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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049777
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】除塵装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20230403BHJP
   F24F 13/24 20060101ALI20230403BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230403BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
F24F9/00 E
F24F9/00 G
F24F13/24 242
F24F8/108 120
F24F13/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159726
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(71)【出願人】
【識別番号】598038603
【氏名又は名称】藤田商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】久保田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 将平
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】小谷 朋央貴
(72)【発明者】
【氏名】谷口 明
(72)【発明者】
【氏名】森田 良二
(72)【発明者】
【氏名】臼田 邦彦
【テーマコード(参考)】
3L081
【Fターム(参考)】
3L081AA02
3L081AA08
3L081AB03
(57)【要約】
【課題】騒音の低減を図ることが可能な除塵装置を提供する。
【解決手段】筐体10に設けられた吸気口13、前記筐体10に設けられた吐出口14、及び、前記吸気口13を介して吸い込んだ外気を前記吐出口14から吐出する送風機30を有する側面ユニット2を具備する除塵装置であって、前記側面ユニット2の騒音を低減する防音構造を具備した。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に設けられた吸気口、前記筐体に設けられた吐出口、及び、前記吸気口を介して吸い込んだ外気を前記吐出口から吐出する送風機を有する除塵ユニットを具備する除塵装置であって、
前記除塵ユニットの騒音を低減する防音構造を具備する除塵装置。
【請求項2】
前記防音構造は、
前記筐体の内部空間を前記吸気口側の第一空間と前記吐出口側の第二空間とに区画する区画部と、
前記第一空間から前記第二空間へと空気を圧送する前記送風機が配置される前記区画部の一側方とは異なる他側方に形成された前記吸気口又は前記吐出口と、
を含んで構成される、
請求項1に記載の除塵装置。
【請求項3】
前記防音構造は、
前記区画部を挟んで前記送風機と相反する側に形成された前記吸気口又は前記吐出口を含んで構成される、
請求項2に記載の除塵装置。
【請求項4】
前記防音構造は、
前記区画部の他側方に形成された前記吸気口又は前記吐出口から前記送風機に亘って流通する空気が前記区画部を迂回するように案内する案内部を含んで構成される、
請求項2又は請求項3に記載の除塵装置。
【請求項5】
前記防音構造は、
前記筐体に設けられる吸音材を含んで構成される、
請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の除塵装置。
【請求項6】
前記防音構造は、
前記除塵ユニットの前記吸気口に接続され、外気を前記吸気口へと案内するラビリンス構造を有する案内部材を含んで構成される、
請求項1に記載の除塵装置。
【請求項7】
前記案内部材は、
前記除塵装置の床部を構成する、
請求項6に記載の除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吐出した空気によって除塵を行う除塵装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の除塵装置(エアシャワー装置)は、周囲を囲まれた密閉形状のエアシャワー室と、エアシャワー室の側壁面に設けられ、エアシャワー室内に向けて空気を吹き出すエア吹出し部と、を具備している。エアシャワー室に入室した利用者に対して、エア吹出し部からの空気を吹き付けることで、利用者に付着した粉塵を除去(除塵)することができる。
【0004】
ここで、特許文献1に記載の除塵装置は各種の工場(半導体製造工場、食品工場等)での利用が想定されているが、例えば除塵装置をホテルなどの宿泊施設やショッピングモールなどの商業施設でも利用することが考えられる。
【0005】
しかしながら、ホテル等では工場に比べて静謐性(静音性)が求められるため、除塵装置から発生される騒音の低減を図ることが可能な技術が求められている。特にホテル等に除塵装置を配置する場合は、人の往来を阻害しないように特許文献1に記載のような密閉空間(エアシャワー室)が設けられないことも考えられるため、騒音低減のための技術がより一層重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-203582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、騒音の低減を図ることが可能な除塵装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、筐体に設けられた吸気口、前記筐体に設けられた吐出口、及び、前記吸気口を介して吸い込んだ外気を前記吐出口から吐出する送風機を有する除塵ユニットを具備する除塵装置であって、前記除塵ユニットの騒音を低減する防音構造を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記防音構造は、前記筐体の内部空間を前記吸気口側の第一空間と前記吐出口側の第二空間とに区画する区画部と、前記第一空間から前記第二空間へと空気を圧送する前記送風機が配置される前記区画部の一側方とは異なる他側方に形成された前記吸気口又は前記吐出口と、を含んで構成されるものである。
【0011】
請求項3においては、前記防音構造は、前記区画部を挟んで前記送風機と相反する側に形成された前記吸気口又は前記吐出口を含んで構成されるものである。
【0012】
請求項4においては、前記防音構造は、前記区画部の他側方に形成された前記吸気口又は前記吐出口から前記送風機に亘って流通する空気が前記区画部を迂回するように案内する案内部を含んで構成されるものである。
【0013】
請求項5においては、前記防音構造は、前記筐体に設けられる吸音材を含んで構成されるものである。
【0014】
請求項6においては、前記防音構造は、前記除塵ユニットの前記吸気口に接続され、外気を前記吸気口へと案内するラビリンス構造を有する案内部材を含んで構成されるものである。
【0015】
請求項7においては、前記案内部材は、前記除塵装置の床部を構成するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、騒音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一実施形態に係る除塵装置の全体的な構成を示した模式図。
図2】第一実施形態に係る側面ユニットの正面模式図。
図3】(a)側面ユニットの内部を示した正面断面模式図。(b)同じく、側面断面模式図。
図4】(a)第一変形例に係る側面ユニットの正面断面模式図。(b)第二変形例に係る側面ユニットの正面断面模式図。(c)第三変形例に係る側面ユニットの正面断面模式図。
図5】(a)第四変形例に係る側面ユニットの正面断面模式図。(b)第五変形例に係る側面ユニットの正面断面模式図。(c)第六変形例に係る側面ユニットの正面断面模式図。
図6】第二実施形態に係る除塵装置の全体的な構成を示した模式図。
図7】(a)第二実施形態に係る側面ユニットの正面断面模式図。(b)床部の平面一部断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の第一実施形態に係る除塵装置1について説明する。
【0019】
図1に示す除塵装置1は、対象となる人や物(便宜上、以下では「対象者」と称する)に付着した粉塵を除去するものである。ここで、粉塵とは、花粉等の空気中に浮遊する粒子を指す。粉塵には、花粉の他に砂塵や微小なホコリ、PM2.5(粒径2.5μm以下の粒子状物質)等の粒子が含まれる。
【0020】
除塵装置1は、一対の側面ユニット2と、一対の側面ユニット2の上端に亘って設けられた天面部3と、を具備する。除塵装置1は、内側(一対の側面ユニット2の内側、かつ、天面部3の下方)を通過可能な門型に形成されている。側面ユニット2は、内側に向かって空気を吐出することができる。
【0021】
本実施形態に係る除塵装置1は、一例として、ホテルなどの宿泊施設やショッピングモールなどの商業施設のエントランスに配置することを想定している。除塵装置1は、当該除塵装置1を通過するホテル等の利用客に対して空気を吹き付けることで、当該利用客に付着した粉塵を除去することができる。これによって、ホテル等の建物内に粉塵が侵入するのを防止することができる。
【0022】
以下では、除塵装置1のうち、空気を吐出する機構を具備する側面ユニット2の構成について具体的に説明する。なお、除塵装置1に設けられた一対の側面ユニット2の構成は概ね対称であるため、以下では一方の側面ユニット2について説明する。また以下では、図中の矢印に基づいて、前後方向、左右方向及び上下方向を定義して説明を行う。本実施例では、側面ユニット2のうち後述する吐出口14が設けられている面が向く方向を前方としている。
【0023】
図2及び図3に示すように、側面ユニット2は、主として筐体10、フィルタ20、送風機30及び吸音材40を具備する。なお、図示の便宜上、吸音材40は図3(b)にのみ図示している。
【0024】
筐体10は、側面ユニット2の外郭を成す部材である。筐体10は、側面ユニット2を構成する他の部材を収容可能な中空の箱状に形成される。筐体10は、前側面10F、背面10B、左側面10L、右側面10R、上面10U及び底面10Dを有する直方体状に形成される。筐体10は、主として区画部11、ガイド部12、吸気口13及び吐出口14を具備する。
【0025】
区画部11は、筐体10の内部空間を区画する部材である。区画部11は、正面視において矩形枠状に形成され、筐体10内に設けられる。これによって区画部11は、筐体10の内部空間を、区画部11の外側の空間(以下、「第一空間S1」と称する)と内側の空間(以下、「第二空間S2」と称する)に区画する。区画部11は、正面視において筐体10の概ね中央に配置される。区画部11は、筐体10の左側面10L、右側面10R、上面10U及び底面10Dと、それぞれ離間するように配置される。
【0026】
図3(b)に示すガイド部12は、後述するフィルタ20を通過した空気を吐出口14へと案内する部材である。ガイド部12は、区画部11の内側(第二空間S2)に配置される。ガイド部12は、後述するフィルタ20と筐体10の前側面10Fとを接続するように配置される。なお、便宜上、図3(b)以外の図ではガイド部12の図示を省略している。
【0027】
図2及び図3に示す吸気口13は、筐体10の外部の空気(外気)を筐体10内へと導入するための開口部である。吸気口13は、筐体10の前側面10Fを前後に貫通するように形成される。吸気口13は、区画部11の一側方(具体的には、区画部11よりも上方)に形成される。吸気口13は、前側面10Fの左上部及び右上部にそれぞれ(合計2つ)形成される。
【0028】
吐出口14は、筐体10の内部の空気を、筐体10の前方へと吐出するための開口部である。吐出口14は、筐体10の前側面10Fを前後に貫通するように形成される。吐出口14は、正面視において区画部11の内側に位置するように形成される。吐出口14は、互いに適宜の間隔を空けて複数(本実施形態では、6つ)形成される。
【0029】
フィルタ20は、流通する空気中の塵挨等を除去して空気を清浄化するものである。フィルタ20は、区画部11の内側(第二空間S2)に配置される。フィルタ20としては、各種のエアフィルタ(例えば、HEPAフィルタ、中性能エアフィルタ等)を用いることが可能である。フィルタ20は、ガイド部12の後端部に設けられる。このように配置することで、フィルタ20を通過して清浄化された空気が、ガイド部12に案内されて吐出口14から前方へと吐出される。
【0030】
送風機30は、空気にエネルギーを与えて気流を発生させる装置である。送風機30としては、各種の方式(遠心送風機、軸流送風機等)の装置を用いることができる。送風機30は、筐体10内の下部に設けられる。送風機30は、区画部11に対して、吸気口13が形成された側とは異なる側に配置される。具体的には、吸気口13が区画部11の上方に形成されているのに対して、送風機30は区画部11の下方に配置される。このように本実施形態では、送風機30は、区画部11を挟んで吸気口13と相反する側に配置される。送風機30の吐出口は、区画部11の下部に接続され、区画部11の内側(第二空間S2)と連通される。送風機30は、第一空間S1内の空気を吸引し、第二空間S2へと圧送することができる。
【0031】
図3(b)に示す吸音材40は、除塵装置1(側面ユニット2)で発生する音を減衰させる部材である。吸音材40としては、種々の素材(例えば、グラスウール、ウレタンスポンジ等)を用いることができる。本実施形態では、一例として密度が32K、厚みが25mm以上(好ましくは、50mm以上)のグラスウールを用いることを想定している。吸音材40としては、当該グラスウールと同等(例えば、中心周波数500Hzにおける吸音率が0.8程度)、若しくは、それ以上の吸音効果を有する素材を用いることが望ましい。吸音材40は、筐体10の内側(第一空間S1及び第二空間S2)において、適宜設けられる。本実施形態では、図3(b)に示すように、筐体10の前側面10F、底面10D、背面10B(区画部11より下方)、区画部11の底面に設けられる。なお、吸音材40の配置はこれに限定されるものではなく、筐体10の内側に任意に配置することが可能である。
【0032】
本実施形態に係る除塵装置1では、以上のように構成された側面ユニット2が左右一対設けられている。以下では、上述の如く構成された側面ユニット2によって空気が吐出される様子について説明する。
【0033】
送風機30が作動すると、図3(a)に示すように、吸気口13から筐体10内へと外気が吸引される。吸気口13から筐体10内へと吸引された空気は、区画部11と筐体10の側面(左側面10L及び右側面10R)との間に形成された隙間(流路)を下方に向かって流通する。区画部11の下方へと到達した空気は、流通方向を左右内側へと変更し、送風機30に向かって流通する。当該空気は、送風機30によって第一空間S1から第二空間S2(区画部11の内側)へと圧送される。
【0034】
第二空間S2に圧送された空気は、フィルタ20を流通し、吐出口14から前方へと吐出される。吐出口14から吐出された空気を対象者に吹き付けることで、対象者に付着した粉塵を除去することができる。特に本実施形態では、一対の側面ユニット2が左右対称に構成されているため、左右対称に配置された吐出口14から吐出される空気によって、対象者に付着した粉塵を効果的に除去することができる。
【0035】
ここで、本実施形態では、吸気口13を区画部11よりも上方に配置すると共に、送風機30を区画部11よりも下方に配置している。すなわち、区画部11を挟んで吸気口13と送風機30を相反する位置に配置することで、吸気口13と送風機30との間の距離(空気の流路)が長くなるように構成している。本実施形態では、当該空気の流路が2m以上となるように構成している。このように空気の流路を長く確保することで、当該流路を介して吸気口13から外部へと漏れる騒音(例えば、送風機30の作動音等)を減衰させ、除塵装置1の騒音の低減を図っている。特に本実施形態では、筐体10内に吸音材40を設けることで、騒音を効果的に低減させることができる。
【0036】
また本実施形態では、図3(a)に示すように、吸気口13から送風機30までの空気の流路を屈曲させることで、空気の振動が筐体10の内壁面(吸音材40)に接触する機会を増やし、騒音を効果的に低減させている。
【0037】
また本実施形態では、フィルタ20を配置することで、吐出口14から吐出される空気の振動をフィルタ20によって減衰させることができる。これによって、吐出口14から外部へと漏れる騒音を低減させることができる。
【0038】
このように本実施形態では、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音を低減させるための防音構造が、区画部11、吸気口13、送風機30、吸音材40等を含んで構成されている。このような防音構造によって、防音のための個室を設けることなく騒音を低減することができるため、ホテルやショッピングモールなど、除塵のための密閉空間(エアシャワー室)を設けにくい施設にも適用し易い除塵装置1を提供することができる。
【0039】
以上の如く、本実施形態に係る除塵装置1は、
筐体10に設けられた吸気口13、前記筐体10に設けられた吐出口14、及び、前記吸気口13を介して吸い込んだ外気を前記吐出口14から吐出する送風機30を有する側面ユニット2(除塵ユニット)を具備する除塵装置1であって、
前記側面ユニット2の騒音を低減する防音構造を具備するものである。
このように構成することにより、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音の低減を図ることができる。
【0040】
また、前記防音構造は、
前記筐体10の内部空間を前記吸気口13側の第一空間S1と前記吐出口14側の第二空間S2とに区画する区画部11と、
前記第一空間S1から前記第二空間S2へと空気を圧送する前記送風機30が配置される前記区画部11の前記一側方とは異なる他側方(上方)に形成された前記吸気口13と、
を含んで構成されるものである。
このように構成することにより、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音の低減を図ることができる。すなわち、吸気口13と送風機30との間の距離を確保することで、吸気口13から外部へと漏れる送風機30の騒音の低減を図ることができる。
【0041】
また、前記防音構造は、
前記区画部11を挟んで前記送風機30と相反する側に形成された前記吸気口13を含んで構成されるものである。
このように構成することにより、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音の低減を効果的に図ることができる。すなわち、吸気口13と送風機30との間の距離が確保し易くなり、吸気口13から外部へと漏れる送風機30の騒音の低減を効果的に図ることができる。
【0042】
また、前記防音構造は、
前記筐体10に設けられる吸音材40を含んで構成されるものである。
このように構成することにより、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音の低減を効果的に図ることができる。すなわち、吸音材40によって騒音を減衰させることで、騒音の低減を効果的に図ることができる。
【0043】
以上、第一実施形態に係る除塵装置1(側面ユニット2)について説明したが、本発明は上述の形態に限るものではない。以下では、第一実施形態の変形例(第一変形例~第六変形例)について説明する。
【0044】
図4(a)に示す第一変形例に係る側面ユニット2のように、吸気口13を区画部11の左右側方(図3の例よりも低い位置)、すなわち、区画部11と同等の高さ位置にそれぞれ形成することも可能である。このように構成した場合でも、空気の流路の長さを確保することができ、騒音の低減を図ることができる。
【0045】
また、図4(b)に示す第二変形例に係る側面ユニット2のように、吸気口13を区画部11の上方に1つ形成することも可能である。このように構成した場合でも、空気の流路の長さを確保することができ、騒音の低減を図ることができる。また、区画部11の上部の角部において、吸気口13から区画部11を迂回するように空気の流路を屈曲させることができるため、騒音の低減を効果的に図ることができる。
【0046】
また、図4(c)に示す第三変形例に係る側面ユニット2のように、吸気口13を筐体10の上面10Uに形成することも可能である。このように構成した場合でも、空気の流路の長さを確保することができ、騒音の低減を図ることができる。
【0047】
また、図5(a)に示す第四変形例に係る側面ユニット2のように、吸気口13を筐体10の側面(図例では、左側面10L)の上部に形成することも可能である。第四変形例では、吸気口13を区画部11よりも上方に形成した例を示している。このように構成した場合でも、空気の流路の長さを確保することができ、騒音の低減を図ることができる。なお、図例では筐体10の一方の側面にのみ吸気口13を形成した例を示しているが、例えば筐体10の両側面(左側面10L及び右側面10R)に吸気口13を形成することも可能である。
【0048】
また、図5(b)に示す第五変形例に係る側面ユニット2のように、吸気口13から送風機30への空気の流路を形成する案内部50を設けることも可能である。案内部50は、左側面10Lに形成された吸気口13から筐体10内へと吸引された空気が、左右反対側に位置する右側面10Rと区画部11との間を流通して送風機30へと流通するように、空気を案内している。このように、吸気口13から吸引された空気が区画部11を迂回して送風機30へと流通するように案内することで、空気の流路を長く確保し、騒音の減衰を図ることができる。
【0049】
このように、第五変形例に係る防音構造は、
前記区画部11の他側方に形成された前記吸気口13から前記送風機30に亘って流通する空気が前記区画部11を迂回するように案内する案内部50を含んで構成されるものである。
このように構成することにより、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音の低減を図ることができる。
【0050】
また、図5(c)に示す第六変形例に係る側面ユニット2のように、送風機30を区画部11の上方に配置すると共に、吸気口13を区画部11の下方に形成することも可能である。
【0051】
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0052】
例えば、送風機30と吸気口13の位置関係は上記の例に限定されるものではない。すなわち、送風機30と吸気口13との距離をある程度確保できる配置であれば、任意に変更することが可能である。
[0053]
例えば本実施形態では、吸気口13と送風機30を、それぞれ区画部11に対して異なる側方(図3の例では、下方と上方)に配置することで、吸気口13と送風機30の距離を確保している。このような区画部11に対する吸気口13及び送風機30の配置は任意に変更することが可能であり、例えば、送風機30を区画部11の左方に配置し、吸気口13を区画部11の右方に配置することも可能である。また、区画部11が筐体10の内部空間を前後に区画するものである場合には、区画部11の前後にも吸気口13や送風機30を配置することが可能である。
【0053】
また、本実施形態では、吸気口13から送風機30までの距離を確保するような防音構造を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、吐出口14から送風機30までの距離を確保するような防音構造とすることも可能である。この場合の具体的な構成としては、上述の吸気口13の場合と同様の構成を採用することができる。
【0054】
また、吸音材40を設ける位置や取り付ける部材は上記の例に限定されるものではなく、任意の位置に設けることが可能である。
【0055】
また、筐体10、区画部11、ガイド部12等の形状は上記の例に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。例えば、区画部11を正面視円形や、矩形以外の多角形状に形成することも可能である。また、区画部11の左側面を筐体10の左側面10Lに当接させることで、図5(b)に示した第五変形例のような空気の流路を形成することも可能である。
【0056】
また、吸気口13及び吐出口14の形状、個数、配置等は任意に変更することが可能である。
【0057】
また、本実施形態では、防音構造によって吸気口13と送風機30との距離を確保するものとしたが、例えば吐出口14と送風機30との距離を確保することも可能である。
【0058】
以下では、本発明の第二実施形態に係る除塵装置1について説明する。
【0059】
図6及び図7に示す第二実施形態に係る除塵装置1が、第一実施形態に係る除塵装置1(図1等参照)と異なる点は、一対の側面ユニット2及び天面部3に加えて、床部4を具備している点である。よって以下では、主に床部4の構成、及びそれに関連する構成について説明する。
【0060】
床部4は、除塵装置1の床面を形成する部材である。床部4は、除塵装置1を通過する人が歩行し易いような、中央部が膨出したスロープ状に形成される。床部4は、左右一対の側面ユニット2の間に亘って設けられ、一対の側面ユニット2の下部とそれぞれ連結される。これによって除塵装置1全体の重心を下げることができるため、除塵装置1が地震等の揺れによって転倒し難くなる。
【0061】
また第二実施形態では、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音を低減させるための防音構造が床部4を含んで構成されている。以下、床部4に関する構成について具体的に説明する。
【0062】
図7に示すように、第二実施形態に係る側面ユニット2においては、吸気口13が筐体10(前側面10F)の下部に形成されている。吸気口13は、床部4と対向する程度に低い位置に形成されている。また、床部4の内部には、側面ユニット2の吸気口13へと外気を案内するラビリンス構造60が形成されている。
【0063】
ラビリンス構造60は、屈曲した空気の流路を形成する構造である。ラビリンス構造60は、主として開口部61、直線部62及び蛇行部63を具備する。開口部61は、床部4の側面において開放するように形成される。直線部62は、開口部61から床部4の前後中央に向かって直線状に延びるように形成される。蛇行部63は、直線部62の端部(床部4の中央側の端部)から、床部4の前後外側へと折り返すように形成され、左右に蛇行するように形成される。蛇行部63の端部(床部4の外側の端部)は、側面ユニット2の吸気口13と連通される。
【0064】
このようにしてラビリンス構造60は、複数個所において屈曲するように形成されている。本実施形態では、左右一対の側面ユニット2に対応するように、左右一対のラビリンス構造60が形成されている。また図示は省略しているが、ラビリンス構造60の壁面には、吸音材(例えば、第一実施形態で例示した吸音材40と同様の吸音材)が適宜設けられる。なお、図示したラビリンス構造60は一例であり、ラビリンス構造60の形状、屈曲回数等は任意に変更することが可能である。
【0065】
以上の如く、第二実施形態に係る前記防音構造は、
前記側面ユニット2の前記吸気口13に接続され、外気を前記吸気口へと案内するラビリンス構造60を有する床部4(案内部材)を含んで構成されるものである。
このように構成することにより、側面ユニット2(除塵装置1)の騒音の低減を図ることができる。すなわち、ラビリンス構造60の開口部4bと送風機30との間の距離を確保することで、開口部4bから外部へと漏れる送風機30の騒音の低減を図ることができる。
【0066】
また、前記案内部材は、
前記除塵装置1の床部4を構成するものである。
このように構成することにより、除塵装置1の床部4を利用して騒音の低減を図ることができる。これによって、例えば側面ユニット2内のスペースを防音構造以外の用途に有効活用することができる。
【0067】
以上、本発明の第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0068】
例えば第二実施形態では、ラビリンス構造60を有する案内部材として床部4を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、床部以外の部材を案内部材とすることも可能である。例えば、除塵装置1が有する天面部3を案内部材とする(天面部3にラビリンス構造を形成する)ことも可能である。また、天面部3や床部4以外に別途案内部材を設けることも可能である。
【0069】
また、上記第一実施形態と第二実施形態を組み合わせることも可能である。これによってより効果的に騒音の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 除塵装置
10 筐体
11 区画部
12 ガイド部
13 吸気口
14 吐出口
20 フィルタ
30 送風機
40 吸音材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7