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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049180
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】街路灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20230403BHJP
   F21V 21/116 20060101ALI20230403BHJP
   F21V 21/20 20060101ALI20230403BHJP
   F21W 131/103 20060101ALN20230403BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230403BHJP
【FI】
F21S8/08 121
F21V21/116
F21V21/20
F21W131:103
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158767
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松本 匡弘
(72)【発明者】
【氏名】樹下 浩
(72)【発明者】
【氏名】松田 次弘
(72)【発明者】
【氏名】山下 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 誠
(57)【要約】
【課題】灯具の落下の可能性をより低くすることができる。
【解決手段】街路灯1は、先端部に設けられた開口121、及び、開口121に連通する中空空間120を有するポール10と、先端部に取り付けられる灯具20と、灯具20に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が中空空間120内に位置するワイヤ30と、中空空間120内に位置し、剛性を有する落下防止金具40と、ワイヤ30の他端に取り付けられ、ワイヤ30と落下防止金具40とを互いに独立に可動な状態で保持する接続金具50と、を備える。ポール10は、中空空間120内において落下防止金具40の少なくとも一部よりも開口121側に位置し、落下防止金具40の少なくとも一部が開口121に至るのを規制する規制部122を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に設けられた開口、及び、当該開口に連通する中空空間を有するポールと、
前記先端部に取り付けられる灯具と、
前記灯具に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が前記中空空間内に位置するワイヤと、
前記中空空間内に位置し、剛性を有する第1部材と、
前記ワイヤの他端に取り付けられ、前記ワイヤと前記第1部材とを互いに独立に可動な状態で保持する第2部材と、を備え、
前記ポールは、前記中空空間内において前記第1部材の少なくとも一部よりも前記開口側に位置し、前記第1部材の前記少なくとも一部が前記開口に至るのを規制する規制部を有する、
街路灯。
【請求項2】
先端部に設けられた開口、及び、当該開口に連通する中空空間を有するポールと、
前記先端部に取り付けられる灯具と、
前記灯具に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が前記中空空間内に位置するワイヤと、
前記中空空間内に位置する第1部材と、
前記ワイヤの他端に取り付けられ、前記ワイヤと前記第1部材とを互いに独立に可動な状態で保持する第2部材と、を備え、
前記ポールは、
第1ポール部と、
前記第1ポール部に連結され、前記開口と前記中空空間の少なくとも一部とを有する第2ポール部と、を備え、
前記第2ポール部は、前記中空空間内において前記第1部材の少なくとも一部よりも前記開口側に位置し、前記第1部材の前記少なくとも一部が前記開口に至るのを規制する規制部を有する、
街路灯。
【請求項3】
先端部に設けられた開口、及び、当該開口に連通する中空空間を有するポールと、
前記先端部に取り付けられる灯具と、
前記灯具に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が前記中空空間内に位置するワイヤと、
前記中空空間内に位置する第1部材と、
前記ワイヤの他端に取り付けられ、前記ワイヤと前記第1部材とを互いに独立に可動な状態で保持する第2部材と、を備え、
前記ポールは、
第1ポール部と、
前記第1ポール部に連結され、前記開口と前記中空空間の少なくとも一部とを有する第2ポール部と、を備え、
前記第1ポール部は、前記中空空間内において前記第1部材の少なくとも一部よりも前記開口側に位置し、前記第1部材の前記少なくとも一部が前記開口に至るのを規制する規制部を有する、
街路灯。
【請求項4】
さらに、前記第2ポール部に取り付けられ、通信機能、センサ機能、又は、前記灯具の制御若しくは取付に関わる機能を有する機能モジュールを備える、
請求項2又は3に記載の街路灯。
【請求項5】
前記第1部材は、
一端が前記第2部材に保持された棒体部と、
前記棒体部の他端に接続された板体部と、を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の街路灯。
【請求項6】
前記板体部は、前記灯具が前記先端部から脱離した場合に、前記規制部に係止する、
請求項5に記載の街路灯。
【請求項7】
前記棒体部の前記一端は、前記板体部が前記規制部に係止した場合に、前記開口の開口面に位置し、又は、前記ポールの外部に位置している、
請求項6に記載の街路灯。
【請求項8】
前記第2部材の少なくとも一部は、前記板体部が前記規制部に係止した場合に、前記開口の開口面に位置し、又は、前記ポールの外部に位置している、
請求項6又は7に記載の街路灯。
【請求項9】
前記板体部には、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられている、
請求項5~8のいずれか1項に記載の街路灯。
【請求項10】
さらに、前記第1部材の少なくとも一部を被覆し、前記第1部材より柔らかい被覆部材を備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の街路灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、街路灯に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、道路照明灯の落下防止構造が開示されている。特許文献1に開示された落下防止構造は、照明器具(灯具)と、支柱と、支柱内に挿入されるV字留め具と、V字留め具の頂部に接続され、他端が照明器具に接続されるワイヤと、を備える。V字留め具が支柱内部に係止することによって、ワイヤを介してV字留め具に接続された照明器具の落下を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3122504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、V字留め金具は、力がかかる向き及び大きさによっては抜け落ちる場合がある。この場合には、照明器具の落下を防止することができない。
【0005】
本発明は、灯具の落下の可能性をより低くすることができる街路灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る街路灯は、先端部に設けられた開口、及び、当該開口に連通する中空空間を有するポールと、前記先端部に取り付けられる灯具と、前記灯具に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が前記中空空間内に位置するワイヤと、前記中空空間内に位置し、剛性を有する第1部材と、前記ワイヤの他端に取り付けられ、前記ワイヤと前記第1部材とを互いに独立に可動な状態で保持する第2部材と、を備える。前記ポールは、前記中空空間内において前記第1部材の少なくとも一部よりも前記開口側に位置し、前記第1部材の前記少なくとも一部が前記開口に至るのを規制する規制部を有する。
【0007】
本発明の別の一態様に係る街路灯は、先端部に設けられた開口、及び、当該開口に連通する中空空間を有するポールと、前記先端部に取り付けられる灯具と、前記灯具に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が前記中空空間内に位置するワイヤと、前記中空空間内に位置する第1部材と、前記ワイヤの他端に取り付けられ、前記ワイヤと前記第1部材とを互いに独立に可動な状態で保持する第2部材と、を備える。前記ポールは、第1ポール部と、前記第1ポール部に連結され、前記開口と前記中空空間の少なくとも一部とを有する第2ポール部と、を備える。前記第2ポール部は、前記中空空間内において前記第1部材の少なくとも一部よりも前記開口側に位置し、前記第1部材の前記少なくとも一部が前記開口に至るのを規制する規制部を有する。
【0008】
本発明の別の一態様に係る街路灯は、先端部に設けられた開口、及び、当該開口に連通する中空空間を有するポールと、前記先端部に取り付けられる灯具と、前記灯具に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が前記中空空間内に位置するワイヤと、前記中空空間内に位置する第1部材と、前記ワイヤの他端に取り付けられ、前記ワイヤと前記第1部材とを互いに独立に可動な状態で保持する第2部材と、を備える。前記ポールは、第1ポール部と、前記第1ポール部に連結され、前記開口と前記中空空間の少なくとも一部とを有する第2ポール部と、を備える。前記第1ポール部は、前記中空空間内において前記第1部材の少なくとも一部よりも前記開口側に位置し、前記第1部材の前記少なくとも一部が前記開口に至るのを規制する規制部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る街路灯によれば、灯具の落下の可能性をより低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る街路灯の概略側面図である。
図2図2は、実施の形態に係る街路灯の灯具を取り外して上方に持ち上げた状態を示す側面図である。
図3図3は、実施の形態に係る街路灯におけるワイヤと落下防止金具との接続を示す図である。
図4図4は、実施の形態に係る街路灯における落下防止金具の斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る街路灯における落下防止金具の機能を説明するための図である。
図6図6は、実施の形態に係る街路灯における灯具が脱離した場合の落下防止金具の状態を示す図である。
図7図7は、変形例1に係る街路灯における落下防止金具を示す図である。
図8図8は、変形例2に係る街路灯における灯具が脱離した場合の落下防止金具の状態を示す図である。
図9図9は、変形例3に係る街路灯における落下防止金具の機能を説明するための図である。
図10図10は、変形例4に係る街路灯における落下防止金具の機能を説明するための図である。
図11図11は、変形例5に係る街路灯における落下防止金具の機能を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態に係る街路灯について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
また、本明細書において、円柱、角柱などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0014】
また、本明細書において、ワイヤ又は棒体部の「一端」及び「他端」は、厳密な意味でのワイヤ又は棒体部の端部を意味している訳ではない。すなわち、ワイヤの「一端」とは、ワイヤの一方側の先端部分を意味するだけでなく、先端部分の近傍の範囲も含む意味である。「他端」についても同様である。近傍の範囲とは、例えば、ワイヤの全長の1/4程度である。
【0015】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0016】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る街路灯の構成について、図1図5を用いて説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る街路灯1の概略側面図である。図2は、本実施の形態に係る街路灯1の灯具20を取り外して上方に持ち上げた状態を示す側面図である。図3は、本実施の形態に係る街路灯1におけるワイヤ30と落下防止金具40との接続を示す図である。図4は、本実施の形態に係る街路灯1における落下防止金具40の斜視図である。図5は、本実施の形態に係る街路灯1における落下防止金具40の機能を説明するための図である。
【0018】
本実施の形態に係る街路灯1は、道路、通路、駐車場、広場若しくは公園などの地面、又は、橋梁、高架若しくは建物などの建造物に設置され、下方(地面)を照らす照明装置である。図1に示されるように、街路灯1は、ポール10と、灯具20と、機能モジュール60と、を備える。
【0019】
ポール10は、鉛直上方に延びるように地面に立設されている。ポール10の高さは、例えば数mから十数m程度である。ポール10は、内部の少なくとも一部が中空の柱体である。具体的には、図5に示されるように、ポール10は、先端に設けられた開口121と、開口121に連通する中空空間120と、を有する。また、ポール10は、規制部122を有する。なお、図5は、ポール10(第2ポール部12)を中心軸に沿って切断したときの断面を表している。ポール10以外の構成は、側方から見た状態で図示している。
【0020】
本実施の形態では、図2に示されるように、ポール10は、第1ポール部11と、第2ポール部12と、を備える。第2ポール部12は、第1ポール部11よりも先端側に位置している。つまり、第2ポール部12は、開口121と、中空空間120の少なくとも一部と、を有する。中空空間120は、第2ポール部12から第1ポール部11に亘って設けられている。
【0021】
第1ポール部11は、例えば、地面に固定された支柱部分である。第1ポール部11は、内部の少なくとも一部が中空の円柱体(例えば、円筒体)であるが、これに限定されない。第1ポール部11は、内部の少なくとも一部が中空の角柱体(例えば、角筒体)であってもよい。また、第1ポール部11は、下端(後端)から上端(先端)に向かって先細る形状であってもよい。第1ポール部11は、地面又は設置面に対して斜め上方に向かって延びるように設けられていてもよい。第1ポール部11は、金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0022】
第2ポール部12は、第1ポール部11の先端部に機能モジュール60を取り付けるための着脱可能なアダプタポール部である。なお、機能モジュール60は、1つ以上の機能を有するモジュールである。1つ以上の機能は、例えば、通信機能、センサ機能、又は、灯具20の制御若しくは取付に関わる機能などの少なくとも1つを含んでいる。
【0023】
通信機能は、例えば、無線通信を行う機能である。センサ機能は、例えば、ポール10の周辺環境の環境値を検知する機能である。環境値は、例えば、温度、風速、湿度、水の流量、空気質などを含む。あるいは、センサ機能は、ポール10の状態を検知する機能であってもよい。ポール10の状態とは、例えば、電気抵抗及び歪みなどである。また、センサ機能は、機能モジュール60に加わる加速度を検知する機能であってもよい。加速度に基づいて、地震又は台風などによる揺れを検知することができる。あるいは、センサ機能は、人又は物体の移動を検知する機能であってもよい。例えば、センサ機能は、赤外線又は電波を利用して映像を取得する機能であってもよい。また、機能モジュール60が有する機能には、各機能によって得られたデータ又は情報を処理するプログラムを実行する演算機能が含まれてもよい。あるいは、灯具20の制御若しくは取付に関わる機能は、灯具20の点灯若しくは消灯の制御、灯具20の向き及び姿勢を調整する機能、及び、灯具20を設置若しくは増設するための機能などの少なくとも1つを含む。例えば、機能モジュール60は、無線通信装置、監視カメラ、制御装置、及び演算装置の少なくとも1つであるが、これらに限定されない。
【0024】
第2ポール部12は、第1ポール部11の先端部に挿入されて、ネジなどによって固定されている。第2ポール部12は、例えば、金属製の円筒体であるが、これに限定されない。第2ポール部12は、樹脂製であってもよく、各筒体であってもよい。
【0025】
なお、図示されていないが、第2ポール部12には、第1ポール部11からの落下を防止するための落下防止機構が設けられている。落下防止機構は、例えば、第1ポール部11と第2ポール部12とを接続するワイヤである。第1ポール部11と第2ポール部12とを固定するネジが外れて第2ポール部12が第1ポール部11の先端から脱離した場合に、ワイヤが第2ポール部12の落下を防止する。
【0026】
灯具20は、ポール10の先端部(上端部)に取り付けられている。本実施の形態では、灯具20は、第2ポール部12の開口121を覆うように取り付けられネジなどによって固定されている。灯具20は、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含む照明器具である。灯具20の形状及び大きさは、特に限定されない。
【0027】
本実施の形態に街路灯1は、灯具20の落下を防止するための落下防止機構を備える。具体的には、図2に示されるように、街路灯1は、ワイヤ30と、落下防止金具40と、接続金具50と、を備える。なお、図2では、灯具20をポール10の上方に持ち上げた状態を表しているが、灯具20がポール10の先端に取り付けられた状態では、ワイヤ30、落下防止金具40及び接続金具50はいずれも、ポール10の内部の中空空間120(図5を参照)内に位置している。
【0028】
ワイヤ30は、灯具20に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が中空空間120内に位置している。図3に示されるように、ワイヤ30の他端には、挿通孔30aが設けられている。挿通孔30aには接続金具50が挿通されている。
【0029】
ワイヤ30と灯具20との接続は、特に限定されない。例えば、ワイヤ30の一端に設けられた孔を利用して灯具20に対してネジ止めされていてもよく、ワイヤ30と灯具20とは溶接されていてもよい。ワイヤ30は、例えば金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0030】
落下防止金具40は、剛性を有する第1部材の一例であり、中空空間120内に位置している。なお、「剛性」とは、所定の力を加えた場合であっても変形しないことである。具体的には、「剛性」とは、灯具20の重さの2倍以上の力が加わっても変形しないことを意味する。
【0031】
図4に示されるように、落下防止金具40は、棒体部41と、板体部42と、を有する。棒体部41と板体部42とはそれぞれ、金属製であり、一体的に構成されている。例えば、棒体部41と板体部42は、溶接により固定されている。
【0032】
棒体部41は、先端部(一端)が接続金具50に保持され、後端部(他端)が板体部42に接続されている。棒体部41の先端部には、挿通孔41aが設けられている。
【0033】
板体部42は、剛性を有する円板状の金属板である。板体部42は、図5に示されるように、中空空間120内において、規制部122よりも開口121から離れた位置(具体的には、規制部122よりも下方)に位置している。板体部42は、中空空間120の、ポール10の軸方向に直交する断面形状とほぼ同じであり、大きさが一回り小さい。なお、一回りとは、例えば1%~10%程度であるが、これには限定されない。
【0034】
板体部42の中央には、貫通孔42aが設けられている。貫通孔42aは、灯具20への電力供給を行うための配線を挿通するための孔である。なお、貫通孔42aは、板体部42の端面から切り欠かれた形状を有してもよい。つまり、板体部42は、円環形状ではなく、C字状に形成されていてもよい。
【0035】
接続金具50は、第2部材の一例であり、ワイヤ30と落下防止金具40とを互いに独立に可動な状態で保持する。接続金具50は、カラビナと称される金属製の環状の固定具である。図3に示されるように、接続金具50は、環の開閉を行う開閉部51を有する。開閉部51を開けた状態で、ワイヤ30の挿通孔30aと落下防止金具40の挿通孔41aとに接続金具50を通した後、開閉部51を閉じる。開閉部51は、例えばネジ式の開閉部であるが、バネ式の開閉部であってもよい。
【0036】
これにより、ワイヤ30と落下防止金具40とは、接続金具50の環に沿って自由に移動可能な状態で保持される。このため、ワイヤ30と落下防止金具40との間で力が直接的に伝わらないようにすることができるので、ワイヤ30に大きな力が加わったとしてもワイヤ30と落下防止金具40との接続が外れる可能性を低くすることができる。
【0037】
[落下防止機構]
続いて、街路灯1が備える灯具20の落下防止機構の具体的な作用について、図5及び図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係る街路灯1における灯具20が脱離した場合の落下防止金具40の状態を示す図である。
【0038】
灯具20がポール10の先端から脱離して落下しようとした場合、本実施の形態に係る街路灯1では、落下防止金具40がポール10の先端の開口121から飛び出さないように構成されている。具体的には、図5に示されるように、ポール10の内部には、落下防止金具40の一部(具体的には、板体部42)が係止される規制部122が設けられている。
【0039】
規制部122は、中空空間120内において落下防止金具40の少なくとも一部よりも開口121側に位置している。具体的には、規制部122は、落下防止金具40の板体部42よりも開口121側に位置している。規制部122は、落下防止金具40の板体部42が開口121に至るのを規制する。
【0040】
本実施の形態では、規制部122は、第2ポール部12の内面から突出した突起である。規制部122は、例えば円環状に設けられている。規制部122が設けられている部位では、第2ポール部12の軸方向に直交する断面における中空空間120の断面積が、規制部122が設けられていない部位の断面積(例えば、開口121の開口面積)よりも小さくなる。このため、剛性を有する板体部42は、規制部122に係止され、規制部122を超えることができない。
【0041】
このため、落下防止金具40は、開口121から挿入したとしても規制部122を超えない。本実施の形態では、落下防止金具40は下端側からポール10内の中空空間120に挿入される。例えば、第2ポール部12の下端側の開口から落下防止金具40が挿入される。
【0042】
灯具20がポール10の先端から脱離した場合、灯具20は通常、下方に落下しようとする。このため、図6の白塗りの矢印で示されるように、灯具20に接続されたワイヤ30には、下方に引っ張る力が加わる。ワイヤ30には、接続金具50を介して落下防止金具40が接続されているので、ワイヤ30に加わる張力によって、落下防止金具40の棒体部41が上方へ引っ張られ、落下防止金具40は開口121側へ移動しようとする。
【0043】
しかしながら、棒体部41が上方に引っ張られたとしても、板体部42は規制部122に係止されるので、板体部42は開口121には至らない。つまり、落下防止金具40の少なくとも一部は、開口121には至らず、落下防止金具40が開口121から飛び出さない。これにより、落下防止金具40にワイヤ30を介して接続された灯具20の落下が防止される。
【0044】
本実施の形態では、図6に示されるように、灯具20が脱離し、板体部42が規制部122に係止した場合に、棒体部41の先端は、ポール10の外部に位置している。すなわち、棒体部41の先端は、開口121から飛び出ており、接続金具50及びワイヤ30もポール10の外部に位置している。
【0045】
棒体部41の先端部は、ポール10の開口121の縁に接触しており、ワイヤ30を下方に引っ張る力の一部が棒体部41の先端部分に加わる。このため、ワイヤ30がポール10の開口121の縁に接触しなくなるので、ワイヤ30に剪断力がかかるのを抑制することができる。このため、ワイヤ30が切断されにくくなるので、灯具20が落下する可能性をより低くすることができる。
【0046】
また、棒体部41の先端がポール10の外部に位置しているので、接続金具50を棒体部41に取り付ける作業を行いやすくなるという利点もある。なお、棒体部41の先端部は、ポール10の外部に位置せず、開口121の開口面に位置していてもよい。この場合も、ポール10の外部に位置する場合と同様の効果が得られる。
【0047】
また、本実施の形態では、ポール10が第1ポール部11と第2ポール部12とに分離可能であるため、灯具20は、第2ポール部12ごと落下する可能性もある。すなわち、第2ポール部12が第1ポール部11に対して脱離する場合がある。上述したように、第2ポール部12と第1ポール部11との間には、第2ポール部12の落下を防止するための落下防止機構(例えば、ワイヤ。図示せず)が設けられているので、第2ポール部12が第1ポール部11から脱離した場合であっても、ワイヤによって落下は防止される。
【0048】
第2ポール部12の落下が防止される一方で、第2ポール部12が上下逆さまになり得るため、第2ポール部12の先端の開口121が下方を向くことになり、灯具20が第2ポール部12の先端から脱離する。開口121が下方に向いて灯具20が脱離した場合であっても、落下防止金具40の板体部42が規制部122に係止される。板体部42は剛性を有しており変形しないので、規制部122を超えることはなく、灯具20の落下を防止することができる。
【0049】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る街路灯1は、先端部に設けられた開口121、及び、開口121に連通する中空空間120を有するポール10と、先端部に取り付けられる灯具20と、灯具20に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が中空空間120内に位置するワイヤ30と、中空空間120内に位置し、剛性を有する落下防止金具40と、ワイヤ30の他端に取り付けられ、ワイヤ30と落下防止金具40とを互いに独立に可動な状態で保持する接続金具50と、を備える。ポール10は、中空空間120内において落下防止金具40の少なくとも一部よりも開口121側に位置し、落下防止金具40の少なくとも一部が開口121に至るのを規制する規制部122を有する。
【0050】
例えば、特許文献1に開示された落下防止機構では、V字留め具が弾性変形可能であるので、V字留め具にかかる力の強さ及び向きによっては、V字留め具が支柱内部で係止せずに抜け落ちてしまう場合がある。この場合、照明器具(灯具)の落下を防止することができない。
【0051】
これに対して、本実施の形態に係る街路灯1では、落下防止金具40が剛性を有するので、落下防止金具40の少なくとも一部は規制部122を超えず、開口121に至らない。このため、落下防止金具40がポール10から脱離するのが抑制されるので、落下防止金具40に接続された灯具20の落下の可能性を低減することができる。
【0052】
また、ワイヤ30と落下防止金具40とが接続金具50を介して互いに独立に可動な状態で保持されるので、ワイヤ30と落下防止金具40との間で力が直接的に伝わらないようにすることができる。このため、ワイヤ30に大きな力が加わったとしてもワイヤ30と落下防止金具40との接続が外れる可能性を低くすることができる。よって、灯具20の落下の可能性をより低くすることができる。
【0053】
また、例えば、先端部に設けられた開口121、及び、開口121に連通する中空空間120を有するポール10と、先端部に取り付けられる灯具20と、灯具20に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が中空空間120内に位置するワイヤ30と、中空空間120内に位置する落下防止金具40と、ワイヤ30の他端に取り付けられ、ワイヤ30と落下防止金具40とを互いに独立に可動な状態で保持する接続金具50と、を備える。ポール10は、第1ポール部11と、第1ポール部11に連結され、開口121と中空空間120の少なくとも一部とを有する第2ポール部12と、を備える。第2ポール部12は、中空空間120内において落下防止金具40の少なくとも一部よりも開口121側に位置し、落下防止金具40の少なくとも一部が開口121に至るのを規制する規制部122を有する。
【0054】
このように、街路灯1では、第2ポール部12の脱離の可能性がある。第2ポール部12は、ワイヤなどの落下防止機構により第1ポール部11に接続されている場合には、第2ポール部12の落下は免れるものの、第2ポール部12の先端の開口121が下方を向くことになる。開口121が下方に向いた場合であっても、落下防止金具40が規制部122に係止される。落下防止金具40は剛性を有しており変形しないので、規制部122を超えることはなく、灯具20の落下の可能性を低くすることができる。このように、灯具20のみが脱離した場合はもちろん、第2ポール部12ごと脱離した場合も、灯具20の落下の可能性を低くすることができる。すなわち、灯具20の落下に対する二重安全(フェールセーフ)機能を果たすことができる。
【0055】
また、例えば、街路灯1は、さらに、第2ポール部12に取り付けられ、通信機能、センサ機能、又は、前記灯具の制御若しくは取付に関わる機能を有する機能モジュール60を備える。
【0056】
これにより、街路灯1に照明以外の機能を持たせることができる。
【0057】
また、例えば、落下防止金具40は、一端が接続金具50に保持された棒体部41と、棒体部41の他端に接続された板体部42と、を含む。
【0058】
これにより、棒体部41を開口121の近傍に位置させることができるので、接続金具50と落下防止金具40との接続を容易に行うことができる。
【0059】
また、例えば、板体部42は、灯具20が先端部から脱離した場合に、規制部122に係止する。
【0060】
これにより、落下防止金具40の板体部42が規制部122を超えないので、灯具20の落下の可能性を低くすることができる。
【0061】
また、例えば、棒体部41の一端は、板体部42が規制部122に係止した場合に、開口121の開口面に位置し、又は、ポール10の外部に位置している。
【0062】
これにより、ワイヤ30が開口121の縁に擦れることによりワイヤ30に剪断力がかかるのを抑制することができる。よって、ワイヤ30が切断されるのを抑制することができ、灯具20の落下の可能性を低くすることができる。
【0063】
また、例えば、板体部42には、厚み方向に貫通する貫通孔42aが設けられている。
【0064】
これにより、灯具20に対する電力供給用の配線を通すスペースを確保することができる。
【0065】
[変形例]
続いて、実施の形態の変形例について説明する。以下の説明では、実施の形態との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0066】
[変形例1]
図7は、変形例1に係る街路灯201における落下防止金具40を示す図である。図7に示されるように、本変形例に係る街路灯201は、実施の形態に係る街路灯1と比較して、さらに、被覆部材270を備える点が相違する。
【0067】
被覆部材270は、落下防止金具40の少なくとも一部を被覆する。具体的には、被覆部材270は、落下防止金具40のうち、ポール10に接触しうる部位を被覆する。例えば、被覆部材270は、板体部42の表面を覆っている。より具体的には、図7に示されるように、被覆部材270は、板体部42の上面を覆っている。なお、被覆部材270は、板体部42の外周端面及び下面の少なくとも一方を覆っていてもよい。また、被覆部材270は、棒体部41の外側面を覆っていてもよい。
【0068】
被覆部材270は、落下防止金具40より柔らかい部材である。例えば、被覆部材270は、ゴム又は樹脂などの金属よりも柔らかい材料を用いて形成されている。
【0069】
このように、本変形例に係る街路灯201は、さらに、落下防止金具40の少なくとも一部を被覆し、落下防止金具40より柔らかい被覆部材270を備える。
【0070】
これにより、落下防止金具40とポール10とが直接接触するのを抑制することができる。よって、金属同士の接触による異音の発生を抑制することができる。また、落下防止金具40とポール10とが傷付き破損するのを抑制することができる。
【0071】
[変形例2]
図8は、変形例2に係る街路灯301における灯具20が脱離した場合の落下防止金具340の状態を示す図である。本変形例に係る街路灯301は、実施の形態に係る街路灯1と比較して、落下防止金具40の代わりに落下防止金具340を備える点が相違する。
【0072】
落下防止金具340は、棒体部41の代わりに棒体部341を備える。棒体部341は、例えば、棒体部41より短い。具体的には、図8に示されるように、灯具20が脱離し、板体部42が規制部122に係止した場合に、棒体部341の先端は、ポール10の内部に位置している。すなわち、棒体部341の先端は、開口121から飛び出ていない。
【0073】
この場合において、接続金具50の少なくとも一部は、開口121の開口面に位置し、又は、ポール10の外部に位置している。ワイヤ30が下方に引っ張られているので、接続金具50が開口121の縁に接触しており、ワイヤ30を下方に引っ張る力の一部が接続金具50に加わる。このため、ワイヤ30がポール10の開口121の縁に接触しにくくなり、また、接触したとしても、ワイヤ30にかかる剪断力を小さくすることができる。このため、ワイヤ30が切断されにくくなるので、灯具20が落下する可能性をより低くすることができる。
【0074】
このように、例えば、接続金具50の少なくとも一部は、板体部42が規制部122に係止した場合に、開口121の開口面に位置し、又は、ポール10の外部に位置している。
【0075】
これにより、ワイヤ30に剪断力がかかり切断されるのを抑制することができ、灯具20の落下の可能性を低くすることができる。
【0076】
[変形例3]
図9は、変形例3に係る街路灯401における落下防止金具40の機能を説明するための図である。本変形例に係る街路灯401は、実施の形態に係る街路灯1と比較して、第1ポール部411に落下防止のための規制部441が設けられている点が相違する。
【0077】
図9に示されるように、街路灯401は、第1ポール部411及び第2ポール部412を有するポール410を備える。図9では、第1ポール部411と第2ポール部412とが分離した状態を表しているが、実際には、第1ポール部411の上端部分に第2ポール部412が挿入されている。例えば、第1ポール部411の上端部分の外径が他の部分より小さくなっており、第2ポール部412の下端の開口に挿入される。なお、第1ポール部411と第2ポール部412との固定方法は、特に限定されない。
【0078】
ポール410は、中空空間420を有する。中空空間420は、第1ポール部411内の第1中空空間421と、第2ポール部412内の第2中空空間422と、を有する。第1ポール部411の上端には、開口431が設けられている。開口431には、第1中空空間421が連通している。第2ポール部412の上端には、開口432が設けられている。開口432には、第2中空空間422が連通している。第1ポール部411と第2ポール部412とが接続されることにより、第1中空空間421と第2中空空間422とが連通し、1つの中空空間420を形成する。なお、開口432は、実施の形態1に係る開口121と同じであり、灯具20が取り付けられる。
【0079】
本変形例では、第1ポール部411が規制部441を有する。規制部441の機能は、実施の形態1に係る規制部122と同じである。規制部441が第1ポール部411に設けられていることにより、落下防止金具40は、第1ポール部411の開口431から脱離しない。
【0080】
本変形例では、規制部441は、第1ポール部411の内面に設けられた段差部であるが、これに限定されない。規制部441は、規制部122と同様に、第1ポール部11の内面から突出した突起であってもよい。規制部441が設けられている部位では、第1ポール部411の軸方向に直交する断面における中空空間420の断面積が、規制部441が設けられていない部位の断面積よりも小さくなる。このため、剛性を有する板体部42は、規制部441に係止され、規制部441を超えることができない。このため、落下防止金具40は、第1ポール部411の開口431から脱離しない。
【0081】
以上のように、本変形例に係る街路灯401は、先端部に設けられた開口432、及び、開口432に連通する中空空間420を有するポール410と、先端部に取り付けられる灯具20と、灯具20に一端が接続され、かつ、少なくとも他端が中空空間420内に位置するワイヤ30と、中空空間420内に位置する落下防止金具40と、ワイヤ30の他端に取り付けられ、ワイヤ30と落下防止金具40とを互いに独立に可動な状態で保持する接続金具50と、を備える。ポール410は、第1ポール部411と、第1ポール部411に連結され、開口431と中空空間420の少なくとも一部とを有する第2ポール部412と、を備える。第1ポール部411は、中空空間420内において落下防止金具40の少なくとも一部よりも開口432側に位置し、落下防止金具40の少なくとも一部が開口431に至るのを規制する規制部441を有する。
【0082】
このように、街路灯401では、第2ポール部412の脱離の可能性がある。第2ポール部412が脱離した場合には、灯具20も共に脱離することになる。本変形例に係る街路灯401によれば、灯具20が落下しようとした場合、灯具20に接続されたワイヤ30、接続金具50及び落下防止金具40が引っ張られる。このとき、落下防止金具40の板体部42が規制部441に引っ掛かり、灯具20の落下を防止することができる。また、この際に、第2ポール部412は、開口432が下方を向いた状態になるが、灯具20は、ワイヤ30、接続金具50および落下防止金具40(棒体部41)にかかる張力により支えられるので、落下を防止することができる。また、灯具20のみが脱離した状態であっても、ワイヤ30、接続金具50および落下防止金具40が引っ張られ、落下防止金具40の板体部42が規制部441に引っ掛かり、灯具20の落下を防止することができる。
【0083】
[変形例4]
図10は、変形例4に係る街路灯501における落下防止金具540の機能を説明するための図である。本変形例に係る街路灯501は、変形例3に係る街路灯401と比較して、落下防止金具40の代わりに落下防止金具540を備える点が相違する。
【0084】
図10に示されるように、落下防止金具540は、落下防止金具40と比較して、棒体部41の代わりに棒体部541を備える。棒体部541は、棒体部41よりも短く、そのほぼ全体が第1ポール部411の第1中空空間422内に位置している。このため、落下防止金具540が規制部441に係止されて最も上方に位置する状態では、接続金具50の一部が第1ポール部411の開口431と同じ高さに位置している。
【0085】
この場合であっても、変形例3の場合と同様に、灯具20の落下に対する二重安全機能を果たすことができる。
【0086】
[変形例5]
図11は、変形例5に係る街路灯601における落下防止金具540の機能を説明するための図である。本変形例に係る街路灯601は、変形例4に係る街路灯501と比較して、さらに、接続部材630と、接続金具650と、を備える。本変形例では、灯具20に一端が接続されたワイヤ30と落下防止金具540とは、接続金具650、接続部材630及び接続金具50の3つの部材を介して接続されている。
【0087】
接続部材630は、例えば、両端に挿通孔が設けられた金属棒である。接続部材630は、落下防止金具540の棒体部541と同様に剛性を有する。あるいは、接続部材630は、両端に挿通孔が設けられたワイヤであってもよい。接続部材630の両端の挿通孔にそれぞれ、接続金具50及び650が挿通されている。
【0088】
接続金具650は、接続金具50と同じであり、例えば、金属製の環状の固定具である。
【0089】
このように、ワイヤ30と落下防止金具540とを複数の部材を介して接続することにより、ワイヤ30と落下防止金具540との可動域を大きくすることができる。灯具20の脱離の際にかかる力を緩和することができるので、各部材の剪断及び破壊が抑制される。これにより、灯具20の落下の可能性をより低くすることができる。
【0090】
なお、本変形例では、接続部材630が設けられていなくてもよい。つまり、ワイヤ30と落下防止金具540との間に設けられる部材の個数は、2個であってもよい。あるいは、ワイヤ30と落下防止金具540との間に設けられる部材の個数は、4個以上であってもよい。
【0091】
(その他)
以上、本発明に係る街路灯について、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0092】
例えば、上記の実施の形態では、規制部122が第2ポール部12の内面に設けられた突起である例を示したが、これに限らない。例えば、規制部122は、第2ポール部12の内面に設けられた段差部であってもよい。具体的には、第2ポール部12は、後端側よりも先端側が細い段状の筒体であってもよい。この場合、開口121を板体部42より小さくすることができるので、落下防止金具40を開口121から誤って挿入するのを防止することができる。
【0093】
また、例えば、上記実施の形態では、ポール10が第1ポール部11と第2ポール部12とに分離可能である例を示したが、これに限定されない。ポール10は、単一の(1本の)ポールであってもよい。あるいは、ポール10は、3つ以上のポール部に分離可能であってもよい。
【0094】
また、例えば、落下防止金具40の全体が剛性を有しなくてもよい。例えば、板体部42が弾性を有し、棒体部41は弾性を有してもよい。この場合においても、板体部42が規制部122に係止されることにより、落下防止金具40が開口121から飛び出すのを抑制することができる。
【0095】
また、例えば、落下防止金具40の形状についても特に限定されない。例えば、落下防止金具40は、板体部42の代わりに、立方体、直方体、円柱体、角柱体又は球体などのブロック状の部分を備えてもよい。
【0096】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1、201、301、401、501、601 街路灯
10、410 ポール
11、411 第1ポール部
12、412 第2ポール部
20 灯具
30 ワイヤ
40、340、540 落下防止金具(第1部材)
41、341、541 棒体部
42 板体部
42a 貫通孔
50 接続金具(第2部材)
60 機能モジュール
120、420 中空空間
121、432 開口
122、441 規制部
270 被覆部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11