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特開2023-49910Web会議の議事録作成支援システム及び議事録作成支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049910
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】Web会議の議事録作成支援システム及び議事録作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20230403BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20230403BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20230403BHJP
【FI】
H04N7/15 150
G06F3/16 610
G06F3/16 620
G10L15/00 200U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021159928
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】519371459
【氏名又は名称】株式会社BIラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100088742
【弁理士】
【氏名又は名称】竹山 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】横治 一樹
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164PA44
5C164SC11S
5C164UB88S
5C164VA09P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】本発明は、Web会議の議事録作成支援システム及び議事録作成支援プログラムに関し、Web会議と独立して本システムが作動し、Web会議の議事録の作成を支援できる。
【解決手段】サーバ100、200には、仮想ルーム提供部120と、タイマ部130と、参加者A~Cがセッションルーム50に入室したときに、タイマ部130と当該参加者A~Cが使用する通信端末30~32との時間を同期させる同期部140と、セッションルーム50に入室した参加者A~Cが使用する通信端末30~32から発信された音声(音声データ)を受信したときに、当該音声をテキストデータに変換するテキスト変換部210と、テキストデータを発信元の通信端末30~32にリアルタイムで送信するデータ送信部220と、を備え、発信元の通信端末30~32の表示部33には、データ送信部220から送信されたテキストデータを受信順に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信網に接続されたサーバを有し、
前記サーバには、同一のWeb会議に参加する複数人の参加者が個々に使用する通信端末が複数台接続され、前記通信端末を通じて参加者の音声が前記サーバにリアルタイムで送信され、
前記サーバにおいては、参加者の音声をテキスト化し、テキスト化したテキストデータからWeb会議の議事録を作成するWeb会議の議事録作成支援システムであって、
前記サーバには、
参加者に仮想の場としてのセッションルームを提供する仮想ルーム提供部と、
前記セッションルームでのセッション時間を計測するタイマ部と、
参加者が前記セッションルームに入室したときに、前記タイマ部と当該参加者が使用する通信端末との時間を同期させる同期部と、
前記セッションルームに入室した参加者が使用する通信端末から発信された音声を受信したときに、当該音声をテキストデータに変換するテキスト変換部と、
前記テキスト変換部により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声の発信元の通信端末にリアルタイムで送信するデータ送信部と、を備え、
発信元の通信端末の表示部に、前記データ送信部から送信されたテキストデータを受信順に表示させることを特徴とするWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項2】
前記タイマ部は、
前記セッションルームに最初の参加者が通信端末を介して入室したときに、基本時間の計測を開始させるとともに、当該参加者に固有の個別時間の計測を開始させ、
前記最初の参加者以外の参加者が通信端末を介して入室する度に、各参加者に固有の個別時間の計測を開始させ、
前記サーバには、
前記個別時間に基づきテキストデータから前記議事録を生成する議事録生成部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項3】
前記サーバには、
前記議事録生成部を少なくとも備える議事録サーバと、
前記議事録サーバと独立し、前記テキスト変換部及び前記データ送信部を少なくとも備える音声認識サーバとを含むことを特徴とする請求項2に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項4】
前記データ送信部は、
未確定な状態のテキストデータを、発信元の通信端末に送信し、
前記サーバには、
発信元の通信端末において、当該通信端末を使用する参加者によって、未確定のテキストデータが確定され、確定されたテキストデータが前記サーバに送信された場合に、確定後のテキストデータを送信元の参加者に対応付けて記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項5】
前記記憶部は、
確定後のテキストデータを、送信元の参加者に固有の個別時間に対応付けて記憶することを特徴とする請求項4に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項6】
前記議事録生成部は、
前記記憶部に記憶された参加者の全員に対応する確定後のテキストデータを読み出し、参加者の全員に対応する各個別時間に基づきテキストデータを統合し、参加者の全員の第2の議事録を作成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項7】
前記議事録生成部は、
前記議事録の編集権限を有する参加者から、前記複数人の参加者のうち、1名の特定の参加者が選択された場合に、Web会議の終了後、前記記憶部から前記特定の参加者に対応するテキストデータを読み出し、前記特定の参加者に対応する前記個別時間に基づきテキストデータを統合し、前記特定の参加者の1名の第3の議事録を作成することを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項8】
前記参加者は、3名以上であり、
前記議事録生成部は、
前記編集権限を有する参加者から、3名以上の参加者のうち、参加者の全員を含まず、2名以上の特別の参加者が選択された場合に、前記記憶部から前記特別の参加者のテキストデータを読み出し、前記特別の参加者に対応する前記個別時間に基づきテキストデータを統合し、2名以上の前記特別の参加者の組み合わせからなる第4の議事録を作成することを特徴とする請求項7に記載のWeb会議の議事録作成支援システム。
【請求項9】
情報通信網に接続されたサーバを有し、
前記サーバには、同一のWeb会議に参加する複数人の参加者が個々に使用する通信端末が複数台接続され、前記通信端末を通じて参加者の音声が前記サーバにリアルタイムで送信され、
前記サーバにおいては、参加者の音声をテキスト化し、テキスト化したテキストデータからWeb会議の議事録を作成するWeb会議の議事録作成支援システムに用いられ、
参加者に仮想の場としてのセッションルームを提供する仮想ルーム提供部と、
前記セッションルームでのセッション時間を計測するタイマ部と、
参加者が前記セッションルームに入室したときに、前記タイマ部と当該参加者が使用する通信端末との時間を同期させる同期部と、
前記セッションルームに入室した参加者が使用する通信端末から発信された音声を受信したときに、当該音声をテキストデータに変換するテキスト変換部と、
前記テキスト変換部により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声の発信元の通信端末にリアルタイムで送信するデータ送信部としてコンピュータを機能させるためのWeb会議の議事録作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Web会議の議事録作成支援システム及び議事録作成支援プログラムに関し、Web会議と独立して本システムが作動し、Web会議の議事録の作成を支援するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末から取得される音声を、端末毎に録音するとともに、録音された音声を文字情報に変換するテキスト化部と、各通信端末から得られた文字情報を、時系列に従って統合し、議事録データを生成する議事録データ生成部とを備えた電話会議システムが知られている(特許文献1の[請求項3]及び図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5614798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の電話会議システムは、電話会議の終了後に議事録データを生成する。
しかし、電話会議の進行中にも、文字データがあると、会議の進行がスムーズになり、会議の質の向上につながる。特に、自分の発言内容を文字データで確認できると、次の発言内容の質の向上にもつながり、又、発言が不十分なところを、後の発言で補うこともできる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、Web会議の進行中に、各人の発言内容をテキスト化してサーバ側から各通信端末に送信することで、各通信端末において自分の発言内容をテキストデータで確認することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムは、第一に、情報通信網に接続されたサーバを有し、前記サーバには、同一のWeb会議に参加する複数人の参加者が個々に使用する通信端末が複数台接続され、前記通信端末を通じて参加者の音声が前記サーバにリアルタイムで送信され、前記サーバにおいては、参加者の音声をテキスト化し、テキスト化したテキストデータからWeb会議の議事録を作成するWeb会議の議事録作成支援システムである。
【0006】
第二に、前記サーバには、参加者に仮想の場としてのセッションルームを提供する仮想ルーム提供部と、前記セッションルームでのセッション時間を計測するタイマ部と、参加者が前記セッションルームに入室したときに、前記タイマ部と当該参加者が使用する通信端末との時間を同期させる同期部と、前記セッションルームに入室した参加者が使用する通信端末から発信された音声を受信したときに、当該音声をテキストデータに変換するテキスト変換部と、前記テキスト変換部により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声の発信元の通信端末にリアルタイムで送信するデータ送信部と、を備える。
第三に、発信元の通信端末の表示部に、前記データ送信部から送信されたテキストデータを受信順に表示させる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る議事録作成支援システムは、第一に、前記セッションルームに最初の参加者が通信端末を介して入室したときに、基本時間の計測を開始させるとともに、当該参加者に固有の個別時間の計測をそれぞれ開始させる。
第二に、前記最初の参加者以外の参加者が通信端末を介して入室する度に、各参加者に固有の個別時間の計測をそれぞれ開始させる。
第三に、前記サーバには、前記個別時間に基づきテキストデータから前記議事録を生成する議事録生成部を備えている。
【0008】
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムは、前記サーバに、前記議事録生成部を少なくとも備える議事録サーバと、前記議事録サーバと独立し、前記テキスト変換部及び前記データ送信部を少なくとも備える音声認識サーバとを含む。
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムの前記データ送信部は、第一に、未確定な状態のテキストデータを、発信元の通信端末に送信する。
第二に、前記サーバには、発信元の通信端末において、当該通信端末を使用する参加者によって、未確定のテキストデータが確定され、確定されたテキストデータが前記サーバに送信された場合に、確定後のテキストデータを送信元の参加者に対応付けて記憶する記憶部を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムの前記記憶部は、確定後のテキストデータを、送信元の参加者に固有の個別時間に対応付けて記憶する。
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムの前記議事録生成部は、前記記憶部に記憶された参加者の全員に対応する確定後のテキストデータを読み出し、参加者の全員に対応する各個別時間に基づきテキストデータを統合し、参加者の全員の第2の議事録を作成する。
【0010】
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムの前記議事録生成部は、前記議事録の編集権限を有する参加者から、前記複数人の参加者のうち、1名の特定の参加者が選択された場合に、Web会議の終了後、前記記憶部から前記特定の参加者に対応するテキストデータを読み出し、前記特定の参加者に対応する前記個別時間に基づきテキストデータを統合し、前記特定の参加者の1名の第3の議事録を作成する。
【0011】
本発明の一態様に係る議事録作成支援システムは、第一に、前記参加者は、3名以上である。
第二に、前記議事録生成部は、前記編集権限を有する参加者から、3名以上の参加者のうち、参加者の全員を含まず、2名以上の特別の参加者が選択された場合に、前記記憶部から前記特別の参加者のテキストデータを読み出し、前記特別の参加者に対応する前記個別時間に基づきテキストデータを統合し、2名以上の前記特別の参加者の組み合わせからなる第4の議事録を作成する。
【0012】
本発明の一態様に係る議事録作成支援プログラムは、第一に、同一のWeb会議に参加する複数人の参加者が個別に使用する通信端末がサーバに複数台接続され、前記通信端末を通じて参加者の音声をリアルタイムに前記サーバに送信し、前記サーバにおいては、参加者の音声をテキスト化し、テキスト化したテキストデータからWeb会議の議事録を作成するWeb会議の議事録作成支援システムに用いられる。
【0013】
第二に、参加者に仮想の場としてのセッションルームを提供する仮想ルーム提供部と、前記セッションルームでのセッション時間を計測するタイマ部と、参加者が前記セッションルームに入室したときに、前記タイマ部と当該参加者が使用する通信端末との時間を同期させる同期部と、前記セッションルームに入室した参加者が使用する通信端末から発信された音声を受信したときに、当該音声をテキストデータに変換するテキスト変換部と、前記テキスト変換部により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声の発信元の通信端末にリアルタイムで送信するデータ送信部としてコンピュータを機能させるためのWeb会議の議事録作成支援プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、Web会議の進行中に、各人の発言内容をテキスト化してサーバ側から各通信端末に送信することで、各通信端末において自分の発言内容をテキストデータで確認できる。
これにより、自分の発言内容をテキストデータで確認できるので、次の発言内容の質を向上でき、又、発言が不十分なところを、後の発言で補うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係わり、議事録作成支援システムを説明するためのブッロク図である。
図2】本発明の実施形態に係わり、議事録作成支援システムの全体構成を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態に係わり、参加者の参加の態様を説明するための説明図である。
図4】本発明の実施形態に係わり、セッションの仮想の場の構造を説明するための説明図である。
図5】本発明の実施形態に係わり、音声データの流れを説明するための説明図である。
図6】本発明の実施形態に係わり、テキストデータの確定の流れを説明するための説明図である。
図7図1のタイマ部の詳細を説明するためのブッロク図である。
図8図1の議事録生成部の詳細を説明するためのブッロク図である。
図9】本発明の実施形態に係わり、個別時間とテキストデータとの関係を説明するための説明図である。
図10】本発明の実施形態に係わり、議事録データを説明するための説明図であり、同図(a)は第2の議事録データ、同図(b)~(d)は第3の議事録データをそれぞれ示す。
図11】本発明の実施形態に係わり、同図(a)~(c)は第4の議事録データをそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(議事録作成支援システム10)
図2中、10は、Web会議の議事録作成支援システムを示し、本システム10は、例えば「Zoom」(登録商標)等のWeb会議の議事録の作成を支援するものである。
Web会議は、図2に示すように、例えばインターネット等の情報通信網40に接続されたWeb会議支援システム20により開催される。参加者A~Cは、通信端末30~32を介して、Web会議に参加する。
ここで、通信端末30~32は、LANやWi-Fiなどの通信機能、ディスプレイなどの表示部33、キーボードなどの入力機器、スピーカ、カメラ、マイク等を備え、例えばノードPCから構成されている。
通信端末30~32として、ノードPCを例示したが、これに限らず、ディスクトップPC、タブレットPC、スマートフォン等でも良い。
【0017】
(本システム10によるセッション)
本システム10は、図2に示すように、Web会議支援システム20と同様に、情報通信網40に接続され、セッションを開催する。
ここで、セッションは、Web会議の参加者A~Cから構成される会合をいう。セッションは、Web会議の画像(動画、静止画)や音声のうち、音声を抽出したものである。
音声は、参加者A~Cの各自の通信端末30~32のマイクで集音したものを本システム10に送信している。すなわち、Web会議支援システム20から音声を本システム10に送信しているのでなく、音声は本システム10で独自に収集したものを使用している。
【0018】
(セッションと、Web会議とへの参加の態様)
参加者A~Cが、本システム10が開催するセッションに参加する際には、図3に示すように、本システム10から送信された招待メールに記載されたセッション参加用URL(URL1A、URL1B、URL1C)をクリックすることで参加できる。
セッションに参加後、参加者A~CがWeb会議に参加する際には、セッションにおいて、Web会議支援システム20から送信された招待メールに記載されたWeb会議参加用URL(URL2A、URL2B、URL2C)を入力することで、Web会議支援システム20を経由してWeb会議に参加できる。
なお、Web会議参加用URLをクリックすることで、Web会議に直接、参加できる。
ただし、参加者A~Cを、Web会議に直接、参加させると、セッションに参加するのを忘れ、議事録の作成支援を受けられないことがある。このため、参加者A~Cを、本システム10を経由させて、Web会議に参加させることを、基本としている。
【0019】
(本システム10のサーバ100、200)
本システム10は、図2に示すように、大別すると、議事録サーバ100と、音声認識サーバ200とから構成され、以下「サーバ100、200」ともいう。サーバ100、200は、情報通信網40にそれぞれ接続されている。
議事録サーバ100は、本システム10を全体的に統合・管理するものであり、議事録の作成支援に特化している。
音声認識サーバ200は、図5及び図6に示すように、参加者A~Cから送信された音声(音声データ)のテキスト変換に特化している。
【0020】
(サーバ100、200の各部)
サーバ100、200には、議事録作成支援プログラムが組み込まれ、インストールされる。サーバ100、200は、議事録作成支援プログラムを読み込むことで、次の各部としてコンピュータを機能させる。
サーバ100、200は、図1に示すように、大別すると、議事録サーバ100側の各部と、音声認識サーバ200側の各部とに分かれている。
議事録サーバ100側には、(1)記憶部110、(2)仮想ルーム提供部120、(3)タイマ部130、(4)同期部140、(5)議事録生成部150、(6)後処理部160を備える。
なお、上記した(1)~(6)については、後述する。また、議事録サーバ100側の各部は、(1)~(6)に限定されず、議事録の要約部や翻訳部などを備えていても良い。
【0021】
(音声認識サーバ200側の各部)
音声認識サーバ200側には、図2に示すように、(1)テキスト変換部210、(2)データ送信部220を備える。
なお、上記した(1)及び(2)については、後述する。また、音声認識サーバ200側の各部は、(1)及び(2)に限定されず、議事録の要約部や翻訳部などを備えていても良い。
【0022】
(記憶部110)
記憶部110は、確定させたテキストデータA1y~A3yが、図6に示すように、通信端末30から議事録サーバ100に送信された場合に、確定後のテキストデータa1y~a3yを送信元の参加者A~Cに対応付けて記憶するものである。
さらに、記憶部110は、確定後のテキストデータa1y~a3yを、送信元の参加者A~Cに固有の個別時間に対応付けて記憶するものである。
【0023】
(確定後のテキストデータa1y~a3y)
ここで、確定させた、すなわち「確定後のテキストデータa1y~a3y」とは、図6に示すように、発言者である参加者A~Cにより、「確定」の処理を経たテキストデータをいう。
本システム10では、後述する音声認識サーバ200のテキスト変換部210により、音声データA1~A3をテキスト変換し、テキストデータa1~a3を作成している。テキスト変換後のテキストデータa1~a3には、例えば音声の誤変換や、文節の誤りなどを含み、これを「未確定のテキストデータa1x~a3x」といい、「確定後のテキストデータa1y~a3y」と区別している。
【0024】
「未確定のテキストデータa1x~a3x」を用いて議事録を作成すると、議事録の精度が低下するおそれがある。このため、本システム10では、「未確定のテキストデータa1x~a3x」を発言者である参加者A~Cに送信し、発言者に「未確定のテキストデータa1x~a3x」を修正し、確定する機会を付与している、
なお、Web会議の終了後、一括して「未確定のテキストデータa1x~a3x」を送信することも可能である。しかし、一括して送信すると、発言者、すなわち修正者や確定者の負担が大きくなるおそれがある。このため、Web会議の進行中に「未確定のテキストデータa1x~a3x」をリアルタイムで送信することで、発言者の負担を軽減できるようにしている。
記憶部110との関係では、確定後のテキストデータa1y~a3yのみを記憶させることで、記憶容量や処理負担を軽減できるようにしている。
【0025】
(仮想ルーム提供部120)
仮想ルーム提供部120は、図4に示すように、参加者A~Cに仮想の場としてのセッションルーム50を提供するものである。
(参加者A~Cの権限)
参加者A~Cには、次の権限を有する。(1)主催者、(2)許可・編集者、(3)参加者。
参加者A~Cの権限については、仮想ルーム提供部120で管理する。
(主催者)
主催者は、セッションの作成(セッションの開始の宣言、終了の宣言)、権限設定招待、権限の委譲の権限を有する。本実施形態では、例えば参加者Aが相当する。
(許可・編集者)
許可・編集者は、セッションの参加の許可、記事録の編集の権限を有する。本実施形態では、例えば参加者Aが相当する。
(参加者)
参加者は、セッションへの参加の権限のみを有する。本実施形態では、例えば参加者B・Cが相当する。
【0026】
(待機ルーム51)
待機ルーム51は、図4に示すように、セッションに参加する参加者A~Cが待機するための仮想の場である。
セッションの招待メールを受信した参加者A~Cは、図3に示すように、セッション参加用URLをクリックすると、図4に示すように、待機ルーム51に入室する。待機ルーム51に入室した参加者A~Cは、許可・編集者を有する参加者Aの許可を得て、セッションルーム50に入室できる。
【0027】
(タイマ部130)
タイマ部130は、図4に示すように、セッションルーム50でのセッション時間を計測するものである。
タイマ部130には、図7に示すように、大別すると、(1)基本タイマ部131、(2)第1~第3の個別タイマ部132~134を備える。
(基本タイマ部131)
基本タイマ部131は、図4に示すように、セッションルーム50に最初の参加者A~Cが、通信端末30~32を介して入室したときに、基本時間の計測を開始させるものである。
【0028】
(第1~第3の個別タイマ部132~134)
第1~第3の個別タイマ部132~134は、図4に示すように、最初の参加者Aが、通信端末30~32を介して入室したときに、当該参加者Aに固有の第1の個別時間の計測が開始させる。最初の参加者以外の参加者B、Cが、通信端末30~32を介して入室する度に、各参加者B、Cに固有の第2、第3の個別時間の計測をそれぞれ開始させる。
【0029】
個別タイマ部132~134は、図7に示すように、(1)第1の個別タイマ部132、(2)第2の個別タイマ部133、(3)第3の個別タイマ部134に3個に分かれる。なお、個別タイマ部132~134として、3個を例示したが、これに限定されず、例えば1個、2個あるいは4個以上でも良い。
【0030】
第1の個別タイマ部132は、図4に示すように、最初の参加者Aが入室したときに、当該参加者Aに固有の第1の個別時間の計測を開始させるものである。参加者Aの個別時間を、第1の個別時間ともいう。
第2の個別タイマ部133は、二人目の参加者Bが入室したときに、当該参加者Bに固有の第2の個別時間の計測を開始させるものである。参加者Bの第2の個別時間を、第2の個別時間ともいう。
第3の個別タイマ部134は、三人目の参加者Cが入室したときに、当該参加者Cに固有の第3の個別時間の計測を開始させるものである。参加者Cの第3の個別時間を、第3の個別時間ともいう。
【0031】
(同期部140)
同期部140は、参加者A~Cがセッションルーム50に入室したときに、タイマ部130と当該参加者A~Cが使用する通信端末30~32との時間を同期させるものである。
(議事録生成部150)
議事録生成部150は、第1~第3の個別時間に基づきテキストデータから、図5図10及び図11に示すように、議事録60等を生成するものである。
議事録生成部150は、図8に示すように、大別すると、(1)第2の議事録生成部151、(2)第3の議事録生成部152、(3)第4の議事録生成部153を備える。
【0032】
(第2の議事録生成部151)
第2の議事録生成部151は、図10(a)に示すように、記憶部110に記憶された参加者A~Cの全員に対応するテキストデータを読み出し、参加者A~Cの全員に対応する各第1~第3の個別時間に基づきテキストデータを統合し、参加者A~Cの全員の第2の議事録70を作成するものである。
【0033】
(第3の議事録生成部152)
第3の議事録生成部152は、図10(b)~(d)に示すように、議事録の編集権限を有する参加者Aから、複数人の参加者A~Cのうち、1名の特定の参加者A~Cが選択された場合に、Web会議の終了後、記憶部110から特定の参加者A~Cに対応するテキストデータを読み出し、特定の参加者A~Cに対応する第1~第3の個別時間に基づきテキストデータを統合し、特定の参加者の1名の第3の議事録80~82を作成するものである。
【0034】
(第4の議事録生成部153)
第4の議事録生成部153は、参加者A~Cが、3名以上であり、図11に示すように、編集権限を有する参加者Aから、3名以上の参加者A~Cのうち、参加者A~Cの全員を含まず、2名以上の特別の参加者A~Cが選択された場合に、記憶部110から特別の参加者A~Cのテキストデータを読み出し、特別の参加者A~Cに対応する第1~第3の個別時間に基づきテキストデータを統合し、2名以上の特別の参加者A~Cの組み合わせからなる第4の議事録90~92を作成するものである。
【0035】
(後処理部160)
後処理部160は、議事録の編集権限を有する参加者Aから要求に基づいて、議事録の作成・校正などの後処理するものである。例えば、議事録を、所定のフォームに成形できる。後処理としては、(1)情報連絡・共有・稟議・確認、(2)議事録の完成・報告、(3)保存・アーカイブ・再利用を図ることができる。
【0036】
(テキスト変換部210)
テキスト変換部210は、セッションルーム50に入室した参加者A~Cが使用する通信端末30~32から発信された音声(音声データ)を、図5に示すように、受信したときに、当該音声(音声データ)をテキストデータに変換するものである。
【0037】
(データ送信部220)
データ送信部220は、図5に示すように、テキスト変換部210により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声(音声データ)の発信元の通信端末30~32にリアルタイムで送信するものである。
また、データ送信部220は、図6に示すように、未確定な状態のテキストデータa1x~a3xを、発信元の通信端末30~32に送信する。
【0038】
図4のセッションルーム50と待機ルーム51)
参加者A~Cが、図3に示すように、セッション参加用URLをクリックすると、図4に示すように、待機ルーム51に入室する。
セッションの招待メールは、仮想ルーム提供部120により、参加者A~Cの各メールアドレスに送信される。
セッションは、主催者である参加者Aにより作成される。このとき、参加者A~Cの各メールアドレスと、権限が予め設定される。
なお、参加者A~Cの権限は、セッションの開始後、主催者である参加者Aが変更(委譲)可能である。
待機ルーム51に入室した主催者である参加者Aは、セッションの開始の宣言、終了の宣言により、図4に示すように、セッションが開始され、又、終了する。
【0039】
(セッションルーム50への入室)
待機ルーム51に入室した許可・編集者である参加者Aは、他の参加者B・Cにセッションへの参加の許可を個々に出すことで、図4に示すように、参加者B・Cはセッションルーム50に個々に入室できる。
そして、最初の一人目の参加者Aが、図4及び図9に示すように、セッションルーム50に入室(入室1)することで、基本タイマ部131により、基本時間の計測が開始される。
参加者Aの入室時(入室1)、第1の個別タイマ部132により、参加者Aに固有の第1の個別時間の計測が開始される。
以降、二人目の参加者Bの入室時(入室2)に、図9に示すように、第2の個別タイマ部133により、参加者Bに固有の第2の個別時間の計測が開始される。
三人目の参加者Cの入室時(入室3)に、図9に示すように、第3の個別タイマ部134のより、参加者Cに固有の第3の個別時間の計測が開始される。
なお、タイマ部130の計測の終了については、登録不要であるが、例えば参加者Cがセッションルーム50から退室したときに、計測を終了させても良い。
【0040】
図5の音声データの流れ)
セッションルーム50の入室後、セッションルーム50の発言の内容、すなわち音声データ(A1→A2→A3)が、図5に示すように、音声認識サーバ200に送信される。
音声データは、参加者Aを例に挙げると、通信端末30のマイクから、発言の順(A1→A2→A3)に、音声認識サーバ200に送信される。
音声認識サーバ200において、テキスト変換部210により、送信の順に、テキスト変換される。
テキスト変換されたテキストデータは、テキスト変換順(a1→b2→c3)に、音声認識サーバ200から発信元である参加者Aの通信端末30に、データ送信部220により送信される。
発信元に送信されたテキストデータ(a1→b2→c3)は、発信元である通信端末30の表示部33に、送信順に表示される。
【0041】
(通信端末30の表示部33の表示)
まず、テキストデータa1が送信されると、表示部33の1行目にテキストデータa1が表示される。
つぎに、テキストデータa2が送信されると、1行目のテキストデータa1が2行目に移動(下降)し、1行目にテキストデータa2が表示される。
テキストデータa3が送信されると、1、2行目のテキストデータa2、テキストデータa1が次行に移動(下降)し、1行目にテキストデータa3が表示される。
その結果、表示部33には、図5に示すように、1行目のテキストデータa3、2行目にテキストデータa2、3行目にテキストデータa1が、発言順に表示される。
これは、参加者Aの発言順による議事録60である。議事録60は、議事録生成部150により生成する。
なお、参加者Aの通信端末30に、参加者Aだけのテキストデータを送信したが、参加者Aの希望により、他の参加者B、Cのテキストデータを送信しても良い。だだし、他の参加者B、Cのテキストデータを同時に送信すると、通信容量や負担が増加したり、又、他の参加者B、Cのテキストデータに注意が取られ、Web会議に集中できなくなるおそれもある。
【0042】
図6のテキストデータの確定の流れ)
音声データA1~A3は、図5及び図6に示すように、発言者、例えば参加者Aの通信端末30から音声認識サーバ200に送信される。
送信された音声データA1~A3は、図6に示すように、音声認識サーバ200のテキスト変換部210により、未確定のテキストデータa1x~a3xにテキスト変換される。
未確定のテキストデータa1x~a3xは、音声認識サーバ200により、送信元の通信端末30に送信される。
未確定のテキストデータa1x~a3xは、送信元の通信端末30により、確定されると、確定後のテキストデータa1y~a3yとなる。
確定後のテキストデータa1y~a3yは、議事録サーバ100に送信され、その記憶部110に記憶される。確定後のテキストデータa1y~a3yは、参加者A~C毎に対応付けられるとともに、参加者A~Cに固有の第1~第3の個別時間に対応付けられて、それぞれ記憶される。
音声データA1~A3や、未確定のテキストデータa1x~a3xは、音声認識サーバ200において一時的記憶されているだけで、固定的に記憶されていない。なお、議事録サーバ100においても記憶されていないが、音声認識サーバ200や議事録サーバ100において固定的に記憶しても良い。
【0043】
図9の個別時間とテキストデータとの関係)
基本時間と個別時間とは、図9に示すように、「時:分:秒」(00:00:00)で計測しているが、100ms(0.1秒)単位で計測しても良い。
テキストデータa1~a3は、音声データA1~A3を基準に、第1~第3の個別時間が設定される。例えば、音声データA1が「00:03:00」~「00:03:45」間の計「45秒」の場合には、テキストデータa1に開始時間「00:03:00」に関連付けて記憶される。
参加者Aのテキストデータa1~a3は、第1の個別時間に基づいて、「a1、a2、a3」の順で記憶部110に記憶される。
参加者Bのテキストデータb1~b3は、第2の個別時間に基づいて、「b1、b2、b3」の順に記憶部110に記憶される。
参加者Cのテキストデータc1~c3は、第3の個別時間に基づいて、「c1、c2、c3」の順に記憶部110に記憶される。
【0044】
図5図10及び図11の議事録の種類)
議事録の種類は、大別すると、図5図10及び図11に示すように、次の通りである。
(1)図5の議事録60
議事録60は、図5に示すように、発言者、例えば参加者Aの通信端末30に音声認識サーバ200から送信され、表示部33に表示される。議事録60は、Web会議の進行中であり、編集権限を有する参加者Aから要求が必要ない。
(2)図10(a)の第2の議事録70
第2の議事録70は、図10(a)に示すように、参加者A~Cの全員のテキストデータが含まれる。第2の議事録70は、Web会議の終了後であり、編集権限を有する参加者Aから要求が必要である。
【0045】
(3)図10(b)~(d)の第3の議事録80~82
第3の議事録80~82は、図10(b)~(d)に示すように、特定の参加者A~Cの1名分のテキストデータが含まれる。第3の議事録80~82は、Web会議の終了後であり、編集権限を有する参加者Aから要求が必要である。特定の参加者A~Cは、編集権限を有する参加者Aが選択する。
(4)図11(a)~(c)の第4の議事録90~92
第4の議事録90~92は、図11(a)~(c)に示すように、参加者A~Cのうち、2名以上の特別の参加者AとB、AとC、BとCのテキストデータが含まれる。第4の議事録90~92は、Web会議の終了後であり、編集権限を有する参加者Aから要求が必要である。特別の参加者の組み合わせは、編集権限を有する参加者Aが選択する。
【0046】
図10(a)の第2の議事録70)
第2の議事録70は、図10(a)に示すように、参加者A~Cの全員のテキストデータが含まれる。
第2の議事録70は、第2の議事録生成部151により、記憶部110から全員のテキストデータが読み出される。
読み出された全員のテキストデータは、参加者A~Cの全員に対応する各第1~第3の個別時間に基づいて、発言順に、「a1、b1、c1、b2、a2、c2、a3・・・」の順に並び替えられる。
【0047】
図10(b)~(d)の第3の議事録80~82)
第3の議事録80~82は、図10(b)~(d)に示すように、参加者A~Cのうち、1名の特定の参加者A~Cの各テキストデータが含まれる。
第3の議事録80は、図10(b)に示すように、参加者Aだけのテキストデータa1~a3が含まれる。
第3の議事録80は、第3の議事録生成部152により、記憶部110から参加者Aだけのテキストデータa1~a3が読み出される。
読み出されたテキストデータa1~a3は、参加者Aに対応する第1の個別時間に基づいて、発言順に、「a1、a2、a3・・・」の順に並び替えられる。
【0048】
図10(c)の第3の議事録81)
第3の議事録81は、図10(c)に示すように、参加者Bだけのテキストデータb1~b3が含まれる。
第3の議事録80~82は、第3の議事録生成部152により、記憶部110から参加者Bだけのテキストデータb1~b3が読み出される。
読み出されたテキストデータb1~b3は、参加者Bに対応する第2の個別時間に基づいて、発言順に、「b1、b2、b3・・・」の順に並び替えられる。
【0049】
図10(d)の第3の議事録81)
第3の議事録82は、図10(d)に示すように、参加者Cだけのテキストデータc1~c3が含まれる。
第3の議事録82は、第3の議事録生成部152により、記憶部110から参加者Cだけのテキストデータc1~c3が読み出される。
読み出されたテキストデータc1~c3は、参加者Cに対応する第3の個別時間に基づいて、発言順に、「c1、c2、c3・・・」の順に並び替えられる。
【0050】
図11(a)~(c)の第4の議事録90~92)
第4の議事録90~92は、図11(a)~(c)に示すように、参加者A~Cのうち、2名以上の特別の参加者AとB、AとC、BとCのテキストデータが含まれる。
第4の議事録90は、図11(a)に示すように、参加者AとBのテキストデータa1~a3、b1~b3が含まれる。
第4の議事録90は、第4の議事録生成部153により、記憶部110から参加者AとBのテキストデータa1~a3、b1~b3が読み出される。
読み出されたテキストデータa1~a3、b1~b3は、参加者AとBに対応する第1・第2の個別時間に基づいて、発言順に、「a1、b1、b2、a2、b3、a3・・・」の順に並び替えられる。
【0051】
図11(b)の第4の議事録91)
第4の議事録91は、図11(b)に示すように、記憶部110から参加者AとCのテキストデータa1~a3、c1~c3が読み出される。
読み出されたテキストデータa1~a3、c1~c3は、参加者AとCに対応する第1・第3の個別時間に基づいて、発言順に、「a1、c1、c2、a2、c3、a3・・・」の順に並び替えられる。
【0052】
図11(c)の第4の議事録92)
第4の議事録92は、図11(c)に示すように、記憶部110から参加者BとCのテキストデータb1~b3、c1~c3が読み出される。
読み出されたテキストデータb1~b3、c1~c3は、参加者BとCに対応する第2・第3の個別時間に基づいて、発言順に、「b1、c1、b2、c2、b3、c3・・・」の順に並び替えられる。
【0053】
(本発明に基づく実施形態に係る特徴点と効果)
本発明に基づく実施形態の特徴点は、次の通りである。
(第1の特徴点)
第1の特徴点は、第一に、例えば図2に示すように、情報通信網40に接続されたサーバ100、200を有し、サーバ100、200には、同一のWeb会議に参加する複数人の参加者A~Cが個々に使用する通信端末30~32が複数台接続され、通信端末30~32を通じて参加者A~Cの音声(音声データ)が、例えば図5に示すように、サーバ100、200にリアルタイムで送信され、サーバ100、200においては、参加者の音声(音声データ)をテキスト化し、テキスト化したテキストデータからWeb会議の議事録60等を作成するWeb会議の本システム10である。
【0054】
第二に、サーバ100、200には、例えば図1に示すように、参加者A~Cに仮想の場としてのセッションルーム50を提供する仮想ルーム提供部120と、セッションルーム50でのセッション時間を計測するタイマ部130と、参加者A~Cがセッションルーム50に入室したときに、タイマ部130と当該参加者A~Cが使用する通信端末30~32との時間を同期させる同期部140と、セッションルーム50に入室した参加者A~Cが使用する通信端末30~32から発信された音声(音声データ)を受信したときに、当該音声(音声データ)をテキストデータに変換するテキスト変換部210と、テキスト変換部210により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声(音声データ)の発信元の通信端末30~32にリアルタイムで送信するデータ送信部220と、を備える。
第三に、発信元の通信端末30~32の表示部33には、例えば図5に示すように、データ送信部220から送信されたテキストデータを受信順に表示させる。
【0055】
(第1の特徴点の効果)
第1の特徴点によれば、Web会議の進行中に、各人の発言内容をサーバ100、200側から各通信端末30~32に配信することで、各通信端末30~32において自分の発言内容をテキストデータで確認できる。
これにより、自分の発言内容をテキストデータで確認できるので、次の発言内容の質を向上でき、又、発言が不十分なところを、後の発言で補うこともできる。
【0056】
(第2の特徴点)
第2の特徴点のタイマ部130は、第一に、例えば図4に示すように、セッションルーム50に最初の参加者A~Cが通信端末30~32を介して入室したときに、基本時間の計測を開始させるとともに、当該参加者A~Cに固有の第1~第3の個別時間の計測をそれぞれ開始させる。
第二に、最初の参加者以外の参加者A~Cが通信端末30~32を介して入室する度に、例えば図4に示すように、各参加者A~Cに固有の個別時間の計測をそれぞれ開始させる。
第三に、サーバ100、200に、例えば図1に示すように、例えば図1に示すように、第1~第3の個別時間に基づきテキストデータから議事録60(例えば図5参照)を生成する議事録生成部150を備えている。
(第2の特徴点の効果)
第2の特徴点によれば、テキストデータを基本時間と第1~第3の個別時間とを用いて管理することで、テキストデータを議事録として活用できる。
【0057】
(第3の特徴点)
第3の特徴点は、サーバ100、200に、例えば図1に示すように、議事録生成部150を少なくとも備える議事録サーバ100と、議事録サーバ100と独立し、テキスト変換部210及びデータ送信部220を少なくとも備える音声認識サーバ200とを含む。
(第3の特徴点の効果)
第3の特徴点によれば、サーバ100、200を、議事録サーバ100と音声認識サーバ200とに分散管理することで、議事録サーバ100の負担を軽減できる。
【0058】
(第4の特徴点)
第4の特徴点のデータ送信部220は、第一に、例えば図6に示すように、未確定な状態のテキストデータを、発信元の通信端末30~32に送信し、サーバ100、200には、例えば図1に示すように、発信元の通信端末30~32において、当該通信端末30~32を使用する参加者A~Cによって、未確定のテキストデータa1x~a3xが確定され、確定されたテキストデータa1y~a3yがサーバ100、200に送信された場合に、確定後のテキストデータa1y~a3yを送信元の参加者A~Cに対応付けて記憶する記憶部110を備える。
(第4の特徴点の効果)
第4の特徴点によれば、未確定のテキストデータa1x~a3xを発言者に確定させることで、議事録70の精度を向上できる。
【0059】
(第5の特徴点)
第5の特徴点の記憶部110は、確定後のテキストデータa1y~a3yを、送信元の参加者A~Cに固有の個別時間に対応付けて記憶する。
(第5の特徴点の効果)
第5の特徴点によれば、記憶部110から読み出した確定後のテキストデータa1y~a3yを、参加者に対応付けられた個別時間に基づき統合できる。
【0060】
(第6の特徴点)
第6の特徴点の議事録生成部150は、例えば図10(a)に示すように、記憶部110に記憶された参加者A~Cの全員に対応するテキストデータを読み出し、参加者A~Cの全員に対応する各第1~第3の個別時間に基づきテキストデータを統合し、参加者A~Cの全員の第2の議事録70を作成する。
(第6の特徴点の効果)
第6の特徴点によれば、参加者A~Cの全員の第2の議事録70を作成できる。
【0061】
(第7の特徴点)
第7の特徴点の議事録生成部150は、例えば図10(b)~(d)に示すように、議事録の編集権限を有する参加者Aから、複数人の参加者A~Cのうち、1名の特定の参加者A~Cが選択された場合に、Web会議の終了後、記憶部110から特定の参加者A~Cに対応するテキストデータを読み出し、特定の参加者A~Cに対応する第1~第3の個別時間に基づきテキストデータを統合し、特定の参加者の1名の第3の議事録80~82を作成する。
(第7の特徴点の効果)
第7の特徴点によれば、特定の参加者の1名の第3の議事録80~82を作成できる。
【0062】
(第8の特徴点)
第8の特徴点は、参加者A~Cが、3名以上であり、議事録生成部150は、例えば図11に示すように、編集権限を有する参加者Aから、3名以上の参加者A~Cのうち、参加者A~Cの全員を含まず、2名以上の特別の参加者A~Cが選択された場合に、記憶部110から特別の参加者A~Cのテキストデータを読み出し、特別の参加者A~Cに対応する第1~第3の個別時間に基づきテキストデータを統合し、2名以上の特別の参加者の組み合わせからなる第4の議事録90~92を作成する。
(第8の特徴点の効果)
第8の特徴点によれば、2名以上の特別の参加者A~Cの組み合わせにより、第4の議事録90~92を作成できる。
【0063】
(第9の特徴点)
第9の特徴点は、第一に、例えば図2に示すように、情報通信網40に接続されたサーバを有し、サーバ100、200には、同一のWeb会議に参加する複数人の参加者A~Cが個々に使用する通信端末30~32が複数台接続され、通信端末30~32を通じて参加者A~Cの音声(音声データ)がサーバA~Cにリアルタイムで送信され、サーバ100、200において参加者A~Cの音声(音声データ)をテキスト化し、テキスト化したテキストデータからWeb会議の議事録60等を作成するWeb会議の本システム10に用いられる。
【0064】
第二に、議事録作成支援プログラムは、例えば図1に示すように、参加者A~Cに仮想の場としてのセッションルーム50を提供する仮想ルーム提供部120と、セッションルーム50でのセッション時間を計測するタイマ部130と、参加者A~Cがセッションルーム50に入室したときに、タイマ部130と当該参加者A~Cが使用する通信端末30~32との時間を同期させる同期部140と、セッションルーム50に入室した参加者A~Cが使用する通信端末30~32から発信された音声(音声データ)を受信したときに、当該音声(音声データ)をテキストデータに変換するテキスト変換部210と、テキスト変換部210により変換されたテキストデータを、テキストデータに対応する音声(音声データ)の発信元の通信端末30~32にリアルタイムで送信するデータ送信部220としてコンピュータとして機能させるためのものである。
(第9の特徴点の効果)
第9の特徴点によれば、第1の特徴点と同様に、議事録作成支援プログラムを提供できる。
【0065】
(第2の実施形態)
Web会議の終了迄に、未確定のテキストデータa1x~a3xが、発言者により確定されず、議事録サーバ100に送信されない場合があり得る。
この場合には、発言者による確定や、議事録サーバ100への送信を促すこと有効である。
最終的に、議事録サーバ100に送信されない場合には、音声認識サーバ200に一時的に記憶されている未確定のテキストデータa1x~a3xを、議事録サーバ100への送信し、記憶部110に記憶しても良い。
このとき、未確定のテキストデータa1x~a3xは、参加者A~C毎に対応付け、且つ、当該参加者A~Cに固有の第1~第3の個別時間に対応付けて記憶部110に記憶する。さらに、テキストデータは、確定・未仮定の別も記憶しても良い。
また、未確定のテキストデータa1x~a3xは、許可・編集者が後から確定できるようにしても良い。
【0066】
(第3の実施形態)
発言者に送信された未確定のテキストデータa1x~a3xは、発言者が記憶するなどして自由に利用することができる。
【0067】
(他の実施形態)
未確定のテキストデータa1x~a3xを、発言者にのみ送信したが、これに限らす、発言者以上の参加者A~Cに送信しても良い。
このとき、未確定のテキストデータa1x~a3xを受信する権限と、未確定のテキストデータa1x~a3xを確定する権限とに分けて管理しても良い。
受信する権限だけの場合には、発言者以下の参加者A~Cから要求があれば許可するようにしても良い。また、確定させる権限を含む場合には、発言者のほか、許可・編集者に限定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0068】
10 議事録作成支援システム
20 Web会議支援システム
30~32 通信端末
33 表示部
40 情報通信網
50 セッションルーム
51 待機ルーム
60 議事録
70 第2の議事録
80~82 第3の議事録
90~92 第4の議事録
100 議事録サーバ
110 記憶部
120 仮想ルーム提供部
130 タイマ部
131 基本タイマ部
132 第1の個別タイマ部
133 第2の個別タイマ部
134 第3の個別タイマ部
140 同期部
150 議事録生成部
151 第2の議事録生成部
152 第3の議事録生成部
153 第4の議事録生成部
160 後処理部
200 音声認識サーバ
210 テキスト変換部
220 データ送信部
A~C 参加者
A1~A3 音声データ
a1~a3 テキストデータ
a1x~a3x 未確定のテキストデータ
a1y~a3y 確定後のテキストデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11