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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049545
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/12 20220101AFI20230403BHJP
   B07C 3/20 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
G06K9/03 B
B07C3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159336
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝日 一隆
【テーマコード(参考)】
3F079
5B064
【Fターム(参考)】
3F079CA02
3F079CA03
3F079CB08
3F079EA08
3F079EA19
5B064AA04
5B064DA03
5B064EA13
5B064FA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】入力を受け付ける項目を提示することができるシステム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】既存のVDC(Video Coding Desk)から画面を取得し、取得された画像に対してOCR(Optical Character Recognition)を行う入力システムにおいて、OCR入力装置のプロセッサは、文字列を含む文字列画像を取得する画像インターフェースと、画像を表示し操作の入力を受け付ける入出力装置に接続する入出力インターフェースと、文字列画像に対して文字認識処理を行いS11、文字認識処理の結果に基づいて、文字列に関する入力を受け付ける項目を設定しS12、S14、S16、S18、入出力インターフェースを通じて、文字列画像と項目を示す項目情報とを含む入力画面を入出力装置に表示しS13、15、S17、S19、入出力インターフェースを通じて、項目の入力を受け付けるS20。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列を含む文字列画像を取得する画像インターフェースと、
画像を表示し操作の入力を受け付ける入出力装置に接続する入出力インターフェースと、
前記文字列画像に対して文字認識処理を行い、
前記文字認識処理の結果に基づいて、前記文字列に関する、入力を受け付ける項目を設定し、
前記入出力インターフェースを通じて、前記文字列画像と前記項目を示す項目情報とを含む入力画面を前記入出力装置に表示し、
前記入出力インターフェースを通じて、前記項目の入力を受け付ける、
プロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項2】
文字列を含む文字列画像に対する第1の文字認識処理に失敗した文字列画像を外部装置から取得する画像インターフェースと、
前記外部装置に操作信号を入力する入力インターフェースと、
画像を表示し操作の入力を受け付ける入出力装置に接続する入出力インターフェースと、
前記文字列画像に対して第2の文字認識処理を行い、
前記第2の文字認識処理の結果に基づいて、前記文字列に関する、入力を受け付ける項目を設定し、
前記入出力インターフェースを通じて、前記文字列画像と前記項目を示す項目情報とを含む入力画面を前記入出力装置に表示し、
前記入出力インターフェースを通じて、前記項目の入力を受け付け、
前記入力インターフェースを通じて、入力された文字列を前記外部装置に送信する、
プロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項3】
前記項目情報は、前記文字列画像を囲う枠である、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記項目情報は、枠を構成する線の色で前記項目を示す、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記入力画面は、2つの前記文字列画像と、前記文字列画像にそれぞれ対応する前記項目情報とを含む、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記項目は、宛先に関する項目である、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記項目は、郵便番号、街区、マンション名又は氏名の何れか1つを含む、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記入出力装置を備える、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記入力インターフェースは、操作端末をエミュレーションするエミュレータに接続する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
文字列を含む文字列画像を取得し、
前記文字列画像に対して文字認識処理を行い、
前記文字認識処理の結果に基づいて、前記文字列に関する、入力を受け付ける項目を設定し、
前記文字列画像と前記項目を示す項目情報とを含む入力画面を入出力装置に表示し、
前記入出力装置を通じて前記項目の入力を受け付ける、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のVDC(Video Coding Desk)から画面を取得し取得された画像に対してOCR(Optical Character Recognition)を行うシステムが提供されている。そのようなシステムは、OCR処理に失敗した場合、既存のVCDからの画面を表示してオペレータから文字列の入力を受け付ける。
【0003】
また、システムは、オペレータから、OCR処理に失敗した項目(たとえば、郵便番号、街区など)の入力を受け付ける場合がある。
【0004】
従来、システムには、入力を受け付ける項目をオペレータに提示することができず、オペレータの打鍵効率が低下することがあるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-121918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、入力を受け付ける項目を提示することができるシステム及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、システムは、画像インターフェースと、入出力インターフェースと、プロセッサと、を備える。画像インターフェースは、文字列を含む文字列画像を取得する。入出力インターフェースは、画像を表示し操作の入力を受け付ける入出力装置に接続する。プロセッサは、前記文字列画像に対して文字認識処理を行い、前記文字認識処理の結果に基づいて、前記文字列に関する、入力を受け付ける項目を設定し、前記入出力インターフェースを通じて、前記文字列画像と前記項目を示す項目情報とを含む入力画面を前記入出力装置に表示し、前記入出力インターフェースを通じて、前記項目の入力を受け付ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る入力システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る既存VCDの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るOCR入力装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る新VCDの表示例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る項目情報の例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るOCR入力装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る入力システムは、既存VCDから、郵便番号などの文字列を含む画像を取得する。入力システムは、OCR入力装置において、取得された画像に対してOCR処理(文字認識処理)を行う。入力システムは、OCR処理の結果に基づいて文字列を入力するための操作信号を既存VCDに入力する。入力システムは、OCR処理に失敗した場合、取得された画像をOCR入力装置に表示する。入力システムは、新VCD及びOCR入力装置を通じて、オペレータからキーの入力を受け付ける。入力システムは、当該キーを入力する操作信号をOCR入力装置から新VCDに供給する。
【0010】
ここでは、入力システムは、郵便番号などの宛先に関する文字列が記載された郵便物の画像(宛先画像、文字列画像)を新VCDに表示して、郵便物の宛先に関する項目の入力をオペレータから受け付ける。また、入力システムは、2通の郵便物の宛先画像を含む画面(新VCD画面、入力画面)を新VCDに表示する。
【0011】
図1は、実施形態に係る入力システム1の構成例を示す。図1が示すように、入力システム1は、分配装置2、キーボード/マウスエミュレータ4、キャプチャボード5、新VCD7、既存VCD10、OCR入力装置20及び上位装置100などを備える。
【0012】
ここでは、入力システム1は、キーボード/マウスエミュレータ4として、キーボード/マウスエミュレータ4a乃至4cを備える。また、入力システム1は、キャプチャボード5として、キャプチャボード5a乃至5cを備える。また、入力システム1は、新VCD7として、新VCD7a及び7bを備える。また、入力システム1は、既存VCD10として、既存VCD10a乃至10cを備える。また、入力システム1は、OCR入力装置20として、OCR入力装置20a乃至20cを備える。
【0013】
上位装置100は、既存VCD10a乃至10cに接続する。また、既存VCD10a乃至10cは、キーボード/マウスエミュレータ4a乃至4cとキャプチャボード5a乃至5cとにそれぞれ接続する。また、OCR入力装置20a乃至20cは、キーボード/マウスエミュレータ4a乃至4cとキャプチャボード5a乃至5cとにそれぞれ接続する。分配装置2は、新VCD7a及び7bとOCR入力装置20a乃至20cとに接続する。新VCD7a及び7bは、OCR入力装置20a乃至20cに接続する。
【0014】
なお、入力システム1は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、入力システム1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0015】
上位装置100は、宛先に関する文字列を含む宛先画像を既存VCD10に供給する。また、上位装置100は、宛先画像に含まれる文字列を既存VCD10から取得する。
【0016】
たとえば、上位装置100は、郵便物などを区分する区分装置である。
上位装置100は、カメラなどを用いて郵便物を撮影する。上位装置100は、撮影で得られた画像(宛先画像)に対してOCR処理(プライマリOCR処理、第1の文字認識処理)を行い、郵便物に記載されている文字列を認識する。
【0017】
上位装置100は、OCR処理に失敗すると、OCR処理に失敗した宛先画像を既存VCD10に供給する。また、上位装置100は、当該宛先画像に含まれる文字列を既存VCD10から取得する。
【0018】
上位装置100は、OCR処理によって得られた文字列又は既存VCD10から取得された文字列に基づいて郵便物を区分する。
【0019】
既存VCD10(外部装置)は、上位装置100から宛先画像を取得する。既存VCD10は、宛先画像を含む画面(既存VCD画面)をOCR入力装置20に送信する。なお、既存VCD画面は、2つの郵便物の宛先画像を含むものであってもよいし、1つの郵便物の宛先画像を含むものであってもよい。
【0020】
既存VCD10は、宛先画像に含まれる文字列をOCR入力装置20から取得する。既存VCD10は、取得された文字列を上位装置100に送信する。既存VCD10については、後に詳述する。
【0021】
キーボード/マウスエミュレータ4は、既存VCD10に接続するキーボード又はマウスなどの操作端末をエミュレーションする。キーボード/マウスエミュレータ4は、OCR入力装置20からの制御に従ってオペレータが操作端末を通じて入力する操作信号と同様の操作信号を既存VCD10に供給する。たとえば、キーボード/マウスエミュレータ4は、マウスの移動若しくはクリック、又は、キーボード入力などを示す操作信号を既存VCD10に供給する。
【0022】
ここでは、キーボード/マウスエミュレータ4a乃至4cは、それぞれOCR入力装置20a乃至20cの制御に従って操作信号を既存VCD10a乃至10cに供給する。
【0023】
キャプチャボード5は、既存VCD10が供給する既存VCD画面を取得する。キャプチャボード5は、取得された既存VCD画面をOCR入力装置20に供給する。
【0024】
ここでは、キャプチャボード5a乃至5cは、それぞれ既存VCD10a乃至10cの既存VCD画面を取得し、OCR入力装置20a乃至20cに供給する。
【0025】
OCR入力装置20は、キャプチャボード5からの既存VCD画面を取得する。OCR入力装置20は、取得された宛先画像に対してOCR処理(セカンダリOCR処理、第2の文字認識処理)を行う。OCR入力装置20は、OCR処理により宛先画像に含まれる文字列を認識する。OCR入力装置20は、キーボード/マウスエミュレータ4を通じて、認識された文字列を既存VCD10に供給する。
【0026】
また、OCR入力装置20は、OCR処理に失敗した場合などに、文字列の入力を受け付ける画面(新VCD画面)を新VCD7の何れか1つに表示する。OCR入力装置20は、新VCD画面を通じて、新VCD7に入力される文字列を既存VCD10に送信する。
OCR入力装置20については、後に詳述する。
【0027】
分配装置2は、OCR入力装置20からの新VCD画面を表示する新VCD7を選択する。たとえば、分配装置2は、新VCD画面の表示先を示す制御信号をOCR入力装置20に送信する。
【0028】
新VCD7(入出力装置)は、新VCD画面を表示してオペレータから文字列の入力を受け付ける。新VCD7は、入力された文字列をOCR入力装置20に供給する。たとえば、新VCD7は、入力された操作信号をOCR入力装置20に供給する。
【0029】
たとえば、新VCD7は、新VCD画面を表示するモニタなどの表示端末と、操作入力を受け付けるマウス及びキーボードなどの操作端末と、から構成される。新VCD7は、OCR入力装置20に接続する表示端末及び操作端末から構成されてもよい。また、新VCD7は、PCなどであってもよい。
【0030】
次に、既存VCD10について説明する。既存VCD10a乃至10cは、同様の構成であるため、既存VCD10として説明する。
【0031】
図2は、実施形態に係る既存VCD10の構成例を示す。図2は、既存VCD10の構成例を示すブロック図である。図2が示すように、既存VCD10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、表示インターフェース16及び操作インターフェース17などを備える。
【0032】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、表示インターフェース16及び操作インターフェース17と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、既存VCD10は、図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、既存VCD10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0033】
プロセッサ11は、既存VCD10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0034】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0035】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、既存VCD10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0036】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0037】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM14は、たとえば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、既存VCD10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0038】
通信部15は、上位装置100とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部15は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0039】
表示インターフェース16は、キャプチャボード5とデータを送受信するインターフェースである。表示インターフェース16は、プロセッサ11からの制御に従って、既存VCD画面をキャプチャボード5に送信する。
【0040】
操作インターフェース17は、操作の入力を受け付けるためのインターフェースである。たとえば、操作インターフェース17は、キーボード又はマウスなどの操作端末に入力される操作を示す操作信号を受信する。操作インターフェース17は、受信された操作信号をプロセッサ21に供給する。たとえば、操作インターフェース17は、USB(Universal Serial Bus)接続をサポートする。
【0041】
ここでは、操作インターフェース17は、キーボード/マウスエミュレータ4に接続する。即ち、操作インターフェース17は、キーボード/マウスエミュレータ4からの操作信号を受信する。
たとえば、既存VCD10は、デスクトップPC又はノートPCなどである。
【0042】
既存VCD10のプロセッサ11は、通信部15を通じて宛先画像を上位装置100から取得する。宛先画像を取得すると、プロセッサ11は、宛先画像に写る宛先の入力を受け付ける既存VCD画面を生成する。既存VCD画面は、取得された宛先画像を含む。
【0043】
既存VCD画面を生成すると、プロセッサ11は、表示インターフェース16を通じて、生成された既存VCD画面をキャプチャボード5に出力する。
【0044】
既存VCD画面を出力すると、プロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて文字列の入力を受け付ける。即ち、プロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて、操作端末が接続されている場合と同様の信号(キー入力などを示す操作信号)をキーボード/マウスエミュレータ4から取得する。
【0045】
プロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて入力が確定する操作信号(たとえば、エンターキーが押された操作信号など)を受信すると、通信部15を通じて入力された文字列を上位装置100に送信する。
【0046】
次に、OCR入力装置20について説明する。OCR入力装置20a乃至20cは、同様の構成であるため、OCR入力装置20として説明する。
【0047】
図3は、実施形態に係るOCR入力装置20の構成例を示す。図3は、OCR入力装置20の構成例を示すブロック図である。図3が示すように、OCR入力装置20は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、エミュレータインターフェース26、画像インターフェース27及びVCDインターフェース28などを備える。
【0048】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、エミュレータインターフェース26、画像インターフェース27及びVCDインターフェース28と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、OCR入力装置20は、図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、OCR入力装置20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0049】
プロセッサ21は、OCR入力装置20全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0050】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0051】
ROM22は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、OCR入力装置20の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0052】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0053】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM24は、たとえば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、OCR入力装置20の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0054】
通信部25は、分配装置2及び他のOCR入力装置20などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部25は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0055】
エミュレータインターフェース26(入力インターフェース)は、キーボード/マウスエミュレータ4とデータを送受信するインターフェースである。エミュレータインターフェース26は、プロセッサ21からの制御に従ってキーボード/マウスエミュレータ4に操作信号を既存VCD10へ出力させる。たとえば、エミュレータインターフェース26は、USB接続をサポートする。
【0056】
画像インターフェース27は、キャプチャボード5とデータを送受信するインターフェースである。画像インターフェース27は、キャプチャボード5から既存VCD画面を取得する。画像インターフェース27は、取得された既存VCD画面をプロセッサ21に供給する。
【0057】
VCDインターフェース28(入出力インターフェース)は、新VCD7とデータを送受信するインターフェースである。VCDインターフェース28は、プロセッサ21からの制御に従って、新VCD7に情報を表示させる。また、VCDインターフェース28は、新VCD7に入力される操作を示す操作信号を受信する。VCDインターフェース28は、受信された操作信号をプロセッサ21に供給する。
【0058】
たとえば、OCR入力装置20は、デスクトップPC又はノートPCなどである。
なお、エミュレータインターフェース26、画像インターフェース27及びVCDインターフェース28(又はこれらの一部)は、一体的に形成されるものであってもよい。
【0059】
次に、OCR入力装置20が実現する機能について説明する。OCR入力装置20が実現する機能は、プロセッサ21がROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0060】
まず、プロセッサ21は、既存VCD10が供給する既存VCD画面を取得する機能を有する。
即ち、プロセッサ21は、既存VCD10が表示インターフェース16に接続する表示端末(ディスプレイなど)に表示する既存VCD画面を取得する。
【0061】
たとえば、プロセッサ21は、自身に接続する既存VCD10から既存VCD画面を取得する。プロセッサ21は、画像インターフェース27を通じて既存VCD画面をキャプチャボード5から取得する。即ち、キャプチャボード5は、プロセッサ21からの制御に従って既存VCD画面を取得する。キャプチャボード5は、画像インターフェース27を通じて、取得された既存VCD画面をプロセッサ21に供給する。
【0062】
たとえば、プロセッサ21は、所定の間隔(たとえば、1秒)で既存VCD画面を取得する。また、プロセッサ21は、既存VCD画面に変化が生じた場合に、既存VCD画面を取得してもよい。この場合、プロセッサ21は、画像処理アルゴリズムなどに従って既存VCD画面に変化が生じたかを判定してもよい。
【0063】
プロセッサ21は、OCR処理により既存VCD画面から宛先に関する文字列を認識する機能を有する。
【0064】
既存VCD画面を取得すると、プロセッサ21は、予め取得されたフォーマットなどに従って既存VCD画面から宛先画像を抽出する。
宛先画像を抽出すると、プロセッサ21は、所定のアルゴリズムに従って宛先画像にOCR処理を行う。ここでは、プロセッサ21は、宛先に関する文字列(項目)として、郵便番号、街区及びマンション名を順に認識する。
【0065】
なお、プロセッサ21は、OCR処理を行う前に、既存VCD画面又は宛先画像に所定の処理を行ってもよい。たとえば、プロセッサ21は、既存VCD画面又は宛先画像を拡大又は縮小してもよい。また、プロセッサ21は、既存VCD画面又は宛先画像に対してノイズを除去する処理などを行ってもよい。
【0066】
OCR処理を行うと、プロセッサ21は、宛先に関する文字列を認識する。
【0067】
また、プロセッサ21は、キーボード/マウスエミュレータ4を用いて、OCR処理により認識された文字列を既存VCD10に送信する機能を有する。
【0068】
OCR処理により文字列を認識すると、プロセッサ21は、キーボード/マウスエミュレータ4を用いて、認識された文字列を既存VCD10の操作インターフェース17に送信する。即ち、プロセッサ21は、認識された文字列に対応するキーを入力する操作信号を操作インターフェース17に送信する。
【0069】
また、プロセッサ21は、文字列の入力を完了する操作を示す操作信号を操作インターフェース17に入力してもよい。
【0070】
また、プロセッサ21は、宛先画像に含まれる文字列の入力をオペレータから受け付ける機能を有する。
【0071】
ここでは、プロセッサ21は、郵便番号、街区及びマンション名を順に認識し、途中でOCR処理に失敗するものとする。プロセッサ21は、OCR処理に失敗した項目以下の項目についてはOCR処理を行わないものとする。
【0072】
OCR処理に失敗した場合、プロセッサ21は、文字列の入力を受け付ける新VCD画面を生成する。前述の通り、新VCD画面は、OCR処理に失敗した2つの宛先画像を含む。即ち、新VCD画面は、オペレータが文字列を入力する宛先画像(現書状の画像)と、オペレータが次に文字列を入力する宛先画像(次書状の画像)とを含む。
【0073】
図4は、新VCD画面30の例を示す。図4が示すように、新VCD画面30は、第1の表示領域31、第2の表示領域32及び打鍵欄33などから構成される。
【0074】
第1の表示領域31は、新VCD画面30の左下に形成されている。第1の表示領域31は、現書状の画像を表示する。
【0075】
第2の表示領域32は、新VCD画面30の左上に形成されている。第2の表示領域32は、次書状の画像を表示する。
打鍵欄33は、新VCD画面30の右側に形成されている。打鍵欄33は、第1の表示領域に表示されている原書状の画像に含まれる文字列(項目)の入力をオペレータから受け付けるための入力欄である。
【0076】
また、プロセッサ21は、宛先画像ごとに、入力を受け付ける項目(入力項目)を示す項目情報を新VCD画面30に表示する。
【0077】
まず、プロセッサ21は、宛先画像に対して、入力項目を設定する。
ここでは、プロセッサ21は、宛先画像に対するOCR処理の結果に基づいて、入力項目を設定する。たとえば、プロセッサ21は、OCR処理に失敗した項目を入力項目として設定する。
【0078】
たとえば、プロセッサ21は、宛先画像において郵便番号のOCR処理に失敗した場合、宛先画像の入力項目として、郵便番号(即ち、郵便番号以下の項目)を設定する。この場合、プロセッサ21は、郵便番号から以下の項目についてオペレータの入力を受け付ける。
【0079】
また、プロセッサ21は、宛先画像において街区のOCR処理に失敗した場合、宛先画像の入力項目として、街区(即ち、街区以下の項目)を設定する。この場合、プロセッサ21は、街区から以下の項目についてオペレータの入力を受け付ける。
【0080】
また、プロセッサ21は、宛先画像においてマンション名のOCR処理に失敗した場合、宛先画像の入力項目として、マンション名を設定する。この場合、プロセッサ21は、マンション名についてオペレータの入力を受け付ける。
【0081】
なお、プロセッサ21は、OCR処理に成功した場合であっても、オペレータから文字列の入力を受け付ける場合もある。たとえば、プロセッサ21は、マンションなどに転居者が居る場合、宛先画像に含まれる転居者の氏名の入力を受け付ける。この場合、プロセッサ21は、宛先画像の入力項目として氏名を設定する。
【0082】
入力項目を各宛先画像に設定すると、プロセッサ21は、入力項目を示す項目情報を新VCD画面30に表示する。ここでは、プロセッサ21は、宛先画像(現書状の画像及び次書状の画像)に、それぞれ項目情報を付加する。
【0083】
図5は、項目情報が付加された宛先画像の例を示す。図5は、4つの例を示す。
【0084】
項目情報は、宛先画像を囲う枠である。項目情報は、枠を構成する線の色で入力項目を示す。
【0085】
たとえば、項目情報41は、黒枠である。項目情報41は、入力項目として郵便番号を示す。
【0086】
また、項目情報42は、青枠である。項目情報は、入力項目として街区を示す。
【0087】
また、項目情報43は、赤枠である。項目情報は、入力項目としてマンション名を示す。
【0088】
また、項目情報44は、紫枠である。項目情報は、入力項目として氏名を示す。
【0089】
プロセッサ21は、現書状の画像と現書状の画像に対応する項目情報(枠)とを第1の表示領域に表示する。また、プロセッサ21は、次書状の画像と現書状の画像に対応する項目情報(枠)とを第2の表示領域に表示する。
【0090】
新VCD画面30を生成すると、プロセッサ21は、生成された新VCD画面30を新VCD7の1つに表示する。新VCD画面30を新VCD7に表示すると、プロセッサ21は、新VCD7を通じて、新VCD画面30の打鍵欄33への入力を受け付ける。
【0091】
ここで、オペレータは、現書状の画像を目視して新VCD画面30の打鍵欄33に入力項目に関する文字列を入力する。文字列の入力が完了すると、オペレータは、新VCD7に、入力を完了する操作を入力する。
【0092】
プロセッサ21は、入力された文字列を既存VCD10に送信する。即ち、プロセッサ21は、VCDインターフェース28を通じて、新VCD7に入力されたキーを示す操作信号を受信する。プロセッサ21は、キーボード/マウスエミュレータ4を用いて、当該キーを入力する操作信号を既存VCD10の操作インターフェース17に送信する。
【0093】
次に、OCR入力装置20の動作例について説明する。
図6は、OCR入力装置20の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0094】
まず、OCR入力装置20のプロセッサ21は、宛先画像に対してOCR処理を行う(S11)。
【0095】
OCR処理を行うと、プロセッサ21は、宛先画像の入力項目として郵便番号を設定するかを判定する(S12)。宛先画像の入力項目として郵便番号を設定すると判定すると(S12、YES)、プロセッサ21は、新VCD画面30において宛先画像を黒枠で表示する(S13)。
【0096】
宛先画像の入力項目として郵便番号を設定しないと判定すると(S12、NO)、プロセッサ21は、宛先画像の入力項目として街区を設定するかを判定する(S14)。宛先画像の入力項目として街区を設定すると判定すると(S14、YES)、プロセッサ21は、新VCD画面30において宛先画像を青枠で表示する(S15)。
【0097】
宛先画像の入力項目として街区を設定しないと判定すると(S14、NO)、プロセッサ21は、宛先画像の入力項目としてマンション名を設定するかを判定する(S16)。マンション名を設定すると判定すると(S16、YES)、プロセッサ21は、新VCD画面30において宛先画像を赤枠で表示する(S17)。
【0098】
宛先画像の入力項目としてマンション名を設定しないと判定すると(S16、NO)、プロセッサ21は、宛先画像の入力項目として氏名を設定するかを判定する(S18)。宛先画像の入力項目として氏名を設定すると判定すると(S18、YES)、プロセッサ21は、新VCD画面30において宛先画像を紫枠で表示する(S19)。
【0099】
宛先画像を黒枠で表示した場合(S13)、宛先画像を青枠で表示した場合(S15)、宛先画像を赤枠で表示した場合(S17)、又は、宛先画像を紫枠で表示した場合(S19)、プロセッサ21は、新VCD7を通じて文字列の入力をオペレータから受け付ける(S20)。
【0100】
宛先画像の入力項目として氏名を設定ないと判定した場合(S18、NO)、又は、文字列の入力をオペレータから受け付けた場合(S20)、プロセッサ21は、エミュレータインターフェース26を通じて、OCR処理によって得られた文字列又はオペレータから入力された文字列を既存VCD10に送信する(S21)。
【0101】
文字列を既存VCD10に送信すると、プロセッサ21は、動作を終了する。
【0102】
なお、プロセッサ21は、現書状の画像及び次書状の画像について、S11乃至S19を実行してから、新VCD画面30を生成して文字列の入力を受け付けるものであってもよい。
【0103】
また、新VCD画面30と既存VCD画面とは、同一の構成であってもよいし異なってもよい。
【0104】
また、新VCD画面30は、1つの宛先画像(現書状の画像)と当該宛先画像に対応する項目情報とを表示するものであってもよい。また、新VCD画面30は、3つ以上の宛先画像と当該宛先画像に対応する項目情報とを表示するものであってもよい。
【0105】
また、項目情報は、枠を構成する線によって入力項目を示すものであってもよい。たとえば、項目情報は、実線、破線、一点鎖線又は二点鎖線などによって入力項目を示すものであってもよい。また、項目情報は、マーク、記号、数字、文字列又はそれらの組合せであってもよい。項目情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0106】
また、OCR入力装置20のプロセッサ21は、OCR処理によって、宛先画像から郵便番号を認識するものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、OCR処理に失敗した場合には、当該宛先画像の入力項目として郵便番号を設定する。また、プロセッサ21は、認識結果に基づいて、当該宛先画像の入力項目として氏名を設定するものであってもよい。
【0107】
また、プロセッサ21は、途中の項目でOCR処理に失敗してもOCR処理を継続するものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、当該宛先画像の入力項目としてOCR処理に失敗した項目を設定するものであってもよい。
【0108】
また、プロセッサ21は、OCR処理により、宛先に関する文字列以外の文字列(たとえば、メールアドレス又は電話番号など)を認識するものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、宛先に関する文字列以外の文字列の入力をオペレータから受け付ける。プロセッサ21が入力を受け付ける文字列は、特定の構成に限定されるものではない。
【0109】
また、OCR入力装置20と新VCD7とは、一体的に構成されるものであってもよい。
また、分配装置2は、OCR入力装置20の何れか1つと一体的に構成されるものであってもよい。
【0110】
また、OCR入力装置20は、プライマリOCR処理に失敗した宛先画像に対してOCR処理を行うものでなくともよい。即ち、OCR入力装置20は、プライマリOCR処理を行うものであってもよい。
【0111】
以上のように構成された入力システムは、オペレータに対して、入力を受け付ける入力項目を提示することができる。その結果、入力システムは、オペレータの打鍵効率が低下することを防止することができる。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1…入力システム、2…分配装置、4…キーボード/マウスエミュレータ、4a…キーボード/マウスエミュレータ、4b…キーボード/マウスエミュレータ、4c…キーボード/マウスエミュレータ、5…キャプチャボード、5a…キャプチャボード、5b…キャプチャボード、5c…キャプチャボード、7…新VCD、7a…新VCD、7b…新VCD、10…既存VCD、10a…既存VCD、10b…既存VCD、10c…既存VCD、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信部、16…表示インターフェース、17…操作インターフェース、20…OCR入力装置、20a…OCR入力装置、20b…OCR入力装置、20c…OCR入力装置、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…NVM、25…通信部、26…エミュレータインターフェース、27…画像インターフェース、28…VCDインターフェース、30…新VCD画面、31…第1の表示領域、32…第2の表示領域、33…打鍵欄、41…項目情報、42…項目情報、43…項目情報、44…項目情報、100…上位装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6