(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049334
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型インキ組成物及び印刷物
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20230403BHJP
B41M 1/30 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
C09D11/101
B41M1/30 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159009
(22)【出願日】2021-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002820
【氏名又は名称】大日精化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098707
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 利英子
(74)【代理人】
【識別番号】100135987
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 重慶
(74)【代理人】
【識別番号】100168033
【弁理士】
【氏名又は名称】竹山 圭太
(74)【代理人】
【識別番号】100161377
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 薫
(72)【発明者】
【氏名】井口 和紀
【テーマコード(参考)】
2H113
4J039
【Fターム(参考)】
2H113AA03
2H113AA06
2H113BA01
2H113BA03
2H113BA05
2H113BA06
2H113BA09
2H113BA18
2H113BB02
2H113BB07
2H113BB08
2H113BB22
2H113DA03
2H113DA04
2H113DA43
2H113DA49
2H113DA53
2H113DA56
2H113DA57
2H113DA62
2H113DA63
2H113FA10
2H113FA43
2H113FA44
2H113FA45
4J039AD21
4J039BC20
4J039BE22
4J039BE26
4J039EA04
4J039EA36
4J039EA43
4J039FA02
(57)【要約】
【課題】不快な臭気が抑制されているとともに、樹脂をはじめとする各種基材等への密着性及び硬化性に優れた印刷層を形成することが可能な、バイオマス由来の成分を用いた活性エネルギー線硬化型インキ組成物、及びこれを用いて得られる印刷物を提供する。
【解決手段】一般式(1)又は(2)で表される(メタ)アクリレート化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インキ組成物である。また、この活性エネルギー線硬化型インキ組成物で形成された印刷層を備える印刷物である。
(一般式(1)及び(2)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は-(CH
2-CH=CH
2)又は-(CH=CH-CH
3)を示す)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)又は(2)で表される(メタ)アクリレート化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
(前記一般式(1)及び(2)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は-(CH
2-CH=CH
2)又は-(CH=CH-CH
3)を示す)
【請求項2】
前記(メタ)アクリレート化合物が、
オイゲノール、イソオイゲノール、又はこれらの誘導体と、
(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸のいずれかと、の反応物である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
【請求項3】
前記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の含有量が、3質量%以上である請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
【請求項4】
基材と、前記基材の表面上に設けられる印刷層と、を備え、
前記印刷層が、請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物で形成された層である印刷物。
【請求項5】
前記基材が、バイオマス由来のフィルムである請求項4に記載の印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型インキ組成物、及びそれを用いて得られる印刷物に関する。
本発明は、優れた密着性、耐性を有し、かつ、良好な香りを示す重合性化合物としてバイオマス由来の(メタ)アクリレート化合物を含む活性エネルギー線硬化型インキ組成物及びその印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に対する関心が高まっており、石油由来の資材をバイオマス由来のものへと置き換えることが進められている。バイオマスは、エネルギー源や各種物品を構成する材料等として利用しうる生物由来の資源である。印刷業界においても環境に配慮したインキ設計が要求されており、植物由来の資源を原料の一部に使用した、いわゆるバイオマスインキの開発が進められている。
【0003】
このような背景から、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物についてもバイオマス由来の重合性化合物等を用いることが検討されている。例えば、カシューナッツに由来する成分であるカルダノールを原料とする(メタ)アクリレート化合物を用いた、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物が提案されている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-105351号公報
【特許文献2】特開2021-70738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、カルダノールを原料とする(メタ)アクリレート化合物は、その分子構造中に長鎖の脂肪鎖を有するため、特徴的な油臭さを有するものであった。このような臭気を示す化合物を用いたインキは、例えば、食品用のパッケージ等に印刷するためのインキとしては必ずしも適当であるとはいえなかった。また、カルダノール原料とする(メタ)アクリレート化合物は、その分子構造中に重合性の側鎖アルキル基を有する。しかし、オレフィン部位が側鎖アルキル基の内部にあるため、重合性がさほど良好ではなかった。基材への密着性や耐擦過性等の硬化性に優れた印刷層等の塗膜を形成することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、不快な臭気が抑制されているとともに、樹脂をはじめとする各種基材等への密着性及び硬化性に優れた印刷層を形成することが可能な、バイオマス由来の成分を用いた活性エネルギー線硬化型インキ組成物を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、この活性エネルギー線硬化型インキ組成物を用いた印刷物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下に示す活性エネルギー線硬化型インキ組成物が提供される。
[1]下記一般式(1)又は(2)で表される(メタ)アクリレート化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
【0008】
(前記一般式(1)及び(2)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は-(CH
2-CH=CH
2)又は-(CH=CH-CH
3)を示す)
【0009】
[2]前記(メタ)アクリレート化合物が、オイゲノール、イソオイゲノール、又はこれらの誘導体と、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸のいずれかと、の反応物である前記[1]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
[3]前記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート化合物の含有量が、3質量%以上である前記[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
【0010】
また、本発明によれば、以下に示す印刷物が提供される。
[4]基材と、前記基材の表面上に設けられる印刷層と、を備え、前記印刷層が、前記[1]~[3]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物で形成された層である印刷物。
[5]前記基材が、バイオマス由来のフィルムである前記[4]に記載の印刷物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不快な臭気が抑制されているとともに、樹脂をはじめとする各種基材等への密着性及び硬化性に優れた印刷層を形成することが可能な、バイオマス由来の成分を用いた活性エネルギー線硬化型インキ組成物を提供することができる。また、本発明によれば、この活性エネルギー線硬化型インキ組成物を用いた印刷物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<活性エネルギー線硬化型インキ組成物>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物(以下、単に「インキ組成物」とも記す)の一実施形態は、下記一般式(1)又は(2)で表される(メタ)アクリレート化合物を含有する。以下、本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物の詳細について説明する。
【0013】
(前記一般式(1)及び(2)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、R
2は-(CH
2-CH=CH
2)又は-(CH=CH-CH
3)を示す)
【0014】
((メタ)アクリレート化合物)
本実施形態のインキ組成物は、一般式(1)又は(2)で表される、重合性化合物である(メタ)アクリレート化合物を含有する。この(メタ)アクリレート化合物は、例えば、オイゲノールやイソオイゲノールを原材料として用いて製造することができる。すなわち、(メタ)アクリレート化合物は、オイゲノール、イソオイゲノール、又はこれらの誘導体と、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸のいずれかとの反応物であることが好ましい。
【0015】
原料として使用しうるオイゲノールやイソオイゲノールは、カルダノールと異なり、その分子構造中に長鎖の脂肪鎖を持たないため、油臭さを有しない。また、オイゲノールは香料として利用しうる化合物であることから、むしろ良好な香りを示すこともある。したがって、オイゲノールやイソオイゲノールを原材料として用いて製造される(メタ)アクリレート化合物を重合性化合物として含有する本実施形態のインキ組成物は、不快な臭気が抑制されており、(メタ)アクリレート化合物の構造によっては良好な香りを示すこともある。このため、本実施形態のインキ組成物は、例えば、食品用包装材や食品用容器等に印刷するためのインキとして特に有用である。加水分解安定性及び合成上の簡便さ等の観点から、(メタ)アクリレート化合物は一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0016】
インキ組成物中の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、インキ組成物の全質量を基準として、3~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがさらに好ましい。(メタ)アクリレート化合物の含有量を上記の範囲内とすることで、より優れた密着性及び硬化性を示す印刷層等の塗膜を形成することができる。
【0017】
(その他の重合性化合物)
本実施形態のインキ組成物には、前述の(メタ)アクリレート化合物以外の重合性化合物(その他の重合性化合物)をさらに含有させることが好ましい。その他の重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物やカチオン重合性化合物等を挙げることができる。なかでも、硬化性の観点から、ラジカル重合性化合物を用いることが好ましい。
【0018】
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。ラジカル重合性化合物は、その分子中に1以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物であればよく、モノマー、オリゴマー、及びポリマーのいずれであってもよい。ラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸並びにこれらの塩の他、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトニル、スチレン、不和飽ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等を挙げることができる。
【0019】
ラジカル重合性化合物の具体例としては、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性(2)ノニルフェノールアクリレート、(2-メチル-2-エチル-1、3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N-ビニルカルバゾール、1-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルホルムアミド等の1官能のラジカル重合性化合物;1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能のラジカル重合性化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能のラジカル重合性化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能のラジカル重合性化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能のラジカル重合性化合物;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能のラジカル重合性化合物;等を挙げることができる。
【0020】
また、ラジカル重合性化合物としては、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート等のウレタンアクリレート;ポリエステルアクリレート;ポリエーテルアクリレート;エポキシアクリレート;等を用いることができる。
【0021】
さらに、インキ組成物のバイオマス度を高める観点から、バイオマス由来の成分を含むラジカル重合性化合物を用いることが好ましい。このようなラジカル重合性化合物としては、ロジン変性エポキシアクリレート、ロジン変性ポリエステルアクリレート、エポキシ化大豆油アクリレート、アクリレート化亜麻仁油化合物、植物由来のポリオール及び/又は植物由来のジカルボン酸からなるポリエステルアクリレート、植物由来のポリオールと植物由来のイソシアネートからなるウレタンアクリレート等を挙げることができる。なかでも、エポキシ化大豆油アクリレート、ロジン変性エポキシアクリレートを用いることが好ましい。
【0022】
インキ組成物中のその他の重合性化合物の含有量は、インキ組成物の全質量を基準として、5~20質量%であることが好ましく、5~10質量%であることがさらに好ましい。
【0023】
(重合開始剤)
本実施形態のインキ組成物は、重合開始剤をさらに含有することが好ましい。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、光重合開始剤がさらに好ましい。重合開始剤は、光の作用、又は増感色素の電子励起状態との相互作用を経て化学変化を生じ、ラジカルを生成する化合物である。なかでも、露光によって重合を開始させることが可能であるといった観点から、光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
【0024】
光ラジカル重合開始剤は、としては、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、及びチオキサントン化合物等を挙げることができる。
【0025】
インキ組成物中の重合開始剤の含有量は、インキ組成物の全質量を基準として、0.5~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがさらに好ましい。
【0026】
(着色剤)
本実施形態のインキ組成物には、着色剤を含有させることができる。着色剤としては、顔料及び染料の少なくともいずれかを用いることができる。形成される印刷層等の塗膜の耐光性の観点から、着色剤として顔料を用いることが好ましい。顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができる。
【0027】
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック類;酸化鉄;酸化チタン等を挙げることができる。
【0028】
有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料;β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料;銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化、臭素化など)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系等の多環式顔料及び複素環式顔料;等を挙げることができる。
【0029】
黒色顔料としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、28、26、31等を挙げることができる。
【0030】
白色顔料としては、C.I.Pigment White 5、6、7、12、28等を挙げることができる。
【0031】
黄色顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、18、24、73、74、75、83、93、95、97、98、100、108、109、110、114、120、128、129、138、139、174、150、151、154、155、167、180、185、213等を挙げることができる。
【0032】
青色又はシアン色顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、2、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62等を挙げることができる。
【0033】
赤色又は紅色顔料としては、C.I.Pigment Red 1、3、5、19、21、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、50、52、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、90、104、108、112、114、122、144、146、148、149、150、166、168、169、170、172、173、176、177、178、184、185、187、193、202、209、214、242、254、255、264、266、269等を挙げることができる。
【0034】
緑色顔料としては、C.I.Pigment Green 1、2、3、4、7、8、10、15、17、26、36、45、50等を挙げることができる。
【0035】
紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、2、3、4、5:1、12、13、15、16、17、19、23、25、29、31、32、36、37、39、42等を挙げることができる。
【0036】
オレンジ色顔料としては、C.I.Pigment Orange 13、16、20、34、36、38、39、43、51、61、63、64、74等を挙げることができる。
【0037】
インキ組成物中の顔料等の着色剤の含有量は、目的とする濃度の印刷層を基材の表面上に形成しうる量であればよい。具体的には、インキ組成物中の着色剤の含有量は、インキ組成物の全質量を基準として、5~30質量%であることが好ましく、10~25質量%であることがさらに好ましい。
【0038】
(分散剤)
本実施形態のインキ組成物が顔料を含有する場合において、顔料の分散性を良好なものにするために、分散剤をさらに含有させることが好ましい。分散剤としては、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミン系ポリマー等を主成分とする高分子分散剤を挙げることができる。なかでも、顔料の分散安定性の観点から、ブロック構造又はくし型構造を有するともに、塩基性官能基を含有する高分子分散剤が好ましい。
【0039】
このような高分子分散剤の市販品としては、以下商品名で、アジスパーPB821、PB822、PB824等のアジスパーシリーズ(味の素ファインテクノ社製);Solsperse24000、Solsperse32000、Solsperse38500等のソルスパーズシリーズ(ルーブリゾール社製);BYK-162、BYK-168、BYK-183等のディスパービックシリーズ(ビックケミー社製);等を挙げることができる。
【0040】
インキ組成物中の分散剤の含有量は、インキ組成物の全質量を基準として、0.1~10質量%であることが好ましい。
【0041】
(重合開始助剤)
本実施形態のインキ組成物には、重合開始助剤をさらに含有させることができる。重合開始助剤を含有させることで、形成される印刷層等の塗膜の硬化性をさらに向上させることができる。重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、脂肪族アミン、2-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジブチルエタノールアミン、4,4-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0042】
インキ組成物中の重合開始助剤の含有量は、インキ組成物の全質量を基準として、0.1~5質量%であることが好ましく、0.5~3質量%であることがさらに好ましい。
【0043】
(不活性樹脂)
本実施形態のインキ組成物には、不活性樹脂をさらに含有させることができる。不活性性樹脂を含有させることで、基材への密着性及び耐擦過性等の塗膜の硬化性をさらに向上させることができる。本明細書における「不活性樹脂」とは、反応性基を有しない樹脂を意味する。
【0044】
不活性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂、尿素樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体等の合成ゴムを挙げることができる。さらに、これらの樹脂を変性した変性樹脂を用いることもできる。具体的には、上記の樹脂を塩素化、臭素化、アミン変性、又はカルボン酸変性等した変性樹脂を用いることができる。
【0045】
不活性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000~100,000であることが好ましく、2,000~70,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)が上記の範囲内にある不活性樹脂を用いることで、基材への密着性及び硬化性により優れた塗膜を形成可能なインキ組成物とすることができる。
【0046】
不活性樹脂の「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される値である。GPCの具体的な測定方法は、以下の通りである。3本のカラム(商品名「TSKgelSuperHM-M」、東ソー社製)を搭載したGPCシステム(商品名「HLC-8020」、東ソー社製)を使用し、テトラヒドロフランを溶離液として用いて、流速:0.6mL/min、注入量:10μL、カラム温度:40℃の条件で分析した。なお、検量線は、標準ポリスチレンサンプルを用いて作成した。
【0047】
不活性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、耐薬品性の観点から、50~150℃であることが好ましく、60~120℃であることがさらに好ましい。不活性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、樹脂を構成する単量体のホモポリマーのガラス転移温度から算出してもよいし、実験的に測定してもよい。単量体のホモポリマーのガラス転移温度からは、例えば、FOXの式を用いて算出することができる。また、実験的に測定する方法としては、示差走査熱量計を用いてDSC曲線を作成する方法等がある。
【0048】
不活性樹脂の市販品としては、以下商品名で、ビームセット243NS、ビームセット255、ビームセット261、ビームセット271(荒川化学工業社製)等を挙げることができる。これらの不活性樹脂は、いずれも樹脂とラジカル重合性化合物の混合物である。インキ組成物中の不活性樹脂の含有量は、硬化性の観点から、インキ組成物の全質量を基準として、1~10質量%であることが好ましい。
【0049】
(その他の成分)
本実施形態のインキ組成物には、所期の効果を損なわない範囲で必要に応じて、体質顔料、ワックス、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等のその他の成分をさらに含有させることができる。なお、環境負荷低減の観点から、インキ組成物は有機溶剤を実質的に含有しないことが好ましい。「実質的に含有しない」とは、例えば、インキ組成物の全質量を基準とする有機溶剤の含有量が、好ましくは3質量%未満であること、さらに好ましくは1質量%未満であることを意味する。
【0050】
本実施形態のインキ組成物のバイオマス度は、5%以上であることが好ましく、10~20%であることがさらに好ましい。バイオマス度を高める(例えば10%以上とする)には、バイオマス由来の化合物である一般式(1)又は(2)で表される(メタ)アクリレート化合物を用いればよい。さらに、大豆油変性エポキシアクリレートやロジン変性エポキシアクリレートを用いることで、バイオマス度を高めることができるとともに、硬化性及び密着性により優れた印刷層等の塗膜を形成することができるために好ましい。また、大豆油変性エポキシアクリレートやロジン変性エポキシアクリレートは、他のモノマーとの相溶性の観点からも好ましい。
【0051】
<印刷物>
本発明の一実施形態である印刷物は、基材と、この基材の表面上に設けられる印刷層とを備える。そして、この印刷層が、前述の活性エネルギー線硬化型インキ組成物で形成された層である。本実施形態の印刷物を構成する印刷層は、前述のインキ組成物で形成された層(塗膜)であるため、樹脂等の各種基材に対する密着性に優れているとともに、硬化性にも優れている。さらに、オイゲノールやイソオイゲノールに由来する(メタ)アクリレート化合物を重合性化合物として含有するインキ組成物で形成した印刷層を備えることから、不快な臭気等も有効に抑制されており、例えば、食品用包装材や食品用容器等として特に有用である。また、印刷層がバイオマス由来の成分を用いたインキ組成物で形成されていることから、環境面への配慮もなされている。
【0052】
本実施形態の印刷物は、前述のインキ組成物を基材に付与して印刷することによって得ることができる。基材としては、アート紙、コート紙、キャスト紙等の塗工紙や上質紙;中質紙、新聞用紙等の非塗工紙;ユポ紙等の合成紙;PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)等のプラスチックフィルム;等を挙げることができる。プラスチックフィルムを基材として用いる場合には、得られる印刷物のバイオマス度を高めるために、バイオマス由来のフィルムを基材として用いることが好ましい。
【0053】
バイオマス由来のフィルムとしては、例えば、トウモロコシ等のデンプンを糖化及び発酵して得た乳酸を重合して形成したポリ乳酸フィルム;ひまし油をアルカリ熱分解して得たセバシン酸と、ヘキサメチレンジアミンとの重合物で形成したポリアミドフィルム;サトウキビ等を発酵及び蒸留して得たエタノールから合成したエチレングリコールと、ジカルボン酸との重縮合物で形成したポリエステルフィルム;等を挙げることができる。バイオマス由来のフィルムの市販品としては、以下商品名で、エコロージュ(登録商標)(三菱ケミカル社製);バイオマテック(登録商標)のPETフィルム、VM-PETフィルム、PEフィルム(大日本印刷社製);等を挙げることができる。
【0054】
本実施形態の印刷物を製造する方法(印刷方法)としては、オフセット印刷(湿し水を使用する通常の平版及び湿し水を使用しない水無し平版)、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等を挙げることができる。
【0055】
インキ組成物は、公知の方法によって硬化させることができる。例えば、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光、又は赤外光等の活性エネルギー線を基材に付与したインキ層に照射することで、インキ層を硬化させて印刷層を形成することができる。活性エネルギー線としては、紫外線や電子線を用いることが好ましく、紫外線を用いることがさらに好ましい。照射する紫外線のピーク波長は、200~600nmであることが好ましく、350~420nmであることがさらに好ましい。活性エネルギー線源としては、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)や紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等のLED(発光ダイオード)、ガス・固体レーザー等を挙げることができる。
【実施例0056】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
【0057】
<重合性化合物の製造>
(化合物(2-Y))
100mLの三口フラスコに、オイゲノール49部、エチレンカーボネート29部、及びジアザビシクロウンデセン0.1部を入れ、180℃で3時間撹拌した。有機層としてトルエンを使用し、分液漏斗で抽出して水で2回洗浄した。エバポレーターを使用してトルエンを留去し、下記式(2-X)で表される化合物(化合物(2-X))60部を得た。
【0058】
【0059】
500mLの三口フラスコに、化合物(2-X)56部、トリエチルアミン55部、メタクリロイルクロリド34部、及びトルエン280部を入れ、70℃で7時間撹拌した。水を添加して反応を停止した後、有機層としてトルエンを使用し、分液漏斗で抽出して水で2回洗浄した。エバポレーターを使用してトルエンを留去し、下記式(2-Y)で表される化合物(化合物(2-Y))72部を得た。
【0060】
【0061】
(化合物(3-Y))
化合物(2-X)に代えて、下記式(3-X)で表される化合物(化合物(3-X))93部を用いたこと以外は、前述化合物(2-Y)の場合と同様にして、下記式(3-Y)で表される化合物(化合物(3-Y))を得た。なお、化合物(3-X)としては、商品名「LITE2020」(Cardolite社製)を用いた。
【0062】
【0063】
<インキ組成物の製造>
表1に示す配合にしたがって各成分を混合して、活性エネルギー線硬化型のインキ組成物を製造した。なお、比較例2のインキ組成物に配合した「フェノキシエチルアクリレート」(大阪有機化学工業社製)は、バイオマス由来ではない重合性化合物である。表1中の略号の意味を以下に示す。
・TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド
・IRG819:フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
・DETX:2,4-ジエチルチオキサントン
・BYK-UV3500:シリコン系の表面調整剤(ビックケミー社製)
【0064】
【0065】
<印刷物の製造>
セレクトローラーNo.5を使用して製造した各インキ組成物をPETフィルムに塗布した後、UVを照射して硬化させて印刷層を形成し、印刷物を得た。
【0066】
<評価>
(粘度)
E型粘度計を使用し、100rpmの条件で25℃におけるインキ組成物の粘度を測定した。そして、以下に示す評価基準にしたがってインキ組成物の粘度を評価した。結果を表2に示す。
○:粘度が10mPa・s未満であった。
×:粘度が10mPa・s以上であった。
【0067】
(硬化性)
形成した印刷層(インキ塗膜)を紙ワイパー(商品名「キムワイプ(登録商標)」、日本製紙クレシア社製)で軽く擦り、以下の基準にしたがって印刷層の硬化性を評価した。結果を表2に示す。
○:傷がつかなかった。
×:傷がついた。
【0068】
(密着性)
形成した印刷層(インキ塗膜)の表面をカッターでクロスカットしてサンプルを調製した。調製したサンプルにセロファンテープ(商品名「セロテープ(登録商標)」、ニチバン社製、18mm幅)を貼り付けた後に剥離した。セロファンテープ剥離後のサンプルを目視にて確認し、以下に示す評価基準にしたがって印刷層の密着性を評価した。結果を表2に示す。
○:印刷層の剥離が認められなかった。
×:印刷層の剥離が認められた。
【0069】
(臭い)
以下に示す評価基準にしたがって印刷物の臭いを評価した。結果を表2に示す。
○:油臭さがない。
×:油臭さがある。
【0070】
[2]前記(メタ)アクリレート化合物が、オイゲノール、イソオイゲノール、又はこれらの誘導体と、(メタ)アクリロイルクロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸のいずれかと、の反応物である前記[1]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
[3]前記2官能のラジカル重合性化合物が、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、及びトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートの少なくともいずれかであり、前記3官能のラジカル重合性化合物が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートの少なくともいずれかであり、前記4官能のラジカル重合性化合物が、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートの少なくともいずれかであり、前記5官能のラジカル重合性化合物が、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであり、前記6官能のラジカル重合性化合物が、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである前記[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化型インキ組成物。