(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049516
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】チップジェット式ヘリコプターの回転翼
(51)【国際特許分類】
B64C 27/16 20060101AFI20230403BHJP
F02K 7/08 20060101ALI20230403BHJP
B64D 27/10 20060101ALI20230403BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B64C27/16
F02K7/08
B64D27/10
B64D27/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159297
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】303001106
【氏名又は名称】高田 武幸
(72)【発明者】
【氏名】高田武幸
(57)【要約】
【課題】ヘリコプターが動力としているガスタービンエンジンは、エンジン内部に、高温ガスで回転するタービンを有しているため、エンジン自体が高価に成り、なおかつタービンの頻繁な点検を必要とする。
【解決手段】ラムエア・タービン3の回転力で、圧縮機8の回転軸7を回転させ、その圧縮機8から生まれた高圧空気を、高圧空気管9で燃焼器2に導き、燃料を混ぜて燃焼させ、ジェットガスとして燃焼器2から噴出させ、回転翼1を回転させる。これにより、高温ガスで回転するタービン無しで、回転翼1を回転させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼に圧縮機を取り付け、その圧縮機の回転軸を、高温ガスを受けて回転するタービンの回転力に頼ることなく、ラムエアータービンや、マストに付いたギヤや、電動モーターで回転させ、その圧縮機から生まれた高圧空気を利用して回転翼を回転させる回転翼。
【請求項2】
上記、請求項1の回転翼に於いて、回転翼に電動モーターで回転するプロペラを追加装着し、それによって回転翼を回転させる力を追加した回転翼。
【請求項3】
上記、請求項1の回転翼に於いて、回転翼に電動モーターで回転するファンとダクトを追加装着し、それによって回転翼を回転させる力を追加した回転翼。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップジェット式ヘリコプターの回転翼に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプターやドローンなどの回転翼を有する、いわゆるヘリコプターにおいて、回転翼の翼端付近から、高圧ガス、あるいは高圧燃焼ガスを吹き出し、その反動で、回転翼を回転させる、チップジェット式ヘリコプターは、過去に実用例が有る。その一つが、フェアリー ロートダイン(Fairey Rotodyne) である。
【0003】
フェアリー ロートダインもそうであったが、ヘリコプターは、ガスタービンエンジンを動力としている。しかしガスタービンエンジンの問題点は、エンジン自体が高価であり、なおかつ頻繁な点検を必要とすることである。その理由は、エンジン内部に、高温ガスで回転するタービンを有しているためである。この高温ガスで回転するタービンの存在が、ガスタービンエンジンが高価で頻繁な点検を必要とする理由である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、ヘリコプターが動力としているガスタービンエンジンは、エンジン内部に、高温ガスで回転するタービンを有しているため、エンジン自体が高価に成り、なおかつタービンの頻繁な点検を必要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガスタービンエンジンの欠点である、高温ガスによって回転するタービンを持たないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の、チップジェット式ヘリコプターの回転翼は、ガスタービンエンジンの欠点である、高温ガスによって回転するタービンを有していないので、安価であり、なおかつ、頻繁な点検を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の(実施例1)の回転翼を上から見た平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の回転翼の内部を説明する為の断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の(実施例2)の回転翼を上から見た平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の回転翼の内部を説明する為の断面図である。
【
図5】
図5は、
図4の矢視Aから見た、ギヤボックス内部のギヤの図である。
【
図6】
図6は、
図1の回転翼の両翼端にプロペラを追加装着した物の平面図である。
【
図7】
図7は、
図3の回転翼の両翼端にプロペラを追加装着した物の平面図である。
【
図8】
図8は、
図6の回転翼のジェット排気側をダクテッドファンとした物の平面図である。
【
図9】
図9は、
図8のダクテッドファンの内部を説明する為の断面図である。
【
図10】
図10は、
図7の回転翼の両翼端をダクテッドファンとした物の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の、チップジェット式ヘリコプターの回転翼は、ガスタービンエンジンの欠点である、高温ガスによって回転するタービンを持たない。高温ガスによって回転するタービンが存在する理由は、圧縮機を回転させるためである。従って、高温ガスによって回転するタービンが無いと、それに代わる物が必要になる。
【0010】
実施例1においては、ラムエア・タービン3を用いて、高温ガスによって回転するタービンの代わりとし、圧縮機8の回転軸7を回転させている。
【0011】
実施例2において、マスト13は、本発明のようなチップジェット式ヘリコプターでは、回転翼1が回転しても回転しない。マスト13に付いた大傘歯車14と、コンプレッサ8の回転軸7に付いた小傘歯車12の組み合わせで、圧縮機8の回転軸7を回転させている。
【実施例0012】
図1は、本発明の、チップジェット式ヘリコプターの回転翼(実施例1)を、上から見た平面図である。回転翼1の回転中心5を中心にして反時計回りに回転する。翼端にラムエア・タービン3を有し、反対側の翼端に燃焼器2を有している。燃焼器2からは、矢印4の方向に高温の燃焼ジェットガスが噴出し、その反動で回転翼1を回転させる。
【0013】
図2は、
図1の回転翼1の内部を説明する為の断面図である。ラムエア・タービン3の回転軸はギヤボックス6につながっており、そのギヤボックス6からは、圧縮機8の回転軸7が出ている。
【0014】
つまり、回転翼1が回転すれば、ラムエア・タービン3に風が当たり、それにより、ギヤボックス6を介して、圧縮機8の回転軸7が回転し、圧縮機8により作られた高圧空気は、高圧空気管9で、燃焼器2に導かれ、そこで燃料と共に燃焼し、高温のガスと成って、図の矢印4の方向にジェット噴出し、その反動で回転翼1は回転する。なお、圧縮機8に必要な空気は、空気取入口10より取り込まれる。
圧縮機8の回転軸7が回転する事で、圧縮機8により作られた高圧空気は、高圧空気管9で、燃焼器2に導かれ、そこで燃料と共に燃焼し、高温のガスと成って、図の矢印4の方向にジェット噴出し、その反動で回転翼1は回転する。なお、圧縮機8に必要な空気は、空気取入口10より取り込まれる。
このように、実施例1と、実施例2は、共に、ガスタービンエンジンの欠点である、高温ガスによって回転するタービンを持つこと無しに、圧縮機8の回転軸7を回転させている。