(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004947
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】4D超音波マップの視覚化
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022100917
(22)【出願日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】17/357,303
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601DD14
4C601DD15
4C601DD27
4C601EE09
4C601EE11
4C601FE04
4C601GA19
4C601GA20
4C601GA25
4C601GB06
4C601JC21
4C601JC26
4C601KK02
4C601KK24
4C601KK31
4C601KK47
4C601LL33
(57)【要約】
【課題】医療システムを提供すること。
【解決手段】医療システムは、身体の器官に挿入するための超音波プローブと、プロセッサと、を含む。超音波プローブは、(i)2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、(ii)器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。プロセッサは、(a)センサによって出力された信号を使用して、2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、かつ(b)組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す組織領域のマップを生成する、ように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す前記組織領域のマップを生成する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記組織位置の前記動きの量に基づいて、前記組織位置のうちの1つ以上の組織が瘢痕組織を含むことを識別し、
前記識別された瘢痕組織の指標と共に、前記マップをユーザに提示する、
ように更に構成されている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記組織のグラフィカルコード化された動きレベルを使用して、前記識別された瘢痕組織を示すように構成されている、請求項2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記グラフィカルコード化された動きレベルが、色分けされた動きレベルを含む、請求項3に記載の医療システム。
【請求項5】
前記プロセッサが、組織の前記動きの量を閾値と比較することによって、前記瘢痕組織を識別するように構成されている、請求項2に記載の医療システム。
【請求項6】
医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって取得された、前記器官の領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記領域の内壁画像と外壁画像を互いに分離し、
異なるグラフィカルコード化を前記内壁画像及び前記外壁画像に適用し、
前記内壁画像及び前記外壁画像を重ね合わせて、組み合わされた画像を生成し、
前記組み合わされた画像をユーザに表示し、
前記重ね合わされた内壁画像及び外壁画像の一方又は両方の透明度を調整する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
【請求項7】
前記異なるグラフィカルコード化が、異なるカラーパレットである、請求項6に記載の医療システム。
【請求項8】
前記領域の前記内壁画像及び前記外壁画像が、心臓の同じ部分の心内膜画像及び個別の心外膜画像である、請求項6に記載の医療システム。
【請求項9】
医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記超音波トランスデューサアレイによって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記組織領域のマップを生成し、前記超音波画像を取得するために使用された前記超音波プローブのタイプを示すアイコンを前記マップに組み込み、
前記超音波プローブの前記タイプの指標と共に、前記マップをユーザに提示する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
【請求項10】
前記超音波プローブの前記タイプが、トランスデューサの1次元(1D)アレイを含む超音波プローブ及び2次元(2D)アレイを含む超音波プローブのうちの1つである、請求項9に記載の医療システム。
【請求項11】
医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記組織領域の超音波画像を生成し、
グラフィカルユーザインターフェースに、(i)前記生成された超音波画像、及び(ii)1つ以上のそれぞれの非超音波医療撮像モダリティによって取得された前記組織領域の1つ以上の追加の画像をアップロードし、
前記超音波画像及び前記1つ以上の追加の画像のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成し、
前記組み合わされた画像をユーザに表示する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記重み付けを調整することによって、前記組み合わされた画像を調整するように更に構成されている、請求項11に記載の医療システム。
【請求項13】
医療システムであって、
画像をユーザに表示するように構成されたディスプレイと、
プロセッサであって、
医療モダリティにより取得された、組織領域の異なる2つ以上の表現を互いに位置合わせし、
前記表現のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成し、
前記ディスプレイを使用して、前記組み合わされた表現を前記ユーザに表示する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
【請求項14】
前記表現が、電気生理学的マップを含む、請求項13に記載の医療システム。
【請求項15】
前記電気生理学的マップが、局所活性化時間(LAT)又は双極電圧マップを含む、請求項14に記載の医療システム。
【請求項16】
方法であって、
医療モダリティにより取得された、組織領域の異なる2つ以上の表現を互いに位置合わせすることと、
前記表現のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成することと、
前記組み合わされた表現を前記ユーザに表示することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記表現が、電気生理学的マップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電気生理学的マップが、局所活性化時間(LAT)又は双極電圧マップを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療可視化方法に関し、具体的には、体内医療用超音波プローブを使用して取得された超音波データを視覚化することに関する。
【背景技術】
【0002】
身体内の器官機能を評価するための様々な超音波視覚化技術が、特許文献において以前に提案されている。例えば、米国特許出願公開第2020/0214662号には、電気機械マップを生成するためのシステム及び方法が記載されている。この方法は、一連の連続する画像フレームを含む超音波データ及び心臓内の組織位置に対応する無線周波数(radio frequency、RF)信号を取得することを含む。変位及び歪みは、その位置における電気機械的活性化を判定するために、超音波データに基づいて測定される。超音波データは、一連の等時線図に変換され、一連の等時線図は、組み合わされて、電気機械マップを生成する。電気機械マップは、心臓の電気機械的活性化及び内壁構造を示す。
【0003】
別の例として、米国特許出願公開第2010/0099991号は、1つの画像における血液プールの位置及び流速の両方を描写する血流の3D画像を生成する超音波診断撮像システムを記載している。Bモードデータは、体積領域にわたって取得され、強いエコー戻りの領域に対して無響領域を強調するグレースケール値の範囲に反転される。フローデータは、同じ体積領域にわたって取得され、両方のデータセットは、体積レンダリングされる。次いで、2つの体積レンダリングは、画素位置での流れに従ってBモード画素値が色付けされる単一の3D画像にマージさせる。
【0004】
米国特許第8,090,429号は、CT、MRI、及びSPECTなどの異なる多数の医療モダリティからの画像を同時位置合わせ、表示、及び定量化するためのシステム及び方法を記載している。このアプローチでは、同時位置合わせ及び画像融合は、複数のユーザで定義された対象となる領域(Regions-of-Interest、ROI)に基づき、これは、複数のモダリティからの画像体積全体のサブセットであってもよく、各ROIは、異なる画像モダリティからのデータを描写することができる。第1の画像モダリティのユーザが選択したROIは、第2の画像モダリティの対応するROIの上に重ね合わせる、又は第2の画像モダリティの対応するROIとブレンドすることができ、第2の画像全体は、重ね合わされたROI又はブレンドされたROIのいずれかで表示することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、4D超音波画像などの超音波画像及び電気生理学的データなどの相関性のある視覚データを医師又はオペレータに同時に提示するための改善された手段が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に記載された本発明の一実施形態は、身体の器官に挿入するための超音波プローブと、プロセッサと、を含む医療システムを提供する。超音波プローブは、(i)2次元(two-dimensional、2D)超音波トランスデューサアレイと、(ii)器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。プロセッサは、(a)センサによって出力された信号を使用して、2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、かつ(b)組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す組織領域のマップを生成する、ように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、組織位置の動きの量に基づいて、組織位置のうちの1つ以上の組織が瘢痕組織を含むことを識別し、かつ識別された瘢痕組織の指標と共にマップをユーザに提示する、ように更に構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、組織のグラフィカルコード化された動きレベルを使用して、識別された瘢痕組織を示すように構成されている。
【0009】
一実施形態では、グラフィカルコード化された動きレベルは、色分けされた動きレベルを含む。
【0010】
別の実施形態では、プロセッサは、組織の動きの量を閾値と比較することによって、瘢痕組織を識別するように構成されている。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、身体の器官に挿入するための超音波プローブと、プロセッサと、を含む医療システムが更に提供される。超音波プローブは、(i)2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、(ii)器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。プロセッサは、(a)センサによって出力された信号を使用して、2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、(b)領域の内壁画像と外壁画像を互いに分離し、(c)内壁画像及び外壁画像に異なるグラフィカルコード化を適用し、(d)内壁画像と外壁画像を重ね合わせて、組み合わされた画像を生成し、(e)組み合わされた画像をユーザに表示し、かつ(f)重ね合わされた内壁画像及び外壁画像の一方又は両方の透明度を調整する、ように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、異なるグラフィカルコード化は、異なるカラーパレットである。
【0013】
いくつかの実施形態では、領域の内壁画像及び外壁画像は、心臓の同じ部分の心内膜画像及び個別の心外膜画像である。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、身体の器官に挿入するための超音波プローブと、プロセッサと、を含む医療システムが更に提供される。超音波プローブは、(i)2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、(ii)器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。プロセッサは、(a)センサによって出力された信号を使用して、2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、(b)組織領域のマップを生成して、超音波画像を取得するために使用された超音波プローブのタイプを示すアイコンをマップに組み込み、かつ(c)超音波プローブのタイプの指標と共にマップをユーザに提示する、ように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、超音波プローブのタイプは、トランスデューサの1次元(one-dimensional、1D)アレイを含む超音波プローブ及び2次元(2D)アレイを含む超音波プローブのうちの1つである。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、身体の器官に挿入するための超音波プローブと、プロセッサと、を含む医療システムが更に提供される。超音波プローブは、(i)2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、(ii)器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。プロセッサは、(a)センサによって出力された信号を使用して、2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、(b)組織領域の超音波画像を生成し、(c)グラフィカルユーザインターフェースに、(i)生成された超音波画像、及び(ii)1つ以上のそれぞれの非超音波医療撮像モダリティによって取得された組織領域の1つ以上の追加の画像、をアップロードし、(d)超音波画像及び1つ以上の追加の画像のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成し、かつ(e)組み合わされた画像をユーザに表示する、ように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、重み付けを調整することによって、組み合わされた画像を調整するように更に構成されている。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、ディスプレイと、プロセッサと、を含む医療システムが更にまた提供される。ディスプレイは、画像をユーザに表示するように構成されている。プロセッサは、(a)医療モダリティにより取得された、組織領域の異なる2つ以上の表現を互いに位置合わせし、(b)表現のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成し、かつ(c)ディスプレイを使用して、組み合わされた表現をユーザに表示する、ように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、表現は、電気生理学的マップを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、電気生理学的マップは、局所活性化時間(local activation time、LAT)又は双極電圧マップを含む。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、超音波プローブを身体の器官に挿入することを含む方法が更に提供され、超音波プローブは、2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像は、センサによって出力された信号を使用して、互いに位置合わせされる。組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す、組織領域のマップが生成される。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、超音波プローブを身体の器官に挿入することを含む方法が更に提供され、超音波プローブは、2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像は、センサによって出力された信号を使用して、互いに位置合わせされる。領域の内壁画像と外壁画像は、互いに分離されている。異なるグラフィカルコード化が、内壁画像及び外壁画像に適用される。内壁画像及び外壁画像は、重ね合わされて、組み合わされた画像を生成する。組み合わされた画像は、ユーザに表示される。重ね合わされた内壁画像及び外壁画像の一方又は両方の透明度が調整される。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、超音波プローブを身体の器官に挿入することを含む方法が更にまた提供され、超音波プローブは、2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像は、センサによって出力された信号を使用して、互いに位置合わせされる。組織領域のマップが生成され、超音波画像を取得するために使用された超音波プローブのタイプを示すアイコンが、マップに組み込まれる。マップは、超音波プローブのタイプの指標と共にユーザに提示される。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、超音波プローブを身体の器官に挿入することを含む方法が更に提供され、超音波プローブは、2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、器官内の2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、を含む。2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像は、センサによって出力された信号を使用して、互いに位置合わせされる。組織領域の超音波画像が生成される。グラフィカルユーザインターフェースにアップロードされるのは、(i)生成された超音波画像、及び(ii)1つ以上のそれぞれの非超音波医療撮像モダリティによって取得された組織領域の1つ以上の追加の画像である。超音波画像及び1つ以上の追加の画像のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像が生成される。組み合わされた画像は、ユーザに表示される。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、医療モダリティにより取得された、組織領域の異なる2つ以上の表現を互いに位置合わせすることを含む方法が更にまた提供される。表現のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像が生成される。組み合わされた表現は、ユーザに表示される。
【0026】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による、2D超音波アレイと、位置センサとを備える遠位端アセンブリを備えたカテーテルを使用する、カテーテルベースの超音波撮像システムの概略描写図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1の超音波システムを使用して画像化された器官の内壁セクションにおける瘢痕組織領域の視覚化の概略描写図である。
【
図3】本発明の実施形態による、
図1のシステムを使用した超音波心臓内取得、続いて、個別の心外膜画像の上に心内膜画像を重ね合わせた、組み合わされた組織運動マップの導出の概略描写図である。
【
図4】本発明の実施形態による、3Dレンダリングへのアイコンの組み込みを示す概略描写図であり、アイコンは、レンダリングの生成に使用された超音波カテーテルのタイプを示す。
【
図5】本発明の実施形態による、異なる撮像モダリティからの画像を重み付けすることによって作成された組み合わされた画像を生成して表示するように構成されたグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)の概略描写図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、
図2の結果を導出して表示する方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による、
図4の結果を導出して表示する方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態による、3Dレンダリングへのアイコンの組み込みを示す方法を概略的に示すフローチャートであり、アイコンは、レンダリングの生成に使用された超音波カテーテルのタイプを示す。
【
図9】本発明の一実施形態による、
図5の結果を導出して表示する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
概論
以下に記載される本発明の実施形態は、3次元(three-dimensional、3D)又は4次元(four-dimensional、4D)超音波画像を生成するための超音波トランスデューサの2次元(2D)アレイを有する、カテーテルなどのプローブを使用する方法及びシステムを提供する。本文脈において、「3D超音波画像」という用語は、3次元における特定の体積を表す超音波画像を指す。「4D超音波カテーテル」という用語は、超音波トランスデューサの2Dアレイを組み込んだカテーテルを指す。「4D超音波画像」という用語は、2Dアレイによって取得された特定の体積の3D超音波画像の時系列を指す。4D画像は、3D動画と見なすことができ、第4の次元は、時間である。4D画像(又はレンダリング)を説明する別の方法は、時間依存3D画像(又はレンダリング)としてのものである。心臓に使用される場合、4D超音波カテーテルは、「4D心腔内心エコー法(Intracardiac Echocardiography、ICE)」カテーテルと呼ばれることがある。
【0029】
開示された実施形態では、カテーテルはまた、2Dアレイと事前に位置合わせされた、磁気位置センサなどの一体型位置センサを備える。2Dアレイは、定義された立体角を占める3Dセクタ形状の超音波ビームを生成する(このようなビームは、1Dアレイの「ファン」とは対照的に、本明細書では「ウェッジ」と呼ばれる)。したがって、2Dアレイは、心室などの器官の内壁の2Dセクションを画像化することができる。一体型位置センサのために、画像化されたセクション内の全てのボクセルの空間座標は、位置センサと2Dアレイとの間のカテーテルシャフト上の既知の相対位置及び向きに基づいて、既知である。
【0030】
心臓の一部分の4D超音波レンダリング、及び同時に、電気生理学的(electrophysiological、EP)レンダリングを生成することが可能であり得る。しかしながら、医師が別々の2つのレンダリングを相関させることは困難である。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態は、局所活性化時間(LAT)又は双極電圧などのEPデータを4D超音波画像又は3Dレンダリングに重ね合わせ、3D/4D表現は、4D超音波カテーテルによって生成される。4Dカテーテルは、一体型位置センサ及び2Dアレイとのその事前位置合わせを有するため、2つのエンティティ、すなわち、EP値及び超音波画像は、組み合わされた画像内で自動的に位置合わせされ、その結果、超音波画像とのEPパラメータの位置合わせは、必要とされない。
【0032】
例えば、4D超音波画像は、心腔の壁の3D詳細、並びに壁の移動を示すことができ、その結果、組み合わされた画像は、これらの詳細並びに電気的活動(例えば、EPデータ)を示す。これは、例えば、瘢痕の壁組織領域において明らかであり、組織の機械的移動は、周囲の非瘢痕組織の機械的移動とは異なり、瘢痕の領域における電気的伝播は、非瘢痕組織の領域のものとは異なる。組み合わされた画像は、瘢痕に関連する心臓問題の治療を診断及び決定するための臨床医の能力を高めることができる。別の実施形態では、ユーザは、超音波画像から歪み情報をインポートし、プロセッサを使用して、インポートされた歪み情報を電気的活動と比較及び/又はそれを表示することができる。これにより、機械的心臓機能と電気的心臓機能との間の相関関係が可能になる。
【0033】
心腔の壁の表面の標準的な超音波画像、すなわち、心内膜及び心外膜の画像を取得することができる。しかしながら、グレースケールで描写された両方の表面は、2つの表面を明確に見ることが不可能であることを意味するため、画像が超音波画像においていくらか変位している場合でも、異なる表面は理解することが困難である。典型的には、心内膜及び心外膜の画像は、超音波プローブによって取得された体積データをセグメント化するプロセッサによって取得される。解剖学的マップが存在する場合、プロセッサは、マップを使用して、異なる表面を識別することができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態は、4D超音波カテーテルのユーザが、室壁の表面の2つの画像に異なるカラーパレットを適用することを可能にする。これにより、例えば、着色された心内膜画像を異なって着色された心外膜画像に重ね合わせるプロセッサによって、2つの表面を明確に区別可能にレンダリングする。ユーザはまた、重ね合わせの透明度を調整して、表示される組み合わされた画像を更に強化することができる。
【0035】
超音波カテーテルがマッピング位置システムに位置合わせされると、システムは、この事前に取得された知識を使用して、異なるカラースケールで超音波画像内の複数の構造(例えば、心内膜及び心外膜)を着色することができる。
【0036】
更に、超音波画像の各々の各領域は、その機能に従って固有のカラースケールで、又は、例えば、暖色又は寒色を含む異なるカラーパレットを使用することなど、使用される定義で着色することができる。例えば、右心房をマッピングした後、右心房の超音波画像領域を異なって(グレーレベルに従って異なる強度を有する赤色など、異なるカラースケールで、又は心内膜及び心外膜の画像に対して暖色対寒色など、異なるカラーパレットで)着色することができる。
【0037】
超音波カテーテル用のアイコンは、使用される超音波カテーテルのタイプを区別しない。例えば、超音波ファンを生成する1Dカテーテルとは対照的に、2Dカテーテルは、超音波ウェッジを生成する。一実施形態では、超音波データがどのように取得されたかをレビュー担当者に知らせるために、プロセッサは、特定のアイコンを選択して、既存の3D表面超音波レンダリングに組み込む。この実施形態では、プロセッサは、3D/4Dレンダリングにウェッジアイコンを組み込むことによって、4D画像を生成する2Dカテーテルのアイコンを表示することができる。
【0038】
多くの医療処置において、異なる機能を有する画像は、例えば、異なる撮像モダリティを使用して、取得することができ、比較する目的で、これらの画像は、位置合わせすることができる。それらは位置合わせされているため、画像は、互いに組み合わせることができ、その結果、画像上の異なる要素を同時に見ることができる。しかしながら、各画像は、典型的には、多くの視覚情報を保有するため、画像を組み合わせることにより、すぐに情報過多を招く可能性がある。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態は、組み合わされた画像への別個の画像の寄与を重み付けすることによって、レビュー担当者が組み合わされた画像を生成及び調整することを可能にする、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供する。一例では、3つの利用可能な画像:コンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)画像、磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging、MRI)画像、及び超音波(ultrasound、US)画像は、全て互いに(例えば、追跡システムの座標系に)位置合わせされていると見なされるものである。GUIを使用してCT、MRI、及びUSの画像を重み付けすることにより、レビュー担当者は、3つの画像を1つに組み合わせる。プロセッサを使用してGUIが適用することができる、1つの開示された画像重み付けモデルは、画像が三角形の頂点に配置されているという仮定に基づいており、三角形は、重み付けセレクタとして使用される。この目的のために、レビュー担当者は、三角形内のカーソルを移動させて、各画像に適用される重みを選択することができる。
【0040】
重み付け及び組み合わされる異なる画像は、必ずしも異なるモダリティのものである必要はないことに留意されたい。むしろ、これらの画像は、同じ医療モダリティによって取得された組織領域の異なる表現であってもよい。例えば、EPマッピングモダリティは、カラーマップにおけるLATの第1の表現及びグレースケールで提供される双極電圧マップの第2の表現を生成することができる。そのような組み合わされたEP表現は、臨床的有意性が向上している可能性がある。
【0041】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、2D超音波アレイ50と、位置センサ52とを備える遠位端アセンブリ40を備えたカテーテル21を使用する、カテーテルベースの超音波撮像システム20の概略描写図である。一体型位置センサ52は、カテーテル21の2Dアレイ50と事前に位置合わせされている。
【0042】
具体的には、センサ52は、器官内の2D超音波トランスデューサアレイ52の位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されている。システムのプロセッサは、センサによって出力された信号を使用して、2D超音波トランスデューサアレイ50によって取得された、複数の超音波画像セクションを互いに位置合わせするように構成されている。
【0043】
見られるように、遠位端アセンブリ40は、カテーテルのシャフト22の遠位端に取り付けられている。カテーテル21は、シース23を通して、手術台29上に横たわる患者28の心臓26内に挿入される。カテーテル21の近位端は、制御コンソール24に接続されている。本明細書に記載の実施形態では、カテーテル21は、超音波ベースの診断目的のために使用されるが、カテーテルは、例えば、先端電極56を使用して、心臓26内の組織の電気的感知及び/又はアブレーションなどの治療を行うために更に使用することができる。
【0044】
医師30は、カテーテルの近位端の近くのマニピュレータ32を使用してシャフト22を操作することによって、カテーテル21の遠位端アセンブリ40を心臓26内の標的位置にナビゲートする。
【0045】
一実施形態では、挿入
図25に詳細に示される2D超音波アレイ50は、心臓26の左心房を画像化するように構成されている。
【0046】
挿入
図45に見られるように、超音波アレイ50は、複数の超音波トランスデューサ53の2Dアレイ50を含む。挿入
図45は、左心房の肺静脈の心門54にナビゲートされる超音波アレイ50を示す。この実施形態では、2Dアレイ50は、32×64個のUSトランスデューサのアレイである。2Dアレイは、心門の内壁のセクションを画像化することができる。一体型位置センサ、及び2Dアレイとのその事前位置合わせのために、画像化されたセクション内の全ての画素の空間座標は、システムによって既知である。好適な2Dアレイの例は、IEEE Transactions on Ultrasonics,Ferroelectrics,and Frequency Control,vol.63,no.12,pp.2159-2173,Dec.2016,doi:10.1109/TUFFC.2016.2615602のD.Wildesらの「4-D ICE:A 2-D Array Transducer With Integrated ASIC in a 10-Fr Catheter for Real-Time 3-D Intracardiac Echocardiography」に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
制御コンソール24は、カテーテル21からの信号を受信するため、並びに、任意選択的に、心臓26内でカテーテル21を介して治療を施すため、及びシステム20の他の構成要素を制御するための好適なフロントエンド及びインタフェース回路38を備えたプロセッサ39、典型的には汎用コンピュータを備える。コンソール24はまた、磁場発生器36を駆動するように構成されているドライバ回路34を備える。
【0048】
心臓26における遠位端部22のナビゲーション中に、コンソール24は、外部磁場発生器36からの磁場に応じて、位置センサ52から位置信号及び方向信号を受信する。磁場発生器36は、患者28の外部の既知の位置、例えば、患者が横たわっている台29の下に配置されている。これらの位置信号及び方向信号は、位置追跡システムの座標系における、2D超音波アレイ50の位置及び方向を示す。
【0049】
外部磁場を使用する位置及び方向の感知方法は、様々な医療用途で、例えば、Biosense Websterにより製造されているCARTO(商標)システムに実装されており、米国特許第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に詳細に記述されており、それらの開示は、全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
偏向及び回転を可能にする例示的なカテーテル及び撮像アセンブリは、米国特許第9,980,786号、同第10,537,306号、及び米国特許出願公開第2020-0061340(A1)号に詳細に記載されており、これらの開示は、全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
いくつかの実施形態では、プロセッサ39は、以下に記載されるように、アレイ52を「掃引モード」で動作させて、心室全体を画像化するように構成することができる。一実施形態では、画像化された心室(例えば、左心房)は、例えば、体積レンダリング55として、モニタ27上でプロセッサ39によって医師30に提示される。
【0052】
プロセッサ39は、典型的には、汎用コンピュータを備え、このコンピュータは、本明細書に記載されている機能を実行するソフトウェアでプログラムされている。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができる、あるいは、代替的に又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上に提供及び/又は記憶することができる。
【0053】
図1に示される例示的な構成は、単に概念を明確化する目的で選択される。本開示の技法は、他のシステム構成要素及び設定を使用して、同様に適用されることができる。例えば、システム20は、追加の構成要素を備え、非心臓カテーテル法を実行してもよい。
【0054】
4D超音波マップのレンダリング及び視覚化
図2は、本発明の一実施形態による、
図1の超音波システム20を使用して画像化された器官254の内壁54のセクション260における瘢痕組織領域222の視覚化の概略描写図である。取得は、
図1のシステム20のカテーテル21を使用して実行される。見られるように、3Dウェッジ250の取得モードは、2Dセクション260の同時取得を可能にする。位置センサ52を使用して、超音波ウェッジ250の幾何学的形状は、システム20の位置追跡システムの座標系において定義することができる。
【0055】
位置合わせを使用して、プロセッサ39は、取得から、色分けされ可視化された瘢痕領域233を含む、色分けされた組織運動マップ244を導出する。プロセッサは、内部の組織の機械的移動が周囲の非瘢痕組織のものとは異なる(典型的には、より小さい又はない)と推定することによって、瘢痕を区別する。一実施形態では、プロセッサは、例えば、表示されるビデオ画像上で、またリアルタイムで動きの量をグラフィカルにコード化(例えば、マーキング又は色分け)して、瘢痕組織であり得る不動領域を区別する。
【0056】
一実施形態では、プロセッサは、組織の動きレベルを健康な組織の予想される動きの量の閾値と比較することによって、瘢痕組織を識別するように構成されている。
【0057】
図3は、本発明の実施形態による、
図1のシステム20を使用した超音波心臓内取得、続いて、心内膜画像270と個別の心外膜画像272を重ね合わせた、組み合わされた組織運動マップ275の導出の概略描写図である。
【0058】
一実施形態では、センサ52からの位置情報を使用して、心内膜画像270及びその個別の心外膜画像272は、超音波取得/従来の画像から抽出される(例えば、画像270及び272によって示される心臓表面は、アルゴリズムを使用して互いに分離される)。例えば、カテーテルが心室にある、又はユーザが室内の点を選択した、又は解剖学的Cartoマップがすでに存在し、その中心質量を使用することができる、シナリオを考える。一実施形態では、プロセッサは、選択された点からシミュレートされたビーム光線を伸ばし、その結果、光線が第1の表面と次いで第2の境界と交差する、アルゴリズムを適用することができる。CT及びMRIの3Dスキャンのセグメント化に今日使用される既存のアルゴリズム、例えば、統計的ローカル及びグローバルパラメータに基づく多重閾値化、数学的形態学、並びに画像フィルタリングも利用することができる。
【0059】
続いて、画像化されたセクション360は、その機能(例えば、移動量)に従って固有のカラースケールで超音波画像の各々において色分けされる。色分けは、速度、歪み、電圧、厚さ、局所活性化時間に相関させることができ、かつ/又は別の定義を使用して、例えば、異なるカラースケール、例えば、暖色対寒色を使用することによって、相関させることができる。
【0060】
図示した実施例では、ユーザはまた、重ね合わせ270の透明度を調整して、組み合わされた表示画像を更に強化することができる。
【0061】
図4は、本発明の実施形態による、3Dレンダリング404へのアイコン402の組み込みを示す概略描写図であり、アイコン402は、レンダリングの生成に使用された超音波カテーテルのタイプを示す。具体的には、
図4は、超音波カテーテル21のタイプを示すアイコン404を組み込んだ、
図1のシステム20を使用して導出された心室402の3Dレンダリングを示す。
【0062】
図示の実施形態では、表面レンダリングの領域403は、プロセッサ39によって透明になっており、プロセッサ39は、その中にアイコン404を更に組み込んで、心臓内取得に使用された2Dカテーテル21のウェッジビームを示す。
【0063】
図5は、本発明の実施形態による、異なる撮像モダリティからの画像(502、504、及び506)を重み付けすることによって作成された組み合わされた画像508を生成して表示するように構成されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)500の概略描写図である。他の実施形態では、異なる画像は、必ずしも全てが異なる撮像モダリティからのものである必要はない。例えば、GUI500は、EPマップを撮像モダリティの画像と組み合わせて、LATマップ、双極電圧マップ、及び超音波レンダリングを組み合わせることができる。
【0064】
図示した実施形態では、GUI500は、組み合わされた画像508のレビュー担当者が、全て互いに位置合わせされた3つの画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像504、磁気共鳴画像法(MRI)506、及び超音波(US)画像502に適用される表示重み付けを選択することを可能にする。
【0065】
GUI500で使用される開示された画像重み付けアルゴリズム505は、画像が三角形507の頂点に配置されていると仮定し、レビュー担当者は、三角形領域内でカーソル509を移動させて、各画像に適用される相対重みωを選択することができる。一実施形態では、重みは、1に等しく保たれた重みの合計によって正規化され、ωCT+ωMRI+ωU/S=1である。別の実施形態では、重みは、重みの二乗和によって正規化され、1に等しく保たれ、ω2
CT+ω2
MRI+ω2
U/S=1である。
【0066】
GUI500及び三角形領域を使用した重み付け方法は、例として示されている。例えば、円又は多角形を使用して画像重み付け空間を表す、他の実装形態が可能である。
【0067】
4D超音波マップの視覚化方法
図6は、本発明の一実施形態による、
図2の結果を導出して表示する方法を概略的に示すフローチャートである。この手順は、4D超音波取得ステップ602で、
図1に示すようになど、心室内で超音波取得を実行することによって始まる。
【0068】
次に、組織運動マップ導出ステップ604で、プロセッサ39は、
図2に記載されるレンダリング244などの、瘢痕組織領域を示す色分けされた組織運動マップを導出する。この目的のために、組織領域の生成されたマップは、組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す。プロセッサは、組織位置の動きの量に基づいて、組織位置のうちの1つ以上の組織が瘢痕組織を含むことを識別する。
【0069】
レンダリング表示ステップ606で、プロセッサ39は、
図1のモニタ27上のレンダリング55により示されるようになど、ステップ602の心臓組織運動レンダリングをユーザに表示する。提示は、例えば、瘢痕領域をマップ上に着色又はパターン形成することによって、又は視覚マーキングをレンダリング244にコード化された瘢痕領域に配置することによって、グラフィック指標を追加することを含むことができる。
【0070】
図6のフローチャートは、単に例として用いられている。他の実施形態では、別の例として、プロセッサ39は、色分けの代わりに、パターンコード化を実行する。
【0071】
図7は、本発明の一実施形態による、
図4の結果を導出して表示する方法を概略的に示すフローチャートである。この手順は、4D超音波取得ステップ702で、
図1に示すようになど、心室内で超音波取得を実行することによって始まる。
【0072】
次に、プロセッサ39は、表面画像抽出ステップ704で、
図3に示される画像化されたセクション360の画像270及び272などの、同じ画像化されたセクションの心内膜及び個別の心外膜の画像を分離する。
【0073】
色分けステップ706では、プロセッサ39は、例えば、動きの量を示すために、異なるカラーパレット(例えば、赤色ベース及び青色ベース)を画像270及び272に適用する。
【0074】
画像重ね合わせステップ708で、プロセッサ39は、心内膜画像270を心外膜画像272に重ね合わせて、組み合わされた画像275を生成する。
【0075】
プロセッサ39は、表示ステップ710で、組み合わされた画像275をユーザに表示する。最後に、調整ステップ712で、ユーザは、画像270の透明度のレベルを調整して、組み合わされた画像275をより視認可能にする。
【0076】
図8は、本発明の実施形態による、3Dレンダリング402へのアイコン404の組み込みを示す方法を概略的に示すフローチャートであり、アイコンは、レンダリングの生成に使用された超音波カテーテル21のタイプを示す。この手順は、4D超音波取得ステップ802で、
図1に示すようになど、心室内で超音波取得を実行することによって始まる。
【0077】
次に、プロセッサ39は、3Dレンダリングステップ804で、
図4に示される心室402の色分けされた3Dレンダリングを導出する。
【0078】
アイコン組み込みステップ806で、プロセッサ39は、ウェッジ超音波ビームを示すアイコン404を組み込み、カテーテル21などの2D超音波カテーテルがステップ802でデータを取得するために使用されたことを示す。
【0079】
最後に、表示工程808で、プロセッサ39は、アイコンが組み込まれたレンダリングをユーザに表示する。
【0080】
図9は、本発明の一実施形態による、
図5の結果を導出して表示する方法を概略的に示すフローチャートである。この手順は、4D超音波取得ステップ902で、
図1に示すようになど、心室内などで心臓領域の超音波(US)取得を実行することによって始まる。
【0081】
次に、プロセッサ39は、超音波画像化ステップ904で、心臓領域の画像502などの色分けされたUS画像を導出する。
【0082】
画像アップロードステップ906で、プロセッサ39は、GUI500にUS画像502、CT画像504、及びMRI画像506をアップロードする。画像は、同じ心臓領域を含み、プロセッサ39によって互いに位置合わせされている。
【0083】
組み合わされた画像生成ステップ908で、プロセッサ39は、上述の正規化重み付け方法のうちの1つを使用して、US画像502、CT画像504、及びMRI画像506を重み付けすることによって、組み合わされた画像508を生成する。
【0084】
表示ステップ910で、プロセッサ39は、組み合わされた画像508をユーザに表示する。
【0085】
最後に、調整ステップ912で、ユーザは、組み合わされた画像508がより情報を提供するように、上述のようにGUI500内のカーソルを移動させることによって、GUI500を使用して、画像502、504、及び506の相対重み(例えば、寄与)ωU/S、ωCT、及びωMRIそれぞれを調整する。
【0086】
本明細書に記載されている実施形態は、主に心臓用途に対処しているが、本明細書で説明される方法及びシステムはまた、他の身体器官に使用することができる。例えば、開示された技術は、心臓を視覚化する経食道超音波(transesophageal ultrasound、TEE)デバイスと共に使用することができる。別の例として、開示された技術は、侵襲性超音波肺撮像のために、及び肝臓及び腎臓を視覚化するために使用することができる。
【0087】
したがって、上述の実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、上記に具体的に示し、かつ説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。参照により本特許出願に組み込まれる文献は、これらの組み込まれた文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾する様式で定義される程度まで、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0088】
〔実施の態様〕
(1) 医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す前記組織領域のマップを生成する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
(2) 前記プロセッサが、
前記組織位置の前記動きの量に基づいて、前記組織位置のうちの1つ以上の組織が瘢痕組織を含むことを識別し、
前記識別された瘢痕組織の指標と共に、前記マップをユーザに提示する、
ように更に構成されている、実施態様1に記載の医療システム。
(3) 前記プロセッサが、前記組織のグラフィカルコード化された動きレベルを使用して、前記識別された瘢痕組織を示すように構成されている、実施態様2に記載の医療システム。
(4) 前記グラフィカルコード化された動きレベルが、色分けされた動きレベルを含む、実施態様3に記載の医療システム。
(5) 前記プロセッサが、組織の前記動きの量を閾値と比較することによって、前記瘢痕組織を識別するように構成されている、実施態様2に記載の医療システム。
【0089】
(6) 医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって取得された、前記器官の領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記領域の内壁画像と外壁画像を互いに分離し、
異なるグラフィカルコード化を前記内壁画像及び前記外壁画像に適用し、
前記内壁画像及び前記外壁画像を重ね合わせて、組み合わされた画像を生成し、
前記組み合わされた画像をユーザに表示し、
前記重ね合わされた内壁画像及び外壁画像の一方又は両方の透明度を調整する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
(7) 前記異なるグラフィカルコード化が、異なるカラーパレットである、実施態様6に記載の医療システム。
(8) 前記領域の前記内壁画像及び前記外壁画像が、心臓の同じ部分の心内膜画像及び個別の心外膜画像である、実施態様6に記載の医療システム。
(9) 医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記超音波トランスデューサアレイによって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記組織領域のマップを生成し、前記超音波画像を取得するために使用された前記超音波プローブのタイプを示すアイコンを前記マップに組み込み、
前記超音波プローブの前記タイプの指標と共に、前記マップをユーザに提示する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
(10) 前記超音波プローブの前記タイプが、トランスデューサの1次元(1D)アレイを含む超音波プローブ及び2次元(2D)アレイを含む超音波プローブのうちの1つである、実施態様9に記載の医療システム。
【0090】
(11) 医療システムであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブと、
プロセッサであって、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせし、
前記組織領域の超音波画像を生成し、
グラフィカルユーザインターフェースに、(i)前記生成された超音波画像、及び(ii)1つ以上のそれぞれの非超音波医療撮像モダリティによって取得された前記組織領域の1つ以上の追加の画像をアップロードし、
前記超音波画像及び前記1つ以上の追加の画像のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成し、
前記組み合わされた画像をユーザに表示する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
(12) 前記プロセッサが、前記重み付けを調整することによって、前記組み合わされた画像を調整するように更に構成されている、実施態様11に記載の医療システム。
(13) 医療システムであって、
画像をユーザに表示するように構成されたディスプレイと、
プロセッサであって、
医療モダリティにより取得された、組織領域の異なる2つ以上の表現を互いに位置合わせし、
前記表現のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成し、
前記ディスプレイを使用して、前記組み合わされた表現を前記ユーザに表示する、
ように構成された、プロセッサと、
を備える、医療システム。
(14) 前記表現が、電気生理学的マップを含む、実施態様13に記載の医療システム。
(15) 前記電気生理学的マップが、局所活性化時間(LAT)又は双極電圧マップを含む、実施態様14に記載の医療システム。
【0091】
(16) 方法であって、
超音波プローブを身体の器官に挿入することであって、前記超音波プローブが、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、ことと、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって所与の持続時間にわたって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせすることと、
前記組織領域内の組織位置のそれぞれの動きの量を示す前記組織領域のマップを生成することと、
を含む、方法。
(17) 前記組織位置の前記動きの量に基づいて、前記組織位置のうちの1つ以上の組織が瘢痕組織を含むことを識別することと、
前記識別された瘢痕組織の指標と共に、前記マップをユーザに提示することと、
を含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記識別された瘢痕組織を示すことが、前記組織のグラフィカルコード化された動きレベルを使用して、前記識別された瘢痕組織を示すことを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記グラフィカルコード化された動きレベルが、色分けされた動きレベルを含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記瘢痕組織を識別することが、組織の前記動きの量を閾値と比較することを含む、実施態様17に記載の方法。
【0092】
(21) 方法であって、
超音波プローブを身体の器官に挿入することであって、前記超音波プローブが、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、ことと、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって取得された、前記器官の領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせすることと、
前記領域の内壁画像と外壁画像を互いに分離することと、
異なるグラフィカルコード化を前記内壁画像及び前記外壁画像に適用することと、
前記内壁画像及び前記外壁画像を重ね合わせて、組み合わされた画像を生成することと、
前記組み合わされた画像をユーザに表示することと、
前記重ね合わされた内壁画像及び外壁画像の一方又は両方の透明度を調整することと、
を含む、方法。
(22) 前記異なるグラフィカルコード化が、異なるカラーパレットである、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記領域の前記内壁画像及び前記外壁画像が、心臓の同じ部分の心内膜画像及び個別の心外膜画像である、実施態様21に記載の方法。
(24) 方法であって、
超音波プローブを身体の器官に挿入することであって、前記超音波プローブが、
超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、ことと、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記超音波トランスデューサアレイによって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせすることと、
前記組織領域のマップを生成し、前記超音波画像を取得するために使用された前記超音波プローブのタイプを示すアイコンを前記マップに組み込むことと、
前記超音波プローブの前記タイプの指標と共に、前記マップをユーザに提示することと、
を含む、方法。
(25) 前記超音波プローブの前記タイプが、トランスデューサの1次元(1D)アレイを含む超音波プローブ及び2次元(2D)アレイを含む超音波プローブのうちの1つである、実施態様24に記載の方法。
【0093】
(26) 方法であって、
超音波プローブを身体の器官に挿入することであって、前記超音波プローブが、
身体の器官に挿入するための超音波プローブであって、
2次元(2D)超音波トランスデューサアレイと、
前記器官内の前記2D超音波トランスデューサアレイの位置、方向、及び向きを示す信号を出力するように構成されたセンサと、
を備える、超音波プローブ、を含む、ことと、
前記センサによって出力された前記信号を使用して、前記2D超音波トランスデューサアレイによって取得された、組織領域の複数の超音波画像を互いに位置合わせすることと、
前記組織領域の超音波画像を生成することと、
グラフィカルユーザインターフェースに、(i)前記生成された超音波画像、及び(ii)1つ以上のそれぞれの非超音波医療撮像モダリティによって取得された前記組織領域の1つ以上の追加の画像をアップロードすることと、
前記超音波画像及び前記1つ以上の追加の画像のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成することと、
前記組み合わされた画像をユーザに表示することと、
を含む、方法。
(27) 前記重み付けを調整することによって、前記組み合わされた画像を調整することを含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 方法であって、
医療モダリティにより取得された、組織領域の異なる2つ以上の表現を互いに位置合わせすることと、
前記表現のそれぞれの寄与を重み付けすることによって、組み合わされた画像を生成することと、
前記組み合わされた表現を前記ユーザに表示することと、
を含む、方法。
(29) 前記表現が、電気生理学的マップを含む、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記電気生理学的マップが、局所活性化時間(LAT)又は双極電圧マップを含む、実施態様29に記載の方法。
【外国語明細書】