(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049674
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】食材搬送装置およびそれを備えた米飯製造装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20230403BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20230403BHJP
【FI】
B65G47/52 A
A23L7/10 E
A23L7/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159554
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】田尻 哲也
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 隆行
【テーマコード(参考)】
3F044
4B023
【Fターム(参考)】
3F044AA15
3F044AB13
3F044CD01
4B023LP20
4B023LT26
4B023LT60
4B023LT61
(57)【要約】
【課題】米飯が変形したり一部が落下せずに上流側の第1の計量コンベアから下流側の搬送コンベアへと乗り移れるようにする。
【解決手段】第1の計量コンベア3は、無端状の搬送ベルト3aと、搬送ベルト3aを周回駆動する駆動ローラ3baを含み、搬送コンベア4側上部に形成された折返端tから鋭角に傾斜した下降部Dを形成するように搬送ベルト3aが架け渡された複数のローラ3bとを備え、搬送コンベア4は、無端状の搬送ベルト4aと、搬送ベルト4aを周回駆動する駆動ローラ4baを含み、第1の計量コンベア3側下部に形成された折返端tから鋭角に傾斜した上昇部Uを形成するように搬送ベルト4aが架け渡された複数のローラ3bとを備え、第1の計量コンベア3と搬送コンベア4の各搬送面Fが同一平面をなし、且つ、第1の計量コンベア3の下降部Dと搬送コンベア4の上昇部Uとの間に所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップしている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のベルトコンベアおよび前記第1のベルトコンベアの搬送方向下流側に配置された第2のベルトコンベアを有し、前記第1のベルトコンベアから前記第2のベルトコンベアへと食材を搬送する食材搬送装置であって、
前記第1のベルトコンベアは、
無端状に形成された搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを周回駆動する駆動部材を含み、前記第2のベルトコンベア側上部に形成された折返端から鋭角に傾斜して下降する下降部を形成するように前記搬送ベルトが周回可能に架け渡された複数のベルト架け渡し部材とを備え、
前記第2のベルトコンベアは、
無端状に形成された搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを周回駆動する駆動部材を含み、前記第1のベルトコンベア側下部に形成された折返端から鋭角に傾斜して上昇する上昇部を形成するように前記搬送ベルトが周回可能に架け渡された複数のベルト架け渡し部材とを備え、
前記第1のベルトコンベアの搬送面と前記第2のベルトコンベアの搬送面とが同一平面をなし、且つ、前記第1のベルトコンベアの前記下降部と前記第2のベルトコンベアの前記上昇部との間に所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップしている、
ことを特徴とする食材搬送装置。
【請求項2】
前記第1のベルトコンベアおよび前記第2のベルトコンベアの少なくとも何れかは、
前記ベルト架け渡し部材を構成する前記駆動部材は、モータにより回転する駆動ローラであり、
前記駆動ローラ以外の前記ベルト架け渡し部材は、前記駆動ローラにより周回する前記搬送ベルトにより回転する従動ローラである、
ことを特徴とする請求項1記載の食材搬送装置。
【請求項3】
前記第1のベルトコンベアおよび前記第2のベルトコンベアの少なくとも何れかは、
前記ベルト架け渡し部材を構成する前記駆動部材は、モータにより回転する駆動ローラであり、
前記駆動ローラ以外の前記ベルト架け渡し部材は、前記折返端に設置された折返プレート、および前記折返端以外の箇所に設置されて前記駆動ローラにより周回する前記搬送ベルトにより回転する従動ローラである、
ことを特徴とする請求項1記載の食材搬送装置。
【請求項4】
前記駆動ローラは、前記折返端と反対側の端部に配置されている、
ことを特徴とする請求項2または3記載の食材搬送装置。
【請求項5】
前記駆動ローラは、前記搬送ベルトの前記折返端と当該折返端とは反対側の端部との間に配置されて前記搬送ベルトの下部周回領域で当該搬送ベルトを駆動する、
ことを特徴とする請求項2または3記載の食材搬送装置。
【請求項6】
前記第1のベルトコンベアの前記ベルト架け渡し部材は、さらに、前記第2のベルトコンベアと反対側下部に形成された折返端から鋭角に傾斜して上昇する上昇部を形成するように前記搬送ベルトを架け渡しており、
前記第2のベルトコンベアの前記ベルト架け渡し部材は、さらに、前記第1のベルトコンベアと反対側上部に形成された折返端から鋭角に傾斜して下降する下降部を形成するように前記搬送ベルトを架け渡している、
ことを特徴とする請求項5記載の食材搬送装置。
【請求項7】
前記食材が米飯である、
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の食材処理装置。
【請求項8】
請求項7記載の食材搬送装置と、
所定重量の米飯を生成して前記食材搬送装置に搭載される米飯生成手段と、
を有することを特徴とする米飯製造装置。
【請求項9】
前記米飯生成手段は、
最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯である主米飯を生成して前記第1のベルトコンベアに搭載する第1の生成手段と、
前記主米飯の重量と前記最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした米飯である補填米飯を生成して当該補填米飯を前記第1のベルトコンベアから乗り移った前記第2のベルトコンベアに搬送される前記主米飯に補填する第2の生成手段である、
ことを特徴とする請求項8記載の米飯製造装置。
【請求項10】
前記米飯生成手段は、
最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯である主米飯の重量と前記最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした米飯である補填米飯を生成して当該補填米飯を前記第1のベルトコンベアに搭載する第2の生成手段と、
前記主米飯を生成して当該主米飯を前記第1のベルトコンベアから乗り移った前記第2のベルトコンベアに搬送される前記補填米飯の上に搭載する第1の生成手段である、
ことを特徴とする請求項8記載の米飯製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材搬送装置およびそれを備えた米飯製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所望の目標重量とした米飯などの食材を製造する装置が知られている。このような装置では、所定重量の食材を生成してベルトコンベアに搭載して次工程に搬送する食材搬送装置が設置されている。
【0003】
食材の一例として米飯で説明すると、
図11に示すように、所定重量に生成された米飯Rを第1のベルトコンベア(例えば、搬送用のベルトコンベア)101に搭載し(
図11(a))、下流側に配置された第2のベルトコンベア(例えば、計量用のベルトコンベア)102に乗り移らせて(
図11(b))搬送する食材搬送装置である。なお、第1および第2のベルトコンベア101,102は、無端状に形成された搬送ベルト101a,102aと、搬送ベルト101a,102aが周回可能に架け渡されたローラ101b,102bとからなる。また、ローラ101b,102bは、モータにより回転して搬送ベルト101a,102aを周回駆動する駆動ローラ101ba,102baと、駆動ローラ101ba,102baにより周回する搬送ベルト101a,102aにより回転する従動ローラ101bb,102bbとで構成されている。
【0004】
このような食材搬送装置において、第1のベルトコンベア101と第2のベルトコンベア102とを単に直列配置しただけでは、
図11(b)に示すように、両者の隙間から一部の米飯(米飯Rp)が落下して損失が発生することになる。そこで、米飯Rpの落下による損失の発生を防止しつつ、米飯を第1のベルトコンベア101から第2のベルトコンベア102に乗り移らせて搬送する構造としては、例えば次のようなものが知られている。
【0005】
すなわち、特許文献1(特開平08-133463号公報)および特許文献2(特開2021-046283号公報)に記載のように、2つのベルトコンベアを階段状に配置し、米飯を第1のベルトコンベアから第2のベルトコンベアへと落下させて搬送する構造(第1の搬送構造)や、特許文献3(特開2017-100830号公報)に記載のように、ベルトコンベアを周回させるローラの径を小さくするとともにベルトコンベア同士の搬送面(上面)が水平となるように配置し、米飯を第1のベルトコンベアから第2のベルトコンベアへと搬送する構造(第2の搬送構造)である。
【0006】
また、ベルトコンベア同士の搬送面が水平になるように配置し、2つのベルトコンベアの間に形成される隙間に樹脂等のブロックを嵌め込んで当該ブロックを介して搬送面が連続するようにし、米飯を第1のベルトコンベアから第2のベルトコンベアへと搬送する構造(第3の搬送構造)も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08-133463号公報
【特許文献2】特開2021-046283号公報
【特許文献3】特開2017-100830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、第1の搬送構造では、第1のベルトコンベアから第2のベルトコンベアに乗り移るときに段差を通過する際の衝撃により、米飯が変形したり、第2のベルトコンベアが計量用である場合には、通過時の衝撃により計量誤差が発生する。
【0009】
また、第2の搬送構造では、第1のベルトコンベアから第2のベルトコンベアに乗り移る部分で隙間ができるため、その隙間で米飯の塊から剥離した米粒が落下してしまう。
【0010】
さらに、第3の搬送構造では、米飯がブロックを通過するときに摩擦抵抗が発生し、米飯が変形したり米飯の塊がちぎれてしまう。
【0011】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、食材が変形したり食材の一部が落下することなく上流側の第1のベルトコンベアから下流側の第2のベルトコンベアへと乗り移ることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の食材搬送装置は、第1のベルトコンベアおよび前記第1のベルトコンベアの搬送方向下流側に配置された第2のベルトコンベアを有し、前記第1のベルトコンベアから前記第2のベルトコンベアへと食材を搬送する食材搬送装置であって、前記第1のベルトコンベアは、無端状に形成された搬送ベルトと、前記搬送ベルトを周回駆動する駆動部材を含み、前記第2のベルトコンベア側上部に形成された折返端から鋭角に傾斜して下降する下降部を形成するように前記搬送ベルトが周回可能に架け渡された複数のベルト架け渡し部材とを備え、前記第2のベルトコンベアは、無端状に形成された搬送ベルトと、前記搬送ベルトを周回駆動する駆動部材を含み、前記第1のベルトコンベア側下部に形成された折返端から鋭角に傾斜して上昇する上昇部を形成するように前記搬送ベルトが周回可能に架け渡された複数のベルト架け渡し部材とを備え、前記第1のベルトコンベアの搬送面と前記第2のベルトコンベアの搬送面とが同一平面をなし、且つ、前記第1のベルトコンベアの前記下降部と前記第2のベルトコンベアの前記上昇部との間に所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップしている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の本発明の食材搬送装置は、上記請求項1記載の発明において、前記第1のベルトコンベアおよび前記第2のベルトコンベアの少なくとも何れかは、前記ベルト架け渡し部材を構成する前記駆動部材は、モータにより回転する駆動ローラであり、前記駆動ローラ以外の前記ベルト架け渡し部材は、前記駆動ローラにより周回する前記搬送ベルトにより回転する従動ローラである、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の本発明の食材搬送装置は、上記請求項1記載の発明において、前記第1のベルトコンベアおよび前記第2のベルトコンベアの少なくとも何れかは、前記ベルト架け渡し部材を構成する前記駆動部材は、モータにより回転する駆動ローラであり、前記駆動ローラ以外の前記ベルト架け渡し部材は、前記折返端に設置された折返プレート、および前記折返端以外の箇所に設置されて前記駆動ローラにより周回する前記搬送ベルトにより回転する従動ローラである、ことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明の食材搬送装置は、上記請求項2または3記載の発明において、前記駆動ローラは、前記折返端と反対側の端部に配置されている、ことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の本発明の食材搬送装置は、上記請求項2または3記載の発明において、前記駆動ローラは、前記搬送ベルトの前記折返端と当該折返端とは反対側の端部との間に配置されて前記搬送ベルトの下部周回領域で当該搬送ベルトを駆動する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の本発明の食材搬送装置は、上記請求項5記載の発明において、前記第1のベルトコンベアの前記ベルト架け渡し部材は、さらに、前記第2のベルトコンベアと反対側下部に形成された折返端から鋭角に傾斜して上昇する上昇部を形成するように前記搬送ベルトを架け渡しており、前記第2のベルトコンベアの前記ベルト架け渡し部材は、さらに、前記第1のベルトコンベアと反対側上部に形成された折返端から鋭角に傾斜して下降する下降部を形成するように前記搬送ベルトを架け渡している、ことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の本発明の食材搬送装置は、上記請求項1~6の何れかに記載の発明において、前記食材が米飯である、ことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明の米飯製造装置は、請求項7記載の食材搬送装置と、所定重量の米飯を生成して前記食材搬送装置に搭載される米飯生成手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項8記載の発明において、前記米飯生成手段は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯である主米飯を生成して前記第1のベルトコンベアに搭載する第1の生成手段と、前記主米飯の重量と前記最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした米飯である補填米飯を生成して当該補填米飯を前記第1のベルトコンベアから乗り移った前記第2のベルトコンベアに搬送される前記主米飯に補填する第2の生成手段である、ことを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の本発明の米飯製造装置は、上記請求項8記載の発明において、前記米飯生成手段は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯である主米飯の重量と前記最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした米飯である補填米飯を生成して当該補填米飯を前記第1のベルトコンベアに搭載する第2の生成手段と、前記主米飯を生成して当該主米飯を前記第1のベルトコンベアから乗り移った前記第2のベルトコンベアに搬送される前記補填米飯の上に搭載する第1の生成手段である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1のベルトコンベアの搬送面と第2のベルトコンベアの搬送面とは同一平面をなしており、且つ、第1のベルトコンベアの下降部と第2のベルトコンベアの上昇部とは所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップするように配置されているので、食材が変形したり食材の一部が落下することなく上流側の第1のベルトコンベアから下流側の第2のベルトコンベアへと乗り移ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る食材搬送装置を備えた米飯製造装置を示す概略図である。
【
図2】
図1の米飯搬送装置を構成する食材搬送装置である第1の計量コンベア、搬送コンベアおよび第2の計量コンベアを示す概略図である。
【
図3】
図1の米飯搬送装置を構成する食材搬送装置において、第1の計量コンベアに主米飯が搭載されて搬送される状態を示す概略図である。
【
図4】
図1の米飯搬送装置を構成する食材搬送装置において、主米飯が第1の計量コンベアから搬送コンベアに乗り移る状態を示す概略図である。
【
図5】
図1の米飯搬送装置を構成する食材搬送装置において、搬送コンベアに搬送される主米飯に補填米飯が補填される状態を示す概略図である。
【
図6】
図1の米飯搬送装置を構成する食材搬送装置において、補填米飯が補填された主米飯が搬送コンベアから第2の計量コンベアに乗り移る状態を示す概略図である。
【
図7】
図1の米飯搬送装置を構成する食材搬送装置において、補填米飯が補填された主米飯が第2の計量コンベアで搬送される状態を示す概略図である。
【
図8】(a)(b)は本発明の一実施の形態に係る変形例としての食材搬送装置により搬送される米飯を連続的に示す概略図である。
【
図9】本発明の一実施の形態に係る他の変形例としての食材搬送装置を示す概略図である。
【
図10】
図9の食材処理装置を上流側から下流側に向けて縦列配置した状態を示す概略図である。
【
図11】従来の食材搬送装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態の米飯製造装置Mは、キャスタ1によって移動可能とされた台座2上に第1の計量コンベア(第1のベルトコンベア)3、搬送コンベア(第2のベルトコンベア/第1のベルトコンベア)4、および第2の計量コンベア(第2のベルトコンベア)5が搬送方向上流側から下流側に沿って配置されている。
【0026】
なお、搬送方向上流下流のコンベアの位置関係から、第1の計量コンベア3と搬送コンベア4とでは第1の計量コンベア3が本発明の第1のベルトコンベアになり、搬送コンベア4が本発明の第2のベルトコンベアになる。また、搬送コンベア4と第2の計量コンベア5とでは第2の計量コンベアが本発明の第1のベルトコンベアになり、第2の計量コンベアが本発明の第2のベルトコンベアになる。したがって、コンベアが3台以上の場合には、隣り合って配置された搬送方向上流側が第1のベルトコンベア、搬送方向下流側が第2のベルトコンベアとなる。
【0027】
さて、第1の計量コンベア3の上方には、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした食材としての米飯である主米飯(食材)Rmをシート状に生成して当該第1の計量コンベア3上に送り出す主米飯生成部(第1の生成手段:米飯生成手段)6が配置されている。また、搬送コンベア4の上方には、主米飯Rmの重量と最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした食材としての米飯である補填米飯(食材)Rsを生成して搬送コンベア4上に送り出す補填米飯生成部(第2の生成手段:米飯生成手段)7が配置されている。
【0028】
さらに、主米飯生成部6と第1の計量コンベア3との間には、主米飯生成部6から送り出された米飯を搬送方向と交差する方向(ここでは、搬送方向とほぼ直交した方向)に分割して所定長の主米飯Rmを生成するためのカッタ8が配置されている。そして、カッタ8で分割生成された主米飯Rmは第1の計量コンベア3に搭載される。
【0029】
一方、補填米飯生成部7と搬送コンベア4との間にも、補填米飯生成部7から送り出された米飯を搬送方向と交差する方向(ここでは、搬送方向とほぼ直交した方向)に分割して所定長の米飯(以下、補填米飯生成部7から送り出されてカッタ9で分割された米飯を「補填米飯Rs」という。)を生成するためのカッタ9が配置されている。そして、カッタ9で分割生成された補填米飯Rsは搬送コンベア4を搬送される主米飯Rm上に搭載される。
【0030】
第1の計量コンベア3および第2の計量コンベア5には、当該計量コンベア3,5に搭載された米飯の重量を計量するためのロードセル3m,5mがそれぞれ設けられている。
【0031】
そして、第1の計量コンベア3、ロードセル3m、主米飯生成部6およびカッタ8で第1の処理部M1が構成される。また、搬送コンベア4、補填米飯生成部7およびカッタ9で第2の処理部M2が構成される。なお、第1の計量コンベア3、搬送コンベア4および第2の計量コンベア5により本実施の形態の食材搬送装置が構成されるが、その詳細については後述する。
【0032】
このような米飯製造装置Mにより、主米飯生成部6から送り出されたシート状に連続した米飯がカッタ8で分割されることにより主米飯Rmが生成され、第1の計量コンベア3に搭載される。そして、第1の計量コンベア3にて重量が計量されながら搬送され、搬送コンベア4へ移送される。
【0033】
一方、補填米飯生成部7から送り出された米飯もカッタ9で分割されることにより補填米飯Rsが生成され、搬送コンベア4で搬送されている主米飯Rmの上に搭載され、最終目標重量の米飯塊が生成される。そして、搬送コンベア4から第2の計量コンベア5へと移され、主米飯Rmと補填米飯Rsとからなる重量の米飯が計量される。そして、図示は省略されているが、第2の計量コンベア5には、米飯を次工程に払い出す払出装置が接続されている。なお、次工程の装置とは、例えば、米飯を所定形状(例えば三角形)に成形しておむすびを生産するためのおむすび生産装置、米飯を弁当容器の所定位置に盛り付ける弁当飯盛り装置、米飯を海苔シートで巻いて海苔巻きを生産する海苔巻き生産装置など、量目精度が求められる製品の生産装置である。
【0034】
台座2の側方(
図1において右側)には、上下方向に延びる一対の縦レール10に沿って米飯容器11を昇降させるリフタ12が設けられている。このリフタ12によって米飯容器11は上部に設置されたホッパ13の位置まで持ち上げられ、リフタ12の上端に設けられた反転部(図示せず)によってホッパ13に向けて上下反転されることにより、米飯容器11内の米飯がホッパ13に投入される。
【0035】
ホッパ13は前述した主米飯生成部6および補填米飯生成部7に共通して対応するよう設けられている。ホッパ13内には、投入された米飯を解すための第1の解しローラ、第1の解しローラに解された米飯を主米飯生成部6および補填米飯生成部7に搬送するための搬送ローラ、および搬送ローラに搬送された米飯をさらに解すための第2の解しローラ(何れのローラも図示せず)が設けられている。さらに、ホッパ13と主米飯生成部6および補填米飯生成部7との境界部分には、ホッパ13内の米飯を主米飯生成部6と補填米飯生成部7とに分岐する分岐板22が設置されている。したがって、第2の解しローラに解された米飯は、分岐板22に分岐されて前述した主米飯生成部6および補填米飯生成部7に導入される。
【0036】
主米飯生成部6内には、ホッパ13からの米飯を導入するための導入ローラ21が設けられている。また、導入ローラ21の下方には、左右一対で合計2段となった第1のローラ対15が上下方向に配置されている。この第1のローラ対15は、上段に位置する第1のローラ対15aの間隔よりも下段に位置する第1のローラ対15bの間隔の方が狭くなっている。したがって、米飯が第1のローラ対15a,15bにより上方より下方へ送られることによって、シート状に圧縮成形される。
【0037】
さらに、第1のローラ対15の下方には、左右一対で合計2段となった第2のローラ対16が上下方向に配置されている。ここで、第1のローラ対15の間隔よりも下方に位置する第2のローラ対16の間隔の方が狭くなっている。また、第2のローラ対16は相互に接近離間可能になっている。
【0038】
したがって、第1のローラ対15により米飯が上方より下方へと圧縮されながら送られる。そして、第2のローラ対16へと送られることによってさらに圧縮されてシート状に成形される。そして、第2のローラ対16は相互に接近離間可能になっていることから、第1のローラ対15から送られたシート状の連続した米飯は、第2のローラ対16の間隔に応じて厚みが調整されて送り出される。
【0039】
また、補填米飯生成部7内には、左右で一対となった第1のローラ対17が配置されている。この第1のローラ対17の下方には、左右一対で合計2段となった第2のローラ対18が上下方向に配置されている。ここで、主米飯生成部6内と同様、第1のローラ対17の間隔よりも下方に位置する第2のローラ対18の間隔の方が狭くなっている。また、第2のローラ対18は相互に接近離間可能になっている。
【0040】
したがって、第1のローラ対17により米飯が上方より下方へ圧縮しながら送られ,続いて第2のローラ対18へと送られることによってさらに圧縮されてシート状に成形される。そして、第1のローラ対17から送られたシート状の連続した米飯は、第2のローラ対18の間隔に応じて厚みが調整されて送り出される。
【0041】
ホッパ13の側方(
図1において左側)には、生成される米飯の最終目標重量値Tや主米飯Rmの設定重量値Tm、主米飯Rmや補填米飯Rsの重量の許容値などの設定を行う操作パネル19、および米飯製造装置Mの駆動および停止などを行う操作スイッチ20が設けられている。したがって、作業者は操作パネル19および操作スイッチ20を適宜操作することにより、米飯製造装置Mによる米飯の計量を行う。
【0042】
次に、本実施の形態における食材搬送装置である第1の計量コンベア3、搬送コンベア4および第2の計量コンベア5の詳細について
図2を用いて説明する。ここで、
図2は本実施の形態の食材搬送装置を示す概略図である。なお、以下に説明する図面を含めて、ロードセルの図示は省略されている。
【0043】
図2において、第1の計量コンベア3は、無端状に形成された搬送ベルト3aと、搬送ベルト3aが周回可能に架け渡された複数のローラ(ベルト架け渡し部材)3bとを備えている。ローラ3bは、図示しないモータにより回転して搬送ベルト3aを周回駆動する駆動ローラ(駆動部材)3baと、当該駆動ローラ3baにより周回する搬送ベルト3aにより回転する従動ローラ3bb(3bbx,3bby)とで構成されている。また、ローラ3bは、搬送コンベア4側の上部に折返端tを形成し、この折返端tから鋭角に傾斜して下降する下降部Dを形成するように配置されて、搬送ベルト3aを周回可能に架け渡している。
【0044】
この第1の計量コンベア3では、最も大径の駆動ローラ3baが折返端tと反対側の端部に配置されており、
図2において、当該駆動ローラ3baが反時計回りに回転して図面右側から左側に米飯を搬送するテールドライブ式コンベアとなっている。また、折返端tには最も小径の従動ローラ3bbxが配置されている。さらに、この従動ローラ3bbxとで搬送ベルト3aの下降部Dを形成するための従動ローラ3bbyが配置されている。
【0045】
搬送コンベア4は、無端状に形成された搬送ベルト4aと、搬送ベルト4aが周回可能に架け渡された複数のローラ(ベルト架け渡し部材)4bとを備えている。ローラ4bは、図示しないモータにより回転して搬送ベルト4aを周回駆動する駆動ローラ(駆動部材)4baと、当該駆動ローラ4baにより周回する搬送ベルト5aにより回転する従動ローラ4bb(4bbx,4bby,4bbz)とで構成されている。また、ローラ4bは、第1の計量コンベア3側の下部に折返端tを形成し、この折返端tから鋭角に傾斜して上昇する上昇部Uを形成し、さらに、第2の計量コンベア5側の上部に折返端tを形成し、この折返端tから鋭角に傾斜して下降する下降部Dを形成するように配置されて、搬送ベルト5aを周回可能に架け渡している。
【0046】
この搬送コンベア4では、最も大径の駆動ローラ4baが第1の計量コンベア3側の折返端tと第2の計量コンベア5側の折返端tとの間に配置されており、搬送ベルト4aの下部周回領域が駆動ローラ4baの両側に配置された2つの従動ローラ4bbzで回り込むようにして当該駆動ローラ4baに架け渡されている。したがって、搬送コンベア4は、搬送ベルト4aの下部周回領域で当該搬送ベルト4aを駆動するセンタドライブ式コンベアとなっている。
【0047】
また、前述した2カ所の折返端tには最も小径の従動ローラ4bbxが配置されている。そして、第1の計量コンベア3側の従動ローラ4bbxとで搬送ベルト5aの上昇部Uを形成するための従動ローラ4bbyが配置されている。また、第2の計量コンベア5側の従動ローラ4bbxとで搬送ベルト5aの下降部Dを形成するための従動ローラ4bbyが配置されている。
【0048】
第2の計量コンベア5は、無端状に形成された搬送ベルト5aと、搬送ベルト5aが周回可能に架け渡された複数のローラ(ベルト架け渡し部材)5bとを備えている。ローラ5bは、図示しないモータにより回転して搬送ベルト5aを周回駆動する駆動ローラ(駆動部材)5baと、当該駆動ローラ5baにより周回する搬送ベルト5aにより回転する従動ローラ5bb(5bbx,5bby)とで構成されている。また、ローラ5bは、搬送コンベア4側の下部に折返端tを形成し、この折返端tから鋭角に傾斜して上昇する上昇部Uを形成するように配置されて、搬送ベルト5aを周回可能に架け渡している。
【0049】
この第2の計量コンベア5では、最も大径の駆動ローラ5baが折返端tと反対側の端部に配置されており、
図2において、当該駆動ローラ5baが反時計回りに回転して図面右側から左側に米飯を搬送するヘッドドライブ式コンベアとなっている。また、折返端tには最も小径の従動ローラ5bbxが配置されている。さらに、この従動ローラ5bbxとで搬送ベルト5aの上昇部Uを形成するための従動ローラ5bbyが配置されている。
【0050】
さて、図示するように、第1の計量コンベア3の搬送面F(上部周回領域の米飯を搬送するための上面)と搬送コンベア4の搬送面Fとは同一平面をなしており、且つ、第1の計量コンベア3の下降部Dと搬送コンベア4の上昇部Uとは所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップするように配置されている。また、搬送コンベア4の搬送面Fと第2の計量コンベア5の搬送面Fとは同一平面をなしており、且つ、搬送コンベア4の下降部Dと第2の計量コンベア5の上昇部Uとの間には所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップするように配置されている。
【0051】
なお、図示する場合には、第1の計量コンベア3の下降部Dと搬送コンベア4の上昇部U、搬送コンベア4の下降部Dと第2の計量コンベア5の上昇部Uは、何れもほぼ平行になっているが、必ずしも平行ではなくてもよい。但し、第1の計量コンベア3、搬送コンベア4および第2の計量コンベア5の各搬送面Fの繋ぎ目を小さくして連続性を得るために、両者の間隔はできる限り接近しているのが望ましい。
【0052】
次に、このような構成を有する本実施の形態の食材搬送装置による米飯の搬送について、
図3~
図7を用いて説明する。ここで、
図3は第1の計量コンベアに主米飯が搭載されて搬送される状態を示す概略図、
図4は主米飯が第1の計量コンベアから搬送コンベアに乗り移る状態を示す概略図、
図5は搬送コンベアに搬送される主米飯に補填米飯が補填される状態を示す概略図、
図6は補填米飯が補填された主米飯が搬送コンベアから第2の計量コンベアに乗り移る状態を示す概略図、
図7は補填米飯が補填された主米飯が第2の計量コンベアに搬送される状態を示す概略図である。
【0053】
図3において、主米飯生成部6において米飯がカッタ8で分割されて所定重量の主米飯Rmが生成され、第1の計量コンベア3(の搬送面F)に搭載されると、主米飯Rmは第1の計量コンベア3で搬送されながらロードセル3mで計量が行われる。
【0054】
そして、
図4に示すように、計量後の主米飯Rmが第1の計量コンベア3から搬送コンベア4に乗り移るとともに、補填米飯生成部7では補填米飯Rsが生成される。ここで、主米飯Rmが乗り移るときには、第1の計量コンベア3の搬送面Fと搬送コンベア4の搬送面Fとの繋ぎ目を通過する際に衝撃が発生する。しかしながら、本実施の形態では、第1の計量コンベア3の搬送面Fと搬送コンベア4の搬送面Fとは同一平面をなしているので、発生する衝撃が軽減されることから、主米飯Rmから一部の米飯が剥離しにくくなる。また、主米飯Rmが所定の形状(例えば、弁当容器の盛付領域に合わせた形状)に成形されている場合には、衝撃に伴った型崩れが抑制される。
【0055】
しかも、前述のように、第1の計量コンベア3の下降部Dと搬送コンベア4の上昇部Uとの間には所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップするように配置されている。したがって、
図4に示すように、たとえ主米飯Rmから一部の米飯が剥離しても(符号Rmpにて示す米飯が発生しても)、この剥離した米飯Rmpは第1の計量コンベア3の下降部Dと搬送コンベア4の上昇部Uとの間に挟まり、その直後に、搬送コンベア4の上昇部Uにより斜め上方に搬送されて主米飯Rmに戻される。これにより、剥離した米飯Rmpの落下が抑制されて衛生的であるのみならず、米飯ロスが減少する。また、落下した米飯Rmpが食材搬送装置や当該食材搬送装置以外の箇所に詰まって故障の原因となることが防止される。さらに、剥離した米飯Rmpの落下が抑制されることから量目精度が向上する。
【0056】
さて、
図5に示すように、搬送コンベア4に乗り移った主米飯Rmが搬送されて補填米飯生成部7の直下に到達すると、当該補填米飯生成部7から主米飯Rmの上に補填米飯Rs(主米飯Rmの重量と最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標として生成された米飯)が搭載される。
【0057】
そして、
図6に示すように、補填米飯Rsが搭載された主米飯Rmは搬送コンベア4から第2の計量コンベア5に乗り移る。ここでも、搬送コンベア4の搬送面Fと第2の計量コンベア5の搬送面Fとは同一平面をなしているので、主米飯Rmが乗り移るときに発生する衝撃が軽減され、主米飯Rmから一部の米飯が剥離しにくくなる。また、主米飯Rmが所定の形状(例えば、弁当容器の盛付領域に合わせた形状)に成形されている場合には、衝撃に伴った型崩れが抑制される。
【0058】
搬送コンベア4の下降部Dと第2の計量コンベア5の上昇部Uとの間には所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップするように配置されている。したがって、仮に主米飯Rmから一部の米飯が剥離しても、前述した第1の計量コンベア3から搬送コンベア4に乗り移る場合(
図4)と同様、剥離した米飯が搬送コンベア4の下降部Dと第2の計量コンベア5の上昇部Uとの間に挟まった直後に、第2の計量コンベア5の上昇部Uにより斜め上方に搬送されて主米飯Rmに戻されるので、剥離した米飯の落下が抑制されて衛生的であるのみならず、米飯ロスが減少する。また、落下した米飯が食材搬送装置や当該食材搬送装置以外の箇所に詰まって故障の原因となることが防止される。さらに、剥離した米飯の落下が抑制されることから量目精度が向上する。
【0059】
そして、
図7に示すように、第2の計量コンベア5に乗り移った主米飯Rm(補填米飯Rsが搭載された主米飯Rm)は、当該第2の計量コンベア5で搬送されながらロードセル5mで計量(最終計量)が行われる。このとき、前述のように、主米飯Rmが第2の計量コンベア5に乗り移る際の衝撃が軽減されることから、第2の計量コンベア5に設けられたロードセル5mによる計量精度が向上する。
【0060】
なお、以上説明したように、本実施の形態の食材搬送装置では、たとえ搬送過程で主米飯Rmから一部の米飯が剥離しても、剥離した米飯は搬送コンベア4の上昇部Uや第2の計量コンベア5の上昇部Uによって主米飯Rmに戻されることから、剥離した米飯がコンベア3,4,5から落下しにくくなって量目精度が向上する。
【0061】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0062】
例えば、本実施の形態では、第1の計量コンベア3、搬送コンベア4および第2の計量コンベア5という3台のベルトコンベアが搬送方向上流側から下流側に沿って配置されているが、ベルトコンベアは2台あるいは4台以上であってもよい。なお、前述のように、3台以上配置されている場合、隣り合って配置された搬送方向上流側が本発明における第1のベルトコンベアとなり、搬送方向下流側が本発明における第2のベルトコンベアとなる。さらに、第1のベルトコンベアおよび第2のベルトコンベアは、計量コンベアであっても搬送コンベアであってもよい。
【0063】
また、駆動ローラ3ba以外のベルト架け渡し部材としては、本実施の形態では、すべて従動ローラ3bb,4bb,5bbが用いられているが、一方あるいは両方のベルトコンベアにおいて、折返端tには摩擦係数の低い板状の樹脂や金属などからなる折返プレートを配置してもよい。
【0064】
また、本実施の形態の米飯製造装置は、最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした主米飯Rmを生成し、後工程で、主米飯Rmの重量と最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした米飯である補填米飯Rsを生成して主米飯Rmに補填する方式の装置であるが、1回で最終目標重量値の米飯を生成する方式の装置であってもよい。
【0065】
このような米飯製造装置における食材搬送装置の一例として、ベルトコンベアが2台配置された装置を
図8に示す。図示する場合には、所定重量に生成された米飯(食材)Rを第1のベルトコンベア(例えば、搬送用のベルトコンベアや計量用のベルトコンベア)31に搭載し(
図8(a))、下流側に配置された第2のベルトコンベア(例えば、計量用のベルトコンベアや搬送用のベルトコンベア)32に乗り移らせて(
図8(b))搬送する食材搬送装置である。この食材搬送装置は
図2に示す食材搬送装置の搬送コンベア4を取り除いて第1の計量コンベア3と第2の計量コンベア5とを組み合わせたものである。
【0066】
第1および第2のベルトコンベア31,32は、無端状に形成された搬送ベルト31a,32aと、搬送ベルト31a,32aが周回可能に架け渡されたローラ31b,32bとからなる。また、ローラ31b,32bは、モータにより回転して搬送ベルト31a,32aを周回駆動する駆動ローラ31ba,32baと、駆動ローラ31ba,32baにより周回する搬送ベルト31a,32aにより回転する従動ローラ31bb,32bbとで構成されている。
【0067】
第1のベルトコンベア31のローラ31bは、第2のベルトコンベア32側の上部に折返端tを形成し、この折返端tから鋭角に傾斜して下降する下降部Dを形成するように配置されて、搬送ベルト31aを周回可能に架け渡している。また、第2のベルトコンベア32のローラ32bは、第1のベルトコンベア32側の下部に折返端tを形成し、この折返端tから鋭角に傾斜して上昇する上昇部Uを形成するように配置されて、搬送ベルト32aを周回可能に架け渡している。
【0068】
そして、第1のベルトコンベア31の搬送面Fと第2のベルトコンベア32の搬送面Fとは同一平面をなしており、且つ、第1のベルトコンベア31の下降部Dと第2のベルトコンベア32の上昇部Uとは所定の間隔が形成されるとともに平面視でオーバラップするように配置されている。
【0069】
このような
図8に示す食材搬送装置は、前述のように、1回で最終目標重量値の米飯Rを生成する方式に適している。
【0070】
さらに、本実施の形態の食材搬送装置におけるセンタドライブ式コンベアである搬送コンベア4は、上流側に第1の計量コンベア3が、下流側に第2の計量コンベア5が配置されているために、上流側が折返端tから鋭角に傾斜して上昇する上昇部Uを形成し、下流側が折返端tから鋭角に傾斜して下降する下降部Dを形成しているが、コンベアが片側のみ配置されている場合には、配置されていない側は上昇部Uあるいは下降部Dを形成する必要はない。
【0071】
さらに、
図9に示すように、ベルトコンベア41がセンタドライブ式コンベアの場合には、上流側が折返端tから鋭角に傾斜して上昇する上昇部Uを形成し、下流側が折返端tから鋭角に傾斜して下降する下降部Dを形成するようにすれば、
図10に示すように、複数のベルトコンベア41a,41b,41cを上流側から下流側に向けて縦列配置することが可能になる。
【0072】
さらに、本実施の形態の米飯生成手段では、主米飯生成部6で生成された主米飯Rm(最終目標重量値よりも少ない重量に設定された設定重量値を目標とした米飯)が第1の計量コンベア3に搭載され、補填米飯生成部7で生成された補填米飯Rs(主米飯Rmの重量と最終目標重量値との重量差である補填重量値を目標とした米飯)が、第1の計量コンベア3から乗り移った第2のベルトコンベア4に搬送される主米飯Rmに補填される構造になっているが、主米飯生成部6と補填米飯生成部7との配置を逆にして、補填米飯Rsの上に主米飯Rmが搭載される構造であっていてもよい。
【0073】
すなわち、米飯生成手段を、補填米飯Rsを生成して第1の計量コンベア3に搭載する補填米飯生成部7と、主米飯Rmを生成して第1の計量コンベア3から乗り移った第2のベルトコンベア4に搬送される補填米飯Rsに搭載する主米飯生成部6とで構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上の説明では、本発明の食材搬送装置は、米飯の搬送用に限定されるものではなく、ベルトコンベアによる搬送でロスが発生しそうな粉粒体原料の食材(例えば、麦やお菓子など)や、比較的容易に変形してしまう原料の食材(例えば、ハンバーグの生地)など、様々な食材の搬送用として適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
3 第1の計量コンベア(第1のベルトコンベア)
3a 搬送ベルト
3b ローラ(ベルト架け渡し部材)
3ba 駆動ローラ(駆動部材)
3bb,3bbx,3bby 従動ローラ
3m ロードセル
4 搬送コンベア(第2のベルトコンベア/第1のベルトコンベア)
4a 搬送ベルト(ベルト架け渡し部材)
4b ローラ(ベルト架け渡し部材)
4ba 駆動ローラ(駆動部材)
4bb,4bbx,4bby,4bbz 従動ローラ
5 第2の計量コンベア(第2のベルトコンベア)
5a 搬送ベルト(ベルト架け渡し部材)
5b ローラ(ベルト架け渡し部材)
5ba 駆動ローラ(駆動部材)
5bb,5bbx,5bby 従動ローラ
5m ロードセル
6 主米飯生成部(第1の生成手段:米飯生成手段)
7 補填米飯生成部(第2の生成手段:米飯生成手段)
31 第1のベルトコンベア
31a 搬送ベルト
31b ローラ
31ba 駆動ローラ
31bb 従動ローラ
32 第2のベルトコンベア
32a 搬送ベルト
32b ローラ
32ba 駆動ローラ
32bb 従動ローラ
41,41a,41b,41c ベルトコンベア
D 下降部
F 搬送面
M 米飯製造装置
R 米飯(食材)
Rm 主米飯(食材)
Rmp,Rp 米飯(剥離した米飯)
Rs 補填米飯(食材)
U 上昇部
t 折返端