(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049147
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20230403BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
A41D13/11 H
A41D13/11 D
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158714
(22)【出願日】2021-09-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日: 令和2年10月2日 ウェブサイトのアドレス: https://utattemask.shopselect.net ウェブサイトの掲載日: 令和2年10月2日 ウェブサイトのアドレス: https://peraichi.com/landing_pages/view/utattemusk?fbclid=IwAR2MHF76_eo5_mb51R-HbE9kTHn7Th_4fnS3CZB4qwy3xAi30BJaCydOaBg 販売日: 令和3年5月17日 販売した場所: 狭山市立中央中学校内(埼玉県狭山市入間川1752-1) 販売日: 令和3年9月17日 販売した場所: 狭山市立中央中学校内(埼玉県狭山市入間川1752-1) 販売日: 令和3年7月25日 販売した場所: 株式会社ウインズ内(埼玉県川越市山田253-3) 販売日: 令和3年8月25日 販売した場所: 株式会社やなぎさわ教材(埼玉県鶴ヶ島町脚折1丁目19-26) 販売日: 令和3年8月26日 販売した場所: 株式会社小山日進堂(埼玉県所沢市泉町1856-1) 販売日: 令和3年8月26日 販売した場所: 株式会社征木上川(東京都東久留米市八幡町3-11-18) 配布日: 令和2年10月 配布した場所: ミューズ工房内(埼玉県坂戸市中小阪765―15) 配布日: 令和3年6月 配布した場所: ミューズ工房内(埼玉県坂戸市中小阪765―15)
(71)【出願人】
【識別番号】521425814
【氏名又は名称】本山 和佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】本山 和佳子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185BA20
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】本発明は、歌唱時でも苦しくなく、飛沫が生じにくいマスクを提供することを課題とする。
【解決手段】課題は、マスク本体及び耳掛けコード部からなるマスクであって、マスク本体の顔と接する面側に顎収容部が設けられており、当該顎収容部に設けられた穴部によって左右の耳掛けコードが収束することを特徴とするマスクにより解決される。有利には、マスク本体の左辺及び右辺にループ部が設けられており、耳掛けコード部が各ループ部を通過したのち、穴部を通過させられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体及び耳掛けコード部からなるマスクであって、マスク本体の顔と接する面側に顎収容部が設けられており、当該顎収容部に設けられた穴部によって左右の耳掛けコードが収束することを特徴とするマスク。
【請求項2】
マスク本体の左辺及び右辺にループ部が設けられており、耳掛けコード部が各ループ部を通過したのち、穴部を通過させられていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
顎収容部に、補強兼調整部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のマスク。
【請求項4】
マスク本体が、上辺にV字状のカット部を有する素材のV字状部分を互いに縫い合わせることによりマスク本体中央部分に隆起部を有するよう形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項5】
着用状態において、口元にスペースを確保するよう構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス等の飛沫観戦を防止に寄与するマスクであって、特に歌唱時に用いるものに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行以来、感染症を引き起こすウイルスの拡散を防止するため、年中マスクを着用したまま生活様式が広まっている。しかしながら、これまで一般的に広まっていたマスクでは対応できない状況が存在することが明らかとなっている。
【0003】
例えば、まず飲食の際の問題が考えられる。マスクは口を覆うものであるから、装着したままでは飲食することができない。そこで特許文献1は、マスク本体を上に動かすことで、マスクをつけたまま飲食することを可能にするマスクを提供している。
【0004】
更に、特許文献2は、マスクを着用した状態での長時間の発言時や歌唱時・運動時に呼吸が苦しくなるという課題の解決に取り組む。特許文献2のマスクはマスク本体の上部にカーブを付ける点に特徴を有している。
【0005】
また特許文献3は、飲食や歌唱を行う際にも装着したままにできる別のマスクを提案している。
【0006】
しかし、特許文献1や3に記載のマスクは、実際の歌唱時には口を覆うマスク本体部分を上に向かって動かしたり(特許文献1)、折りたたんだり(特許文献2)するもので、装着状態のままの歌唱には適さない。
【0007】
また、歌唱は口や顔の筋肉を大きく動かすことが重要であるが、マスクを装着した状態で筋肉を大きく動作させると、どうしてもマスクの位置がずれる(下がる)などして十分な飛沫防止効果を発揮できない。
【0008】
かといってマスクのズレを防止する目的で耳にかける紐の引張りを強めると、耳が疲れる、ときには痛みを感じるなどの問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実登3228304号公報
【特許文献2】実登3231435号公報
【特許文献3】実登3233183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、歌唱時でも苦しくなく、飛沫が生じにくいマスクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、マスク本体及び耳掛けコード部からなるマスクであって、マスク本体の顔と接する面側に顎収容部が設けられており、当該顎収容部に設けられた穴部によって左右の耳掛けコードが収束することを特徴とするマスクによって解決される。
【0012】
有利には、マスク本体の左辺及び右辺にループ部が設けられており、耳掛けコード部が各ループ部を通過したのち、穴部を通過させられている。
【0013】
別の実施形では、顎収容部に、補強兼調整部が設けられていることが可能である。
【0014】
更に別の実施形では、マスク本体が、上辺にV字状のカット部を有する素材のV字状部分を互いに縫い合わせることによりマスク本体中央部分に隆起部を有するよう形成されていることが可能である。
【0015】
更に別の実施形においては、このマスクは、着用状態において、口元にスペースを確保するよう構成されていることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明にかかるマスクの着用状態の図(前方斜視図)
【
図2】本発明にかかるマスクの全体、及びマスク本体の素材の図
【
図5】本発明にかかるマスクの着用状態の図(後方斜視図)
【
図8】本発明にかかるマスクをリコーダー演奏用に用いる状態の図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面に基づき本発明にかかるマスクを例示的に説明する。
【0018】
図1は、本発明にかかるマスクの着用状態の図を示す。
図1の左側には模式的に表したもの、右側には実際のサンプルを頭部モデルに着用させた状態の写真が表されている。
図1から見てとれる通り、本発明にかかるマスクは一般的なマスクと同様、マスク本体1と耳掛けコード2から成っている。マスク本体1は、一般的なマスクより大型に形成されているのが
図1から見て取れる。
【0019】
図2には、
図1のマスクの全体図を示す。この図には、マスクの表面(おもて面、着用時に顔と接触しない側の面)が表されている(
図2―a)。
図2に示されるように、本発明にかかるマスクは、マスク本体1の左右方向の寸法が上下方向の寸法に比べて大きく形成される一般的なマスクと異なり、上下方向方向の寸法が左右方向の寸法とほぼ同じ、又は上下方向の寸法のほうが左右方向の寸法よりも大きく形成されている。これによって着用者のあご部分もしっかりとカバーされることが可能となる。
【0020】
マスク本体1は上辺11、左辺12、右辺13、下辺14を有する。これらのうち上辺11は、
図2の例では直線状にそして下辺14は湾曲して形成されている。左辺12、及び右辺13は、上辺11に向かうにつれ若干傾斜して形成されている。つまりこれら左右辺12,13は2つの直線によって折れ線状に形成されている。左右辺12,13と下辺14の間の角15にはアールがつけられている。
【0021】
マスク本体1の中央16付近は隆起するよう形成されている。これは、
図2―bに示されるようにマスク本体の上辺11にV字状のカット部17を設け、当該カット部17を互いに縫い合わせることによって形成される。このように隆起して設けられていることによってマスクが顔、特に鼻及び口の付近の形状にフィットすることとなる。
【0022】
マスク本体1は、表地・裏地が異なる素材から形成されている。この例では、表地には抗菌作用のある麻が含まれる記事が使用されている。裏地は、綿100%のいわゆるダブルガーゼが使用され、これによって汗や呼気からでる水分が吸収される。
【0023】
マスク本体1の左辺12、及び右辺13の上端部には耳掛けコード取付け部21が設けられている(
図2,又は
図3など)。マスク本体1の左辺12及び右辺13には、この耳掛けコード取付け部21から所定の距離を開けた位置に、ループ部22が設けられている。
図2、3にはそのようなループ部22が左右に各1つ、合計2つ設けられているのが見て取れる。
【0024】
各耳掛けコード取付け部21には耳掛けコード2が取り付けられている。この例では、耳掛けコード2はコード部材として紐状に形成されている。この耳掛けコード2はマスク本体1の左辺12及び右辺13上部の耳掛け部取付け部21から出発し、耳掛けコード取付け部21の下方にそれぞれ設けられたループ部(サイドループ)22を貫通した後、マスク本体1の裏側に設けられる穴部(ダウンホール)18を貫通し、マスク裏側をマスク本体1下方に向かって伸びている(
図3)。
【0025】
つまり耳掛けコード2は、マスク本体1の左辺12及び右辺13から出発し、着用者の両耳の後ろを周回した後、マスク本体1の左右辺12,13に設けられるループ部22方向へもどされ、そしてこれらループ部22を貫通し、更にはダウンホール18を通された後、マスク下方に向かって伸びるのに十分な長さを有する(
図4,5)。
【0026】
マスク本体1の左辺12及び右辺13から出発した耳掛けコード2は、
図3や
図4に見て取れるようにダウンホール18で互いに集合・収束する構造となっている。耳掛けコード2には更に、これら左右の耳掛けコード2を一つにまとめるコードストッパー23が設けられている。このコードストッパー23は、コード状の耳掛けコード2の任意の位置に移動しかつそこで固定することができるように構成されている。
【0027】
図4に見て取れるように、マスク本体1の裏側面には、顎収容部3が設けられている。顎収容部3は、マスク本体の裏側面、上下方向における略中央付近に設けられている。
図4―aは、このような顎収容部3を上から見た図である。顎収容部3はこのように袋状の構造となっている。
【0028】
図5は、本発明にかかるマスクの着用状態を後方から見た斜視図を示す。顎収容部3に顎が収容されている様子が見て取れる。マスク本体に設けられたループ部22は、マスク本体1の略中央に設けられるダウンホール18に向かう耳掛けコード2により引っ張られ顎にフィットする構造となっている。このような構造を採用することにより、一般的なマスクに必要となるワイヤーを使用せずともマスク本体1を顔の形状にフィットさせることが可能となる。さらに本発明にかかるマスクはワイヤーが使用されていないので、洗たく機等で簡単に洗うことができる。
【0029】
図6は、本発明にかかるマスクの別の着用状態を示す。マスク本体1は、撮影のため、通常の使用状態から上に捲りあげられている。この図に見て取れるように、左右の耳掛けコード2をまとめるコードストッパー23を着用者の顎下直近まで近づけ、そこで固定させることによって本発明にかかるマスクのフィット感はさらに向上する。この図でも左右のループ部22が耳掛けコード2により互いに引っ張られ顎に沿うようにフィットしている様子が見て取れる。
【0030】
図7は、本発明にかかるマスクの別の活用例を示す。本発明にかかるマスクの裏面(顔に接する面)に設けられている顎収容部3は、補助マスク収容部としても機能する。また、
図7のb図、またはc図に示されるように、顎収容部3の上端側は補強兼調整部32が設けられている。この補強兼調整部32は、一方で顎収容部がマスク本体から取れないよう補強するととともに、顎収容部3の大きさを一般的な着用者の顎の大きさ、又は顎収容部3に収納される補助マスク31の大きさに調整する役割を果たしている。
【0031】
最後に本発明にかかるマスクを、楽器演奏に用いる際の使用方法を説明する。
図8に示されるように、まずダウンホール18に通されている耳掛けコード2をダウンホール18から抜き取る。この状態で着用することにより、本発明にかかるマスクを着用した状態でも、顎収容部3に顎を収容せずに管楽器・吹奏楽器等の演奏することが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1 マスク本体
11 上辺
12 左辺
13 右辺
14 下辺
15 角
16 中央
17 カット部
18 ダウンホール
2 耳掛けコード部
21 耳掛けコード部取付け部
22 ループ部
23 コードストッパー
3 顎収容部
31 補助マスク
32 補強兼調整部