(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049276
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】バイオフィリックタワーおよびバイオフィリックワーキングスペース
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
E04H1/12 A
E04H1/12 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021158930
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天保 美咲
(72)【発明者】
【氏名】福岡 直
(72)【発明者】
【氏名】岡村 信弥
(57)【要約】
【課題】オフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できるバイオフィリックタワーを提供する。
【解決手段】本発明のバイオフィリックタワー(1)は、内部の収容空間(21)が外部から視認できるタワー本体(2)と、視覚的バイオフィリック要素(22)をタワー本体(2)の収容空間(21)内に支持するための支持部(3)と、タワー本体(2)に保持された聴覚的バイオフィリック要素(23)と、タワー本体(2)の上部に支持され、タワー本体の周囲の上方部を覆うシェード(4)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の収容空間が外部から視認できるタワー本体と、
視覚的バイオフィリック要素を前記タワー本体の収容空間内に支持するための支持部と、
前記タワー本体に保持された聴覚的バイオフィリック要素と、
前記タワー本体の上部に支持され、前記タワー本体の周囲の上方部を覆うシェードとを備える、バイオフィリックタワー。
【請求項2】
前記タワー本体に支持され、前記シェードに向けて光を照射する光照射手段をさらに備え、
前記光照射手段によって照射された光は前記シェードで反射され、前記タワー本体の周囲に放射される、請求項1に記載のバイオフィリックタワー。
【請求項3】
前記タワー本体に支持され、前記シェードに向けて光を照射する光照射手段をさらに備え、
前記光照射手段によって照射された光は前記シェードを透過し、前記タワー本体の周囲に放射される、請求項1に記載のバイオフィリックタワー。
【請求項4】
前記視覚的バイオフィリック要素は、植物または水槽である、請求項1~3のいずれかに記載のバイオフィリックタワー。
【請求項5】
前記聴覚的バイオフィリック要素は、自然界で聞こえる音を発する音発生手段であり、
動物の声を発する第1音発生部と、
水の流れを発する第2音発生部とを備え、
前記第1音発生部は前記タワー本体の上方領域に配置され、前記第2音発生部は前記タワー本体の下方領域に配置される、請求項1~4のいずれかに記載のバイオフィリックタワー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のバイオフィリックタワーと、
前記バイオフィリックタワーの収容空間を正面位置として前記バイオフィリックタワーに隣接して配置され、少なくとも一部が前記シェードの下方に位置する作業デスクとを備える、バイオフィリックワーキングスペース。
【請求項7】
前記バイオフィリックタワーは、n個の側面を有するn角柱形態であり、
前記作業デスクは、前記n個の側面に隣接してn個設けられている、請求項6に記載のバイオフィリックワーキングスペース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、オフィス空間に採用されるバイオフィリックタワーおよびバイオフィリックワーキングスペースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、決まった場所あるいは決まった時間に仕事を行うことに囚われない、ABW(Activity Based Working)という働き方がある。ABWの需要の高まりに伴い、オフィスのレイアウトに可変性が求められている。また、ABWにバイオフィリック要素を取入れることで、ワーカーの仕事効率を向上させることができると考えられる。
【0003】
バイオフィリックとは、周囲に自然を感じさせることで幸福感を与えるものを指し、典型的には植栽がある。従来のバイオフィリック要素を提供するものとして、たとえば特開2017-99736号公報(特許文献1)のやぐら付き什器がある。やぐら付き什器は、大型のカウンター形状であり、バイオフィリック要素として植物を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のやぐら付き什器は大型であり、設置後のレイアウト変更が困難である。そのため、特許文献1のやぐら付き什器は、レイアウトに可変性が求められるABWのオフィスになじまないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、タワー形状とすることによって、オフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できるバイオフィリックタワーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワーは、内部の収容空間が外部から視認できるタワー本体と、視覚的バイオフィリック要素をタワー本体の収容空間内に支持するための支持部と、タワー本体に保持された聴覚的バイオフィリック要素と、タワー本体の上部に支持され、タワー本体の周囲の上方部を覆うシェードとを備える。
【0008】
好ましくは、バイオフィリックタワーは、タワー本体に支持され、シェードに向けて光を照射する光照射手段をさらに備える。光照射手段によって照射された光はシェードで反射され、タワー本体の周囲に放射される。
【0009】
他の形態として、光照射手段はシェードの上方に位置し、シェードに向けて光を照射する。この光照射手段によって照射された光はシェードを透過し、タワー本体の周囲に放射される。
【0010】
好ましくは、視覚的バイオフィリック要素は、植物または水槽である。
【0011】
好ましくは、聴覚的バイオフィリック要素は、自然界で聞こえる音を発する音発生手段であり、動物の声を発する第1音発生部と、水の流れを発する第2音発生部とを備える。第1音発生部はタワー本体の上方領域に配置され、第2音発生部はタワー本体の下方領域に配置される。
【0012】
本実施の形態に係るバイオフィリックワーキングスペースは、本発明の一実施形態に係るバイオフィリックタワーと、バイオフィリックタワーの収容空間を正面位置としてバイオフィリックタワーに隣接して配置され、少なくとも一部がシェードの下方に位置する作業デスクとを備える。
【0013】
好ましくは、バイオフィリックワーキングスペースの備えるバイオフィリックタワーは、n個の側面を有するn角柱形態であり、作業デスクは、n個の側面に隣接してn個設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のバイオフィリックタワーによれば、オフィスのレイアウト変更に柔軟に対応することができる。
【0015】
本発明のバイオフィリックワーキングスペースによれば、聴覚的および視覚的バイオフィリック要素の周囲でワーカーが仕事を行うため、ヒーリング効果を期待でき、仕事効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るバイオフィリックタワーの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係るバイオフィリックタワーを表す正面視断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係るバイオフィリックタワーを表す説明図である。
【
図4】本発明の実施の形態2に係るバイオフィリックタワーを表す図であり、(a)は正面視断面図であり、(b)は平面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係るバイオフィリックタワーの周囲に作業デスクを配置した際のバイオフィリックワーキングスペースを表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
<実施の形態1>
(バイオフィリックタワーについて)
図1~3を参照して、本発明の実施の形態に係るバイオフィリックタワー1について説明する。
【0019】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は、内部の収容空間21が外部から視認できるタワー本体2を備える。なお、ここで言う「外部から視認できる」という記載は、タワー本体2の全側方から視認できることに限定されない記載であり、少なくともタワー本体2の一側方から視認できればよいことを意図した記載である。
【0020】
本実施の形態のタワー本体2は、4本の支柱で形成された四角柱形状である。収容空間21は、後述する視覚的バイオフィリック要素22を視認可能に収容するための空間である。収容空間21と外部との間は、たとえば透明なアクリル板などで仕切られていてもよいし、仕切りを設けないで、互いに連通する構成としてもよい。
【0021】
なお、本実施の形態のタワー本体2は四角柱形状であるとしたが、視覚的バイオフィリック要素22を収容できるタワー形状であればその形状については限定されない。「タワー形状」とは、高さのある筒形状を主要部とするものであり、意匠性向上の観点から側方に凹凸する形状であってもよい。
【0022】
収容空間21に収容する視覚的バイオフィリック要素22は、自然要素であり、植物または水槽である。ここで言う「植物」とは、プランタに植栽された草花または樹木である。「水槽」とは、水草や流木等によるレイアウトが施されたものである。水槽の場合、内部で魚を飼育してもよい。視覚的バイオフィリック要素22は、これを見る者に対して視覚的な安らぎを与えることができる。
【0023】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は、視覚的バイオフィリック要素22をタワー本体2の収容空間21内に支持するための支持部3を備える。支持部3は、視覚的バイオフィリック要素22が植物の場合、植物を直接植栽するか、植栽されたプランタを収容することで支持する。
図3に示すように、支持部3の下方領域には、植物に水を供給するための給水タンク34が設けられていてもよい。支持部3は、視覚的バイオフィリック要素22が水槽の場合、水槽を支持する支持台として機能する。
【0024】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は、タワー本体2に聴覚的バイオフィリック要素23が保持されている。聴覚的バイオフィリック要素23は、自然界で聞こえる音を発する音発生手段であり、典型的にはスピーカである。「自然界で聞こえる音」とは、たとえば鳥の声、海の波音、川のせせらぎ音、風の音、木々のざわめき音などである。聴覚的バイオフィリック要素23は、各音が自然界で聞こえる場合と近い方向から発せられることが好ましい。これにより、聴覚的バイオフィリック要素23を聞いた者の違和感を低減でき、より自然の中にいるかのような、聴覚的な安らぎを与えることができる。
【0025】
本実施の形態の音発生手段は、動物の声を発する第1音発生部24と、水の流れを発する第2音発生部25とを含む。
【0026】
本実施の形態の第1音発生部24は、タワー本体2の上方領域、より好ましくは視覚的バイオフィリック要素22の上方に設けられた棚上に配置される。第1音発生部24は、たとえば鳥の声などの動物の声を発する。
【0027】
本実施の形態の第2音発生部25は、タワー本体2の下方領域に設けられた棚上に配置される。第2音発生部25は、たとえば川のせせらぎ音など自然界で聞こえる音を発する。
【0028】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は、タワー本体2の周囲の上方部を覆うシェード4を備える。ここで言う「周囲」とは、タワー本体2の全周囲に限定されず、少なくともバイオフィリック要素を享受する者が過ごす部分を含んでいればよい。なお、本実施の形態のシェード4はドーム型であり、タワー本体2の全周囲の上方部を覆っている。本実施の形態のシェード4の幅寸法W1は、タワー本体2の幅寸法W2よりも大きい。これにより、後述する光照射手段5の光をより広範囲に照射することができる。
【0029】
本実施の形態のシェード4は、たとえば白色、乳白色、半透明など可視光を吸収しにくい色の部材で形成される。光照射手段5の光をグレアを抑えつつ散乱させる観点から、シェード4の裏面は、非光沢面であることが好ましい。なお、意匠性を向上する観点から、シェード4の表面は、たとえば木目シートなどの不透明部材が貼付されていてもよい。
【0030】
図1または3を参照して、本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は、タワー本体2に支持され、シェード4に向けて光を照射する光照射手段5をさらに備える。光照射手段5は、たとえば波長可変光源、LED電球、プロジェクタ、蛍光灯、白熱電球など、種々の光源を採用することができる。波長可変光源の場合、1日の太陽光のスペクトル変化に合わせたサーカディアン光を照射することができるため、サーカディアンリズムを整えることができる。プロジェクタの場合、シェード4の裏面に空の映像を投影することができる。
【0031】
光照射手段5によって照射された光はシェード4で反射され、タワー本体2の周囲に放射される。本実施の形態の光照射手段5は、シェード4の下方領域棚上に支持され、シェード4に向けて光を照射する。このように、本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、光照射手段5からの光をシェード4を介して周囲に照射するため、間接照明のように、タワー本体2の周囲にノングレア光を放射でき、眩しい光によるグレアを防止することができる。
【0032】
また、本実施の形態のシェード4は、聴覚的バイオフィリック要素23から発せられる音も反射する。これにより、シェード4の下方空間全体に、より臨場感のある音を提供することができる。
【0033】
なお、本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、聴覚的バイオフィリック要素23および視覚的バイオフィリック要素22を備えることとしたが、これらの他、嗅覚的バイオフィリック要素を備えることとしてもよい。嗅覚的バイオフィリック要素とは、自然界の香りであり、たとえば植物の香りのエッセンシャルオイルなどを採用することができる。嗅覚的バイオフィリック要素は、たとえばディフューザなどを介して周囲に提供される。
【0034】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は、タワー型であるため、オフィス内のレイアウトを変更するたびに解体する等の必要がない。すなわち、本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1は移設が容易であり、レイアウトに可変性が求められるABWオフィスに好適に用いることができる。また、移設をさらに容易にするために、タワー本体2の底部にロック機構付きの車輪を有していてもよい。
【0035】
本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、オフィス内に設置されることが好ましい。オフィス内とは、ワーキングスペース、食堂、休憩室、エントランスなどを含む。本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、バイオフィリック要素が及ぶ範囲が限定的であるため、デスクあるいはベンチの周辺など、タワー本体2の周囲で人が過ごす空間において好適に用いることができる。
【0036】
また、本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、オープンスペースに複数配置することができる。複数配置する場合であっても、バイオフィリック要素が及ぶ範囲が限定的であるため、各々のバイオフィリックタワー1に対し異なるコンセプトに適したバイオフィリック要素を選択することができる。
【0037】
本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、コンセプトに応じた視覚的バイオフィリック要素22および聴覚的バイオフィリック要素23を選択することができる。具体的には、コンセプトが「南の島」である場合、視覚的バイオフィリック要素22としてヤシの木を採用し、聴覚的バイオフィリック要素23として海鳥の鳴き声および海の波音を採用することで、バイオフィリック要素を享受する者に対して南の島の雰囲気を提供することができる。
【0038】
(バイオフィリックワーキングスペースについて)
図2、
図5を参照して、本実施の形態におけるバイオフィリックワーキングスペース100について説明する。本実施の形態に係るバイオフィリックワーキングスペース100は、本発明の一実施形態に係るバイオフィリックタワー1と、バイオフィリックタワー1の収容空間21を正面位置としてバイオフィリックタワー1に隣接して配置され、少なくとも一部がシェード4の下方に位置する作業デスク6とを備える。
【0039】
バイオフィリックワーキングスペース100の備えるバイオフィリックタワー1は、n個の側面を有するn角柱形態であり、作業デスク6は、n個の側面に隣接してn個設けられている。本実施の形態のバイオフィリックタワー1は、n=4の四角柱形態であり、
図5のように作業デスク6が配置されている。なお、n=3~6である。バイオフィリックタワー1をあまり大型化しない観点から、n=3~4であることが好ましい。
【0040】
本実施の形態に係るバイオフィリックワーキングスペース100は、制限された範囲内、すなわちR1=1500~2000mmの範囲に、各バイオフィリック要素の影響を及ぼす。これにより、同じオフィス空間内であってもバイオフィリックタワー1を複数配置することができる。ここで、複数のバイオフィリックタワー1の各々に異なるコンセプトを設定すると、異なるコンセプトのバイオフィリックワーキングスペースを形成することができる。これにより、特に、ABWのオフィスにおいて、ワーカーは決まった場所にとらわれることなく、好みのワーキングスペースを選択して仕事を行うことができる。
【0041】
本実施の形態におけるバイオフィリックワーキングスペース100では、バイオフィリックタワー1の四方を取り囲むように作業デスク6が配置される。
図2を参照して、バイオフィリックタワー1の高さ寸法H1は1800mm~1600mmである。高さ寸法H2は、作業デスク6の高さ寸法と略同一であることが好ましく、650mm~750mmである。高さ寸法H3は、視覚的バイオフィリック要素22の収容空間21の高さ寸法と略同一であることが好ましく、900~1100mmである。これにより、目線高さに視覚的バイオフィリック要素22が配置されるため、特に視覚的バイオフィリック要素22が植物である場合は、ワーカーの緑視率を向上することができる。
【0042】
なお、本実施の形態に係るバイオフィリックワーキングスペース100は、n角柱形態であるとしたが、この形態に限定されず、たとえば円柱形態など、角部を有さない形態であってもよい。また、バイオフィリックタワー1をオフィスの壁面に沿って配置した場合は、バイオフィリックタワー1の一側面のみに作業デスク6を配置することとしてもよい。
【0043】
本発明のバイオフィリックワーキングスペース100によれば、聴覚的および視覚的バイオフィリック要素22,23の周囲でワーカーが仕事を行うため、ヒーリング効果を期待でき、仕事効率を向上することができる。
【0044】
<実施の形態2>
図4(a),(b)を参照して、本発明の実施の形態2のバイオフィリックタワー1Aについて説明する。
図4は、本発明の実施の形態2に係るバイオフィリックタワーを表す図であり、(a)は正面視断面図であり、(b)は平面図である。本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1Aは、基本的には実施の形態1のバイオフィリックタワー1と同様の構成を備えているが、支持部3A,シェード4Aおよび光照射手段5Aについて相違している。
【0045】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1Aは、視覚的バイオフィリック要素22Aをタワー本体2Aの収容空間21A内に支持するための支持部3Aを複数備える。すなわち、視覚的バイオフィリック要素22Aが植物の場合、支持部3Aは複数のプランタ31A~33Aで構成される。
【0046】
複数のプランタ31A~33Aは、スタッキング可能に規格化されていることが好ましい。これにより、植栽される植物の種類に適した大きさのプランタを選択することができ、限られた空間内に効率よく視覚的バイオフィリック要素22Aを配置することができる。
【0047】
なお、本実施の形態の支持部3Aは、複数のプランタ31A~33Aを備えることとしたが、視覚的バイオフィリック要素22Aとして水槽を採用する場合は、複数の水槽を備えることとしてもよい。また、視覚的バイオフィリック要素22Aとして植物および水槽を組み合わせる場合は、複数のプランタおよび水槽を備えることとしてもよい。
【0048】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1Aは、タワー本体2Aの上部に支持され、タワー本体2Aの周囲を覆う複数の光透過部材41A~43Aを含むシェード4Aを備える。
【0049】
光透過部材41A~43Aは、透明または半透明の板形状であり、バイオフィリックタワー1Aの周囲に光を放射できるだけの透光性を有している。グレアを抑制する観点から、光透過部材41A~43Aは半透明であることが好ましい。また、複数の光透過部材41A~43Aは、意匠性向上の観点から、設置高さが異なっていてもよい。
【0050】
本実施の形態の光透過部材41A~43Aは、設置高さが異なるため、各部材41A~43A間に隙間が形成される。これにより、光照射に伴う熱を逃がすことができ、バイオフィリックタワー1周囲に熱がこもってしまうことを防止できる。また、本実施の形態の光透過部材41A~43Aは複数の部材で形成されるため、各部材の大きさを小型化することができる。これにより、オフィスのレイアウト変更時におけるバイオフィリックタワー1Aの移設をさらに容易にすることができる。
【0051】
本実施の形態に係るバイオフィリックタワー1Aは、シェード4Aの上方に位置し、シェード4Aに向けて光を照射する光照射手段5Aを備える。光照射手段5Aによって照射された光は、透光性を有するシェード4Aを透過し、タワー本体2Aの周囲に放射される。
【0052】
本実施の形態の光照射手段5Aは、複数の光透過部材41A~43Aの上方において、複数の光照射手段51A~53Aが支持されている。光照射手段5Aは1つ以上であればよく、その個数については限定されない。
【0053】
なお、光照射手段5Aは、シェード4Aを透過させることができるのであれば、タワー本体2Aに支持されていなくてもよい。すなわち、シェード4Aの上方に位置する天井に設置された照明を光照射手段5Aと見做すこともできる。
【0054】
本実施の形態のシェード4Aは、少なくとも一部分がタワー本体2Aの外周からはみ出るように配置される。光透過部材41A~43Aは半透明部材であるため、光照射手段5Aの光を上方から受けることで光透過部材41A~43Aの全体が光る。これにより、光照射手段5Aの光を、より外方まで行き渡らせることができる。
【0055】
本実施の形態のタワー本体2Aは、底部に転倒防止手段26を含む。転倒防止手段26は、たとえば重りまたは床固定可能な形状である。バイオフィリックタワー1Aは、転倒防止手段26によってのみ設置場所に固定されるため、転倒防止手段26を取り除くだけで容易に移設することができる。
【0056】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 バイオフィリックタワー、2 タワー本体、3 支持部、4 シェード、5 光照射手段、6 作業デスク、21 収容空間、22 視覚的バイオフィリック要素、23 聴覚的バイオフィリック要素、24 第1音発生部、25 第2音発生部、100 バイオフィリックワーキングスペース。