(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049503
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20230403BHJP
【FI】
G03B5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159279
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐齋 一宏
(72)【発明者】
【氏名】大坪 京史
【テーマコード(参考)】
2K005
【Fターム(参考)】
2K005CA03
2K005CA04
2K005CA23
2K005CA34
2K005CA53
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磁性体をより正確に取り付けやすい光学ユニットを提供する
【解決手段】光学ユニット100は、光学素子を有する可動体120と、可動体の周囲に位置し、可動体を揺動可能に支持する固定体110と、固定体に対して可動体を揺動軸を中心に揺動させる揺動機構152とを備える。揺動機構は、揺動軸と直交する第1方向Xに配置され、可動体に配置される磁石と固定体に配置されるコイルとを有する。固定体は固定体の第1方向一方側+Xに配置され、コイルに電気的に接続される回路基板180と、回路基板上に配置され、第1方向他方側-Xに向かって窪む窪み部を有する補強プレートと、窪み部に配置され、第1方向から見て少なくとも一部が前記磁石と重なる磁性体170aとを有する。窪み部は第1方向に垂直な周面を有し、磁性体は窪み部の周面と2か所以上で接する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を有する可動体と、
前記可動体の周囲に位置し、前記可動体を揺動可能に支持する固定体と、
前記固定体に対して前記可動体を揺動軸を中心に揺動させる揺動機構と
を備え、
前記揺動機構は、
前記揺動軸と直交する第1方向に配置され、
前記可動体に配置される磁石と、
前記固定体に配置されるコイルと、
を有し、
前記固定体は、
前記固定体の前記第1方向一方側に配置され、前記コイルに電気的に接続される回路基板と、
前記回路基板上に配置される前記第1方向他方側に窪む窪み部を有する補強プレートと、
前記窪み部に配置され、前記磁石と重なる磁性体と、
を有し、
前記窪み部は前記第1方向に垂直な周面を有し、
前記磁性体は前記窪み部の周面と2か所以上で接する、光学ユニット
【請求項2】
前記窪み部は前記補強プレートを貫通する貫通孔である、
請求項1に記載の光学ユニット
【請求項3】
前記補強プレートと前記回路基板の少なくとも一方と、前記磁性体を接着する接着部材をさらに有する、請求項1または2に記載の光学ユニット
【請求項4】
前記接着部材の少なくとも一部は前記磁性体に対して第1方向一方側にある、
請求項3に記載の光学ユニット
【請求項5】
前記第1方向から見た際に、前記窪み部は前記補強プレート内部に位置する閉じた空間である、請求項1から4のいずれかに記載の光学ユニット
【請求項6】
前記第1方向から見た際に、前記補強プレートと前記磁性体とを離隔する隙間があり、
少なくとも一部の前記接着部材は前記隙間に位置し、且つ前記補強プレートと前記磁性体のそれぞれと接する、請求項3または4に記載の光学ユニット
【請求項7】
前記窪み部の前記第1方向における長さは、前記磁性体の前記第1方向における長さよりも長い、請求項1から6のいずれかに記載の光学ユニット
【請求項8】
前記固定体は前記第1方向に突出する段差部を有し、前記回路基板は前記段差部に沿って配置される、請求項1から7のいずれかに記載の光学ユニット
【請求項9】
前記段差部は前記第1方向に垂直な方向のうち任意の2方向に沿って延びる、請求項8に記載の光学ユニット
【請求項10】
前記第1方向に垂直な方向において、前記磁性体は一方側および他方側で前記補強プレートと接する、請求項1から9のいずれかに記載の光学ユニット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによって静止画または動画を撮影する際に、手振れに起因して撮影した像がぶれることがある。このため、像ブレを防いだ鮮明な撮影を可能にするための手振れ補正装置が実用化されている。手振れ補正装置は、カメラに振れが生じた場合に、振れに応じてカメラモジュールの位置および姿勢を補正することによって像のぶれを解消できる。
【0003】
振れ補正機能を有するレンズ駆動装置を小型化するために、揺れ補正ユニットを支持する複数の転がり部材のうちの一部の転がり部材を他の転がり部材よりも大きい自由度に設計することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のレンズ駆動装置では、揺動のための磁石に対向する位置にヨーク(磁性体)を配置することにより、ヨークと磁石の間に光軸(Z軸)に垂直な方向に引力が作用し、転がり部材がキャリアとハウジングとの接触状態を維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のレンズ駆動装置では、ヨークの取り付け位置が本来の位置からずれてしまい、ヨークと磁石間に作用する引力の向きが、本来の向きからずれてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は磁性体をより正確に取り付けやすい光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な光学ユニットは、光学素子を有する可動体と、前記可動体の周囲に位置し、前記可動体を揺動可能に支持する固定体と、前記固定体に対して前記可動体を揺動軸を中心に揺動させる揺動機構と、を備える。前記揺動機構は、前記揺動軸と直交する第1方向に配置され、前記可動体に配置される磁石と、前記固定体に配置されるコイルと、を有する。前記固定体は、前記固定体の前記第1方向一方側に配置され、前記コイルに電気的に接続される回路基板と、前記回路基板上に配置され、前記第1方向他方側に向かって窪む窪み部を有する補強プレートと、前記窪み部に配置され、前記第1方向から見て少なくとも一部が前記磁石と重なる磁性体と、を有する。前記窪み部は前記第1方向に垂直な周面を有し、前記磁性体は前記窪み部の周面と2か所以上で接する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光学ユニットは、磁性体をより正確な位置に取り付けやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例における光学ユニットを備えたスマートフォンの模式的な斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例における光学ユニットの模式的な斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例における光学ユニットにおける第1揺動機構、磁石および第1磁性体部の模式的な斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施例における光学ユニットの模式的な側面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な側面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の一実施例における補強プレートに磁性体部を設置した後の模式的な側面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な側面図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な側面図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な上面図である。
【
図5F】
図5Fは、本発明の一実施例における補強プレートに磁性体部を設置する際の模式的な上面図である。
【
図5G】
図5Gは、本発明の一実施例における補強プレートに磁性体部を設置した後の模式的な上面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施例におけるX軸に沿った断面図の一部拡大図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の一実施例におけるX軸に沿った断面図の一部拡大図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な側面図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例における光学ユニットの模式的な分解斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例における第1揺動機構、磁石、第1磁性体部の模式的な斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施例における第1揺動機構、第2揺動機構、磁石、第1磁性体部、第2磁性体部および第3磁性体部の模式的な斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施例における第1揺動機構、第2揺動機構、磁石および第1磁性体部、第2磁性体部、第3磁性体部および第4磁性体部の模式的な斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施例における光学ユニットの第1揺動機構、第2揺動機構、第3揺動機構、磁石、第1磁性体部、第2磁性体部、第3磁性体部および第4磁性体部の模式的な斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施例における光学ユニットの模式的な分解斜視図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明の一実施例における第1磁性体部の模式的な側面図である。
【
図18】
図18は、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による光学ユニットの一実施例を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。ここで、X軸、Y軸およびZ軸は、光学ユニットの使用時の向きを限定しないことに留意されたい。また、
本明細書における「平行」や「垂直」や「直交」という方向に関する表現は、幾何学的に厳密な方向に限定されない。発明の効果を奏する程度に幾何学的に厳密な方向から傾いていてもよい。
【0011】
光学ユニット100は、スマートフォンの光学部品として好適に用いられる。
【0012】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施例における光学ユニット100を備えたスマートフォン200を説明する。
図1は、本発明の一実施例における光学ユニット100を備えたスマートフォン200の模式的な斜視図である。
【0013】
図1に示すように、光学ユニット100は、一例としてスマートフォン200に搭載される。スマートフォン200では、光学ユニット100を介して外部から光Lが入射し、光学ユニット100に入射した光に基づいて被写体像が撮像される。光学ユニット100は、スマートフォン200が振れた際の撮影画像の振れの補正に用いられる。なお、光学ユニット100は、撮像素子を備えてもよく、光学ユニット100は、撮像素子に光を伝達する光学部材を備えてもよい。
【0014】
光学ユニット100は、小型に作製されることが好ましい。これにより、スマートフォン200自体を小型化できるか、または、スマートフォン200を大型化することなくスマートフォン200内に別部品を搭載できる。
【0015】
なお、光学ユニット100の用途は、スマートフォン200に限定されず、カメラおよびビデオなど、特に限定なく様々な装置に使用できる。例えば、光学ユニット100は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の撮影機器、或いは、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等の移動体に搭載されるアクションカメラおよびウエアラブルカメラに搭載されてもよい。
【0016】
<光学ユニット100の構成>
次に、
図2~
図9を参照して、本発明の一実施例における光学ユニット100の構成を説明する。
図2は、本発明の一実施例における光学ユニット100の模式的な斜視図である。
図3は、本発明の一実施例における光学ユニット100における第1揺動機構152、磁石160および第1磁性体部170aの模式的な斜視図である。なお、
図3では、参考のための可動体120を2点鎖線で示している。
図4Aは、本発明の一実施例における光学ユニットの模式的な側面図である。
図4Bは、
図2のX軸に沿った断面図の一部拡大図である。
図5Aは、本発明の一実施例における補強プレート181単体の模式的な側面図である。
図5Bは、本発明の一実施例における補強プレート181に磁性体部を設置した後の模式的な側面図である。
図5Cは、本発明の一実施例における補強プレート181単体の模式的な側面図である。
図5Dは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な側面図である。
図5Eは、本発明の一実施例における補強プレート単体の模式的な上面図である。
図5Fは、本発明の一実施例における補強プレートに磁性体部を設置する際の模式的な上面図である。
図5Gは、本発明の一実施例における補強プレートに磁性体部を設置した後の模式的な上面図である。
図6Aは、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
図6Bは、本発明の一実施例におけるX軸に沿った断面図の一部拡大図である。
図7Aは、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
図7Bは、本発明の一実施例におけるX軸に沿った断面図の一部拡大図である。
図8Aは、本発明の一実施例における模式的な側面図である。
図8Bは、本発明の一実施例における補強プレート181単体の模式的な側面図である。
【0017】
図2および
図3に示すように、光学ユニット100は、固定体110と、可動体120と、第1揺動機構152とを備える。可動体120は、光学素子130を有する。可動体120は、固定体110に挿入され、固定体110に保持される。固定体110は、可動体120の周囲に位置する。固定体110は、第1揺動軸Sa1を回転中心として可動体120を第1揺動方向Daに揺動可能に支持する。第1揺動方向Daは、第1揺動軸Sa1を回転中心として、固定体110に対して可動体120が揺動する方向である。なお、第1揺動軸Sa1は、仮想的な軸である。固定体110の外側面にはFPC180が装着される。
【0018】
第1揺動機構152は、固定体110に対して可動体120を揺動させる。第1揺動機構152は、固定体110に対して第1揺動軸Sa1の周りに可動体120を揺動させる。例えば、第1揺動軸Sa1は、Y軸方向に平行に延びる。ここでは、第1揺動機構152は、可動体120に対して+X方向側に位置する。
【0019】
光学ユニット100は、蓋部100Lをさらに備えてもよい。蓋部100Lが、固定体110および可動体120の一方側をそれぞれ覆うことにより、可動体120が固定体110から脱離することを抑制できる。
【0020】
可動体120は、光学素子130と、ホルダ140とを含む。光学素子130は、光軸Pを有する。ホルダ140は、光学素子130を挿入可能である。
【0021】
可動体120を固定体110に挿入して可動体120を固定体110に装着すると、光学素子130の光軸PはZ軸方向に対して平行になる。この状態から、固定体110に対して可動体120が揺動すると、光学素子130の光軸Pが揺動するため、光軸PはZ軸方向に対して平行な状態ではなくなる。
【0022】
以下では、固定体110に対して可動体120が揺動しておらず、光軸PがZ軸方向に対して平行な状態が保持されることを前提に説明する。すなわち、光軸Pを基準として、固定体110、可動体120、蓋部100L等の形状、位置関係、動作等を説明する記載においては、光軸Pの傾きに関して特に記載がない限り、光軸PがZ軸方向に平行な状態であることを前提とする。
【0023】
なお、第1揺動機構152は、固定体110に対して、第1揺動軸Sa1の周りに可動体120を揺動させる。ここでは、第1揺動軸Sa1は、Y軸方向に平行である。Y軸方向は、光軸Pと交差する方向であり、ヨーイング方向の回転の軸となる。典型的には、第1揺動軸Sa1は、光軸Pと直交する。
【0024】
なお、本明細書において後述するように、第1揺動機構152以外の揺動機構が、固定体110に対して、X軸方向またはZ軸方向の周りに可動体120を揺動してもよい。X軸方向は、光軸Pと直交する方向であり、ピッチング方向の回転の軸となる。Z軸方向は、光学素子130の光軸Pの延びる光軸方向と平行であり、ローリング方向の回転の軸となる。
【0025】
光学素子130を備える光学機器では、撮影時に光学機器が傾くと、光学素子130が傾いて、撮影画像が乱れる。光学ユニット100は、撮影画像の乱れを回避するために、ジャイロスコープ等の検出手段によって検出された加速度、角速度および振れ量等に基づいて、光学素子130の傾きを補正する。本実施形態では、光学ユニット100は、Y軸を回転軸とする回転方向(ヨーイング方向)に可動体120を揺動(回転)させることにより、光学素子130の傾きを補正する。なお、光学ユニット100は、ヨーイング方向に加えて、X軸を回転軸とする回転方向(ピッチング方向)およびZ軸を回転軸とする回転方向(ローリング方向)に可動体120を揺動(回転)させることにより、光学素子130の傾きを補正してもよい。
【0026】
光学素子130の光軸Pは、光学素子130の光入射面の法線に平行である。光学素子130には、光軸Pからの光が入射する。
【0027】
光学素子130は、レンズ132およびハウジング134を有する。光学素子130は、ハウジング134内に撮像素子を有してもよい。撮像素子を備えた光学素子130は、カメラモジュールとも呼ばれる。光学素子130をホルダ140に挿入すると、光学素子130はホルダ140に保持される。
【0028】
ホルダ140は、Z軸方向の両端が開口する環形状を有する。ホルダ140の内側には、光学素子130が取り付けられる。
【0029】
ホルダ140は、光軸Pに対して直交する方向に延びた厚さを有する板状の枠体である。光軸Pに対して直交する方向は、光軸Pと交差し、光軸Pに対して垂直な方向である。本明細書において、光軸Pに対して直交する方向を「径方向」と記載することがある。径方向外側は、径方向のうち光軸Pから離れる方向を示す。
図2において、Rは、径方向の一例を示す。また、光軸Pを中心として回転する方向を「周方向」と記載することがある。
図2において、Sは、周方向を示す。
【0030】
本発明の一実施例における光学ユニット100は、磁石160をさらに備える。磁石160は、第1磁石162を含む。第1磁石162は、可動体120に対して+X方向側に位置し、Y軸方向に延びる。
【0031】
図4Aおよび
図4Bに示すように、光学ユニット100は、第1磁性体部170aをさらに備える。第1磁性体部170aは、固定体110に装着される。第1磁性体部170aは、例えば、矩形状の板部材である。本発明の一実施例では第1磁性体部170aは、正方形である。また、後述する通り第1磁性体部170aは、複数の磁性体を配置することで構成されていてもよい。
【0032】
第1磁性体部170aは、第1揺動軸Sa1と光学素子130の光軸Pとのそれぞれに対して垂直な軸AX1を通る。第1磁性体部170aは、第1磁石162と対向する。したがって、可動体120を初期位置に保持することができる。初期位置とは、固定体110に対して可動体120が揺動しておらず、光軸PがZ軸方向に対して平行な状態が保持されている位置をいう。
【0033】
光学ユニット100は、補強プレート181をさらに備える。補強プレート181はFPC180上に配置される。すなわち、
図4Aおよび
図4Bにおいて、固定体110に対して+X方向側にFPC180が配置され、FPC180に対して、さらに+X方向側に補強プレート181が配置される。さらに補強プレート181は窪み部182を有する。窪み部182はFPC180に向かう向き、すなわち-X方向側に向かって窪む。窪み部182はX方向に対して垂直なYZ平面上に広がる周面182aを有する。第1磁性体部170aは窪み部に配置される。第1磁性体部170aは窪み部182の周面182aと2か所以上で接する。
【0034】
上記の構成により、第1磁性体部170aは窪み部182内で位置決めできる。したがって、固定体上の所定の位置に磁性体を設置することが、より容易になる。これにより、光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。
【0035】
なお、第1磁石162の可動体120に対する位置と、第1磁性体部170aの固定体110に対する位置は+X方向側に限られない。例えば、第1磁石162の可動体120に対する位置と、第1磁性体部170aの固定体110に対する位置が-X方向側の場合、固定体110に対して-X方向側にFPC180が配置される。FPC180に対して、さらに-X方向側に補強プレート181が配置される。この場合、窪み部182はFPC180に向かう向き、すなわち+X方向側に向かって窪む。この場合、窪み部182はX方向に対して垂直なYZ平面上に広がる周面182aを有する。第1磁性体部170aは窪み部182の周面182aと2か所以上で接する。
【0036】
例えば、第1磁石162の可動体120に対する位置と、第1磁性体部170aの固定体110に対する位置が+Y方向側の場合、固定体110に対して+Y方向側にFPC180が配置される。FPC180に対して、さらに+Y方向側に補強プレート181が配置される。この場合、窪み部182はFPC180に向かう向き、すなわち-Y方向側に向かって窪む。この場合、窪み部182はY方向に対して垂直なXZ平面上に広がる周面182aを有する。第1磁性体部170aは窪み部182の周面182aと2か所以上で接する。
【0037】
例えば、第1磁石162の可動体120に対する位置と、第1磁性体部170aの固定体110に対する位置が-Y方向側の場合、固定体110に対して-Y方向側にFPC180が配置される。FPC180に対して、さらに-Y方向側に補強プレート181が配置される。この場合、窪み部182はFPC180に向かう向き、すなわち+Y方向側に向かって窪む。この場合、窪み部182はY方向に対して垂直なXZ平面上に広がる周面182aを有する。第1磁性体部170aは窪み部182の周面182aと2か所以上で接する。
【0038】
以下の記載では、第1磁石162の可動体120に対する位置と、第1磁性体部170aの固定体110に対する位置が+X方向側の場合を例に挙げて説明する。ここでは固定体110に対して+X方向側にFPC180が配置される、FPC180に対して、さらに+X方向側に補強プレート181が配置される。なお、第1磁石162の可動体120に対する位置と、第1磁性体部170aの固定体110に対する位置が+X方向側でない場合も補強プレート181により同様の効果が得られる。また、後述する固定体110が複数の磁石および複数の磁性体部を備える場合においても、各々の面について補強プレート181により同様の効果が得られる。
【0039】
なお、窪み部182は補強プレート181をX方向貫通する貫通孔、であってもよい。
図4Aおよび
図4Bにおいて、第1磁性体部170aは窪み部182の周面182aと2か所以上で接し、第1磁性体部170aはX方向において、FPC180と接する。
【0040】
上記の構成により、第1磁性体部170aと第1磁石162との距離を、より小さくすることができる。よって、第1磁性体部170aと第1磁石162間で作用する磁気吸引力を強めることが出来る。これにより、より安定して可動体120を初期位置に保持することができる。
【0041】
なお、窪み部182は補強プレート181を貫通する貫通孔や補強プレート181を貫通する切欠きでなくともよい。例えば、窪み部182は底面のある窪みであってもよい。この場合、第1磁性体部170aは窪み部182の周面182aと2か所以上で接し、第1磁性体部170aは、X方向においても、窪み部182の底面と接する。
【0042】
なお、
図5A、
図5Bに示すようにX方向から見た際に、窪み部182は補強プレート181内に位置する閉じた空間であってもよい。すなわち、X方向から見た際に、補強プレート181の外周面と窪み部182の周面182aは独立しており、補強プレート181の外周面の内側に窪み部182の周面182aが位置する。
【0043】
上記の構成により、補強プレート181の剛性を高めることが出来る。これにより、補強プレート181が変形する可能性を減らすことが出来る。また、補強プレート181を取り付けたFPC180の剛性を高めることが出来る。これにより、FPC180に補強プレート181を取り付けた後に、FPC180に補強プレート181ごと固定体110に取り付けるという作業の作業性が向上するなど、光学ユニットの100の組み立て時におけるFPC180の取り扱いやすさを向上できる。
【0044】
なお、
図5Cに示すように、窪み部182は補強プレート181内に位置する閉じた空間でなくてもよく、Z方向またはY方向に開口する切欠きであってもよい。すなわち、X方向から見た際に、補強プレート181の外周面と窪み部182の周面182aが繋がっていてもよい。
【0045】
補強プレート181は、典型的には一枚の板材から、プレス加工等により打ち抜くことで得られる。上記の構成では、窪み部182が補強プレート181内に位置する閉じた空間である場合と比較して、一枚の板材から、より多くの補強プレート181を打ち抜くことが出来る。
【0046】
なお、
図5D、
図5Eに示すように、補強プレート181はX方向からみて窪み部182と重なる、引掛け部184を有してもよい。
【0047】
この時、
図5Fに示すように、第1磁性体部170aは、第1磁性体部170aの厚さ方向に対して垂直な方向で窪み部182に挿入される。
【0048】
この時、
図5Gに示すように、窪み部182の深さよりも厚い第1磁性体部170aを窪み部182に配置できる。また、引掛け部184により、第1磁性体部170aが窪み部182から剥離することを抑制できる。
【0049】
なお、
図5D~
図5Gでは引掛け部184はY方向に2つ並んで配置されていたが、これに限られない。引掛け部184はZ方向に2つ並んで配置されていてもよい。引掛け部184はZ方向とY方向に1つずつ配置されていてもよい。引掛け部184は1つであっても、3つ以上であっても良い。
【0050】
なお、光学ユニット100は、補強プレート181とFPC180の少なくとも一方と、第1磁性体部170aを接着する接着部材183をさらに有してもよい。
【0051】
上記の構成により、第1磁性体部170aを固定体110に、より容易に固定することが出来る。これにより、光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。
【0052】
典型的には接着部材183は紫外線硬化性の接着剤や熱硬化性の接着剤である。なお、接着部材183は補強プレート181とFPC180の少なくとも一方と、第1磁性体部170aを接着可能なものであればこれに限られない。例えば、接着部材183は半田でもよく、粘着性のシートであってもよい。
【0053】
なお、接着部材183の少なくとも一部は、第1磁性体部170aに対して+X側に位置してもよい。
【0054】
上記の構成により、第1磁性体部170aは+X方向側において接着部材183と接し、-X方向側においてFPC180または補強プレート181に支持される。これにより、X方向両側から第1磁性体部170aが固定される。よって、第1磁性体部170aが固定体110から剥離する可能性を減らすことが出来る。
【0055】
なお、
図5Bに示すようにX方向から見た際に、補強プレート181と第1磁性体部170aとを離隔する隙間182bがあり、少なくとも一部の接着部材183は隙間182bに位置し、且つ補強プレート181と第1磁性体部170aのそれぞれと接してもよい。
【0056】
上記の構成により、窪み部182に接着部材183を保持しやすくなる。したがって、上記の構成により、第1磁性体部170aを固定体110上により容易に固定することが出来る。これにより、光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。さらに、接着部材183により、補強プレート181の剛性を補強することが出来る。
【0057】
典型的には
図6A、
図6Bに示すように第1磁性体部170aの縁の外周の全域に沿うように、接着部材183は第1磁性体部170aに対して+X側に位置する。すなわち、第1磁性体部170aに対して、略環状の形状で+X側に位置する。なお、第1磁性体部170aの外周の一部に沿うように、接着部材183は第1磁性体部170aに対して+X側に位置してもよい。また、
図7A、
図7Bに示すように接着部材183は第1磁性体部170aの全面を覆ってもよい。接着部材183の量が多いほど、接着部材183による補強プレート181の剛性を補強する効果が得られやすい。特に、接着部材183が第1磁性体部170aの全面を覆う構成においては、接着部材183が補強プレート181の窪み部182を埋めるような形で導入されるため補強プレート181の剛性を補強する効果が強く得られる。
【0058】
なお、窪み部182のX方向における長さは第1磁性体部170aのX方向における長さよりも長くてもよい。言い換えると、窪み部182は第1磁性体部170aの厚さよりも深く窪む。
【0059】
上記の構成により、X方向において、第1磁性体部170aは窪み部182に完全に収容される。つまり、X方向において、第1磁性体部170aは窪み部182からはみ出さない。言い換えると、第1磁性体部170aを窪み部182に配置した後に、補強プレート181における+X方向の端面に対し、第1磁性体部170aにおける+X方向の端面は-X方向に位置する。これにより、第1磁性体部170aを窪み部182に配置することが容易になる。さらに、第1磁性体部170aの固定体110からの剥離を抑制出来る。
【0060】
また、第1磁性体部170aを窪み部182に配置した後に第1磁性体部170aにおける+X方向の端面を底面とした窪みが生じる。この場合、第1磁性体部170aを窪み部182内に収容した後に、+X方向から接着剤を流すことで第1磁性体部170aの全面を接着部材183が覆う構成を容易に実現できる。
【0061】
なお、第1磁性体部170aはX方向に垂直な任意の方向において、第1磁性体部170aは一方側および他方側で補強プレート181と接してもよい。言い換えると、第1磁性体部170aはYZ平面と平行に延びる任意の1方向以上において一方側および他方側で補強プレート181と接する。
【0062】
上記の構成により、X方向に垂直な任意の方向において、第1磁性体部170aを両側から位置決めすることができる。したがって、より精度よく第1磁性体部170aを固定体110に設置することが出来る。これにより、光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。
【0063】
特になお、第1磁性体部170aはX方向に垂直な任意の2方向以上において、第1磁性体部170aは一方側および他方側で補強プレート181と接してもよい。言い換えると、第1磁性体部170aはYZ平面と平行に延びる任意の2方向以上において補強プレート181と接する。
【0064】
上記の構成により、X方向に垂直な任意の2方向以上において、第1磁性体部170aを両側から位置決めすることができる。この場合、X方向に垂直な任意の1方向において、第1磁性体部170aを両側から位置決めする構成と比較して、YZ平面上の一点を定めることができるため、より位置決めしやすい。したがって、より精度よく第1磁性体部170aを固定体110に設置することが出来る。これにより、さらに光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。
【0065】
なお、固定体110はX方向に突出する段差部113を有し、FPC180はX方向に垂直な任意の方向において段差部113に沿って配置されてもよい。
【0066】
上記の構成により、X方向に垂直な任意の方向においてFPC180を固定体に位置決めできる。これにより、光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。なお、本実施形態においては、FPC180はY方向において段差部113に沿って配置される。
【0067】
なお、固定体110はX方向に突出する段差部113を有し、FPC180はX方向に垂直な任意の方向の一方側および他方側において段差部113に沿って配置されてもよい。
【0068】
上記の構成により、X方向に垂直な任意の方向の両側からFPC180を固定体に位置決めできる。これにより、光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。なお、本実施形態においては、FPC180はY方向の一方側および他方側において段差部113に沿って配置される。
【0069】
なお、
図8A、
図8Bに示す通り固定体110はX方向に突出する段差部113を有し、FPC180はX方向に垂直な任意の2方向において段差部113に沿って配置されてもよい。
【0070】
上記の構成により、X方向に垂直な任意の2方向以上において、FPC180を固定体に位置決めすることができる。この場合、X方向に垂直な任意の1方向のみにおいて、FPC180を固定体に位置決めする構成と比較して、YZ平面上の一点を定めることができるためより位置決めが安定する。したがって、より精度よくFPC180を固定体110に設置することが出来る。これにより、さらに光学ユニット100の歩留まりを改善することが出来る。なお、本実施形態においては、FPC180はY方向およびZ方向において段差部113に沿って配置される。
【0071】
第1揺動機構152は、固定体110に対して第1揺動軸Sa1の周りに可動体120を揺動させる。第1揺動機構152は、固定体110に対して可動体120を揺動させる。
【0072】
第1揺動機構152は、固定体110と可動体120の両方に配置される。第1揺動機構152は、磁石およびコイルから構成される。
【0073】
ここでは、コイルは、固定体110に配置され、第1磁石162は、可動体120に配置され、第1磁性体部170aは、固定体110に配置される。コイルはFPC180と電気的に接続され、FPC180を介して駆動用の電力を供給できるようになっている。
【0074】
光学ユニット100は、小型に作製されることが好ましい。例えば、光学ユニット100が、
図1のスマートフォンに搭載される場合、光学ユニット100の大きさ(例えば、固定体110のX軸方向またはY軸方向に沿った長さ)は、10mm以上50mm以下である。
【0075】
<光学ユニット100の構成>
次に、
図1~
図9を参照して、本発明の一実施例における光学ユニット100の構成を説明する。
図9は、本発明の一実施例における光学ユニット100の模式的な分解斜視図である。なお、
図9では、FPC180を省略している。
【0076】
<固定体110>
固定体110は、略筒状である。固定体110の外形は、断面が略矩形状の貫通孔の空いた直方体形状である。固定体110は、例えば、樹脂製である。固定体110は、枠部111と、側部112とを有する。側部112は、枠部111に支持される。枠部111には、開口部111hが形成される。
【0077】
図9に示すように、固定体110は、複数の凹部110qを有する。凹部110qは、側部112の内周面に位置する。固定体110に可動体120が挿入されると、凹部110qは可動体120と接触する。典型的には、固定体110に対して可動体120が揺動すると、可動体120は、凹部110qに接触しながら凹部110qの上を摺動する。複数の凹部110qの各々は、凹の球面一部を有することが好ましい。
【0078】
凹部110qは、固定体110の4つの隅に配置される。4つの凹部110qの曲率半径は等しくてもよい。この場合、4つの凹部110qは、1つの大きな凹球面の一部を構成してもよい。あるいは、4つの凹部110qの曲率半径は異なってもよい。
【0079】
可動体120は、接触部材120Aをさらに有する。接触部材120Aは、可動体120の外側面に配置される。接触部材120Aは、固定体110と接触する。可動体120は、固定体110と接触部材120Aを介して接触するため、固定体110に対して可動体120を安定的に支持できる。なお、ここでは、固定体110に可動体120を挿入すると、可動体120は固定体110と接触するが、固定体110に可動体120を挿入しても、可動体120は固定体110と接触しなくてもよい。
【0080】
<可動体120>
可動体120は、光学素子130と、ホルダ140とを含む。光学素子130は、ホルダ140の枠に挿入される。
【0081】
<光学素子130>
光学素子130は、レンズ132と、ハウジング134とを有する。ハウジング134は薄型の直方体形状である。レンズ132は、ハウジング134に配置される。例えば、レンズ132は、ハウジング134の1つの面の中心において、光軸P上に配置される。光軸Pおよびレンズ132は、被写体を向いており、光学素子130には、光軸Pに沿った方向からの光が入射される。
【0082】
なお、ハウジング134の内部に、撮像素子等が内蔵されてもよい。この場合、撮像素子には、フレキシブル配線基板(Flexible Printed Circuit:FPC)が接続されることが好ましい。光学素子130において撮像された信号は、FPCを介して外部に取り出される。
【0083】
<ホルダ140>
ホルダ140は、枠形状である。ホルダ140は、光学素子130を外側から囲み、光学素子130を保持する。例えば、ホルダ140は、樹脂から形成される。ホルダ140は、筒形状であり、貫通孔140hを有する。ホルダ140の貫通孔140hには光学素子130が挿入される。
【0084】
接触部材120Aは、ホルダ140の外周面に配置される。接触部材120Aは、固定体110と接触する。
【0085】
可動体120は、固定体110に突出する複数の凸部120cを有する。詳しくは、可動体120が接触部材120Aを有し、接触部材120Aが固定体110に突出する複数の凸部120cを有する。凸部120cは、ホルダ140の径方向外側に位置する。凸部120cは、ホルダ140から径方向外側に突出し、固定体110と接触する。これにより、固定体110に対して可動体120を滑らかに可動できる。
【0086】
凸部120cは、湾曲して突出する湾曲形状を有してもよい。例えば、凸部120cは、球面状に湾曲する。複数の凸部120cの各々は、球面の一部を有することが好ましい。これにより、固定体110に対して可動体120を滑らかに可動できる。
【0087】
<第1揺動機構152>
第1揺動機構152は、固定体110に対して第1揺動軸Sa1の周りに可動体120を揺動させる。第1揺動軸Sa1は、Y軸方向に平行に延びる。
【0088】
第1揺動機構152は、第1磁石162と、コイル152bとを有する。典型的には、第1磁石162は、永久磁石である。コイル152bは、第1磁石162に対向する。第1磁石162は、可動体120に含まれ、コイル152bは、固定体110に含まれる。第1磁石162とコイル152bとにより、固定体110に対して可動体120を揺動できる。
【0089】
第1磁石162は、可動体120に対して+X方向側に位置し、コイル152bは、固定体110の+X方向側の側部に位置する。
【0090】
第1磁石162は、径方向外側(+X方向側)を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第1着磁分極線162mを境にして異なるように着磁されている。第1磁石162のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0091】
例えば、可動体120のヨーイングの補正は、以下のように行われる。光学ユニット100にヨーイング方向の振れが発生すると、不図示の磁気センサー(ホール素子)によって振れを検出し、その結果に基づいて第1揺動機構152を駆動させる。なお、振れ検出センサ(ジャイロスコープ)などを用いて、光学ユニット100の振れを検出してもよい。振れの検出結果に基づいて、第1揺動機構152がその振れを補正する。
【0092】
<磁石160>
磁石160は、磁場を発生する。典型的には、磁石160は、永久磁石である。ここでは、磁石160は、第1磁石162を含む。第1磁石162は、ホルダ140の側面に取り付けられ、可動体120の外側面に位置する。
【0093】
第1磁石162は、可動体120に対して+X方向側に位置し、Y軸方向に延びる。
【0094】
<第1磁性体部170a>
第1磁性体部170aは、第1磁石162に対向して配置される。第1磁性体部170aは、可動体120に対して+X方向側に位置し、第1磁石162に対向する。
【0095】
なお、第1磁性体部170aは軟磁性体であることが好ましい。第1磁性体部170aが軟磁性体であることから、第1磁性体部170aが永久磁石である場合と比較して比較的弱い磁気作用で第1磁石162を所定の位置に吸引できる。このため、第1揺動機構152からの駆動力が比較的弱くても可動体120を適切に可動できる。
【0096】
図9から理解されるように、可動体120は、光学素子130をホルダ140に挿入して作製される。可動体120の外側面には、Y軸方向に沿って第1磁石162が配置される。
【0097】
また、固定体110には、第1磁性体部170aが配置される。可動体120を固定体110に挿入すると、第1磁石162が第1磁性体部170aに対向する。
【0098】
<補強プレート181>
補強プレート181は板状の部材である。典型的には、補強プレート181はFPC180よりも剛性が大きい。なお、補強プレート181はFPC180よりも剛性が小さくてもよい。
【0099】
典型的な例としては、補強プレート181の材質は樹脂や金属である。補強プレート181はFPC180上に配置される。すなわち、補強プレート181はFPC180の厚さ方向に重なるように配置される。
【0100】
補強プレート181をFPC180に取り付けることにより、FPC180のうち、補強プレート181を取り付けた箇所の剛性が大きくなる。従ってFPC180を固定体に取り付ける等の作業性の向上に寄与する。
【0101】
好適には補強プレート181の幅方向の長さとFPC180の幅方向の長さとは略一致することが好ましい。この場合、治具等を用いて補強プレート181をFPC180に正確に取り付けることが、より容易になる。
【0102】
典型的には補強プレート181は接着剤により、FPC180と接着される。
この時、補強プレート181の片面が粘着性のシートになっていてもよく、溶剤の接着剤を別途塗布してもよい。
【0103】
なお、補強プレート181のFPC180への接着手段はこれに限られない。FPC180上に対して補強プレート181を固定できれば他の手段でもよい。
【0104】
典型的には、補強プレート181および第1磁性体部170aをFPC180に接着した後に、FPC180を固定体110に配置する。なお、FPC180を固定体110に配置した後に、FPC180に補強プレート181および第1磁性体部170aが配置されてもよい。
【0105】
<蓋部100L>
蓋部100Lは、固定体110および可動体120を覆う。蓋部100Lは、例えば、金属から成形される。なお、蓋部100Lは、樹脂から成形されていてもよい。蓋部100Lは、Z軸方向に厚みを有する板状の部材である。蓋部100Lは、固定体110の+Z方向側(光軸方向の一方側)に固定される。本実施形態では、蓋部100Lは、固定体110の枠部111に固定される。蓋部100Lを固定体110に固定するための構成は特に限定されない。蓋部100Lは、例えば、ネジのような締結部材を用いて固定体110に固定されてもよく、または、接着剤を用いて固定体110に固定されてもよい。
【0106】
蓋部100Lは、孔100hと、回転止め部100sとを有する。回転止め部100sは、可動体120と接触することで、可動体120のローリング方向の過度な回転を制限する。孔100hは、Z軸方向に蓋部100Lを貫通する。蓋部100Lの孔100hは、固定体110の開口部111hに対向する。可動体120のレンズ132は、固定体110の開口部111hと、蓋部100Lの孔100hとを通じて、固定体110の外部に露出する。
【0107】
上述したように、可動体120および固定体110のうちの一方は、複数の凸部120cを有する。可動体120および固定体110のうちの他方は、複数の凹部110qを有する。このため、固定体110に対する可動体120の摺動性を向上できる。ここでは、可動体120が、複数の凸部120cを有し、固定体110が、複数の凹部110qを有する。
【0108】
次に、
図10~
図11を参照して本発明の一実施例の変形例における光学ユニット100を説明する。
図10は、第1揺動機構152、磁石160、第1磁性体部170aの模式的な斜視図である。
なお、第1磁性体部170aが第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173をさらに備える点を除いて、
図6を参照して上述した光学ユニット100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0109】
図10に示すように、第1揺動機構152は、第1磁石162と、コイル152bとを有する。第1磁石162は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第1着磁分極線162mを境にして異なるように着磁されている。第1磁石162のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0110】
コイル152bに流れる電流の向きおよび大きさを制御することにより、コイル152bから発生する磁場の向きおよび大きさを変更できる。このため、コイル152bから発生する磁場と第1磁石162との相互作用により、第1揺動機構152は、可動体120を第1揺動軸Sa1の周りに揺動できる。
【0111】
第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173は、第1磁石162の第1着磁分極線162mに対して垂直に配置される。したがって、磁力を有効に使うことができる。
【0112】
この時、補強プレート181は例えば
図11に示すような形状が好ましい。
【0113】
図11では補強プレート181の窪み部182は、直線状に配置されX方向に貫通する長方形の貫通孔と、長方形の貫通孔のZ方向における上端、下端、中間部分の合計3か所から+Y側に延び、X方向に貫通する貫通孔を含む。第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173、それぞれ3つの辺を介して、窪み部182における周面182aと接する。この時、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173と周面182aとの間には、+Y側において隙間182bが生じる。隙間182bに接着部材183を入れることが出来る。
【0114】
磁石160は、第1磁石162に加えて、第2磁石164をさらに含むことが好ましい。第2磁石164は、ホルダ140(
図9参照)の側面に取り付けられ、可動体120の外側面に位置する。第2磁石164は、-X方向側に配置される。
【0115】
光学ユニット100は、第2磁性体部170bをさらに備えることが好ましい。第2磁性体部170bは、第2磁石164の-X方向側に位置する。第2磁性体部170bは、第1磁性体部170aと同様に、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173を有する。第2磁性体部170bは、第1磁性体部170aと同様に、第1揺動方向Daに沿って磁性体が配置されている。したがって、第1磁性体部170aに加えて、第2磁性体部170bによっても第1揺動方向Daに可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。したがって、磁性体部が片側の1つしか無い場合に比べて、さらに駆動抵抗を低減できる。
【0116】
なお、
図10、
図11を参照して上述した光学ユニット100では、第1揺動機構152によって、固定体110に対して第1揺動軸Sa1の周りに揺動したが、本実施形態はこれに限定されない。可動体120は、固定体110に対して第1揺動軸Sa1とは異なる軸の周りに揺動してもよい。
【0117】
次に、
図12を参照して本発明の一実施例の変形例における光学ユニット100を説明する。
図12は、本発明の一実施例における光学ユニット100における第1揺動機構152、第2揺動機構154、磁石160、第1磁性体部170a、第2磁性体部170bおよび第3磁性体部170cの模式的な斜視図である。なお、
図12の光学ユニット100は、第2揺動機構154をさらに備えるとともに、第3磁石166および第3磁性体部170cをさらに備える点を除いて、
図11を参照して上述した光学ユニット100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0118】
図12に示すように、磁石160は、第1磁石162および第2磁石164に加えて、第3磁石166を含む。また、光学ユニット100は、第1磁性体部170a、第2磁性体部170bに加えて、第3磁性体部170cをさらに含む。第1磁性体部170a、第2磁性体部170bおよび第3磁性体部170cは、第1磁石162、第2磁石164および第3磁石166にそれぞれ対向する。このように、固定体110および可動体120のうちの一方は、第3磁石166をさらに有し、固定体110および可動体120のうちの他方は、第3磁石166に対向する第3磁性体部170cをさらに有する。ここでは、可動体120が第3磁石166をさらに有し、固定体110が第3磁性体部170cをさらに有する。
【0119】
第1磁石162は、可動体120に対して+X方向側に位置する。第2磁石164は、可動体120に対して-X方向側に位置する。第3磁石166は、可動体120に対して-Y方向側に位置する。
【0120】
第1磁性体部170aは、可動体120に対して+X方向側に位置する。第2磁性体部170bは、可動体120に対して-X方向側に位置する。第3磁性体部170cは、可動体120に対して-Y方向側に位置する。
【0121】
第1揺動機構152は、固定体110に対して可動体120を揺動させる。詳細には、第1揺動機構152は、固定体110に対して第1揺動軸Sa1の周りに可動体120を揺動させる。例えば、第1揺動軸Sa1は、Y軸方向に平行に延びる。Y軸方向は、光軸Pと交差する方向であり、ヨーイング方向の回転の軸となる。
【0122】
第1揺動機構152は、磁石160を利用する。ここでは、第1揺動機構152は、第1磁石162と、コイル152bとを含む。第1磁石162は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第1着磁分極線162mを境にして異なるように着磁されている。第1磁石162のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0123】
コイル152bに流れる電流の向きおよび大きさを制御することにより、コイル152bから発生する磁場の向きおよび大きさを変更できる。このため、コイル152bから発生する磁場と第1磁石162との相互作用により、第1揺動機構152は、可動体120を第1揺動軸Sa1の周りに揺動できる。
【0124】
光学ユニット100は、第1揺動機構152に加えて第2揺動機構154をさらに備える。第2揺動機構154は、固定体110に対して第2揺動軸Sa2の周りに可動体120を揺動させる。第2揺動軸Sa2は、第1揺動軸Sa1に対して直交する。例えば、第2揺動軸Sa2は、X軸方向に平行に延びる。X軸方向は、光軸Pと交差する方向であり、ピッチング方向の回転の軸となる。なお、第2揺動軸Sa2は、仮想的な軸である。
【0125】
図12において、第2揺動機構154は、磁石160を利用する。ここでは、第2揺動機構154は、第3磁石166と、コイル154bとを含む。第3磁石166は、径方向外側を向く面の磁極が、X軸方向に沿って延びる第3着磁分極線166mを境にして異なるように着磁されている。第3磁石166のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0126】
コイル154bに流れる電流の向きおよび大きさを制御することにより、コイル154bから発生する磁場の向きおよび大きさを変更できる。このため、コイル154bから発生する磁場と第1磁石162との相互作用により、第2揺動機構154は、可動体120を第2揺動軸Sa2の周りに揺動できる。
【0127】
このように、第1揺動機構152は、第1磁石162と、第1磁石162に対向するコイル152bとを含む。また、第2揺動機構154は、第3磁石166と、第3磁石166に対向するコイル154bとを含む。このため、可動体120を安定的に揺動させるための第1磁石162および第3磁石166を第1揺動機構152および第2揺動機構154に利用できる。
【0128】
第2磁性体部170bは、第2磁石164の-X方向側に位置する。第3磁性体部170cは、第3磁石166の-Y方向側に位置する。第3磁性体部170cは、第1磁性体部170aおよび第2磁性体部170bと同様に、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173を有する。
【0129】
第3磁性体部170cの第1磁性体部分171は、第1揺動軸Sa1と光学素子130の光軸Pとのそれぞれに対して垂直な軸AX2を通る。第3磁性体部170cの第1磁性体部分171は、第3磁石166と対向する。したがって、可動体120を初期位置に保持することができる。初期位置は、固定体110に対して可動体120が揺動しておらず、光軸PがZ軸方向に対して平行な状態が保持されている位置を示す。
【0130】
第3磁性体部170cの第2磁性体部分172は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、第2揺動方向Dbの一方側に配置される。ここでは、第3磁性体部170cの第2磁性体部分172は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、+Z方向側に配置される。したがって、第2揺動方向Dbの一方側へ可動体120を揺動させる場合に、第3磁性体部170cの第2磁性体部分172によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、第2揺動方向Dbの一方側へ可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。第2揺動方向Dbは、第2揺動軸Sa2を回転中心として、固定体110に対して可動体120が揺動する方向である。
【0131】
第3磁性体部170cの第3磁性体部分173は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、第2揺動方向Dbの他方側に配置される。ここでは、第3磁性体部170cの第3磁性体部分173は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、-Z方向側に配置される。したがって、第2揺動方向Dbの他方側へ可動体120を揺動させる場合に、第3磁性体部分173によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、第2揺動方向Dbの他方側へ可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。
【0132】
このように、第2揺動方向Dbに沿って磁性体が配置されている。したがって、第2揺動方向Dbに可動体120を揺動させる際も駆動抵抗を低減できる。
【0133】
なお、
図12を参照して上述した説明した光学ユニット100は、第1磁性体部170a、第2磁性体部170bおよび第3磁性体部170cを有していたが、本実施形態はこれに限定されない。光学ユニット100は、第4磁性体部170dをさらに有していてもよい。
【0134】
次に、
図13を参照して本発明の一実施例における光学ユニット100を説明する。
図13は、本発明の一実施例における光学ユニット100における第1揺動機構152、第2揺動機構154、磁石160および第1磁性体部170a、第2磁性体部170b、第3磁性体部170cおよび第4磁性体部170dの模式的な斜視図である。なお、
図13の光学ユニット100は、磁石160が第4磁石168をさらに含み、光学ユニット100が第4磁性体部170dをさらに含む点を除いて、
図12を参照して上述した光学ユニット100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0135】
磁石160は、第1磁石162、第2磁石164および第3磁石166に加えて、第4磁石168を含む。第1磁石162は、可動体120に対して+X方向側に位置し、第2磁石164は、可動体120に対して-X方向側に位置する。第3磁石166は、可動体120に対して-Y方向側に位置し、第4磁石168は、可動体120に対して+Y方向側に位置する。
【0136】
また、光学ユニット100は、第1磁性体部170a、第2磁性体部170bおよび第3磁性体部170cに加えて、第4磁性体部170dを含む。第1磁性体部170a、第2磁性体部170b、第3磁性体部170cおよび第4磁性体部170dは、第1磁石162、第2磁石164、第3磁石166および第4磁石168にそれぞれ対向する。第1磁性体部170aは、可動体120に対して+X方向側に位置し、第2磁性体部170bは、可動体120に対して-X方向側に位置する。第3磁性体部170cは、可動体120に対して-Y方向側に位置し、第4磁性体部170dは、可動体120に対して+Y方向側に位置する。
【0137】
第4磁性体部170dは、第3磁性体部170cと同様に、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173を有する。第4磁性体部170dは、第3磁性体部170cと同様に、第2揺動方向Dbに沿って磁性体が配置されている。したがって、第3磁性体部170cに加えて、第4磁性体部170dによっても第2揺動方向Dbに可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。したがって、磁性体部が片側の1つしか無い場合に比べて、さらに駆動抵抗を低減できる。
【0138】
なお、ここでは、第1磁石162の第1着磁分極線162mは、第2磁石164の第2着磁分極線164mと平行に延びる。詳細には、第1磁石162は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第1着磁分極線162mを境にして異なるように着磁されている。第1磁石162のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。同様に、第2磁石164は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第2着磁分極線164mを境にして異なるように着磁されている。第2磁石164のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0139】
また、第3磁石166の第3着磁分極線166mは、第4磁石168の第4着磁分極線168mと平行に延びる。詳細には、第3磁石166は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第3着磁分極線166mを境にして異なるように着磁されている。第3磁石166のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。同様に、第4磁石168は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第4着磁分極線168mを境にして異なるように着磁されている。第4磁石168のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0140】
ただし、第1磁石162の第1着磁分極線162mは、第2磁石164の第2着磁分極線164mと平行でなく、第1磁石162の第1着磁分極線162mの延びる方向は、第2磁石164の第2着磁分極線164mの延びる方向に対してずれてもよい。この場合、第1磁石162の第1着磁分極線162mの延びる方向は、第2磁石164の第2着磁分極線164mの延びる方向に対して90°ずれることが好ましい。これにより、可動体120が第2揺動軸Sa2を中心に揺動する際の摩擦抵抗をさらに低減できる。
【0141】
また、
図13を参照して上述した説明では、可動体120は、固定体110に対して1つの揺動軸(第1揺動軸Sa1)、または、直交する2つの揺動軸(第1揺動軸Sa1および第2揺動軸Sa2)の周りに揺動したが、本実施形態はこれに限定されない。可動体120は、固定体110に対して3つの揺動軸の周りに揺動してもよい。
【0142】
次に、
図14を参照して、本発明の一実施例の変形例における光学ユニット100の構成を説明する。
図14は、本発明の一実施例の変形例における光学ユニット100における第1揺動機構152、第2揺動機構154、第3揺動機構156、磁石160、第1磁性体部170a、第2磁性体部170b、第3磁性体部170cおよび第4磁性体部170dの模式的な斜視図である。なお、
図14の光学ユニット100は、第1揺動機構152および第2揺動機構154に加えて第3揺動機構156を備える点と、第2揺動軸Sa2が光軸Pに平行である点とで、
図8を参照して上述した光学ユニット100と主に異なる。
図13を参照して上述した光学ユニット100と同様の構成については、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0143】
図14に示すように、光学ユニット100は、第1揺動機構152および第2揺動機構154に加えて第3揺動機構156を備える。
【0144】
第1揺動機構152は、固定体110に対して可動体120を揺動させる。詳細には、第1揺動機構152は、固定体110に対して第1揺動軸Sa1の周りに可動体120を揺動させる。ここでは、第1揺動軸Sa1は、Y軸方向に平行に延びる。Y軸方向は、光軸Pと交差する方向であり、ヨーイング方向の回転の軸となる。典型的には、第1揺動軸Sa1は、光軸Pと直交する。
【0145】
第2揺動機構154は、固定体110に対して可動体120を揺動させる。詳細には、第2揺動機構154は、固定体110に対して第2揺動軸Sa2の周りに可動体120を揺動させる。ここでは、第2揺動軸Sa2は、Z軸方向に平行に延びる。Z軸方向は、光軸Pと平行であり、ローリング方向の回転の軸となる。
【0146】
第3揺動機構156は、固定体110に対して可動体120を揺動させる。詳細には、第3揺動機構156は、固定体110に対して第3揺動軸Sa3の周りに可動体120を揺動させる。ここでは、第3揺動軸Sa3は、X軸方向に平行に延びる。X軸方向は、光軸Pと交差する方向であり、ピッチング方向の回転の軸となる。典型的には、第3揺動軸Sa3は、光軸Pと直交する。なお、第3揺動軸Sa3は、仮想的な軸である。
【0147】
固定体110は、第2揺動軸Sa2を回転中心として可動体120を第2揺動方向Dbに揺動可能に支持する。固定体110は、第3揺動軸Sa3を回転中心として可動体120を第3揺動方向Dcに揺動可能に支持する。第3揺動方向Dcは、第3揺動軸Sa3を回転中心として、固定体110に対して可動体120が揺動する方向である。
【0148】
第1揺動軸Sa1、第2揺動軸Sa2および第3揺動軸Sa3は、互いに直交している。第1揺動軸Sa1および第2揺動軸Sa2のうち一方は、光軸Pに対して垂直である。ここでは、第1揺動軸Sa1が光軸Pに対して垂直である。第1揺動軸Sa1、第2揺動軸Sa2および第3揺動軸Sa3の1つは、光軸Pに平行である。また、第1揺動軸Sa1および第2揺動軸Sa2のうち他方は、光軸Pに対して平行である。ここでは、第2揺動軸Sa2が光軸Pに対して平行である。
【0149】
可動体120および固定体110のうちの一方は、第1磁石162と、第2磁石164と、第3磁石166と、第4磁石168とを有する。ここでは、可動体120が、第1磁石162と、第2磁石164と、第3磁石166と、第4磁石168とを有する。また、可動体120および固定体110のうちの他方は、第1磁性体部170aと、第2磁性体部170bと、第3磁性体部170cと、第4磁性体部170dとを有する。ここでは、固定体110が、第1磁性体部170aと、第2磁性体部170bと、第3磁性体部170cと、第4磁性体部170dとを有する。
【0150】
第1揺動機構152は、第1磁石162と、コイル152bとを含む。第1磁石162は、径方向外側を向く面の磁極が、Y軸方向に沿って延びる第1着磁分極線162mを境にして異なるように着磁されている。第1磁石162のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0151】
ここでは、第2揺動機構154は、第2磁石164と、コイル154bとを含む。第2磁石164は、径方向外側を向く面の磁極が、Z軸方向に沿って延びる第2着磁分極線164mを境にして異なるように着磁されている。第2磁石164のY軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0152】
ここでは、第3揺動機構156は、第3磁石166と、コイル156bとを含む。第3磁石166は、径方向外側を向く面の磁極が、X軸方向に沿って延びる第3着磁分極線166mを境にして異なるように着磁されている。第3磁石166のZ軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0153】
また、第4磁石168は、径方向外側を向く面の磁極が、Z軸方向に沿って延びる第4着磁分極線168mを境にして異なるように着磁されている。第4磁石168のX軸方向に沿った一方の端部は一方の極性を有し、他方の端部は他方の極性を有する。
【0154】
図14に示した光学ユニット100では、第1揺動機構152により、可動体120をヨーイング方向に揺動でき、第2揺動機構154により、可動体120をローリング方向に揺動でき、第3揺動機構156により、可動体120をピッチング方向に揺動できる。このため、光学ユニット100では、可動体120を任意の向きに補正できる。
【0155】
また、
図14に示した光学ユニット100では、第1着磁分極線162mの延びる方向は、第2着磁分極線164mの延びる方向に対してずれ、第3着磁分極線166mの延びる方向は、第4磁石168の第4着磁分極線168mの延びる方向に対してずれる。典型的には、第1着磁分極線162mの延びる方向は、第2着磁分極線164mの延びる方向に対して90°ずれ、第3着磁分極線166mの延びる方向は、第4着磁分極線168mの延びる方向に対して90°ずれることが好ましい。これにより、可動体120が第1揺動軸Sa1および第2揺動軸Sa2の周りに揺動する際の摩擦抵抗をさらに低減できる。
【0156】
なお、第1磁石162、第2磁石164、第3磁石166および第4磁石168のうちの3つの磁石それぞれに対して1以上のコイルが対向することが好ましい。ここでは、第1磁石162、第2磁石164および第3磁石166は、コイル152b、コイル154bおよびコイル154bとそれぞれ対向する。
【0157】
この3つの磁石(第1磁石162、第2磁石164および第3磁石166)のうちの第2磁石164の第2着磁分極線164mの延びる方向は、光学素子130の光軸Pに平行であり、残りの第1磁石162の第1着磁分極線162mの延びる方向および第3磁石166の第3着磁分極線166mの延びる方向は、光軸Pに直交する。これにより、可動体120を3つの揺動軸(第1揺動軸Sa1、第2揺動軸Sa2および第3揺動軸Sa3)に沿って揺動できる。
【0158】
図14に示すように、第1磁性体部170aは、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173に加えて、さらに、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とをさらに有する。第1磁性体部170aは、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173、第4磁性体部分174および第5磁性体部分175が、互いに離隔して十字状に並んでいる。
【0159】
第4磁性体部分174は、第1磁性体部分171に対して、第2揺動方向Dbの一方側に配置される。ここでは、第4磁性体部分174は、第1磁性体部分171に対して、-Y方向側に配置される。したがって、第2揺動方向Dbの一方側へ可動体120を揺動させる場合に、第4磁性体部分174によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、第2揺動方向Dbの一方側へ可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。
【0160】
第5磁性体部分175は、第1磁性体部分171に対して、第2揺動方向Dbの他方側に配置される。ここでは、第5磁性体部分175は、第1磁性体部分171に対して、+Y方向側に配置される。したがって、第2揺動方向Dbの他方側へ可動体120を揺動させる場合に、第5磁性体部分175によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、第2揺動方向Dbの他方側へ可動体120を揺動させる駆動抵抗を低減できる。
【0161】
このように、第2揺動方向Dbに沿って磁性体が配置されている。したがって、第1磁性体部170aによって、第2揺動方向Dbに可動体120を揺動させる際も、駆動抵抗を低減できる。
【0162】
図14に示すように、第1磁性体部170aが、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173に加えて、さらに、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とをさらに有する場合、補強プレート181は例えば
図15に示すような形状が好ましい。
【0163】
図15では補強プレート181の窪み部182は、略十字上に5つ配置され、X方向に貫通する長方形の貫通孔である。第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173、第4磁性体部分174、第5磁性体部分175は、それぞれ3つの辺を介して、窪み部182における周面182aと接する。この時、第1磁性体部分171、第4磁性体部分174、第5磁性体部分175と周面182aとの間には、-Z側において隙間182bが生じる。また、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173と周面182aとの間には、-Y側において隙間182bが生じる。それぞれの隙間182bに接着部材183を入れることが出来る。
【0164】
また、
図14に示すように、第2磁性体部170bは、第1磁性体部分171と、第2磁性体部分172と、第3磁性体部分173と、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とを有する。
【0165】
第2磁性体部170bの第1磁性体部分171は、第2揺動軸Sa2と光学素子130の光軸Pとのそれぞれに対して垂直な軸AX1を通る。第2磁性体部170bの第1磁性体部分171は、第2磁石164と対向する。したがって、可動体120を初期位置に保持することができる。
【0166】
第2磁性体部170bの第2磁性体部分172は、第2磁性体部170bの第1磁性体部分171に対して、第2揺動方向Dbの一方側に配置される。ここでは、第2磁性体部170bの第2磁性体部分172は、第2磁性体部170bの第1磁性体部分171に対して、+Y方向側に配置される。したがって、第2揺動方向Dbの一方側へ可動体120を揺動させる場合に、第2磁性体部170bの第2磁性体部分172によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、駆動抵抗を低減できる。
【0167】
第2磁性体部170bの第3磁性体部分173は、第2磁性体部170bの第1磁性体部分171に対して、第2揺動方向Dbの他方側に配置される。ここでは、第2磁性体部170bの第3磁性体部分173は、第1磁性体部分171に対して、-Y方向側に配置される。したがって、第2揺動方向Dbの他方側へ可動体120を揺動させる場合に、第2磁性体部170bの第3磁性体部分173によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、駆動抵抗を低減できる。
【0168】
図14に示すように、第2磁性体部170bが、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173に加えて、さらに、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とをさらに有する場合、補強プレート181は例えば
図15に示した形状と同一である。第1磁性体部170a用の補強プレート181について説明した
図15では固定体110に対して、+X方向側に補強プレート181が貼り付けられる。第2磁性体部170b用の補強プレート181は固定体110に対して、-X方向側に補強プレート181が貼り付けられる点のみが異なる。
【0169】
第2磁性体部170b用の補強プレート181の窪み部182は、略十字上に5つ配置され、X方向に貫通する長方形の貫通孔である。第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173、第4磁性体部分174、第5磁性体部分175は、それぞれ3つの辺を介して、窪み部182における周面182aと接する。この時、第1磁性体部分171、第4磁性体部分174、第5磁性体部分175と周面182aとの間には、-Z側において隙間182bが生じる。また、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173と周面182aとの間には、+Y側において隙間182bが生じる。それぞれの隙間182bに接着部材183を入れることが出来る。
【0170】
また、
図14に示すように、第3磁性体部170cは、第1磁性体部分171と、第2磁性体部分172と、第3磁性体部分173と、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とを有する。
【0171】
第3磁性体部170cの第1磁性体部分171は、第3揺動軸Sa3と光学素子130の光軸Pとのそれぞれに対して垂直な軸AX2を通る。第3磁性体部170cの第1磁性体部分171は、第3磁石166と対向する。したがって、可動体120を初期位置に保持することができる。
【0172】
第3磁性体部170cの第2磁性体部分172は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、第3揺動方向Dcの一方側に配置される。ここでは、第3磁性体部170cの第2磁性体部分172は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、+Z方向側に配置される。したがって、第3揺動方向Dcの一方側へ可動体120を揺動させる場合に、第3磁性体部170cの第2磁性体部分172によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、第3揺動方向Dcの一方側へ可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。
【0173】
第3磁性体部170cの第3磁性体部分173は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、第3揺動方向Dcの他方側に配置される。ここでは、第3磁性体部170cの第3磁性体部分173は、第3磁性体部170cの第1磁性体部分171に対して、-Y方向側に配置される。したがって、第3揺動方向Dcの他方側へ可動体120を揺動させる場合に、第3磁性体部170cの第3磁性体部分173によって補助としての吸着力を発生させることができる。その結果、第3揺動方向Dcの他方側へ可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。
【0174】
図14に示すように、第2磁性体部170cが、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172および第3磁性体部分173に加えて、さらに、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とをさらに有する場合、補強プレート181は例えば
図15に示した形状と同一である。第1磁性体部170a用の補強プレート181について説明した
図15では固定体110に対して、+X方向側に補強プレート181が貼り付けられる。第3磁性体部170c用の補強プレート181は固定体110に対して、-Y方向側に補強プレート181が貼り付けられる点のみが異なる。
【0175】
第3磁性体部170c用の補強プレート181の窪み部182は、略十字上に5つ配置され、X方向に貫通する長方形の貫通孔である。第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173、第4磁性体部分174、第5磁性体部分175は、それぞれ3つの辺を介して、窪み部182における周面182aと接する。この時、第1磁性体部分171、第4磁性体部分174、第5磁性体部分175と周面182aとの間には、-Z側において隙間182bが生じる。また、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173と周面182aとの間には、-X側において隙間182bが生じる。それぞれの隙間182bに接着部材183を入れることが出来る。
【0176】
上述したように、第1磁性体部170aにおいて、第1揺動方向Daに沿って磁性体が配置されている。また、第2磁性体部170bにおいて、第2揺動方向Dbに沿って磁性体が配置されている。また、第3磁性体部170cにおいて、第3揺動方向Dcに沿って磁性体が配置されている。したがって、3軸方向に対して、可動体120を揺動させる際の駆動抵抗を低減できる。
【0177】
<光学ユニット100の構成>
次に、
図14および
図16を参照して、本発明の一実施例の変形例における光学ユニット100の構成を説明する。
図16は、本発明の一実施例の変形例における光学ユニット100の模式的な分解斜視図である。なお、
図16では、FPC180を省略している。
【0178】
図16に示すように、磁石160は、第1磁石162と、第2磁石164と、第3磁石166と、第4磁石168とを含む。ここでは、磁石160は、ホルダ140の外周面に取り付けられる。第1磁石162は、ホルダ140に対して+X方向側に位置する。第2磁石164は、ホルダ140に対して-X方向側に位置する。第3磁石166は、ホルダ140に対して-Y方向側に位置する。第4磁石168は、ホルダ140に対して+Y方向側に位置する。
【0179】
光学ユニット100は、第1磁性体部170aと、第2磁性体部170bと、第3磁性体部170cと、第4磁性体部170dとを備える。ここでは、第1磁性体部170aと、第2磁性体部170bと、第3磁性体部170cと、第4磁性体部170dとは、固定体110またはFPC180に取り付けられる。第1磁性体部170aは、FPC180に対して+X方向側に位置する。第2磁性体部170bは、FPC180に対して-X方向側に位置する。第3磁性体部170cは、FPC180に対して-Y方向側に位置する。第4磁性体部170dは、固定体110の内側面の+Y方向側に位置する。
【0180】
第1揺動機構152は、第1磁石162と、第1磁石162に対向するコイル152bとを含む。第1磁石162およびコイル152bは、可動体120に対して+X方向側に位置する。
【0181】
第2揺動機構154は、第2磁石164と、第2磁石164に対向するコイル154bとを含む。第2磁石164およびコイル154bは、可動体120に対して-X方向側に位置する。
【0182】
第3揺動機構156は、第3磁石166と、第1磁石162に対向するコイル156bとを含む。第3磁石166およびコイル156bは、可動体120に対して-Y方向側に位置する。
【0183】
例えば、可動体120のピッチング、ヨーイングおよびローリングの補正は、以下のように行われる。光学ユニット100にピッチング方向、ヨーイング方向およびローリング方向の少なくとも1つの方向の振れが発生すると、不図示の磁気センサー(ホール素子)によって振れを検出し、その結果に基づいて第1揺動機構152、第2揺動機構154および第3揺動機構156を駆動して可動体120を揺動させる。なお、振れ検出センサ(ジャイロスコープ)などを用いて、光学ユニット100の振れを検出してもよい。振れの検出結果に基づいて、コイル152b、コイル154bおよびコイル156bに電流を供給してその振れを補正する。
【0184】
なお、
図14を参照して説明した第1磁性体部170aでは、第1磁性体部分171、第2磁性体部分172、第3磁性体部分173、第4磁性体部分174および第5磁性体部分175が、互いに離隔して十字状に並んでいたが、本実施形態はこれに限定されない。第4磁性体部分174および第5磁性体部分175は、第1磁性体部分171と接続していてもよい。
【0185】
図17Aを参照して、第1磁性体部170aの変形例を説明する。
【0186】
図17Aに示すように、第1磁性体部170aは、第1磁性体部分171と、第2磁性体部分172と、第3磁性体部分173と、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とを有する。
【0187】
第1磁性体部分171と第2磁性体部分172とは間隔を空けて配置されている。第1磁性体部分171と第3磁性体部分173とは間隔を空けて配置されている。第1磁性体部分171は、第4磁性体部分174と接続している。第1磁性体部分171は、第5磁性体部分175と接続している。第2磁性体部分172は、第4磁性体部分174および第5磁性体部分175と接続している。第3磁性体部分173は、第4磁性体部分174および第5磁性体部分175と接続している。したがって、第1磁性体部170aは、第1磁性体部分171と、第2磁性体部分172と、第3磁性体部分173と、第4磁性体部分174と、第5磁性体部分175とが結合される。その結果、部品点数を削減できる。
【0188】
この時、補強プレート181は例えば
図17B、
図17Cに示すような形状が好ましい。ここでは、固定体110に対して、+X方向側に貼り付けられた補強プレート181を例に挙げて説明する
【0189】
図17Bでは補強プレート181の窪み部182は十字形状である。第1磁性体部170aは4つの辺において、周面182aと接する。この時、第1磁性体部170aはY方向における一方側および他方側において補強プレート181に位置決めされる。加えて、第1磁性体部170aはZ方向における一方側および他方側においても補強プレート181に位置決めされる。この時、第1磁性体部170aに対して、Y方向における一方側および他方側において隙間182が生じ、Z方向における一方側および他方側において隙間182が生じる。これら4つの隙間182に接着部材183を入れることが出来る。
【0190】
図17Cでは、補強プレート181の窪み部182は第1磁性体部170aより一回り大きい菱形形状である。第1磁性体部170aは-Z側の2つの辺において、周面182aと接する。この時、第1磁性体部170aの+Z側の2つの辺と周面182aとの間に接着部材183を入れることが出来る。
【0191】
上述した第1磁性体部170aの変形例は第2磁性体部170b、第3磁性体部170c、第4磁性体部170d用にも適用可能である。この場合、第2磁性体部170b、第3磁性体部170c用の補強プレート181は例えば
図17B、
図17Cに示した形状と同一である。第2磁性体部170b用の補強プレート181は固定体110に対して、-X方向側に補強プレート181が貼り付けられる点のみが異なる。第3磁性体部170c用の補強プレート181は固定体110に対して、-Y方向側に補強プレート181が貼り付けられる点のみが異なる。
【0192】
なお、
図2~
図17を参照して上述した説明では、第1磁性体部170aは、矩形状の板部材であったがこれに限られない。
図18に示すように、第1磁性体部170aは円形の板部材であってもよい。
【0193】
なお、2つ以上の磁性体部を備える光学ユニットにおいては、磁性体部ごとに磁性体部分の配置が異なっていても良く、磁性体部ごとに補強プレート181の形状が異なっていても良い。一方ですべての磁性体部において磁性体部分の配置および補強プレート181の形状が同一でも良い。
【0194】
なお、上述した説明では光学素子130は、レンズ132およびハウジング134を有しているが、これに限定されるものではない。レンズ単体や撮像素子やプリズムを駆動することで振れ補正を行う構成に対しても本発明は適用可能である。
【0195】
以上、図面(
図1~
図18)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0196】
100 光学ユニット
110 固定体
113 段差部
110q 凹部
120 可動体
120c 凸部
130 光学素子
152 第1揺動機構
154 第2揺動機構
156 第3揺動機構
162 第1磁石
162m 第1着磁分極線
164 第2磁石
166 第3磁石
170a 第1磁性体部
170b 第2磁性体部
170c 第3磁性体部
171 第1磁性体部分
172 第2磁性体部分
173 第3磁性体部分
174 第4磁性体部分
175 第5磁性体部分
180 FPC
181 補強プレート
182 窪み部
182a 周面
182b 隙間
183 接着部材
184 引掛け部
190 連結部
AX1、AX2 軸
Da 第1揺動方向
Db 第2揺動方向
Dc 第3揺動方向
P 光軸
Sa1 第1揺動軸
Sa2 第2揺動軸
Sa3 第3揺動軸