(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049546
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】相対移動可能な天板を備えるテーブル、および、相対移動可能な天板を備える天板機構
(51)【国際特許分類】
A47B 13/08 20060101AFI20230403BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20230403BHJP
A47B 11/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
A47B13/08 A
A47B13/00 Z
A47B11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159337
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】391022289
【氏名又は名称】マルイチセーリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建
(74)【代理人】
【識別番号】100136216
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 庄典
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 重和
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NL05
3B053NL07
3B053NL08
3B053NP03
3B053NQ10
3B053PA04
3B053PC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、その脚部に対して天板が、直角を成す2方向(X軸方向、Y軸方向)に自在に相対移動し、あるいは回転可能な、相対移動可能な天板を備えるテーブル、またはその主要部である、相対移動可能な天板を備える天板機構を提供する。
【解決手段】本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルは、天板と脚部とを有し、該天板が該脚部に対して水平に相対移動可能なテーブルであり、上面と下面を有する前記天板と、上面と下面を有し、該天板の下面側に配置されると共にその下面が前記脚部に固定された支持板と、上面と下面を有し、該天板の下面と該支持板の上面との間に配置された案内板と、該案内板と該天板及び該支持板との間に設けた相対移動機構により結合されて一体化された天板機構を構成し、該相対移動機構を介して、該天板が前記脚部に固定された該支持板に対して水平に相対移動し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と脚部とを有するテーブルにおいて、該天板と水平な一方向をX軸方向と、該天板と水平で且つX軸に直角な方向がY軸方向とし、該脚部の上方に固定され得る天板機構であって、
上面と下面を有する前記天板と、
上面と下面を有し、該天板の下面側に配置されると共にその下面が前記脚部の上方に固定され得る支持板と、
該天板の下面と該支持板の上面との間に配置された案内板とが、
該案内板と該天板及び該支持板との間に設けた相対移動機構により結合されて一体化された天板機構であり、
前記相対移動機構は、軌道部と該軌道部に沿って相対移動可能な相対移動手段とを備え、
該天板及び/又は該支持板に軌道部又は相対移動手段を固定し、前記案内板の上面及び/又は下面に相対移動手段又は軌道部を固定して、軌道部と相対移動手段とを相対的に移動させることにより、該天板が該支持板に対して水平に相対移動し得る、相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項2】
請求項1に記載の相対移動可能な天板を備える天板機構において、
前記相対移動機構はスライド機構であり、
該スライド機構は、
前記天板の下面又は前記支持板の上面又は前記案内板の上面及び/又は下面の内の何れか1つ又は2つの面の同一面内に、X軸方向又はY軸方向に平行に延伸する少なくとも2本の直線状の軌道部(以下、「軌道部の組」ともいう。)を備えると共に、
該何れか1つ又は2つの面の同一面と対向する面の同一面内に、夫々の該軌道部に沿ってスライド可能な少なくとも1組のスライド手段(以下、「スライド手段の組」ともいう。)を備え、
前記天板及び/又は前記支持板に前記軌道部の組又は前記スライド手段の組を固定し、
前記案内板の上面及び/又は下面に前記スライド手段の組又は前記軌道部の組を固定して構成され、
前記軌道部の組と前記スライド手段の組とを相対的にスライドさせることにより、該天板が前記支持板に対してX軸方向及び/又はY軸方向に水平にスライドし得る、相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項3】
前記天板及び/又は前記支持板に固定される前記軌道部の組又は前記スライド手段の組と、前記案内板の上面及び/又は下面に固定される前記スライド手段の組又は前記軌道部の組と、
から構成されるスライド機構において、
前記軌道部の組はX軸方向又はY軸方向に平行に延伸する直線状であり、
前記スライド手段の組は複数の2個1組の車輪から構成され、
前記天板及び/又は前記支持板または前記案内板の上面及び/又は下面に固定される複数の前記2個1組の車輪の夫々を構成する車輪間に、
前記案内板の上面及び/又は下面または前記天板の下面及び/又は前記支持板の上面に固定される軌道部が挟持され、
該2個1組の車輪が相互に反対方向に回動することにより、該軌道部が該2個1組の車輪に対して相対移動可能な、
請求項2に記載の相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項4】
請求項1に記載の相対移動可能な天板を備える天板機構において、
前記案内板は、X軸方向とY軸方向に延伸する側面により画された矩形であり、
前記相対移動機構は、直線状の軌道と、該軌道に噛合う複数の車輪が直線状に配列されて成るスライド手段とから構成されるスライド機構であり、
前記案内板の2組の対向する側面に、夫々2組の平行な前記直線状の軌道が設けられ、
前記天板の下面に、前記案内板のX軸方向又はY軸方向の側面に設けられた直線状の軌道の組と噛合うように複数の車輪が配列され、該複数の車輪が該直線状の軌道の組に沿って相対移動することにより、該天板と該案内板とがX軸方向又はY軸方向に相互に相対移動し、
前記支持板の上面に、前記案内板のY軸方向又はX軸方向の側面に設けられた直線状の軌道の組と噛合うように複数の車輪が配列され、該複数の車輪が該直線状の軌道の組に沿って相対移動することにより、該支持板と該案内板とがY軸方向又はX軸方向に相互に相対移動し、
前記天板が、前記支持板に対して斜め方向にスライドすることができる、相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項5】
前記天板及び/又は前記案内板を前記支持板に対してロックし、ロック解除し得るロック機構を有する、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の相対移動可能な天板を備える天板機構であって、
前記天板機構は、
前記天板の中央に貫通孔が穿設され、
前記案内板は、中央部に中空間隙部が設けられ、
前記ロック機構は、
上部制御部と、下部当接部と、これらを連結する棒状部とから構成され、
前記棒状部が前記天板機構の貫通孔と中空間隙部とを貫通して、前記下部当接部が該天板機構の支持板に当接されると共に、前記上部制御部が該天板機構の天板の上方に配置されており、
前記上部制御部を操作して前記下部当接部を前記天板機構の支持板方向に進退させることにより、該天板機構の天板を該支持板に対してロック及びロック解除し得る、相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項6】
前記天板機構において、前記天板の中央に穿設された貫通孔は螺子孔であり、
前記ロック機構は、
前記棒状部が前記天板機構の螺子孔と螺合されて該天板機構の中空間隙部を貫通し、
前記下部当接部が該天板機構の支持板に当接されると共に、前記上部制御部が該天板機構の天板の上方に配置されており、
前記上部制御部を回転させて前記下部当接部を前記前記天板機構の支持板方向に進退させることにより、該天板機構の天板を該支持板に対してロック及びロック解除し得る、請求項5に記載の相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項7】
前記天板機構において、
前記支持板は磁化可能な磁化可能領域が設けられており、
前記ロック機構は、
前記上部制御部にスイッチが設けられ、該スイッチのオン/オフを切り替えることにより前記下部当接部を発磁又は消磁可能であり、
前記棒状部が、前記天板機構の貫通孔と中空間隙部とを貫通して、前記下部当接部が該天板機構の磁化可能領域に当接されると共に、前記上部制御部が該天板機構の天板の上方に配置され、
前記上部制御部のスイッチのオン/オフを切り替えることにより、前記天板を前記支持板に対してロック及びロック解除し得る、請求項5に記載の相対移動可能な天板を備える天板機構。
【請求項8】
前記支持板の縁部から上方に伸長する側面を有し、上面が開放された容器型の下部カバーを備え、
該側面により該天板機構の案内板を覆い、その上面を、前記天板の下面に対して間隙を開けて対向させた、請求項1に記載の相対移動可能な天板機構。
【請求項9】
請求項1に記載の天板機構の支持板の下面に、前記脚部を取り付けたテーブルであって、
前記天板が該支持板に対して水平に相対移動することにより、該天板が該脚部に対して水平に移動可能とした、相対移動可能な天板を備えるテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に固定する脚部に対して相対移動可能な天板を備えるテーブル、および、当該脚部に固定することができる、天板を含む機構であって、脚部に固定した場合に当該脚部に対して相対移動可能な天板を備える天板機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、座席への人の出入りを容易にすることができるテーブルが、いくつか開発されている。
【0003】
特許文献1は、「支柱の上端に設けられる第1の幕板と、前記第1の幕板に対しスライド機構を介して移動可能に支持される天板と、を備え、前記天板は四角形または略四角形あるいは長円形であり、前記第1の幕板は、前記天板の下面中央に配され、前記天板の移動方向を天板の相対向する平行な二辺または半円形辺に対して傾斜する一対の傾斜辺を有し、前記天板の下面に、前記第1の幕板の前記傾斜辺を挟むように対向して固定された一対の第2の幕板を更に備え、前記第2の幕板は、前記スライド機構の幅寸法および高さ寸法よりも、厚みが厚く形成され、前記天板は、この天板の相対向する平行な二辺または半円形辺に対し傾斜する方向に移動可能にしたことを特徴とするテーブル」を開示する。
【0004】
また、特許文献2は、「平面視を矩形状とする天板と、前記天板の裏面側に配置された、前記天板よりも面積の小さい支持板と、前記支持板に固定された脚部と、を備えるテーブルであって、前記天板と前記支持板との界面に、前記天板を、該天板の矩形状を構成する平行な一対の2辺に対して傾斜させた方向に、前記天板と前記支持板とを相対的に摺動可能とした摺動機構を備えており、前記摺動機構は、断面視をT字状とする凸条と、断面視をコ字状で、かつ該コ字状の開口部分を幅狭とするように折曲させた凹条とで構成してなるテーブル」を開示する。
【0005】
これらの発明に係るテーブルの天板は、略四角形で、天板の相対向する平行な二辺に対し傾斜する方向に、天板が移動方向することができる。これにより、例えばL字型ソファーのテーブルとして用いた際に、L字型ソファーに対する人の出入りがスムーズで、しかも人の出入りの度に位置決めの必要がなく、天板が不用意に動作しにくいテーブルが実現される。
【0006】
しかし、これらの発明に係るテーブルは、略四角形の天板が、その斜め方向にのみ移動できる構成である。すなわち、これらのテーブルの天板は、四片形の天板の各辺に沿った方向には移動できず、回転することもできず、移動方向が天板の斜め方向のみに制限される。したがって、必ずしも当該テーブルを設置する空間の実情に適合するとは言えない。
【0007】
例えばテーブルを挟んで対面に二人掛けソファーを2つセットする場合、一方の二人掛けソファーに大人が座り、他方に小人が座る状況や、作業のため一方のソファーにテーブルを寄せたい状況など、ソファーとテーブルの一方向の間隔を調整したい状況が生じ得る。また、中国料理を載置するテーブルのように、回転させて所望の物品を手元に引き寄せたい状況も生じ得る。しかし、特許文献1、特許文献2が開示するテーブルは、このような状況には対応することができない。
【0008】
【特許文献1】特許5530710号公報
【特許文献2】特開2019-51127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、その脚部に対して天板が、直角を成す2方向(X軸方向、Y軸方向)に自在に相対移動し、あるいは回転可能な、相対移動可能な天板を備えるテーブル、またはその主要部である、相対移動可能な天板を備える天板機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルは、天板と脚部とを有し、該天板が該脚部に対して水平に相対移動可能なテーブルにおいて、
上面と下面を有する前記天板と、上面と下面を有し、該天板の下面側に配置されると共にその下面が前記脚部に固定された支持板と、上面と下面を有し、該天板の下面と該支持板の上面との間に配置された案内板と、該案内板と該天板及び該支持板との間に設けた相対移動機構により結合されて一体化された天板機構を構成し、該相対移動機構を介して、該天板が前記脚部に固定された該支持板に対して水平に相対移動し得るテーブルであって、前記相対移動機構は、軌道部と該軌道部に沿って相対移動可能な相対移動手段との対から成り、前記天板及び/又は前記支持板に軌道部又は相対移動手段を固定し、これらと対になる相対移動手段又は軌道部を前記案内板に固定して、軌道部と相対移動手段とを相対的に移動させることにより、該天板が前記脚部に対して水平に移動可能である。
【0011】
したがって、上記相対移動機構を介して、上記案内板は上記支持板に対して相対移動可能であり、上記天板は上記案内板に対して相対移動可能であるが、当該天板又は当該案内板が当該支持板に対して移動する前の基準となる位置を、以下「基準位置」という。すなわち、「基準位置」とは、従来の通常のテーブルと同様に、天板又は案内板の重心が脚部の重心とが一致している位置であり、本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルにおいて、上記天板又は上記案内板の重心が上記脚部に固定された上記支持板の重心と一致した状態の上記天板又は上記案内板の位置をいう。
【0012】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、上記天板と脚部とを有するテーブルにおいて、該天板と水平な一方向をX軸方向と、該天板と水平で且つX軸に直角な方向がY軸方向とし、該脚部の上方に固定され得る天板機構であって、
上面と下面を有する前記天板と、上面と下面を有し、該天板の下面側に配置されると共にその下面が前記脚部の上方に固定され得る支持板と、該天板の下面と該支持板の上面との間に配置された案内板とが、該案内板と該天板及び該支持板との間に設けた相対移動機構により結合されて一体化された天板機構であり、前記相対移動機構は、軌道部と該軌道部に沿って相対移動可能な相対移動手段とを備え、該天板及び/又は該支持板に軌道部又は相対移動手段を固定し、前記案内板の上面及び/又は下面に相対移動手段又は軌道部を固定して、軌道部と相対移動手段とを相対的に移動させることにより、該天板が該支持板に対して水平に相対移動し得る。
【0013】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構において、前記相対移動機構はスライド機構であり、該スライド機構は、前記天板の下面又は前記支持板の上面又は前記案内板の上面及び/又は下面の内の何れか1つ又は2つの面の同一面内に、X軸方向又はY軸方向に平行に延伸する少なくとも2本の直線状の軌道部(以下、「軌道部の組」ともいう。)を備えると共に、該何れか1つ又は2つの面の同一面と対向する面の同一面内に、夫々の該軌道部に沿ってスライド可能な少なくとも1組のスライド手段(以下、「スライド手段の組」ともいう。)を備え、前記天板及び/又は前記支持板に前記軌道部の組又は前記スライド手段の組を固定し、前記案内板の上面及び/又は下面に前記スライド手段の組又は前記軌道部の組を固定して構成され、前記軌道部の組と前記スライド手段の組とを相対的にスライドさせることにより、該天板が前記支持板に対してX軸方向及び/又はY軸方向に水平にスライドし得る。
【0014】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構において、前記相対移動機構は回動機構であり、該回動機構は、前記天板の下面又は前記支持板の上面又は前記案内板の上面あるいは下面の内の何れか1つの同一面内に、円状の軌道部を備えると共に、該何れか1つの同一面と対向する面の同一面内に、該円状の軌道部に沿って回動可能な回動手段を備え、前記天板及び/又は前記支持板に前記軌道部又は前記回動手段を固定し、前記案内板の上面及び/又は下面に前記回動手段又は前記軌道部を固定して構成され、前記軌道部と前記回動手段とを相対的に回動させることにより、該天板を前記支持板に対して水平に回動し得る。
【0015】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構において、前記相対移動機構はスライド機構及び回動機構であり、該スライド機構は、前記天板の下面又は前記支持板の上面又は前記案内板の上面あるいは下面の内の何れか1つの同一面内に、軌道部の組を備えると共に、該何れか1つの同一面と対向する面の同一面内に、スライド手段の組を備え、前記回動機構は、前記支持板の上面又は前記天板の下面又は前記案内板の下面あるいは上面の内の何れか1つの同一面内に、円状の軌道部を備えると共に、該何れか1つの同一面と対向する面の同一面内に、該円状の軌道部に沿って回動可能な回動手段を備え、前記軌道部の組と前記スライド手段の組、および、前記軌道部と前記回動手段とを相対的に移動させることにより、該天板が前記支持板に対して水平に移動し得る。
【0016】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、前記天板及び/又は前記支持板に固定される前記軌道部の組又は前記スライド手段の組と、前記案内板の上面及び/又は下面に固定される前記スライド手段の組又は前記軌道部の組と、から構成されるスライド機構において、前記軌道部の組はX軸方向又はY軸方向に平行に延伸する直線状であり、前記スライド手段の組は複数の2個1組の車輪から構成され、前記天板及び/又は前記支持板または前記案内板の上面及び/又は下面に固定される複数の前記2個1組の車輪の夫々を構成する車輪間に、前記案内板の上面及び/又は下面または前記天板の下面及び/又は前記支持板の上面に固定される軌道部が挟持され、該2個1組の車輪が相互に反対方向に回動することにより、該軌道部が該2個1組の車輪に対して相対移動可能である。
【0017】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構において、前記案内板は、X軸方向とY軸方向に延伸する側面により画された矩形であり、前記相対移動機構は、直線状の軌道と、該軌道に噛合う複数の車輪が直線状に配列されて成るスライド手段とから構成されるスライド機構であり、前記案内板の2組の対向する側面に、夫々2組の平行な前記直線状の軌道が設けられ、前記天板の下面に、前記案内板のX軸方向又はY軸方向の側面に設けられた直線状の軌道の組と噛合うように複数の車輪が配列され、該複数の車輪が該直線状の軌道の組に沿って相対移動することにより、該天板と該案内板とがX軸方向又はY軸方向に相互に相対移動し、前記支持板の上面に、前記案内板Y軸方向又はX軸方向の側面に設けられた直線状の軌道の組と噛合うように複数の車輪が配列され、該複数の車輪が該直線状の軌道の組に沿って相対移動することにより、該支持板と該案内板とがY軸方向又はX軸方向に相互に相対移動し、前記天板が、前記支持板に対して斜め方向にスライドすることができる。
【0018】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、前記天板及び/又は前記案内板を前記支持板に対してロックし、ロック解除し得るロック機構を有する、上記相対移動可能な天板を備える天板機構であって、
前記天板機構は、前記天板の中央に貫通孔が穿設され、前記案内板は、中央部に中空間隙部が設けられ、前記ロック機構は、上部制御部と、下部当接部と、これらを連結する棒状部とから構成され、前記棒状部が前記天板機構の貫通孔と中空間隙部とを貫通して、前記下部当接部が該天板機構の支持板に当接されると共に、前記上部制御部が該天板機構の天板の上方に配置されており、前記上部制御部を操作して前記下部当接部を前記天板機構の支持板方向に進退させることにより、該天板機構の天板を該支持板に対してロック及びロック解除し得る。
【0019】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構において、前記天板の中央に穿設された貫通孔は螺子孔であり、前記ロック機構は、前記棒状部が前記天板機構の螺子孔と螺合されて該天板機構の中空間隙部を貫通し、前記下部当接部が該天板機構の支持板に当接されると共に、前記上部制御部が該天板機構の天板の上方に配置されており、前記上部制御部を回転させて前記下部当接部を前記前記天板機構の支持板方向に進退させることにより、該天板機構の天板を該支持板に対してロック及びロック解除し得る。
【0020】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構において、前記支持板は磁化可能な磁化可能領域が設けられており、前記ロック機構は、前記上部制御部にスイッチが設けられ、該スイッチのオン/オフを切り替えることにより前記下部当接部を発磁又は消磁可能であり、前記棒状部が、前記天板機構の貫通孔と中空間隙部とを貫通して、前記下部当接部が該天板機構の磁化可能領域に当接されると共に、前記上部制御部が該天板機構の天板の上方に配置され、前記上部制御部のスイッチのオン/オフを切り替えることにより、前記天板を前記支持板に対してロック及びロック解除し得る。
【0021】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、前記支持板の磁化可能領域を空隙とし、該空隙を覆うように、該支持板の下面に磁化可能な金属板を取り付けてよい。
【0022】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、前記支持板の縁部から上方に伸長する側面を有し、上面が開放された容器型の下部カバーを備え、該側面により該天板機構の案内板を覆い、その上面を、前記天板の下面に間隙を開けて対向させてもよい。
【0023】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、水平な底面と側面とを有し、上面が開放された容器型の下部カバーを、前記支持板の下面に取り付けた天板機構であって、
前記下部カバーの底面の上面を前記天板機構の支持板の下面と当接させて固定し、該下部カバーにより該天板機構の案内板と該支持板とを覆い、該下部カバーの上面を、前記天板の下面に間隙を開けて対向させてもよい。
【0024】
本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルは、上記天板機構の支持板の下面に、前記脚部を取り付けたテーブルであって、前記天板が該支持板に対して水平に相対移動することにより、該天板が該脚部に対して水平に移動可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルは、天板と案内板間及び/又は案内板と支持板間にスライド機構を備えることにより、その脚部に対して天板が、直角を成す2方向(X軸方向、Y軸方向)に自在に相対移動することができる。したがって、本発明に係るテーブルの天板は、X軸方向又はY軸方向の何れか1方向のみに相対移動することができるし、2方向の相対移動を組み合わせることにより、基準位置から斜め方向に相対移動することもできる。
【0026】
あるいは、本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルは、天板と案内板間又は案内板と支持板間に回動機構を備えることにより、その脚部に対して天板が回転可能である。さらに、案内板と支持板又は天板と案内板間にスライド機構を備えて、X軸方向又はY軸方向の相対移動と組み合わせることもできる。
【0027】
このような本発明の相対移動可能な天板を備えるテーブルは、脚部に、本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を固定することにより構成される。すなわち、本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、上記説明した本発明に係るテーブルの主要部であり、天板と案内板と支持板から構成され、支持板に対して天板が、X軸方向又はY軸方向の何れか1方向のみに相対移動することができ、あるいは回転することができる。
【0028】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、ロック機構を備えるので、ロックを解除することにより天板を基準位置から相対移動させることができ、ロックすることにより、相対移動した状態で天板を支持板に対して固定することができる。
【0029】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構は、下部カバーを支持板と当接させて固定し、天板機構の案内板と支持板とを覆うように取り付けてもよい。あるいは、支持板の縁部から上方に側面を伸長させ、上面が開放させて下部カバーとしてもよい。下部カバーを、天板の下面に間隙を開けて、支持板とを覆うようにするので、天板機構の構成部材である案内板や、板間に設けられる軌道部、相対移動手段などの相対移動機構を保護することができる。また、これら天板機構の内部機構を覆うことにより、本発明に係る天板機構及びこれを脚部に固定した相対移動可能な天板を備えるテーブルの美観を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブルの斜視図であり、天板が脚部に対して基準位置にある場合と、天板が基準位置から水平斜方(XY平面斜方)に移動した場合の斜視図。
【
図2】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、天板が支持板に対して基準位置にある状態の(a)側面図、(b)平面透視図。
【
図3(a)】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、天板が支持板に対して基準位置にある状態の側面図。
【
図3(b)】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、支持板に対して案内板(及び天板)がX軸方向にスライドした状態の平面透視図。
【
図3(c)】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、案内板に対して天板がY軸方向にスライドした状態の平面透視図。
【
図4(a)】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、天板が支持板に対して基準位置にある状態の側面図。
【
図4(b)】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、支持板に対して案内板(及び天板)がX軸方向にスライドした状態の平面透視図。
【
図4(c)】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、案内板に対して天板が半時計回りに回転した状態の平面透視図。
【
図5】本発明に係るスライド機構を表す模式図であって、案内板の下面と支持板の上面に配置されたスライド機構の(a)側面図、及び、(b)A-A断面図。
【
図6】本発明に係る回動機構を表す模式図であって、下図に示す案内板の下面を上図に示す支持板の上面に仮想的に配置させた回動機構の平面模式図。
【
図7】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、(a)天板の下面、及び、支持板の下面の写真図、(b)天板の下面、及び、一方の支持板の上面(左)、及び、他方の支持板の下面(右)の斜視写真図。
【
図8】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構を表す図であって、天板の下面のY軸方向の直線状の軌道部が、案内板の上面に固定された2個1組の車輪間に挟持される様子を示す断面図。
【
図9】実施例に係る天板機構(スライド機構)の平面透視図(下)とその側面図。
【
図10】実施例に係る天板機構の支持板を脚部に固定した、相対移動可能な天板を備えるテーブルの斜視図。
【
図11】本発明に係るロック機構を備える天板機構の図であり、上下図は天板機構の天板と支持板の平面図、中図は天板機構の天板と案内板とを貫通して支持板に当接するロック機構の側面図。
【
図12】ロック機構を備える他の実施例に係る天板機構の支持板を脚部に固定した、相対移動可能な天板を備えるテーブルの斜視図。
【
図13】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構の裏面斜視図。
【
図14】本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構の天板に取り付ける下部カバーの裏面、及び、支持板の下面、及び、案内板の下面を表す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明に係るテーブル装置の実施形態及び実施例について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
(1)相対移動可能な天板を備えるテーブル
【0032】
(相対移動可能な天板を備えるテーブル)
本発明に係る相対移動可能な天板を備えるテーブル1は、
図1に示すように、天板3と脚部50とを有し、天板3が脚部50に対して水平に相対移動可能なテーブルである。
図1は、天板3が脚部50に対して相対移動していない上記基準位置にある場合と、天板3が基準位置から水平斜方(XY平面斜方)に移動した場合の斜視図を同時に示している。なお、
図1において、下記する天板機構2の全体図は見えておらず、天板機構2の最上部に配置される天板3のみが示されている。
【0033】
図2(a)、(b)は、天板3及び案内板5が基準位置にある場合の本発明の相対移動可能な天板を備えるテーブル1(脚部50を除く)を示している。本発明のテーブル1は、
図2(a)、(b)のように、上面3Uと下面3Dを有する天板3と、上面7Uと下面7Dを有し、天板3の下面3D側に配置されると共にその下面7Dが脚部50に固定される支持板7と、天板3の下面3Dと支持板7の上面7U間に配置された案内板5と、案内板5と天板3及び支持板7との間に設けた相対移動機構10により結合されて一体化された天板機構2を備えている。テーブル1は、天板機構2の天板3が脚部50に固定される支持板7に対して、基準位置から水平に相対移動することができるため、天板3が脚部50に対して水平に相対移動可能である。
【0034】
すなわち、本発明の相対移動可能な天板を備えるテーブル1において、天板機構2の支持板7の下面は脚部50に固定されおり、相対移動機構10を介して、天板3は、例えば
図3(b)、
図3(c)のように、脚部50に固定される支持板7に対して、基準位置から水平に相対移動することができる。
【0035】
このような相対移動機構10は、軌道部12と軌道部12に沿って相対移動可能な相対移動手段14との対から成る。例えば、
図5(a)において、案内板5の下面5Dに相対移動手段14S(14)が固定され、支持板7の上面7Uに軌道部12L(12)が支柱12Cにより固定されて、
図5(a)のA-A断面図である
図5(b)のように、相対移動手段14が軌道部12に嵌合している。相対移動手段14が軌道部12に沿って移動することにより、相対移動手段14が固定された案内板5が、軌道部12が固定された支持板7に対して、相対移動することができる。
【0036】
上記例に限定されず、本発明の相対移動可能な天板を備えるテーブル1において、相対移動機構10は、天板3の下面3D及び/又は支持板7の上面7Uに軌道部12又は相対移動手段14を固定し、これらの軌道部12又は相対移動手段14と対を成すように、案内板5の上面5U及び/又は下面5Dに、相対移動手段14又は軌道部12を固定する。対を成す軌道部12と相対移動手段14とを相対的に移動させることにより、天板3が脚部50に対して水平に移動可能である。
(2)相対移動可能な天板を備える天板機構
【0037】
以下に、本発明の相対移動可能な天板を備えるテーブル1を構成する天板機構2について、図面を用いて詳細に説明する。図面においてテーブル1の天板3、案内板5、支持板7の形状を何れも長方形としたが、これらの形状・材質は限定されない。
【0038】
(天板機構)
上述のように、本発明に係る天板機構2は、天板3と脚部50とを有するテーブル1において(
図12参照)、脚部50の上方に固定し得る天板機構2である。以下、説明の便宜のため、天板機構2において、天板3と水平な一方向をX軸方向と、天板3と水平で且つX軸に直角な方向をY軸方向と定義することとする。
図1においては、X軸方向及びY軸方向は、長方形の天板3の長手方向及び短手方向に設定されている。
【0039】
本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構2は、上記
図2(a)のように、上面3Uと下面3Dを有する天板3と、上面5Uと下面5Dを有する案内板5と、上面7Uと下面7Dを有する支持板7とを備える。支持板7は、天板3の下面3D側に配置されると共にその下面7Dが脚部50の上方に固定される。また、案内板5は、天板3の下面3Dと支持板7の上面7Uとの間に配置される。上記のように、
図2(a)、(b)において、天板3及び案内板5は基準位置に固定されている。
【0040】
(相対移動機構)
そして、本発明の天板機構2は、案内板5と天板3及び支持板7との間に設けた相対移動機構10により結合され、一体化されて構成される。すなわち、相対移動機構10が、天板3の下面3Dと案内板5の上面5Uの間、及び、案内板5の下面5Dと支持板7の上面7Uの間に挿入されて、これらの構成要素が一体となって天板機構2を構成する。
図2(b)は天板機構2の平面透視図であり、相対移動機構10は省略され、一番大きな天板3の下に一番小さい案内板5が配置され、案内板5の下に斜線の支持板7が配置される様子を示す。
【0041】
なお、本実施形態において、天板機構2は、天板3と支持板7のとの間に案内板5を1枚設けた場合について説明するが、天板3と支持板7のとの間には複数枚の案内板5を設けてもよい。この場合、相対移動機構10は、天板3と案内板5の間、及び、案内板5と支持板7の間の他、複数設けられた案内板5間に設けられてもよく、天板3と複数の案内板5と支持板7が、これらの各板間に設けられた相対移動機構10により結合され、一体化されて天板機構2を構成してもよい。
【0042】
(スライド機構)
相対移動機構10は、上述した
図5に示すように、軌道部12と、軌道部12に沿って相対移動可能な相対移動手段14の対から成る。相対移動機構10の態様は、対となる軌道部12と相対移動手段14の種類によって異なり、相対移動の方法も異なる。例えば、上記した
図5(a)、(b)は、相対移動機構10の一態様であるスライド機構10Sを示す模式図(側面図及びそのA-A断面図)であり、案内板5に固定されたスライド手段14Sが、支持板7に支柱12Cにより固定された直線状軌道部12Lに嵌合してスライドして、案内板5が支持板7に対して直線状に相対移動することができる。
【0043】
(回動機構)
相対移動機構10の他の態様として、
図6(a)、(b)に、回動機構10Rを示す。
図6は、本発明に係る回動機構を表す模式図であって、下図に天板3の下面3Dと案内板5の下面5Dを示し、上図に、この支持板5の下面5Dを仮想的に点線で配置させた支持板7の上面7Uを描いている。回動機構10Rは、円状の軌道部12R(
図6下図参照)と、これに沿って回動可能な回動手段14R(
図6上図参照)との対によって構成される。
【0044】
天板機構2において、円状の軌道部12Rは、天板3の下面3D又は支持板7の上面7U、または、案内板5の上面5U及び/又は下面5Dの内の何れか1つの面内に固定し得る。また、回動手段14Rは、円状の軌道部12Rが固定された何れか1つの面と対向する面の同一面内に、円状の軌道部12Rに沿って回動可能なように固定される。
【0045】
すなわち、回動機構10Rは、天板3の下面3D及び/又は支持板7の上面7Uに円状軌道部12R又は回動手段14Rを固定し、案内板5の上面5U及び/又は下面5Dに回動手段14R又は円状軌道部12Rを固定して構成される。
図6においては、案内板5の下面5Dに円状軌道部12Rを固定し(
図6下図参照)、支持板7の上面7Uに回動手段14Rを固定している(
図6上図参照)。
【0046】
本発明の相対移動可能な天板を備える天板機構2は、このような回動機構10Rにより、軌道部12と回動手段14Rとを相対的に回動させて、天板3を支持板7に対して水平に回動させることができる(
図4(c)参照)。
【0047】
このように、スライド機構10Sや回動機構10Rなどの相対移動機構10は、天板3の下面3D及び/又は支持板7の上面7Uに軌道部12又は相対移動手段14を固定し、案内板5の上面5U及び/又は下面5Dに相対移動手段14又は軌道部12を固定して、各板(天板3、案内板5、支持板7)間に配置することができる。そして、天板機構2は、相対移動手段14を直線状或いは円状の軌道部12に沿って相対的に移動させることにより、天板3が支持板7に対して水平に、直線状に或いは円弧状に相対移動することができる。以下、天板機構2の相対移動の態様について説明する。
(3)天板機構の相対移動の態様
【0048】
上述のように相対移動機構10には、上記スライド機構10Sの他、回動機構10Rなどの種類があって、相対移動の方法が異なるため天板3は支持板7に対して種々の相対移動が可能である。例えば天板機構2が天板3と支持板7と案内板5の3枚の板から構成される場合、天板機構2が備える上方の相対移動機構10と下方の相対移動機構10の2つの相対移動機構10の種類によって、天板3の支持板7に対する相対移動は異なり得る。ここで、上方の相対移動機構10とは、天板3の下面3Dと案内板5の上面5U間に配置される相対移動機構10であり、下方の相対移動機構10とは、案内板5の下面5Dと支持板7の上面7U間に配置される相対移動機構10である。
(3―1)斜方移動
【0049】
図3(a)~(c)に、本実施態様に係る斜め方向に移動可能な天板を備える天板機構2を示す。本実態様の天板機構2において、相対移動機構10は、上述した
図5(a)、(b)のようなスライド機構10Sである。すなわち、
図3(a)~(c)に示す本実施態様のスライド機構10Sは、直線状の軌道部12Lと軌道部12に沿ってスライド可能なスライド手段14Sとを備える。
【0050】
本実施態様の天板機構2において、スライド機構10Sは、天板3の下面3D及び/又は支持板7の上面7U又は案内板5の上面5U及び/又は下面5Dの内の何れか1つ又は2つの面の同一面内に、X軸方向又はY軸方向に平行に延伸する少なくとも2本の直線状の軌道部12L(以下、「軌道部12Lの組」ともいう。)を備える。同時に、軌道部12Lの組を設けた何れか1つ又は2つの面の同一面と対向する面の同一面内に、夫々の軌道部12Lに沿ってスライド可能な少なくとも1組のスライド手段14S(以下、「スライド手段14Sの組」ともいう。)を備える。
【0051】
すなわち、本実施態様の天板機構2において、スライド機構10Sは、天板3及び/又は支持板7に軌道部12Lの組又はスライド手段14Sの組を固定し、案内板5の上面5U及び/又は下面5Dにスライド手段14Sの組又は軌道部12Lの組を固定して構成される。そして、天板機構2は、軌道部12Lの組とスライド手段14Sの組とを相対的にスライドさせることにより、天板3が支持板7に対してX軸方向(
図3(b)参照)及び/又はY軸方向(
図3(c)参照)に水平にスライドすることができる。
【0052】
したがって、本実施態様の天板機構2の各板間、即ち天板3と案内板5間、案内板5と支持板7間に、夫々X軸方向及びY軸方向に固定した軌道部12Lの組とスライド手段14Sの組から成るスライド機構10Sを配置すれば、天板3が支持板7に対してX軸方向及びY軸方向に水平にスライドして、
図3(c)のように斜め方向に移動することができる。
(3―2)平行移動と回動
【0053】
図4(a)~(c)に、本実施態様に係る平行移動と回動可能な天板を備える天板機構2を示す。本実態様の天板機構2において、相対移動機構10は、
図5(a)、(b)のようなスライド機構10Sと、
図6に示すような回動機構10Rである。
【0054】
スライド機構10Sは、天板3の下面3D又は支持板7の上面7U又は案内板5の上面5Uあるいはその下面5Dの内の何れか1つの同一面内に、軌道部12Lの組を備えると共に、軌道部12Lの組を備える何れか1つの同一面と対向する面の同一面内に、スライド手段14Sの組を備える(
図5、
図4(b)参照)。
【0055】
回動機構10Rは、スライド機構10Sが配置される板間(天板3と案内板5間又は案内板5と支持板7間)とは別の板間(案内板5と支持板7間又は天板3と案内板5間)に配置される。すなわち、回動機構10Rは、支持板7の上面7U又は天板3の下面3D又は案内板5の下面5Dあるいは上面5Uの内の何れか1つの同一面内に、円状の軌道部12Rを備えると共に、この円状の軌道部12Rを備える何れか1つの同一面と対向する面の同一面内に、円状の軌道部12Rに沿って回動可能な回動手段14Rを備える(
図6、
図4(c)参照)。
【0056】
本実施態様に係る平行移動と回動可能な天板を備える天板機構2は、軌道部12Lの組とスライド手段14Sの組、及び、軌道部12Rと回動手段14Rとを相対的に移動させることにより、天板3が支持板7に対して水平に、平行移動と回動を行うことができる。
【実施例0057】
図4(a)~(c)は、案内板5と支持板7間にスライド機構10Sを、天板3と案内板5間に回動機構10Rを配置した天板機構2である。
【0058】
図4(b)のように、案内板5は、天板3と共に、スライド機構10Sにより支持板7に対してX軸方向に平行移動することができる。また、天板3は、
図4(c)のように、回動機構10Rにより案内板5に対して回動することができる。
【0059】
以上に説明したように、スライド手段14Sや回動手段14R等の相対移動手段14は、
図5(a)、(b)のような軌道部に嵌合するタイプや、
図7(a)、(b)のような軌道部を2つのローラーで挟むタイプなどを用いることができるが、特にその形状や機構、機能等は限定されない。また、軌道部12は、直線状の軌道、円形状の軌道を用いることができ、
図5(a)、(b)のように支柱12Cにより天板3、支持板7、案内板5に固定されるほか、これらの板に直接固定され、あるいは一体形成されてもよく、その態様は特に限定されない。
(4)天板機構及びテーブルの実施例
【0060】
以下、本発明に係る相対移動可能な天板を備える天板機構2及び同テーブル1の実施例を更に示し、これらの実施例について説明する。
本実施例の天板機構2において、スライド機構10Sは、スライド手段14Sである2個1組の車輪が、相互に反対方向(時計回りと反時計回り)に回動することにより、直線状の軌道部12Lが2個1組の車輪に対して相対移動することができる。なお、本実施例に関わらず、天板3の下面3D及び支持板7の上面7Uに固定される軌道部12LのY軸方向とX軸方向は入れ替わってもよく、また、案内板5の上面5U及び下面5Dに固定される2個1組の車輪の個数は3個または4個に限定されない。また、案内板5の上面5U及び下面5Dに直線状の軌道部12Lが固定されると共に、これに対応して天板3の下面3D及び支持板7の上面7Uに複数の2個1組の車輪が固定されてもよい。