又、右折用切片32は右側の羽根41を有しており、左折用切片33は左側の羽根42を有している。前進用切片34は左側の羽根及び右側の羽根に相当する構成は有していない。これらの詳細は後述する。
【0054】
尚、左折用切片33は右折用切片32と対称形に構成されているため、左折用切片33を裏返すことで右折用切片32としても使用することができる。
【0055】
又、後退用切片35の後方(開始方向)端部には左右に係止凹部45a、45bが形成され、終了方向端部には左右に係止凸部46a、46bが形成されている。係止凹部45a及び係止凸部46a(同様に係止凹部45b及び係止凸部46b)は互いに係止する形状となっている。上述のような係止機構は、後退用切片35に加えて右折用切片32、左折用切片33及び前進用切片34にも同様に形成されている。そのため、
図5に示すようにこれらの各種切片を前後方向(開始方向から終了方向)にかけて個数や組み合わせ自在に複数個連結することができる。
【0056】
又、後退用切片35の本体部38と左右の羽根39、40との間の箇所には、上述した筐体10の送り用歯車24の歯と噛み合う大きさの送り用ギア歯50a、50bが、前後方向(開始方向から終了方向)にかけて連続して形成されている。この送り用ギア歯50a、50bに相当する構成は他の各種切片にも同様に形成されている。この詳細については後述する。
【0057】
又、駆動終了用切片36の本体部48の左右端部には、前後方向に延びる開口状の停止孔49a、49bが形成されている。この詳細については後述する。次に、上述したプログラム媒体2の保持する駆動情報を読み取る仕組みについて説明する。
【0058】
図6は
図1等に示したプログラム駆動装置に対しプログラム媒体が装着され読み取りが開始した状態の内部機構を示す斜視図であり、
図7は
図6で示したプログラム駆動装置においてプログラム媒体の読み取りが進んだ状態を示す斜視図である。
【0059】
尚、内部機構の説明のためこれらの図では筐体10の上部カバー11(
図2参照)を外した状態で描いているが、通常の使用時には筐体10の上部カバー11を外すことなく開閉部12を開け、プログラム媒体2を装着する。
【0060】
まず
図3に加えて
図6を併せて参照して、読み取り動作の開始時には、筐体10の送り用ピン21a、21bの上方にプログラム媒体2の前進用切片34の本体部43が設置されると共に、送り用歯車24a、24bの歯には左折用切片33の送り用ギア歯50a、50bが噛み合っている。そのため、送り用ピン21a、21bが上方から押圧されることで送り用モーター23が稼働し、送り用モーター23からの動力により送り用歯車24a、24bが回ることで、プログラム媒体2を構成する各種切片が後方(開始方向)のものから前方(終了方向)のものにかけて徐々に搬送路Mに送り込まれる。
【0061】
更に
図7も併せて参照して、筐体10のピン26、27はプログラム媒体2の各種切片の羽根41、42と左右方向の位置が対応している。そのため、筐体10のピン26、27が、左側の羽根42のみが存在する左折用切片33を読み込んでいるとき、左側のピン26は上方から押圧され、スイッチ28がオン状態及びスイッチ29がオフ状態となり、左側車輪17が逆転し右側車輪18が正転することで、筐体10は左折する。又、右側の羽根41のみが存在する右折用切片32を読み込んでいるときも同様に、右側のピン27は上方から押圧され、スイッチ28がオフ状態及びスイッチ29がオン状態となり、左側車輪17が正転し右側車輪18が逆転することで、筐体10は右折する。更に、羽根が存在しない前進用切片34を読み込んでいるとき、ピン26、27は上方に付勢された状態であり、スイッチ28、29がオフ状態となり、左側車輪17及び右側車輪18が正転することで、筐体10は前進する。更に、両側の羽根39、40が存在する後退用切片35(
図5参照)を読み込んでいるとき、ピン26、27は上方から押圧され、スイッチ28、29がオン状態となり、左側車輪17及び右側車輪18が逆転することで、筐体10は後退する。
【0062】
このように、プログラム駆動装置1は、プログラム媒体2における切片の連結パターンに基づいて、前進、左折、右折及び後退といった駆動を行うものであり、その駆動状態が視認により直感的に理解し易いものである。又、プログラム媒体2は、それぞれに駆動情報(左側の羽根及び右側の羽根の有無による前進、右左折及び後退)が保持された複数個の切片が前後方向に連結されて構成され、情報取得部としてのピン26、27は、複数個の切片の各々の駆動情報を前後方向順に取得する。
【0063】
このようにすると、各種切片の連結パターンを変更することにより、前進、右左折及び後退の駆動順序が変更されることで、容易に筐体10の走行態様を修正することができ、プログラムの修正が容易となる。
【0064】
尚、プログラム媒体2が駆動終了用切片36まで送られると、駆動終了用切片36に形成された停止孔49a、49bに送り用ピン21a、21bが係止して停止することで、駆動が終了する。仮に、駆動終了用切片36の停止孔49a、49bの開始方向側の部分51a、51bが開放されている場合、すなわち、駆動終了用切片36においてこのような切り欠きが形成されている場合には、駆動終了用切片36が送り用ピン21a、21bに差し掛かるとすぐに、送り用ピン21a、21bが当該切り欠きにはまり込む。そうすると、予定していたよりも早く駆動が終了してしまう場合がある。駆動終了用切片36では、停止孔49a、49bが送り用ピン21a、21bと係止する大きさの開口状であるので、筐体10が駆動途中で止まることを防止している。
【0065】
次に、上述したプログラム駆動装置1の機能的側面について説明する。
【0066】
図8は、
図1に示したプログラム駆動装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0067】
同図を参照して、プログラム駆動装置1は、機能的側面からいえば、筐体10の駆動を指示する駆動情報が保持され、筐体10の搬送路Mに脱着自在に装着されるプログラム媒体2と、筐体10の搬送路Mに装着されたプログラム媒体2から駆動情報を取得する情報取得部3と、情報取得部3が取得した駆動情報に基づいて筐体を駆動させる駆動部4と、駆動部4を制御する回転制御部5とから主に構成されている。プログラム媒体2は、上述の通り、それぞれに駆動情報(左側の羽根及び右側の羽根の有無による前進、右左折及び後退)が保持された複数個の切片が前後方向に連結されて構成される。
【0068】
情報取得部3は、上述の通りピン26、27を含み構成される。情報取得部3としてのピン26、27は、各種切片の羽根の有無に基づき駆動情報を取得する。
【0069】
駆動部4は、制御基板8の表面に搭載される送り用スイッチ22及びモーター制御用のスイッチ28、29を含み構成されるものであり、駆動情報に基づいて筐体10を前進、後退、右折、左折、方向転換等の態様で駆動させる。駆動部4は、尚、これまで特に説明しなかったが、駆動部4は、駆動に際して、音を鳴らしたり、光を照射したりしても良い。駆動情報に基づいて筐体を駆動させるとは、以下の一連の動作のことを言う。例えば、情報取得部3としてのピン26、27が、プログラム媒体を構成する切片に羽根が無いことを読み取る場合には、情報取得部3は、前進の駆動情報を取得する。これに応じて駆動部4は、筐体10の左側モーター15及び右側モーター16を正転させ、これにより左側車輪17及び右側車輪18を正転させることで筐体10を前進させる。又、左右両側に羽根が有る場合には、情報取得部3が後退の駆動情報を取得し、駆動部4が、後退の駆動情報に基づいて、筐体10の左側モーター15及び右側モーター16を逆転させ、これにより左側車輪17及び右側車輪18を逆転させることで筐体10を後退させる。
【0070】
又、駆動部4による駆動制御の駆動時間については、ピン26、27の両方が押されている場合(後退)又は両方が押されていない場合(前進)、その時間に応じて駆動する。一方で、ピン26、27の一方が押されている場合(左折又は右折)、あらかじめ設定された所定時間又は所定回数駆動する。このように構成することで、例えば90°のように所定量を正確に左折又は右折することが容易となる。尚、このように駆動時間について前進及び後退はアナログ制御し、左折及び右折はデジタル制御するように切り替えるための方法の詳細については後述する。
【0071】
回転制御部5は、回転数センサー65及び回転数センサー66と、制御基板8に搭載される補正手段としての集積回路とを含み、回転数センサー65及び回転数センサー66により、左側モーター15及び右側モーター16の各々の回転数の情報を取得し、取得された回転数の情報に基づいてその差を減少させるよう駆動部4を制御する。
【0072】
このようにして、使用者がプログラム媒体2に入力した駆動情報に基づいて筐体10が駆動し、筐体10の駆動結果から意図していた駆動結果となったか否かを判断して、次回あらかじめ入力すべき駆動情報を修正することができる。そして、左側モーター15及び右側モーター16の回転数の微細な差についても回転制御部5によりその差を減少させることで、左側モーター15及び右側モーター16を略同一の回転数で稼働させることができるため、左右の駆動力のバランスが整い、駆動の正確性が向上する。以下において、駆動部4において、前進及び後退はアナログ制御し、左折及び右折はデジタル制御する切り替え動作について説明する。
【0073】
図9はこの発明の第1の実施の形態におけるプログラム媒体の各切片の関係性を模式的に示す平面図である。
【0074】
同図を参照して、プログラム媒体52は、後方(開始方向)から順に後退用切片53、左折用切片54及び後退用切片55が連結されて構成されている。
【0075】
上述したように、後退用切片53において、本体部57(送り用ギア歯58a、58b)の前後方向長さAが、切片1個分が送り込まれる時間、即ち情報取得部による情報取得時間として取得される。この情報取得時間が、駆動部4における前進及び後退のアナログ制御の継続時間となる。
【0076】
又、後退用切片53において、切片1個分の保持する駆動情報の駆動時間は、ピン26、27(
図6等参照)が押圧されている時間であるため、羽根59、60の前後方向長さBが対応する。
【0077】
ここで、後退用切片53の羽根59と、その次に連結された左折用切片54の羽根61とは、前後方向に間隔Cを設けて構成されている。このように構成することで、情報取得の作業は継続したまま駆動情報は一時停止して、意図した駆動時間と実際の駆動時間との誤差の蓄積を適時にリセットすることができるため、より正確な駆動が可能となる。
【0078】
尚、左折用切片54の右側端部のように羽根が存在しない場合は、他の各種切片と同じように羽根があった場合の仮想位置の羽根62を考慮して間隔の有無を判断することができる。
【0079】
ここで、
図6等で上述したように、筐体10を前進させるのは左側モーター15及び右側モーター16が正転するときであるところ、両者の回転数に差があった場合、左右の駆動力のバランスが整わず、進行方向が直進とならず左方又は右方に傾く問題が発生する。
【0080】
上記のような課題に対応するために駆動部を制御する回転制御部の構成について説明する。
【0081】
図10は
図1で示したプログラム駆動装置の回転制御部周辺の構造を示す斜視図である。
【0082】
同図は、左側モーター15及びこれとギア的に接続された左側車輪17の周辺の構造を抽出して描いている。
【0083】
同図に加えて
図3及び
図4や
図8等も併せて参照して、左側モーター15と左側車輪17との間に設けられるギア機構19を構成する複数のギアの一つ(以下、「対象ギア20」)には、左側モーター15の回転数を読み取る回転数センサー65が設けられている。
【0084】
回転数センサー65は、対象ギア20の回転軸に固定され、回転方向に等間隔で貫通孔68が設けられた平板状の遮光板67と、貫通孔68の貫通方向延長上の一方側に位置する発光素子69及び他方側に位置し発光素子69から貫通孔68を通過してくる光を計測する受光素子70を有するフォトインタラプタ71とから構成されている。
【0085】
左側モーター15の稼働中、回転数センサー65は、所定時間内に貫通孔68を通して光を計測した回数を左側モーター15の回転数の情報として取得する。このようにして、左側モーター15の稼働から即時に回転数の情報を取得することができるため、駆動と同時進行で回転数を制御することができる。
【0086】
又、上述したように右側モーター16においても同様に、回転数センサー66により右側モーター16の回転数の情報が取得される。
【0087】
そして、回転制御部5の補正手段としての集積回路により、上述したように取得された左側モーター15及び右側モーター16の回転数の情報に基づいて、その差を減少させるよう駆動部を制御する。具体的には、左側モーター15及び右側モーター16の回転数が多い方の回転数を、抵抗(あるいは電圧又は電流)を増加させたり回転を断続的にさせたりすることで減少させる。又は、回転数が少ない方の電圧(あるいは電流又は抵抗)を増加させる等して回転数を増加させる。このように構成することで、回転数センサー65、66により回転数の情報を正確に取得することができ、補正手段としての集積回路によりその回転数の差を減少させることができるため、回転制御部の制御がより正確なものとなる。
【0088】
このように、本発明の実施の形態によるプログラム駆動装置1にあっては、左側モーター15及び右側モーター16の回転数の差を減少させるための回転制御部5を備えることにより、左側モーター15及び右側モーター16を略同一の回転数で稼働させることができるため、左右の駆動力のバランスが整い、駆動の正確性が向上する。
【0089】
又、駆動部は、左側モーター15及び右側モーター16の両方を稼働させることで筐体10を前進させ、左側モーター15及び右側モーター16の一方を稼働させることで筐体10を左折又は右折させるものであるから、前進がより直進に近くなり、左折及び右折の角度が所定のものに近くなるため、より正確な駆動が可能となる。
【0090】
尚、本発明の実施の形態にあっては、筐体、プログラム媒体、情報取得部、駆動部及び回転制御部が特定のものであったが、他の形状、大きさ、位置関係のものであっても良い。又、他の構成要素を加えても良い。例えば、筐体の前方側にアームを備えたり、筐体の後方側に掃除用のブラシや吸引口を備えたりしたものが挙げられる。
【0091】
又、本発明の実施の形態にあっては、プログラム媒体は主に平板状のものであったが、他の形状であっても良い。例えば、棒状のものや円盤状のものであって、その所定位置に駆動情報を入力するものが挙げられる。又、プログラム媒体は水平方向に送り込まれるものであったが、垂直方向や巻取りされながら送り込まれても良い。更に、プログラム媒体は左側の羽根及び右側の羽根の有無の選択が駆動情報を表していたが、他の態様であっても良く、例えば所定位置を鉛筆で黒色に塗りつぶすか否かで情報を入力するマーク式が挙げられる。
【0092】
更に、本発明の実施の形態にあっては、情報取得部はピン等の特定の構成が含まれていたが、他の構成であっても良い。更に言えば、プログラム媒体に駆動情報を保持する読み取り領域が設けられており、情報取得部は、プログラム媒体に設けられている読み取り領域から駆動情報を読み取り可能に構成されていれば良い。
【0093】
例えば、情報取得部は、プログラム媒体から駆動情報を物理的、電気的又は化学的に取得するものであっても良い。より具体的には、一定方向に送り込まれるプログラム媒体を発光素子と受光素子で挟み込み、プログラム媒体の所定位置に開口が形成されているか否かを光検出するものが挙げられる。又例えば、厚さ方向の変化部分として凸部が形成されたプログラム媒体に対して、左右方向からアームやレバー等を押し付けることで凸部の存在及び形成位置を読み取り、これを駆動情報として取得し駆動部に伝達するものが挙げられる。
【0094】
更に、本発明の実施の形態にあっては、時間経過に伴って複数個の駆動情報の各々を連続的に取得するものであったが、これらの情報取得時間は同一間隔でなくとも良い。例えば、前進や後退を右左折よりも長い時間駆動するようにすることもできる。
【0095】
更に、本発明の実施の形態にあっては、プログラム媒体は切片が連結自在に接続されて構成されるものであったが、連結されずに元々一体化されているものであっても良い。
【0096】
更に、本発明の実施の形態にあっては、左側の車輪及び右側の車輪は1つずつであったが、複数個あっても良い。又、複数個の車輪のうちの1つの車輪のみ駆動させるものであっても良い。例えば、左右の車輪の他に、方向転換用の1つの車輪を後方又は前方の幅中央領域に備え、情報取得部が取得した駆動情報のうち左折又は右折に関するものに基づいて方向転換用の車輪の左右角度が変更されるものが挙げられる。
【0097】
更に、本発明の実施の形態にあっては、プログラム媒体を一定方向に送り込む機構を備えていたが、このような送り込む機構を備えなくても良い。又、プログラム媒体の位置を固定して、筐体側が移動しながらプログラム媒体の情報を取得するものも、実質的に本発明に含まれる。
【0098】
更に、本発明の実施の形態にあっては、左側モーターが筐体の左側領域に配置されていたが、左側の車輪を駆動するものであれば左側モーターの位置は問われない。右側モーターも同様である。
【0099】
更に、本発明の実施の形態にあっては、右折時には左側モーターが正転し右側モーターが逆転していたが、他の右折の態様であっても良い。例えば左側モーターが正転し右側モーターは停止するものや、左側モーター及び右側モーターの回転数にあえて差を設けるもの等が挙げられる。
【0100】
更に、本発明の実施の形態にあっては、特定の回路構造であったが、他の回路構造であっても良く、電池やモーターの個数や接続態様は種々変更可能である。
【0101】
更に、本発明の実施の形態にあっては、モーターと各種構成が特定のギア機構を介して接続されていたが、ギアの個数や歯数を増減させても良い。
【0102】
更に、本発明の実施の形態にあっては、切片に特定の種類のものが含まれていたが、少なくとも第1切片と第2切片(第1切片とは異なる駆動情報を入力されたもの)が含まれていれば良い。その他の態様としては、例えば前進用切片、左折用切片及び右折用切片の3種類からなるものが挙げられる。
【0103】
更に、本発明の実施の形態にあっては、情報取得部がプログラム媒体から情報を取得するたびに駆動部が筐体を駆動させていたが、全ての情報を取得してから駆動を開始する態様であっても良い。
【0104】
更に、本発明の実施の形態にあっては、左折及び右折が特定角度の旋回であったが、左前方45°や右前方45°の方向に進むものも左折や右折に含まれる。
【0105】
更に、本発明の実施の形態にあっては、回転制御部が特定の構成を含むものであったが、左側モーター及び右側モーターの各々の回転数の情報を取得し、取得された回転数の情報に基づいてその差を減少させるよう駆動部を制御するものであれば他の構成であっても良い。
【0106】
更に、本発明の実施の形態にあっては、回転数センサーが特定の構成によるものであったが、左側モーター及び右側モーターの各々の回転数の情報を取得できるものであれば他の構成であっても良い。
【0107】
更に、本発明の実施の形態にあっては、特定ギアから回転数センサーが読み取った回転数をモーターの回転数の情報としていたが、他のギアを対象としても良い。あるいは、モーターから直接回転数を読み取って回転数の情報としても良い。
【0108】
更に、本発明の実施の形態にあっては、隣接する2個の切片の羽根同士は前後方向に間隔を設けて構成されるものであったが、間隔を設けずに構成しても良い。
【0109】
更に、本発明の実施の形態にあっては、回転制御部と駆動部を別々に説明したが、一つの集積回路が回転制御部と駆動部の各々の制御機能を併せ持つように実装しても良い。
【0110】
更に、本発明の実施の形態にあっては、回転制御部の回転数センサーと集積回路は同一の基盤に設けられていたが、それぞれ別の箇所に設けても良い。
【符号の説明】
【0111】
1…プログラム駆動装置
2、52…プログラム媒体
3…情報取得部
4…駆動部
5…回転制御部
6…スイッチ機構
7…搬送機構
8…制御機構
10…筐体
15…左側モーター
16…右側モーター
17…左側車輪
18…右側車輪
19…ギア機構
20…対象ギア
21…送り用ピン
26、27…ピン
28、29…スイッチ
32…右折用切片
33、54…左折用切片
34…前進用切片
35、53、55…後退用切片
38、43、48、57…本体部
39、40、41、42、59、60、61、62…羽根
65、66…回転数センサー
67…遮光板
68…貫通孔
69…発光素子
70…受光素子
71…フォトインタラプタ
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。