(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049621
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
B65F 3/00 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
B65F3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159467
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】弘津 智史
(72)【発明者】
【氏名】巻幡 晃一
(72)【発明者】
【氏名】徳山 信行
【テーマコード(参考)】
3E024
【Fターム(参考)】
3E024AA04
3E024BA02
3E024DA04
3E024DB03
3E024FA02
3E024HA04
3E024HB04
3E024HC03
3E024HD03
3E024HE01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の塵芥積込装置の検知スイッチが有する課題を解消し、安全性を向上させることができる塵芥収集車を提供すること。
【解決手段】荷箱と、荷箱の任意の傾動角を検出する回転角センサ14,15と、荷箱の特定の傾動動作機能の有効無効の選択を受け付ける選択部16,17と、回転角センサ14,15が検出する荷箱の傾動角と選択部16,17が受け付ける特定の傾動動作機能の選択状態とに基づいて荷箱の傾動動作を制御する制御装置PLCと、を備える。制御装置PLCは、荷箱の初期位置0度と、最大傾動角C度と、初期位置0度と最大傾動角C度との間にある設定傾動角A度,B度を記憶する設定傾動角記憶部27とを有する。制御装置PLCは、特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、荷箱を初期位置0度と最大傾動角C度との間で傾動させる際に、設定傾動角A度,B度において荷箱の傾動速度を変える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行時に配される初期位置から所定の最大傾動角まで傾動可能な荷箱と、
前記荷箱の任意の傾動角を検出する回転角センサと、
前記荷箱の特定の傾動動作機能の有効無効の選択を受け付ける選択部と、
前記回転角センサが検出する前記荷箱の傾動角と、前記選択部が受け付ける前記特定の傾動動作機能の選択状態とに基づいて、前記荷箱の傾動動作を制御する制御装置と、
を備える塵芥収集車であって、
前記制御装置は、
前記荷箱の前記初期位置、前記最大傾動角、および前記初期位置と前記最大傾動角との間にある設定傾動角を記憶する設定傾動角記憶部を有し、
前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を前記初期位置と前記最大傾動角との間で傾動させる際に、前記初期位置と前記最大傾動角との間にある前記設定傾動角において前記荷箱の傾動速度を変える、
ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
請求項1に記載の塵芥収集車であって、
前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を前記最大傾動角に向かって傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達したときに前記荷箱の傾動を停止させ、当該設定傾動角を超える前記荷箱の傾動を規制する、ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項3】
請求項1に記載の塵芥収集車であって、
前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に向かって傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達したときに、前記荷箱の傾動を一時停止させ、所定時間経過後またはスイッチ操作入力に基づいて再び前記荷箱を同方向に傾動させる、ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項4】
請求項1に記載の塵芥収集車であって、
前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも、前記荷箱が前記設定傾動角に到達した後の傾動速度を低速にする、ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項5】
請求項1に記載の塵芥収集車であって、
前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達したときに、前記荷箱の傾動を一時停止させ、その後、再び前記荷箱を前記設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも低速で同方向に傾動させる、ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項6】
請求項1に記載の塵芥収集車であって、
前記設定傾動角記憶部は、前記初期位置と前記最大傾動角との間にある複数の設定傾動角を記憶しており、
前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に傾動させる際に、前記荷箱が前記複数の設定傾動角のうちの1の設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも、前記荷箱が当該1の設定傾動角に到達した後の傾動速度を高速にして同方向に傾動させ、その後、前記荷箱が前記複数の設定傾動角のうちの他の設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも、前記荷箱が当該他の設定傾動角に到達した後の傾動速度を低速にして同方向に傾動させる、ことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の塵芥収集車であって、
前記荷箱は、塵芥投入箱または塵芥収容箱である、ことを特徴とする塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、塵芥を収容する塵芥収容箱と、塵芥収容箱の後方に連設された塵芥投入箱とを備える塵芥収集車が知られている。塵芥投入箱には、塵芥積込装置が装備され、塵芥積込装置によって塵芥投入箱に投入された塵芥が塵芥収容箱に押し込まれる。塵芥投入箱は、塵芥収容箱の後方上部に傾動自在に軸支され、傾動シリンダの伸縮動作によって上下に傾動し、塵芥収容箱の後部開口を開閉するようになっている。
【0003】
特許文献1の塵芥収集車では、塵芥投入箱の所定傾動位置を検知するための検知スイッチが設けられている。この検知スイッチは、塵芥収容箱側に取り付けられた断面円弧状の被検知部材を検知するとき、制御装置にON信号を入力し、被検知部材を検知しないとき、制御装置にOFF信号を入力する。制御装置は、検知スイッチからの信号に基づいて、塵芥投入箱が全閉位置にあること、全閉位置から45度傾動した位置にあること、および全閉位置から90度傾動した位置にあることを検出する。検知スイッチとしては、リミットスイッチ、光電スイッチ、近接スイッチなどが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、塵芥収集車の車台に搭載された塵芥投入箱や塵芥収容箱(以下これらを纏めて「荷箱」ともいう。)を傾動させる場合、安全のために所定の傾動角で傾動を制限することができれば、安全性を向上させることができる。
【0006】
しかし、そのように所定の傾動角において荷箱の傾動を制限する場合、当該傾動角を検知することが必要となり、そのために、新たに検知スイッチや被検知部材を増設することが必要となる。
【0007】
また、検知スイッチを用いて荷箱の所定の傾動角を検知する場合、何らかの事情で検知位置を変更することが必要になった際に、検知スイッチの取付位置を変更する作業が必要となる。
【0008】
また、荷箱を検知すべき傾動角が複数あって、それらが互いに接近している場合、検知スイッチの取付スペースを確保できず、検知すべき全ての位置で荷箱を検知することが困難になることがある。
【0009】
本発明は、上記検知スイッチが有する課題を検知スイッチ以外の代替手段を採用することで解消しつつ、安全性を向上させることのできる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る塵芥収集車は、走行時に配される初期位置から所定の最大傾動角まで傾動可能な荷箱と、前記荷箱の任意の傾動角を検出する回転角センサと、前記荷箱の特定の傾動動作機能の有効無効の選択を受け付ける選択部と、前記回転角センサが検出する前記荷箱の傾動角と前記選択部が受け付ける前記特定の傾動動作機能の選択状態とに基づいて前記荷箱の傾動動作を制御する制御装置と、を備えるものを前提とする。前記制御装置は、前記荷箱の前記初期位置、前記最大傾動角、および前記初期位置と前記最大傾動角との間にある設定傾動角を記憶する設定傾動角記憶部を有する。前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を前記初期位置と前記最大傾動角との間で傾動させる際に、前記初期位置と前記最大傾動角との間にある前記設定傾動角において前記荷箱の傾動速度を変える。
【0011】
かかる構成を備える塵芥収集車によれば、従来の塵芥収集車に使用されていた検知スイッチが有する課題を解消しつつ、安全性を向上させることが可能となる。
【0012】
本発明の第2態様に係る塵芥収集車は、第1態様に係る塵芥収集車において、前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を前記最大傾動角に向かって傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達したときに前記荷箱の傾動を停止させ、当該設定傾動角を超える前記荷箱の傾動を規制するものである。
【0013】
本発明の第3態様に係る塵芥収集車は、第1態様に係る塵芥収集車において、前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に向かって傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達したときに、前記荷箱の傾動を一時停止させ、所定時間経過後またはスイッチ操作入力に基づいて再び前記荷箱を同方向に傾動させるものである。
【0014】
本発明の第4態様に係る塵芥収集車は、第1態様に係る塵芥収集車において、前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも、前記荷箱が前記設定傾動角に到達した後の傾動速度を低速にするものである。
【0015】
本発明の第5態様に係る塵芥収集車は、第1態様に係る塵芥収集車において、前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に傾動させる際に、前記荷箱が前記設定傾動角に到達したときに、前記荷箱の傾動を一時停止させ、その後、再び前記荷箱を前記設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも低速で同方向に傾動させるものである。
【0016】
本発明の第6態様に係る塵芥収集車は、第1態様に係る塵芥収集車において、前記設定傾動角記憶部は、前記初期位置と前記最大傾動角との間にある複数の設定傾動角を記憶しており、前記制御装置は、前記特定の傾動動作機能の選択状態が有効である場合において、前記荷箱を一方向または他方向に傾動させる際に、前記荷箱が前記複数の設定傾動角のうちの1の設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも、前記荷箱が当該1の設定傾動角に到達した後の傾動速度を高速にして同方向に傾動させ、その後、前記荷箱が前記複数の設定傾動角のうちの他の設定傾動角に到達する前の傾動速度よりも、前記荷箱が当該他の設定傾動角に到達した後の傾動速度を低速にして同方向に傾動させるものである。
【0017】
本発明の第7態様に係る塵芥収集車は、第1態様乃至第6態様に係る塵芥収集車において、前記荷箱を塵芥投入箱または塵芥収容箱とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来の塵芥収集車に使用されていた検知スイッチが有する課題を解消しつつ、安全性を向上させることができる塵芥収集車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の左側面図であって、走行状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の左側面図であって、塵芥投入箱を全開にした状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の左側面図であって、塵芥投入箱を全開にし、塵芥収容箱をフルダンプさせた状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態における前部操作部の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の油圧回路図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の制御回路図である。
【
図7】本発明の実施形態における設定傾動角記憶部に記憶されている設定傾動角の登録例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の制御装置が実行する制御の流れを示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態に係る塵芥収集車の制御装置が実行する制御の流れを示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態における塵芥投入箱が傾動する様子を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施形態における塵芥収容箱が傾動する様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る塵芥収集車について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、特に断りのない限り、塵芥収集車の「前」「後」「左」「右」をそれぞれ単に「前」「後」「左」「右」という。
【0021】
図1~
図3に示すように、本発明の実施形態に係る塵芥収集車1は、車台2上に2つの荷箱を備えている。一方の荷箱は塵芥収容箱3であり、もう一方の荷箱は塵芥投入箱4である。塵芥収容箱3の後方に塵芥投入箱4が連設されている。
【0022】
塵芥収容箱3は、車台2上のサブフレーム2aと塵芥収容箱3のフレーム3a間に設けられたダンプシリンダ7(
図3参照)を伸縮させることにより、車台2のサブフレーム2aの後方の傾動軸9を中心に傾動可能(ダンプ可能)に構成されている。
図3に示す塵芥収容箱3は、塵芥収容箱3の最大傾動状態(フルダンプ状態)を示している。
【0023】
塵芥投入箱4は、左右方向に延びた枢軸6を介して塵芥収容箱3に対して軸支され、左右一対の傾動シリンダ5が伸縮することにより傾動する。
図2に示す塵芥投入箱4は、最大傾動角まで傾動し、塵芥収容箱3の後部開口3bが全開放された状態(全開状態)を示している。また、
図3に示す塵芥投入箱4は、最大傾動角まで傾動した状態(フルダンプ状態)の塵芥収容箱3において塵芥投入箱4が最大傾動角まで傾動した状態を示している。
【0024】
なお、塵芥投入箱4の背面には、塵芥を投入するための塵芥投入口が開口され、昇降可能なテールゲートによって、塵芥投入口が開閉される。塵芥投入口の左側方には、塵芥積込装置の作動などの操作のための後部操作部11が設けられている(
図1参照)。
【0025】
また、塵芥収集車1の運転室1a内には、
図4に示すように、塵芥排出動作なとのための前部操作部12が設けられている。
図4に例示する前部操作部12には、ホッパ規制スイッチ16、ダンプ規制スイッチ17、かき出しボタン18、積込・排出切替スイッチSW6、ホッパ開閉スイッチSW7、ダンプスイッチSW8などが設けられている。ホッパ規制スイッチ16は、塵芥投入箱4の特定の傾動動作機能の有効無効の選択を受け付ける選択部として機能し、ダンプ規制スイッチ17は、塵芥収容箱3の特定の傾動動作機能の有効無効の選択を受け付ける選択部として機能する。本実施形態では、塵芥投入箱4の特定の傾動動作機能は、塵芥投入箱4の傾動動作をその可動範囲の一部で制限する機能であり、塵芥収容箱3の特定の傾動動作機能は、塵芥収容箱3の傾動動作をその可動範囲の一部で制限する機能である。
【0026】
上記枢軸6には、塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の任意の傾動角を検出する塵芥投入箱用回転角センサ14(
図6参照)が設けられている。塵芥投入箱用回転角センサ14は、塵芥投入箱4と一体に回転する枢軸6の任意の回転位置を検出することにより塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の任意の傾動角を検出する。塵芥投入箱用回転角センサ14として、例えば、枢軸6の端部の回転位置を360°にわたって検出可能な回転角センサを用いることができる。さらに、この回転角センサとして、ロータリエンコーダやポテンショメータを用いることができる。また、上記回転角センサとして非接触式回転角センサを用いることもできる。
【0027】
また、上記傾動軸9には、サブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の任意の傾動角を検出する塵芥収容箱用回転角センサ15(
図6参照)が設けられている。塵芥収容箱用回転角センサ15は、塵芥収容箱3と一体に回転する傾動軸9の任意の回転位置を検出することによりサブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の任意の傾動角を検出する。塵芥収容箱用回転角センサ15には、塵芥投入箱用回転角センサ14について例示したものと同様のものを用いることができる。
【0028】
<塵芥収容箱・塵芥投入箱の傾動の制御系>
次に、
図5および
図6を参照して、塵芥収容箱3、塵芥投入箱4等の荷箱100を傾動させるための制御系について説明する。この制御系は、塵芥投入箱4を傾動させる傾動シリンダ5、塵芥収容箱3を傾動させるダンプシリンダ7などに供給する油圧を制御する油圧回路と、この油圧回路に設けられたコントロールバルブユニット31に制御信号を出力する制御装置PLC(プログラマブルロジックコントローラ)とを備えている。
【0029】
まず、
図5を参照して油圧回路について説明する。この油圧回路は、油圧ポンプPと、オイルリザーバTと、コントロールバルブユニット31とを備えている。油圧ポンプPには、塵芥収集車1の走行用エンジンEの動力を取り出すPTO(パワーテイクオフ)によって駆動力が伝達される。
【0030】
コントロールバルブユニット31は、複数の電磁制御弁を含んでいる。コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの所定の制御信号に従って油圧ポンプPからの作動油を左右一対の傾動シリンダ5のヘッド側油室に所定流量(Q1)で供給し、傾動シリンダ5を伸長させる。このとき、塵芥投入箱4は上方に所定の速度(以下「ホッパ開標準速度」ともいう。)で傾動し、塵芥収容箱3の後部開口3bが開放される。また、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの所定の低速傾動用の制御信号に従って油圧ポンプPからの作動油を左右一対の傾動シリンダ5のヘッド側油室に上記所定流量(Q1)より低い流量で供給し、傾動シリンダ5を比較的低速で伸長させることもできる。このとき、塵芥投入箱4は「ホッパ開標準速度」よりも低速で上方に傾動し、塵芥収容箱3の後部開口が開放される。
【0031】
一方、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの別の所定の制御信号に従って、塵芥投入箱4の自重を利用して左右一対の傾動シリンダ5のヘッド側油室から作動油を所定流量(Q2)で排出させ、所定の速度(以下「ホッパ閉標準速度」ともいう。)にて傾動シリンダ5を収縮させる。また、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの別の所定の低速傾動用の制御信号に従って、塵芥投入箱4の自重を利用して左右一対の傾動シリンダ5のヘッド側油室から作動油を所定流量(Q2)より低い流量で排出させ、「ホッパ閉標準速度」よりも低速で傾動シリンダ5を収縮させる。
【0032】
なお、傾動シリンダ5のヘッド側ポートに付設された電磁開閉弁V1は、通常は傾動シリンダ5の収縮を阻止する一方、傾動シリンダ5の伸長を許容するが、コントロールバルブユニット31が、制御装置PLCからの別の所定の制御信号に従って、油圧ポンプPからの作動油を左右一対の傾動シリンダ5のロッド側油室に供給する際に、スプール位置を
図4に示す位置から切替えて傾動シリンダ5の収縮を許容する。
【0033】
また、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの所定の制御信号に従って油圧ポンプPからの作動油をダンプシリンダ7のヘッド側油室に所定流量(Q3)で供給し、ダンプシリンダ7を伸長させる。これにより、塵芥収容箱3は、ダンプ上げ動作を行う。このとき、塵芥収容箱3は上方に所定の速度(以下「ダンプ上げ標準速度」ともいう。)で傾動する。また、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの所定の低速傾動用制御信号に従って油圧ポンプPからの作動油をダンプシリンダ7のヘッド側油室に上記所定流量(Q3)より低い流量で供給し、ダンプシリンダ7を伸長させる。これにより、塵芥収容箱3は、ダンプ上げ動作を行う。このとき、塵芥収容箱3は上方に「ダンプ上げ標準速度」よりも低速で傾動する。
【0034】
一方、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの別の所定の制御信号に従って、油圧ポンプPからの作動油をダンプシリンダ7のロッド側油室に所定流量(Q4)で供給し、ダンプシリンダ7を収縮させる。これにより、塵芥収容箱3は、ダンプ下げ動作を行う。このとき、塵芥収容箱3は下方に所定の速度(以下「ダンプ下げ標準速度」ともいう。)で傾動する。また、コントロールバルブユニット31は、制御装置PLCからの別の低速傾動用制御信号に従って油圧ポンプPからの作動油をダンプシリンダ7のロッド側油室に上記所定流量(Q4)より低い流量にて供給して、ダンプシリンダ7を収縮させる。これにより、塵芥収容箱3は、ダンプ下げ動作を行う。このとき、塵芥収容箱3は下方に「ダンプ下げ標準速度」よりも低速で傾動する。
【0035】
次に、
図6を参照して制御装置PLCの信号の入出力について説明する。まず、制御装置PLCへの電力供給はバッテリBTによって行われる。このバッテリBTの正極から
図6の右側に延びてグランドラインK1に至る通電ラインK2には、塵芥収集車1のイグニッションスイッチSWK、PTOスイッチSWP、リレーコイルR1などが介設されている。
【0036】
また、通電ラインK2における、イグニッションスイッチSWKとバッテリBTとの間に通電ラインK3の上流端が接続されており、その途中に、リレーコイルR1の接点(リレースイッチ)r1が介設されている。この通電ラインK3の接点r1より下流側にはメイン電源ランプPLが介設されている。リレーコイルR1が励磁されて接点r1が閉じられると、通電ラインK3が通電されることによりメイン電源ランプPLが点灯する。
【0037】
また、通電ラインK3における、接点r1とメイン電源ランプPLとの間に通電ラインK4の上流端が接続されている。これにより制御装置PLCの信号用電力供給部(不図示)に電力が供給されるようになっている。つまり、接点r1が閉じられると、通電ラインK3,K4を介して制御装置PLCに電力が供給される。
【0038】
また、通電ラインK4から分岐する通電ラインK5によって、塵芥積込装置の動作中に、制御装置PLCに通電されるようになっている。通電ラインK5には、塵芥投入箱4の左側の後部操作部11に設けられた緊急停止ボタン(不図示)と、塵芥投入箱4の右側後部に設けられた緊急停止ボタン(不図示)および緊急停止プレート(不図示)の操作に対応して開閉されるスイッチSW1~SW3がそれぞれ介設されている。これらのスイッチSW1~SW3によって通電(つまり、積込継続信号の入力)が遮断されると、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31に対して塵芥積込装置を緊急停止させるための制御信号を送信し、コントロールバルブユニット31は、油圧ポンプPから塵芥積込装置への作動油の供給を停止する。
【0039】
また、通電ラインK4から分岐する通電ラインK6によって、塵芥排出動作中に、制御装置PLCに通電されるようになっている。通電ラインK6には、塵芥投入箱4を傾動させて塵芥収容箱3の後部開口を開閉するためのホッパ開閉スイッチSW7、塵芥収容箱3をダンプ動作させるためのダンプスイッチSW8がそれぞれ介設されている。
【0040】
また、通電ラインK4にはその途中から分岐する複数の分岐ラインが接続されており、これらの分岐ラインのそれぞれに、上述した塵芥投入箱用回転角センサ14および塵芥収容箱用回転角センサ15が介設されている。塵芥投入箱用回転角センサ14および塵芥収容箱用回転角センサ15からの信号は制御装置PLCに入力され、これらの信号に基づいて塵芥投入箱4の任意の傾動角および塵芥収容箱3の任意の傾動角が検出される。
【0041】
さらに、塵芥投入箱用回転角センサ14および塵芥収容箱用回転角センサ15の他にも制御装置PLCへの入力側には、ホッパ規制スイッチ16、ダンプ規制スイッチ17、塵芥積込装置に塵芥積込動作をさせるための積込スイッチSW5、塵芥積込動作および塵芥排出動作を相互に切り替えるための積込・排出切替スイッチSW6、塵芥積込動作の単動または連続動作を選択するためのスイッチ(図示省略)、塵芥積込装置を構成する回転板や押込板を単独で作動させるスイッチ(図示省略)なども電気的に接続されている。積込・排出切替スイッチSW6は、通電ラインK4から通電ラインK5および通電ラインK6が分岐する分岐位置に設けられており、通電ラインK5は、積込・排出切替スイッチSW6の積込側に接続され、通電ラインK6は、積込・排出切替スイッチSW6の排出側に接続されている。
【0042】
上述のように各種スイッチが入力側に接続されている一方、制御装置PLCの出力側には、上述したコントロールバルブユニット31に含まれる複数の電磁制御弁の各ソレノイドなどが接続されている。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱用回転角センサ14、塵芥収容箱用回転角センサ15、スイッチSW1~SW8などから入力する信号に基づいて、予め設定された手順に従い、傾動シリンダ5やダンプシリンダ7などを作動させるべく、対応するソレノイドに出力するようにプログラムされている。
【0043】
例えば、塵芥排出動作をするときには、通電ラインK2上のイグニッションスイッチSWKおよびPTOスイッチSWPがいずれもオンにされ、リレーコイルR1が励磁される。これにより、リレーコイルR1の接点r1が閉じて、通電ラインK3およびK4によって制御装置PLCに電力供給される。その結果、制御装置PLCが作動可能な状態になり、適宜、ホッパ開閉スイッチSW7やダンプスイッチSW8などが操作されることに基づいてコントロールバルブユニット31に各種の制御信号を出力するようになる。
【0044】
この制御信号を受けてコントロールバルブユニット31は、傾動シリンダ5やダンプシリンダ7などに作動油圧を供給する。これにより、傾動シリンダ5やダンプシリンダ7などが作動し、塵芥排出動作が行われる。
【0045】
<塵芥排出動作の制御>
本実施形態に係る塵芥収集車1は、ホッパ規制スイッチ16やダンプ規制スイッチ17を操作することで、塵芥投入箱4や塵芥収容箱3の傾動動作を規制することができる。制御装置PLCは、塵芥投入箱4や塵芥収容箱3の傾動動作を規制するために参照する設定傾動角の情報を記憶した設定傾動角記憶部27を備えている。設定傾動角記憶部27は、
図7(a)に示すように、塵芥投入箱4の設定傾動角として、走行時に配される初期位置として「0度」、最大傾動角として「C度」、初期位置と最大傾動角の間にある第1傾動角として「A度」(例えば0度~40度の範囲にある何れかの角度)、第1傾動角と最大傾動角との間にある第2傾動角として「B度」(例えば最大傾動角から-0度~-15度の範囲にある何れかの角度)を記憶している。また、塵芥収容箱3の設定傾動角として、
図7(b)に示すように、走行時に配される初期位置として「0度」、最大傾動角として「F度」、初期位置と最大傾動角の間にある第1傾動角として「D度」(例えば0度~45度の範囲にある何れかの角度)、第1傾動角と最大傾動角との間にある第2傾動角として「E度」(例えば最大傾動角から-0度~-15度の範囲にある何れかの角度)を記憶している。
【0046】
以下、
図8および
図9のフローチャートを参照して、塵芥収集車1の塵芥排出動作において実行される処理動作について説明する。
【0047】
まず、ステップS1において、PTOスイッチSWPをオフからオンに切り替える操作が作業者により行われると、制御装置PLCの電源がオンになる。
【0048】
次に、ステップS2において、制御装置PLCは、積込・排出切替スイッチSW6が排出側に切り替えられているか否かを判定する。積込・排出切替スイッチSW6が排出側に切り替えられている場合(S2:YES)、ステップS3に進む。
【0049】
ステップS3において、制御装置PLCは、ホッパ開閉スイッチSW7が開側に切り替えられているか否かを判定する。ホッパ開閉スイッチSW7が開側に切り替えられている場合(S3:YES)、ステップS4に進み、ホッパ開閉スイッチSW7が閉側に切り替えられていない場合(S3:NO)、ステップS5に進む。
【0050】
ステップS4において、制御装置PLCは、ホッパ規制スイッチ16が規制側に切り替えられているか否かを判定する。ホッパ規制スイッチ16が規制側に切り替えられている場合(塵芥投入箱4の傾動動作を規制する機能の選択状態が有効になっている場合)(S4:YES)、ステップS6に進み、制御装置PLCは、ホッパ開動作、つまり塵芥投入箱4を上方に傾動させる動作を規制モードにて実行する。
【0051】
一方、ステップS4において、ホッパ規制スイッチ16が解除側に切り替えられている場合(S4:NO)、ステップS7に進み、制御装置PLCは、ホッパ開動作、つまり塵芥投入箱4を上方に傾動させる動作を規制解除モードにて実行する。
【0052】
ステップS5において、制御装置PLCは、ホッパ開閉スイッチSW7が閉側に切り替えられているか否かを判定する。ホッパ開閉スイッチSW7が閉側に切り替えられている場合(S5:YES)、ステップS8に進み、ホッパ開閉スイッチSW7が閉側に切り替えられていない場合(S5:NO)、ステップS11に進む。
【0053】
次に、ステップS8において、制御装置PLCは、ホッパ規制スイッチ16が規制側に切り替えられているか否かを判定する。ホッパ規制スイッチ16が規制側に切り替えられている場合(塵芥投入箱4の傾動動作を規制する機能の選択状態が有効になっている場合)(S8:YES)、ステップS9に進み、制御装置PLCは、ホッパ閉動作、つまり塵芥投入箱4を下方に傾動させる動作を規制モードにて実行する。
【0054】
一方、ステップS8において、ホッパ規制スイッチ16が解除側に切り替えられている場合(S8:NO)、ステップS10に進み、制御装置PLCは、ホッパ閉動作、つまり塵芥投入箱4を下方に傾動させる動作を規制解除モードにて実行する。
【0055】
ステップS6、ステップS7、ステップS9もしくはステップS10の後、またはステップS5において、ホッパ開閉スイッチSW7が閉側に切り替えられていないと判定した後(S5:NO)、制御装置PLCは、ホッパ開閉スイッチSW7がオフになっているか否かを判定する。ホッパ開閉スイッチSW7がオフになっている場合(S11:YES)、ステップS12に進み、ホッパ開閉スイッチSW7がオフになっていない場合(S11:NO)、ステップS3に戻る。
【0056】
次に、
図9に示すステップS12において、制御装置PLCは、塵芥投入箱4が所定角以上傾動しているか否かを判定する。塵芥投入箱4が所定角以上(例えば45°以上)傾動している場合(S12:YES)、ステップS13に進み、塵芥投入箱4が所定角以上傾動していない場合(S12:NO)、本制御ルーチンを抜ける。
【0057】
ステップS13において、制御装置PLCは、ダンプスイッチSW8が上側に切り替えられているか否かを判定する。ダンプスイッチSW8が上側に切り替えられている場合(S13:YES)、ステップS14に進み、ダンプスイッチSW8が上側に切り替えられていない場合(S13:NO)、ステップS15に進む。
【0058】
ステップS14において、制御装置PLCは、ダンプ規制スイッチ17が規制側に切り替えられているか否かを判定する。ダンプ規制スイッチ17が規制側に切り替えられている場合(塵芥収容箱3の傾動動作を規制する機能の選択状態が有効になっている場合)(S14:YES)、ステップS16に進み、制御装置PLCは、ダンプ上げ動作、つまり塵芥収容箱3の上方への傾動を規制モードにて実行する。
【0059】
一方、ステップS14において、ダンプ規制スイッチ17が解除側に切り替えられている場合(S14:NO)、ステップS17に進み、制御装置PLCは、ダンプ上げ動作、つまり塵芥収容箱3の上方への傾動を規制解除モードにて実行する。
【0060】
ステップS15において、制御装置PLCは、ダンプスイッチSW8が下側に切り替えられているか否かを判定する。ダンプスイッチSW8が下側に切り替えられている場合(S15:YES)、ステップS18に進み、ダンプスイッチSW8が下側に切り替えられていない場合(S15:NO)、ステップS21に進む。
【0061】
次に、ステップS18において、制御装置PLCは、ダンプ規制スイッチ17が規制側に切り替えられているか否かを判定する。ダンプ規制スイッチ17が規制側に切り替えられている場合(塵芥収容箱3の傾動動作を規制する機能の選択状態が有効になっている場合)(S18:YES)、ステップS19に進み、制御装置PLCは、ダンプ下げ動作、つまり塵芥収容箱3の下方への傾動を規制モードにて実行する。
【0062】
一方、ステップS18において、ダンプ規制スイッチ17が解除側に切り替えられている場合(S18:NO)、ステップS20に進み、制御装置PLCは、ダンプ下げ動作、つまり塵芥収容箱3の下方への傾動を規制解除モードにて実行する。
【0063】
ステップS16、ステップS17、ステップS19もしくはステップS20の後、またはステップS15においてダンプスイッチSW8が下側に切り替えられていないと判定した後(S15:NO)、制御装置PLCは、ダンプスイッチSW8がオフになっているか否かを判定する。ダンプスイッチSW8がオフになっている場合(S21:YES)、本制御ルーチンを抜け、ダンプスイッチSW8がオフになっていない場合(S21:NO)、ステップS13に戻る。
【0064】
次に上述したステップS6、ステップS7、ステップS9およびステップS10の各ステップにおける塵芥投入箱4の傾動動作と、ステップS16、ステップS17、ステップS19およびステップS20の各ステップにおける塵芥収容箱3のダンプ動作を
図10および
図11を参照しながら説明する。
【0065】
上述したステップS7において、制御装置PLCは、ホッパ開動作を規制解除モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5を伸長させることにより、塵芥投入箱4を初期位置である全閉位置から最大傾動角である全開位置に向かって「ホッパ開標準速度」で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱用回転角センサ14からの信号に基づいて検出される塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の傾動角が、塵芥投入箱4の最大傾動角「C度」(
図7(a)参照)に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5の伸長を停止させることにより、塵芥投入箱4を全開位置で停止させる。この規制解除モードでは、制御装置PLCは、塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の傾動角にかかわらず、全域に亘って「ホッパ開標準速度」で塵芥投入箱4を傾動させる。
【0066】
上述したステップS6において、制御装置PLCは、ホッパ開動作を規制モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5を伸長させることにより、塵芥投入箱4を初期位置から最大傾動角に向かって傾動させる。但し、制御装置PLCは、塵芥投入箱用回転角センサ14からの信号に基づいて検出される塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の傾動角が、塵芥投入箱4の設定傾動位置である初期位置「0度」から第1傾動角「A度」に到達するまでの間、塵芥投入箱4を「ホッパ開標準速度」より低速で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱4の傾動角が第1傾動角「A度」に到達したとき、傾動シリンダ5への作動油の供給を一時的に停止することにより、塵芥投入箱4の傾動を第1傾動角「A度」において一時停止させる。なお、一時停止させる時間は、制御装置PLCに予め設定された時間である。後述する一時停止の時間についても同様である。その後、制御装置PLCは、再び塵芥投入箱4を傾動させ、塵芥投入箱4の傾動角が第2傾動角「B度」に到達するまでの間、塵芥投入箱4を「ホッパ開標準速度」で傾動させる。次いで、制御装置PLCは、塵芥投入箱4の傾動角が第2傾動角「B度」に到達したとき、傾動シリンダ5への作動油の供給を一時的に停止することにより、塵芥投入箱4の傾動を第2傾動角「B度」において一時停止させる。その後、制御装置PLCは、再び塵芥投入箱4を傾動させ、塵芥投入箱4の傾動角が最大傾動角「C度」に到達するまでの間、塵芥投入箱4を「ホッパ開標準速度」より低速で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱4の傾動角が、塵芥投入箱4の最大傾動角「C度」に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5の伸長を停止させることにより、塵芥投入箱4を全開位置で停止させる。
【0067】
上述したステップS10において、制御装置PLCは、ホッパ閉動作を規制解除モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5を収縮させることにより、塵芥投入箱4を最大傾動角から初期位置に向かって「ホッパ閉標準速度」で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱用回転角センサ14からの信号に基づいて検出される塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の傾動角が、塵芥投入箱4の初期位置「0度」(
図7(a)参照)に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5の収縮を停止させることにより、塵芥投入箱4を初期位置(全閉位置)で停止させる。この規制解除モードでは、制御装置PLCは、塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の傾動角にかかわらず、全域に亘って「ホッパ閉標準速度」で塵芥投入箱4を傾動させる。
【0068】
上述したステップS9において、制御装置PLCは、ホッパ閉動作を規制モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5を収縮させることにより、塵芥投入箱4を最大傾動角から初期位置に向かって傾動させる。但し、制御装置PLCは、塵芥投入箱用回転角センサ14からの信号に基づいて検出される塵芥収容箱3に対する塵芥投入箱4の傾動角が、最大傾動角「C度」から第1傾動角「A度」に到達するまでの間、塵芥投入箱4を「ホッパ閉標準速度」で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱4の傾動角が第1傾動角「A度」に到達したとき、傾動シリンダ5への作動油の供給を一時的に停止することにより、塵芥投入箱4の傾動を第1傾動角「A度」において一時停止させる。その後、制御装置PLCは、再び塵芥投入箱4を傾動させ、塵芥投入箱4の傾動角が初期位置「0度」に到達するまでの間、塵芥投入箱4を「ホッパ閉標準速度」より低速で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥投入箱4の傾動角が、塵芥投入箱4の初期位置「0度」に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介して傾動シリンダ5の収縮を停止させることにより、塵芥投入箱4を初期位置(全閉位置)で停止させる。
【0069】
上述したステップS17において、制御装置PLCは、ダンプ上げ動作を規制解除モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7を伸長させることにより、塵芥収容箱3を走行時に配される初期位置から最大傾動角であるフルダンプ状態に向かって「ダンプ上げ標準速度」で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥収容箱用回転角センサ15からの信号に基づいて検出されるサブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の傾動角が、塵芥収容箱3の最大傾動角「F度」(
図7(b)参照)に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7の伸長を停止させることにより、塵芥収容箱3をフルダンプ状態で停止させる。この規制解除モードでは、制御装置PLCは、サブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の傾動角にかかわらず、全域に亘って「ダンプ上げ標準速度」で塵芥収容箱3を傾動させる。
【0070】
上述したステップS16において、制御装置PLCは、ダンプ上げ動作を規制モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7を伸長させることにより、塵芥収容箱3を初期位置から最大傾動角に向かって傾動させる。但し、制御装置PLCは、塵芥収容箱用回転角センサ15からの信号に基づいて検出されるサブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の傾動角が、塵芥収容箱3の初期位置「0度」から第1傾動角「D度」に到達するまでの間、塵芥収容箱3を「ダンプ上げ標準速度」より低速で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥収容箱3の傾動角が第1傾動角「D度」に到達したとき、ダンプシリンダ7への作動油の供給を一時的に停止することにより、塵芥収容箱3の傾動を第1傾動角「D度」において一時停止させる。その後、制御装置PLCは、一時停止から所定時間(例えば1秒から3秒)経過後、または、ダンプスイッチSW8で上げ操作入力されることにより、再び塵芥収容箱3を傾動させ、塵芥収容箱3の傾動角が第2傾動角「E度」に到達するまでの間、塵芥収容箱3を「ダンプ上げ開標準速度」で傾動させる。次いで、制御装置PLCは、塵芥収容箱3の傾動角が第2傾動角「E度」に到達したとき、ダンプシリンダ7への作動油の供給を一時的に停止することにより、塵芥収容箱3の傾動を第2傾動角「E度」において一時停止させる。その後、制御装置PLCは、一時停止から所定時間(例えば1秒から3秒)経過後、または、ダンプスイッチSW8で上げ操作入力されることにより、再び塵芥収容箱3を傾動させ、塵芥収容箱3の傾動角が最大傾動角「F度」に到達するまでの間、塵芥収容箱3を「ダンプ上げ標準速度」より低速で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥収容箱3の傾動角が、塵芥収容箱3の最大傾動角「F度」に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7の伸長を停止させることにより、塵芥収容箱3をフルダンプ状態で停止させる。
【0071】
上述したステップS20において、制御装置PLCは、ダンプ下げ動作を規制解除モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7を収縮させることにより、塵芥収容箱3を最大傾動角から初期位置に向かって「ダンプ下げ標準速度」で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥収容箱用回転角センサ15からの信号に基づいて検出されるサブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の傾動角が、塵芥収容箱3の初期位置「0度」(
図7(b)参照)に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7の収縮を停止させることにより、塵芥収容箱3を初期位置で停止させる。この規制解除モードでは、制御装置PLCは、サブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の傾動角にかかわらず、全域に亘って「ダンプ下げ標準速度」で塵芥収容箱3を傾動させる。
【0072】
上述したステップS19において、制御装置PLCは、ダンプ下げ動作を規制モードにて実行する。この場合、制御装置PLCは、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7を収縮させることにより、塵芥収容箱3を最大傾動角から初期位置に向かって傾動させる。但し、制御装置PLCは、塵芥収容箱用回転角センサ15からの信号に基づいて検出されるサブフレーム2aに対する塵芥収容箱3の傾動角が、最大傾動角「F度」から第1傾動角「D度」に到達するまでの間、塵芥収容箱3を「ダンプ下げ標準速度」で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥収容箱3の傾動角が第1傾動角「D度」に到達したとき、ダンプシリンダ7への作動油の供給を一時的に停止することにより、塵芥収容箱3の傾動を第1傾動角「D度」において一時停止させる。その後、制御装置PLCは、一時停止から所定時間(例えば1秒から3秒)経過後、または、ダンプスイッチSW8で下げ操作入力されることにより、再び塵芥収容箱3を傾動させ、塵芥収容箱3の傾動角が初期位置「0度」に到達するまでの間、塵芥収容箱3を「ダンプ下げ速度」より低速で傾動させる。そして、制御装置PLCは、塵芥収容箱3の傾動角が、塵芥収容箱3の初期位置「0度」に到達したとき、コントロールバルブユニット31を介してダンプシリンダ7の収縮を停止させることにより、塵芥収容箱3を初期位置で停止させる。
【0073】
<他の実施形態1>
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥投入箱4を上方へ傾動させる際に、第1傾動角「A度」および第2傾動角「B度」において塵芥投入箱4を一時停止させたが、第1傾動角「A度」および第2傾動角「B度」において一時停止させることなく傾動させるようにしてもよい。すなわち、塵芥投入箱4が初期位置「0度」から第1傾動角「A度」に到達するまでの間、「ホッパ開標準速度」より低速で塵芥投入箱4を傾動し、塵芥投入箱4が第1傾動角「A度」を通過する際に、塵芥投入箱4を一時停止させることなく、塵芥投入箱4が第1傾動角「A度」から第2傾動角「B度」に到達するまでの間、「ホッパ開標準速度」で塵芥投入箱4を傾動する。その後、塵芥投入箱4が第2傾動角「B度」を通過する際に、塵芥投入箱4を一時停止させることなく、塵芥投入箱4が第2傾動角「B度」から最大傾動角「C度」に到達するまで「ホッパ開標準速度」より低速で塵芥投入箱4を傾動させてもよい。
【0074】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥投入箱4を下方へ傾動させる際に、第1傾動角「A度」において塵芥投入箱4を一時停止させたが、第1傾動角「A度」において一時停止することなく傾動させるようにしてもよい。すなわち、塵芥投入箱4が最大傾動角「C度」から第1傾動角「A度」に到達するまでの間、「ホッパ開標準速度」で塵芥投入箱4を傾動し、塵芥投入箱4が第1傾動角「A度」を通過する際に、塵芥投入箱4を一時停止させることなく、塵芥投入箱4が第1傾動角「A度」から初期位置「0度」に到達するまでの間、「ホッパ開標準速度」より低速で塵芥投入箱4を傾動させてもよい。
【0075】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥収容箱3を上方へ傾動させる際に、第1傾動角「D度」および第2傾動角「E度」において塵芥収容箱3を一時停止させたが、第1傾動角「D度」および第2傾動角「E度」において一時停止させることなく傾動させるようにしてもよい。すなわち、塵芥収容箱3が初期位置「0度」から第1傾動角「D度」に到達するまでの間、「ダンプ上げ標準速度」より低速で塵芥収容箱3を傾動し、塵芥収容箱3が第1傾動角「D度」を通過する際に、塵芥収容箱3を一時停止させることなく、塵芥収容箱3が第1傾動角「D度」から第2傾動角「E度」に到達するまでの間、「ダンプ上げ標準速度」で塵芥収容箱3を傾動する。その後、塵芥収容箱3が第2傾動角「E度」を通過する際に、塵芥収容箱3を一時停止させることなく、塵芥収容箱3が第2傾動角「E度」から最大傾動角「F度」に到達するまで「ダンプ上げ標準速度」より低速で塵芥投入箱4を傾動させてもよい。
【0076】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥収容箱3を下方へ傾動させる際に、第1傾動角「D度」において塵芥収容箱3を一時停止させたが、第1傾動角「D度」において一時停止することなく傾動させるようにしてもよい。すなわち、塵芥収容箱3が最大傾動角「F度」から第1傾動角「D度」に到達するまでの間、「ダンプ下げ標準速度」で塵芥収容箱3を傾動し、塵芥収容箱3が第1傾動角「D度」を通過する際に、塵芥収容箱3を一時停止させることなく、塵芥収容箱3が第1傾動角「D度」から初期位置「0度」に到達するまでの間、「ダンプ下げ標準速度」より低速で塵芥収容箱3を傾動させてもよい。
【0077】
<他の実施形態2>
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥投入箱4を上方へ傾動させる際に、第2傾動角「B度」において塵芥投入箱4を一時停止させたが、第2傾動角「B度」において塵芥投入箱4を完全停止させ、当該第2傾動角「B度」を超える塵芥投入箱4の傾動を規制するようにしてもよい。つまり、制御装置PLCは、第2傾動角「B度」において塵芥投入箱4を完全停止させ、引き続きダンプスイッチSW8が上側に切替えられた状態が継続していても、ダンプシリンダ7の伸長を行わない。
【0078】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥収容箱3を上方へ傾動させる際に、第2傾動角「E度」において塵芥収容箱3を一時停止させたが、第2傾動角「E度」において塵芥収容箱3を完全停止させ、当該第2傾動角「E度」を超える塵芥収容箱3の傾動を規制するようにしてもよい。つまり、制御装置PLCは、第2傾動角「E度」において塵芥収容箱3を完全停止させ、引き続きホッパ開閉スイッチSW7が上側に切替えられた状態が継続していても、傾動シリンダ5の伸長を行わない。
【0079】
<他の実施形態3>
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥投入箱4を上方へ傾動させる際に、第1傾動角「A度」の前後および第2傾動角「B度」の前後において塵芥投入箱4の傾動速度を変化させたが、第1傾動角「A度」の前後および第2傾動角「B度」の前後における塵芥投入箱4の傾動速度を何れも同じ速度(例えば、いずれも同じホッパ開標準速度)とし、第1傾動角「A度」および第2傾動角「B度」に到達したときに一時停止するようにしてもよい。
【0080】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥投入箱4を下方へ傾動させる際に、第1傾動角「A度」の前後において塵芥投入箱4の傾動速度を変化させたが、第1傾動角「A度」の前後における塵芥投入箱4の傾動速度を何れも同じ速度(例えば、何れも同じホッパ閉標準速度)とし、第1傾動角「A度」に到達したときに一時停止するようにしてもよい。
【0081】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥収容箱3を上方へ傾動させる際に、第1傾動角「D度」の前後および第2傾動角「E度」の前後において塵芥収容箱3の傾動速度を変化させたが、第1傾動角「E度」の前後および第2傾動角「E度」の前後における塵芥収容箱3の傾動速度を何れも同じ速度(例えば、何れも同じダンプ上げ標準速度)とし、第1傾動角「D度」および第2傾動角「E度」に到達したときに一時停止するようにしてもよい。
【0082】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥収容箱3を下方へ傾動させる際に、第1傾動角「D度」の前後において塵芥収容箱3の傾動速度を変化させたが、第1傾動角「D度」の前後における塵芥収容箱3の傾動速度を何れも同じ速度(例えば、何れも同じダンプ下げ標準速度)としてもよい。
【0083】
<他の実施形態4>
上記実施形態において、設定傾動角記憶部27に記憶された塵芥投入箱4および塵芥収容箱3の設定傾動角の情報を補正するための設定傾動角情報補正手段を設けてもよい。例えば、作業者が操作できる補正操作用スイッチを後部操作部11に増設し、補正操作用スイッチからの信号が制御装置PLCに入力されるように接続する。そして、補正操作用スイッチから入力される補正信号にしたがって、制御装置PLCが塵芥投入箱4および塵芥収容箱3の設定傾動角(上記A度、B度、C度、D度、E度、F度)に対して補正角を加算または減算し、加算または減算後の傾動角を「第1傾動角」「第2傾動角」「最大傾動角」として適用し、上記塵芥排出動作を行うようにすることも可能である。補正操作用スイッチは、「第1傾動角」「第2傾動角」「最大傾動角」に対して共通のものを1つだけ設けてもよいし、「第1傾動角」「第2傾動角」「最大傾動角」に対して各別に設けてもよい。補正操作用スイッチとしては、例えば、制御装置PLCへ入力する信号を無段階に変更できるもの、例えば可変抵抗スイッチを用いることができる。
【0084】
<他の実施形態5>
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥投入箱4を上方へ傾動させる際に、第1傾動角「A度」の前後および第2傾動角「B度」の前後において塵芥投入箱4の傾動速度を変化させたが、第1傾動角「A度」の前後において塵芥投入箱4の傾動速度をホッパ開標準速度よりも低速からホッパ開標準速度に変化させるとともに、第2傾動角「B度」の前後における塵芥投入箱4の傾動速度を同じ速度にするようにしてもよい。
【0085】
上述した実施形態では、制御装置PLCは、塵芥収容箱3を上方へ傾動させる際に、第1傾動角「D度」の前後および第2傾動角「E度」の前後において塵芥収容箱3の傾動速度を変化させたが、第1傾動角「E度」の前後において塵芥収容箱3の傾動速度をダンプ上げ標準速度よりも低速からダンプ上げ標準速度に変化させるとともに、第2傾動角「E度」の前後における塵芥収容箱3の傾動速度を同じ速度にするようにしてもよい。
【0086】
<上述の実施形態および他の実施形態1~3に係る塵芥収集車の作用効果>
以上に説明した実施形態に係る塵芥収集車1によれば以下の作用効果が奏される。
【0087】
塵芥投入箱4が開閉する際に、塵芥投入箱4は、全閉状態(初期位置)から所定の傾動角(第1傾動角)までの範囲で傾動速度が比較的遅くなるので、塵芥投入箱4が開動作を開始した直後や、塵芥投入箱4が全閉する直前において作業者に対する安全性を高めることができる。
【0088】
塵芥投入箱4が開閉する際に、塵芥投入箱4は、所定の傾動角(第1傾動角)で一時停止するので、塵芥投入箱4が開動作を開始した直後や、塵芥投入箱4が全閉する直前において作業者に対する安全性を高めることができる。
【0089】
塵芥投入箱4が開く際に、塵芥投入箱4は、所定の傾動角(第2傾動角)から最大傾動角までの範囲で傾動速度が比較的遅くなるので、塵芥投入箱4が全開する時に発生する衝撃を緩和できる。また、塵芥投入箱4が全開する直前に、その上方にある設備等と接触しても接触時の衝撃を緩和できる。
【0090】
塵芥投入箱4が開く際に、塵芥投入箱4は、所定の傾動角(第2傾動角)で一時停止するので、塵芥投入箱4が全開する時に発生する衝撃を緩和できる。また、塵芥投入箱4が全開する直前に、その上方にある設備等と接触しても接触時の衝撃を緩和できる。
【0091】
塵芥投入箱4が開く際に、塵芥投入箱4は、所定の傾動角(第2傾動角)で停止し、それ以上の傾動が規制されるので、塵芥投入箱4が全開する直前にその上方にある設備等と接触することを防止することができる。
【0092】
塵芥収容箱3が上下に傾動する際に、塵芥収容箱3は、初期位置から所定の傾動角(第1傾動角)までの範囲で傾動速度が比較的遅くなるので、塵芥収容箱3が上方傾動を開始した直後や、塵芥収容箱3が初期位置に戻る直前において作業者に対する安全性を高めることができる。
【0093】
塵芥収容箱3が上下に傾動する際に、塵芥収容箱3は、所定の傾動角(第1傾動角)で一時停止するので、塵芥収容箱3が上方傾動を開始した直後や、塵芥収容箱3が初期位置に戻る直前において作業者に対する安全性を高めることができる。
【0094】
塵芥収容箱3が上方に傾動する際に、塵芥収容箱3は、所定の傾動角(第2傾動角)から最大傾動角までの範囲で傾動速度が比較的遅くなるので、塵芥収容箱3がフルダンプ状態になる時に発生する衝撃を緩和できる。また、塵芥収容箱3がフルダンプ状態になる直前に、その上方にある設備等と接触しても接触時の衝撃を緩和できる。また、塵芥収容箱3のダンプ上げ動作は、塵芥投入箱4が全開状態で行われ、塵芥収集車の重心が後方に移動することことから、塵芥の排出状況によっては、塵芥収集車は前輪が浮いて後方に傾き易くなるが、所定の傾動角(第2傾動角)から最大傾動角までの範囲で傾動速度が比較的遅くなることからそのような事象が緩和される。
【0095】
塵芥収容箱3が上方に傾動する際に、塵芥収容箱3は、所定の傾動角(第2傾動角)で一時停止するので、塵芥収容箱3がフルダンプ状態になる時に発生する衝撃を緩和できる。また、塵芥収容箱3がフルダンプ状態になる直前に、その上方にある設備等と接触しても接触時の衝撃を緩和できる。また、塵芥収容箱3のダンプ上げ動作は、塵芥投入箱4の全開状態で行われ、塵芥の排出状況によっては、塵芥収集車の重心が大きく後方に偏ることことから、塵芥収集車が後方に傾き易くなるが、上述の実施形態によれば、所定の傾動角(第2傾動角)で塵芥収容箱が一時停止することから、上記状況においても塵芥収集車1は後方に傾き難くなる。
【0096】
塵芥収容箱3が上方に傾動する際に、塵芥収容箱3は、所定の傾動角(第2傾動角)で停止し、それ以上の傾動が規制されるので、塵芥収容箱3がフルダンプ状態になる直前にその上方にある設備等と接触することを防止することができる。
【0097】
上記の位置情報補正手段を設けることにより、塵芥収容箱3や塵芥投入箱4が傾動中に一時停止位置、回動規制される位置、傾動速度を変化させる位置を作業者が微調整できるようになる。
【0098】
塵芥収容箱3および塵芥投入箱4の傾動位置を検出するために、任意の傾動角を検出することができる回転角センサを用いているため、塵芥収容箱3および塵芥投入箱4の設定傾動位置を変更したい場合、制御装置PLCの設定傾動角記憶部27に記憶されている、
図7に示す設定傾動位置の登録を変更すればよい。従って、回転角センサの取付位置を変更したり回転角センサを増設したりする必要がない。また、設定傾動位置を増減することも簡単に行うことができ、互いに接近した複数の傾動位置も問題なく設定傾動位置として登録することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は塵芥収集車に適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
PLC 制御装置
100 荷箱
1 塵芥収集車
3 塵芥収容箱
4 塵芥投入箱
5 傾動シリンダ
7 ダンプシリンダ
12 前部操作部
14 塵芥投入箱用回転角センサ
15 塵芥収容箱用回転角センサ
16 ホッパ規制スイッチ(選択部)
17 ダンプ規制スイッチ(選択部)
27 設定傾動角記憶部
31 コントロールバルブユニット