(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049547
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】ウエアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159339
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 宜子
【テーマコード(参考)】
5C054
【Fターム(参考)】
5C054CE11
5C054CF00
5C054CH00
5C054DA09
5C054FA07
5C054GA01
5C054GA04
5C054GB01
5C054GB05
5C054GD09
5C054HA00
(57)【要約】
【課題】作業者が所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返ることができるウエアラブルデバイスを提供する。
【解決手段】スマートグラス100は、作業者の作業の様子を撮像する撮像部14と、ディスプレイ13と、ディスプレイ13の表示を制御する制御部と、撮像により得られた動画の再生を指示する再生指示が入力される入力装置30とを備える。制御部は、再生指示が入力されたことに応じて、第1の時点からの動画をディスプレイ13に表示する。第1の時点は、再生指示よりも第1期間前である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の作業の様子を撮像する撮像部と、
表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
撮像により得られた動画の再生を指示する再生指示が入力される入力部とを備え、
前記制御部は、前記再生指示が入力されたことに応じて、第1の時点からの前記動画を前記表示部に表示し、
前記第1の時点は、前記再生指示よりも第1期間前である、ウエアラブルデバイス。
【請求項2】
前記撮像部は、前記ウエアラブルデバイスが起動したことに応じて、撮像を開始する、請求項1に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項3】
前記撮像部は、前記動画の再生中には、撮像を停止する、請求項1または2に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項4】
前記入力部には、前記動画の再生の終了を指示する終了指示がさらに入力され、
前記制御部は、前記動画の再生中に前記終了指示が入力されたことに応じて、前記表示部における前記動画の表示を終了する、請求項1~3のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項5】
前記第1期間は、時間、または、前記作業の工程数により特定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項6】
前記第1期間は、前記作業者および前記作業を管理する管理者により指定可能である、請求項1~5のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項7】
前記入力部に対する1回の操作により指定される時間、または、前記作業の工程数が予め定められており、
当該操作の回数により前記第1期間が指定される、請求項6に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項8】
前記第1期間は、予め定められている、請求項1~5のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項9】
前記入力部には、再生中の前記動画を第2の時点まで戻す第1指示がさらに入力され、
前記制御部は、前記第1指示が入力されたことに応じて、前記第2の時点からの前記動画を前記表示部に表示し、
前記第2の時点は、前記第1指示よりも第2期間前であり、
前記入力部には、再生中の前記動画を第3の時点まで進める第2指示がさらに入力され、
前記制御部は、前記第2指示が入力されたことに応じて、前記第3の時点からの前記動画を前記表示部に表示し、
前記第3の時点は、前記第2指示よりも第3期間後である、請求項1~8のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項10】
前記第2期間と前記第3期間とは異なる、請求項9に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項11】
前記ウエアラブルデバイスは、前記動画を記憶する記憶部をさらに備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【請求項12】
前記ウエアラブルデバイスは、外部装置と通信する通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記動画を前記外部装置へ送信し、
前記動画は、前記作業のログとして前記外部装置に保存される、請求項1~11のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウエアラブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、作業時の作業者の手元の風景を撮影するために、作業者が動画撮影機能が搭載されたウエアラブルデバイスを装着して作業に従事するケースが増えてきている。一例として、ウエアラブルデバイスで撮影された動画は、作業者の作業内容を確認する目的で管理者によって閲覧される。
【0003】
特開2020-47298号公報(特許文献1)は、動画撮影機能を備えたメガネ型のウエアラブルデバイスを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開2020-47298号公報に記載のウエアラブルデバイスをはじめ従来のウエアラブルデバイスは、作業者が所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返るための仕組みを備えていない。作業者は同じ作業を繰り返していたり、作業に没頭したりしていると、自身がどこまで作業をしたのかがわからなくなることがある。作業の進捗がわからない状態で作業を進めることは、作業者にとって心理的に負担である。また、作業の進捗に確信を持てない状態で作業を進めることは、作業の品質に支障をきたすおそれがある。それゆえ、作業者が所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返ることができる仕組みが必要とされる。
【0006】
本開示は、係る実情に鑑みてなされたものであり、作業者が所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返ることができるウエアラブルデバイスを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のウエアラブルデバイスは、作業者の作業の様子を撮像する撮像部と、表示部と、表示部の表示を制御する制御部と、撮像により得られた動画の再生を指示する再生指示が入力される入力部とを備える。制御部は、再生指示が入力されたことに応じて、第1の時点からの動画を表示部に表示する。第1の時点は、再生指示よりも第1期間前である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、作業者は所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態におけるウエアラブルデバイスを含む録画システムの概要を示す図である。
【
図2】本実施の形態におけるウエアラブルデバイスのコントローラの構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施の形態における外部装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施の形態におけるウエアラブルデバイスの作業動画の録画と再生に関する処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0011】
図1は、本実施の形態におけるウエアラブルデバイスを含む録画システムの概要を示す図である。録画システム500は、スマートグラス100と、外部装置300とを備える。スマートグラス100は、「ウエアラブルデバイス」の一例である。外部装置300は、たとえば、サーバーや、管理者が使用する端末等である。スマートグラス100および外部装置300は、有線通信または無線通信で相互に通信することができる。
【0012】
スマートグラス100は、本体10と、コントローラ20と、入力装置30とを備える。本体10には、目を保護するための透明な防護グラス11が嵌め込まれており、作業者は本体10を装着した状態で前方を視認することができる。また、本体10には、透明のディスプレイ13が設けられている。ディスプレイ13は、「表示部」の一例である。
【0013】
ディスプレイ13には、画像(たとえば、後述の作業動画など)が表示される。ディスプレイ13は、右眼側のディスプレイ13aと、左眼側のディスプレイ13bとを含む。右眼側のディスプレイ13aは、右眼側の取付部15aを介して防護グラス11に取り付けられ、左眼側のディスプレイ13bは、左眼側の取付部15bを介して防護グラス11に取り付けられている。作業者は、ディスプレイ13を介して前方を視認することができ、また、ディスプレイ13に表示される画像を見ることもできる。
【0014】
また、本体10には、撮像部14が設けられている。撮像部14は、本体10を装着して作業をしている作業者の作業の様子を撮像する。詳細には、撮像部14は、作業者の視線の先にある作業者の手元を撮像する。撮像部14での撮像により得られた作業動画は、品質保証の目的で作業のログとして外部装置300の記憶装置320に保存される。記憶装置320に保存されている作業動画は、主に作業を管理する管理者によってディスプレイ306A上で閲覧される。
【0015】
コントローラ20は、スマートグラス100の全体を総括的に制御する。詳細には、コントローラ20は、撮像部14による撮像を制御する。また、コントローラ20は、ディスプレイ13の表示を制御する。また、コントローラ20は、作業動画を外部装置300へ送信する。
【0016】
入力装置30は、「入力部」の一例である。入力装置30には、コントローラ20に対する各種指示が作業者によって入力される。入力装置30は、ボタン、タッチパッド、およびマイクのうち少なくとも1つ以上を含む。
図1に示す例では、入力装置30は、少なくとも1つのボタン31を含む。ボタン31は、ディスプレイ13上での作業動画の再生に関する指示を入力するための操作スイッチである。
【0017】
詳細には、ボタン31は、作業動画の再生を指示する再生指示と、作業動画の再生の終了を指示する終了指示とを入力するための操作スイッチである。作業者は、ディスプレイ13上で作業動画が再生されていない場合にボタン31を操作することで、再生指示を入力することができる。再生指示が入力された場合には、再生指示よりも第1期間前である第1の時点からの作業動画がディスプレイ13に表示される。第1期間は、直近の作業の様子を振り返るために十分な期間であり、作業内容により異なる。第1期間は、時間(たとえば、3分)により特定される。第1期間は、予め定められていてもよいし、作業者および管理者により指定されてもよい。
【0018】
また、作業者は、ディスプレイ13上で作業動画が再生されている場合にボタン31を操作することで、終了指示を入力することができる。終了指示が入力された場合には、ディスプレイ13上での作業動画の表示が終了する。
【0019】
このように、スマートグラス100によれば、作業者は所望のタイミングで再生指示を入力することにより、品質保証の目的で撮像された一連の作業動画のうち再生指示よりも第1期間前である第1の時点からの作業動画、すなわち再生指示の直前の作業動画をディスプレイ13に表示させることができる。それゆえ、作業者は、所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返ることができる。
【0020】
図2は、本実施の形態におけるウエアラブルデバイスのコントローラの構成の一例を示す図である。
【0021】
コントローラ20は、プロセッサ201、主メモリ202、通信インターフェイス203、カメラインターフェイス204、入力インターフェイス205、表示インターフェイス206、および記憶装置220を含む。これらのコンポーネントは、内部バス219を介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
プロセッサ201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0023】
プロセッサ201は、「制御部」の一例である。プロセッサ201は、記憶装置220に記憶されているプログラム222を主メモリ202に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。主メモリ202は、揮発性メモリにより構成され、プロセッサ201によるプログラムの実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0024】
通信インターフェイス203は、「通信部」の一例である。通信インターフェイス203は、ネットワークを介して、外部装置300と通信する。一例として、通信インターフェイス203は、撮像部14での撮像により得られた作業動画を外部装置300へ送信する。作業動画が外部装置300に送信されるタイミングは、たとえばスマートグラス100の充電中であってもよいし、作業者が入力装置30から指示したタイミングであってもよい。
【0025】
カメラインターフェイス204は、プロセッサ201と撮像部14との間のデータ伝送を中継する。詳細には、カメラインターフェイス204は、プロセッサ201からのコマンドに従って、撮像の開始を指示する信号を撮像部14へ出力する。また、カメラインターフェイス204は、撮像部14から撮像により得られた画像(たとえば、作業動画等)を受け付け、受け付けた画像をプロセッサ201に出力する。また、カメラインターフェイス204は、プロセッサ201からのコマンドに従って、撮像の終了を指示する信号を撮像部14へ出力する。
【0026】
入力インターフェイス205は、プロセッサ201と入力装置30との間のデータ伝送を中継する。詳細には、入力インターフェイス205は、入力装置30の操作により与えられる各種指示、たとえば、作業動画の再生に関する指示を受け付ける。
【0027】
表示インターフェイス206は、プロセッサ201とディスプレイ13との間のデータ伝送を中継する。詳細には、表示インターフェイス206は、プロセッサ201からのコマンドに従って、各種の情報(たとえば、作業動画等)を表示するための信号をディスプレイ13へ出力する。また、表示インターフェイス206は、プロセッサ201からのコマンドに従って、表示の終了を指示する信号をディスプレイ13へ出力する。
【0028】
記憶装置220は、「記憶部」の一例である。記憶装置220は、たとえば、SSD(Solid State Drive)やハードディスクである。記憶装置220には、本実施の形態に従う各種の処理を実現するためのプログラム222が記憶されている。また、記憶装置220には、撮像部14での撮像により得られた作業動画が記憶される。
【0029】
プログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従うスマートグラス100の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0030】
図3は、本実施の形態における外部装置の構成の一例を示す図である。
【0031】
外部装置300は、プロセッサ301、主メモリ302、通信インターフェイス303、入力インターフェイス305、表示インターフェイス306、および記憶装置320を含む。これらのコンポーネントは、内部バス319を介して互いに通信可能に接続されている。
【0032】
プロセッサ301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0033】
プロセッサ301は、記憶装置320に記憶されているプログラム322を主メモリ302に展開して実行することで、本実施の形態に従う各種処理を実現する。主メモリ302は、揮発性メモリにより構成され、プロセッサ301によるプログラムの実行に必要なワークメモリとして機能する。
【0034】
通信インターフェイス303は、ネットワークを介して、スマートグラス100と通信する。一例として、通信インターフェイス303は、撮像部14での撮像により得られた作業動画をスマートグラス100から受信する。
【0035】
入力インターフェイス305は、プロセッサ301と入力装置305Aとの間のデータ伝送を中継する。詳細には、入力インターフェイス305は、入力装置305Aの操作により与えられる各種指示を受け付ける。
【0036】
表示インターフェイス306は、プロセッサ301とディスプレイ306Aとの間のデータ伝送を中継する。詳細には、表示インターフェイス306は、プロセッサ301からのコマンドに従って、各種の情報(たとえば、作業動画等)を表示するための信号をディスプレイ306Aへ出力する。また、表示インターフェイス306は、プロセッサ301からのコマンドに従って、表示の終了を指示する信号をディスプレイ306Aへ出力する。
【0037】
記憶装置320は、たとえば、SSDやハードディスクである。記憶装置320には、本実施の形態に従う各種の処理を実現するためのプログラム322が記憶されている。また、記憶装置320には、スマートグラス100から受信した作業動画が記憶される。
【0038】
プログラム322は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う外部装置300の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム322によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0039】
図4は、本実施の形態におけるウエアラブルデバイスの作業動画の録画と再生に関する処理の一例を示す図である。ステップS1において、作業者は、スマートグラス100を装着し、スマートグラス100の電源をオンにする、すなわち、スマートグラス100を起動する。
【0040】
ステップS2において、コントローラ20のプロセッサ201は、スマートグラス100の電源がオンになったことに応じて、撮像の開始を撮像部14に指示する。これにより、撮像部14が撮像を開始する。
【0041】
ステップS3において、撮像部14は、撮像により得られた作業動画を、コントローラ20へ随時送信する。
【0042】
ステップS4において、プロセッサ201は、撮像部14から受信した作業動画と撮像時刻とを対応付けた動画ファイルを生成し、記憶装置220に保存する。
【0043】
ステップS5において、作業者は、ボタン31を操作する(押す)。ステップS6において、入力装置30は、ボタン31が操作されたことを示す操作信号をコントローラ20へ送信する。
【0044】
プロセッサ201は、動画の非再生中に入力装置30からボタン31が操作されたことを示す操作信号を受信したことに応じて再生指示が入力されたと判断する。ステップS7において、プロセッサ201は、ステップS4で生成された動画ファイルを参照し、再生用の動画を生成する。再生用の動画は、一連の作業動画のうち再生指示よりも第1期間前である第1の時点からの作業動画である。
【0045】
ステップS8において、プロセッサ201は、撮像の停止を撮像部14に指示する。これにより、撮像部14が撮像を停止する。
【0046】
ステップS9において、プロセッサ201は、ステップS7で生成した作業動画の表示をディスプレイ13に指示する。これにより、第1の時点からの作業動画がディスプレイ13に表示される。
【0047】
ステップS10において、作業者は、ボタン31を操作する(押す)。ステップS11において、入力装置30は、ボタン31が操作されたことを示す操作信号をコントローラ20へ送信する。
【0048】
プロセッサ201は、動画の再生中に入力装置30からボタン31が操作されたことを示す操作信号を受信したことに応じて終了指示が入力されたと判断する。ステップS12において、再生中の作業動画の表示の終了をディスプレイ13に指示する。これにより、ディスプレイ13における作業動画の表示が終了する。
【0049】
ステップS13において、プロセッサ201は、撮像の再開を撮像部14に指示する。これにより、撮像部14が撮像を再開する。
【0050】
ステップS13の後、スマートグラス100の電源がオフになるまで、ステップS3~ステップS13までの処理が繰り返される。
【0051】
なお、
図4に示す処理では、スマートグラス100が起動したことに応じて、撮像部14による撮像が開始されたが、これに限られない。他の例として、入力装置30に撮像部14による撮像の開始を指示するための撮像開始ボタンを設けておき、スマートグラス100の起動後に撮像開始ボタンが操作されたことに応じて、撮像部14による撮像が開始されてもよい。スマートグラス100が起動したことに応じて、撮像部14による撮像が開始される場合には、作業者が撮像の開始を指示する必要がないことから、録画を失念することを防ぐことができる。また、撮像開始ボタンが操作されたことに応じて、撮像部14による撮像が開始される場合においては、スマートグラス100の起動から所定時間内に撮像が開始されていないことに応じて、あるいは、作業指示(作業手順書などを含む)の表示の際に撮像が開始されていないことに応じて、アラームを出力するようにしてもよい。アラームを出力することで録画を失念することを防ぐことができる。
【0052】
また、
図4に示す処理では、撮像部14は動画の再生中に撮像を停止したが、動画の再生中においても撮像を継続してもよい。
【0053】
また、
図4に示す処理では、作業者は動画の再生中にボタン31を操作することにより、ディスプレイ13上での作業動画の表示を終了することができたが、作業動画を途中で終了することができなくてもよい。その場合には、再生指示が入力された時点までの作業動画がディスプレイ13に表示された後、ステップS13の処理が実行される。
【0054】
このように、スマートグラス100は、作業者の作業の様子を撮像する撮像部14を備え、再生指示が入力されたことに応じて、再生指示よりも第1期間前である第1の時点からの作業動画をディスプレイ13に表示する。それゆえ、作業者は自身の作業を振り返ることができ、自身がどこまで作業を行ったのかを確認することができる。
【0055】
また、スマートグラス100によれば、作業者は所望のタイミングでボタン31を操作することにより再生指示を入力することができる。それゆえ、作業者は、所望のタイミングで自身の作業を振り返ることができる。
【0056】
また、スマートグラス100によれば、再生指示が入力されたことに応じて、第1の時点からの作業動画がディスプレイ13に表示される。これにより、作業者は、現在閲覧しているディスプレイ13上の画面を閉じ、動画ファイルを選択するための画面を開き、該当の動画ファイルを開き、第1の時点の作業シーンを探し出すといった操作をする必要がない。それゆえ、作業者は、簡単に自身の作業を振り返ることができる。
【0057】
すなわち、スマートグラス100によれば、作業者は所望のタイミングで自身の作業を簡単に振り返ることができる。それゆえ、作業者は作業の進捗を明らかにした上で作業を進めることができることから、作業者の心理的負担が軽減される。また、作業の進捗がわからない状態で作業が進められることを抑制できるため、作業の品質が向上する。
【0058】
[変形例1]
作業者により実施される作業が複数の工程を含む場合には、入力装置30は、各工程の開始時点を入力するための開始ボタンと、各工程の終了時点を入力するための終了ボタンとをさらに含んでもよい。このような場合には、作業者は、各工程の作業開始時に開始ボタンを操作し、各工程の作業終了時に終了ボタンを操作する。これにより、プロセッサ201は、各工程の切れ目を特定することができる。それゆえ、プロセッサ201は、
図4に示すステップS4において、作業の工程毎に章立てされた動画ファイルを生成することができる。
【0059】
作業の工程毎に章立てされた動画ファイルが生成される場合には、第1期間は、作業の工程数により特定されてもよい。たとえば、第1期間が工程1つ分とされている場合には、プロセッサ201は、再生指示が入力されたことに応じて、再生指示が入力された工程の1つ前の工程の開始時点からの作業動画の表示をディスプレイ13に指示する。これにより、再生指示が入力された工程の1つ前の工程の開始時点からの作業動画がディスプレイ13に表示される。
【0060】
[変形例2]
第1期間は、作業者および管理者により入力装置30を用いて指定されてもよい。一例として、入力装置30に設けられているいずれかのボタンについて、当該ボタンに対する1回の操作により指定される時間、または、作業の工程数が予め定められている。プロセッサ201は、当該ボタンの操作回数に対応する時間、または、作業の工程数を第1期間に設定する。
【0061】
一例として、当該ボタンに対する1回の操作により指定される時間が1分に定められているとする。このような場合に、当該ボタンが連続して2回操作されたことに応じて、プロセッサ201は、第1期間を2分(1分×2回)に設定する。
【0062】
他の例として、当該ボタンに対する1回の操作により指定される工程数が1に定められているとする。このような場合に、当該ボタンが1回操作されたことに応じて、プロセッサ201は、第1期間を工程1つ分に設定する。
【0063】
[変形例3]
入力装置30は、再生中の作業動画を第2の時点まで戻す第1指示を入力するためのボタン32(
図1参照)と、再生中の作業動画を第3の時点まで進める第2指示を入力するためのボタン33(
図1参照)をさらに含んでもよい。このような場合には、再生中の作業動画を簡単に戻したり進めたりすることができる。
【0064】
詳細には、作業動画の再生中にボタン32が操作された場合には、プロセッサ201は第1指示が入力されたと判断し、第1指示よりも第2期間前である第2の時点からの作業動画の表示をディスプレイ13に指示する。これにより、第2の時点からの作業動画がディスプレイ13に表示される。
【0065】
また、作業動画の再生中にボタン33が操作された場合には、プロセッサ201は第2指示が入力されたと判断し、第2指示よりも第3期間後である第3の時点からの作業動画の表示をディスプレイ13に指示する。これにより、第3の時点からの作業動画がディスプレイ13に表示される。
【0066】
なお、第2期間および第3期間は、時間により特定される。また、作業の工程毎に章立てされた動画ファイルが生成される場合には、第2期間および第3期間は、作業の工程数により特定されてもよい。また、第2期間および第3期間は、予め定められていてもよいし、作業者および管理者により指定されてもよい。また、第2期間および第3期間が作業者および管理者により指定される場合には、変形例2で述べた指定方法を用いて指定されてもよい。
【0067】
また、第2期間と第3期間とは異なっていてもよいし、同じであってもよい。第2期間と第3期間とが異なる場合には、たとえば、第2期間は1分に設定され、第3期間は30秒に設定される。第2期間と第3期間とが異なる場合には第2期間と第3期間とが同じ場合と比べて、再生中の作業動画をより柔軟に戻したり進めたりすることができる。それゆえ、所望の作業シーンに到達しやすくなる。
【0068】
[変形例4]
コントローラ20は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の補助記憶装置と接続可能なインターフェイスをさらに含んでもよい。そのような場合には、作業動画は記憶装置220に替えて、補助記憶装置に保存されてもよい。これにより、記憶装置220に求められる記憶容量を抑えることができる。
【0069】
[変形例5]
上記実施の形態では、表示部として両眼ディスプレイが採用されているが、片眼ディスプレイが採用されてもよい。表示部として両眼ディスプレイが採用される場合には、高解像度の画像を見る場合であっても、ユーザの目の疲れを低減することができる。一方、表示部として片眼ディスプレイが採用される場合には、本体10を軽量化することができる。また、ディスプレイ13は、防護グラス11に対して着脱可能であってもよいし、そうでなくてもよい。また、ディスプレイ13には、作業動画だけでなく、作業の手順書やチェックリストが表示されてもよい。また、表示部として、ディスプレイに替えてスクリーンが採用されてもよい。表示部としてスクリーンが採用される場合には、本体10にはスクリーンに動画を投影する投影部が設けられる。プロセッサ201は、投影部による投影を制御することにより、スクリーンの表示を制御する。
【0070】
[変形例6]
上記実施の形態では、コントローラ20は本体10とは別の筐体に設けられていたが、本体10と同じ筐体に設けられてもよい。また、上記実施の形態では、入力装置30は本体10とは別の筐体に設けられていたが、本体10と同じ筐体に設けられてもよい。
【0071】
[変形例7]
上記実施の形態では、ウエアラブルデバイスはメガネ型(ゴーグル型を含む)のウエアラブルデバイス(スマートグラス)であったが、ヘルメット型のウエアラブルデバイスでもよい。また、ウエアラブルデバイスは、メガネ型またはヘルメット型のような頭部装着型に限られず、リストバンド型またはペンダント型のウエアラブルデバイスでもよい。
【0072】
[態様]
上述した例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0073】
(第1項)一態様に係るウエアラブルデバイスは、作業者の作業の様子を撮像する撮像部と、表示部と、表示部の表示を制御する制御部と、撮像により得られた動画の再生を指示する再生指示が入力される入力部とを備える。制御部は、再生指示が入力されたことに応じて、第1の時点からの動画を表示部に表示する。第1の時点は、再生指示よりも第1期間前である。
【0074】
第1項に記載のウエアラブルデバイスによれば、再生指示が入力されたことに応じて、再生指示よりも第1期間前である第1の時点からの作業動画が表示部に表示される。それゆえ、作業者は自身の作業を振り返ることができ、自身がどこまで作業を行ったのかを確認することができる。また、第1項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業者は所望のタイミングで入力部を操作することにより再生指示を入力することができる。それゆえ、作業者は、所望のタイミングで自身の作業を振り返ることができる。また、第1項に記載のウエアラブルデバイスによれば、再生指示が入力されたことに応じて、第1の時点からの作業動画が表示部に表示される。これにより、作業者は、一連の作業動画の中から第1の時点の作業シーンを探し出す操作をする必要がない。それゆえ、作業者は、簡単に自身の作業を振り返ることができる。
【0075】
(第2項)第1項に記載のウエアラブルデバイスでは、撮像部は、ウエアラブルデバイスが起動したことに応じて、撮像を開始する。
【0076】
第2項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業者が撮像の開始を指示する必要がないことから、録画を失念することを防ぐことができる。
【0077】
(第3項)第1項または第2項に記載のウエアラブルデバイスでは、撮像部は、動画の再生中には、撮像を停止する。
【0078】
作業動画の再生中においては、作業者は作業を行わないことが予想される。そのため、作業を振り返る際には、作業動画の再生中に録画された映像部分はスキップされる可能性が高い。第3項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業を振り返る際に必要となる作業動画のみが撮像されて保存される。それゆえ、管理者および作業者は効率よく作業動画を見直すことができる。また、作業動画が保存される記憶装置の記憶容量を無駄に使用することを防ぐことができる。
【0079】
(第4項)第1項~第3項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスでは、入力部には、動画の再生の終了を指示する終了指示がさらに入力される。制御部は、動画の再生中に終了指示が入力されたことに応じて、表示部における動画の表示を終了する。
【0080】
第4項に記載のウエアラブルデバイスによれば、再生中の作業動画を作業者の所望のタイミングで停止することができる。それゆえ、作業者は、作業を振り返ることができた場合には、再生中の作業動画を停止させて作業に戻ることができる。
【0081】
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスでは、第1期間は、時間、または、作業の工程数により特定される。
【0082】
第5項に記載のウエアラブルデバイスによれば、第1期間を柔軟に設定することができる。
【0083】
(第6項)第1項~第5項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスでは、第1期間は、作業者および作業を管理する管理者により指定可能である。
【0084】
第6項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業内容に応じて第1期間を変更することができる。
【0085】
(第7項)第6項に記載のウエアラブルデバイスでは、入力部に対する1回の操作により指定される時間、または、作業の工程数が予め定められている。当該操作の回数により第1期間が指定される。
【0086】
第7項に記載のウエアラブルデバイスによれば、第1期間を簡単に変更することができる。
【0087】
(第8項)第1項~第5項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスでは、第1期間は、予め定められている。
【0088】
第8項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業者および管理者による第1期間の指定の手間を省くことができる。
【0089】
(第9項)第1項~第8項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスでは、入力部には、再生中の動画を第2の時点まで戻す第1指示がさらに入力される。制御部は、第1指示が入力されたことに応じて、第2の時点からの動画を表示部に表示する。第2の時点は、第1指示よりも第2期間前である。入力部には、再生中の動画を第3の時点まで進める第2指示がさらに入力される。制御部は、第2指示が入力されたことに応じて、第3の時点からの動画を表示部に表示する。第3の時点は、第2指示よりも第3期間後である。
【0090】
第9項に記載のウエアラブルデバイスによれば、再生中の作業動画を簡単に戻したり進めたりすることができる。
【0091】
(第10項)第9項に記載のウエアラブルデバイスでは、第2期間と第3期間とは異なる。
【0092】
第10項に記載のウエアラブルデバイスによれば、再生中の作業動画をより柔軟に戻したり進めたりすることができる。それゆえ、所望の作業シーンに到達しやすくなる。
【0093】
(第11項)第1項~第10項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスは、動画を記憶する記憶部をさらに備える。
【0094】
第11項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業動画をウエアラブルデバイスに保存することができるため、作業動画を保存するための記憶装置を別途設ける必要がない。
【0095】
(第12項)第1項~第11項のいずれか1項に記載のウエアラブルデバイスは、外部装置と通信する通信部をさらに備える。通信部は、動画を外部装置へ送信する。動画は、作業のログとして外部装置に保存される。
【0096】
第12項に記載のウエアラブルデバイスによれば、作業動画を外部装置に保存することができるため、ウエアラブルデバイスの記憶装置に求められる記憶容量を抑えることができる。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
10 本体、11 防護グラス、13,306A ディスプレイ、13a 右眼側のディスプレイ、13b 左眼側のディスプレイ、14 撮像部、15a 右眼側の取付部、15b 左眼側の取付部、20 コントローラ、30,305A 入力装置、31,32,33 ボタン、100 スマートグラス、201,301 プロセッサ、202,302 主メモリ、203,303 通信インターフェイス、204 カメラインターフェイス、205,305 入力インターフェイス、206,306 表示インターフェイス、219,319 内部バス、220,320 記憶装置、222,322 プログラム、300 外部装置、500 録画システム。