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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004919
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】運動模倣装置
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/04 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A63G31/04
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022097681
(22)【出願日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】110123470
(32)【優先日】2021-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522243370
【氏名又は名称】ブロジェント テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BROGENT TECHNOLOGIES INC.
【住所又は居所原語表記】No.9, Fuxing 4th Road, Qianzhen Dist., Kaohsiung city 806, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ティエン-ニ チョン
(57)【要約】
【課題】少なくとも従来技術の問題に取り組むことができる運動模倣装置を提供する。
【解決手段】運動模倣装置が、支持ベースと、結合部と、1人以上の乗員を運ぶように構成される乗員プラットフォームと、2つの線形アクチュエータとを含む。結合部は、第1のピボット軸について支持ベースに枢動的に接続される。乗員プラットフォームは、支持ベースより上に配置され、第2のピボット軸について結合部に枢動的に接続され、第1のピボット軸は、第2のピボット軸に対して実質的に直交する。2つの線形アクチュエータは、第2のピボット軸の2つの反対側にそれぞれ枢動的に接続され、2つの線形アクチュエータは、支持ベースにそれぞれ枢動的に接続され、第2のピボット軸の2つの反対側で乗員プラットフォームにそれぞれ枢動的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持ベースと、
第1のピボット軸について前記支持ベースに枢動的に接続される結合部と、
1人以上の乗員を運ぶように構成され、前記支持ベースより上に配置され、第2のピボット軸について前記結合部に枢動的に接続される、乗員プラットフォームと、
前記第2のピボット軸の2つの反対側にそれぞれ配置される2つの線形アクチュエータと、を含み、
前記第1のピボット軸は、前記第2のピボット軸に対して実質的に直交し、
前記2つの線形アクチュエータは、前記支持ベースにそれぞれ枢動的に接続され、前記第2のピボット軸の前記2つの反対側で前記乗員プラットフォームにそれぞれ枢動的に接続される、
運動模倣装置。
【請求項2】
前記第1のピボット軸は、前記第2のピボット軸の下側に位置する、請求項1に記載の運動模倣装置。
【請求項3】
前記2つの線形アクチュエータは、前記第2のピボット軸の前記2つの反対側に対称的に配置される、請求項1又は2に記載の運動模倣装置。
【請求項4】
前記2つの線形アクチュエータは、互いに平行であり、2つのピボット接続場所で前記乗員プラットフォームにそれぞれ枢動的に接続され、前記第2のピボット軸は、前記2つのピボット接続場所に対して実質的に等距離にある、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項5】
前記2つの線形アクチュエータは、前記第2のピボット軸に対してある角度で傾けられる、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項6】
前記2つの線形アクチュエータは、前記乗員プラットフォームを前記第1のピボット軸について回転させるように動作可能である、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項7】
前記2つの線形アクチュエータは、前記乗員プラットフォームを前記第2のピボット軸について回転させるように動作可能である、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項8】
前記2つの線形アクチュエータは、2つの第1のピボット接続場所で前記乗員プラットフォームにそれぞれ枢動的に接続され、2つの第2のピボット接続場所で前記支持ベースにそれぞれ枢動的に接続され、前記乗員プラットフォームは、第3のピボット接続場所で前記結合部に枢動的に接続され、前記第3のピボット接続場所は、前記支持ベースに対する前記2つの第1のピボット接続場所の高さと前記支持ベースに対する前記2つの第2のピボット接続場所の高さとの間にある前記支持ベースに対する高さにある、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項9】
前記結合部は、フレーム部分と、2つの延長部とを含み、前記フレーム部分は、前記乗員プラットフォームに結合するように構成され、前記2つの延長部は、前記フレーム部分の下側で突出し、前記第1のピボット軸について前記支持ベースにそれぞれ枢動的に接続される、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項10】
前記乗員プラットフォームは、少なくとも1つのシートと、該少なくとも1つのシートの背もたれ部分と固定的に接続されるシート支持フレームとを含み、該シート支持フレームは、前記少なくとも1つのシートの後部で前記第2のピボット軸について前記結合部に枢動的に接続される、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項11】
底部と、モータとを更に含み、前記支持ベースは、実質的に垂直に延びる第3のピボット軸について前記底部に枢動的に接続され、前記モータは、前記底部に対して前記第3のピボット軸について回転するよう前記支持ベースを駆動させるように動作可能である、請求項1~10のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項12】
前記支持ベースは、支持フレームを含み、前記結合部は、2つの緩衝部を介して前記支持フレームとそれぞれ接続される2つのブラケットを含む、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項13】
前記第1のピボット軸は、ピッチ軸であり、前記第2のピボット軸は、ロール軸である、請求項1~12のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項14】
支持ベースと、
第1のピボット軸について前記支持ベースに枢動的に接続される結合部と、
1人以上の乗員を運び、前記支持ベースより上に配置され、第2のピボット軸について前記結合部に枢動的に接続される、乗員プラットフォームと、
前記乗員プラットフォームと接続される作動システムとを含み、
前記第1のピボット軸は、前記第2のピボット軸に対して実質的に直交し、
前記作動システムは、前記乗員プラットフォームを前記第1のピボット軸及び前記第2のピボット軸について回転させるように動作可能である、
運動模倣装置。
【請求項15】
前記第1のピボット軸は、前記第2のピボット軸の下側に位置する、請求項14に記載の運動模倣装置。
【請求項16】
前記作動システムは、第1のピボット接続場所で前記乗員プラットフォームに枢動的に接続され且つ第2のピボット接続場所で前記支持ベースに枢動的に接続される、少なくとも1つの線形アクチュエータを含む、請求項14又は15に記載の運動模倣装置。
【請求項17】
前記乗員プラットフォームは、第3のピボット接続場所で前記結合部に枢動的に接続され、前記第3のピボット接続場所は、前記支持ベースに対する前記第1のピボット接続場所の高さと前記支持ベースに対する前記第2のピボット接続場所の高さとの間にある前記支持ベースに対する高さにある、請求項16に記載の運動模倣装置。
【請求項18】
前記線形アクチュエータは、前記第2のピボット軸に対してある角度で傾けられる、請求項16又は17に記載の運動模倣装置。
【請求項19】
底部と、モータとを更に含み、前記支持ベースは、実質的に垂直に延びる第3のピボット軸について前記底部に枢動的に接続され、前記モータは、前記底部に対して前記第3のピボット軸について回転するよう前記支持ベースを駆動させるように動作可能である、請求項14~18のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項20】
前記結合部は、フレーム部分と、2つの延長部とを含み、前記フレーム部分は、前記乗員プラットフォームに結合するように構成され、前記2つの延長部は、前記フレーム部分の下側で突出し、前記第1のピボット軸について前記支持ベースにそれぞれ枢動的に接続される、請求項14~19のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項21】
前記支持ベースは、支持フレームを含み、前記結合部は、2つの緩衝部を介して前記支持フレームとそれぞれ接続される2つのブラケットを含む、請求項14~20のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【請求項22】
前記第1のピボット軸は、ピッチ軸であり、前記第2のピボット軸は、ロール軸である、請求項14~21のうちのいずれか1項に記載の運動模倣装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2021年6月26日に出願された台湾特許出願第110123470号に対する優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、少なくとも1人の乗員を運ぶことができ、現実の動作環境にいるという感覚を作り出すことができる、運動模倣装置(motion simulating apparatus)に関する。
【背景技術】
【0003】
運動シミュレータ(motion simulators)は、典型的には、娯楽機器又はトレーニング機器として使用されることがある。一般に、運動シミュレータは、異なる軸に沿った運動をシミュレート(模倣)し得るように、異なる動作軸(axes of movements)に沿って異なる位置にそれぞれ配置される複数のアクチュエータを含む。残念ながら、従来の運動シミュレータは、通常、構造が複雑であり、製造コストが比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、少なくとも前述の問題に取り組むことができる運動模倣装置の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、少なくとも前述の問題に対処することができる運動模倣装置を記載する。
【0006】
1つの態様によれば、本明細書に記載する運動模倣装置が、支持ベースと、結合部と、1人以上の乗員を運ぶように構成される乗員プラットフォームと、2つの線形アクチュエータとを含む。結合部は、第1のピボット軸について支持ベースに枢動的に接続される。乗員プラットフォームは、支持ベースより上に配置され、第2のピボット軸について結合部に枢動的に接続され、第1のピボット軸は、第2のピボット軸に対して実質的に直交する。2つの線形アクチュエータは、第2のピボット軸の2つの反対側にそれぞれ枢動的に接続され、2つの線形アクチュエータは、支持ベースにそれぞれ枢動的に接続され、第2のピボット軸の2つの反対側で乗員プラットフォームにそれぞれ枢動的に接続される。
【0007】
別の態様によれば、本明細書に記載する運動模倣装置が、支持ベースと、結合部と、1人以上の乗員を運ぶように構成される乗員プラットフォームと、作動システムとを含む。結合部は、第1のピボット軸について支持ベースに枢動的に接続される。乗員プラットフォームは、支持ベースより上に配置され、第2のピボット軸について結合部に枢動的に接続され、第1のピボット軸は、第2のピボット軸に対して実質的に直交する。作動システムは、乗員プラットフォームと接続され、乗員プラットフォームを第1のピボット軸及び第2のピボット軸について回転させるように動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】運動模倣装置の一実施形態を示す斜視図である。
図2】運動模倣装置を示す側面図である。
図3図2に示す運動模倣装置の一部分を示す拡大図である。
図4】運動模倣装置の一部分を示す正面図である。
図5】運動模倣装置の一部分を示す背面図である。
図6】運動模倣装置の底部分を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、運動模倣装置100(motion simulating apparatus)の一実施形態を示す斜視図である。図2は、運動模倣装置100を示す側面図である。図3は、図2に示す運動模倣装置100の一部分を示す拡大図である。図4は、運動模倣装置100の一部分を示す正面図である。図5は、運動模倣装置100の一部分を示す背面図である。図6は、運動模倣装置100の底部分を示す斜視図である。運動模倣装置100は、乗員又は乗客を運ぶことができ、異なる方向の運動を生成することができ、それは模倣プラットフォーム又は娯楽機器のような用途に適している。図1図6を参照すると、運動模倣装置100は、支持ベース102、結合部104、乗員プラットフォーム106、及び作動システム108を含むことができる。
【0010】
支持ベース102は、概ね水平に延びることができ、結合部104、乗員プラットフォーム106及び作動システム108のための支持を提供することができる。構造の例によれば、支持ベース102は、プレート構造を含むことができる。
【0011】
結合部104は、ピボット軸110について支持ベース102に枢動的に接続され、それによって、結合部104は、支持ベース102に対してピボット軸110について回転することができる。ピボット軸110は、実質的に水平軸であることができる。構造の一例によれば、結合部104は、フレーム部分112と、フレーム部分112と固定的に接続される2つの延長部114とを含むことができる。フレーム部分112と2つの延長部114とを含む結合部104は、単一の部品として一体的に形成されてよく、或いはファスナを介して2つの延長部114をフレーム部分112に取り付けることによって組み立てられてよい。フレーム部分112は、乗員プラットフォーム106に結合するように構成され、2つの延長部114は、フレーム部分112の下側で突出することができ、ピボット軸110について支持ベース102に枢動的にそれぞれ接続することができる。構造の一例によれば、フレーム部分112は、一般に、三角形又は二等辺台形のような形状とされてよく、2つの延長部114は、その下側でフレーム部分112の2つの隅部からそれぞれ突出することができる。支持ベース102は、支持フレーム116を更に含んでよく、結合部104は、2つの緩衝部120を介して支持フレーム116にそれぞれ接続される2つのブラケット118を含むことができる。支持フレーム116は、例示的に支持ベース102上に固定されることができる。緩衝部120の例は、バネ、液圧シリンダ、空圧シリンダ、及び同等物を含むが、これらに限定されない。緩衝部120は、結合部104のための緩衝支持を提供することができる。
【0012】
図1図6を参照すると、乗員プラットフォーム106は、支持ベース102より上に配置され、1人以上の乗員を運ぶように構成される。乗員プラットフォーム106は、ピボット軸122について結合部104に枢動的に結合されることができ、それによって、乗員プラットフォーム106は、結合部104及び支持ベース102に対してピボット軸122について回転することができる。ピボット軸110は、ピボット軸122に対して実質的に直交することができ、ピボット軸122の下側に配置されることができる。構造の例によれば、乗員プラットフォーム106は、少なくとも1つのシート124と、シート支持フレーム126とを含むことができる。シート124は、図1及び図2のみに概略的に示されており、他の構造の詳細のより良い図示のために他の図では省略されている。シート124は、シート支持フレーム126と固定的に接続されることができ、シート部分124Aと、乗員のための着座空間を少なくとも部分的に画定する背もたれ部分124Bとを含むことができる。構造の例によれば、シート支持フレーム126は、一列に配置された複数のシート124と固定的に接続されることができ、乗員は、足が地面の上に吊られた状態で、シート124のいずれかに座ることができる。
【0013】
構造の例によれば、シート支持フレーム126は、一緒に組み立てられた1つ以上の支持バー及び/又は1つ以上のプレートを含むことができる。シート支持フレーム126は、各シート124の背もたれ部分124Bと固定的に接続されてよく、シート124の後部でピボット軸122について結合部104に枢動的に接続されてよい。例えば、シート支持フレーム126は、ピボット接続場所128でベアリング130を介して結合部104のフレーム部分112に枢動的に接続されることができ、ベアリング130は、ピボット軸122を画定する。ベアリング130は、ボールベアリング、シリンダベアリング及び同等物を含むことがあるが、これらに限定されない。構造の例によれば、ベアリング130は、シート支持フレーム126の中間場所に配置されることができ、ベアリング130の大部分は、支持フレーム116及び緩衝部120より上に配置されることができる。図1図5に示すように、結合部104及びシート支持フレーム126は、コンパクトなアセンブリのために実質的に平行な平面に沿って延在することができる。
【0014】
作動システム108は、乗員プラットフォーム106と接続され、乗員プラットフォーム106を駆動させてピボット軸110及び122について回転させるように動作可能である。より具体的には、作動システム108は、乗員プラットフォーム106と接続された少なくとも1つの線形アクチュエータ132を含むことができ、線形アクチュエータ132は、乗員プラットフォーム106を駆動させて支持ベース102に対して回転させるように動作可能である。線形アクチュエータ132は、例えば、電気シリンダを含むことがある。しかしながら、線形アクチュエータ132は、空圧シリンダ及び液圧シリンダを含むが、これらに限定されない、任意のタイプのものであってもよいことが理解されるであろう。
【0015】
構造の例によれば、作動システム108は、2つの線形アクチュエータ132を含むことができ、これらの線形アクチュエータは、それぞれ、支持ベース102に枢動的に接続され、ピボット軸122の2つの反対側(対向側)で乗員プラットフォーム106にそれぞれ枢動的に接続される。2つの線形アクチュエータ132の一方又は両方は、乗員プラットフォーム106をピボット軸110及び/又はピボット軸122について回転させるように構成されるトルクを生成するように、乗員プラットフォーム106に対して力を加えることがある。より具体的には、乗員プラットフォーム106に対して2つの線形アクチュエータ132によって加えられる力は、2つのピボット軸110及び122の各々についてトルクを生成させることができることがあり、トルク量は、2つの線形アクチュエータ132の各々の線形アクチュエータの経路(コース)を制御して、乗員プラットフォーム106をピボット軸110及び/又はピボット軸122について回転させることによって、修正されてよい。
【0016】
図1図6を参照すると、2つの線形アクチュエータ132は、2つのピボット接続場所134で乗員プラットフォーム106にそれぞれ枢動的に接続され、2つのピボット接続場所136で支持ベース102にそれぞれ枢動的に接続される。ベアリング130のピボット接続場所128は、支持ベース102に対するピボット接続場所134の高さH2と支持ベース102に対するピボット接続場所136の高さH3との間にあることができる、支持ベース102に対する高さH1にある。構造の例によれば、2つの線形アクチュエータ132は、ピボット軸122が2つのピボット接続場所134に対して実質的に等距離にあり且つ2つのピボット接続場所136に対しても実質的に等距離であるように、ピボット軸122の2つの反対側に対称的に配置されることができる。構造の例によれば、2つの線形アクチュエータ132の各々は、互いに摺動可能に結合されるバレル132A及び摺動ロッド132Bを含むことができり、バレル132Aは、ピボット接続場所136で支持ベース102に枢動的に結合され、摺動ロッド132Bは、ピボット接続場所134で乗員プラットフォーム106に枢動的に結合される。バレル132Aは、支持ベース102と固定的に接続されるピボットマウント138に枢動的に接続されることができ、ピボットマウント138は、支持フレーム116が支持ベース102の前後軸Xに沿って結合部104とピボットマウント138との間に位置するように、支持フレーム116の後部に配置される。従って、2つの線形アクチュエータ132は、ピボット軸122に対してある角度に傾斜させられることができる。対称的な構成によれば、2つの線形アクチュエータ132は、ピボット接続場所134とピボット接続場所136との間で互いに実質的に平行に延在することができ、2つの平行な垂直平面に沿ってそれぞれ移動することができる。
【0017】
2つの線形アクチュエータ132が上述の構成に限定されないことは留意に値する。構造の別の例によれば、2つの線形アクチュエータ132は、ピボット軸122の2つの反対側に対称的に配置されてよいが、ピボット接続場所134とピボット接続場所136との間で互いに平行に延在しなくてよい。より具体的には、2つの線形アクチュエータ132は、ピボット軸122が第1の距離だけ2つのピボット接続場所134に対して実質的に等距離であり且つ第1の距離とは異なる第2の距離だけ2つのピボット接続場所136に対して実質的に等距離であるように、配置されてよい。
【0018】
構造の別の例によれば、2つの線形アクチュエータ132は、ピボット軸122の2つの反対側に等距離に配置されてよいが、対称的な配置には従わず、乗員プラットフォーム106は、2つの線形アクチュエータ132の間に差動経路を制御可能に付与することによって、ピボット軸110及び/又はピボット軸122について回転するように駆動されることができる。
【0019】
よって、作動システム108において、2つの線形アクチュエータ132は、乗員プラットフォーム106を駆動させてピボット軸110及び/又はピボット軸122について回転させるための任意の適切な対称的又は非対称的な構成に従って、ピボット軸122の2つの反対側に配置されてよい。
【0020】
一実施形態によれば、ピボット軸110は、ピッチ軸であることができ、ピボット軸122は、ロール軸であることができ、2つの線形アクチュエータ132は、ピッチ及び/又はロール運動をシミュレート(模倣)するために、乗員プラットフォーム106をピボット軸110について回転させ且つ/或いはピボット軸122について回転させるように動作可能である。例えば、2つの線形アクチュエータ132は、同期的且つ同一の経路を生成して、乗員プラットフォーム106及び結合部104を支持ベース102に対してピボット軸110について上下にピッチさせるように、作動されることができ、2つの線形アクチュエータ132は、異なる経路を生成して、乗員プラットフォーム106を支持ベース102及び結合部104に対してピボット軸122について左右に回転させるように、作動されることができる。本明細書に記載するような支持ベース102、結合部104及び乗員プラットフォーム106の構成により、作動システム108は、2つの線形アクチュエータ132でピッチ及びロール運動をシミュレートすることができる単純な構造を有することができる。本明細書に記載する運動模倣装置100についての用途の例は、飛行シミュレータを含むことがあるが、それに限定されるものではない。
【0021】
作動システム108は前述の構成に限定されるものでないことが理解されるであろう。例えば、作動システム108の変形構造は、電気モータを含むことができ、電気モータは、作動システム108に追加的に設けられてもよく、或いは2つの線形アクチュエータ132のうちの1つと置き換わってよく、その場合、電気モータは、乗員プラットフォーム106に接続され、乗員プラットフォーム106を駆動させてピボット軸122について回転させるように動作可能である。
【0022】
図1図6を参照すると、運動模倣装置100は、底部150と、モータ152とを更に含むことができる。底部150は、ピボット軸154について底部150に枢動的に接続されることができる支持ベース102より下に配置されることができる。ピボット軸154は、実質的に垂直に延びてよい。モータ152は、電気モータであることができ、支持ベース102を駆動させて底部150に対してピボット軸154について回転させるように動作可能である。構造の例によれば、モータ152は、支持ベース102に取り付けられることができ、歯車列156を介して支持ベース102を回転駆動させることができる。例えば、歯車列156は、複数の歯車160及び162を含み、歯車160は、底部150と固定的に接続され、歯車162は、モータ152の出力心棒(output axle)に接続され、歯車160と噛み合う。モータ152は、乗員プラットフォーム106をピボット軸154について回転させるように動作可能である。ピボット軸154について乗員プラットフォーム106を回転させる能力は、荷重位置(loading position)と監視位置(watching position)との間の切り替えのための空間を取っておくことがある。例えば、乗員プラットフォーム106は、乗員が乗員プラットフォーム106に乗り降りできるように一方の側(荷重位置)に面するように回転されることができ、乗員が乗員プラットフォーム106に着座した後に運動シミュレーションを行うためのスクリーンに面する他方の側(監視位置)に面するように180度回転されることがある。もちろん、乗員プラットフォーム106は、動作中にヨー運動をシミュレートするために、ピボット軸154について回転するように駆動されてもよい。
【0023】
本明細書に記載する構造の利点は、構造が比較的簡単であり、削減されたコストで製造されることができる、運動模倣装置を提供する能力を含む。その上、記載の運動模倣装置は、減少されたサイズを有し、それは限定的な空間の環境における使用に特に適している。
【0024】
構造の実現は、特定の実施形態の文脈においてのみ記載されている。これらの実施形態は、例示的であることが意図され、限定的であることは意図されていない。多くの変形、修正、追加及び改良が可能である。従って、複数のインスタンスが、単一のインスタンスとして本明細書に記載される構成要素について提供されることがある。例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造及び機能性は、組み合わされた構造又は構成要素として実装されてよい。これらの及び他の変形、修正、追加、及び改良は、後続の特許請求の範囲の範囲に入ることがある。
【符号の説明】
【0025】
100 運動模倣装置(motion simulating apparatus)
102 支持ベース(support base)
104 結合部(coupling part)
106 乗員プラットフォーム(occupant platform)
108 作動システム(actuating system)
110 ピボット軸(pivot axis)
112 フレーム部分(frame portion)
114 延長部(extensions)
116 支持フレーム(support frame)
118 ブラケット(brackets)
120 緩衝部(cushioning part)
122 ピボット軸(pivot axis)
124 シート(seat)
124A シート部分(seat portion)
124B 背もたれ部分(backrest portion)
126 シート支持フレーム(seat support frame)
128 ピボット接続場所(pivot connecting location)
130 ベアリング(bearing)
132 線形アクチュエータ(linear actuator)
132A バレル(barrel)
132B 摺動ロッド(sliding rod)
134 ピボット接続場所(pivot connecting location)
136 ピボット接続場所(pivot connecting location)
138 ピボットマウント(pivot mount)
150 底部(bottom part)
152 モータ(motor)
154 ピボット軸(pivot axis)
156 歯車列(gear train)
160 歯車(gear)
162 歯車(gear)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】