(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049542
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】駅務システム及び駅務プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230403BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230403BHJP
【FI】
G07B15/00 B
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159332
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 太
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA50
3E127CA02
3E127CA03
3E127CA39
3E127CA41
3E127DA02
3E127DA16
3E127DA17
3E127DA29
3E127DA33
3E127EA02
3E127EA21
3E127EA27
3E127EA43
3E127FA50
3E127FA53
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】駅務機器を改修することなく非交通系ICカードを利用可能にすること。
【解決手段】実施形態に係る駅務システムであって、駅務機器と、駅務機器に接続された認証サーバと、駅務機器及び認証サーバに接続された遠隔サーバと、を備え、駅務機器は、無料又は割引された運賃で交通機関を利用可能な第1のICカードのIDを含む取得情報を取得する取得部と、取得情報を送信する第1の通信部と、を備え、認証サーバは、取得情報を受信する第2の通信部と、取得情報に含まれるIDが正しいIDであるかを判定する判定部と、判定結果及び取得情報を含む判定取得情報を送信する第3の通信部と、を備え、遠隔サーバは、判定取得情報を受信する第4の通信部と、判定取得情報に含まれる判定結果に基づいて駅務機器を動作させる駅務機器制御指示を生成する駅務機器制御部と、駅務機器指示を駅務機器に送信する第5の通信部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅務機器と、
前記駅務機器に接続された認証サーバと、
前記駅務機器及び前記認証サーバに接続された遠隔サーバと、
を備える駅務システムであって、
前記駅務機器は、
無料又は割引された運賃で交通機関を利用可能な第1のICカードのIDを含む取得情報を取得する取得部と、
前記取得情報を送信する第1の通信部と、
を備え、
前記認証サーバは、
前記取得情報を受信する第2の通信部と、
前記取得情報に含まれる前記IDが正しいIDであるかを判定する判定部と、
前記判定結果及び前記取得情報を含む判定取得情報を送信する第3の通信部と、
を備え、
前記遠隔サーバは、
前記判定取得情報を受信する第4の通信部と、
前記判定取得情報に含まれる前記判定結果に基づいて前記駅務機器を動作させる駅務機器制御指示を生成する駅務機器制御部と、
前記駅務機器制御指示を前記駅務機器に送信する第5の通信部と、
を備える、駅務システム。
【請求項2】
前記駅務機器に接続された第1のICカードリーダをさらに備え、前記取得部は、前記第1のICカードリーダに翳された前記第1のICカードから前記IDを取得する、請求項1に記載の駅務システム。
【請求項3】
駅務機器は、前記第1のICカードリーダと異なる第2のICカードリーダ及び出力部をさらに備え、前記第2のICカードリーダに第1のICカードが翳された場合、前記取得部は、前記出力部に誤入力情報を出力する、請求項2に記載の駅務システム。
【請求項4】
前記駅務機器は、券売機であり、前記判定結果が肯定情報を含む場合、前記駅務機器制御指示は、割引乗車券発券指示である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駅務システム。
【請求項5】
前記駅務機器は、改札機であり、前記判定結果が肯定情報を含む場合、前記駅務機器制御指示は、ドア開放指示である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駅務システム。
【請求項6】
前記認証サーバは、複数の認証サーバを備え、前記駅務システムは、ID判定サーバをさらに備え、前記ID判定サーバは、
前記取得情報を受信する第6の通信部と、
前記取得情報に含まれるIDに基づいて前記複数の認証サーバのうちのいずれに前記取得情報を送信するかを決定するID振り分け制御部と、
前記決定した認証サーバに前記取得情報を送信する第7の通信部と、
を備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の駅務システム。
【請求項7】
前記認証サーバは、前記第1のICカードを発行した事業者によって管理され、前記遠隔サーバは、前記駅務機器を管理する事業者によって管理される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駅務システム。
【請求項8】
前記認証サーバ及び前記遠隔サーバは、同一のサーバである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駅務システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の前記遠隔サーバの各部としてプロセッサを機能させる駅務プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駅務システム及び駅務プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
行政等が発行する敬老パスを所持するユーザは、当該敬老パスを利用して鉄道又はバス等の交通機関の運賃を支払わずに又は割引された運賃で利用することが可能である。交通機関を管理する事業者(以下では交通事業者と記載する)は、敬老パスを利用した回数に応じて行政から支払いを受けている。
【0003】
しかしながら、敬老パスが紙媒体で発行されている場合、交通事業者は、ユーザがどの程度公共交通機関を利用しているかを把握するのが困難である。そのため、敬老パスをICカードで発行し、当該ICカードを用いて公共交通機関を利用することが検討されている。例えば、特許文献1に開示されるように、交通事業者が発行していないICカードを用いた鉄道の利用が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
交通事業者が発行していないICカード(以下では、非交通系ICカードと称する)は、交通事業者が発行しているICカード(以下では、交通系ICカードと称する)と通信規格が異なる。そのため、非交通系ICカードは、券売機又は改札機に設置された交通系ICカードリーダと通信することができない。しかしながら、券売機又は改札機で非交通系ICカードを利用するために券売機又は改札機を改修する場合、多額の費用が掛かるという問題がある。
【0006】
また、不正防止のため、非交通系ICカードを利用する際に、正しいIDであるか等の認証を行う必要がある。この認証のために非交通系ICカードのID、発行状況を交通事業者が管理すると、これらの情報をセキュアに保持する必要がある。
【0007】
この発明の課題は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、券売機又は改札機等を改修せずに非交通系ICカードを用いたユーザにサービスを提供することにある。加えて、非交通系ICカードのID等を交通事業者が管理しなくても認証することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る駅務システムは、駅務機器と、前記駅務機器に接続された認証サーバと、前記駅務機器及び前記認証サーバに接続された遠隔サーバと、を備える駅務システムであって、前記駅務機器は、無料又は割引された運賃で交通機関を利用可能な第1のICカードのIDを含む取得情報を取得する取得部と、前記取得情報を送信する第1の通信部と、を備え、前記認証サーバは、前記取得情報を受信する第2の通信部と、前記取得情報に含まれる前記IDが正しいIDであるかを判定する判定部と、前記判定結果及び前記取得情報を含む判定取得情報を送信する第3の通信部と、を備え、前記遠隔サーバは、前記判定取得情報を受信する第4の通信部と、前記判定取得情報に含まれる前記判定結果に基づいて前記駅務機器を動作させる駅務機器制御指示を生成する駅務機器制御部と、前記駅務機器制御指示を前記駅務機器に送信する第5の通信部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態における駅務システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、券売機、認証サーバ、及び遠隔サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、券売機のソフトウェア構成を
図2に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図4】
図4は、認証サーバ及び遠隔サーバのソフトウェア構成を
図2に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図5】
図5は、券売機に非交通系ICカードが翳された場合の券売機、認証サーバ、及び遠隔サーバの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施形態における駅務システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る改札機、認証サーバ、及び遠隔サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、改札機のソフトウェア構成を
図7に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図9】
図9は、認証サーバ及び遠隔サーバのソフトウェア構成を
図7に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図10】
図10は、改札機に非交通系ICカードが翳された場合の改札機、認証サーバ、及び遠隔サーバの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の第3の実施形態における駅務システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、ID振り分けサーバのハードウェア構成及び当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、券売機に非交通系ICカードが翳された場合の券売機、認証サーバ、遠隔サーバ、及びID振り分けサーバの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら駅務システム及び駅務プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0011】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態における駅務システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
駅務システムは、A駅に配置された第1の券売機1A、非交通系ICカードリーダ2A、B駅に配置された第2の券売機1B、非交通系ICカードリーダ2B、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4を備える。
【0013】
第1の券売機1A、第2の券売機1B、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4は互いに、ネットワーク5を通じて接続される。
【0014】
ここで、駅務機器である、第1の券売機1A及び第2の券売機1Bは、特に区別する必要が無い場合、単に券売機1と記載する。非交通系ICカードリーダ2A及び非交通系ICカードリーダ2Bも同様に、特に区別する必要が無い場合、単に非交通系ICカードリーダ2と記載する。
【0015】
券売機1は、例えば、ユーザが鉄道を利用しようとする駅に設置され、鉄道を利用する際に乗車券等を発券する。また、券売機1は、通常の発券動作に加えて、行政等が行っている特定のサービス(例えば敬老パス等)を用いて鉄道を利用しようとするユーザに対して無料又は割引された運賃で利用していることを示す割引乗車券を発券することが可能である。また、
図1では各駅に券売機1が1つのみある例を示しているが、各駅に複数の券売機1が設置されていても良いのは勿論である。
【0016】
第1のICカードリーダである、非交通系ICカードリーダ2は、券売機1の近傍に設置され、券売機1と有線又は無線で接続される。非交通系ICカードリーダ2は、敬老パス、職務乗車票等を含む非交通系ICカード(第1のICカード)が翳された場合に非交通系ICカードに含まれる媒体情報を読み取る。そして、読み取った媒体情報を券売機1に送信することが可能である。ここで、非交通系ICカードは、行政等が発行したICカードであり、無料又は割引された運賃で交通機関を利用するためのICカードであって良い。さらに、非交通系ICカードは、その他のサービスを利用可能なことを示しても良い。
【0017】
また、非交通系ICカードリーダ2は、QRコード(登録商標)を読み取ることが可能なQRコードリーダであっても良い。すなわち、行政等が非交通系ICカードを発行せずにQRコードを発行する場合、非交通系ICカードリーダ2は、QRコードリーダに置き換え可能である。
【0018】
認証サーバ3は、例えば、非交通系ICカードを発行している行政等の施設内に設置される。そして、認証サーバ3は、非交通系ICカードの発行状況、ID等を管理する。
【0019】
遠隔サーバ4は、券売機1を管理する交通事業者の施設内に設置される。また、遠隔サーバ4は、券売機1の動作を制御することが可能である。なお、
図1では認証サーバ3と遠隔サーバ4が別個の装置として示されているが、同一の装置であっても良い。この場合、当該装置は、認証サーバ3及び遠隔サーバ4の機能を有する装置であれば良い。
【0020】
図2は、券売機1、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
券売機1は、PC(Personal Computer)などのコンピュータによって実現される。券売機1は、制御部11、記憶部12、入出力インタフェース13、通信インタフェース14、交通系ICカードリーダ15、入力部16、及び出力部17を備える。制御部11、記憶部12、入出力インタフェース13、及び通信インタフェース14は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース13は、交通系ICカードリーダ15、入力部16及び出力部17と互いに通信可能に接続されている。
【0022】
制御部11は、券売機1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0023】
記憶部12は、記憶媒体である。記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部12は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0024】
入出力インタフェース13は、交通系ICカードリーダ15、入力部16及び出力部17との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。さらに入出力インタフェース13は、非交通系ICカードリーダ2と接続される。そして、入出力インタフェース13は、非交通系ICカードと情報の送受信を可能にするインタフェースでもある。
【0025】
通信インタフェース14は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース14は、LAN又はインターネット等を含むネットワーク5を介して認証サーバ3及び遠隔サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース14は、制御部11の制御の下、認証サーバ3及び遠隔サーバ4との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0026】
ここで、入出力インタフェース13は、通信インタフェース14の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース13は、交通系ICカードリーダ15、入力部16、出力部17、及び非交通系ICカードリーダ2と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0027】
第2のICカードリーダである、交通系ICカードリーダ15は、例えば、交通事業者が発行する交通系ICカード(第2のICカード)から各種情報を読み取ることが可能なカードリーダである。例えば、交通系ICカードリーダ15は、近距離無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)技術のうちの1つであるFeliCa(登録商標)を用いて交通系ICカードから各種情報を取得可能なリーダである。また、非交通系ICカードが翳された場合、交通系ICカードリーダ15は、非交通系ICカードから各種情報を取得することはできないが、交通系ICカードと異なるICカードが翳されたことを検知することは可能である。なお、
図2で示すように、非交通系ICカードリーダ2及び交通系ICカードリーダ15は、別個のカードリーダとして示されている。しかしながら、交通系ICカードリーダ15に非交通系ICカードリーダ2を組み込んでも良い。すなわち、券売機1内に配置される交通系ICカードリーダは、交通系ICカード及び非交通系ICカードから各種情報を取得可能なカードリーダであっても良い。
【0028】
入力部16は、例えば、出力部17に含まれる表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース13を介して、ユーザのタッチ位置に対応した信号を制御部11に出力する。また、入力部16は、例えば、券売機1のユーザ(例えば、敬老パスを所持する旅客等)が券売機1に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0029】
出力部17は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、入出力インタフェース13から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。例えば、入力部16及び表示デバイスは、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部16又は出力部17は、タッチスクリーン上に表示されたボタンにユーザがタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部11に出力しても良い。また、出力部17は、制御部11からの指示に従って敬老パス等を利用して交通機関を利用することを望むユーザに対して割引乗車券を発券可能な発券部を備えていても良い。なお、入力部16及び出力部17は、所定のボタンを備え、当該ボタンを押すことで乗車券又は割引乗車券が発行可能なデバイスであっても良い。
【0030】
非交通系ICカードリーダ2は、例えば、行政等が発行する非交通系ICカードから各種情報を読み取ることが可能なリーダである。例えば、非交通系ICカードリーダ2は、NFC技術の1つであるType-Bを用いて非交通系ICカードから各種情報を読取り可能なリーダであって良い。すなわち、非交通系ICカードは、交通系ICカードと異なるNFC技術で通信可能なカードであるため、交通系ICカードリーダ15では各種情報を読み取ることができず、非交通系ICカードリーダ2で各種情報を読取り可能である。なお、交通系ICカードリーダ15に非交通系ICカードリーダ2を組み込んだ場合、非交通系ICカードが交通系ICカードリーダ15で各種情報を読取り可能となるのは勿論である。
【0031】
認証サーバ3は、PCなどのコンピュータによって実現される。認証サーバ3は、制御部31、記憶部32、入出力インタフェース33、通信インタフェース34、入力部36、及び出力部37を備える。制御部31、記憶部32、入出力インタフェース33、及び通信インタフェース34は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース33は、入力部36及び出力部37と互いに通信可能に接続されている。
【0032】
制御部31は、認証サーバ3を制御する。制御部31は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0033】
記憶部32は、記憶媒体である。記憶部32は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部32は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0034】
入出力インタフェース33は、入力部36及び出力部37との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。
【0035】
通信インタフェース34は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース34は、ネットワーク5を介して券売機1及び遠隔サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース34は、制御部31の制御の下、券売機1及び遠隔サーバ4との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0036】
ここで、入出力インタフェース33は、通信インタフェース34の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース33は、入力部36及び出力部37と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0037】
入力部36は、例えば、出力部37に含まれる表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース33を介して、認証サーバ3の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部31に出力する。また、入力部36は、例えば、認証サーバ3の管理者が認証サーバ3に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0038】
出力部37は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、入出力インタフェース33から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。例えば、入力部36及び出力部37は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部36又は出力部37は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に認証サーバ3の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部31に出力しても良い。
【0039】
遠隔サーバ4は、PCなどのコンピュータによって実現される。遠隔サーバ4は、制御部41、記憶部42、入出力インタフェース43、通信インタフェース44、入力部46、及び出力部47を備える。制御部41、記憶部42、入出力インタフェース43、及び通信インタフェース44は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース43は、入力部46及び出力部47と互いに通信可能に接続されている。
【0040】
制御部41は、遠隔サーバ4を制御する。制御部41は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0041】
記憶部42は、記憶媒体である。記憶部42は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部42は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0042】
入出力インタフェース43は、入力部46及び出力部47との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。
【0043】
通信インタフェース44は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース44は、ネットワーク5を介して券売機1及び認証サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース44は、制御部41の制御の下、券売機1及び認証サーバ3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0044】
また、入出力インタフェース43は、通信インタフェース44の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース43は、入力部46及び出力部47と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでいても良い。
【0045】
入力部46は、例えば、出力部47に含まれる表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース43を介して、遠隔サーバ4の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部41に出力する。また、入力部46は、例えば、遠隔サーバ4の管理者が遠隔サーバ4に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0046】
出力部47は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、入出力インタフェース43から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。例えば、入力部46及び出力部47は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部46又は出力部47は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等に遠隔サーバ4の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部41に出力しても良い。
【0047】
図3は、券売機1のソフトウェア構成を
図2に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
制御部11は、媒体情報取得部111、通信制御部112、及び発券制御部113を備える。
【0048】
媒体情報取得部111は、ICカードリーダに翳されたICカードが記憶している媒体情報を取得する。例えば、非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードが翳されると、媒体情報取得部111は、非交通系媒体情報を取得する。媒体情報は、非交通系ICカードのカード番号及びID等の非交通系ICカードを特定することが可能な情報を含む各種情報であって良い。同様に、交通系ICカードリーダ15に交通系ICカードが翳されると、媒体情報取得部111は、交通系媒体情報を取得する。しかしながら、この動作は一般的な処理方法によって処理されれば良いため、ここでは説明を省略する。ここで、以下では、簡単化のために、非交通系媒体情報を単に媒体情報と記載する。媒体情報取得部111は、媒体情報を取得した日時を示す日時情報も取得しても良い。さらに媒体情報取得部111は、記憶部12に記憶された券売機情報を取得する。券売機情報は、券売機1がどの駅のどこに設置された券売機(例えば、A駅の第1の券売機1A)であるかを示す情報を含む。そして媒体情報取得部は、媒体情報及び券売機情報を含む取得情報を通信制御部112に出力する。なお、取得情報は、日時情報を含んでも良い。
【0049】
また、媒体情報取得部111は、非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードが翳されたかを判定する判定部として機能しても良い。例えば、交通系ICカードが誤って非交通系ICカードリーダ2に翳された場合、非交通系ICカードリーダ2は、ICカードが読み取れないことを示す信号を媒体情報取得部111に出力する。媒体情報取得部111は、当該信号に基づいて、非交通系ICカードリーダ2に誤ったICカードが翳されたことを示す誤入力情報を出力部17に出力する。出力部17は、誤入力情報に基づいて、例えば、表示デバイス上に、非交通系ICカードリーダ2が読み取ることのできない交通系ICカードが翳されているので、当該交通系ICカードを交通系ICカードリーダ15に翳すよう指示する情報を表示して良い。同様に、交通系ICカードリーダ15に非交通系ICカードが翳された場合、媒体情報取得部111は、表示デバイス上に、交通系ICカードリーダ15が読み取ることのできない非交通系ICカードが翳されているので、当該非交通系ICカードを非交通系ICカードリーダ2に翳すよう指示する情報を表示して良い。
【0050】
通信制御部112は、通信インタフェース14を通じて、媒体情報取得部111から取得した媒体情報と券売機情報を含む取得情報を認証サーバ3に送信する。また、通信制御部112は、遠隔サーバ4から発券又は非発券指示を含む各種情報を受信する。通信制御部112は、受信したこれらいずれかの指示を発券制御部113に出力する。
【0051】
発券制御部113は、通信制御部112から受信した発券指示又は非発券指示に応じて発券処理を制御する。例えば、発券指示を受信した場合、発券制御部113は、出力部17の表示デバイス上に発券ボタンを表示し、ユーザにタッチしてもらうように促す。或いは、発券制御部113は、表示デバイスに発券ボタンを表示せずに単に、発券指示に応じて出力部17の発券部での発券動作を制御しても良い。
【0052】
記憶部12は、券売機情報を記憶しても良い。例えば、券売機1がどの駅のどの場所に配置されている券売機であるかを示す券売機情報(例えば、A駅の第1の券売機1Aであることを示す情報)を記憶していても良い。また、記憶部12は、制御部11の各部が取得した各種情報を記憶しても良い。
【0053】
図4は、認証サーバ3及び遠隔サーバ4のソフトウェア構成を
図2に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
認証サーバ3の制御部31は、通信制御部311及びID判定部312を備える。
【0054】
通信制御部311は、通信インタフェース34を通じて、券売機1から送信された取得情報を受信する。そして、通信制御部311は、受信した取得情報をID判定部312に出力する。また、通信制御部311は、後述する判定取得情報をID判定部312から受信する。そして、通信制御部311は、通信インタフェース34を通じて、受信した判定取得情報を遠隔サーバ4に送信する。
【0055】
ID判定部312は、取得情報に含まれるICカードが認証可能かを判定する。すなわち、ID判定部は、ICカードのIDが正しいか判定する。例えば、ID判定部312は、取得情報に含まれるICカードのIDが記憶部32から取得したIDと一致するかを判定する。また、特定のサービスを利用するために条件がある場合、ID判定部312は、当該条件についても判定して良い。そして、ID判定部312は、判定した結果及び取得情報を含む判定取得情報を通信制御部311に出力する。
【0056】
記憶部32は、行政が発行したICカードの発行状況、当該ICカードのカード番号及びID等を記憶していても良い。また、記憶部32は、行政が行っている特定のサービスの利用条件を記憶していても良い。例えば、記憶部32は、特定のサービスが平日のみ利用可能である、又は所定の時間の間で利用可能である等の情報を記憶していても良い。さらに、記憶部32は、制御部31の各部で取得した各種情報を記憶しても良い。
【0057】
遠隔サーバ4の制御部41は、通信制御部411及び券売機制御部412を備える。
【0058】
通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、認証サーバ3から送信された判定取得情報を受信する。そして、通信制御部411は、受信した判定取得情報を券売機制御部412に出力する。また、通信制御部411は、後述する駅務機器制御指示を券売機制御部412から受信する。そして、通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、受信した駅務機器制御指示を券売機1に送信する。
【0059】
券売機制御部412は、判定取得情報に含まれる認証サーバ3による判定結果に基づいて券売機1で発券を行う又は発券ができない旨を示す駅務機器制御指示を生成する。そして、券売機制御部412は、駅務機器制御指示を通信制御部411に出力する。
【0060】
記憶部42は、券売機1の設置状況、券売機1のIPアドレス等を記憶していてもよい。例えば、通信制御部411は、当該IPアドレスに従って券売機1に各種情報を送信することが可能である。また、記憶部42は、券売機1に各種動作を行わせるための指示を記憶していても良い。例えば、記憶部42は、券売機1に割引乗車券を発券するための指示を記憶していても良い。さらに、記憶部42は、制御部41の各部で取得した各種情報を記憶しても良い。例えば、遠隔サーバ4の管理者は、記憶部42に記憶された情報に基づいて、所定の期間に券売機1で非交通系ICカードが何回利用されたかを把握することが可能になる。
【0061】
(動作)
図5は、券売機1に非交通系ICカードが翳された場合の券売機1、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4の処理手順の一例を示すフローチャートである。
券売機1の制御部11、認証サーバ3の制御部31、及び遠隔サーバ4の制御部41の記憶部12、記憶部32、及び記憶部42それぞれに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0062】
このフローチャートは、ユーザがカードリーダに非交通系ICカードを翳した場合に開始する。なお、ユーザが交通系ICカードを券売機1に翳す場合は一般的な方法で処理すれば良いのでここでの詳細な説明は省略する。
【0063】
媒体情報取得部111は、正しいカードリーダに非交通系ICカードが翳されているか判定する(ステップST11)。例えば、非交通系ICカードが交通系ICカードリーダ15に翳されている場合、媒体情報取得部111は、交通系ICカードリーダ15からの情報に基づいて誤ったカードリーダに非交通系ICカードが翳されていると判定する。一方、非交通系ICカードが非交通系ICカードリーダ2に翳された場合、媒体情報取得部111は、非交通系ICカードリーダ2からの情報に基づいて正しいカードリーダに非交通系ICカードが翳されていると判定する。
【0064】
正しいカードリーダに非交通系ICカードが翳されていないと判定した場合、媒体情報取得部111は、誤入力情報を出力部17に出力する(ステップST12)。出力部17は、誤入力情報に応じて、出力部17の表示デバイス上に誤ったカードリーダに非交通系ICカードが翳されている旨を表示し、ユーザが正しいカードリーダである非交通系ICカードリーダ2に、非交通系ICカードを翳すように促しても良い。
【0065】
一方、正しいカードリーダである非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードが翳されたと判定した場合、媒体情報取得部111は、非交通系ICカードリーダ2が取得した非交通系ICカードの媒体情報を取得する(ステップST13)。媒体情報は、非交通系ICカードのカード番号及びID等の非交通系ICカードリーダを特定することが可能な情報を含む。また、媒体情報取得部111は、媒体情報を取得した日時を取得しても良い。
【0066】
ここで、非交通系ICカードリーダ2が交通系ICカードリーダ15に組み込まれている場合、上記ステップST11で、媒体情報取得部111は、いずれのICカードが交通系ICカードリーダ15に翳されたのかを判定する。例えば、非交通系ICカードが翳された場合、媒体情報取得部111は、非交通系ICカードから媒体情報を取得すれば良い。
【0067】
媒体情報取得部111は、取得情報を出力する(ステップST14)。媒体情報取得部111は、記憶部12に記憶された券売機情報を取得する。そして、媒体情報取得部111は、媒体情報及び券売機情報を含む取得情報を生成する。なお、生成情報は、日時情報を含んでも良い。そして、媒体情報取得部111は、生成した取得情報を通信制御部112に出力する。通信制御部112は、取得情報を媒体情報取得部111から受信すると、通信インタフェース14を通じて、当該取得情報を認証サーバ3に送信する。
【0068】
認証サーバ3のID判定部312は、取得情報に含まれるICカードのIDが正しいかを判定する(ステップST15)。通信制御部311は、通信インタフェース34を通じて、取得情報を受信する。そして、通信制御部311は、受信した取得情報をID判定部312に出力する。ID判定部312は、取得情報中の媒体情報に含まれるICカードのIDを取得する。そして、ID判定部312は、記憶部32に記憶されたIDと照合し、取得情報中に含まれるICカードのIDが正しいIDであるか、すなわちICカードが認証可能かを判定する。また、敬老パス等による無料又は割引された運賃が適用されるのが特定の条件(例えば、平日のみ、所定の時間の間等)を満たす必要がある場合、ID判定部312は、取得情報中に含まれる日時情報に基づいて、特定の条件を満たすかも判定して良い。
【0069】
IDが正しいと判定した場合、ID判定部312は、肯定情報及び取得情報を含む判定取得情報を通信制御部311に出力する(ステップST16)。IDが正しいと判定した場合、ID判定部312は、IDが正しいことを示す肯定情報を生成する。そして、ID判定部312は、肯定情報及び取得情報を含む判定取得情報を通信制御部311に出力する。そして、通信制御部311は、通信インタフェース34を通じて、判定取得情報を遠隔サーバ4に送信する。
【0070】
遠隔サーバ4の券売機制御部412は、券売機発券指示を出力する(ステップST17)。遠隔サーバ4の通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、判定取得情報を受信する。そして、通信制御部411は、受信した判定取得情報を券売機制御部412に出力する。券売機制御部412は、判定取得情報に含まれる肯定情報に基づいてユーザに割引乗車券を発券する指示を含む券売機発券指示を生成する。さらに、券売機制御部412は、取得情報に含まれる券売機情報に基づいていずれの駅のいずれの券売機1(例えば、A駅の第1の券売機1A)に当該券売機発券指示を送信する必要があるかを判定する。そして、券売機制御部412は、判定された券売機1に対応するIPアドレスを記憶部42から取得し、当該IPアドレス等を含む送信情報を生成する。そして、券売機制御部412は、券売機発券指示及び送信情報を通信制御部411に出力する。通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、送信情報に示されたIPアドレス(例えば、第1の券売機1A)に券売機発券指示を送信する。
【0071】
券売機1の発券制御部113は、発券指示を出力部17に出力する(ステップST18)。券売機1の通信制御部112は、通信インタフェース14を通じて、券売機発券指示を受信する。そして、通信制御部112は、受信した券売機発券指示を発券制御部113に出力する。発券制御部113は、券売機発券指示に基づいて発券指示を出力部17に出力する。発券指示は、出力部17の表示デバイス上に発券ボタンを表示させる指示であって良い。入力部16からユーザが当該ボタンにタッチしたことを示す情報を受信すると、発券制御部113は、発券を行う指示を出力部17に出力する。当該指示に応じて、出力部17の発券部は、割引乗車券を発券する。なお、割引運賃の場合、ユーザから運賃を徴収するのは勿論である。或いは、発券指示は、出力部17に割引乗車券を発券する指示であっても良い。すなわち、ユーザが非交通系ICカードを翳し、当該非交通系ICカードが認証された場合、当該発券指示により出力部17の発券部は、割引乗車券を発券しても良い。
【0072】
ステップST15で、ID判定部312がICカードのIDが正しくないと判定した場合、ID判定部は、否定情報及び取得情報を含む判定取得情報を通信制御部311に出力する(ステップST19)。IDが正しくないと判定した場合、ID判定部312は、IDが正しくないことを示す否定情報を生成する。そして、ID判定部312は、否定情報及び取得情報を含む判定取得情報を通信制御部311に出力する。そして、通信制御部311は、通信インタフェース34を通じて、判定取得情報を遠隔サーバ4に送信する。
【0073】
遠隔サーバ4の券売機制御部412は、券売機非発券指示を出力する(ステップST20)。遠隔サーバ4の通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、判定取得情報を受信する。そして、通信制御部411は、受信した判定取得情報を券売機制御部412に出力する。券売機制御部412は、判定取得情報に含まれる否定情報に基づいてユーザが特定のサービスを受けることができないことを示す券売機非発券指示を生成する。さらに、券売機制御部412は、取得情報に含まれる券売機情報に基づいていずれの駅のいずれの券売機1(例えば、A駅の第1の券売機1A)に当該券売機非発券指示を送信する必要があるかを示す送信情報を生成する。そして、券売機制御部412は、券売機非発券指示及び送信情報を通信制御部411に出力する。通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、送信情報に示された券売機1に券売機非発券指示を送信する。
【0074】
券売機1の発券制御部113は、非発券指示を出力部17に出力する(ステップST21)。券売機1の通信制御部112は、通信インタフェース14を通じて、券売機非発券指示を受信する。そして、通信制御部112は、受信した券売機非発券指示を発券制御部113に出力する。発券制御部113は、券売機非発券指示に基づいて非発券指示を出力部17に出力する。非発券指示は、出力部17の表示デバイス上に、ユーザのICカードでは指定されたサービスが利用できない旨の情報を表示させる指示であって良い。ユーザは、当該表示に応じて、正しいICカードを非交通系ICカードリーダ2に翳す等の対応をすることになる。
【0075】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、券売機1の近傍又は券売機1内に非交通系ICカードリーダ2を配置し、遠隔サーバ4が割引乗車券の発券指示を出力することにより、券売機1を改修する必要が無くなる。そのため、券売機1の改修を行うよりも安価な費用で非交通系ICカードによる割引乗車券の発行を実施することが出来る。
【0076】
また、行政等が所持する認証サーバ3上で非交通系ICカードのIDの認証を行うことにより、券売機を管理する交通事業者が非交通系ICカードのID等を管理する必要が無い。そのため、交通事業者が非交通系ICカードの不正利用に対応するセキュリティ対策を新たに構築する必要が無い。
【0077】
さらに、交通事業者は、非交通系ICカードを利用した回数を把握することが容易になるため、割引乗車券がどれだけ発行されたかを把握することが可能になる。そのため、交通事業者は、正しく把握した回数に応じて行政等に費用を請求することが可能となる。
【0078】
[第2の実施形態]
(構成)
図6は、本発明の第2の実施形態における駅務システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0079】
駅務システムは、A駅に配置された改札機6A、非交通系ICカードリーダ2A、B駅に配置された改札機6B、非交通系ICカードリーダ2B、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4を備える。
【0080】
改札機6A、改札機6B、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4は互いに、ネットワーク5を通じて接続される。
【0081】
ここで、駅務機器である改札機6A及び改札機6Bは、特に区別する必要が無い場合、単に改札機6と記載する。非交通系ICカードリーダ2A及び非交通系ICカードリーダ2Bも同様に、特に区別する必要が無い場合、単に非交通系ICカードリーダ2と記載する。
【0082】
第1の実施形態との違いは券売機1の代わりに改札機6を使用することである。そして、非交通系ICカードリーダ2は、改札機6の近傍又は改札機6上に設置される。
【0083】
改札機6は、例えば、ユーザが鉄道を利用しようとする駅に設置され、駅構内への入出場を制御する。改札機6は、ユーザが所持するICカードから媒体情報を取得し、当該媒体情報に基づいて通行の可否を判定する。また、改札機6は、判定結果に基づいてユーザの通行を制御する。
【0084】
図7は、第2の実施形態に係る改札機6、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0085】
改札機6は、PCなどのコンピュータによって実現される。改札機6は、制御部61、記憶部62、入出力インタフェース63、通信インタフェース64、交通系ICカードリーダ65、入力部66、及び出力部67を備える。制御部61、記憶部62、入出力インタフェース63、及び通信インタフェース64は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース63は、交通系ICカードリーダ65、入力部66及び出力部67と互いに通信可能に接続されている。
【0086】
制御部61は、改札機6を制御する。制御部61は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0087】
記憶部62は、記憶媒体である。記憶部62は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部62は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0088】
入出力インタフェース63は、交通系ICカードリーダ65、入力部66及び出力部67との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。さらに入出力インタフェース63は、非交通系ICカードリーダ2と接続される。そして、入出力インタフェース63は、非交通系ICカードと情報の送受信を可能にするインタフェースでもある。
【0089】
通信インタフェース64は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース64は、LAN又はインターネット等を含むネットワーク5を介して認証サーバ3及び遠隔サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース64は、制御部61の制御の下、認証サーバ3及び遠隔サーバ4との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0090】
ここで、入出力インタフェース63は、通信インタフェース64の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース63は、交通系ICカードリーダ65、入力部66、出力部67、及び非交通系ICカードリーダ2と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0091】
交通系ICカードリーダ65は、交通系ICカードリーダ15と同様の構成で良い。
【0092】
入力部66は、例えば、記憶部62に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含み得る。
【0093】
出力部67は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、入出力インタフェース63から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。また、出力部67は、PCやスマートフォン等の他の情報処理装置に入力するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体に書き込むためのライタや、そのようなデータをディスク媒体に書き込むためのディスク装置を含み得る。
【0094】
ドア68は、制御部61の制御に従って開閉し、ユーザの通行(入場又は出場)を制御する。例えば、ユーザを一旦停止させる場合又はユーザの通行を不可とする場合、ドア68が閉じて旅客の通行を阻止する。一方、ユーザの通行を許可する場合、ドア68が開放されて旅客の通行を許可する。
【0095】
図8は、改札機6のソフトウェア構成を
図7に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
制御部61は、媒体情報取得部611、通信制御部612、及び改札機制御部613を備える。
【0096】
媒体情報取得部611は、ICカードリーダに翳されたICカードが記憶している媒体情報を取得する。例えば、非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードが翳されると、媒体情報取得部611は、非交通系媒体情報を取得する。媒体情報は、非交通系ICカードのカード番号及びID等の非交通系ICカードを特定することが可能な情報を含む各種情報であって良い。同様に、交通系ICカードリーダ15に交通系ICカードが翳されると、媒体情報取得部611は、交通系媒体情報を取得する。しかしながら、この動作は一般的な処理方法によって処理されれば良いため、ここでは説明を省略する。媒体情報取得部611は、媒体情報を取得した日時を示す日時情報も取得しても良い。さらに媒体情報取得部611は、記憶部62に記憶された改札機情報を取得する。そして媒体情報取得部は、媒体情報及び改札機情報を含む取得情報を通信制御部612に出力する。なお、取得情報は、日時情報を含んでも良い。
【0097】
また、媒体情報取得部611は、非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードが翳されたかを判定する判定部として機能しても良い。例えば、交通系ICカードが誤って非交通系ICカードリーダ2に翳された場合、非交通系ICカードリーダ2は、ICカードが読み取れないことを示す信号を媒体情報取得部611に出力する。媒体情報取得部611は、当該信号に基づいて、非交通系ICカードリーダ2に誤ったICカードが翳されたことを示す誤入力情報を出力部67に出力する。出力部67は、誤入力情報に基づいて、例えば、表示デバイス上に、翳されたICカードが読み取れないので交通系ICカードにICカードを翳すよう指示する情報を表示して良い。同様に、交通系ICカードリーダ65に非交通系ICカードが翳された場合、媒体情報取得部611は、交通系ICカードからの情報に基づいて誤入力情報を出力部67に出力して良い。さらに、媒体情報取得部611は、当該誤入力情報を改札機制御部613に出力する。改札機制御部613は、当該誤入力情報に基づいてドア68を閉じてユーザの通行を阻止する。
【0098】
通信制御部612は、通信インタフェース64を通じて、媒体情報取得部611から取得した媒体情報と改札機情報を含む取得情報を認証サーバ3に送信する。また、通信制御部612は、遠隔サーバ4から改札機開放指示又は改札機閉鎖指示を含む各種情報を受信する。通信制御部612は、受信した指示を改札機制御部613に出力する。
【0099】
改札機制御部613は、通信制御部612から受信した改札機開放指示又は改札機閉鎖指示に応じてドアを開閉して、ユーザの通行を制御する。例えば、改札機開放指示を受信した場合、改札機制御部613は、ドアを開放するように制御し、ユーザの通行を許可する。さらに、改札機制御部613は、改札機開放指示に応じて割引表示情報を出力部67に出力する。割引表示情報は、ユーザの運賃が無料又は割引された運賃であることを示す情報である。ここで、割引された運賃でユーザが交通機関を利用する場合、制御部61は、非交通系ICカードリーダ2に翳された非交通系ICカードから所定の金額を引き去るように動作して良い。一方、改札機閉鎖指示を受信した場合、改札機制御部613は、ドアを閉じるように制御し、ユーザの通行を阻止する。そして、改札機制御部613は、出力部67にドア閉鎖指示を出力する。ドア閉鎖指示は、ICカードが認証されず、ユーザが通行できないことを示す情報である。
【0100】
記憶部62は、改札機情報を記憶しても良い。例えば、改札機6がどの駅のどの場所に配置されている改札機であるかを示す改札機情報(例えば、A駅の改札機6Aであることを示す情報)を記憶していても良い。また、記憶部62は、制御部61の各部が取得した各種情報を記憶しても良い。
【0101】
図9は、認証サーバ3及び遠隔サーバ4のソフトウェア構成を
図7に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
図9に示すように、認証サーバ3は、第1の実施形態と同様のソフトウェア構成である一方、遠隔サーバ4は、券売機制御部412の代わりに改札機制御部413を備える。
【0102】
改札機制御部413は、判定取得情報に含まれる認証サーバ3による判定結果に基づいて改札機6をユーザに通行させる又は通行させないことを示す指示を含む改札機制御情報を生成する。そして、改札機制御部413は、改札機制御情報を通信制御部411に出力する。
【0103】
記憶部42は、改札機6の設置状況、改札機6のIPアドレス等を記憶していてもよい。例えば、通信制御部411は、当該IPアドレスに従って改札機6に各種情報を送信することが可能である。また、記憶部42は、改札機6に各種動作を行わせるための指示を記憶していても良い。例えば、記憶部42は、割引された通行料金でユーザに改札機6を通行させるための指示を記憶していても良い。さらに、記憶部42は、制御部41の各部で取得した各種情報を記憶しても良い。例えば、遠隔サーバ4の管理者は、記憶部42に記憶された情報に基づいて、所定の期間に改札機6で非交通系ICカードが何回利用されたかを把握することが可能になる。
【0104】
(動作)
図10は、改札機6に非交通系ICカードが翳された場合の改札機6、認証サーバ3、及び遠隔サーバ4の処理手順の一例を示すフローチャートである。
改札機6の制御部61、認証サーバ3の制御部31、及び遠隔サーバ4の制御部41の記憶部62、記憶部32、及び記憶部42それぞれに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0105】
このフローチャートは、ユーザがカードリーダに非交通系ICカードを翳した場合に開始する。なお、ユーザが交通系ICカードを改札機6に翳す場合は一般的な方法で処理すれば良いのでここでの詳細な説明は省略する。
【0106】
媒体情報取得部611は、正しいカードリーダに非交通系ICカードが翳されているか判定する(ステップST31)。例えば、非交通系ICカードが交通系ICカードリーダ15に翳されている場合、媒体情報取得部611は、誤ったカードリーダに非交通系ICカードが翳されていると判定する。一方、非交通系ICカードが非交通系ICカードリーダ2に翳された場合、媒体情報取得部611は、正しいカードリーダに非交通系ICカードが翳されていると判定する。
【0107】
正しいカードリーダに非交通系ICカードが翳されていない場合、媒体情報取得部611は、誤入力情報を出力部67に出力する(ステップST32)。出力部67は、誤入力情報に応じて、表示デバイス上に誤ったカードリーダに非交通系ICカードが翳されている旨を表示し、非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードを翳すようにユーザに促しても良い。また、媒体情報取得部611は、改札機制御部613に誤入力情報を出力する。改札機制御部613は、当該誤入力情報に基づいてドア閉鎖指示をドア68に出力し、ドア68を閉じてユーザの通行を阻止する。
【0108】
一方、正しいカードリーダである非交通系ICカードリーダ2に非交通系ICカードが翳されている場合、媒体情報取得部611は、非交通系ICカードリーダ2が取得した非交通系ICカードの媒体情報を取得する(ステップST33)。媒体情報は、非交通系ICカードのカード番号及びID等を含む。また、媒体情報取得部611は、媒体情報を取得した日時を取得しても良い。
【0109】
ここで、非交通系ICカードリーダ2が交通系ICカードリーダ15に組み込まれている場合、上記ステップST31で、媒体情報取得部611は、いずれのICカードが交通系ICカードリーダ15に翳されたのかを判定する。例えば、非交通系ICカードが翳された場合、媒体情報取得部611は、非交通系ICカードから媒体情報を取得する。
【0110】
媒体情報取得部611は、取得情報を出力する(ステップST34)。媒体情報取得部611は、記憶部62に記憶された改札機情報を取得する。そして、媒体情報取得部611は、媒体情報及び改札機情報を含む取得情報を生成する。なお、生成情報は、日時情報を含んでも良い。そして、媒体情報取得部611は、生成した取得情報を通信制御部612に出力する。通信制御部612は、取得情報を媒体情報取得部611から受信すると、通信インタフェース64を通じて、当該取得情報を認証サーバ3に送信する。
【0111】
ステップST35~ステップST36は、第1の実施形態で説明したステップST15~ステップST16と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0112】
遠隔サーバ4の改札機制御部413は、改札機開放指示を出力する(ステップST37)。遠隔サーバ4の通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、判定取得情報を受信する。そして、通信制御部411は、受信した判定取得情報を改札機制御部413に出力する。改札機制御部413は、判定取得情報に含まれる肯定情報に基づいてユーザが特定のサービスを受けることができるため改札機6を通行できることを示す、すなわちドアを開放する指示を含む改札機開放指示を生成する。さらに、改札機制御部413は、取得情報に含まれる改札機情報に基づいていずれの駅のいずれの券売機(例えば、A駅の改札機6A)に当該改札機開放指示を送信する必要があるかを判定する。そして、改札機制御部413は、判定された改札機6に対応するIPアドレスを記憶部42から取得し、当該IPアドレス等を含む送信情報を生成する。そして、改札機制御部413は、改札機開放指示及び送信情報を通信制御部411に出力する。通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、送信情報に示されたIPアドレス(例えば、改札機6A)に改札機開放指示を送信する。
【0113】
改札機6の改札機制御部613は、ドア開放指示を出力部67及びドア68に出力する(ステップST38)。改札機6の通信制御部612は、通信インタフェース64を通じて、改札機開放指示を受信する。そして、通信制御部612は、受信した改札機開放指示を改札機制御部613に出力する。改札機制御部613は、改札機開放指示に基づいてドア開放指示を出力部67及びドア68に出力する。ドア開放指示は、出力部67の表示デバイス上に割引運賃で乗車している旨を表示させる指示であって良い。さらにドア開放指示は、ドア68を開け、ユーザの通行を許可する指示であって良い。ここで、制御部61は、割引された運賃でユーザが交通機関を利用する場合、非交通系ICカードリーダ2に翳された非交通系ICカードから割引された運賃を引き去るよう決済動作を行って良い。
【0114】
ステップST39は、第1の実施形態の
図5を参照しながら説明したステップST19と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0115】
遠隔サーバ4の改札機制御部413は、改札機閉鎖指示を出力する(ステップST40)。遠隔サーバ4の通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、判定取得情報を受信する。そして、通信制御部411は、受信した判定取得情報を改札機制御部413に出力する。改札機制御部413は、判定取得情報に含まれる否定情報に基づいてユーザが特定のサービスを受けることができないため、改札機6を通行できないことを示す改札機閉鎖指示を生成する。さらに、改札機制御部413は、取得情報に含まれる改札機情報に基づいていずれの駅のいずれの改札機6(例えば、A駅の改札機6A)に当該改札機閉鎖指示を送信する必要があるかを示す送信情報を生成する。そして、改札機制御部413は、改札機閉鎖指示及び送信情報を通信制御部411に出力する。通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、送信情報に示された改札機6に改札機閉鎖指示を送信する。
【0116】
改札機6の改札機制御部613は、ドア閉鎖指示を出力部67及びドア68に出力する(ステップST41)。改札機6の通信制御部612は、通信インタフェース64を通じて、改札機閉鎖指示を受信する。そして、通信制御部612は、受信した改札機閉鎖指示を改札機制御部613に出力する。改札機制御部613は、改札機閉鎖指示に基づいてドア閉鎖指示を出力部67及びドア68に出力する。ドア閉鎖指示は、出力部67の表示デバイス上に、ユーザのICカードでは乗車できない旨の情報を表示させる指示であって良い。さらにドア閉鎖指示は、ドア68を閉じてユーザの通行を阻止する指示であって良い。
【0117】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、改札機6の近傍又は改札機6内に非交通系ICカードリーダ2を配置し、遠隔サーバ4がドアの開閉指示を出力することにより、改札機6を改修する必要が無くなる。そのため、改札機6の改修を行うよりも安価な費用で非交通系ICカードによるユーザの改札機の通行を実施することができる。
【0118】
また、行政等が所持する認証サーバ3上で非交通系ICカードのIDの認証を行うことにより、券売機を管理する交通事業者が非交通系ICカードのID等を管理する必要が無い。そのため、交通事業者が非交通系ICカードの不正利用に対応するセキュリティ対策を新たに構築する必要が無い。
【0119】
さらに、交通事業者は、非交通系ICカードを利用した回数を把握することが容易になるため、改札機をユーザがどれだけ通行したかを把握することが可能になる。そのため、交通事業者は、正しく把握した回数に応じて行政等に費用を請求することが可能となる。
【0120】
[第3の実施形態]
(構成)
図11は、本発明の第3の実施形態における駅務システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0121】
駅務システムは、A駅に配置された第1の券売機1A、非交通系ICカードリーダ2A、B駅に配置された第2の券売機1B、非交通系ICカードリーダ2B、第1の認証サーバ3A、第2の認証サーバ3B、遠隔サーバ4、ID振り分けサーバ7を備える。
【0122】
第3の実施形態の構成は、第1の実施形態の構成に加えて、第1の認証サーバ3Aと、第2の認証サーバ3Bと、ID振り分けサーバ7とを備える。第1の実施形態のように、行政等が発行する非交通系ICカードが1種類である場合、非交通系ICカードリーダ2から読み取られた情報を単一の認証サーバ3に送信すれば良い。しかしながら、行政又は交通事業者等が発行する非交通系ICカードが複数ある場合、券売機1は、いずれの認証サーバ3に媒体情報を送信して良いか分からない。そこで、第3の実施形態では、非交通系ICカードのIDから第1の認証サーバ3A及び第2の認証サーバ3Bのいずれに取得情報を送信すれば良いのか判定するID振り分けサーバ7を備える。なお、
図11では、認証サーバ3を2つ示しているが、本実施形態は、3つ以上の認証サーバ3にも適用可能であるのは勿論である。
【0123】
したがって、第3の実施形態では、券売機1は、取得情報を認証サーバ3に送信するのではなく、ID振り分けサーバ7に送信する。ID振り分けサーバ7は、取得情報に含まれるICカードのIDに応じて第1の認証サーバ3A又は第2の認証サーバ3Bのいずれかに取得情報を送信することになる。
【0124】
図11に示すように、第1の券売機1A、第2の券売機1B、第1の認証サーバ3A、第2の認証サーバ3B、遠隔サーバ4、及びID振り分けサーバ7は互いに、ネットワーク5を通じて接続される。
【0125】
図12は、ID振り分けサーバ7のハードウェア構成及び当該ハードウェア構成に関連付けられたソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0126】
制御部71は、ID振り分けサーバ7を制御する。制御部71は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0127】
記憶部72は、記憶媒体である。記憶部72は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部72は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0128】
入出力インタフェース73は、入力部76及び出力部77との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。
【0129】
通信インタフェース74は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース74は、ネットワーク5を介して券売機1及び認証サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース74は、制御部71の制御の下、券売機1及び認証サーバ3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0130】
また、入出力インタフェース73は、通信インタフェース74の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース73は、入力部76及び出力部77と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでいても良い。
【0131】
入力部76は、例えば、出力部77に含まれる表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース73を介して、ID振り分けサーバ7の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部71に出力する。また、入力部76は、例えば、ID振り分けサーバ7の管理者がID振り分けサーバ7に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0132】
出力部77は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、入出力インタフェース73から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。例えば、入力部76及び出力部77は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部76又は出力部77は、タッチスクリーン上に表示されたボタン等にID振り分けサーバ7の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部71に出力しても良い。
【0133】
ID振り分けサーバ7の制御部71は、通信制御部711及びID振り分け制御部712を備える。
【0134】
通信制御部711は、通信インタフェース74を通じて、券売機1から送信された取得情報を受信する。そして、通信制御部411は、受信した取得情報をID振り分け制御部712に出力する。また、通信制御部411は、送信情報をID振り分け制御部712から受信する。そして、通信制御部411は、通信インタフェース44を通じて、送信情報に基づいて取得情報を第1の認証サーバ3A又は第2の認証サーバ3Bのいずれかに送信する。
【0135】
ID振り分け制御部712は、取得情報に含まれる非交通系ICカードが第1の認証サーバ3A又は第2の認証サーバ3Bのいずれが発行したものかを非交通系ICカードのIDに基づいて判定する。そして、ID振り分け制御部712は、判定結果に応じて第1の認証サーバ3A又は第2の認証サーバ3BのIPアドレスを含む送信情報を生成し、通信制御部711に出力する。
【0136】
記憶部72は、非交通系ICカードが第1の認証サーバ3A又は第2の認証サーバ3Bのいずれで発行されたものであるかについての情報を備える。例えば、非交通系ICカードのIDに関連付けて、非交通系ICカードが第1の認証サーバ3A又は第2の認証サーバ3Bのいずれで発行したかを記憶する。また、記憶部72は、第1の認証サーバ3A及び第2の認証サーバ3BのIPアドレスを記憶する。さらに、記憶部72は、制御部71の各部で取得した各種情報を記憶しても良い。例えば、ID振り分けサーバ7の管理者は、記憶部72に記憶された情報に基づいて、所定の期間に非交通系ICカードが使用された頻度、そして、非交通系ICカードが第1の認証サーバ3Aを管理する管理者又は第2の認証サーバ3Bを管理する管理者が発行したものかの統計情報を把握することが可能になる。
【0137】
(動作)
図13は、券売機1に非交通系ICカードが翳された場合の券売機1、認証サーバ3、遠隔サーバ4、及びID振り分けサーバ7の処理手順の一例を示すフローチャートである。
券売機1の制御部11、認証サーバ3の制御部31、遠隔サーバ4の制御部41、及びID振り分けサーバ7の制御部71の記憶部12、記憶部32、記憶部42、及び記憶部72それぞれに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0138】
このフローチャートは、ユーザがカードリーダに非交通系ICカードを翳した場合に開始する。なお、ユーザが交通系ICカードを券売機1に翳す場合は一般的な方法で処理すれば良いのでここでの詳細な説明は省略する。
【0139】
ステップST51~ステップST54は、
図5を参照しながら説明したステップST11~ステップST14と同様であるため、説明を省略する。なお、ステップST54で、通信制御部112は、通信インタフェース14を通じて、取得情報をID振り分けサーバ7に送信する。
【0140】
ID振り分け制御部712は、IDに基づいてどの認証サーバに取得情報を送信するかを決定する(ステップST55)。ID振り分けサーバ7の通信制御部711は、通信インタフェース74を通じて、取得情報を受信する。そして、通信制御部711は、受信した取得情報をID振り分け制御部712に出力する。ID振り分け制御部712は、取得情報の媒体情報に含まれる非交通系ICカードのIDを取得し、記憶部72に記憶されたIDと照合する。そして、ID振り分け制御部712は、照合結果から、取得情報をどの認証サーバに送信するかを決定する。なお、決定において、非交通系ICカードのIDではなく、カード番号等他の情報に基づいて決定しても良い。
【0141】
ID振り分け制御部712は、送信情報を通信制御部711に出力する(ステップST56)。ID振り分け制御部712は、決定した認証サーバ3のIPアドレスを記憶部72から取得し、IPアドレスを含む送信情報を生成する。そして、ID振り分け制御部712は、送信情報を通信制御部711に出力する。通信制御部は、送信情報に含まれるIPアドレスに対応する認証サーバ3に取得情報を送信する。
【0142】
ステップST57~ステップST63は、
図5を参照しながら説明したステップST
15~ステップST21と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0143】
(第3の実施形態の作用効果)
以上説明した第3の実施形態によれば、ID振り分けサーバ7を設置することにより、非交通系ICカードを発行する行政又は交通事業者が複数あったとしても正しい認証サーバ3に取得情報を送信することが可能となる。これにより、非交通系ICカードリーダ2に翳される非交通系ICカードが複数の種類あったとしてもそれぞれに対応する非交通系ICカードリーダ2を設置する必要はなく、1つの非交通系ICカードリーダ2を券売機の近傍に設置するだけになり、券売機1の改修を行うよりも安価な費用で実施することができる。
【0144】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第3の実施形態は、第2の実施形態でも実施可能である。また、第1の実施形態及び第2の実施形態も組み合わせて実行可能である。したがって、第1の実施形態及び第2の実施形態に第3の実施形態を組み合わせることも可能であることは勿論である。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
1…券売機
11…制御部
111…媒体情報取得部
112…通信制御部
113…発券制御部
12…記憶部
13…入出力インタフェース
14…通信インタフェース
15…交通系ICカードリーダ
16…入力部
17…出力部
2…非交通系ICカードリーダ
3…認証サーバ
31…制御部
311…通信制御部
312…ID判定部
32…記憶部
33…入出力インタフェース
34…通信インタフェース
36…入力部
37…出力部
4…遠隔サーバ
41…制御部
411…通信制御部
412…券売機制御部
413…改札機制御部
42…記憶部
43…入出力インタフェース
44…通信インタフェース
46…入力部
47…出力部
5…ネットワーク
6…改札機
61…制御部
611…媒体情報取得部
612…通信制御部
613…改札機制御部
62…記憶部
63…入出力インタフェース
64…通信インタフェース
65…交通系ICカードリーダ
66…入力部
67…出力部
68…ドア
7…ID振り分けサーバ
71…制御部
711…通信制御部
712…ID振り分け制御部
72…記憶部
73…入出力インタフェース
74…通信インタフェース
76…入力部
77…出力部