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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004961
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】通信装置及びそのCFR処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
H04B1/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101487
(22)【出願日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082287
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ナク ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヒチョル
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヒョンス
【テーマコード(参考)】
5K060
【Fターム(参考)】
5K060BB07
5K060CC04
5K060KK02
5K060KK06
5K060LL01
(57)【要約】
【課題】 通信装置でのPAPR(Peak to Average Power Ratio)低減方法、さらに詳細には、中継器のような通信装置でPAPRを低減させるために信号をCFR(CrestFactorReduction)処理する方法を提供する。
【解決手段】オリジナル信号をCFR処理して第1処理信号を生成する第1CFRモジュールと、第1処理信号をCFR処理して第2処理信号を生成する第2CFRモジュールと、を備える通信装置。第1処理信号は、第1サンプリング・レートを用いて生成され、第2処理信号は、第2サンプリング・レートを用いて生成される。本発明によれば、低いサンプリング・レートの通信装置でも、入力された信号のピーク成分を効果的に除去することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリジナル信号をCFR処理して第1処理信号を生成する第1 CFRモジュールと、
前記第1処理信号をCFR処理して第2処理信号を生成する第2CFRモジュールと、を備えるが、
前記第1処理信号は、第1サンプリング・レートを用いて生成され、
前記第2処理信号は、第2サンプリング・レートを用いて生成される、通信装置。
【請求項2】
前記第2CRFモジュールは、
前記第1処理信号を、前記第1CFRモジュールとは異なる時点を基準としてCFR処理して前記第2処理信号を生成するが、
前記第1サンプリング・レートと前記第2サンプリング・レートとが相等しく設定される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1処理信号を予め設定されている時間ほどシフトして出力するサンプルシフタをさらに備えるが、
前記第2CRFモジュールは、前記サンプルシフタから入力された信号をCFR処理して前記第2処理信号を生成する、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レート未満に相応する、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レートの半分に相応する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
複数のCFRモジュールを備える通信装置でオリジナル信号をCFR処理する方法において、
前記オリジナル信号をCFR処理して第1処理信号を生成するステップと、
前記第1処理信号をCFR処理して第2処理信号を生成するステップと、を含むが、
前記第1処理信号は、第1サンプリング・レートを用いて生成され、
前記第2処理信号は、第2サンプリング・レートを用いて生成される、CFR処理方法。
【請求項7】
前記第2処理信号を生成するステップは、
前記第1処理信号を、前記第1CFRモジュールとは異なる時点を基準としてCFR処理して前記第2処理信号を生成するステップを含むが、
前記第1サンプリング・レートと前記第2サンプリング・レートとが相等しく設定される、請求項6に記載のCFR処理方法。
【請求項8】
前記第1処理信号を予め設定されている時間ほどシフトして出力するステップをさらに含むが、
前記第2処理信号を生成するステップは、
シフトされた前記第1処理信号をCFR処理して前記第2処理信号を生成する、請求項7に記載のCFR処理方法。
【請求項9】
前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レート未満に相応する、請求項8に記載のCFR処理方法。
【請求項10】
前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レートの半分に相応する、請求項9に記載のCFR処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置でのPAPR(Peak to Average Power Ratio)低減方法に係り、さらに詳細には、中継器のような通信装置でPAPRを低減させるために信号をCFR(CrestFactorReduction)処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中継器は、信号を受信してさらに高いレベルまたはさらに高い電力で前記信号を再送信する電子装置である。中継器で用いられる信号は度々高いPAPR(Peakto Average Power Ratio)を持つ。これは、中継器で具現される電力増幅器の効率性を制限する問題点を引き起こす。よって、電力増幅器の効率性を高めるために様々なPAPR低減方法が提案されている。
【0003】
CFR(Crest Factor Reduction)がその方法のうち一つである。CFRは、入力された信号をサンプリングし、サンプリングされた信号のピークを検出した後、そのピーク値を予め設定されたしきい値と比べる。ピーク値がしきい値を超過すれば、その超過分ほどピーク値を低減させることで、全体的に信号のピーク値を設定されたしきい値の以下にすることができる。
【0004】
従来のCFR方式による場合、入力された信号のピーク(magnitude peak)位置がサンプリング・タイミングに一致しなければ、正確なピーク値を推正することができなくなる。この場合、信号のピーク部分が十分に除去されずにしきい値を超過するピーク成分が残るという問題点がある。
【0005】
通常的に、このような問題点を解決するために、1次CFR処理された信号をもう一度あるいは一度以上も同じ構成のCFRブロックに通過させて、残存するピーク信号の大きさを縮める多段階CFR(multistage CFR)方式が用いられる。しかし、この方式も、サンプリング位置とピーク位置とが一致しない場合には効果的ではない。勿論、サンプリング・レートを高めてサンプリング位置とピーク位置とを一致させることができるが、サンプリング・レートを高める場合、FPGAの処理速度の制限によって具現が不可能になるか、またはFPGAのロジッグ容量の過度な増加によって高仕様のFPGAを使わねばならないという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した問題点を解決するために、本発明は、低いサンプリング・レートによっても信号のピーク成分を効果的に除去することができる通信装置及びそのCFR処理方法を提供しようとする。
【0007】
本発明の技術的思想が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、オリジナル信号をCFR処理して第1処理信号を生成する第1CFRモジュールと、前記第1処理信号をCFR処理して第2処理信号を生成する第2CFRモジュールと、を備えるが、前記第1処理信号は、第1サンプリング・レートを用いて生成され、前記第2処理信号は、第2サンプリング・レートを用いて生成される、通信装置が開示される。
【0009】
実施形態によって、前記第2CRFモジュールは、前記第1処理信号を、前記第1CFRモジュールとは異なる時点を基準としてCFR処理して前記第2処理信号を生成するが、前記第1サンプリング・レートと前記第2サンプリング・レートとが相等しく設定される。
【0010】
実施形態によって、前記通信装置は、前記第1処理信号を予め設定されている時間ほどシフトして出力するサンプルシフタをさらに備えるが、前記第2CRFモジュールは、前記サンプルシフタから入力された信号をCFR処理して前記第2処理信号を生成する。
【0011】
実施形態によって、前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レート未満に相応する。
【0012】
実施形態によって、前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レートの半分に相応する。
【0013】
本発明の他の側面によれば、複数のCFRモジュールを備える通信装置でオリジナル信号をCFR処理する方法において、前記オリジナル信号をCFR処理して第1処理信号を生成するステップと、前記第1処理信号をCFR処理して第2処理信号を生成するステップと、を含むが、前記第1処理信号は、第1サンプリング・レートを用いて生成され、前記第2処理信号は、第2サンプリング・レートを用いて生成される、CFR処理方法が開示される。
【0014】
実施形態によって、前記第2処理信号を生成するステップは、前記第1処理信号を、前記第1CFRモジュールとは異なる時点を基準としてCFR処理して前記第2処理信号を生成するステップを含むが、前記第1サンプリング・レートと前記第2サンプリング・レートとが相等しく設定される。
【0015】
実施形態によって、前記CFR処理方法は、前記第1処理信号を予め設定されている時間ほどシフトして出力するステップをさらに含むが、前記第2処理信号を生成するステップは、シフトされた前記第1処理信号をCFR処理して前記第2処理信号を生成する。
【0016】
実施形態によって、前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レート未満に相応する。
【0017】
実施形態によって、前記予め設定されている時間は、前記第1サンプリング・レートの半分に相応する。
【発明の効果】
【0018】
本発明による通信装置及びそのCFR処理方法は、低いサンプリング・レートによっても信号のうちしきい値を超過するピーク成分を効果的に除去することができる。
【0019】
また、本発明による通信装置及びそのCFR処理方法は、低いクロックで動作するFPGA LOGICでもPAPRを効果的に低減させることができる。
【0020】
本発明の技術的思想による実施形態が得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一般的なCFRモジュールの機能構成図である。
図2】本発明の一実施形態によるCFR処理部のブロック構成図である。
図3】本発明の一実施形態によるCFR処理部のブロック構成図である。
図4】本発明の一実施形態によるサンプルシフタの構成についての例示図である。
図5】サンプルシフタなしに複数のCFRモジュールを用いて信号のピークを除去した結果を示すグラフである。
図6】本発明の一実施形態によるCFR処理部が処理した信号処理結果を示すグラフである。
図7】オリジナル信号、1次CFR処理信号、2次CFR処理信号、及び本発明によって処理された信号の振幅を比べたグラフである。
図8】本発明の一実施形態によるCFR処理方法についてのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0023】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は、一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0024】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と「連結される」か、または「接続する」などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0025】
また、本明細書に記載の「~部」、「~器」、「~子」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現される。
【0026】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する二つ以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に二つ以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0027】
以下、本発明の技術的思想による多様な実施形態を順次に詳細に説明する。
【0028】
図1は、一般的なCFRモジュールの機能構成図である。
【0029】
図1を参照すれば、CFRモジュール100は、入力された信号(以下、「オリジナル信号」と称する)のうち既定のしきい値より大きい成分(ピーク)の大きさを低減させるための構成であって、ピーク検出器110、相殺パルス生成器120、及び遅延器130を備える。
【0030】
ピーク検出器110は、オリジナル信号の大きさ(magnitude)を受けてピークを検出する。例えば、ピーク検出器は、サンプル間の信号の大きさの変化値を計算し、その値の符号が正から負に変わる地点をピークと定める。ピーク検出器は、検出されたピークの大きさが所定のしきい値より大きい場合、ピークとしきい値との間の差値を獲得する。
【0031】
相殺パルス生成器120は、ピーク検出器110で検出されたピーク及びオリジナル信号に対応する相殺パルスを生成して減算器140に出力する。
【0032】
遅延器130は、ピーク検出器110及び相殺パルス生成器120が前記動作を行う間にかかる遅延時間に対応してオリジナル信号(ピーク検出器110に入力された一部を除いた残り)を遅延させることで、オリジナル信号と相殺パルスとを同期化させる。
【0033】
減算器140は、遅延器130から入力されたオリジナル信号及び相殺パルス生成器120から入力された相殺パルスを結合して、「信号の大きさがしきい値以上である部分が除去された信号」(以下、「処理信号」と称する)を出力する。
【0034】
前述したCFRモジュール100の動作は、既に公開された技術であるため、これについてのさらに具体的な説明は省略する。また、前述したCFRモジュール100の動作は例示であるだけで、本発明の権利範囲が該動作に制限されないということは明らかである。また、以下では、CFRモジュール100でオリジナル信号のピークを除去して処理信号を出力する動作を「CFR処理動作」と略称する。
【0035】
一方、本願発明はCFR処理動作を複数回行う構成を含むが、特に各CFR処理動作の間に特有の「サンプルシフト動作」(これについての具体的な動作は後述する)が行われる。以下、図2及び図3を参照して本願発明の一実施形態によるオリジナル信号のCFR処理について説明する。
【0036】
図2及び図3は、本発明の一実施形態によるCFR処理部のブロック構成図である。
【0037】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による通信装置200は、第1 CFRモジュール210、サンプルシフタ220、及び第2 CFRモジュール230を備える。
【0038】
第1 CFRモジュール210は、オリジナル信号が入力されれば、予め設定されている第1サンプリング・レートを用いてオリジナル信号のピークを検出し、検出されたピークに相応するパルスを生成して、オリジナル信号のピークを1次的に除去する。
【0039】
サンプルシフタ220は、入力された信号を、予め設定されている時間ほどシフトまたは位相遅延処理する。第1 CFRモジュール210から出力された信号は、サンプルシフタ220を通じてシフトまたは位相遅延された後、第2 CFRモジュール230に入力される。
【0040】
第2 CFRモジュール230は、サンプルシフタ220からシフトまたは位相遅延された信号が入力されれば、予め設定されている第2サンプリング・レートを用いてピークを検出し、検出されたピークに相応するパルスを生成して、オリジナル信号のピークを2次的に除去する。
【0041】
第2 CFRモジュール230の動作は、第1 CFRモジュール210の動作と類似しているが、サンプリング・タイミングが相異なる。第2 CFRモジュール230に入力される信号は、サンプルシフタ220から入力された信号であるからである。よって、第1サンプリング・レートと第2サンプリング・レートとが相等しくても第1 CFRモジュール210及び第2 CFRモジュール230でサンプリングされるオリジナル信号の位置は相異なることもある。
【0042】
図3には、本発明の一実施形態による通信装置200の第1 CFRモジュール210、サンプルシフタ220、及び第2 CFRモジュール230の具体的な構成が例示される。
【0043】
すなわち、第1 CFRモジュール210は、第1ピーク検出器310、第1相殺パルス生成器320、及び第1遅延器330を備える。
【0044】
第1 CFRモジュール210は、入力されたオリジナル信号を第1サンプリング・レートによってサンプリングした後でピークを検出し、相殺パルスを生成してピークを制御した後で第1処理信号を出力する。
【0045】
サンプルシフタ220には第1処理信号が入力される。サンプルシフタ220は、第1処理信号を、予め設定されている時間ほどシフトまたは位相遅延処理して出力する。ここで予め設定されている時間は、第1サンプリング・レートの周期より短い時間であって、例えば、第1サンプリング・レートの周期の半分に相応する。サンプルシフタ220は、複数のタップで構成されたFIRフィルタを使って具現され、FIRフィルタタップの数は、オリジナル信号の帯域幅とサンプリング・レートとの割合によって変わる。また、FIRフィルタ係数は、フィルタの周波数特性を全体信号の帯域で平坦化して、オリジナル信号がスペクトル上で歪曲されずに相互対称的な値を持つように設定される。よって、オリジナル信号の帯域幅が大きいほどさらに広い周波数帯域で周波数特性が維持されねばならないため、より多くのタップを持つFIRフィルターが必要になる。
【0046】
サンプルシフタ220の機能を具現するための構成の例示は図4に図示されている。サンプルシフタ220の構成は図4の例示以外にも様々であるため、サンプルシフタ220についてのいずれか一つの構成が本発明の権利範囲を制限することはできないということは明らかである。
【0047】
第2 CFRモジュール230は、第2ピーク検出器340、第2相殺パルス生成器350、及び第2遅延器360を備える。
【0048】
第2 CFRモジュール230には、サンプルシフタ220で処理された信号が入力される。第2 CFRモジュール230は、入力された信号を第2サンプリング・レートによってサンプリングした後でピークを検出し、相殺パルスを生成してピークを制御した後で第2処理信号を出力する。
【0049】
ここで、第2 CFRモジュール230に入力される信号は、サンプルシフタ220でシフトまたは位相遅延処理された信号である。よって、第1サンプリング・レートと第2サンプリング・レートとが相等しくても、第2ピーク検出器340でサンプリングされるオリジナル信号の位置は、第1ピーク検出器310でサンプリングされるオリジナル信号の位置とは異なることもある。
【0050】
このような構成によって、本願発明による通信装置200は、オリジナル信号のピーク成分を低いサンプリング・レートによっても効果的に除去することができる。以下、図4ないし図6を参照して本願発明によってピーク成分が除去された結果について説明する。
【0051】
図5は、サンプルシフタなしに複数のCFRモジュールを用いて信号のピークを除去した結果を示すグラフであり、図6は、本発明の一実施形態によるCFR処理部が処理した信号処理結果を示すグラフである。
【0052】
図5を参照すれば、サンプルシフタ220なしに第1 CFRモジュール210及び第2 CFRモジュール230だけでオリジナル信号(Original)のピーク成分を除去した場合が例示される。図5に図示されたように、サンプルシフタ220がなければ、第1 CFRモジュール210から検出されたピーク部分と第2 CFRモジュール230から検出されたピーク部分とは極めて類似していて、第1 CFRモジュール210で除去されていない残余ピークが第2 CFRモジュール230で完全に除去されないこともある。よって、第1 CFRモジュール210及び第2 CFRモジュール230でピーク除去処理された後にも、予め設定されているしきい値(Theshold)を超過する成分は残っていることもある。
【0053】
一方、図6を参照すれば、第1 CFRモジュール210、サンプルシフタ220、及び第2 CFRモジュール230を用いてオリジナル信号のピーク成分を除去した場合が例示される。サンプルシフタ220は、第1処理信号を、予め設定されている時間(tshift)ほどシフトまたは位相遅延処理する。例えば、第1サンプリング・レートと第2サンプリング・レートとが相等しい場合、予め設定されている時間(tshift)は第1サンプルレートの半分に相応する値である。よって、第1 CFRモジュール210から検出されたピーク部分と第2 CFRモジュール230から検出されたピーク部分とは全く相異なる。これによって、第1処理信号(1st processed signal)で除去されない残余ピーク部分は、第2 CFRモジュール230を通じて完全に除去されていることが分かる。図5とは異なり、図6の第2処理信号(2nd processed signal)は、しきい値を超過する成分がないということが分かる。
【0054】
図7は、オリジナル信号、1次CFR処理信号、2次CFR処理信号、及び本発明によって処理された信号の振幅を比べたグラフである。
【0055】
図7を参照すれば、オリジナル信号のしきい値の超過成分は第1処理信号で相当除去されたということが分かるが、依然としてしきい値を超過する成分が存在するということが分かる。
【0056】
また、本願発明特有のサンプルシフタ220なしに、1次CFR処理以後に直ぐ2次CFR処理を行った場合、第2処理信号には依然としてしきい値を超過する成分が存在するということが分かる。
【0057】
一方、本願発明特有のサンプルシフタ220で1次処理信号をシフトまたは位相遅延処理した後で2次CFR処理を行った場合、第2処理信号にはしきい値を超過する成分がほぼ除去されたということが分かる。
【0058】
図8は、本発明の一実施形態によるCFR処理方法についてのフローチャートである。
【0059】
以下、図8を参照して本発明の一実施形態によるCFR処理方法について説明する。以下で説明されるそれぞれのステップは、図2及び図3を参照して説明した通信装置200のそれぞれの構成、第1 CFRモジュール210、サンプルシフタ220、及び第2 CFRモジュール230で行われる動作でありうるが、理解及び説明の便宜のために通信装置200で行われると通称して説明する。
【0060】
ステップS710で、通信装置200は、オリジナル信号を予め設定されている第1サンプリング・レートによってサンプリングした後、サンプリングされた信号の大きさとしきい値とを比べた後でピーク部分を検出し、検出されたピーク部分を除去するためのCFR処理動作を行う。該ステップを通じて1次CFR処理された信号を第1処理信号と称する。
【0061】
ステップS720で、通信装置200は、第1処理信号を予め設定されている時間(tshift)ほどシフトまたは位相遅延処理する。ここで、予め設定されている時間(tshift)は、第1サンプリング・レートの半分に相応する値である。また、第1処理信号をシフトまたは位相遅延処理するための具体的な構成は様々であるため、これについての具体的な説明は省略する。
【0062】
ステップS730で、通信装置200は、シフトまたは位相遅延処理された第1処理信号を予め設定されている第2サンプリング・レートによってサンプリングした後、サンプリングされた信号の大きさとしきい値とを比べた後でピーク部分を検出し、検出されたピーク部分を除去するための2次CFR処理動作を行う。該ステップを通じて2次CFR処理された信号を第2処理信号と称する。
【0063】
ここで、第2サンプリング・レートは第1サンプリング・レートと等しい値である。シフトまたは位相遅延された第1処理信号が入力されたため、第1サンプリング・レートと等しい値でサンプリングしても、サンプリングされた位置が相異なる。よって、本発明によれば、第1サンプリング・レート及び/または第2サンプリング・レートが低くても信号のピーク成分を効果的に除去することができ、FPGA LOGICを低いクロックで具現することができる。
【0064】
以上、本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できるということを理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8