(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023049965
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】照明システム及び休憩室
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20230403BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20230403BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230403BHJP
H05B 47/17 20200101ALI20230403BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230403BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B47/105
H05B45/10
H05B47/17
H05B45/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160045
(22)【出願日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊靖
(72)【発明者】
【氏名】藤原 ゆり
(72)【発明者】
【氏名】市川 太一
(72)【発明者】
【氏名】池淵 昌幸
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA13
3K273RA12
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA33
3K273TA40
3K273UA17
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】利用者の仮眠時間を確保することができる照明システム等を提供する。
【解決手段】照明システム3は、利用時間を入力するための入力部91と、入力部91から利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部92と、演算部92から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具71とを備える。また、利用時間は、照明器具71の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間を有する。また、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じて、照明一定区間の長さを変化させ、変化させた照明一定区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。また、照明一定区間の長さは、利用時間の長さの20%以上である。そして、照明一定区間におけるベッド30の表面の照度であるベッド面照度の最大値が常に50lx未満である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が就寝するベッドの表面を照明する照明システムであって、
利用時間を入力するための入力部と、
前記入力部から前記利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部と、
前記演算部から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具とを備え、
前記利用時間は、前記照明器具の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間を有し、
前記演算部は、
取得した前記利用時間情報に示される前記利用時間の長さに応じて、前記照明一定区間の長さを変化させ、
変化させた前記照明一定区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力し、
前記照明一定区間の長さは、前記利用時間の長さの20%以上であり、
前記照明一定区間における前記ベッドの表面の照度であるベッド面照度の最大値が常に50lx未満である
照明システム。
【請求項2】
前記利用時間は、前記照明一定区間よりも前の区間である第1照明制御区間を有し、
前記第1照明制御区間は、5秒間で前記ベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間で前記ベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを含み、
前記演算部は、前記第1照明制御区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記演算部は、
取得した前記利用時間情報に示される前記利用時間の長さに応じ、前記第1照明制御区間の長さを変化させ、
変化させた前記第1照明制御区間の長さに応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記利用時間は、前記照明一定区間よりも後の区間である第2照明制御区間を有し、
前記第2照明制御区間は、10秒間で前記ベッド面照度を10lx以上上昇させる区間を含み、
前記第2照明制御区間の長さは、前記利用時間の長さの35%以下であり、
前記演算部は、前記第2照明制御区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記演算部は、
前記利用時間の長さに応じ、前記第2照明制御区間の長さを変化させ、
変化させた前記第2照明制御区間の長さに応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
利用者が就寝するベッドの表面を照明する照明システムであって、
利用時間を入力するための入力部と、
前記入力部から取得した前記利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部と、
前記演算部から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具とを備え、
前記利用時間は、前記照明器具の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間と、前記照明一定区間よりも前の区間である第1照明制御区間と、前記照明一定区間よりも後の区間である第2照明制御区間とを有し、
前記演算部は、
取得した前記利用時間情報に示される前記利用時間の長さに応じて、前記照明一定区間の長さを変化させ、
変化させた前記照明一定区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力し、
前記第1照明制御区間の長さと前記照明一定区間の長さとの合計は、前記第2照明制御区間の長さよりも長い
照明システム。
【請求項7】
前記照明一定区間の長さは、前記第1照明制御区間の長さよりも長い
請求項6に記載の照明システム。
【請求項8】
前記第1照明制御区間は、5秒間で前記ベッドの表面の照度であるベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間で前記ベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを含み、
前記第2照明制御区間は、10秒間で前記ベッド面照度を10lx以上上昇させる区間を含み、
前記第1照明制御区間、前記照明一定区間、及び、前記第2照明制御区間は、この時系列順に並び、
前記演算部は、前記第1照明制御区間、前記照明一定区間、及び、前記第2照明制御区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項6又は7記載の照明システム。
【請求項9】
前記第1照明制御区間の平均照度は、前記照明一定区間の平均照度の1.5倍以上である
請求項2、3、6~8のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記演算部は、
前記利用時間が30分未満の場合、前記第1照明制御区間が5分未満となるように前記第1照明制御区間の長さを変化させ、かつ、前記第2照明制御区間が5分未満となるように前記第2照明制御区間の長さを変化させ、
変化させた前記第1照明制御区間の長さと、前記第2照明制御区間の長さとに応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項6~8のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記演算部は、
前記利用時間が30分以上の場合、前記第1照明制御区間は5分以上となるように前記第1照明制御区間の長さを変化させ、かつ、前記第2照明制御区間は5分以上となるように前記第2照明制御区間の長さを変化させ、
変化させた前記第1照明制御区間の長さと、前記第2照明制御区間の長さとに応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力する
請求項6~8のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項12】
前記照明器具は、前記第1照明制御区間において、一定の周期で照明制御し、
前記第1照明制御区間の長さは、前記一定の周期の略整数倍である
請求項2、3、6~11のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項13】
前記演算部は、前記第1照明制御区間と前記第2照明制御区間とのいずれかの区間における前記照明器具の駆動をOFF状態にする
請求項6~8、10、11のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項14】
さらに、音響装置、送風機及び芳香器の少なくとも1つと、
前記音響装置、前記送風機及び前記芳香器のうちの少なくとも1つを制御する制御装置と、
前記音響装置、前記送風機及び前記芳香器のうちの少なくとも1つを操作する操作装置とを備える
請求項1~13のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項15】
前記ベッドの周囲に配置された1つ以上の壁部と、
天井と、
請求項1~14のいずれか1項に記載の照明システムとを備える
休憩室。
【請求項16】
前記休憩室の外寸法は、1100mm以下×2100mm以下×1950mm以下であり、
前記休憩室の外寸法は、下限値が600mm以上×1900mm以上×1000mm以上である
請求項15に記載の休憩室。
【請求項17】
さらに、移動部を備える
請求項16に記載の休憩室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システム及び休憩室に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の特許文献1には、ベッドに設けられ、電球色LEDと白色LEDとを有する照明ユニットと、白色LEDの照明開始時刻を起床予定時刻の1時間前以降で適宜設定する覚醒制御部とを備えた照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の照明装置では、利用者が数十分程度の時間の短い仮眠を取る場合、利用者は、照明制御によって常に明るさが変化するように感じるため、十分な仮眠を取ることができなくなるという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、利用者の仮眠時間を確保することができる照明システム及び休憩室を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明システムは、利用者が就寝するベッドの表面を照明する照明システムであって、利用時間を入力するための入力部と、前記入力部から前記利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部と、前記演算部から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具とを備え、前記利用時間は、前記照明器具の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間を有し、前記演算部は、取得した前記利用時間情報に示される前記利用時間の長さに応じて、前記照明一定区間の長さを変化させ、変化させた前記照明一定区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力し、前記照明一定区間の長さは、前記利用時間の長さの20%以上であり、前記照明一定区間における前記ベッドの表面の照度であるベッド面照度の最大値が常に50lx未満である。
【0007】
本開示の一態様に係る照明システムは、利用者が就寝するベッドの表面を照明する照明システムであって、利用時間を入力するための入力部と、前記入力部から取得した前記利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部と、前記演算部から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具とを備え、前記利用時間は、前記照明器具の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間と、前記照明一定区間よりも前の区間である第1照明制御区間と、前記照明一定区間よりも後の区間である第2照明制御区間とを有し、前記演算部は、取得した前記利用時間情報に示される前記利用時間の長さに応じて、前記照明一定区間の長さを変化させ、変化させた前記照明一定区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力し、前記第1照明制御区間の長さと前記照明一定区間の長さとの合計は、前記第2照明制御区間の長さよりも長い。
【0008】
また、本開示の一態様に係る休憩室は、前記ベッドの周囲に配置された1つ以上の壁部と、天井と、照明システムとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の照明システム等によれば、利用者の仮眠時間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る休憩室の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る休憩室を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る休憩室の閉空間を俯瞰して見た場合を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、第1照明制御区間が5分未満のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、第1照明制御区間が5分以上のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、第1照明制御区間が5分未満のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す別の図である。
【
図4D】
図4Dは、第1照明制御区間が5分以上のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す別の図である。
【
図4E】
図4Eは、第1照明制御区間が5分以上のときに、光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示すさらに別の図である。
【
図5A】
図5Aは、第2照明制御区間が長い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、第2照明制御区間の長さが中程度である場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す別の図である。
【
図5C】
図5Cは、第2照明制御区間が短い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示すさらに別の図である。
【
図5D】
図5Dは、第2照明制御区間が非常に短い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示すさらに別の図である。
【
図5E】
図5Eは、第2照明制御区間の長さが中程度である場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す別の図である。
【
図5F】
図5Fは、第2照明制御区間が長い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す別の図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る休憩室の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0013】
また、以下の実施の形態において、略平行等の表現を用いている。例えば、略平行又は直方体状は、完全に平行又は直方体であることを意味するだけでなく、実質的に平行又は直方体である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行又は直方体状は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行又は直方体という意味である。他の「略」又は「状」を用いた表現についても同様である。
【0014】
また、以下の実施の形態では、ベッドの長手方向をX軸方向と規定し、ベッドの短手方向をY軸方向と規定し、X軸方向及びY軸方向と直交する方向をZ軸方向と規定する。また、X軸方向においてベッドに就寝した利用者の頭部側をX軸プラス方向側と規定し、ベッドに仰向けで就寝した利用者の左手側をY軸プラス方向側と規定し、ベッドに就寝した利用者に対して鉛直方向側をZ軸プラス方向側と規定する。
【0015】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
(実施の形態)
<構成:休憩室1>
まず、本実施の形態における休憩室1の構成について説明する。
【0017】
図1は、実施の形態に係る休憩室1の外観を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、休憩室1は、利用者が仮眠、睡眠又は休息を取るためのベッド30が収容された室内空間Rを形成している。利用者は、室内空間R内で仮眠、睡眠又は休息を取ることにより、眠気を低減したり、疲れを癒したりすることができる。つまり、休憩室1では、利用者が仮眠又は睡眠したり、利用者が休憩したりすることができる。ここで、本実施の形態において、仮眠とは、短時間の眠りを取ることであり、具体的には利用時間が30分未満となる短時間の眠りを意味する。ここで、本実施の形態において、睡眠とは、利用時間が30分以上となる長期間の眠りを意味する。ここで、利用時間とは、利用者が休憩室の利用を希望する期間であり、休憩室の利用を開始する指示が入力部91に入力された時点から、照明システム3の制御が終了するまでの期間である。
【0019】
なお、30分未満を仮眠とし、30分以上を睡眠と定義する理由は、「生理心理学と精神生理学 25(1):45-59,2007 特集 睡眠学への心理学の貢献 午後の眠気対策としての短時間仮眠 広島大学大学院総合科学研究科 林光緒・堀忠雄」より、30分以下の短時間仮眠が人を快適に覚醒させ、30分以上の仮眠は徐波睡眠が出現して深い睡眠となることが開示されていることによる。
【0020】
また、休憩室1では、室内空間R内を照明することができる。例えば、利用者が仮眠室として利用する場合に、利用時間を設定したとき、利用者を入眠させる照明、利用者を仮眠させる照明、仮眠中の利用者を覚醒させる照明等を行う。また、利用者が休憩室1として利用する場合、室内空間R内を照明することができる。
【0021】
また、休憩室1では、外部空間から空気を取り入れたりすることで、室内空間Rの空気質を調節したりすることができる。空気質とは、室内空間Rにおける空気の温度、湿度、香り成分量等である。
【0022】
また、休憩室1には、キャスター12が設けられている。このため、休憩室1は、キャスター12の車輪が回転することによって、自由に移動可能である。また、休憩室1は、キャスター12をロックすることで、移動不能に配置することができる。
【0023】
また、休憩室1は、エレベータに乗せることが可能な大きさに設定されている。具体的には、休憩室1の外寸法、つまり、休憩室1のY軸方向に沿う長さ(幅)×休憩室1のX軸方向に沿う長さ×休憩室1のZ軸方向に沿う長さ(高さ)は、1100mm以下×2100mm以下×1950mm以下である。
【0024】
また、休憩室1では、人が正常立位姿勢で寝ることが可能な大きさに設定されている。具体的には、部屋10の外寸法の下限値、つまり、休憩室1のY軸方向に沿う長さ(幅)×休憩室1のX軸方向に沿う長さ×休憩室1のZ軸方向に沿う長さ(高さ)のそれぞれの下限値は、600mm以上×1900mm以上×1000mm以上である。つまり、休憩室1では、幅の下限値を600mm以上とすることで、人の肩幅である約50cm以上に設定することができている。また、休憩室1では、長さの下限値を1900mm以上とすることで、休憩室1では身長190cmの人が寝そべれるように設定することができている。また、休憩室1では、高さの下限値を1000mm以上とすることで、人の座高である約90cm以上に設定することができている。
【0025】
以下、休憩室1の具体的な構成について説明する。
【0026】
休憩室1は、部屋10と、ダクト20と、照明システム3とを備えている。
【0027】
[部屋10]
部屋10には、利用者が出入りする出入口19が設けられている。本実施の形態では、出入口19は、部屋10におけるY軸マイナス方向側であり、かつ、部屋10のX軸方向における中央部分に設けられている。
図1では、出入口19を開閉可能な扉を図示していないが、出入口19には、扉が設けられていてもよい。
【0028】
また、部屋10は、利用者が就寝する室内空間Rを形成している。部屋10には長尺なベッド30が配置されているため、室内空間Rは、ベッド30の大きさに応じてX軸方向に沿って長尺である。
【0029】
図2は、実施の形態に係る休憩室1を示すブロック図である。
【0030】
図1及び
図2に示すように、部屋10は、利用者が就寝可能なサイズに形成された、直方体状の筐体である。部屋10は、ベッド30、ダクト20、操作装置40、照明器具71、入力部91、演算部92、音響装置61、送風機62、芳香器63及び電源部80を収容している。なお、音響装置61、送風機62及び芳香器63については、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つが部屋10に設置されているだけでよい。
【0031】
図3は、実施の形態に係る休憩室1の室内空間Rを示す図である。
【0032】
図1及び
図3に示すように、Z軸マイナス方向に沿って部屋10の室内空間Rを俯瞰して見た場合、室内空間Rは、利用者が就寝するための第1空間R1、ベッド30と出入口19側の部屋10の長辺との間の第2空間R2、及び、ベッド30と出入口19側の部屋10の長辺との間であり利用者がベッド30において就寝した際の足元側に位置する第3空間R3を含んでいる。第1空間R1はドットのハッチングで示し、第2空間R2は斜線のハッチングで示し、第3空間R3は格子のハッチングで示している。
【0033】
第2空間R2及び第3空間R3は、第1空間R1に対してY軸マイナス方向側に位置している。また、第3空間R3は、第2空間R2に対してX軸マイナス方向側に位置し、利用者がベッド30において就寝した際の足元側に位置している。第1空間R1には操作装置40、入力部91及びベッド30等が配置され、第2空間R2には部屋10の床板11bが配置され、第3空間R3には送風機62、芳香器63、照明器具71及び
図2の電源部80等が配置されている。
【0034】
図1に示すように、部屋10は、複数の骨組み11と、複数のキャスター12と、複数の壁部11fと、天井13とを備えている。
【0035】
複数の骨組み11は、枠状の土台11aと、床板11bと、複数の柱11cと、上枠11dとを備えている。
【0036】
土台11aは、矩形状の枠体であり、XY平面と略平行な姿勢となるように部屋10の鉛直下方(Z軸マイナス方向)に配置されている。土台11aのZ軸マイナス方向側の端面には、少なくともそれぞれの角部に一対一で対応する複数のキャスター12が設けられている。このため、土台11aは、キャスター12を介して地面と対向するように配置されている。
【0037】
キャスター12は、地面に対して部屋10が移動する際に車輪を回転させたり、ロックされることにより車輪を回転させたりしないようにすることができる。キャスター12は、移動部の一例である。
【0038】
土台11aには、複数の大引11a1が連結されている。土台11a及び複数の大引11a1の上には、床板11bが設けられている。床板11bは、X軸方向に沿って長尺である。床板11bは、ベッド30と部屋10の出入口19との間に位置し、第2空間R2において土台11a及び複数の大引11a1の上に配置されている。
【0039】
複数の柱11cは、土台11aのそれぞれの角部からZ軸方向に沿って延びる長尺状をなしており、上枠11dを支持している。
【0040】
また、複数の柱11cのうちの一部の柱11cは、第3空間R3を形成するために互いに隣接して設けられている。具体的には、第3空間R3を形成するための一部の柱11cは、少なくとも第1柱11c1、第2柱11c2及び第3柱11c3によって構成されている。第1柱11c1は、土台11aにおけるX軸マイナス方向の端部かつY軸マイナス方向の端部である角部に配置されている。第2柱11c2は、第1柱11c1に隣接し、第1柱11c1よりもX軸プラス方向に配置されている。第3柱11c3は、第1柱11c1に隣接し、第1柱11c1よりもY軸プラス方向に配置されている。
【0041】
複数の壁部11fは、室内空間Rを規定するための間仕切りである。複数の壁部11fのうちの一部の壁部11fは、複数の柱11cのうちの互いに隣接する2つの柱11cの間に配置されている。
【0042】
図1では、第1壁部11f1及び第2壁部11f2を除き、壁部11fの図示を省略している。1つ以上の壁部11fは、ベッド30の周囲に配置されており、例えば、ベッド30に対して前後左右のうちの少なくともいずれかに配置されている。
【0043】
また、複数の壁部11fのうちの一部の壁部11fである第1壁部11f1及び第2壁部11f2は、送風機62及び芳香器63等の周囲に配置されている。第1壁部11f1は、第1柱11c1と第2柱11c2との間に配置されている。第2壁部11f2は、第1柱11c1と第3柱11c3との間に配置されている。また、第1壁部11f1及び第2壁部11f2は、部屋10の外壁(外殻)として部屋10の短辺の一部を構成している。第1壁部11f1及び第2壁部11f2は、壁部11fの一例である。
【0044】
また、第2柱11c2には、第2柱11c2からY軸プラス方向に沿って延びており、第2空間R2と第3空間R3との間に配置される遮光部11f3が連結されている。
【0045】
上枠11dは、矩形状の枠体であり、XY平面と略平行な姿勢となるように部屋10の鉛直上方(Z軸プラス方向)に配置されている。上枠11dは、土台11aと対応し、複数の柱11cによって支持されている。本実施の形態では、2つの上枠11dが設けられている。2つの上枠11dの間には、ダクト20が配置されている。
【0046】
上枠11dには、天井13が設けられている。天井13には、ダクト20と、ダクト20の開口である吹出口20aとが設けられている。ダクト20は、吸込口20bから吸込まれた空気を吹出口20aに案内する。つまり、ダクト20は、吹出口20aと吸込口20bとを接続することで、空気の流れる流路を形成している。
【0047】
吹出口20aは、吸込口20bから吸込まれ、ダクト20を通過した空気を吹き出す。吹出口20aは、利用者がベッド30において就寝した際の上半身側又は下半身側に配置されている。本実施の形態では、吹出口20aは、ベッド30と対向する天井13に取付けられ、利用者がベッド30において就寝した際の下半身側と対向する位置に配置されている。
【0048】
また、吹出口20aは、吸込口20b及び送風機62から離れて配置されている。つまり、吹出口20aが配置されている部屋10の壁部11f(つまり天井13)と、吸込口20bが配置されている部屋10の壁部11fとは別々の壁部11fである。このように、吹出口20aと吸込口20bとをできるだけ離すことで、吸込口20bから侵入する音及び光が吹出口20aまで伝達されないようにしている。
【0049】
吸込口20bは、利用者がベッド30において就寝した際の足元側に配置されている。また、吸込口20bは、部屋10の外部空間と面するように、部屋10の外側の壁に設けられている。このため、吸込口20bは、部屋10の外部空間から空気を吸込むことができる。本実施の形態では、吸込口20bは、外部空間と第3空間R3とを連通させるように、送風機62と対向して配置されている。
【0050】
[照明システム3]
図1及び
図2に示すように、照明システム3は、利用者が入力部91を介して利用時間を入力すると、利用者が就寝するベッド30の表面を照明することで、利用時間開始時に利用者を入眠させる照明モード、利用者を仮眠させる照明モード、利用時間終了時に仮眠中の利用者を覚醒させる照明モード等を行う。つまり、照明システム3は、各照明モードを実行することで、利用者の入眠及び入眠した利用者の覚醒をサポートする環境を提供することができる。
【0051】
具体的には、照明システム3は、ベッド30と、操作装置40と、制御装置60と、照明器具71と、遮光部11f3と、入力部91と、演算部92と、音響装置61と、送風機62と、芳香器63と、電源部80とを備えている。なお、照明システム3は、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つを備えているだけでもよく、これらの全ての装置を備えていなくてもよい。
【0052】
ベッド30は、利用者が着座及び就寝することができる。また、ベッド30は、第1空間R1において、X軸方向に沿って長尺である。本実施の形態のベッド30は、複数の柱11cに支持されているが、土台11a及び複数の大引11a1に載置されていてもよい。
【0053】
ベッド30では、利用者の頭部がベッド30のX軸プラス方向側に位置し、足元がベッド30のX軸プラス方向側に位置するように設定されている。
【0054】
また、本実施の形態のベッド30は、椅子が変形することで、ベッドとして機能するものを含む。具体的には、ベッド30は、利用者が着座する座部と、座部に対して回動可能に連結されたフットレストと、座部に対して回動可能に連結された背もたれ部と、背もたれ部に連結されたヘッドレストとを有していてもよい。この場合、椅子は、フットレスト、座部、背もたれ部及びヘッドレストが直線状に並んで配置されたベッドとして機能してもよい。また、本実施の形態のベッド30は、傾斜することも可能であり、椅子のように変形してもよい。なお、椅子の場合、利用者が背もたれ部に背中をもたれさせて、利用者がヘッドレストに頭を乗せた場合における、背もたれ部の表面の照度、及び、ヘッドレストの表面の照度がベッド面照度に相当する。
【0055】
操作装置40は、第1空間R1におけるベッド30のX軸プラス方向側に配置されている。つまり、利用者がベッド30に就寝した場合において、操作装置40は、頭部の近傍に配置されている。なお、操作装置40は、第1空間R1、第2空間R2及び第3空間R3のうちの1以上の空間に配置されていればよい。つまり、操作装置40は、休憩室1に複数設けられていてもよい。
【0056】
また、操作装置40は、利用者によって、音響装置61、送風機62及び芳香器63のそれぞれを個別に操作することができる。つまり、操作装置40は利用者が操作した指示を制御装置60に出力することで、制御装置60は、音響装置61、送風機62及び芳香器63のそれぞれを駆動させたり、駆動を停止させたりする。なお、操作装置40は、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つを操作することができるだけでもよい。また、操作装置40は、照明器具71を操作することができてもよい。
【0057】
制御装置60は、操作装置40からの指示に応じて、音響装置61、送風機62及び芳香器63のそれぞれを制御することができる。なお、制御装置60は、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つを制御するだけでもよい。また、制御装置60は、照明器具71を制御することができてもよい。
【0058】
ここで、制御装置60による音響装置61、送風機62及び芳香器63の制御について説明する。
【0059】
例えば、利用者が操作装置40を操作して指示を入力すると、制御装置60は、操作装置40から取得した指示に応じて、音響装置61に音楽の再生を指示する。これにより、音響装置61が音楽を再生することで、再生された音楽は、室内空間R内に出力される。また、制御装置60は、操作装置40から指示を取得することで、音響装置61が再生する音楽を変更したり、音響装置61が出力する音楽の音量を制御したりすることができる。
【0060】
また、送風機62がOFF状態からON状態になるように、利用者が操作装置40を操作して指示を入力すると、制御装置60は、操作装置40から取得した指示に応じて送風機62の電源をONにする。これにより、送風機62が駆動することで、外部空間の空気は部屋10の室内空間Rに取り入れられる。また、制御装置60は、操作装置40から指示を取得することで、送風機62の出力、つまり送風機62におけるファンの回転数を制御することができる。
【0061】
また、芳香器63がOFF状態からON状態になるように、利用者が操作装置40を操作して指示を入力すると、制御装置60は、操作装置40から取得した指示に応じて芳香器63の電源をONにする。これにより、芳香器63が駆動することで、芳香器63の芳香剤は、室内空間R内の空気に導入される。また、制御装置60は、操作装置40から指示を取得することで、芳香器63の出力、つまり室内空間R内への芳香剤の導入量を制御することができる。
【0062】
照明器具71は、室内空間Rを照明することができる。また、照明器具71は、光量を変化させる調光機能を有する。このため、照明器具71は、演算部92から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させることができる。例えば、照明器具71は、演算部92から利用時間に応じた照明制御指示を取得することで、調光制御を実行する。これにより、照明器具71は、利用時間において、輝度(明るさ)を変更することができる。
【0063】
また、照明器具71は、操作装置40からの直接的な指示によって調光、調色してもよい。
【0064】
また、照明器具71は、利用者がベッド30に就寝した際の足元側に設置されている。具体的には、照明器具71は、第3空間R3に配置されている。また、照明器具71は、第3空間R3に複数設けられていてもよい。また、照明器具71は、遮光部11f3に埋め込まれるように配置されていてもよい。
【0065】
なお、照明器具71は、複数設けられていてもよい。具体的には、照明器具71は、さらに、天井13に設けられていてもよい。この場合、照明器具71は、利用者がベッド30において就寝した際の上半身の鉛直上方に配置される。また、照明器具71は、照明器具71と利用者がベッド30に就寝した際の頭部が配置される領域である頭部領域R1aとの距離が1.5m以下となるように、配置されていてもよい。
【0066】
図1及び
図3に示すように、遮光部11f3は、照明器具71と頭部領域R1aとの間に配置されている。具体的には、遮光部11f3は、利用者がベッド30において就寝した際の足元側であり、かつ、第1空間R1と第3空間R3との境界に配置されている。このため、遮光部11f3は、YZ平面と略平行であり、利用者がベッド30において就寝した際の頭部に、照明器具71の出射した光が直接的に照射されないように、遮光することができる。遮光部11f3は、壁部11fの一例であってもよい。
【0067】
また、遮光部11f3は、照明器具71を介して第2壁部11f2と対向して配置されている。このため、遮光部11f3は、第2壁部11f2とともに照明器具71が照射した光が通過する開口部11hを形成している。これにより、照明器具71が点灯すると、照明器具71が出射した光は、遮光部11f3及び第2壁部11f2で反射されて開口部11hから出射され、部屋10の壁部11f及びベッド30等でさらに反射して頭部領域R1aに照射される。
【0068】
入力部91は、利用者からの入力を受け付けることができる。具体的には、入力部91に対して利用者が利用時間を入力すると、入力部91は、利用者が入力した利用時間を示す情報である利用時間情報を演算部92に出力する。
【0069】
また、入力部91は、ベッド30の長手方向において、照明器具71が配置されている側とは反対側に配置されている。つまり、入力部91は、利用者がベッド30に就寝した際の頭部側に配置されている。このため、利用者は、寝ながら入力部91を操作することができる。
【0070】
また、入力部91は、操作装置40と一体的に構成されていてもよい。また、入力部91は、操作装置40と分離独立して構成されていてもよい。
【0071】
利用時間は、照明一定区間と、第1照明制御区間と、第2照明制御区間とを有する。第1照明制御区間、照明一定区間、及び、第2照明制御区間は、この時系列順に並んでいる。
【0072】
照明一定区間は、照明器具71の光の出力が略一定となる区間であり、利用者が仮眠する区間である。また、照明一定区間の長さは、利用時間の長さの20%以上である。また、照明一定区間におけるベッド30の表面の照度であるベッド面照度の最大値が常に50lx未満である。なお、ベッド面照度の最大値は、常に40lx未満、常に30lx未満、常に20lx未満、常に10lx未満であってもよい。
【0073】
ここで、光の出力が略一定とは、例えば、ベッド面において、約60秒間で明るさが変化しない、又は、利用者が明るさの変化を感じない程度で一定という意味である。明るさの変化は、例えば、60秒の間に±10lx以内の変化である。この程度の明るさの変化であれば、利用者の眠りを妨げ難い。
【0074】
ここで、ベッド面照度とは、照明器具71の少なくとも一方が点灯したときのベッド30の表面の照度である。特に、ベッド面照度の最大値が常に50lx未満は、頭部領域R1aにおけるベッド面照度である。頭部領域R1aにおけるベッド面照度とは、利用者がベッド30に就寝した際の頭部が配置されるベッド30の表面の照度である。本実施の形態では、頭部領域R1aにおけるベッド面照度は、ベッド30に就寝した利用者の頭部の照度、つまり顔面照度と同等とみなす。
【0075】
第1照明制御区間は、照明一定区間よりも前の区間であり、利用者に入眠を促す区間である。第1照明制御区間は、5秒間でベッド30の表面の照度であるベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを含む。つまり、第1照明制御区間では、室内空間が明るくなったり暗くなったりするという、光のゆらぎが周期的に繰り返される。
【0076】
また、第1照明制御区間の平均照度は、照明一定区間の平均照度の1.5倍以上である。つまり、利用者が仮眠する区間(照明一定区間)の方が、利用者に入眠を促す区間(第1照明制御区間)よりも暗くなるため、休憩室1は利用者に対して適切な仮眠環境となる。
【0077】
第2照明制御区間は、照明一定区間よりも後の区間であり、利用者に覚醒を促す区間である。また、第2照明制御区間は、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させる区間を含んでいる。また、第2照明制御区間の長さは、利用時間の長さの35%以下である。
【0078】
また、第2照明制御区間における終了時点と、利用時間の終了時点とは略一致する。つまり、利用者を覚醒させるための第2照明制御区間が利用時間の後半に配置されることで、利用者は効率的な休息を取得することができる。
【0079】
また、第1照明制御区間の長さと照明一定区間の長さとの合計は、第2照明制御区間の長さよりも長い。この場合、利用者に入眠を促す区間である第1照明制御区間と、利用者が仮眠する区間である照明一定区間とによって、利用者の仮眠時間を長く確保することができる。このため、利用者は、仮眠時間が短い場合でも、仮眠時間をできるだけ長く取得することができるため、休息を取ることができる。
【0080】
また、照明一定区間の長さは、第1照明制御区間の長さよりも長い。照明一定区間は利用者が仮眠している期間であるため、演算部92は、第1照明制御区間よりも照明一定区間を長く設定する。これにより、利用者は、利用時間が短い場合でも、仮眠時間をできるだけ長く取得することができるため、休息を取ることができる。
【0081】
演算部92は、入力部91から利用時間情報を取得し、取得した利用時間情報に基づいた照明制御指示を生成し、生成した照明制御指示を照明器具71に出力する。具体的には、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じて、照明一定区間の長さを変化させ、変化させた照明一定区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。
【0082】
また、演算部92は、第1照明制御区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。具体的には、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じ、第1照明制御区間の長さを変化させ、変化させた第1照明制御区間の長さに応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。
【0083】
また、演算部92は、第2照明制御区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。具体的には、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じ、第2照明制御区間の長さを変化させ、変化させた第2照明制御区間の長さに応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。
【0084】
また、演算部92は、利用時間が30分未満の場合、第1照明制御区間が5分未満となるように第1照明制御区間の長さを変化させ、かつ、第2照明制御区間が5分未満となるように第2照明制御区間の長さを変化させる。演算部92は、変化させた第1照明制御区間の長さと、第2照明制御区間の長さとに応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。
【0085】
また、演算部92は、利用時間が30分以上の場合、第1照明制御区間が5分以上となるように第1照明制御区間の長さを変化させ、かつ、第2照明制御区間が5分以上となるように第2照明制御区間の長さを変化させる。演算部92は、変化させた第1照明制御区間の長さと、第2照明制御区間の長さとに応じた照明制御指示を照明器具71に出力することで、照明器具71を制御する。
【0086】
また、演算部92は、利用時間が30分未満の場合、第1照明制御区間が5分未満となるように第1照明制御区間の長さを変化させ、利用時間が30分以上の場合、第1照明制御区間が5分以上となるように第1照明制御区間の長さを変化させてもよい。この場合、第1照明制御区間が5分未満のときの第1照明制御区間の変化、及び、第1照明制御区間が5分以上のときの第1照明制御区間の変化は、演算部92が利用時間の長さに応じて、時間軸方向に第1照明制御区間を時間的に伸縮させた変化であってもよい。このように、演算部92が利用時間が30分未満又は利用時間が30分以上の場合に、第1照明制御区間を時間的に伸縮させることで、第1照明制御区間を細かく設定することができるため、明るさの変化に連続性があり、明るさの急激な変化が抑制される。これにより、利用者の覚醒時における不快感を抑制することができる。
【0087】
また、演算部92は、利用時間が30分未満の場合、第2照明制御区間が5分未満となるように第2照明制御区間の長さを変化させ、利用時間が30分以上の場合、第2照明制御区間が5分以上となるように第2照明制御区間の長さを変化させてもよい。この場合、第2照明制御区間が5分未満のときの第2照明制御区間の変化と、第2照明制御区間が5分以上のときの第2照明制御区間の変化とは、互いに時間軸方向に第2照明制御区間を時間的に伸縮させた変化であってもよい。このように、演算部92が利用時間が30分未満又は利用時間が30分以上の場合に、第2照明制御区間を時間的に伸縮させることで、明るさの変化に連続性があり、明るさの急激な変化が抑制される。これにより、利用者の覚醒時における不快感を抑制することができる。
【0088】
また、第2照明制御区間が5分未満のときの第2照明制御区間の変化は、第2照明制御区間が5分以上のときの第2照明制御区間の変化と、時間的な伸縮及び相似等の関係性がなくてもよい。このように、第2照明制御区間において、第2照明制御区間が5分未満のときと5分以上のときとで異なる照明制御が行われてもよい。利用者によって仮眠の取り方は異なるため、利用者を覚醒させる方法を変化させることで、利用者の覚醒時における不快感を抑制することができる。
【0089】
また、演算部92は、第1照明制御区間と第2照明制御区間とのいずれかの区間における照明器具71の駆動をOFF状態にしてもよい。例えば、利用時間が短すぎる場合、第1照明制御区間及び第2照明制御区間のうちの一方を省略することで、利用者の仮眠時間を確保してもよい。
【0090】
音響装置61は、部屋10に音楽を再生することで、入眠効果のある音楽を利用者に提供したり、覚醒効果のある音楽を利用者に提供したりすることができる。音響装置61は、部屋10に収容され、例えば室内空間Rに配置されている。音響装置61は、利用者が操作装置40を操作することで、室内空間Rで流す音楽を変更したり、音量を調節したりすることができる。
【0091】
送風機62は、部屋10内に配置され、部屋10に設けられた吸込口20bから空気を吸込み、室内空間Rに設けられた吹出口20aから空気を吹き出すことで、室内空間R内に気流を発生させる。送風機62は、駆動して外部空間の空気を取り入れることで、室内空間Rにおける空気の温度及び湿度等を調節することができる。
【0092】
これにより、送風機62は、ダクト20の吸込口20b側に配置された状態で駆動することで、吸込口20bから吹出口20aに向かう気流を発生させることができる。また、送風機62は、吹出口20aから空気を吹き出させることができるため、ベッド30に就寝した利用者に対して吹き付ける風を強めたり、吹き付けないようにしたりすることができる。このような送風機62の出力は、操作装置40によって調節することができる。
【0093】
また、送風機62は、利用者がベッド30において就寝した際の足元側に配置されている。また、送風機62は、ダクト20における流路上に配置されている。本実施の形態では、送風機62は、第3空間R3において、吸込口20bと対向するように吸込口20bと同等の高さであり、利用者の頭部から遠ざけるように、ベッド30よりも天井13側に配置されている。
【0094】
芳香器63は、部屋10内に配置され、吹出口20aから吹き出す空気に芳香剤を導入することで、室内空間Rの芳香剤の量を調節することができる。例えば、芳香器63は、制御装置60の制御によって送風機62が駆動することで、吸込口20bから吹出口20aに向かう空気に芳香剤を含ませることができる。つまり、芳香剤は、吸込口20bから吹出口20aに向かう気流に乗せられることで、室内空間Rに導かれる。これにより、室内空間Rに利用者が喜ぶ香りを充満させたりすることができる。このような芳香器63の出力は、操作装置40によって調節することができる。
【0095】
なお、芳香器63は、送風機62を駆動させなくても、室内空間Rに芳香剤を導入することができる。つまり、芳香器63は、単に室内空間R内に配置されているだけで、芳香剤の香りを室内空間Rに充満させることができる。
【0096】
また、芳香器63は、利用者がベッド30において就寝した際の足元側に配置されている。具体的には、芳香器63は、ダクト20における流路上又は第3空間R3に配置されている。本実施の形態では、芳香器63は、送風機62よりも下流側(吹出口20a側)であり、利用者の頭部から遠ざけるように、送風機62よりも天井13側に配置されている。
【0097】
なお、本実施の形態では、送風機62及び芳香器63は、天井13よりもZ軸マイナス方向側(下方側)に位置しているが、これに限定されない。送風機62だけが天井13よりもZ軸マイナス方向側に位置しているだけでもよい。なお、本実施の形態では、送風機62及び芳香器63は、利用者がベッド30において就寝した際の足元側に配置されているが、これに限定されない。送風機62だけが利用者がベッド30において就寝した際の足元側に配置されているだけでもよい。これらの場合、芳香器63は、天井13の上に配置されていてもよく、ダクト20の吹出口20a近傍に配置されていてもよい。
【0098】
電源部80は、照明器具71に電力を供給することで光の出力を制御したり、音響装置61、送風機62及び芳香器63に電力を供給することで出力を制御したりする。つまり、電源部80は、照明器具71、音響装置61、送風機62及び芳香器63を駆動させるための駆動電力を生成し、この駆動電力を照明器具71、音響装置61、送風機62及び芳香器63のそれぞれに供給する。
【0099】
[第1照明制御区間について]
照明器具71は、第1照明制御区間において、一定の周期で照明制御してもよい。つまり、照明器具71は、演算部92から照明制御指示を取得することで、第1照明制御区間において、脈動的に光の出力の大小を交互に繰り返して変化させてもよい。この場合、第1照明制御区間において、ベッド面では、室内空間が明るくなったり暗くなったりするという、光のゆらぎが周期的に繰り返される。また、第1照明制御区間の長さは、一定の周期の略整数倍としてもよい。
【0100】
ここで、第1照明制御区間における一定の周期で照明制御した場合の明るさについて、
図4A~
図4Eで例示する。
図4A~
図4Eでは、例えばベッド面照度を例示している。
【0101】
まず、
図4Aは、第1照明制御区間が5分未満のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す図である。
図4Aに示すように、第1照明制御区間が5分未満のように短い場合、照明器具71は、ベッド面が明るくなったり暗くなったりを繰り返すように照明してもよい。
図4Aでは1周期当たりが40秒である5周期分の光の揺らぎを例示している。
【0102】
次に、
図4Bは、第1照明制御区間が5分以上のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す図である。
図4Bに示すように、第1照明制御区間が5分以上のように長い場合、照明器具71は、ベッド面が明るくなったり暗くなったりを繰り返すように照明してもよい。
図4Bでは1周期当たりが40秒である23周期分の光の揺らぎを例示している。
【0103】
次に、
図4Cは、第1照明制御区間が5分未満のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す別の図である。
図4Cに示すように、第1照明制御区間が5分未満のように短い場合、照明器具71は、ベッド面が明るくなったり暗くなったりを繰り返しながら、時間の経過とともに光のゆらぎ幅が次第に小さくなるように照明してもよい。
図4Cでは1周期当たりが40秒である5周期分の光の揺らぎを例示している。
【0104】
次に、
図4Dは、第1照明制御区間が5分以上のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示す別の図である。
図4Dに示すように、第1照明制御区間が5分以上のように長い場合、照明器具71は、ベッド面が明るくなったり暗くなったりを繰り返しながら、時間の経過とともに光のゆらぎ幅が次第に小さくなるように照明してもよい。
図4Dでは1周期当たりが40秒である23周期分の光の揺らぎを例示している。
【0105】
図4C及び
図4Dのように、揺らぎ幅を次第に小さくする照明をすると、利用者は、休憩室1内のような暗い場所に滞在している場合、目の明るさに対する感度が増す、いわゆる暗順応してもゆらぎを明るく感じすぎず、入眠を妨げられ難くなる。
【0106】
次に、
図4Eは、第1照明制御区間が5分以上のときに光のゆらぎを周期的に繰り返した場合を示すさらに別の図である。
図4Eに示すように、第1照明制御区間が5分以上のように長い場合、照明器具71は、ベッド面が明るくなったり暗くなったりを繰り返すように照明してもよい。
図4Eのように、
図4A~
図4Dよりも1周期当たりの時間を長くしてもよい。また、図示はしないが、
図4A~
図4Dよりも1周期当たりの時間を短くしてもよい。
図4Eでは1周期当たりが180秒である5周期分の光の揺らぎを例示している。
【0107】
なお、
図4A~
図4Eは第1照明制御区間の一例であり、第1照明制御区間は、
図4A~
図4Eに限定されない。また、1周期当たりの時間、周期数についても、本実施の形態に限定されない。
【0108】
[第2照明制御区間について]
ここで、第2照明制御区間におけるベッド面照度について、
図5A~
図5Fで例示する。
【0109】
【0110】
まず、
図5Aは、第2照明制御区間が長い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す図である。
図5Aに示すように、第2照明制御区間が長い場合、照明器具71は、時間の経過とともにベッド面照度を上昇させるように照明する。
【0111】
次に、
図5Bは、第2照明制御区間の長さが中程度である場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す別の図である。
図5Bに示すように、第2照明制御区間の長さが中程度である場合、照明器具71は、時間の経過とともに
図5Aよりも急勾配でベッド面照度を上昇させるように照明する。
【0112】
次に、
図5Cは、第2照明制御区間が短い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示すさらに別の図である。
図5Cに示すように、第2照明制御区間が短い場合、照明器具71は、時間の経過とともに
図5Bよりもさらに急勾配でベッド面照度を上昇させる。
【0113】
次に、
図5Dは、第2照明制御区間が非常に短い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示すさらに別の図である。
図5Dに示すように、第2照明制御区間が非常に短い場合、照明器具71は、時間の経過とともに
図5Cよりもさらに急勾配でベッド面照度を上昇させるように照明する。
【0114】
次に、
図5Eは、第2照明制御区間の長さが中程度である場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す別の図である。
図5Eに示すように、第2照明制御区間は、非常に緩やかにベッド面照度を上昇させる第2-1区間と、第2-1区間よりも急勾配でベッド面照度を上昇させる第2-2区間とを有していてもよい。この場合、照明器具71は照明するが、第2-1区間では、ベッド面照度は非常に低い、つまりベッド面は暗い。また、第2-2区間では、ベッド面照度が急に上昇して明るくなる。
【0115】
次に、
図5Fは、第2照明制御区間が長い場合における第2照明制御区間のベッド面照度を示す別の図である。
図5Fに示すように、第2照明制御区間は、緩やかにベッド面照度を上昇させる第2-1区間と、第2-1区間よりも急にベッド面照度を上昇させる第2-2区間とを有していてもよい。この場合、第2-1区間では、ベッド面照度は低い、つまりベッド面は薄暗い。第2-2区間では、ベッド面照度が急に上昇して明るくなる。
【0116】
このような、
図5A~
図5Dにおいて、利用者の仮眠時間が短い場合、利用者は、できるだけ仮眠時間を確保したい場合がある。この場合、利用者は、
図5Aのような照明制御期間が設定されていても、
図5B及び
図5C等のようなより照明制御期間の短い照明制御を選択してもよい。このように、利用者は、操作装置40を操作することで、自身の好みに応じて、
図5Aよりも照明制御期間が短い照明制御を選択することができてもよい。
【0117】
また、
図5E及び
図5Fにおいて、第1照明制御区間を長く設定して、頭部領域R1aの照度が低くなるように第2照明器具72が光を照射することで、利用者を覚醒させないように利用者の眠りを浅くすることが期待できる。そして、利用者の眠りが浅くなってから短時間のうちに頭部領域R1aの照度が明るくなるようにすることで、利用者の起床時における不快感を抑制することができる。このため、利用者が深い眠りのときに、ベッド面照度が急激に明るくなることで、利用者の不快感が増すといった不具合が生じ難くなる。
【0118】
<処理動作>
図6は、実施の形態に係る休憩室1の処理動作を示すフローチャートである。
【0119】
まず、
図6に示すように、利用者は、入力部91に対して利用時間を入力する。入力部91は、利用時間の入力を受け付けることで、利用時間を示す情報である利用時間情報を演算部92に出力する。これにより、演算部92は、利用時間を取得する(S11)。
【0120】
次に、演算部92は、利用者に入眠を促す区間である第1照明制御区間と、利用者が仮眠する区間である照明一定区間と、利用者に覚醒を促す区間である第2照明制御区間とを設定する(S12)。
【0121】
例えば、演算部92は、利用時間に応じて、第1照明制御区間の長さ、照明一定区間の長さ、及び、第2照明制御区間の長さをそれぞれ設定する、つまり変化させる。具体的には、演算部92は、第1照明制御区間の平均照度を照明一定区間の平均照度の1.5倍以上に設定する。また、演算部92は、照明一定区間の長さを利用時間の長さの20%以上に設定する。また、演算部92は、第2照明制御区間の長さを利用時間の長さの35%以下に設定する。また、演算部92は、照明一定区間の長さを第1照明制御区間の長さよりも長く設定する。また、演算部92は、第1照明制御区間の長さと照明一定区間の長さとの合計を第2照明制御区間の長さよりも長く設定する。
【0122】
また、演算部92は、第1照明制御区間のベッド面照度、照明一定区間のベッド面照度、及び、第2照明制御区間のベッド面照度をそれぞれ設定する。具体的には、演算部92は、第1照明制御区間において、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを設定する。また、演算部92は、照明一定区間におけるベッド面照度の最大値が常に50lx未満に設定する。また、演算部92は、第2照明制御区間において、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させる区間を設定する。
【0123】
このように、演算部92は、設定した第1照明制御区間、照明一定区間、及び、第2照明制御区間をこの時系列順となるそれぞれの照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0124】
次に、照明器具71は、第1照明制御区間に応じた照明制御指示を取得すると、第1照明制御区間において、当該照明制御指示に応じた照明制御で点灯する(S13)。第1照明制御区間では、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを含むため、利用者は、入眠し易くなる。
【0125】
次に、照明器具71は、照明一定区間に応じた照明制御指示を取得すると、照明一定区間において、照明制御指示に応じた照明制御で点灯する(S14)。照明一定区間では、ベッド面照度の最大値が常に50lx未満とすることで、利用者は、薄暗い環境で仮眠することができる。
【0126】
次に、照明器具71は、第2照明制御区間に応じた照明制御指示を取得すると、第2照明制御区間において、照明制御指示に応じた照明制御で点灯する(S15)。第2照明制御区間では、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させることで、利用者は光に慣れる。このため、仮眠中の利用者は、不快感をさほど覚えずに覚醒することができる。
【0127】
<作用効果>
次に、本実施の形態における休憩室1の作用効果について説明する。
【0128】
上述したように、本実施の形態の照明システム3は、利用者が就寝するベッド30の表面を照明する照明システム3であって、利用時間を入力するための入力部91と、入力部91から利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部92と、演算部92から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具71とを備える。また、利用時間は、照明器具71の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間を有する。また、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じて、照明一定区間の長さを変化させ、変化させた照明一定区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。また、照明一定区間の長さは、利用時間の長さの20%以上である。そして、照明一定区間におけるベッド30の表面の照度であるベッド面照度の最大値が常に50lx未満である。
【0129】
これによれば、照明一定区間では、ベッド面照度の最大値を常に50lx未満とすることで、薄暗い環境を利用者に提供することができる。このため、利用者は、仮眠を取ることができる。また、照明一定区間を利用時間の長さの20%以上とすることで、利用者は、薄暗い環境で仮眠することができる時間を確保することができる。
【0130】
したがって、この照明システム3では、利用者の仮眠時間を確保することができる。その結果、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0131】
また、本実施の形態の照明システム3において、利用時間は、照明一定区間よりも前の区間である第1照明制御区間を有する。また、第1照明制御区間は、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを含む。そして、演算部92は、第1照明制御区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0132】
これによれば、第1照明制御区間では、利用者の周囲の明るさを明るくしたり暗くしたりという、光のゆらぎを周期的に繰り返すことで、利用者に眠気を与えることができる。このため、利用者は、入眠しやすくなるため、効率的に休息を取ることができる。
【0133】
また、本実施の形態の照明システム3において、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じ、第1照明制御区間の長さを変化させ、変化させた第1照明制御区間の長さに応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0134】
これによれば、第1照明制御区間の長さが利用時間に応じて変化するため、利用者が仮眠することができる時間を長く確保することができる。このため、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0135】
また、本実施の形態の照明システム3において、利用時間は、照明一定区間よりも後の区間である第2照明制御区間を有する。また、第2照明制御区間は、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させる区間を含む。また、第2照明制御区間の長さは、利用時間の長さの35%以下である。そして、演算部92は、第2照明制御区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0136】
例えば、第2照明制御区間が長すぎれば、利用者は早く目覚めてしまうことがある。本実施の形態では、第2照明制御区間の長さを利用時間の長さの35%以下にすることで、利用者の仮眠時間を確保しつつ、利用者の早期覚醒を抑制することができる。また、第2照明制御区間では、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させることで、仮眠中の利用者を緩やかに覚醒させることができる。このため、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0137】
また、本実施の形態の照明システム3において、演算部92は、利用時間の長さに応じ、第2照明制御区間の長さを変化させ、変化させた第2照明制御区間の長さに応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0138】
これによれば、利用時間に応じて第2照明制御区間の長さが変化するため、利用者が仮眠することができる時間を長く確保することができる。このため、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0139】
また、本実施の形態の照明システム3において、利用時間を入力するための入力部91と、入力部91から取得した利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部92と、演算部92から照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具71とを備える。また、利用時間は、照明器具71の光の出力が略一定となる区間である照明一定区間と、照明一定区間よりも前の区間である第1照明制御区間と、照明一定区間よりも後の区間である第2照明制御区間とを有する。また、演算部92は、取得した利用時間情報に示される利用時間の長さに応じて、照明一定区間の長さを変化させ、変化させた照明一定区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。そして、第1照明制御区間の長さと照明一定区間の長さとの合計は、第2照明制御区間の長さよりも長い。
【0140】
これによれば、利用時間に第1照明制御区間、照明一定区間、及び、第2照明制御区間が設定されていても、第1照明制御区間の長さと照明一定区間の長さとの合計は、第2照明制御区間の長さよりも長いため、利用者の入眠から仮眠終了までの期間をできるだけ長く確保することができるようになる。
【0141】
したがって、この照明システム3では、利用者の仮眠時間を確保することができる。その結果、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0142】
また、本実施の形態の照明システム3において、照明一定区間の長さは、第1照明制御区間の長さよりも長い。
【0143】
これによれば、利用者の仮眠時間をより長く確保することができるため、より効率的な休息を取得することができる。
【0144】
また、本実施の形態の照明システム3において、第1照明制御区間は、5秒間でベッド30の表面の照度であるベッド面照度を0.03lx以上上昇させる区間と、5秒間でベッド面照度を0.03lx以上下降させる区間とを含む。また、第2照明制御区間は、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させる区間を含む。また、第1照明制御区間、照明一定区間、及び、第2照明制御区間は、この時系列順に並ぶ。そして、演算部92は、第1照明制御区間、照明一定区間、及び、第2照明制御区間に応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0145】
これによれば、第1照明制御区間において、利用者の周囲の明るさを明るくしたり暗くしたりという、光のゆらぎを周期的に繰り返すことで、利用者に眠気を与えることができる。また、照明一定区間では、ベッド面照度の最大値が常に50lx未満とすることで、薄暗い環境を利用者に提供することができるため、利用者は、仮眠を取ることができる。また、第2照明制御区間では、10秒間でベッド面照度を10lx以上上昇させることで、仮眠中の利用者を緩やかに覚醒させることができる。このため、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0146】
また、本実施の形態の照明システム3において、第1照明制御区間の平均照度は、照明一定区間の平均照度の1.5倍以上である。
【0147】
これによれば、照明一定区間の方が第1照明制御区間よりも暗いため、照明一定区間において利用者に対して仮眠させやすい環境を提供することができる。このため、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0148】
また、本実施の形態の照明システム3において、演算部92は、利用時間が30分未満の場合、第1照明制御区間が5分未満となるように第1照明制御区間の長さを変化させ、かつ、第2照明制御区間が5分未満となるように第2照明制御区間の長さを変化させ、変化させた第1照明制御区間の長さと、第2照明制御区間の長さとに応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0149】
例えば、「生理心理学と精神生理学 25(1):45-59,2007 特集 睡眠学への心理学の貢献 午後の眠気対策としての短時間仮眠 広島大学大学院総合科学研究科 林光緒・堀忠雄」によれば、30分以下の短時間仮眠は人を快適に覚醒させる効果を持ち、30分以上の仮眠は徐波睡眠が出現して深い睡眠となることが開示されている。例えば、30分未満のような短時間仮眠では、照明制御の時間が短くなり、利用者は、明るさの急激な変化によって、覚醒した際に不快感を覚える場合がある。
【0150】
そこで、本実施の形態では、30分未満は仮眠と捉え、第1照明制御区間及び第2照明制御区間を5分未満に設定することで、利用者の仮眠時間を確保することができる。このため、利用者は、効率的に休息を取ることができる。
【0151】
また、本実施の形態の照明システム3において、演算部92は、利用時間が30分以上の場合、第1照明制御区間は5分以上となるように第1照明制御区間の長さを変化させ、かつ、第2照明制御区間は5分以上となるように第2照明制御区間の長さを変化させ、変化させた第1照明制御区間の長さと、第2照明制御区間の長さとに応じた照明制御指示を照明器具71に出力する。
【0152】
上述した「生理心理学と精神生理学 25(1):45-59,2007 特集 睡眠学への心理学の貢献 午後の眠気対策としての短時間仮眠 広島大学大学院総合科学研究科 林光緒・堀忠雄」によれば、30分以下の短時間仮眠は人を快適に覚醒させる効果を持ち、30分以上の仮眠は徐波睡眠が出現して深い睡眠となることが開示されている。例えば、30分未満のような短時間仮眠では、照明制御の時間が短くなり、利用者は、明るさの急激な変化によって、覚醒した際に不快感を覚える場合がある。
【0153】
そこで、本実施の形態では、30分以上は仮眠ではなく睡眠と捉え、第1照明制御区間及び第2照明制御区間を5分以上に設定する。このため、利用者の覚醒時における明るさの急激な変化が抑制されるため、照明器具71の光による不快感を抑制することができる。
【0154】
また、本実施の形態の照明システム3において、照明器具71は、第1照明制御区間において、一定の周期で照明制御する。そして、第1照明制御区間の長さは、一定の周期の略整数倍である。
【0155】
これによれば、第1照明制御区間において、利用者の周囲では、室内空間が明るくなったり暗くなったりするという、光のゆらぎが周期的に繰り返される。このように、光の明るさの変化に連続性があり、かつ急激な変化を伴わないため、利用者は、不快感を覚え難く、入眠しやすくなる。
【0156】
また、照明器具71は光の出力を増加させたり、減少させたりすることを繰り返すだけであるため、照明器具71の制御は容易である。このため、照明システム3の処理が複雑化し難くなる。
【0157】
また、本実施の形態の照明システム3において、演算部92は、第1照明制御区間と第2照明制御区間とのいずれかの区間における照明器具71の駆動をOFF状態にする。
【0158】
これによれば、利用者は、第1照明制御区間又は第2照明制御区間の照明制御が好みに合わない場合、いずれかの区間の照明制御を停止させることができる。このため、利用者は、好みの照明制御区間を選択的に使用することができる。その結果、照明システム3では、利便性が高くなる。
【0159】
また、本実施の形態の照明システム3は、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つと、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つを制御する制御装置60と、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つを操作する操作装置40とを備える。
【0160】
これによれば、音響装置61、送風機62及び芳香器63のうちの少なくとも1つを制御することができるため、利用者に対して快適な仮眠環境を提供することができる。
【0161】
また、本実施の形態の休憩室1は、さらに、ベッド30の周囲に配置された1つ以上の壁部11fと、天井13と、照明システム3とを備える。
【0162】
これによれば、壁部11fと天井13とを備えたブース(部屋10)と、照明システム3とを組み合わせたセットとすることで、ベッド面照度、特に頭部領域R1aにおけるベッド面照度を所望の照度となるように、容易に設定することができる。
【0163】
また、本実施の形態の休憩室1において、休憩室1の外寸法は、1100mm以下×2100mm以下×1950mm以下である。そして、休憩室1の外寸法は、下限値が600mm以上×1900mm以上×1000mm以上である。
【0164】
これによれば、休憩室1が本外寸法であれば、エレベータに乗せることが可能な大きさであるため、休憩室1を搬入搬出し易くなる。
【0165】
また、室内空間Rにおける利用者の利用スペースを確保し、かつ、利用者に圧迫感を与えない程度に休憩室1の大型化を抑制することができる。具体的には、休憩室1は、人の肩幅である約50cm以上に設定され、さらに身長190cmの人が寝れるように設定され、さらに人の座高である約90cm以上に設定されている。このため、人が仰向けで就寝することができるスペースを確保することができている。
【0166】
また、本実施の形態の休憩室1は、さらに、移動部を備える。
【0167】
これによれば、自由に移動可能な可搬式の休憩室1を提供することができる。
【0168】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る照明システム及び休憩室について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0169】
例えば、上記実施の形態に係る照明システム及び休憩室は、利用時間を入力するための入力部と、前記入力部から前記利用時間を示す情報である利用時間情報を取得する演算部と、前記照明制御指示を受けることで、光の出力を変化させる照明器具とを備えていてもよい。また、前記利用時間は、利用時間における後半の区間(利用時間の前半50%よりも後の区間)であり、10秒間に10lx以上上昇する区間を含む照明制御区間を有していてもよい。前記演算部は、前記照明制御区間に応じた前記照明制御指示を前記照明器具に出力してもよい。この場合、照明制御区間の長さは、利用時間の長さの35%以下であってもよい。
【0170】
また、上記実施の形態に係る照明システム及び休憩室において、利用時間は、第1照明制御区間、照明一定区間及び第2照明制御区間を含んでいるが、他の照明制御区間を含んでいてもよい。このため、上記実施の形態の第1照明制御区間、照明一定区間、第2照明制御区間に限定されない。
【0171】
また、上記実施の形態に係る照明システム及び休憩室において、照明器具は、光色を変化させる調色機能を有していてもよい。照明器具は、演算部から調色指示を取得することで、調色制御を実行してもよい。これにより、照明器具は、出射する光について、光色(色温度又はカラー)を変更することができる。なお、照明器具は、光色を変化させる調色機能を有していればよい。
【0172】
また、上記実施の形態に係る照明システム及び休憩室に含まれる制御装置、演算部等は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0173】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0174】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0175】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0176】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0177】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0178】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0179】
1 休憩室
3 照明システム
11f 壁部
11f1 第1壁部(壁部)
11f2 第2壁部(壁部)
12 キャスター(移動部)
13 天井
30 ベッド
40 操作装置
60 制御装置
61 音響装置
62 送風機
63 芳香器
71 照明器具
91 入力部
92 演算部