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特開2023-49658唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物およびこの組成物で製造されたマイクロニードルパッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049658
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物およびこの組成物で製造されたマイクロニードルパッチ
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20230403BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230403BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230403BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20230403BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20230403BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20230403BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230403BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20230403BHJP
   A61M 37/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
A61K9/70 405
A61K47/22
A61K47/10
A61K47/42
A61K47/36
A61K8/02
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/33
A61K47/08
A61K8/67
A61K45/00
A61K38/08
A61K38/16
A61K31/728
A61P17/00
A61Q19/08
A61M37/00 505
A61M37/00 530
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159530
(22)【出願日】2021-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】516220457
【氏名又は名称】ラファス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RAPHAS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】62,Magokjungang 8-ro 1-gil,Gangseo-gu,Seoul 07793 (Republic of Korea)
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,イエ ラム
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チュ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,クォン ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ス
(72)【発明者】
【氏名】リ,プヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒュンウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,トヒョン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C084
4C086
4C267
【Fターム(参考)】
4C076AA73
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD39
4C076DD40U
4C076DD60W
4C076EE37
4C076EE41
4C076FF53
4C083AA032
4C083AA122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD242
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD621
4C083AD622
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB51
4C083CC02
4C083DD12
4C083EE13
4C084AA19
4C084BA44
4C084MA02
4C084MA32
4C084MA63
4C084NA10
4C084ZA89
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA25
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA10
4C086ZA89
4C267AA72
4C267CC01
4C267FF10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】唇に生気をもたらす唇付着用マイクロニードルパッチのためのマイクロニードルパッチ製造用組成物、および該組成物で製造されたマイクロニードルパッチを提供する。
【解決手段】唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物は、ヒアルロン酸またはその塩からなる生分解性基材と、唇の生気を改善する有効成分を含み、前記有効成分は、唇にボリューム感を付与する物質としてバニリルブチルエーテル1.5重量%ないし3.0重量%と、バニリルブチルエーテルによる唇刺激を緩和する物質としてアラントイン0.1重量%ないし3.0重量%を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸またはその塩からなる生分解性基材と、唇の生気を改善する有効成分を含み、
前記有効成分は、唇にボリューム感を付与する物質としてバニリルブチルエーテル1.5重量%ないし3.0重量%と、バニリルブチルエーテルによった唇刺激を緩和する物質としてアラントイン0.1重量%ないし3.0重量%を含むことを特徴とする
唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項2】
唇じわ改善用物質として1または2種類以上の筋肉弛緩ペプチドが前記有効成分に含まれる、請求項1記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項3】
前記筋肉弛緩ペプチドは、アセチルオクタペプタイド-3および/またはアルギニン/リシンポリペプチドである、請求項2記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項4】
唇色改善用物質として天然赤色色素であるアスタキサンチンが前記有効成分に含まれる、請求項3記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項5】
前記生分解性基材物質によって唇水分増加効果が達成される、請求項4記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物で製造された、唇に適用するマイクロニードルパッチ。
【請求項7】
前記マイクロニードルパッチが唇に適用されて時間が経過するにつれ前記有効成分中の一つであるアスタキサンチンによるマイクロニードルの赤色が薄くなり、これにより有効成分の唇皮膚内吸収程度に対する認知が可能になる、請求項6記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物およびこの組成物で製造されたマイクロニードルパッチに関する。
【背景技術】
【0002】
老若男女を問わず誰もがみずみずしく張りがあり生き生きとした、生気のある唇を望む。生気のある唇というのは、ボリューム感あって、しわがないかまたは少なく、健康的な赤みがあり、しっとりとした唇をいう。このような生気のある唇を持ちたいという要求に応えて、近年では皮膚科で外科的手術や施術が施されたりするが、このような手術や施術は費用が高く相当な痛みを誘発する。
【0003】
さらには、外科的手術はその結果に満足できない場合、本来の状態に戻すのが難しいため、手軽に選択するのが容易でない。生気のある唇に対する要求を化粧品により解決しようと考える消費者が増えるにつれ唇にボリューム感を持たせたり唇の輪郭をくっきりさせたり唇じわを緩和する効果を宣伝する唇用化粧品が多数市場に登場しているが、これら化粧品の効果は非常に制限的であった。
【0004】
本出願人は、化粧品用途または医学的用途のマイクロニードルパッチの専門的な生産者として、マイクロニードルパッチ製品の構造またはマイクロニードルパッチの生産方法に関する多数の特許を様々な国家に保有している。特に、本出願人はマイクロニードルパッチの生産方法のうち、送風引張方式と言われる伝統的なモールディング方式と共にマイクロニードル製造分野において広く知られた製造方法を最初に開発し、最初に量産に適用した。当然、本出願人はこのような送風引張方式に関連する多数の特許を世界各国に保有している。
【0005】
本出願人会社の役員である本発明者らは、本出願人会社の専門的なマイクロニードルパッチ製造技術を活用することによって唇に生気を持たせたいという常に存在する消費者の要求に応じようと長期間研究的努力を傾けた。本発明者らはこのような研究的努力を傾けるにあたって多数の従来の特許と論文を参照した。そのうちの一つの特許技術を以下に紹介する。
【0006】
本発明者らが本明細書で背景技術として紹介する特許技術は、日本ニッシャ株式会社が2018年10月2日付け日本特許出願第2019-508984号として出願した。前記日本特許出願は、2019年8月30日付けで日本特許登録第6,576,596 B2号として登録され、発明の名称は「マイクロニードルシートおよびその製造方法」である。
【0007】
前記日本特許技術は、発明の名称自体から分かるようにマイクロニードルに関するものであるが、特に本発明者らは、ここに開示された特定マイクロニードルの構成成分について注目した。前記日本特許技術に開示されたマイクロニードルは生体分解性基材とその基材に分散した0.5ないし1.0重量%のバニリルブチルを含む。本発明の出願日現在の生体分解性マイクロニードルは商業的に市販中であり広く知られた技術である。
【0008】
大部分の生体分解性マイクロニードルは、ヒアルロン酸またはその塩を主成分としている。ヒアルロン酸またはその塩は親水性であるため、このような物質で成るマイクロニードルが使用者の皮膚に浸透するようになると使用者の体液によって溶けて皮膚に吸収される性質を持つ。このようなヒアルロン酸またはその塩を基材またはマトリックス(matrix)としてマイクロニードル本体を構成する成分として活用して、このような基材またはマトリックス成分に、皮膚浸透によって目的とする効能を示す有効成分が満遍なく広がるように分散させて、ヒアルロン酸またはその塩が体内で生分解される間に前記有効成分が皮膚内に吸収されるようにするマイクロニードルの活用方式はすでに知られている。
【0009】
一方、バニリルブチルという物質と関連して、前記日本特許の明細書は「バニリルブチルを利用したマイクロニードルシート(10)を使用する部位に付けた場合、使用者はバニリルブチルにより温感刺激を感じるため、マイクロニードルシート(10)に含有する成分が生体内に供給されたことを確認でき一定の使用感を得ることができる。また、マイクロニードルシート(10)中のバニリルブチルの含有量は0.5から1.0重量%が望ましい。バニリルブチルの含有量が0.5重量%以上なら、バニリルブチルの効能を十分に得ることができる。
【0010】
一方、バニリルブチルの含有量が1.0重量%以下なら、バニリルブチルの効能が強くなり過ぎない量にすることができる」と記載している。皮膚に温感刺激を与える物質としてバニリルブチルはかなり以前から知られてきたが、このような物質をマイクロニードルに適用して温感刺激という同一の効果を達成したのは本発明者らの理解では前記日本特許が最初である。同一の物質といってもその製造剤形が異なれば同じ効果を保障できないので、温感刺激に関連したバニリルブチルという成分をマイクロニードル剤形に使用して温感刺激効果を確認した前記日本特許技術はマイクロニードルに関する本発明と関連して技術的意義が小さくない。本発明者らは温感刺激のためのバニリルブチルをマイクロニードルに適用した前記日本特許を本発明の出発点とした。そして、次のような前記日本特許の限界を発見した。
【0011】
第1は、前記日本特許がマイクロニードルの適用対象を具体的に指摘していないということである。上述した通り、本発明ではマイクロニードルを唇に適用して唇に生気効果を付与することを根本的な目的とする。マイクロニードルにバニリルブチルという物質が含まれ、この物質が温感刺激を与えるという点が前記日本特許によって明らかになっているとしても、同一物質による温感刺激が唇に加えられた時いかなる効果が現れるかは実際の人体適用試験によって検証されなければならない。
【0012】
第2は、バニリルブチルという成分を前記日本特許に示されたものより多くの含有量%で含ませマイクロニードル剤形に形成して、このようなマイクロニードルを唇に適用したとき、温感刺激という効果を越えて、唇にボリューム効果を付与する程度に達することが出来るのかに対し検証が必要である。
【0013】
第3は、前記日本特許がバニリルブチル成分が皮膚、特に刺激に鋭敏な粘膜構造である唇に適用されたとき、不快な刺激を引き起こす憂慮およびこれに対する対策については全く言及がないという点である。
【0014】
本発明者らは、前記日本特許技術をはじめとして様々な特許文献および論文を参照し、独自の構成要素を追加する絶え間ない試行錯誤の果てに、上述した限界を超え、唇に生気をもたらすことと関連して、これまでどこにもなかった効果を確認することをもって本発明を完成させるに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は唇に生気をもたらす唇付着用マイクロニードルパッチを提供することを目的とする。
【0016】
より具体的には、本発明は唇にボリューム感を付与するプランピング(plumping)効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチを提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は唇のボリューム感を向上させながらも唇への刺激を最小にする唇付着用マイクロニードルパッチを提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は唇じわを減少させる効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチを提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は唇の色を赤くすることによって生気があるように見えるようにする効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチを提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は唇の水分を増加させる効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次のとおりである。
【0022】
本発明の一実施例による唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物は、ヒアルロン酸またはその塩でなる生分解性基材と;唇の生気を改善する有効成分を含む。前記有効成分は、唇にボリューム感を付与する物質としてパニリルブチルエーテル1.5重量%ないし3.0重量%と;バニリルブチルエーテルによる唇刺激を緩和する物質としてアラントイン0.1重量%ないし3.0重量%を含む。
【0023】
また、唇じわ改善用物質として、1または2種類以上の筋肉弛緩ペプチドが前記有効成分に含まれ得る。前記筋肉弛緩ペプチドはアセチルオクタペプチド-3および/またはアルギニン/リシンポリペプチドであることが望ましい。
【0024】
また、唇色改善用物質として天然赤色色素であるアスタキサンチンが前記有効成分に含まれ得る。
【0025】
また、前記生分解性基材物質によって唇水分増加効果が達成され得る。
【0026】
上述した組成物で製造された唇に適用するマイクロニードルパッチが唇に適用されて時間が経過するにつれ前記有効成分のうちの一つであるアスタキサンチンによるマイクロニードルの赤色が薄くなり、これにより有効成分の唇皮膚内吸収程度に対する認知が可能となる。
【0027】
その他にも、追加的な構成が本発明による唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物またはこのような組成物で製造された唇に適用するマイクロニードルパッチにさらに含まれ得る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、唇に生気を与える唇付着用マイクロニードルパッチが提供される。
【0029】
より具体的には、本発明によれば、唇にボリューム感を付与するプランピング効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチが提供される。
【0030】
また、本発明によれば、唇のボリューム感を向上させながらも唇刺激を最小とする唇付着用マイクロニードルパッチが提供される。
【0031】
また、本発明によれば、唇じわを減少させる効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチが提供される。
【0032】
また、本発明によれば、唇の色を赤くすることによって生気があるように見えるようにする効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチが提供される。
【0033】
また、本発明によれば、唇の水分を増加させる効果を達成する唇付着用マイクロニードルパッチが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明が目的とする唇生気改善効果、すなわち唇のボリューム感、唇じわ、唇の色が全て改善される効果を概念的に示す。
図2】唇じわ深さ測定結果を示す表である。
図3】唇じわ深さの変化推移を撮影した写真である。
図4】唇じわ深さ変化を現わすグラフである。
図5】唇ボリューム測定結果を表示した表である。
図6】唇ボリュームの変化推移を撮影した写真である。
図7】唇ボリューム変化を現わすグラフである。
図8】唇ボリューム変化率を現わすグラフである。
図9】唇水分変化を現わす表とグラフである。
図10】1回使用直後の有効性自己設問評価結果を表示した表である。
図11】2週使用後の有効性自己設問評価結果を表示した表である。
図12】研究者による安定性評価結果を整理した表である。
図13】試験対象者による自己異常反応評価結果を整理した表である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は当業者が本発明を実施するのに充分なように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は、それぞれ異なってはいるが相互排他的である必要はないことを理解せねばならない。例えば、本明細書に記載されている特定形状、構造および特性は本発明の精神および範囲を逸脱せずに一つの実施例から他の実施例に変更して具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別構成要素の位置または配置も本発明の精神および範囲を逸脱せずに変更され得ることを理解せねばならない。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものであることを受容しなければならない。
【0036】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるようにするために、本発明の様々な望ましい実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
<本発明の一実施例にともなう組成物に対する説明>
本発明の一実施例にかかる組成物はマイクロニードル製造のためのもので、モールディング方式だけでなく送風引張方式でもマイクロニードル製造が可能でなければならない。送風引張方式を適用する場合、マイクロニードル製造のための組成物は引張によってマイクロニードルの形態を備えなければならないので、粘度が臨界値以上の粘性組成物でなければならない。
【0038】
粘性組成物としては、ヒアルロン酸とその塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロースポリマー(cellulose polymer)、デキストラン、ゼラチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、プロピレングリコール、ポビドン、カルボマー(carbomer)、ガティガム(gum ghatti)、グアーガム、グルコマンナン、グルコサミン、ダンマルゴム(dammer resin)、レンネットカゼイン(rennet casein)、ローカストビーンガム(locust bean gum)、微小繊維状セルロース(microfibrillated cellulose)、サイリウムシードガム(psyllium seed gum)、キサンタンガム、アラビノガラクタン(arabino galactan)、アラビアゴム、アルギン酸、ゼラチン、ジェランガム(gellan gum)、カラギーナン、カラヤゴム(karaya gum)、カードラン(curdlan)、キトサン、キチン、タラガム(tara gum)、タマリンドガム(tamarind gum)、トラガカントゴム(tragacanth gum)、ファーセレラン(furcelleran)、ペクチン(pectin)またはプルラン(pullulan)などが使用され得る。本発明者らはこのうちヒアルロン酸またはその塩を選択した。
【0039】
より具体的には、ソジウムハイアルロネイトを使った。この物質はヒアルロン酸のソジウム塩であり、ムコ多糖類の一種である。この成分は皮膚に一定量存在する天然保湿因子である。人体内でソジウムハイアルロネイトの最も核心的な機能は水分の維持である。この成分自体で水分含量は一般水分因子の数千倍に達し、周囲の水分を吸収して貯蔵する機能がある。この物質はマイクロニードルの基材に使われる物質として組成物中の支配的な重量%を占める。
【0040】
唇生気改善のための要素の中の一つである水分増加はヒアルロン酸またはその塩、特に本実施例ではソジウムハイアルロネイトを基材に使う生分解性マイクロニードルパッチを唇に適用することによって達成されると予想され、実際の人体適用試験結果この予想通りに唇水分が増加した。唇水分増加効果を一層高めるためには水分蒸発遮断機能があるナタネオイルなどの成分を追加的な有効成分として含ませ得る。
【0041】
上述した通り、マイクロニードルの基材として機能し、追加的に水分増加効果を達成する物質を選択した後、本発明者らはカプサイシンと類似の化学構造を持つバニリルブチルエーテル(Vanillyl Butyl Ether)の成分比を変えながらマイクロニードルパッチを製作し、唇に付着させてその効果を観察する実験を繰り返した。本発明者らはバニリルブチルエーテルを全体組成物の1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%とする合計6種類のマイクロニードルパッチを送風引張方式で製造した。バニリルブチルエーテルと基材物質以外には、唇の生気改善のための他の有効成分を含ませていない。
【0042】
この実験でバニリルブチルエーテルが1.0重量%で含まれたマイクロニードルパッチを唇に適用したとき、温感刺激は報告されたもののボリューム感を向上させるプランピング効果は明確に現れなかった。また、バニリルブチルエーテルが1.0重量%である場合、唇刺激は報告されなかった。一方、バニリルブチルエーテルが1.5重量%以上含まれたマイクロニードルパッチでは目立ったプランピング効果、すなわち唇にボリューム感を付与する効果が観察された。ただし、それに相応して大きくなる唇刺激が報告され、これに対する対処方案が必要であった。
【0043】
本発明者らは唇刺激緩和剤として、抗炎症および坑酸化効果のある複数の物質を候補群として実験を進めた。刺激を受けた皮膚を落ち着かせる効果があり、化粧品に使われ安定性が立証された物質であるグリチルレチン酸ステアリルなどが候補群に含まれた。最終結果として本発明者らがバニリルブチルエーテルによる唇刺激感を落ち着かせるにおいて、もっとも卓越した効果を確認した物質はアラントイン(Allantoin)である。
【0044】
アラントインは、主に多年草のコンフリー(comfrey)、クヌギ、麦芽などから抽出される天然物質で、主に高分子有機物を分解して低分子物質を作る過程である異化作用によって生成された尿酸酸化物を精製して得られ、5-ureidohydantoinとも呼ばれる。アラントインは刺激と抗原に敏感な皮膚を保護する効果がある。かゆみ症やアトピー治療にステロイド療法でない治療剤として使われたりもする。
【0045】
本発明者らはプランピング効果が立証されたバニリルブチルエーテルを1.5重量%以上3.5重量%以下で含むようにして、アラントインの重量%を色々と変更しながら数十に達するそれぞれ違う成分比のマイクロニードルパッチを送風引張方式で製造し、唇に付着させて反応を観察した。
【0046】
その結果、バニリルブチルエーテルが3.0重量%以下で含まれる場合、唇ボリュームが増加するプランピング効果に伴う唇刺激がアラントイン成分によって十分に抑制可能だという点を発見した。バニリルブチルエーテルが3.5重量%含まれたマイクロニードルパッチの場合、アラントイン成分による唇刺激が比較的強く報告され、バニリルブチルエーテル含有量は概略1.5重量%ないし3.0重量%の範囲が適正なものと定まった。相応するアラントインの重量%は概略0.1重量%ないし3.0重量%に定まった。
【0047】
次に、本発明者らは唇のしわを改善する物質を有効成分として含ませた。本発明者らは神経伝達物質が筋肉収縮反応まで達しないように誘導し、筋肉を弛緩させる筋肉弛緩ペプチドをしわ改善物質として選択した。より具体的には、ボトックス類似ペプチドであるアセチルオクタペプタイド-3としわ改善成分として知られるアルギニン/リシンポリペプチドをバニリルブチルエーテルとアラントイン以外の有効成分として所定重量%含ませたマイクロニードル製造用組成物を準備するとともに、これら物質を含ませないでバニリルブチルエーテルとアラントインマンを有効成分として含ませた組成物をさらに準備し、これら組成物でマイクロニードルパッチを製造して対照群実験を進めた。その結果、アセチルオクタペプタイド-3とアルギニン/リシンポリペプチドを含む組成物で製造されたマイクロニードルパッチで意義のある唇じわ改善効果が観察された。
【0048】
唇水分を増加させて唇にボリューム感を付与すると共に、ボリューム感付与にともなう唇刺激を最小化して唇じわを減少させることに加えて、本発明者らは唇色改善にも注目した。本発明者らが定義した唇の生気とは、十分な水分、ボリューム感、しわの不存在もしくは少なさ、そして最後に健康的な赤みのある色を全て含む概念であるためである。
【0049】
図1は、本発明が目的とする唇生気改善効果、すなわち唇の水分、ボリューム感、唇じわ、唇の色が全て改善される効果を概念的に見せる図である。最後の要素である唇色の改善にはマイクロニードルパッチを唇に適用すること自体からもある程度主観的な改善効果が観察された。これはマイクロニードルが唇皮膚内に浸透することによって唇皮膚内の血液循環が促進されて唇血管を流れる血液によって唇本来の赤みのある色がより明確になる色改善効果が現れるためであると解された。
【0050】
本発明者らはこれにとどまらず、天然色素として赤色を呈する成分を有効成分として含ませマイクロニードルを試験製造し、これを唇に付着した後、唇色の変化を観察した。本発明者らが選択した赤色天然色素はアスタキサンチンである。アスタキサンチンはカロチノイド系赤色色素で、テルペンと知られるファイトケミカル分類に属する。この天然色素は甲殻類をはじめとして水生動物に広く分布しており、脂溶性である。カニをゆでると赤くなるのは色素蛋白質が分解されて赤いアスタキサンチンの色が現れるためである。
【0051】
本発明者らが予想した通り、アスタキサンチンを有効成分として含む組成物でマイクロニードルパッチを製造して、これを唇に付着したとき、目につく唇色改善効果が観察された。アスタキサンチンを有効成分として含むマイクロニードルを唇に適用した場合に唇色改善以外のさらに他の有益な作用効果が達成された。それはマイクロニードルパッチを唇に付着した後、時間の経過によりマイクロニードルの基材である親水性ヒアルロン酸の塩が唇皮膚内部の体液に溶けて分解されるときアスタキサンチンが唇皮膚内部に吸収されてマイクロニードルの赤色が薄くなるという点である。
アスタキサンチンが有効成分として含まれ赤色を示すマイクロニードルの色が時間の経過につれ相対的に薄くなることから使用者はマイクロニードルに含まれた唇生気改善有効成分が唇皮膚内に吸収された事実を視覚的に確認可能となる。これは唇生気改善用マイクロニードルパッチの商品性を向上させることができる要因として理解することができる。
【0052】
さらには、本発明者らはアスタキサンチンの坑酸化作用にも注目した。アスタキサンチンは色を出すだけでなくビタミンC誘導体であるアスコルビルグルコシドと共に強い坑酸化作用があることが分かり、このような坑酸化作用は唇生気付与に寄与すると考えられる。
【0053】
上で述べた研究結果を総合して、本発明者らは人体適用試験のためのマイクロニードルパッチを大量に製造した。このような人体適用試験用マイクロニードルパッチには上述した成分の他にも後述する多様な成分を追加的に含ませ得る。人体適用試験用マイクロニードルパッチ製造用組成物の成分、効能および成分比は次の表のとおりである。
【0054】
【表1】
【0055】
<本発明の一実施例による組成物で製造されたマイクロニードルパッチを唇に適用した人体適用試験結果>
本発明者らは上述した表の組成物を使って送風引張方式により製造したマイクロニードルパッチを唇に適用したとき、唇じわの深さ、唇ボリューム、唇水分に対する改善効果を評価することを目的として人体適用試験を行った。唇色改善は別途の評価試験を経ずとも肉眼ですぐに確認できるため、定量的評価を主目的にする本人体適用試験では除外した。
【0056】
人体適用試験期間中、研究所で支給した製品以外に、試験結果に影響を及ぼしかねない化粧品使用、皮膚科治療、施術、管理などを一切禁止した。
【0057】
すべての試験対象者は、環境的要因を最小化した室内温度23±1℃、湿度50±5%の恒温除湿条件で洗浄後30分間皮膚安定化を誘導した。また、試験に影響を与え得る水分摂取、外出などを制限した。客観的な結果を得るために同一研究員1人が同一部位を測定した。
【0058】
選定基準と除外基準を満たす試験対象者5人以上を選定した。選定基準は次のとおりである。
(1)唇疾患を体験していない満20~39才成人女性
(2)試験責任者または試験責任者の委任を受けた者が試験対象者に教えなければならない事項について、十分に説明を聞いて自発的に同意書に署名した人
(3)唇および皮膚疾患を含む急・慢性身体的疾患のない健康な人
(4)試験期間中、追跡観察が可能な人
【0059】
除外基準は次のとおりである。
(1)唇に外傷、奇形、外科的傷跡などの異常を持つ人
(2)妊娠または授乳中の女性と妊娠計画のある女性
(3)皮膚疾患治療のためにステロイドが含まれた皮膚外用制を1ヶ月以上使った人
(4)同じ試験に参加した後6ヶ月が経過していない人
(5)敏感性、過敏性皮膚を持つ人
(6)研究開始前3ヶ月以内に試験部位に同一または類似の効能化粧品および医薬品などを使った人
(7)研究開始前6ヶ月以内に試験部位に施術を受けた人
(8)その他試験責任者の判断で試験に不向きであると考えられる人
【0060】
試験中断および脱落基準は次のとおりである。
(1)試験部位に掻痒感や紅斑などの有害事例が発生した場合
(2)試験対象者が試験期間中に試験部位に過度な紫外線露出をしたり、過度な飲酒、喫煙などの結果により、評価に障害が発生する場合
(3)試験対象者が試験期間中、個人事情によって追跡観察が難しい場合
(4)試験対象者が自発的に同意を撤回した場合
(5)その他やむを得ない理由がある場合
【0061】
本人体適用試験に合計6人が参加し、中途脱落者なしに試験が終了した。試験を終了した試験対象者6人は全て女性で、平均年齢は27.5±7.6才である。
【0062】
次に、評価方法に対し記述する。唇じわ深さの測定は3D皮膚撮影装置Antera 3D CS(Miravex Ltd.,Ireland)を利用して試験製品使用前後を撮影した。Antera 3D CSは7種の色が回転する可視光線光源を一定の角度で照射して皮膚表面の突出・陥没したしわ、ボリュームに対する立体データを測定し、撮影された皮膚表面dataを再構成して2D、3Dイメージで構成した。撮影したイメージをwrinkles modeに変換し、分析範囲を指定して、しわパラメーターであるしわ深さ(average depth(mm))を分析した。しわ深さの値が減少するほど唇じわ深さ効果があることを意味する。
【0063】
唇ボリューム測定は、3D皮膚撮影装置Antera 3D CS(Miravex Ltd.,Ireland)を利用して試験製品使用前後を撮影した。Antera 3D CSは7種の色が回転する可視光線光源を一定の角度で照射して皮膚表面の突出・陥没したしわ、ボリュームに対する立体データを測定して撮影された皮膚表面dataを再構成して2D、3Dイメージで構成した。撮影したイメージをdepression volumeに変換し、分析範囲を指定して、範囲内の縮んだ部位の体積値(volume(立方mm))を分析した。縮んだ部位の体積値が減少するほどボリューム効果があることを意味する。
【0064】
唇水分測定は、Corneometer CM825(Courage+Khazaka eletronic GmbH,Germany)を利用して試験製品使用前後を測定した。Corneometerは皮膚を基本的に不導体とみなし水分量が多いほど電気がよく通じる性質を応用した装備で、測定原理は直径16mmの探針(probe)に、二つの絶縁された金属板に電子の流れが発生して一方は陽性電荷が、他方は陰性電荷が発生することにより探針が皮膚表面に接触する電極間隔を通じて伝導する電流の静電容量(Capacitance)を計測する。皮膚の水分含有量と静電容量は互いに比例するので水分含有量が高いほど数値が高くなる。単位はAU(Arbitrary Unit)であり、3回測定してその平均値を水分評価資料として使用した。
【0065】
また、設問評価試験終了後、自己設問評価によって試験製品の改善程度と使用感に対し評価した。自己設問評価は5段階(0点~4点)で評価した。
【0066】
毎訪問時、試験担当者は、試験対象者が試験製品を使った後の異常反応発生の有無と肉眼評価上、紅斑、むくみ、鱗屑生成の有無を確認した。評価試験対象者は試験製品受領後、使用期間の間に異常反応が発生時には、直ちに試験担当者に報告するように教育を受け、設問用紙を通じて、かゆみ、刺痛(刺すような痛み)、灼熱感、ごわつき、ひりひり感のような異常反応の有無について自己評価した。
【0067】
次に、評価結果に対し記述する。
【0068】
まず、唇じわ深さ測定結果を示す。唇じわ深さを現わすaverage depth(mm)を分析した結果、使用前0.0300から1回使用直後0.0236に21.096%、使用2時間後0.0260に12.980%減少、使用4時間後0.0260に14.139%、使用6時間後0.0265に12.132%、使用2週間後0.0241に19.877%減少した。図2の表に唇じわ深さ測定結果を表示した。図3は唇じわ深さの変化推移を撮影した写真である。図4は唇じわ深さ変化を現わすグラフである。
【0069】
次に、唇ボリューム測定結果を示す。唇ボリュームを現わすdepression volume(縮んだ部位の体積)を分析した結果、使用前4.377から1回使用直後2.922に35.059%、使用2時間後3.582に17.929%、使用4時間後3.407に19.319%、使用6時間後3.567に16.971%、使用2週間後3.512に20.823%減少した(depression volume(縮んだ部位の体積)の値が減少するほどボリューム効果があることを意味する)。図5の表に唇ボリューム測定結果を表示した。図6は唇ボリュームの変化推移を撮影した写真である。図7は唇ボリューム変化を現わすグラフである。図8は唇ボリューム変化率を現わすグラフである。
【0070】
次に、唇水分測定結果を示す。唇水分を現わす水分量(AU)を分析した結果、使用前28.022から1回使用直後5.883に110.198%増加した。図9は唇水分変化を現わす表とグラフである。
【0071】
次に、有効性自己設問評価結果を示す。試験終了後、各測定項目に対する改善効果について自己設問評価を行った。設問結果、唇じわ深さ、唇ボリューム、唇水分改善効果につき試験対象者の100%が普通以上(0点~4点のうち2点以上)と評価した。図10は1回使用直後の有効性自己設問評価結果を示した表である。図11は2週使用後の有効性自己設問評価結果を表示した表である。
【0072】
最後に、異常反応報告に関する結果を示す。試験期間中に試験製品使用による異常反応は全く観察されなかった。図12は研究者による安定性評価結果を整理した表である。図13は試験対象者の自己異常反応評価結果を整理した表である。
【0073】
以上から、本発明は、具体的な構成要素などのような特定事項と、限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者であればこのような記載から多様な修正および変更を試みることができる。
【0074】
したがって、本発明の思想は、前記説明された実施例に限定されて定められず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等またはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属すると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸またはその塩からなる生分解性基材と、唇の生気を改善する有効成分を含み、
前記有効成分は、唇にボリューム感を付与する物質としてバニリルブチルエーテル1.5重量%ないし3.0重量%と、バニリルブチルエーテルによった唇刺激を緩和する物質としてアラントイン0.1重量%ないし3.0重量%を含むことを特徴とする
唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項2】
唇じわ改善用物質として1または2種類以上の筋肉弛緩ペプチドが前記有効成分に含まれ、前記筋肉弛緩ペプチドは、アセチルオクタペプタイド-3および/またはアルギニン/リシンポリペプチドである、請求項1記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項3】
唇色改善用物質として天然赤色色素であるアスタキサンチンが前記有効成分に含まれる、請求項記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項4】
前記生分解性基材物質によって唇水分増加効果が達成される、請求項記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ製造用組成物。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物で製造された、唇に適用するマイクロニードルパッチ。
【請求項6】
前記マイクロニードルパッチが唇に適用されて時間が経過するにつれ前記有効成分中の一つであるアスタキサンチンによるマイクロニードルの赤色が薄くなり、これにより有効成分の唇皮膚内吸収程度に対する認知が可能になる、請求項記載の唇に適用するマイクロニードルパッチ。