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特開2023-49479ラベル貼付装置、ラベル貼付方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049479
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置、ラベル貼付方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/40 20060101AFI20230403BHJP
   B65C 9/26 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B65C9/40
B65C9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159242
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀込 博昭
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA01
3E095AA06
3E095AA12
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA62
3E095DA76
3E095DA82
3E095EA02
3E095EA07
3E095EA09
3E095EA10
3E095EA12
3E095EA22
3E095EA26
3E095EA32
3E095FA03
3E095FA12
3E095FA13
(57)【要約】
【課題】任意の形状及びサイズの被着体に対して、適切な位置にラベルを貼り付けられるようにすること。
【解決手段】被着体にラベルを貼り付けるラベル貼付装置は、被着体の形状を計測する計測部と、形状に基づいて、被着体におけるラベルの貼付可能領域を決定する貼付可能領域決定部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、
前記被着体の形状を計測する計測部と、
前記形状に基づいて、前記被着体における前記ラベルの貼付可能領域を決定する貼付可能領域決定部と、を有する、
ラベル貼付装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル貼付装置であって、
前記計測部は、前記被着体が載置された載置面からの前記被着体の高さに基づくパラメータを用いて前記形状を計測し、
前記貼付可能領域決定部は、前記パラメータが閾値以上になる領域を前記貼付可能領域として決定する、
ラベル貼付装置。
【請求項3】
請求項2に記載のラベル貼付装置であって、
前記貼付可能領域決定部は、前記被着体の前記載置面からの高さが最も高い値から所定値を減じた値を前記閾値として設定する、
ラベル貼付装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のラベル貼付装置であって、
前記貼付可能領域決定部は、前記貼付可能領域の中心を基準として前記ラベルを貼り付ける位置を決定する、
ラベル貼付装置。
【請求項5】
請求項4に記載のラベル貼付装置であって、
前記貼付可能領域決定部は、前記貼付可能領域の中心と前記ラベルの中心とが対応するように前記ラベルを貼り付ける位置を決定する、
ラベル貼付装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のラベル貼付装置であって、
複数の前記被着体を個別に連続して搬送する被着体搬送部と、
複数の前記ラベルを個別に連続して搬送するラベル搬送部と、
前記ラベル搬送部によって搬送される前記ラベルを、粘着面を前記被着体側に向けて取り上げるラベル保持部と、さらに備え、
前記計測部は、前記被着体のそれぞれの形状を計測し、
前記貼付可能領域決定部は、前記それぞれの形状に基づいて、前記被着体における前記ラベルの前記貼付可能領域を決定し、
前記ラベル保持部によって取り上げられた前記ラベルを前記貼付可能領域に貼り付ける、
ラベル貼付装置。
【請求項7】
請求項6に記載のラベル貼付装置であって、
前記被着体に貼り付けられた前記ラベルを検出するための下流側検出部を備え、
前記下流側検出部によって、前記被着体における前記ラベルが検出されなかった場合には、貼り付けることができなかった前記ラベルを、当該ラベルが貼り付けられなかった被着体の次に搬送される被着体に貼り付ける、
ラベル貼付装置。
【請求項8】
請求項6に記載のラベル貼付装置であって、
前記被着体に貼り付けられた前記ラベルを検出するための下流側検出部を備え、
前記下流側検出部によって、前記被着体における前記ラベルが検出されなかった場合には、貼り付けることができなかった前記ラベルを、前記被着体搬送部とは異なる位置に設けられた廃棄領域に廃棄する、
ラベル貼付装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか1項に記載のラベル貼付装置であって、
前記貼付可能領域決定部が前記被着体の前記貼付可能領域を決定することができなかった場合には、前記貼付可能領域が決定できなかった前記被着体に前記ラベルを貼り付けることなく、当該被着体を前記ラベル貼付装置の外へ退避させる、
ラベル貼付装置。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載のラベル貼付装置であって、
前記ラベルに印字する印字部を、更に備え、
前記印字部によって印字された印字済みの前記ラベルを前記被着体に貼付する、
ラベル貼付装置。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか1項に記載のラベル貼付装置であって、
前記ラベル保持部は、前記被着体に前記ラベルを貼り付ける貼付方向に伸縮可能に形成された、
ラベル貼付装置。
【請求項12】
被着体にラベルを貼り付けるラベル貼付方法であって、
搬送される前記被着体の形状を測定し、
前記形状に基づいて前記被着体における前記ラベルの貼付可能領域を決定し、
前記ラベルを前記貼付可能領域に貼り付ける、
ラベル貼付方法。
【請求項13】
被着体にラベルを貼り付けるラベル貼付装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
搬送される前記被着体の形状を測定する手順と、
前記形状に基づいて前記被着体における前記ラベルの貼付可能領域を決定する手順と、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置、ラベル貼付方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、商品をフィルムで覆い包装するフィルム包装装置が開示されている。特許文献1に記載されたフィルム包装装置は、トレイサイズを検出し、検出されたトレイサイズに対応するトレイ情報を読み出し、トレイ情報に基づいて、トレイにフィルム包装を行う。そして、フィルム包装装置は、フィルム包装された商品におけるトレイ情報に基づいて規定された貼付位置に、所定の向きでラベルを貼り付けるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-105019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたフィルム包装装置では、フィルムを包装する対象となる商品のサイズや形状は、トレイ情報として予め決められている。また、商品に対するラベルの貼り付け位置もトレイ情報に基づいて予め規定されている。
【0005】
このため、特許文献1に開示されたフィルム包装装置は、サイズや形状等の情報が予め用意されていない商品にラベルを貼ることはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、任意の形状及びサイズの被着体に対して、適切な位置にラベルを貼り付けられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、被着体にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、前記被着体の形状を計測する計測部と、前記形状に基づいて、前記被着体における前記ラベルの貼付可能領域を決定する貼付可能領域決定部と、を有する、ラベル貼付装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、被着体の形状を特定し、特定された形状に基づいてラベルの貼付可能領域が決定されるため、任意の形状及び任意のサイズの被着体に対して、適切な位置にラベルを貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置の構成例を説明する図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置を説明するブロック図である。
図3図3は、ラベル貼付装置において実行されるラベル貼付処理を説明するフローチャートである。
図4図4は、計測された被着体の形状と決定された貼付可能領域とを説明する模式図である。
図5図5は、新たなスライスラインが設定され、新たなスライスラインに基づいて貼付可能領域を決定する処理を説明する模式図である。
図6図6は、スライスラインに基づいて貼付可能領域が決定され、貼付可能領域にラベルが貼り付けられることを説明する模式図である。
図7図7は、スライスラインに基づいて貼付可能領域が決定され、貼付可能領域にラベルが貼り付けられることを説明する模式図である。
図8図8は、スライスラインに基づいて貼付可能領域が決定され、貼付可能領域にラベルが貼り付けられることを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係るラベル貼付装置について説明する。
【0011】
[ラベル貼付装置]
本実施形態に係るラベル貼付装置1は、被着体の形状を計測する計測部と、形状に基づいて、被着体におけるラベルの貼付可能領域を決定する貼付可能領域決定部と、を有することにより、被着体の形状に基づいて決定された貼付可能領域にラベルを貼り付けるという装置である。
【0012】
本実施形態において、被着体は、物品が包装材によってパッケージされたものであり、被着体の形状とは、当該物品を覆う包装材の形状である。
【0013】
図1は、本実施形態に係るラベル貼付装置1の構成例を説明する模式図である。図2は、ラベル貼付装置1を説明するブロック図である。
【0014】
ラベル貼付装置1は、被着体Aを搬送する被着体搬送部10と、被着体Aの形状に関するデータを取得するための上流側検出部20と、被着体AにラベルLBを貼り付けるための貼付アーム30と、を備える。
【0015】
また、ラベル貼付装置1は、ラベルLBに印字する印字部としてのプリンタ40と、プリンタ40によって印字された印字済みのラベルLBを搬送するためのラベル搬送部50と、貼付アーム30よりも下流側に設けられて被着体Aを検出する下流側検出部60と、を有する。
【0016】
また、ラベル貼付装置1は、上述した構成の各々を統括するためのコントローラ100を備える。本実施形態において、被着体Aの形状を計測する計測部110と、被着体AにおけるラベルLBの貼付可能領域を決定する貼付可能領域決定部120とは、コントローラ100の機能構成として実現されている。
【0017】
続いて、ラベル貼付装置1における上述した各構成について説明する。
【0018】
被着体搬送部10は、複数の被着体Aを個別に連続して搬送する。これにより、ラベル貼付装置1は、被着体Aを搬送しながら、被着体AにラベルLBを貼付することができる。
【0019】
また、被着体搬送部10は、図2に示されるように、被着体搬送部10を駆動する駆動モータ111と、駆動モータ111の駆動を制御するコンベアコントローラ112とを有する。被着体搬送部10による被着体Aの搬送速度は、コントローラ100によって適宜制御されている。
【0020】
上流側検出部20は、被着体搬送部10における上流側に配置されている。本実施形態においては、上流側検出部20として3Dカメラを用いることができる。上流側検出部20は、ラベルLBを貼り付ける前の被着体Aを撮像することができる。上流側検出部20によって撮像された画像データは、被着体Aの被着体搬送部10への投入の有無の判別と、被着体AにおいてラベルLBを貼付する貼付可能領域の決定等に使用される。
【0021】
貼付アーム30は、ラベル搬送部50によって搬送されたラベルLBを、粘着面を被着体A側に向けて取り上げるラベル保持部31を有する。
【0022】
貼付アーム30は、縦方向、横方向及び高さ方向の移動を可能とするアクチュエータを備える。貼付アーム30は、図2に示されるように、縦方向アクチュエータ311と、横方向アクチュエータ312と、高さ方向アクチュエータ313と、回動方向アクチュエータ314とを備える。また、貼付アーム30は、上記の各アクチュエータの駆動をコントロールするアクチュエータコントローラ321,322,323,324を備える。
【0023】
縦方向アクチュエータ311は、被着体搬送部10の搬送方向に駆動するアクチュエータである。横方向アクチュエータ312は、被着体搬送部10の搬送方向に交差する方向に駆動するアクチュエータである。高さ方向アクチュエータ313は、被着体搬送部10の搬送面の法線方向に駆動するアクチュエータである。回動方向アクチュエータ314は、被着体搬送部10の搬送面の法線を軸とした回動方向に駆動するアクチュエータである。
【0024】
また、貼付アーム30は、ラベル保持部31を被着体搬送部10の搬送面の法線方向に出し入れする保持部アクチュエータ315と、この保持部アクチュエータ315の駆動をコントロールするアクチュエータコントローラ325とを有する。
【0025】
貼付アーム30は、上述した各アクチュエータを備えることにより、ラベルLBを被着体Aまで移動して、被着体Aの所定の位置に貼り付けることができる。
【0026】
なお、本実施形態には図示されていないが、ラベル保持部31は、先端部にラベルLBを吸引し保持する構造を備える。ラベル保持部31には、図示されていないが、真空センサが備えられている。真空センサの閾値に基づいて、ラベル保持部31にラベルLBが吸引されているか否かを検出することができる。また、ラベルLBと当接するラベル保持部31の先端部は、可撓性材料で形成されているため、被着体Aの表面形状に追従して撓み変形するラベルLBを保持できる。
【0027】
ラベル保持部31は、このような構造を備えることにより、ラベルLBをラベル搬送部50から取り上げる際、或いは、被着体AにラベルLBを貼り付ける際に、ラベルLBに押し付けられても、ラベルLBを損傷することがない。
【0028】
また、ラベル保持部31は、被着体AにラベルLBを貼り付ける貼付方向に伸縮可能に形成されている。これにより、ラベル保持部31は、被着体AにラベルLBを貼り付ける際に、被着体Aに当接して貼付方向に収縮し、貼り付けの際の応力を吸収することができるため、被着体Aの損傷を防止することができる。
【0029】
プリンタ40は、ラベルLBに必要な情報を印字するプリンタ本体41と、印字前のラベルLBがセパレータの連続体に仮着されてなるラベルロール42と、ラベルLBが剥離された後のセパレータの連続体が回収された状態の台紙ロール43とを備える。
【0030】
本実施形態においては、プリンタ40は、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末に接続されなくとも、単独で被着体Aに関する印字内容を設定し、印字することができるプリンタである。
【0031】
ラベル貼付装置1は、プリンタ40を備えることにより、被着体Aに関する情報を貼り付け前にラベルLBに印字することができる。被着体Aに関する情報としては、例えば、食品であれば、製造年月日、消費期限、原材料名等がある。
【0032】
ラベル搬送部50は、セパレータの連続体から剥離されたラベルLBを搬送する搬送ベルト51を備え、複数のラベルLBを個別に連続して搬送する。ラベル搬送部50は、図2に示されるように、ラベル搬送部50を駆動する駆動モータ511と、駆動モータ511の駆動を制御するコンベアコントローラ512とを有する。
【0033】
下流側検出部60は、被着体搬送部10において、貼付アーム30よりも下流側に配置されている。本実施形態において、下流側検出部60は、ラベルLBを貼付した後の被着体Aを撮像するカメラである。下流側検出部60によって取得された画像データは、コントローラ100において、ラベルLBの貼付状態を判別する処理に使用される。
【0034】
続いて、コントローラ100について説明する。
【0035】
コントローラ100は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部、入出力インターフェース及びこれらを接続するバス等から構成されたコンピュータである。
【0036】
コントローラ100は、図2に示されるように、被着体Aの形状を計測する計測部110と、計測した形状に基づいて、被着体AにおけるラベルLBの貼付可能領域を決定する貼付可能領域決定部120とを機能構成として有する。
【0037】
計測部110は、被着体Aの形状に関するデータとして、上流側検出部20から三次元情報を含む画像データを取得する。計測部110は、画像データから対象となる被着体Aの高さ情報、被着体の長さや幅等のサイズ情報を取得することができる。計測部110は、被着体Aが載置された被着体搬送部10の載置面からの被着体Aの高さに基づくパラメータを算出し、当該パラメータを用いて被着体Aの形状を計測する。
【0038】
貼付可能領域決定部120は、計測部110によって計測された載置面からの被着体Aの高さが閾値(以下、スライスラインと表記する場合がある)以上になる領域であり、かつ、所定サイズのラベルLBを貼り付けることのできる面積を有する領域をラベルLBの貼付可能領域として決定する。
【0039】
また、載置面からの被着体Aの高さがスライスラインに満たない場合には、貼付可能領域決定部120は、被着体Aの載置面からの高さが最も高い値から一定値を差し引いた値を新たなスライスラインとして設定する。
【0040】
貼付可能領域決定部120は、決定した貼付可能領域の中心を基準としてラベルLBを貼り付ける位置を決定する。
【0041】
また、貼付可能領域決定部120は、貼付可能領域の中心とラベルLBの中心とが対応するように被着体AにラベルLBを貼り付ける位置を決定することができる。
【0042】
被着体Aの表面に凹凸や隙間等があっても、ラベルLBの粘着力及びラベルLBの撓みによって、ラベルLBを粘着し保持できる場合がある。そこで、本実施形態では、ラベルLBの粘着力及びラベルLBの撓みによってラベルLBが被着体Aに粘着し保持できる程度の被着体Aの表面における高さの変位は、貼付許容変位として扱い、貼付可能領域として選択可能とする。
【0043】
コントローラ100において、計測部110及び貼付可能領域決定部120として実行される上述した処理は、マイクロプロセッサにおいて実行可能なプログラムとして、コントローラ100のROM或いは記憶部200に格納されている。
【0044】
記憶部200は、コントローラ100によって読み取り可能な記憶媒体である。記憶部200は、ラベル貼付装置1に対して着脱可能に構成されていてもよい。
【0045】
また、ラベルLBのサイズ、スライスライン及び貼付許容変位として扱う凹凸や隙間等の値の範囲は、既定値としてROM或いは記憶部200に格納されている。また、これらは、コントローラ100の外部から設定及び変更を行うことができる。
【0046】
コントローラ100は、ROM或いは記憶部200に格納された制御プログラムをマイクロプロセッサにおいて実行することにより、貼付アーム30を動作させるための処理、被着体搬送部10における搬送速度を調整する処理を実行することができる。
【0047】
本実施形態においては、コントローラ100は、アクチュエータ(縦方向アクチュエータ311,横方向アクチュエータ312,高さ方向アクチュエータ313,回動方向アクチュエータ314及び保持部アクチュエータ315)や駆動モータ(駆動モータ111及び駆動モータ511)の制御信号を生成し、入出力インターフェースを介して、各コントローラ(アクチュエータコントローラ321,322,323,324,325及びコンベアコントローラ112,512)に供給する。
【0048】
また、コントローラ100は、ROM或いは記憶部200に格納された制御プログラムをマイクロプロセッサにおいて実行することにより、下流側検出部60において取得された被着体Aの画像データに基づいて、被着体AにラベルLBが貼り付けられているか否かを判別することができる。
【0049】
コントローラ100は、下流側検出部60において取得された被着体Aの画像データから、ラベルLBの形状、色等のラベルLBを表す特徴を検出することにより、ラベルLBを検出することができる。ラベルLBの形状や色等の特徴に関するデータは、ROM或いは記憶部200に格納されている。また、ラベルLBの形状や色等の特徴に関するデータは、入出力インターフェースを介して設定及び変更が可能である。
【0050】
コントローラ100は、下流側検出部60からの画像データに基づいて、被着体AにおけるラベルLBが検出されなかった場合には、エラー対応処理として、被着体Aに貼り付けることができなかったラベルLBを、被着体搬送部10とは異なる位置に設けられた廃棄領域70(図1参照)に廃棄する。
【0051】
また、別のエラー対応処理として、コントローラ100は、被着体Aに貼り付けることができなかったラベルLBを、この被着体Aの次に搬送される被着体Aに貼り付けることができる。
【0052】
貼付可能領域決定部120が被着体Aの貼付可能領域を決定することができない場合もある。このような場合には、コントローラ100は、貼付可能領域が決定できなかった被着体AにラベルLBを貼り付けることなく、被着体Aをラベル貼付装置1の外へ退避させるための処理を実行する。
【0053】
退避処理の一例として、コントローラ100は、被着体搬送部10を停止し、図示しない通知部により「計測できなかった商品を投入し直して下さい」等のエラーメッセージをユーザに通知することができる。
【0054】
コントローラ100は、上述の機能を備えることにより、計測した被着体Aの形状に基づいて、被着体AにおけるラベルLBの貼付可能領域を決定することができる。このため、被着体Aのサイズや被着体Aの形状等の情報が予め用意されていない被着体Aに対しても、被着体Aの適切な位置にラベルLBを貼り付けることができる。
【0055】
[ラベル貼付方法]
続いて、ラベル貼付装置1によるラベル貼付方法について説明する。
【0056】
図3は、ラベル貼付装置1において実行されるラベル貼付処理を説明するフローチャートである。図4は、計測部110が被着体搬送部10の載置面からの被着体Aの高さに基づくパラメータを用いて計測される被着体Aの形状と、スライスラインSL1に基づいて決定される貼付可能領域T1とを説明する図である。
【0057】
本実施形態に係るラベル貼付方法は、ラベル貼付装置1において、ラベルLBの貼付可能領域を決定する処理に基づいて行われる。
【0058】
ステップS1では、コントローラ100は、計測部110によって、上流側検出部20としての3Dカメラによって被着体Aの上方から取得された画像データを取得する。そして、コントローラ100は、取得した画像データから得られた、被着体Aが載置された載置面からの被着体Aの高さに基づくパラメータを用いて、被着体Aの形状を計測する。
【0059】
図4(a)は、図1における被着体AのIV-IV線における断面形状を示し、図4(b)は、被着体Aの形状C1と、スライスラインSL1に基づいて決定された貼付可能領域T1とを示す。
【0060】
高さに基づくパラメータとは、載置面から被着体Aの表面までの距離の実測値のデータや、被着体Aの表面の所定の基準値に対する高低差を数値化したデータ等である。本実施形態では、載置面から被着体Aの表面までの距離の実測値のデータが使用される。
【0061】
コントローラ100は、載置面から被着体Aの表面までの距離の実測値のデータを用いることにより、ステップS1において、被着体Aの全体を平面に投影した形状として形状C1が計測される。
【0062】
次に、ステップS2において、コントローラ100は、予め設定されたスライスラインSL1と被着体Aの高さとを比較する。すなわち、コントローラ100は、貼付可能領域決定部120によって、被着体Aの載置面から被着体Aの表面までの距離の実測値のデータが、予め設定されたスライスラインSL1の高さに達している座標があると判別された場合には(ステップS2:Yes)、ステップS4に進む。
【0063】
ステップS4において、コントローラ100は、図4(b)に示されるように、貼付可能領域決定部120によって、スライスラインSL1以上になる領域であり、貼付許容変位を満たす領域であり、かつ、所定サイズのラベルLBを貼り付けることのできる面積を有する領域を、ラベルLBの貼付可能領域T1と決定する。
【0064】
続いて、ステップS5において、コントローラ100は、図4(b)に示されるように、決定した貼付可能領域T1の中心P1とラベルLBの中心LP1とが対応するように、ラベルLBを被着体Aに貼り付ける。
【0065】
一方、ステップS2において、コントローラ100が被着体Aの高さが予め設定されたスライスラインSL1の高さに達している座標がないと判別した場合には(ステップS2:No)、ステップS3に進む。
【0066】
ステップS3において、コントローラ100は、貼付可能領域決定部120によって、新たなスライスラインSL2を設定する。
【0067】
図5は、新たなスライスラインSL2が設定され、スライスラインSL2に基づいて貼付可能領域T2をする処理を説明する模式図である。
【0068】
ステップS3において、貼付可能領域決定部120は、被着体Aの載置面からの高さが最も高い値(図5に示すTm)から所定値Δhを減じた値を新たなスライスラインSL2として設定する。
【0069】
続いて、ステップS4において、コントローラ100は、図5(b)に示されるように、貼付可能領域決定部120によって、スライスラインSL2以上になる領域であり、貼付許容変位を満たす領域であり、かつ、所定サイズのラベルLBを貼り付けることのできる面積を有する領域を、ラベルLBの貼付可能領域T2と決定する。
【0070】
なお、ステップS1において、コントローラ100が、載置面から被着体Aの表面までの距離の実測値のデータが取得できているので、図5(b)に示されるように、被着体Aの全体を平面に投影した形状は、形状C1である。
【0071】
ステップS5において、コントローラ100は、決定された貼付可能領域T2の中心P2とラベルLBの中心LP1とが対応するように、ラベルLBを貼付可能領域T2に貼り付ける。
【0072】
続いて、ステップS6において、コントローラ100は、被着体AにラベルLBが貼り付けられているか否かを判別する。
【0073】
ステップS6において、被着体AにラベルLBが貼り付けられていないことが判別された場合(ステップS6:No)には、コントローラ100は、ステップS7において、エラー対応処理を実行する。
【0074】
ステップS7におけるエラー対応処理として、コントローラ100は、貼り付けることができなかったラベルLBを、被着体搬送部10とは異なる位置に設けられた廃棄領域70に廃棄する。エラー対応処理を実行した後、コントローラ100は、ステップS1から繰り返す。
【0075】
本実施形態におけるステップS7では、別のエラー対応処理も実行可能である。別のエラー対応処理として、コントローラ100は、ラベル保持部31に備えられた真空センサにより、ラベル保持部31にラベルLBが残されていることが検出された場合には、被着体Aに貼り付けることができなかったラベルLBを次の被着体Aに貼り付ける。
【0076】
なお、上述したラベル貼付処理では、ステップS1において、上流側検出部20が画像データの取得に失敗している場合、計測部110が上流側検出部20からの画像データを受け取れない場合、或いは、計測部110が被着体Aの形状を計測できない場合等がある。また、ステップS4において、貼付可能領域決定部120によって、被着体Aの貼付可能領域を決定することができない場合がある。
【0077】
このようなエラーに対応可能なように、各処理においてエラーがあった場合にエラーフラグを立てるステップと、エラーフラグを検出するステップとを設定することができる。
【0078】
コントローラ100は、エラーフラグを検出した際に、ラベルLBを貼り付けることができなかった被着体Aをラベル貼付装置1の外へ退避させるための処理を実行することができる。
【0079】
退避処理の一例として、コントローラ100は、被着体搬送部10を停止し、「計測できなかった商品を投入し直して下さい」等のエラーメッセージをユーザに通知する。
【0080】
このようにすることで、エラーによってラベルLBを貼り付けることができなかった被着体Aは、再度、ラベル貼付装置1に投入されるため、ラベルLBが貼り付けられない状態で、被着体Aが流通されてしまう不具合を防止できる。
【0081】
以上の処理が実行されることにより、ラベル貼付装置1は、計測した被着体Aの形状に基づいて、被着体AにおけるラベルLBの貼付可能領域T1,T2を決定することができる。これにより、ラベル貼付装置1は、被着体Aのサイズや被着体Aの形状等の情報が予め用意されていない被着体Aに対しても、被着体Aにおける適切な位置に、ラベルLBを精度よく貼り付けることができる。
【0082】
また、本実施形態に係るラベル貼付装置1によれば、スライスラインに基づいてラベルLBの貼付可能領域T1,T2が決定され、当該貼付可能領域T1,T2の中心を基準としてラベルLBを貼り付ける位置を決定するため、ユーザにとって、ラベルLBを被着体Aに見栄えをよく貼り付けることができる。
【0083】
図6は、被着体Bに対して、スライスラインSL3に基づいて貼付可能領域T3が決定され、貼付可能領域T3にラベルLBが貼り付けられることを説明する模式図である。
【0084】
図6に示された被着体Bは、下面と上面とが法線方向においてオフセットしているような形状であり、断面が略菱形になっている。被着体Bでは、上流側検出部20としての3Dカメラによって上方から取得される画像データによれば、被着体Bの輪郭が図6(b)における形状C3のように計測される。
【0085】
一方、貼付可能領域決定部120によって、スライスラインSL3に基づいて、貼付可能領域T3が決定される。
【0086】
図6において、被着体Bの輪郭(形状C3)に基づく中心P3と、貼付可能領域T3の中心P4とは、ずれた位置にある。例えば、スライスラインを適用することなく、上方の3Dカメラの画像データのみに基づいてラベルの貼付位置を決定するようなラベル貼付装置では、形状C3の中心P3に基づいてラベルが貼り付けられる場合があり、ユーザに対して、ラベルがずれて貼り付けられている印象を与えてしまう。
【0087】
これに対して、本実施形態に係るラベル貼付装置1によれば、スライスラインSL3に基づいて決定した貼付可能領域T3の中心P4とラベルLBの中心LP1とが対応するように、ラベルLBを被着体Bに貼り付けることができる。
【0088】
したがって、ユーザに対して、ラベルが適正位置に貼り付けられている印象を与えることができる。
【0089】
図7は、被着体Cに対して、スライスラインSL4に基づいて貼付可能領域T4が決定され、貼付可能領域T4にラベルLBが貼り付けられることを説明する模式図である。
【0090】
図7に示された被着体Cは、上面に貼付許容変位を超える凹凸を有する。被着体Cでは、上流側検出部20としての3Dカメラにより上方から取得される画像データによれば、被着体Cの輪郭が図7(b)における形状C4のように計測される。
【0091】
一方、貼付可能領域決定部120によって、スライスラインSL4に基づいて、貼付可能領域T4が決定される。
【0092】
図7において、被着体Cの輪郭(形状C4)に基づく中心P5は、貼付可能領域T4の中心P6とは、ずれた位置にある。このため、上方の3Dカメラの画像データのみに基づいてラベルの貼付位置を決定するようなラベル貼付装置では、中心P5の位置に基づいて貼付位置を決定しても、その位置にラベルを貼り付けることができない場合がある。
【0093】
これに対して、本実施形態に係るラベル貼付装置1によれば、スライスラインSL4に基づいて決定した貼付可能領域T4の中心P6とラベルLBの中心LP1とが対応するように、ラベルLBを被着体Cに貼り付けることができる。
【0094】
したがって、貼付可能領域T4にラベルLBを精度よく貼り付けることができる。また、ユーザに対して、ラベルが適正位置に貼り付けられている印象を与えることができる。
【0095】
図8は、被着体Dに対して、スライスラインSL5に基づいて貼付可能領域T5が決定され、貼付可能領域T5にラベルLBが貼り付けられることを説明する模式図である。
【0096】
図8に示された被着体Dは、中央に空隙Hが形成されたドーナツ形状である。本実施形態に係るラベル貼付装置1によれば、スライスラインSL5に基づいて決定した貼付可能領域T5は、被着体Dの輪郭(形状C5)と重複しており、空隙Hが被着体Dの一部によって連続して取り囲まれていることを検出できる。
【0097】
このため、ラベル貼付装置1は、空隙Hの上にも包装材表面が連続して存在すると判別して、貼付可能領域T5を空隙Hのない円形の表面として扱うことができる。
【0098】
これにより、ラベル貼付装置1によれば、貼付可能領域T5の中央に空隙Hがあっても、空隙Hの上面に対応する包装材表面にラベルLBが位置するように、スライスラインSL5に基づいて決定した貼付可能領域T5の中心P7とラベルLBの中心LP1とを対応させて、ラベルLBを被着体Dに貼り付けることができる。
【0099】
したがって、ユーザに対して、ラベルLBが適正位置に貼り付けられている印象を与えることができる。
【0100】
以上のように、ラベル貼付装置1によれば、被着体の形状がそれぞれ異なっていても、被着体の形状に応じた貼付可能領域を決定することができ、貼付可能領域における適切な位置にラベルLBを貼り付けることができる。
【0101】
[ラベル貼付プログラム]
上述したラベル貼付方法は、ラベル貼付装置1のコントローラ100におけるマイクロプロセッサにより実行可能なプログラムとして提供することもできる。
【0102】
すなわち、本実施形態に係るプログラムは、搬送される被着体Aのそれぞれの形状を特定する手順と、被着体Aの形状に基づいて被着体AにおけるラベルLBの貼付可能領域T1を決定する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0103】
このプログラムは、コントローラ100のROM、或いは、記憶部200に格納されている。
【0104】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0105】
ラベル貼付装置1において、被着体Aの形状に関するデータを取得するための上流側検出部20は、赤外光又はレーザ光等を対象物に照射し、その反射時間に基づいて測距するセンサであってもよい。
【0106】
ラベル貼付装置1において、ラベル搬送部50におけるラベルLBの搬送の仕方は、図1に記載の形態に限定されない。
【0107】
本実施形態において、プリンタ40は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置に接続されており、ユーザからPCを介して、被着体Aに関する情報の入力を受け付けたり、プリンタ40自体の設定等を行ったりすることができるプリンタであってもよい。
【0108】
ラベル貼付装置1において、コントローラ100は、ラベルLBが被着体Aに貼り付けられているか否かの処理と併せて、ラベルLBの貼付位置が許容範囲に納まっているか否かを判別できるようにしてもよい。
【0109】
被着体AにおけるラベルLBの貼付位置が許容範囲に納まっていないことが判別された場合には、コントローラ100は、例えば、図示しない通知部により,ラベルの貼り付けが行われていない旨のエラーメッセージをユーザに通知する。
【0110】
本実施形態においては、貼付可能領域Tは、図4から図8に示されるように、被着体Aの載置面に対して、必ずしも略水平となっている領域でなくともよい。ラベルLBの粘着力及びラベルLBの撓みによって、ラベルLBが被着体Aに粘着し保持できる表面状態であれば、貼付可能領域は、載置面に対して傾斜していてもよい。
【0111】
被着体AからDが包装材によりパッケージされた商品である場合には、被着体AからDの表面は、商品の形状の一部が現れた形状となっており、図4から図8に示されるような平滑面となっていないものも含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 ラベル貼付装置
10 被着体搬送部
20 上流側検出部
30 貼付アーム
31 ラベル保持部
40 プリンタ
41 プリンタ本体
42 ラベルロール
43 台紙ロール
50 ラベル搬送部
51 搬送ベルト
60 下流側検出部
70 廃棄領域
100 コントローラ
110 計測部
111 駆動モータ
112 コンベアコントローラ
120 貼付可能領域決定部
200 記憶部
311 縦方向アクチュエータ
312 横方向アクチュエータ
313 高さ方向アクチュエータ
314 回動方向アクチュエータ
315 保持部アクチュエータ
321,322,323,324,325 アクチュエータコントローラ
511 駆動モータ
512 コンベアコントローラ
A,B,C,D 被着体
LB ラベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8