(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050043
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20230403BHJP
A42B 3/28 20060101ALI20230403BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20230403BHJP
H04R 7/12 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
H04R3/00 310
A42B3/28
H04R1/00 310F
H04R1/00 318D
H04R7/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160196
(22)【出願日】2021-09-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】河内 洋人
(72)【発明者】
【氏名】田上 宣昭
(72)【発明者】
【氏名】三ツ井 哲也
【テーマコード(参考)】
3B107
5D016
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
3B107EA08
3B107EA13
5D016AA07
5D017AC17
5D220AA01
5D220AA02
5D220AB08
5D220DD03
(57)【要約】
【課題】振動子により音情報が出力されているときに、正しく音量を調整する情報処理装置を提供する。
【解決手段】ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する騒音検出部30と、ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する速度検出部40と、音声情報生成部10からの音情報に基づいた振動子20の振動がヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、速度検出部40において検出した移動速度に基づいて音の音量を制御し、振動子20の振動による音が放射されていないときは、騒音検出部30において検出した騒音レベルに基づいて音の音量を制御する音量制御部50とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する騒音検出部と、
前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する速度検出部と、
音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する音量制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記音量制御部は、前記移動速度または前記騒音レベルに基づいて前記音量を制御するとき、現在の前記音量からの変化量が所定値より大きくならないように前記音量を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
騒音検出部と、速度検出部と、音量制御部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、
騒音検出部が、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する第1の工程と、
速度検出部が、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する第2の工程と、
音量制御部が、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する第3の工程と、
を備える情報処理方法。
【請求項4】
騒音検出部と、速度検出部と、音量制御部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
騒音検出部が、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する第1の工程と、
速度検出部が、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する第2の工程と、
音量制御部が、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する第3の工程と、
を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
騒音検出部と、速度検出部と、音量制御部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体であって、
騒音検出部が、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する第1の工程と、
速度検出部が、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する第2の工程と、
音量制御部が、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する第3の工程と、
を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した非一過性の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯端末からのナビゲーションの音声案内や音楽を聞くためのスピーカや、ツーリングを行う仲間同士間のコミュニケーションを取るためのインターカム等をヘルメットに装着し、二輪車の走行を楽しむ人が増加している。
ここで、ヘルメットを装着した運転者に対して音情報を伝達する技術としては、例えば、ヘルメット内部にスピーカを配設する技術や、振動子によりヘルメット表面を振動させ、音情報を運転者に伝達する技術等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の装置では、走行中の風切り音、エンジン音等の騒音により、音楽や音声ガイダンス等が聞こえにくくなるため、例えば、騒音の大きさをマイク等で検出し、騒音の大きさに基づいて音量を調整することが行われている。
しかしながら、振動子の振動をヘルメットに伝達させて音情報を運転者に伝達する装置では、ヘルメットの周辺に配置したマイクにより騒音を収音すると、振動子の振動によって発生した音を騒音として収音してしまうために、音量が正しく調整できないという課題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上述の一例として挙げられた課題に鑑みてなされたものであり、振動子の振動によりヘルメットの内部に放射される音の音量を正しく調整する情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する騒音検出部と、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する速度検出部と、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する音量制御部と、を備える情報処理装置である。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、騒音検出部と、速度検出部と、音量制御部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、騒音検出部が、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する第1の工程と、速度検出部が、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する第2の工程と、音量制御部が、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する第3の工程と、を備える情報処理方法である。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、騒音検出部と、速度検出部と、音量制御部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、騒音検出部が、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する第1の工程と、速度検出部が、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する第2の工程と、音量制御部が、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する第3の工程と、を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、騒音検出部と、速度検出部と、音量制御部と、を備えた情報処理装置の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体であって、騒音検出部が、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する第1の工程と、速度検出部が、前記ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する第2の工程と、音量制御部が、音情報に基づいた振動子の振動が前記ヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、前記移動速度に基づいて前記音の音量を制御し、前記振動子の振動による前記音が放射されていないときは、前記騒音検出部において検出した前記騒音レベルに基づいて前記音の音量を制御する第3の工程と、を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した非一過性の記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図2】実施例1に係る情報処理装置の音量制御部の処理フローを示す図である。
【
図3】実施例1に係る情報処理装置の音量制御部が音量の補正値を決定するときに参照する表の一例を示す図である。
【
図4】実施例2に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図5】実施例2に係る情報処理装置の音量制御部の処理フローを示す図である。
【
図6】その他の実施例に係る情報処理装置の音量制御部が音量の補正値を決定するときに参照する表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態に係る情報処理装置は、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する騒音検出部と、ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する速度検出部と、音情報に基づいた振動子の振動をヘルメットに伝達し音を放射しているときは、移動速度に基づいて音の音量を制御し、振動子により音を放射していないときは、騒音検出部において検出した騒音レベルに基づいて音の音量を制御する音量制御部と、を備えている。
振動子の振動による音情報が出力されているときに、騒音検出部において騒音レベルを検出すると、騒音以外にヘルメットの振動により放射された音も検出してしまうため、正しい騒音レベルを検出することができない。
そのため、音量制御部は、振動子の振動による音情報が出力されているときには、速度検出部において検出したユーザの移動速度に基づいて、音量を制御する。
一方で、振動子の振動による音情報が出力されていないときには、騒音検出部において検出した騒音レベルに基づいて、音量を制御する。
これにより、振動子の振動によりヘルメットの内部に放射される音の音量を正しく調整することができる。
【0012】
<実施例1>
図1から
図3を用いて、本実施例に係る情報処理装置1について説明する。
【0013】
<情報処理装置1の構成>
図1を用いて、本実施例に係る情報処理装置1の構成について説明する。
情報処理装置1は、音声情報生成部10と、振動子20と、騒音検出部30と、速度検出部40と、音量制御部50と、を含んで構成されている。
情報処理装置1は、音情報に基づいた振動子20の振動をヘルメットに伝達して、携帯端末装置100からの音情報をユーザに伝達する装置である。
【0014】
音声情報生成部10は、例えば、BT(Bluetooth)を用いて携帯端末装置100と接続し、携帯端末装置100からの音信号を受信して、その音信号を振動子20に出力する。
音声情報生成部10は、後述する音量制御部50において決定された音量設定に基づいて、振動子20に出力する音信号の大きさを調整する。
ここで、携帯端末装置100としては、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯音楽プレーヤ等を例示することができる。
また、音声情報生成部10が受信する音情報としては、例えば、携帯端末装置100で再生された音楽や、携帯端末装置100にインストールされたナビゲーションアプリからのルート案内音声等を例示することができる。
また、音声情報生成部10は、振動子20に対して、音声信号を出力しているか否かを示す情報である、音声信号出力情報を音量制御部50に送信する。
【0015】
振動子20は、音声情報生成部10から入力された音信号に基づいた振動を発生する。
振動子20が発生させた音信号に基づいた振動を、ヘルメットに伝達させることにより、ヘルメット内部に音が放射される。
なお、振動子20は、発生させた振動をヘルメットに伝達できる位置に配置する必要があるため、振動子20は情報処理装置1とは別体として構成されていてもよい。
【0016】
騒音検出部30は、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する。
具体的には、騒音検出部30は、例えば、ヘルメット周辺に配置されたマイクにより音を収音し、収音した音に基づいて騒音レベルを検出する。
騒音検出部30は、検出した騒音レベルを音量制御部50に送信する。
【0017】
速度検出部40は、ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する。
具体的には、速度検出部40は、例えば、携帯端末装置100から受信した現在位置情報に基づいて、ユーザの移動速度を算出する。
速度検出部40は、算出した移動速度を音量制御部50に送信する。
なお、速度検出部40は、ユーザの移動速度が検出できればよく、例えば、情報処理装置1がGPS受信装置を備え、GPS受信装置からの現在位置情報に基づいてユーザの移動速度を算出してもよい。
【0018】
音量制御部50は、音情報に基づいた振動子20の振動をヘルメットに伝達させてヘルメット内部に放射する音の音量を制御する。
音量制御部50は、音声情報生成部10からの音情報に基づいた振動子20の振動がヘルメットに伝達されて、音が放射されているときには、速度検出部40において検出された移動速度に基づいて音量を制御し、振動子20の振動による音が放射されていないときは、騒音検出部30において検出した騒音レベルに基づいて音量を制御する。
【0019】
振動子20の振動による音が出力されているときに、騒音検出部30において騒音レベルを検出すると、騒音以外にヘルメットの振動により放射された音も検出してしまうため、正しい騒音レベルを検出することができない。
すなわち、音量制御部50は、振動子20の振動による音情報が出力されているときには、速度検出部40において検出したユーザの移動速度に基づいて、音量の補正量を決定する。
一方で、振動子20の振動による音情報が出力されていないときには、騒音検出部30において検出した騒音レベルに基づいて、音量の補正量を決定する。
音量制御部50は、移動速度、または、騒音レベルに基づいて音量の補正量を決定し、音声情報生成部10に音量情報を送信する。
ここで、音量の補正量とは、例えば、走行中では無い時(速度検出部40で検出された移動速度から停止状態と判定した時)に、ユーザが設定した音量に対して、どれだけ音量を上げるかを示した値である。
なお、音量制御部50の処理の詳細については、以下に説明する。
【0020】
<音量制御部50の処理>
図2を用いて、音量制御部50の処理のフローについて説明する。
【0021】
音量制御部50は、音声情報生成部10からの音信号に基づいた振動子20の振動がヘルメットに伝達され、音が放射されているか否かを判定する(ステップS100)。
具体的には、音量制御部50は、音声情報生成部10から受信した、音声信号出力情報に基づいて、現在、音が放射されているか否かを判定する。
音が放射されていると判定された場合(ステップS100の「YES」)には、処理をステップS110に移行させる。
一方で、音が放射されていないと判定された場合(ステップS100の「NO」)には、処理をステップS120に移行させる。
【0022】
音が放射されていると判定された場合(ステップS100の「YES」)には、速度検出部40からユーザの移動速度を取得し、音量の補正量を決定する(ステップS110)。
【0023】
音が放射されていないと判定された場合(ステップS100の「NO」)には、騒音検出部30から騒音レベルを取得し、音量の補正量を決定する(ステップS120)。
【0024】
ここで、ステップS110およびステップS120における、音量の補正量の決定処理について説明する。
【0025】
音が放射されていない時には、例えば、
図3に示すような、騒音レベル毎の音量補正量が示された補正量設定テーブルを参照し、音量制御部50は、音量補正量を決定する。
例えば、騒音検出部30において検出された騒音レベルが、88dB、103dB、110dBの場合には、それぞれ音量の補正量が、+6dB、+12dB、+15dBに設定される。
また、音が放射されている時には、例えば、
図3に示すような、速度毎の音量補正量が示された補正量設定テーブルを参照し、音量制御部50は、音量補正量を決定する。
例えば、速度検出部40において検出された移動速度が、50km/h、100km/h、150km/hの場合には、それぞれ音量の補正量が+6dB、+12dB、+15dBに設定される。
ここで、
図3に示した補正量設定テーブルは、50km/h毎の音量補正量が設定された補正量設定テーブルを例示したが、例えば、10km/h毎に音量補正量が設定された補正量設定テーブルであってもよい。
【0026】
ステップS110またはステップS120において決定された音量の補正量を、音声情報生成部10に送信する(ステップS130)。
音声情報生成部10は受信した音量の補正量に基づいて、振動子20に出力する音信号の大きさを調整し、音の大きさを制御する。
【0027】
音量制御部50は、情報処理装置1の電源がオフされたか否かを判定する(ステップS140)。
電源がオフされていないと判定された場合には(ステップS140の「NO」)、処理をステップS100に戻し、処理が継続される。
一方で、電源がオフされたと判定された場合(ステップS140の「YES」)には、処理を終了させる。
【0028】
本実施例に係る情報処理装置1は、ヘルメットの周辺の騒音レベルを検出する騒音検出部30と、ヘルメットを装着したユーザの移動速度を検出する速度検出部40と、音声情報生成部10からの音情報に基づいた振動子20の振動がヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、速度検出部40において検出した移動速度に基づいて音の音量を制御し、振動子20の振動による音が放射されていないときは、騒音検出部30において検出した騒音レベルに基づいて音の音量を制御する音量制御部50とを備えている。
振動子20の振動による音情報が出力されているときに、騒音検出部30において騒音レベルを検出すると、騒音以外にヘルメットの振動により放射された音も検出してしまうため、正しい騒音レベルを検出することができない。
すなわち、音量制御部50は、振動子20の振動による音情報が出力されているときには、速度検出部40において検出したユーザの移動速度に基づいて、音量を制御する。
一方で、振動子20の振動による音情報が出力されていないときには、騒音検出部30において検出した騒音レベルに基づいて、音量を制御する。
これにより、振動子20の振動によりヘルメットの内部に放射される音の音量を正しく調整することができる。
【0029】
<実施例2>
図4および
図5を用いて、本実施例に係る情報処理装置1Aについて説明する。
【0030】
<情報処理装置1Aの構成>
図4を用いて、本実施例に係る情報処理装置1Aの構成について説明する。
情報処理装置1Aは、音声情報生成部10と、振動子20と、騒音検出部30と、速度検出部40と、音量制御部50Aと、を含んで構成されている。
なお、実施例1と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0031】
音量制御部50Aは、音声情報生成部10からの音情報に基づいた振動子20の振動をヘルメットに伝達させてヘルメット内部に放射する音の音量を制御する。
音量制御部50Aは、音声情報生成部10からの音情報に基づいた振動子20の振動がヘルメットに伝達され、音が放射されているときは、速度検出部40において検出された移動速度に基づいて音の音量を制御し、振動子20の振動による音が放射されていないときは、騒音検出部30において検出した騒音レベルに基づいて音量を制御する。
また、音量制御部50Aは、移動速度または騒音レベルに基づいて音量を制御するときに、現在設定されている音量からの変化量が所定値より大きくならないように音量を制御する。
つまり、音量の急激な変化は、ユーザに対して驚き、違和感等を与えるため、音量を変化させる制御を行うときには、変化量の制限値を設けて、音量を制御する。
なお、音量制御部50Aの処理の詳細については、以下に説明する。
【0032】
<音量制御部50Aの処理>
図5を用いて、音量制御部50Aの処理のフローについて説明する。
【0033】
音量制御部50Aは、音声情報生成部10からの音信号に基づいた振動子20の振動がヘルメットに伝達され、音が放射されているか否かを判定する(ステップS100)。
具体的には、音量制御部50Aは、音声情報生成部10から受信した、音声信号出力情報に基づいて、現在、音が放射されているか否かを判定する。
音が放射されていると判定された場合(ステップS100の「YES」)には、処理をステップS110に移行させる。
一方で、音が放射されていないと判定された場合(ステップS100の「NO」)には、処理をステップS120に移行させる。
【0034】
音が放射されていると判定された場合(ステップS100の「YES」)には、速度検出部40から現在の移動速度を取得し、音量の補正量を決定する(ステップS110)。
【0035】
音が放射されていないと判定された場合(ステップS100の「NO」)には、騒音検出部30から騒音レベルを取得し、音量の補正量を決定する(ステップS120)。
【0036】
ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量と、現在、音声情報生成部10に設定されている音量補正量との変化量が所定値以下か否かを判定する(ステップS200)。
つまり、ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量を音声情報生成部10に設定したときに、急激な音量の変化が起きるか否かを判定している。
ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量と、現在、音声情報生成部10に設定されている音量補正量との変化量が所定値以下である場合(ステップS200の「YES」)には、処理をステップS220に移行させる。
一方で、ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量と、現在、音声情報生成部10に設定されている音量補正量との変化量が所定値以上である場合(ステップS200の「NO」)には、処理をステップS210に移行させる。
具体的には、ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量と、音声情報生成部10に現在設定されている音量補正量との変化量が、-6dBから+6dBの間にない場合には、急激な音量変化が発生すると判断する。
【0037】
ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量と、音声情報生成部10に現在設定されている音量補正量との変化量が所定値以上である場合(ステップS200の「NO」)には、音量補正量の変化量が、所定値(例えば、上述した具体例の場合では、+6dBまたは-6dB)になるように、ステップS110またはステップS120において決定された音量補正量を修正する(ステップS210)。
【0038】
音量制御部50Aは、音声情報生成部10に、ステップS110、ステップS120、ステップS210のいずれかにおいて決定された音量補正量を音声情報生成部10に送信する(ステップS220)。
音声情報生成部10は、受信した音量補正量に基づいて、振動子20に出力する音信号の大きさを調整し、音量の大きさを制御する。
【0039】
音量制御部50Aは、電源がオフされたか否かを判定する(ステップS140)。
電源がオフされたと判定された場合(ステップS140の「YES」)には、処理を終了させる。
一方で電源がオフされていないと判定された場合には(ステップS140の「NO」)、処理をステップS100に戻し、処理が継続される。
【0040】
本実施例に記載の情報処理装置1Aの音量制御部50Aは、移動速度または騒音レベルに基づいて音量を制御するとき、現在の音量からの変化量が所定値より大きくならないように音量を制御する。
つまり、移動速度または騒音に基づいて音量を変化させる制御を行うとき、急激な音量の変化が発生しないように音量を制御する。
音量の急激な変化は、ユーザに対して驚き、違和感等を与えるため、音量を変化させるときには、変化量の制限値を設定し、音量を制御する。
これにより、運転中のユーザに対して驚きや違和感を与えることをなくすことができる。
また、騒音検出部30において、一過性の大きな騒音(クラクションなど)を検出した場合でも、音量の変化量が制限されるために、運転中のユーザに対して驚きや違和感を与えることをなくすことができる。
【0041】
<その他の実施例>
上述した情報処理装置1の音量制御部50が、音量を制御するときに参照する補正量設定テーブルの数値は、固定値であったが、ユーザの使用環境に合わせて数値を変更するようにしてもよい。
走行騒音は、ユーザが乗車する二輪車のエンジン排気量、エンジン仕様等に変化するため、ユーザの環境に合わせて数値を変更するようにする。
例えば、情報処理装置1は、ヘルメット内部に音が放射されていないときに、二輪車の騒音レベルと移動速度とを取得する。
図6に示すように、例えば、騒音検出部30において検出した騒音レベルが、88dB、103dB、110dBとなった時の移動速度を速度検出部40から取得し、補正量設定テーブルの移動速度の数値をそれぞれ更新する。
これにより、ユーザの環境に合致した補正量設定テーブルが生成できるため、振動子20の振動によりヘルメットの内部に放射される音の音量をより精度よく制御することができる。
【0042】
以上、この発明の実施例につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1;情報処理装置
1A;情報処理装置
10;音声情報生成部
20;振動子
30;騒音検出部
40;速度検出部
50;音量制御部
50A;音量制御部
100;携帯端末装置