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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004977
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20230110BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20230110BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
H01F17/04 A
H01F17/00 D
H01F27/29 123
H01F17/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101819
(22)【出願日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082541
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 漢
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB06
5E070BA12
5E070CB02
5E070CB13
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】直流抵抗を減少させながらも、インダクタンスの減少を最小化することができるコイル部品を提供する。
【解決手段】本発明によるコイル部品は、本体と、引出端部及びコイルを含み、前記本体内に埋設されるコイル部と、前記コイル部の内側を第1方向に貫通するコアと、を有し、前記コイルが巻線される方向と垂直な前記コイルの断面は、前記コアと向かい合う側に配置された第1及び第2ラウンド部を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
引出端部及びコイルを含み、前記本体内に埋設されるコイル部と、
前記コイル部の内側を第1方向に貫通するコアと、を有し、
前記コイルが巻線される方向と垂直な前記コイルの断面は、前記コアと向かい合う側に配置された第1及び第2ラウンド部を有することを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記コイルが巻線される方向と垂直な前記コイルの断面は、複数の側部(edge)を有し、
前記第1及び第2ラウンド部は、前記複数の側部の内の前記コアと向かい合う側部の両端部と接続され、互いに離隔配置されることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記引出端部は、前記コイルから前記本体の外部に引き出され、前記引出端部が引き出される方向と垂直な前記引出端部の断面は、複数の側部を有し、
前記複数の側部の内の少なくとも一つの両端部と接続され、互いに離隔配置される複数のラウンド部を有することを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記複数の側部の内の前記本体の外面と向かい合う側部の両端部に離隔配置される第3及び第4ラウンド部をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記本体の一面に互いに離隔配置される第1及び第2外部電極をさらに有し、
前記引出端部は、前記本体の一面に露出し、前記第1及び第2外部電極にそれぞれに接続されることを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1ラウンド部の前記第1方向に沿った幅を「a」、前記第2ラウンド部の前記第1方向に沿った幅を「b」とする時、
前記「b」に対する前記「a」の割合(a/b)は、0.8<(a/b)<1.2を満たすことを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1ラウンド部の前記第1方向に沿った幅を「a」、前記第1ラウンド部の前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅を「c1」とする時、
前記「c1」に対する前記「a」の割合(a/c1)は、0.8<(a/c1)<1.2を満たすことを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第2ラウンド部の前記第1方向に沿った幅を「b」、前記第2ラウンド部の前記第1方向と垂直な第2方向に沿った幅を「c2」とする時、
前記「c2」に対する前記「b」の割合(b/c2)は、0.8<(b/c2)<1.2を満たすことを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第1方向に積層された複数の有効層をさらに有し、
前記コイル部は、前記複数の有効層にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項5に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記本体内に埋設されたモールド部と、
前記モールド部の一面上に配置されるカバー部と、
前記モールド部の一面から突き出したコア部と、をさらに有し、
前記コイルは、前記モールド部の一面と前記カバー部との間に配置され、
前記コア部は、前記コアの内部に配置され前記コイルを貫通することを特徴とする請求項5に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記本体内に埋設された支持基板と、
前記支持基板の少なくとも一部を貫通するビアと、をさらに有し、
前記コアは、前記支持基板を前記第1方向に貫通し、
前記コイルは、前記支持基板の一面と他面に配置され、前記ビアを通じて電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記コイルは、前記第1方向に沿って向かい合う最外側に配置された外部コイルと、その内部に配置された内部コイルと、を含み、
前記内部コイルの前記第1方向に沿った幅をW1、前記外部コイルの前記第1方向に沿った幅をW2とする時、前記W1は、前記W2より大きいことを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記内部コイルは、前記本体の前記第1方向に沿った中心部から外側に配置されるほど前記W1が小さくなることを特徴とする請求項12に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記コイルの内の前記本体の前記第1方向に沿った中心部を基準として向かい合い対応する位置に配置されたコイルは、前記第1方向に沿った幅が互いに同一であることを特徴とする請求項12に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記W2に対する前記W1の割合(W1/W2)は、1.4<(W1/W2)<2を満たすことを特徴とする請求項12に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記コイルの側面の内、前記コイルが巻線される方向と平行に前記コアと向かい合う面は、曲面を有することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記第1及び第2ラウンド部は、互いに接続されることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項18】
本体と、
引出端部及びコイルを含み、前記本体内に埋設されたコイル部と、
前記コイル部の内側を第1方向に貫通するコアと、を有し、
前記第1方向と垂直な方向を第2方向、前記第1及び第2方向のそれぞれと垂直な方向を第3方向とする時、
前記第1及び第2方向に沿った前記コイルの断面及び前記第1及び第3方向に沿った前記コイルの断面の内の少なくとも一つは、前記コアと向かい合う側に配置される複数のラウンド部を有することを特徴とするコイル部品。
【請求項19】
前記第1及び第2方向に沿った前記コイルの断面及び前記第1及び第3方向に沿った前記コイルの断面の内の少なくとも一つは、複数の側部を有し、
前記複数のラウンド部は、前記複数の側部の内の前記コアと向かい合う側部の両端部と接続され、互いに離隔配置されることを特徴とする請求項18に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記コイルは、前記第1方向に沿って最外側に配置された外部コイルと、その内部に配置された内部コイルと、を含み、
前記内部コイルの前記第1方向に沿った幅をW1、前記外部コイルの前記第1方向に沿った幅をW2とする時、W1は、W2より大きいことを特徴とする請求項18に記載のコイル部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関し、特に、直流抵抗を減少させながらも、インダクタンスの減少を最小化することができるコイル部品するに関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化、高集積化におけるシステム機能を満たすためには、小型/高容量チップ製品の高仕様化を必要とする。
現在商用化されている高周波チップインダクタ製品には、積層型、薄膜型及び巻線型高周波インダクタがある。
【0003】
高周波インダクタの場合、直流抵抗(DC Resistance:Rdc)が減ると、この影響により高周波で合成抵抗が減少し、Q特性を向上させるためにパターン断面を大きく設計する必要があった。
そこで、パターン断面を制御して同一設計で容量やQ特性を向上することが課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-204336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、パターン断面を制御して同一設計で容量やQ特性を向上することができる構造を提案する。
本発明は上記従来の高周波インダクタにおける課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、直流抵抗(Rdc)を減少させながらも、インダクタンス(Ls)の減少を最小化することができるコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるコイル部品は、本体と、引出端部及びコイルを含み、前記本体内に埋設されるコイル部と、前記コイル部の内側を第1方向に貫通するコアと、を有し、前記コイルが巻線される方向と垂直な前記コイルの断面は、前記コアと向かい合う側に配置された第1及び第2ラウンド部を有することを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するためになされた本発明によるコイル部品は、本体と、引出端部及びコイルを含み、前記本体内に埋設されたコイル部と、前記コイル部の内側を第1方向に貫通するコアと、を有し、前記第1方向と垂直な方向を第2方向、前記第1及び第2方向のそれぞれと垂直な方向を第3方向とする時、前記第1及び第2方向に沿った前記コイルの断面及び前記第1及び第3方向に沿った前記コイルの断面の内の少なくとも一つは、前記コアと向かい合う側に配置される複数のラウンド部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコイル部品によれば、コイルは、コイルの側部領域にラウンドを形成し、コイルの側部の両端部に電流が集中する現象を防止することで、コイル部品の直流抵抗(Rdc)を減少させながらもインダクタンス(Ls)の減少を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に適用される本体とコイル部を概略的に示す斜視図である。
図3図2の分解斜視図である。
図4図1のコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図5図1のコイル部品をII-II’線に沿って切断した断面図である。
図6図4のA領域の部分拡大図である。
図7図1のコイル部品の変形例を概略的に示す斜視図である。
図8図7のコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図9図1のコイル部品の変形例を概略的に示す斜視図である。
図10図9のコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図11図1のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図12図11のB領域の部分拡大図である。
図13】本発明の他の実施形態によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図14図13のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図15図13のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図16図13のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係るコイル部品を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0011】
本明細書で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用するもので、本発明を限定しようとする意図ではない。
単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
そして、明細書全体において「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するものではない。
【0012】
また、結合、接続とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合まで包括する概念として使用する。
図面で示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも示されたものに限定されるものではない。
図面において、W方向は第1方向又は幅方向、L方向は第2方向又は長さ方向、T方向は第3方向又は厚さ方向と定義されることができる。
【0013】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を、添付図面を参照して詳しく説明し、添付図面を参照して説明するにあたって、同一であるか対応する構成要素は同一の図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0014】
電子機器には多様な種類の電子部品が用いられるが、かかる電子部品の間にはノイズ除去などの目的で多様な種類のコイル部品が適切に用いることができる。
即ち、電子機器におけるコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビード(General Bead)、高周波用ビード(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いることができる。
【0015】
〔一実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態によるコイル部品を概略的に示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に適用される本体とコイル部を概略的に示す斜視図であり、図3は、図2の分解斜視図である。
なお、図3には説明の便宜のため主要構成である有効層110とコイル部200のみを示している。
【0016】
図1図3を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品1000Aは、本体100、コイル部200、及び外部電極(300、400)を含む。
本体100は、複数の有効層110とカバー層120を含む。
また、本体100は、本体100の一部として後述するコイル部200のコイル210を貫通するコア130を含む。
【0017】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観をなし、内部にコイル部200を埋設する。
本体100は、全体的に六面体状で形成され得る。
本体100は、図1及び図2を基準として、第1方向Wに互いに向かい合う第1面101と第2面102、第2方向Lに互いに向かい合う第3面103と第4面104、第3方向Tに向かい合う第5面105及び第6面106を含む。
本体100の第1~第4面(101、102、103、104)のそれぞれは、本体100の第5面105と第6面106を接続する本体100の壁面に該当する。
以下において、本体100の両断面は、本体100の第1面101及び第2面102を意味し、本体100の両側面は、本体100の第3面103及び第4面104を意味する。
【0018】
本体100は、カバー層120と複数の有効層110が第3方向Tに沿って積層されて形成されるが、これに限定されるものではない。
一例として、本体100において複数の有効層110が第3方向Tに沿って積層されて形成された場合、本体100は、有効層形成用グリーンシートと、カバー層形成用グリーンシートを複数枚積層し、これを焼結することで形成される。
上述した方法の場合、焼結後に各有効層110間の境界、及び有効層110とカバー層120間の境界は、区別が困難なことがある。
有効層形成用グリーンシートとカバー層形成用グリーンシートは、同一のセラミックスラリー(slurry)で形成されるが、これに制限されるものではない。
【0019】
一方、上述した一例の変形した例として、本体100は、磁性物質と絶縁樹脂を含む磁性複合シートを複数積層し、これらを硬化することで形成され得る。
また他の例として、本体100は、誘電体粉末と絶縁樹脂を含む複合シートを複数積層し、これらを硬化することで形成され得る。
複数の磁性複合シート又は複合シートは、硬化後に本発明の有効層110とカバー層120となる。
【0020】
磁性物質は、フェライト又は金属磁性粉末であり得る。
フェライト粉末は、例として、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶形フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの内の少なくとも一つ以上であり得る。
【0021】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含み得る。
例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末の内の少なくとも一つ以上であり得る。
金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であり得る。
例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であり得るが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0022】
誘電体粉末は、有機フィラー及び無機フィラーの内の少なくとも一つを含み得る。
有機フィラーは、例として、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene:ABS)、セルロースアセテート(Cellulose acetate)、ナイロン(Nylon)、ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate:PMMA)、ポリベンズイミダゾール(Polybenzimidazole)、ポリカーボネート(Polycarbonate)、ポリエーテルスルホン(Polyether sulfone)、ポリエーテルエーテルケトン(Polyetherether ketone:PEEK)、ポリエーテルイミド(Polyetherimide:PEI)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリ乳酸(Polylacticacid)、ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene)、ポリフェニレンオキシド(Polyphenylene oxide)、ポリフェニレンスルフィド(Polyphenylene sulfide)、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl chlroride)、エチレン酢酸ビニル(Ethylene vinylacetate)、ポリビニルアルコール(Polyvinylalcohol)、ポリエチレンオキシド(Polyethylene oxide)、エポキシ(Epoxy)、ポリイミド(Polyimide)の内の少なくとも一つを含み得る。
【0023】
無機フィラーは、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、炭化ケイ素(SiC)、チタンオキシド(TiO)、硫酸バリウム(BaSO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)で構成された群より選択された少なくとも一つ以上を含み得る。
一方、本実施形態の無機フィラーの範囲は、前述した例に限定されず、比透磁率が1に近い値を有するセラミック材料であれば、本実施形態の無機フィラーに属する。
【0024】
磁性体粉末及び誘電体粉末は、それぞれ平均直径が、約0.1μm~30μmであり得るが、これに制限されるものではない。
絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0025】
コイル部200は、本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。
例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部200は、出力電圧を維持するための磁場として電場を蓄積するように機能することで、電子機器の電源を安定させる役割を行うことができる。
コイル部200は、有効層110に形成された、コイル210、引出端部220、及びビア230を含む。
【0026】
コイル210、引出端部220、及びビア230は、有効層形成用グリーンシートに、金属ペースト、例えば、Ni、Al、Fe、Cu、Ti、Cr、Au、Ag、Pd、Ptの中から選択される少なくとも1種類の金属、あるいはこれらの金属化合物をスクリーン印刷などで塗布し、グリーンシートと共に同時焼結させることで本体100内に埋設された形態で形成される。
他の例として、コイル210、引出端部220、及びビア230は、各有効層110に電解めっきで形成され得る。
この場合、コイル210、引出端部220、及びビア230は、無電解めっき又はスパッタリングなどにより形成されたシード層と、シード層上に形成された電解めっき層を含み得る。
【0027】
各有効層110に形成されたコイル210は、第3方向Tに各有効層110を貫通するビア230を通じて相互接続され、第3方向Tに沿ってコア130を複数回巻回する形態の一つのコイルを形成する。
各コイル210は、各有効層110に一側が開放された円形又は一側が開放された楕円形の形状で形成される。
すなわち、各コイル210は、各有効層110で1未満のターン(turn)数を有するように形成される。
その結果、図3に示したように、コイル部200とコア130を図1の第1方向Wに投映する場合、コア130は、円形又は楕円形の形態を有するようになる。
各コイル210は、開放された円形又は開放された楕円形で形成される。
【0028】
引出端部220は、第1方向Wの最外層に配置されたコイル210から本体100の第6面106に延長される。
引出端部220は、本体100の第6面106にそれぞれ露出し、後述する外部電極(300、400)と接続される。
【0029】
コイル部品の直流抵抗(Rdc)を減少させるためには電流流れ性(current flowability)を向上させる必要がある。
電流流れ性は、コイルのパターン形状を変更するか、コイルの断面積(線幅)を増加させることで改善することができる。
また、直流抵抗(Rdc)を減少させることで、高周波における直列抵抗(Rs)が減少し、Q特性を向上させることができる。
前者の例として、電流集中のおそれがある頂点を最小化するように側部の両端部にラウンド部を形成した形状でコイルを形成したものが挙げられる。
本実施形態の場合、コイル210は、コイル210の側部領域にラウンドを形成し、コイル210の側部の両端部に電流が集中する現象を防止する。
以下、具体的に本願発明によるコイル210の構造について説明する。
【0030】
図4は、図1のコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図であり、図5は、図1のコイル部品をII-II’線に沿って切断した断面図である。
図4及び図5の場合、説明の便宜のため、主要構成である本体100とコイル210のみを図に示している。
【0031】
図4及び図5を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品1000Aにおいて、コイル210は、側部(edge)の内の少なくとも一部の両端部に複数のラウンド部が接続されている。
すなわち、コイル210が有効層110上で巻線される方向と垂直なコイル210の断面は、コア130と向かい合う側に配置された複数のラウンド部(R1、R2)を有する。
【0032】
換言すると、第1及び第2方向(W、L)断面によるコイル210の断面又は上記第1及び第3方向(W、T)によるコイル210の断面の境界線は、複数の角及び複数の第1及び第2ラウンド部(R1、R2)を有する。
第1及び第2ラウンド部(R1、R2)は、複数の側部の内のコア130と向かい合う側部の両端部と接続される。
これにより、第1及び第2方向(W、L)断面に沿ったコイル210の断面又は上記第1及び第3方向(W、T)に沿ったコイル210の断面は、複数の側部及び複数の第1及び第2ラウンド部(R1、R2)で取り囲まれた形状を有する。
【0033】
本発明における断面の側部とは、断面をなす図形を取り囲む境界線の内の直線の境界線を意味し、ラウンド部とは、断面をなす図形を取り囲む境界線の内の曲線の境界線を意味する。
よって、上記側部と上記ラウンド部が接続されて閉ループ(Closed roop)形状をなすことで、コイル210の断面が完成される。
また、本発明における直線とは、完璧に真っ直ぐに伸びた線のみを意味するものではなく、工程上の誤差又は公差により発生し得る微弱な屈曲も含む形態の線を意味する。
【0034】
コイル210の断面のコア130と向かい合う角の両端部に複数のラウンド部(R1、R2)が接続されることにより、コイル210の側面の内のコア130と向かい合う側面は、曲面を有する。
コイル210が巻線される方向と垂直なコイル210の断面は、複数の側部(210-1、210-2、210-3、210-4)及び第1及び第2ラウンド部(R1、R2)で取り囲まれた形状を有する。
複数の側部は、第1~第4側部(210-1、210-2、210-3、210-4)を含み、その中でコア130と向かい合う角は、第1側部(210-1)である。
コア130と向かい合う第1側部(210-1)の両端部には、別途のラウンド処理を通じて形成されたラウンド部(R1、R2)が接続される。
すなわち、ラウンド処理を通じて形成された第1及び第2ラウンド部(R1、R2)により、第1角(210-1)と第2及び第3側部(210-3、210-4)のそれぞれが接続される。
これは、後述する図6に対する説明でより詳しく説明する。
ここでラウンド処理とは、エッチング(etching)、研磨(polishing)などを含んだ通常の導体加工方式が使用され得る。
【0035】
上記構造によると、図4及び図5に示した断面図において、コア130を基準として本体100の第5面105側に配置されたコイル210の断面と、コア130を基準として本体100の第6面106側に配置されたコイル210の断面とは、互いに向かい合う断面が対称的な形状を有する。
ここで対称とは、基準点を基準として完壁に形状が一致する場合だけでなく、工程上の誤差も含む意味である。
【0036】
このように、コイル210が巻線される方向と垂直なコイル210の断面の内のコア130と向かい合う側部の両端部に複数のラウンド部(R1、R2)が接続されることにより、コア130領域の体積がより増加する。
コイル210内部のコア130の体積が増加する場合、コア130の体積と比例関係にあるインダクタンスL値が増加し、それによりコイル部品1000のQ特性が向上される。
【0037】
一方、高周波信号を伝達する時に、交流周波数の増加による表皮効果(Skin Effect)と寄生効果(Parasitic Effect)によって、交流抵抗が増加し、コイル210の特定領域に電流が集中して電流密度が不均一な現象が発生し、結果としてQ特性を低下させるおそれがある。
表皮効果とは、交流電流を利用する場合に、周波数が増加すると電流密度が導体の表周りに集中し、この時、導体の電流が流れる有効面積が減少して伝送損失が増加する現象を意味する。
よって、導線の中心部に行くほど交流電流密度が少なくなり、電線の導体外部(表皮)に電流が集中することがある。
寄生効果とは、表皮効果の一種として、高周波環境で隣接した二つの導体間に電流が流れる時に、その電流方向が相互反対方向であれば隣接側に、同一方向であれば隣接側と反対側に電流が集中して電流密度が集中し、電流が流れる有効面積が減少して伝送損失が増加する現象を意味する。
【0038】
図4及び図5に示した本発明の一実施形態によるコイル部品1000Aによると、上述した構造のように、ラウンド処理を通じてコイル210の巻線方向と垂直なコイル210の断面の内のコア130と向かい合う側部の両端部に複数のラウンド部(R1、R2)が接続されることにより、コイル210の断面が四角形状を有する場合に比べて、頂点領域に電流密度が集中する現象を防止する。
このように電流が流れる方向(コイル210が巻線される方向)と垂直なコイル210の断面の頂点の内の一部がラウンド処理されることにより、寄生効果及び表皮効果によって、電流がコイル210の表面及び隣接したコイル210と遠い側の表面に集中するとしても、側部のみにさらに集中して電流が流れる現象を効果的に防止する。
【0039】
一方、コイル210の断面の形状は、図4及び図5に示した事項に制限されない。
よって、コイル210が巻線される方向から投映した時、コイル210の断面が四角形ではなく多角形の形状を有しても本発明の範囲に属する。
このような場合でも、前述したように、多角形の頂点の内の少なくとも一部領域は、ラウンド形態で形成される。
【0040】
一方、引出端部220もコイル210と同一の形状を有する。
例えば、引出端部220がコイル210から本体100の外部に引出される方向と垂直な引出端部220の断面は、複数の側部及び複数のラウンド部を有し、複数のラウンド部は、複数の側部の内の少なくとも一つの両端部と接続され、離隔配置される。
このような引出端部220の形状は、コイル210の加工時に同時に加工されて形成され得る。
引出端部220の断面の形状については、上述したコイル210の断面の形状に関する説明が同一に適用され、それにより電流密度の集中防止効果も同一に達成することができる。
【0041】
一方、コイル210及び引出端部220の断面の内の少なくとも一つの断面は、複数のラウンド部(R1、R2)が互いに接続された形状を有することもできる。
この場合、複数のラウンド部(R1、R2)は、側部を通じて接続されるものではなく、互いに直接接続される形状を有する。
【0042】
第1及び第2外部電極(300、400)は、本体100の第6面106に配置され、コイル部200の引出端部220とそれぞれ接続される。
第6面106は、本体100の外面の内のコア130がコイル部200を貫通する方向である第1方向と平行な面である。
第1及び第2外部電極(300、400)は、単層又は複数層の構造で形成され得る。
例として、第1及び第2外部電極(300、400)のそれぞれは、銅(Cu)を含む第1層、第1層上に配置され、ニッケル(Ni)を含む第2層、及び第2層上に配置され、スズ(Sn)を含む第3層で構成される。
第1及び第2外部電極(300、400)は、めっき法、ペースト印刷法などで形成され得る。
制限されない一例として、第1及び第2外部電極(300、400)のそれぞれは、導電性粉末を含む導電性ペーストを本体に直接塗布し、硬化又は焼結することで形成された第1層と、第1層を下地層として電解めっきで形成された第2層とを含み得る。
【0043】
第1及び第2外部電極(300、400)は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成することができるが、これに限定されるものではない。
一方、図1には、例として、第1外部電極300が本体100の第6面106のみに形成されて下面電極構造を有する構造が示しているが、これに制限されるものではない。
【0044】
他の例として、第1外部電極300が本体100の第3面103に形成され、本体100の第1、第2、第5、及び第6面(101、102、105、106)のそれぞれに延長された形態の5面電極であってもよい。
また他の例として、第1及び第2外部電極(300、400)のそれぞれは、本体100の第3及び第4面(103、104)に形成され、本体100の第6面106に延長されたL字状電極であり得る。
また他の例として、第1及び第2外部電極(300、400)のそれぞれは、本体100の第3及び第4面(103、104)に形成され、本体100の第5及び第6面(105、106)に延長されたコ字状の電極であり得る。
【0045】
一方、図に示していないが、本実施形態によるコイル部品1000は、本体100の第1~第6面(101、102、103、104、105、106)の内の外部電極()300、400)が配置された領域を除いた領域に形成された絶縁層をさらに含むことができる。
絶縁層は、電解めっきで外部電極(300、400)を形成するにあたって、めっきレジストとして用いることができるが、これに制限されるものではない。
【0046】
図6は、図4のA領域の部分拡大図である。
図6は、コイル210の内の内部コイル211の巻線方向と垂直な断面の拡大図を示す。
但し、図6に対する以下のコイル210の断面の幅に関する説明は、一つの内部コイル211に対する説明ではなく、第2方向Lの中心部に沿ったコイル部品1000Aの切断面に露出した全てのコイル(211、212、213、214、215、216、217)のそれぞれの断面の幅の平均値に関する説明であり得る。
したがって、以下の説明の便宜のためにコイル210を基準として説明する。
【0047】
図1図6を参照すると、コイル210が巻線される方向と垂直なコイル210の断面は、複数の第1~第4側部(210-1、210-2、210-3、210-4)及び複数の第1及び第2ラウンド部(R1、R2)を有し、コア130と向かい合う第1側部(210-1)の両端部に第1及び第2ラウンド部(R1、R2)が接続された構造を有する。
【0048】
図6を参照すると、コイル210が巻線される方向と垂直なコイル210の断面は、コア130と向かい合う第1側部(210-1)、第1側部(210-1)と向かい合う第2側部(210-2)、第1及び第2側部を接続し互いに向かい合う第3及び第4側部(210-3、210-4)、第1及び第3側部(210-1、210-3)を接続する第1ラウンド部R1、第1及び第4側部(210-1、210-4)を接続する第2ラウンド部R2を含む。
第3及び第4側部(210-3、210-4)のそれぞれは、隣接した他のコイルと向かい合う。
【0049】
コイル210の側面の内のコア130と向かい合う側面は、曲面を有するため、図6に示したように、図1の本発明の一実施形態によるコイル部品1000Aにおいて、コイル210の任意の位置でコイル210の巻線方向と垂直な断面は、第1ラウンド部R1と第2ラウンド部R2を含む。
第1及び第2ラウンド部(R1、R2)は、コイル210の曲面に含まれる。
結果として、図6に示したコイル210の断面は、第1~第4側部(210-1、210-2、210-3、210-4)と第1及び第2ラウンド部(R1、R2)で取り囲まれる。
【0050】
一方、第1及び第2ラウンド部(R1、R2)は、コイル210のエッチングなどのラウンド処理を通じて形成される。
積層型インダクタの場合、有効層110上にコイル210が配置された状態でラウンド処理工程が行われる。
一例として、コイル210の第1側部(210-1)の両端部の内の有効層110の一面と向かい合う一端部において、ラウンド処理を通じて通常のコイルのアンダーカット(Undercut)が発生する位置に第1ラウンド部R1が形成され、第1側部(210-1)の一端部と反対側端部である他端部にラウンド処理を通じて第2ラウンド部R2が形成される。
第1及び第2ラウンド部(R1、R2)は、コイル部品1000Aでコア130と向かい合うため、ラウンド処理により除去されたコイル210の体積ほどコア130の体積が増加して磁束及びインダクタンス増加効果を達成する。
【0051】
一方、第1ラウンド部R1の第1方向Wに沿った幅を「a」、第2ラウンド部R2の第1方向Wに沿った幅を「b」、第1及び第2ラウンド部(R1、R2)の第1方向Wに垂直な第3方向Tに沿った幅を「c」とする時、第1及び第2ラウンド部(R1、R2)の場合、「a」、「b」、及び「c」の割合によってコイル210のQ特性が変わる。
具体的に、第1ラウンド部R1の第1方向Wに沿った幅「a」は、第1側部(210-1)を第1方向Wに沿って延長した延長線と、第3側部(210-3)を第3方向Tに沿って延長した延長線の交差点である第1交差点C1から第1側部(210-1)まで至る最短距離を意味する。
【0052】
また、第2ラウンド部R2の第1方向Wに沿った幅「b」は、第1側部(210-1)を第1方向Wに沿って延長した延長線と、第4側部(210-4)を第3方向Tに沿って延長した延長線の交差点である第2交差点C2から第1側部(210-1)まで至る最短距離を意味する。
また、第1及び第2ラウンド部(R1、R2)の第1方向Wと垂直な第3方向Tに沿った幅「c1」、「c2」は、それぞれ上述した第1及び第2交差点(C1、C2)から第3及び第4側部(210-3、210-4)に至る最短距離を意味する。
ここで、「c1」及び「c2」は、実質的に同一であり得、本発明で実質的に同一であるという意味は、数学的に完壁に同一の場合だけでなく、通常の製造工程上で発生する誤差を含む範囲内にある場合まで含む意味である。
【0053】
上述した「a」、「b」、「c1」、及び「c2」は、コイル(211、212、213、214、215、216、217)のそれぞれの幅を意味するものではなく、全体コイル210のそれぞれの「a」、「b」、「c1」、及び「c2」を測定した後、平均した値を意味する。
下記に示す表1は、(a/b)値による2GHz周波数領域におけるQ特性を、下記に示す表2は、(a/c1)又は(a/c2)値による2GHz周波数領域におけるQ特性を示す。
【表1】
【表2】
【0054】
表1を参照すると、「a」が「b」の0.8倍より大きく1.2倍より小さい時、40以上の好ましい高いQ特性を達成できることが分かる。
また、表2を参照すると、「a」が「c1」の0.8倍より大きく「c1」の1.2倍より小さい時、40以上の好ましい高いQ特性を達成できることが分かる。
すなわち、「c1」に対する「a」の割合(a/c1)は、0.8<(a/c1)<1.2を満たす場合、好ましい高いQ特性を達成することができるが、これに限定されるものではない。
【0055】
同様に、表2を参照すると、「b」が「c2」の0.8倍より大きく「c2」の1.2倍より小さい時、40以上の好ましい高いQ特性を達成できることが分かる。
すなわち、「c2」に対する「b」の割合(b/c2)は、0.8<(b/c2)<1.2を満たす場合、好ましい高いQ特性を達成することができるが、これに限定されるものではない。
したがって、「a」は、「b」の0.8倍より大きく1.2倍より小さく、「c1」及び「c2」の0.8倍より大きく「c1」及び「c2」のそれぞれの1.2倍より小さい。
【0056】
一方、上述したように、「a」、「b」、「c1」、及び「c2」は、コイル(211、212、213、214、215、216、217)のそれぞれの幅を意味するものではなく、全体コイル210のそれぞれの「a」、「b」、「c1」、及び「c2」を測定した後、平均した値を意味するため、それぞれのコイル(211、212、213、214、215、216、217)の中には上述した数値範囲から外れる断面を有するコイルがあり得るが、全体コイル210の「a」、「b」、「c1」、及び「c2」の平均値は、上述した数値範囲を満たす。
【0057】
一方、上述した図6における「c1」及び「c2」は、第1及び第2ラウンド部(R1、R2)の第3方向Tに沿った幅を意味するものとして示したが、コイル210は、第2及び第3方向(L、T)に関係なくコア130と向かい合う側表面がラウンド処理されるため、図6における「c1」及び「c2」が第2方向Lに沿った第1及び第2ラウンド部(R1、R2)の幅を意味すると仮定しても、上述した数値範囲は、同一に適用され得る。
【0058】
一方、コイル210の幅は、コイル部品1000Aをエポキシ浴槽に浸した後、硬化処理を通じて固め、固めた固形物を研磨してコイル部品1000Aの内部断面を露出させた後、DPA(Digital Photogrammetric Analysis)などの通常の電子部品の物性測定に用いられる装置を用いて測定することができる。
又は、コイル部品1000Aを破断して測定してもよく、測定方式は、上記方式に制限されない。
この時、研磨によって露出した断面は、図に示した第1~第3方向(W、L、T)に沿ってそれぞれ切断された断面である。
【0059】
上述した測定方法によって測定されたコイル部品1000Aの幅「a」、「b」、「c1」、及び「c2」は、任意の一つのコイル幅の値ではなく、第2方向Lの中心部に沿ったコイル部品1000Aの切断面に露出した全てのコイル(211、212、213、214、215、216、217)のそれぞれの断面の幅の平均値に関する説明である。
【0060】
〔一実施形態の変形例〕
図7は、図1のコイル部品の変形例を概略的に示す斜視図であり、図8は、図7のコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図7の変形例によるコイル部品1000Bは、図1の一実施形態によるコイル部品1000Aに比べて本体100内部のコイル部200の構造が異なる。
よって、コイル部200の構造以外については、一実施形態によるコイル部品1000Aにおける説明が同一に適用される。
【0061】
変形例によるコイル部品1000Bの本体100は、モールド部510と、モールド部510の一面上に配置されたカバー部520とを含み、モールド部510の一面から突き出して配置されたコア部530をさらに含む。
この時、コイル部200は、モールド部510の一面上に配置され、コア部530がコア130内に配置されることで、コイル210がコア部530を取り囲む形態を有する。
【0062】
本体100は、磁性物質を含む。
すなわち、モールド部510、カバー部520、及びコア部530の内の少なくとも一つは、磁性物質を含む。
例として、モールド部510は、金型内に磁性物質を充填して形成される。
他の例として、モールド部510は、金型内に磁性物質と絶縁樹脂を含む複合物質を充填することで形成することができる。
金型内の磁性物質又は複合物質に高温及び高圧を加える工程をさらに行うことができるが、これに制限されるものではない。
モールド部510とコア部530は、前述した金型により一体で形成され、相互間に境界が形成されていないこともある。
カバー部520は、絶縁樹脂に磁性物質が分散された磁性複合シートをモールド部510及びコイル部200上に配置した後、加熱加圧して形成される。
【0063】
変形例によるコイル部品1000Bの場合、引出端部220は、モールド部510を貫通して外部電極(300、400)と接続される。
本体100内の磁性物質に関する説明は、図1の一実施形態によるコイル部品1000Aにおける磁性物質に関する説明が同一に適用される。
【0064】
図8を参照すると、変形例によるコイル部品1000Bのコイル210の表面は、絶縁膜IFにより覆われ、絶縁膜IFは、本体100の磁性物質とコイル210間を絶縁する機能を行う。
図8を参照すると、コイル210が巻線される方向と垂直なコイル210の断面は、コア130と向かい合う側に配置された複数のラウンド部を有する。
【0065】
図9は、図1のコイル部品の他の変形例を概略的に示す斜視図であり、図10は、図9のコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図9の他の変形例によるコイル部品1000Cも図1の一実施形態によるコイル部品1000Aに比べて本体100の構造が異なる。
よって、本体100の構造以外については、一実施形態によるコイル部品1000Aにおける説明が同一に適用される。
【0066】
他の変形例によるコイル部品1000Cの本体100のコア130は、コイル部200及び支持基板600を貫通する。
すなわち、コイル部200は、支持基板600の向かい合う一面と他面に配置される。
支持基板600は、本体100に埋設される。
具体的には、支持基板600は、本体100の第6面106と垂直に本体100に埋設される。
よって、支持基板600に配置されたコイル部200は、本体100の第6面106と垂直に配置される。
【0067】
支持基板600は、支持部610と第1及び第2末端部(621、622)を含み、引出端部220は、第1及び第2引出端部を含む。
支持部610は、コイル210を支持し、第1及び第2末端部(621、622)は、第1及び第2引出端部(221、222)をそれぞれ支持する。
支持部610と第1及び第2末端部(621、622)は、一体で互いに接続される。
すなわち、支持部610と第1及び第2末端部(621、622)は、相互間に境界が形成されない。
第1及び第2末端部(621、622)は、本体100の第6面106に互いに離隔して露出する。
【0068】
支持基板600は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可撓性絶縁樹脂、又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、かかる絶縁樹脂と、ガラス繊維又は無機フィラーのような補強材を含む絶縁材料で形成され得る。
例として、支持基板200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの材料で形成することができるが、これに制限されるものではない。
【0069】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO)、タルク、泥、雲母粉末、水酸化アルミニウム(AlOH)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO)で構成された群より選択された少なくとも一つ以上が使用され得る。
【0070】
支持基板600が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、支持基板600は、より優れた剛性を提供する。
支持基板600がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、支持基板600は、コイル部200全体の厚さを薄型化して本実施形態によるコイル部品1000Cの幅を減少させることができる。
【0071】
コイル部200は、本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。
例えば、本実施形態のコイル部品1000Cがパワーインダクタとして活用される場合、コイル部200は、出力電圧を維持するための磁場として電場を蓄積するように機能することで電子機器の電源を安定させる役割を行う。
コイル部200は、支持基板600に配置される。
コイル部200のコイル210は、支持部610の互いに向かい合う一面及び他面の内の少なくとも一つに形成され、少なくとも一つのターン(turn)を形成する。
本実施形態の場合、コイル部200は、本体100の幅方向Wに互いに向い合った支持部の両面にそれぞれ配置され、互いに向かい合う複数のコイル(211、212)と、複数のコイル(211、212)のそれぞれの最内側ターンを互いに接続するように支持部610を貫通するビア230を含む。
【0072】
本体100は、磁性物質と樹脂を含む。
その結果、本体100は、磁性を有する。
本体100は、樹脂及び樹脂に分散された磁性物質を含む磁性複合シートを一つ以上積層して形成される。
但し、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された構造外に他の構造を有することもできる。
例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなってもよく、磁性物質に関しては、一実施形態によるコイル部品1000Aにおける説明が同一に適用される。
【0073】
図10を参照すると、変形例によるコイル部品1000Cの第1及び第2コイル(211、212)の表面は、絶縁膜IFによって覆われ、絶縁膜IFは、本体100の磁性物質と第1及び第2コイル(211、212)の間を絶縁する機能を行う。
図10を参照すると、第1及び第2コイル(211、212)が巻線される方向と垂直な第1及び第2コイル(211、212)の断面は、コア130と向かい合う側に配置された複数のラウンド部を有する。
【0074】
図11は、図1のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図であり、図12は、図11のB領域の部分拡大図である。
図11の変形例によるコイル部品1000Bは、本発明の一実施形態によるコイル部品1000Aと比べると、コイル210の断面の形状が異なる。
よって、本実施形態を説明する際には、一実施形態と異なるコイル210の断面についてのみ説明する。
本実施形態の残りの構成は、本発明の一実施形態における説明がそのまま適用される。
【0075】
図12を参照すると、コイル部品1000Bは、コイル210の断面の側部の内のコア130と向かい合う第1側部(210-1)だけでなく、本体100の外面と向かい合う第2側部(210-2)の両端部にもラウンド部が接続されている点が異なる。
【0076】
一実施形態によるコイル部品1000Aの場合、コイル210の巻線方向と垂直なコイル210の断面は、互いに向かい合う第1及び第2側部(210-1、210-2)を具備し、そのうちコア130と向かい合う第1側部(210-1)の両端部のみに第1及び第2ラウンド部(R1、R2)が接続されたが、変形例によるコイル部品1000Bの場合、コア130と向い合わず本体100の外面と向かい合う第2側部(210-2)の両端部にさらに第3及び第4ラウンド部(R3、R4)が接続された構造を有する。
【0077】
第3及び第4ラウンド部(R3、R4)は、それぞれ第1及び第2ラウンド部(R1、R2)と第3方向Tに沿って互いに向かい合うように形成される。
したがって、上述した第1ラウンド部R1の幅である「a」及び「c1」に関する説明は、第3ラウンド部R3に同一に適用され、第2ラウンド部R2の幅である「b」及び「c2」に関する説明は、第4ラウンド部R4に同一に適用される。
【0078】
具体的には、第3ラウンド部R3の第1方向Wに沿った幅「a」は、第2側部(210-2)を第1方向Wに沿って延長した延長線と、第3側部(210-3)を第3方向Tに沿って延長した延長線の交差点である第3交差点C3から第2側部(210-2)までに至る最短距離を意味する。
また、第3ラウンド部R3の第1方向Wに沿った幅「b」は、第2側部(210-2)を第1方向Wに沿って延長した延長線と、第4側部(210-4)を第3方向Tに沿って延長した延長線の交差点である第4交差点C4から第2側部(210-2)までに至る最短距離を意味する。
【0079】
また、第3及び第4ラウンド部(R3、R4)の第1方向Wと垂直な第3方向Tに沿った幅「c1」、「c2」は、それぞれ上述した第3及び第4交差点(C3、C4)から第3及び第4側部(210-3、210-4)に至る最短距離を意味する。
ここで、「c1」及び「c2」は、実質的に同一であり、本発明で実質的に同一であるという意味は、数学的に完壁に同一の場合だけでなく、通常の製造工程上で発生する誤差を含む範囲内にある場合まで含む意味である。
【0080】
変形例によるコイル部品1000Bの場合、コイル210の断面の内の側部の両端部に第3及び第4ラウンド部(R3、R4)がさらに形成されることにより、頂点付近に電流密度が集中する現象をより効果的に防止することができる。
その他の残りの重複する構成に対する説明は、上述した一実施形態によるコイル部品1000Aに関する説明が同一に適用されるため、省略する。
【0081】
〔他の実施形態〕
図13は、本発明の他の実施形態によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図13のコイル部品2000Aは、本発明の一実施形態によるコイル部品1000Aと比べると、コイル210の第1方向Wに沿った幅が異なる。
よって、本実施形態を説明する際には、一実施形態と異なるコイル210の第1方向Wに沿った幅についてのみ説明する。
本実施形態の残りの構成は、本発明の一実施形態における説明がそのまま適用される。
【0082】
図13の場合、複数の有効層110上に配置されたコイル210を示す。
図13図16では、便宜上、本体100及びコイル210のみを示した。
コイル210は、複数の有効層110上に配置され、図13のように5個の層を有する構造で配置される。
この時、コイル210は、第1方向Wに沿って最外側に配置された外部コイル(214、215)及び内部コイル(211、212、213)を含む。
この時、内部コイル(211、212、213)の第1方向Wに沿った幅(W1、W2)は、外部コイル(214、215)の第1方向Wに沿った幅W3より大きい。
すなわち、W1>W3の関係を有し、W2>W3の関係を有する。
本発明においてコイル210の第1方向に沿った幅(W1、W2、W3)は、コイル210のそれぞれの第3及び第4側部(210-3、210-4)の間の最短距離の平均値を意味する。
【0083】
外部コイル(214、215)の場合、内部コイル(211、212、213)に比べて最外側に配置されるため、上述した寄生効果及び表皮効果により外部コイル(214、215)のそれぞれの最外側に電流密度がより集中する現象が発生し、これにより、外部コイル(214、215)と内部コイル(211、212、213)の電流が流れられる有効面積に差異が発生する。
すなわち、内部に配置されたコイルであるほど高周波でRs値が増加し、結果としてQ特性を減少させるおそれがある。
よって、内側に配置されたコイルであるほど幅を増加させて、全体コイル210の電流密度を均一に分布させる必要がある。
【0084】
図13の他の実施形態によるコイル部品2000Aの場合、第1方向Wにおいて、内部コイル(211、212、213)の幅が外部コイル(214、215)より大きい。
結果として、第1及び第3方向(W、T)に沿った内部コイル(211、212、213)の断面積が第1及び第3方向(W、T)に沿った外部コイル(214、215)の断面積より大きく、第1及び第2方向(W、L)に沿った内部コイル(211、212、213)の断面積が第1及び第2方向(W、L)に沿った外部コイル(214、215)の断面積より大きい。
【0085】
したがって、内部コイル(211、212、213)の断面積を外部コイル(214、215)の断面積に比べて増加させることで、外部コイル(214、215)に電流密度がより集中する現象を緩和して、内部コイル(211、212、213)と外部コイル(214、215)のそれぞれに電流が流れられる有効面積の差異を最小化する。
また、第2及び第3方向(L、T)に沿った幅を制御するものではなく、第1方向Wに沿った幅を相対的に制御することを特徴とするため、コア130の体積に及ぶ影響が少なく、コア130の内部磁束及びインダクタンスも充分に確保可能である。
【0086】
また、図13の他の実施形態によるコイル部品2000Aの場合、内部コイル(211、212、213)の幅も異なり得る。
すなわち、内部コイル(211、212、213)の中でも、本体100の第1方向Wに沿った中心部Cから外側に配置されるほど第1方向に沿った幅が小さくなる構造を有することができる。
すなわち、内部コイル(211、212、213)の内の本体100の第1方向Wに沿った中心部Cから外側に配置された内部コイル(212、213)は、幅W2を有することができ、内側に配置された内部コイル211は、幅W1を有することができる。
この時、W1>W2の関係を有する。
【0087】
結果として、図14の他の実施形態によるコイル部品2000Aの場合、W1>W2>W3の関係を維持するように内部及び外部コイル(211、212、213、214、215)の幅が設定される。
一方、コイル210の内の本体100の第1方向Wに沿った中心部Cを基準として向かい合い対応する位置に配置されたコイル同士は、第1方向に沿った幅が互いに同一である。
【0088】
一例として、図14を参照すると、第1方向Wに沿った中心部Cを基準として外部コイル214と向かい合い対応する外部コイル215は、幅がW3と同一である。
また、第1方向Wに沿った中心部Cを基準として内部コイル212と向かい合い対応する内部コイル213は、幅がW2と同一であるが、これに制限されるものではない。
一方、本発明で同一であるという意味は、数値が完壁に同一であることを意味するものではなく、設計上同一の意味を含み、これは工程上の誤差までも含む。
【0089】
下記に示す表3は、本発明の他の実施形態によるコイル部品2000Aの2GHz周波数におけるQ特性を比較したものである。
【表3】
【0090】
表3を参照すると、5層構造のコイル(211、212、213、214、215)を含むコイル部品2000Aでは、W3:W2:W1の割合が1:1.5:1.75である時にQ値が最も高いことが分かる。
一方、最も小さい幅であるW3に比べて、W1、W2の幅が過度に大きい場合も同様にQ特性が低下する。
例えば、W1及びW2のそれぞれは、W3の1.4倍よりは大きく、W3の2倍よりは小さい。
【0091】
図14は、図13のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図14に開示した変形例によるコイル部品2000Bは、図13のコイル部品2000Aに比べて、積層されたコイル210の個数及び第1方向Wに沿った幅が異なる。
よって、本実施形態を説明する際には、一実施形態と異なる積層されたコイル210の個数及び第1方向Wに沿った幅についてのみ説明する。
本実施形態の残りの構成は、本発明の他の実施形態2000Aにおける説明がそのまま適用される。
【0092】
図14を参照すると、コイル210は、最外側に配置された外部コイル(212、213)及び外部コイル(212、213)の内部に配置された内部コイル211を含む。
本実施形態において、W2は、第1方向Wに沿った外部コイル(212、213)の幅を意味し、W1は、第1方向Wに沿った内部コイル211の幅を意味し、W1はW2より大きい。
本発明において、コイル210の第1方向に沿った幅(W1、W2、W3)は、コイル210のそれぞれの第3及び第4側部(210-3、210-4)間の最短距離の平均値を意味する。
【0093】
下記に示す表4は、本発明の変形例によるコイル部品2000Bの2GHz周波数におけるQ特性を比較したものである。
【表4】
【0094】
表4を参照すると、3層構造のコイル211、212、213を含むコイル部品2000Bでは、W2:W1の割合が1:1.41である時にQ値が最も高いことが分かる。
一方、最も小さい幅であるW2に比べてW1の幅が過度に大きい場合も同様にQ特性が低下する。
例えば、W1は、W2の1.4倍よりは大きく、W2の2倍よりは小さい。
【0095】
図15は、図13のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図15に開示した変形例によるコイル部品2000Cは、図13のコイル部品2000Aに比べて、積層されたコイル210の個数及び第1方向Wに沿った幅が異なる。
よって、本実施形態を説明する際には、一実施形態と異なる積層されたコイル210の個数及び第1方向Wに沿った幅についてのみ説明する。
本実施形態の残りの構成は、本発明の他の実施形態2000Aにおける説明がそのまま適用される。
【0096】
図15を参照すると、コイル210は、最外側に配置された外部コイル(213、214)及び外部コイル(213、214)の内部に配置された内部コイル(211、212)を含む。
本実施形態において、W2は、第1方向Wに沿った外部コイル(213、214)の幅を意味し、W1は、第1方向Wに沿った内部コイル(211、212)の幅を意味し、W1は、W2より大きい。
本発明において、コイル210の第1方向に沿った幅(W1、W2、W3)は、コイル210のそれぞれの第3及び第4側部(210-3、210-4)間の最短距離の平均値を意味する。
【0097】
下記に示す表5は、本発明の変形例によるコイル部品2000Cの2GHz周波数におけるQ特性を比較したものである。
【表5】
【0098】
表5を参照すると、4層構造のコイル(211、212、213、214)を含むコイル部品2000Cでは、W2:W1の割合が1:1.5である時にQ値が最も高いことが分かる。
一方、最も小さい幅であるW2に比べてW1の幅が過度に大きい場合も同様にQ特性が低下する。
例えば、W1は、W2の1.4倍よりは大きく、W2の2倍よりは小さい。
【0099】
図16は、図13のコイル部品の変形例によるコイル部品をI-I’線に沿って切断した断面図である。
図16に開示した変形例によるコイル部品2000Dは、図13のコイル部品2000Aに比べて、積層されたコイル210の個数及び第1方向Wに沿った幅が異なる。
よって、本実施形態を説明する際には、一実施形態と異なる積層されたコイル210の個数及び第1方向Wに沿った幅についてのみ説明する。
本実施形態の残りの構成は、本発明の他の実施形態2000Aにおける説明がそのまま適用される。
【0100】
図16を参照すると、コイル210は、最外側に配置された外部コイル(216、217)、及び外部コイル(216、217)の内部に配置された内部コイル(211、212、213、214、215)を含む。
本実施形態において、W4は、第1方向Wに沿った外部コイル(216、217)の幅を意味し、W3は、第1方向Wに沿った内部コイル(214、215)の幅を意味し、W2は、第1方向Wに沿った内部コイル(212、213)の幅を意味し、W1は、第1方向Wに沿った内部コイル211の幅を意味し、W1はW2より大きく、W2はW3より大きく、W3はW4より大きい。
本発明におけるコイル210の第1方向に沿った幅(W1、W2、W3)は、コイル210のそれぞれの第3及び第4側部(210-3、210-4)の間の最短距離の平均値を意味する。
【0101】
下記に示す表6は、本発明の変形例によるコイル部品2000Dの2GHz周波数におけるQ特性を比較したものである。
【表6】
【0102】
表6を参照すると、7層構造のコイル(211、212、213、214、215、216、217)を含むコイル部品2000Dでは、W4:W3:W2:W1の割合が1:1.5:1.53:1.85である時にQ値が最も高いことが分かる。
一方、最も小さい幅であるW4に比べて、W1、W2、W3のそれぞれが過度に大きい場合も同様にQ特性が低下する。
例えば、W1、W2、W3のそれぞれは、W4の1.4倍よりは大きく、W4の2倍よりは小さい。
【0103】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0104】
100 本体
110 有効層
120 カバー層
130 コア
200 コイル部
210、211~217 コイル
211、212、213 内部コイル
214、215 外部コイル
210-1、210-2、210-3、210-4 (第1~第4)側部
220 引出端部
230 ビア
300、400 外部電極
1000(A~D)、2000(A~D) コイル部品
R1、R2 (第1、第2)ラウンド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16