(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050070
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】作業支援機器及び作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230403BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026845
(22)【出願日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2021158835
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】名古 拓海
(72)【発明者】
【氏名】山口 佳之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】整備場での作業効率の向上を図ることができ、さらには点検結果のデジタル管理にも資する。
【解決手段】整備場での作業を支援する作業支援機器20であって、整備対象Zを模した整備対象シンボルS1をディスプレイDに表示するとともに、整備対象に含まれる複数の点検箇所をディスプレイDに選択可能に表示する表示制御部22を備え、複数の点検箇所の中から1つが選択された場合に、表示制御部22が、ディスプレイDの表示内容の全体又は一部を、選択された点検箇所に応じた作業画面に切り替えるようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整備場での作業を支援する作業支援機器であって、
整備対象を模した整備対象シンボルをディスプレイに表示するとともに、前記整備対象に含まれる複数の点検箇所を前記ディスプレイに選択可能に表示する表示制御部を備え、
前記複数の前記点検箇所の中から1つが選択された場合に、前記表示制御部が、前記ディスプレイの表示内容の全体又は一部を、選択された前記点検箇所に応じた作業画面に切り替える、作業支援機器。
【請求項2】
前記点検箇所の点検作業において工具により計測された計測値を受け付ける計測値受付部をさらに備え、
前記表示制御部が、前記計測値受付部が受け付けた計測値とともに、前記整備対象シンボル又は前記点検箇所を模した部品シンボルを前記作業画面に表示する、請求項1記載の作業支援機器。
【請求項3】
前記表示制御部が、前記整備対象シンボル又は前記部品シンボルに前記計測値を重ねて表示する、請求項2記載の作業支援機器。
【請求項4】
前記表示制御部が、前記点検箇所のタイプを選択可能に表示するとともに、そのタイプの選択に応じて前記計測値の表示領域である計測値表示領域の配置又は個数を切り替える、請求項2又は3記載の作業支援機器。
【請求項5】
前記表示制御部が、前記整備対象シンボルとして、大型車両を模したものを前記ディスプレイに表示するとともに、前記点検箇所として車輪を模した部品シンボルを、その数及び配置を選択可能に前記ディスプレイに表示する、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の作業支援機器。
【請求項6】
前記表示制御部が、選択された前記点検箇所の計測値を前記ディスプレイに表示し、その他の前記点検箇所の計測値を前記ディスプレイから非表示にする、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の作業支援機器。
【請求項7】
1つの前記点検箇所の点検作業が完了した場合に、所定の点検順序に従って次の前記点検箇所を自動的に選択するように構成されている、請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の作業支援機器。
【請求項8】
前記表示制御部が、選択されている前記点検箇所を、他の前記点検箇所とは識別可能に表示する請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の作業支援機器。
【請求項9】
前記表示制御部が、車輪に用いられる締結具の本数、ホイールの規格、又は前記締結具の締付作業における目標トルクの少なくとも1つを選択可能に前記ディスプレイに表示する、請求項1乃至8のうち何れか一項に記載の作業支援機器。
【請求項10】
整備場での作業を支援する作業支援プログラムであって、
整備対象を模したシンボルをディスプレイに表示するとともに、前記整備対象に含まれる複数の点検箇所を前記ディスプレイに選択可能に表示する表示制御部としての機能をコンピュータに発揮させ、
前記複数の前記点検箇所の中から1つが選択された場合に、前記表示制御部が、前記ディスプレイの表示内容の全体又は一部を、選択された前記点検箇所に応じた作業画面に切り替える、作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業支援機器及び作業支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車整備工場や自動車販売店などの整備場では、例えば車種や点検時期などに応じた様々な点検項目に対して点検作業が行われている(特許文献1)。
【0003】
こうした整備場において、整備士は、分厚い説明書の中から点検箇所のページを開き、そのページに記載されている例えばボルトの締め付ける順番や、そのボルトの指定締付トルクなど、多岐に亘る作業手順を確認しながら点検作業を進めていく。
【0004】
しかしながら、整備対象の点検箇所が多ければ多い程、作業手順の確認を何度も繰り返す必要があり、作業効率が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上述した問題を解決するべくなされたものであり、整備場での作業効率の向上を図ることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る作業支援機器は、整備場での作業を支援する作業支援機器であって、整備対象を模した整備対象シンボルをディスプレイに表示するとともに、前記整備対象に含まれる複数の点検箇所を前記ディスプレイに選択可能に表示する表示制御部を備え、前記複数の前記点検箇所の中から1つが選択された場合に、前記表示制御部が、前記ディスプレイの表示内容の全体又は一部を、選択された前記点検箇所に応じた作業画面に切り替えることを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された作業支援機器であれば、作業者が点検箇所を選択することで、ディスプレイの表示内容が選択された点検箇所に応じた作業画面に切り替わるので、説明書の中から点検箇所のページを探して開く作業を不要にすることができ、作業効率の向上を図れる。
【0009】
ところで、近時、上述した整備場における点検結果の管理方法として、点検結果を用紙に手書き入力することによる管理から、例えばサーバ上でのデジタル管理に変更したいという要望がある。
そこで、前記点検箇所の点検作業において工具により計測された計測値を受け付ける計測値受付部をさらに備え、前記表示制御部が、前記計測値受付部が受け付けた計測値とともに、前記整備対象シンボル又は前記点検箇所を模した部品シンボルを前記作業画面に表示することが好ましい。
このような構成であれば、計測値をデジタル管理できるようになるだけでなく、この計測値を整備対象シンボル又は部品シンボルとともに表示するので、計測値及び点検箇所を直感的に把握することができ、作業性のさらなる向上を図れる。
【0010】
前記表示制御部が、前記整備対象シンボル又は前記部品シンボルに前記計測値を重ねて表示することが好ましい。
このような構成であれば、整備対象シンボル又は部品対象シンボルを作業画面に大きく表示することで、視認性やデザイン性の向上を図りつつ、計測値を表示させることによる作業性の良さをも担保することができる。
【0011】
例えば、点検箇所がブレーキパッドであり、その残量を計測する場合、例えばディスクローターが車輪の左右両側に配置された、いわゆるダブルディスクブレーキであるかシングルディスクブレーキであるかによって装着されたブレーキパッドの数が異なり、計測する箇所数が変わる。
このように点検箇所のタイプがいくつかある場合においても、作業画面の表示態様を柔軟に対応させるためには、前記表示制御部が、前記点検箇所のタイプを選択可能に表示するとともに、そのタイプの選択に応じて前記計測値の表示領域である計測値表示領域の配置又は個数を切り替えることが好ましい。
【0012】
ところで、整備対象としては四輪車や二輪車のみならず、大型車両も対象となり得るところ、前記表示制御部が、前記整備対象シンボルとして、大型車両を模したものを前記ディスプレイに表示するとともに、前記点検箇所として車輪を模した部品シンボルを、その数及び配置を選択可能に前記ディスプレイに表示することが好ましい。
これならば、本発明に係る作業支援機器を種々の大型車両の点検作業に資するものとすることができる。
【0013】
車輪の数が多い大型車両や、1つの車輪に用いられるナット等の締結具が一般的な車両よりも多い車両(例えばバス等)の整備においては、点検箇所となる締結具の総本数も多くなり、それらの締結具の例えば締結作業等により得られる計測値のデータ数も多くなる。
このことから、仮に1つ1つの計測値を小さく表示したり、整備対象シンボルを表示させない別の画面に計測値を表示したりしたとしても、全ての計測値を一挙に表示させることは難しい。
その結果、例えば既に点検を終えた点検箇所の計測値を遡って確認したい場合など、画面をスクロールさせたりする必要が生じてしまい、作業性が損なわれるといった問題が生じる。
【0014】
そこで、前記表示制御部が、選択された前記点検箇所の計測値を前記ディスプレイに表示し、その他の前記点検箇所の計測値を前記ディスプレイから非表示にすることが好ましい。
これならば、表示制御部が、選択された1つの点検箇所のみの計測値を表示し、その他の点検箇所の計測値を非表示にするので、複数の点検箇所の計測値を一挙に表示する場合に比べて、選択された点検箇所の計測値を大きく表示することができ視認性が良いうえ、画面をスクロールすることなくワンタッチで所望の計測値を確認することができ作業性も良い。
【0015】
作業支援機器としては、1つの前記点検箇所の点検作業が完了した場合に、所定の点検順序に従って次の前記点検箇所を自動的に選択するように構成されていることが好ましい。
これならば、点検作業をスムーズに進めることができるし、点検箇所の点検順序を遵守する必要がある場合は、その点検順序を誤らずに作業を進めていくことができる。
【0016】
前記表示制御部が、選択されている前記点検箇所を、他の前記点検箇所とは識別可能に表示することが好ましい。
これならば、作業中の作業者に点検箇所を認知させることができ、点検箇所の誤認識などによるヒューマンエラーを防ぐことができる。
【0017】
種々の大型車両に対応できるようにするためには、前記表示制御部が、前記車輪に用いられる締結具の本数、ホイールの規格、又は前記締結具の締付作業における目標トルクの少なくとも1つを選択可能に前記ディスプレイに表示することが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る作業支援プログラムは、整備場での作業を支援する作業支援プログラムであって、整備対象を模したシンボルをディスプレイに表示するとともに、前記整備対象に含まれる複数の点検箇所を前記ディスプレイに選択可能に表示する表示制御部としての機能をコンピュータに発揮させ、前記複数の前記点検箇所の中から1つが選択された場合に、前記表示制御部が、前記ディスプレイの表示内容の全体又は一部を、選択された前記点検箇所に応じた作業画面に切り替えることを特徴とするものである。
このような作業支援プログラムであれば、上述した作業支援機器と同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0019】
このように構成された本発明によれば、整備場での作業効率の向上を図ることができ、さらには点検結果のデジタル管理にも資する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る作業支援システムの全体構成を示す模式図。
【
図2】同第1実施形態のサポート情報の詳細を説明するための図。
【
図3】同第1実施形態の点検箇所を説明するための模式図。
【
図4】同第1実施形態の点検箇所を説明するための模式図。
【
図5】同第1実施形態の作業支援機器の機能を説明する機能ブロック図。
【
図6】同第1実施形態の表示制御部による表示内容を示す模式図。
【
図7】同第1実施形態の表示制御部による表示内容を示す模式図。
【
図8】同第1実施形態の変化例の表示制御部による表示内容を示す模式図。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る表示制御部による設定画面を示す模式図。
【
図10】同第2実施形態に係る表示制御部による作業画面を示す模式図。
【
図11】同第2実施形態に係る表示制御部による作業画面を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下に、本発明に係る作業支援機器の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態に係る作業支援機器20は、例えば自動車整備工場や自動車販売店などの整備場で用いられ、整備士などの作業者による作業を支援する作業支援システム100を構築するものである。なお、本実施形態の整備対象Zは、二輪車や四輪車や車輪が6つ以上の大型車などの車両である。
【0023】
この作業支援システム100は、
図1に示すように、整備対象Zに関する種々のデータが含まれたサポート情報を格納するサポート情報格納部10と、作業者により操作されてサポート情報格納部10からサポート情報を取得する作業支援機器20とを備える。
【0024】
<サポート情報格納部10>
まず、サポート情報格納部10について説明する。
サポート情報格納部10は、作業支援機器20の外部にあるメモリの所定領域に設定されている。
【0025】
このサポート情報格納部10には、整備対象Zに関する種々のデータを格納されており、具体的には、例えば過去の点検結果を示すデータや、車両購入時の保証内容を示すデータなどが格納されている。
【0026】
然して、サポート情報格納部10は、点検作業時に作業支援機器20により受信されるサポート情報を格納しており、作業者は、このサポート情報に基づいて点検作業を進めることができる。
【0027】
サポート情報は、
図2に示すように、整備対象Zを識別する識別情報、及び、整備対象Zの点検箇所を示す点検箇所情報が結び付けられたものである。
【0028】
なお、例えばボルトの締結部位に対する指定トルクなど、点検箇所の作業によっては目標値が予め定められている場合がある。このような場合には、
図2に示すように、上述した識別情報及び点検箇所情報に、点検箇所に対する作業に応じて予め定められている目標値をさらに結び付けても良い。
【0029】
識別情報は、それぞれの整備対象Z毎に予め付与された互いに異なる固有の情報である。本実施形態では、整備対象Zが二輪車や四輪車などの車両であり、車両一台ずつに割り当てられた個別の車体番号を示す文字列を識別情報として用いている。車体番号は、例えばナンバープレートに記載された番号である自動車登録番号或いは車両番号、又は、車台番号が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
点検箇所情報は、整備対象Zの種々の点検作業時に点検される箇所を示すものであり、例えば、定期点検時の点検箇所、オイル交換時の点検箇所、フィルタ交換時の点検箇所、又は、特定整備時の点検箇所などを示すものである。
【0031】
点検箇所情報の一例としては、整備対象Zの構成部品の名称を示すものが挙げられる。より具体的には、
図3に示すように、フロントアクスルナット、フロントアクスルクランプボルト、トルクロッド、リアキャリパパッドピンなどの締結部位を示すものである。
【0032】
また、点検箇所情報の別の一例としては、整備対象Zにおける構成部品の位置を示すものが挙げられる。より具体的には、
図4に示すように、例えば二輪車のブレーキパッドが取り付けられているFront Right(前方右側)、Front Left(前方左側)、Rear(後方)などの位置を示すものである。
【0033】
<作業支援機器20>
次に、作業支援機器20について説明する。
作業支援機器20は、ディスプレイD、CPU、及びメモリ等を備えた例えばタブレット、スマートフォン、ノートパソコン等の携帯式或いは据え置き式の端末装置であり、前記メモリに格納されたプログラムに基づいて、
図5に示すように、識別情報受付部21、表示制御部22、点検箇所受付部23としての機能を少なくとも発揮する。
【0034】
識別情報受付部21は、入力された識別情報を受け付けるものである。識別情報を入力するための実施態様としては、作業支援機器20が、例えばタッチパネル、キーボード等の入力手段を備える態様や、識別情報を読み取るための識別コードを設けておき、この識別コードを撮像するカメラ等の撮像手段を備える態様を挙げることができる。
【0035】
本実施形態では、例えば整備対象Zの自動車検査証に印字されている識別コード、又は、整備対象Zである車両のナンバープレートをカメラで撮像することにより、その車両の車体番号が識別情報として識別情報受付部21に出力されて受け付けられる。
【0036】
表示制御部22は、識別情報受付部21が受け付けた識別情報に基づいて、
図3及び
図4に示すように、整備対象Zを模したシンボルである整備対象シンボルS1をディスプレイDに表示する。
【0037】
この整備対象シンボルS1のイメージデータは、上述した識別情報と結び付けられており、作業支援機器20のメモリに格納されていても良いし、サポート情報格納部10に格納されていても良い。
【0038】
例えば整備対象Zが二輪車である場合、表示制御部22は、
図3に示すように、二輪車を模したシンボルを整備対象シンボルS1としてディスプレイDに表示する。
【0039】
さらに、この表示制御部22は、上述した識別情報に基づいて、整備対象Zに含まれる複数の点検箇所をディスプレイDに選択可能に表示する。
【0040】
具体的に表示制御部22は、識別情報に結び付けられている点検箇所情報をサポート情報格納部10から取得して、この点検箇所情報の示す点検箇所をディスプレイDに表示する。すなわち、この表示制御部22は、上述した整備対象シンボルS1と点検箇所とを同一画面上に同時に表示する。
【0041】
点検箇所の表示態様としては、
図3に示すように、点検箇所である構成部品の名称を選択可能に表示する態様や、
図4に示すように、点検箇所である構成部品の位置を選択可能に表示する態様を挙げることができる。
【0042】
点検箇所受付部23は、表示制御部22により表示された点検箇所のうち、ユーザにより選択された点検箇所を示す点検箇所情報を受け付けるものである。
【0043】
点検箇所を選択するための実施態様としては、
図3及び
図4に示すように、作業支援機器20が、複数の点検箇所の中から1つを選択するためのタッチパネルやマウス等の入力手段を備える態様を挙げることができる。なお、点検箇所の選択には、マイク等を利用した音声入力が用いられても構わない。
【0044】
本実施形態では、締結部位の複数の名称や構成部品の複数の位置が点検箇所としてディスプレイDに表示されており、作業者がその中から1つを例えばタッチパネルを介して選択すると、その締結部位又は構成部品の位置が点検箇所情報として点検箇所受付部23に出力されて受け付けられる。
【0045】
そして、本実施形態の表示制御部22は、複数の点検箇所の中から1つが選択された場合に、ディスプレイDの表示内容の全体又は一部を、選択された点検箇所に応じた作業画面に切り替える。
【0046】
この作業画面の切り替えについてより詳細に説明するべく、ボルト等の締結具の締結作業について取り上げる。
【0047】
まず、この締付作業を始める前に、表示制御部22は、
図3に示すように、複数の締結部位を点検箇所としてディスプレイDに選択可能に表示する。
【0048】
そして、これらの締結部位の中から、1つの締結部位が選択されると、表示制御部22は、
図6に示すように、ディスプレイDの表示内容を、その選択された締結部位に応じた作業画面、すなわち締付トルクの測定画面に切り替える。この実施態様では、表示制御部22がディスプレイDの表示内容の全体を切り替えている。
【0049】
この作業画面には、例えば、選択された締結部位の締結作業に用いられる締結具の数であり、具体的には複数の締結具それぞれをナンバリングした数字が表示されている。なお、ここでは締結部位の左側の締結具及び右側の締結具それぞれをナンバリングした数字が2列に表示されている。
【0050】
そして、これらの数字それぞれに対応する所定領域が、締付作業における締付トルクを表示する計測値表示領域V1として設定されている。
【0051】
また、表示制御部22は、
図6に示すように、選択された締結部位(点検箇所)を示す点検箇所情報に結び付けられている目標値をサポート情報格納部10から取得して、この目標値を測定画面の目標値表示領域V2に表示しても良い。なお、表示制御部22としては、ユーザが入力した目標値を受け付けて、その目標値を目標値表示領域V2に表示するように構成されていても構わない。
【0052】
そして、この締結部位の締付作業において、作業者が、例えばトルクレンチを用いて締結具を締結すると、その締結作業における実際の締付トルクが、トルクレンチ又はレンチに取り付けられたトルク計測器から作業支援機器20に送信される。
【0053】
本実施形態の作業支援機器20は、
図5に示すように、それぞれの点検作業において工具Xを用いて計測された計測値を受け付ける計測値受付部24を備えており、表示制御部22は、計測値受付部24が受け付けた計測値を、上述した計測値表示領域V1に例えばリアルタイムに表示する。
【0054】
次に、作業画面の切り替えの別の実施態様として、ブレーキパッドの点検作業を取り上げる。
【0055】
まず、この締付作業を始める前に、表示制御部22は、
図4に示すように、ブレーキパッドの複数の位置を点検箇所としてディスプレイDに選択可能に表示する。
【0056】
そして、これらの位置の中から、1つの位置が選択されると、表示制御部22は、
図7に示すように、ディスプレイDの表示内容を、その選択された位置に応じた作業画面、すなわち選択された位置にあるブレーパッドの残量の測定画面に切り替える。
【0057】
この作業画面には、選択されたブレーキパッドが、他のブレーキパッドと識別可能に表示されている。この実施態様では、表示制御部22がディスプレイDの表示内容の一部を切り替えている。
【0058】
より具体的に説明すると、この作業画面は、ブレーキパッドの位置それぞれに対応する複数の対応領域V3に区切られており、表示制御部22は、選択されたブレーキパッドに対応する対応領域V3の例えば色、明るさ、模様などの表示態様を、その他のブレーキパッドに対応する対応領域V3の表示態様と異ならせる。
【0059】
上述した構成において、表示制御部22は、ブレーキパッドの位置に対応して区切られた対応領域V3それぞれに、ブレーキパッド残量に関する計測値を表示する計測値表示領域V1を表示する。
【0060】
この計測値表示領域V1は、整備対象シンボルS1である二輪車のシンボルの一部と重なり合うように表示されており、この計測値表示領域V1に表示される計測値も整備対象シンボルと重なり合うことになる。
【0061】
ところで、表示制御部22は、
図7に示すように、点検箇所の計測箇所数と同数の計測値表示領域V1を表示しており、ブレーキバッドの残量の点検作業では、例えばディスクローターが車輪の左右両側に配置された、いわゆるダブルディスクブレーキであるかシングルディスクブレーキであるかによって装着されたブレーキパッドの数が異なり、計測する箇所数が変わる。
【0062】
そこで、本実施形態の表示制御部22は、点検箇所であるブレーキパッドのタイプを選択可能に表示するとともに、そのタイプの選択に応じて計測値表示領域V1を切り替える。なお、ここでいうタイプとは、点検箇所の仕様又は種類を表すものである。
【0063】
より具体的に説明すると、表示制御部22は、
図7に示すように、点検箇所のタイプを測定画面の所定領域に設定されているタイプ選択領域V4に選択可能に表示する。
【0064】
本実施形態では、点検箇所であるブレーキパッドのタイプとして、シングルディスク又はデュアルデスクを例えばタッチパネルやマウス等の入力手段を用いて選択できるようにしてある。なお、ブレーキパッドのタイプの選択には、マイク等を利用した音声入力が用いられても構わない。
【0065】
そして、本実施形態の作業支援機器20は、
図5に示すように、選択されたタイプを示すタイプ情報を受け付けるタイプ受付部25を備えており、このタイプ受付部25が受け付けたタイプ情報に基づいて、表示制御部22が、上述した対応領域V3の区切り方を変えるとともに、計測値表示領域V1の配置及び個数を切り替える。なお、選択されるタイプによっては、計測値表示領域V1の個数を変えずに、配置のみを切り替えても良い。
【0066】
なお、上述した点検作業において、1つの点検箇所の計測を終えた後、作業者が次の点検箇所を選択することを契機に作業画面が切り替わっても良いし、1つの点検箇所の計測を終えたことを契機に表示制御部22が作業画面を自動的に次の点検箇所に対応した画面に切り替えても良い。
【0067】
このように構成された作業支援機器20によれば、作業者が点検箇所を選択することで、ディスプレイDの表示内容が選択された点検箇所に応じた作業画面に切り替わるので、説明書の中から点検箇所のページを探して開く作業を不要にすることができ、作業効率の向上を図れる。
【0068】
また、計測値受付部24が、点検箇所の点検作業において工具Xにより計測された計測値を受け付けるので、計測値のデジタル管理が可能となる。
さらに、この計測値を整備対象シンボルとともに表示するので、計測値及び点検箇所を直感的に把握することができ、作業性のさらなる向上を図れる。
【0069】
加えて、表示制御部22が、整備対象シンボルに計測値を重ねて表示するので、整備対象シンボル又は部品対象シンボルを作業画面に大きく表示することで、視認性やデザイン性の向上を図りつつ、計測値を表示させることによる作業性の良さをも担保することができる。
【0070】
さらに加えて、表示制御部22が、点検箇所のタイプを選択可能に表示するとともに、そのタイプの選択に応じて計測値表示領域V1の配置及び個数を切り替えるので、点検箇所のタイプに応じて計測値表示領域V1の配置を柔軟に切り替えることができる。
また、このように計測値表示領域V1の配置及び個数を切り替えることで、例えばブレーキパッド残量を計測する箇所やその箇所数を一見して把握することができる。
【0071】
[第1実施形態の変形例]
なお、本発明は、前記第1実施形態に限られるものではない。
【0072】
例えば、作業支援システム100は、前記実施形態ではトルクレンチを用いた締付作業やノギス等の計測具を用いたブレーキパッド残量の計測作業に用いられる場合について説明したが、例えばデプスゲージを用いたタイヤの溝深さの計測作業などに用いられても良い。
【0073】
表示制御部22は、前記実施形態では、整備対象シンボルS1とともに計測値を表示するものであったが、
図8に示すように、整備対象Zの構成部品を模した部品シンボルS2とともに計測値を表示するものであっても良い。
この
図8に示す作業画面は、オイルドレンのボルトの締結作業における締付トルクの測定画面であり、表示制御部22は、点検箇所たるオイルドレンを模した部品シンボルS2を表示するとともに、この部品シンボルS2の少なくとも一部に重なり合うように計測値表示領域V1を表示している。
【0074】
また、前記実施形態の表示制御部22は、複数の点検箇所の中から1つが選択された場合に、ディスプレイDの表示内容を、締付トルクの測定画面やブレーキパッド残量の測定画面に切り替えるものであったが、必ずしも測定画面に切り替える必要はなく、選択された点検箇所に応じた手順作業に沿った作業画面に切り替えても良い。
かかる作業画面としては、例えば点検箇所の点検項目を表示して、それらの点検項目の点検が完了しているか否かを確認する確認画面などを挙げることができる。
【0075】
識別情報の入力は、前記実施形態ではタッチパネルやキーボード等の入力手段や撮像手段を利用していたが、マイク等を利用した音声入力であっても良い。
【0076】
整備対象Zとしては、車両に限らず、自転車、電車、航空機、船舶、農機などの移動体や、各種産業機械などであっても良い。
【0077】
[第2実施形態]
続いて、本発明に係る作業支援機器20の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0078】
本第2実施形態の作業支援機器20は、特に大型車両の点検作業に資するものであり、前記第1実施形態と同様に、ディスプレイDの表示内容を制御する表示制御部22等としての機能を備えている。なお、ここでいう大型車両とは、大型自動車やトレーラー(被牽引車)など、少なくとも6つ以上の車輪を備えるものである。
【0079】
そして、この表示制御部22による表示内容の切り替えが、前記実施形態とは異なる特徴的な部分であるので、以下に詳述する。
【0080】
まず、
図9を参照しながら、点検作業の前に用いられる設定画面の表示内容について説明する。
【0081】
表示制御部22は、
図9に示すように、設定画面において、種々の設定項目の内容を選択可能に表示する。なお、選択の具体的な方法としては、タッチパネルやマウス等の入力手段を用いても良いし、マイク等を利用した音声入力を用いても良い。
【0082】
具体的にこの表示制御部22は、整備対象たる大型車両を模した整備対象シンボルS1として、その大型車両の少なくとも車輪の数及び配置を表示する。
【0083】
ここで、車輪は、整備対象たる大型車両にとっての点検箇所であるところ、表示制御部22は、整備対象シンボルS1とともに整備対象に含まれる複数の点検箇所をも表示していることになる。
【0084】
より具体的に説明すると、本実施形態の表示制御部22は、点検箇所である車輪を模した部品シンボルS2を表示するものであり、この部品シンボルS2の表示・非表示を選択可能に表示するものである。なお、ここでは車輪を構成するタイヤを模したものを部品シンボルS2として表示しているが、車輪を構成するホイールを模したものを部品シンボルS2として表示しても良い。
【0085】
この部品シンボルS2を介して、車輪の数及び配置が、上述した選択項目の1つとして選択可能に表示されており、少なくとも6つ以上を選択可能に表示することで、種々の大型車両を模した整備対象シンボルS1を表示できるようにしてある。ここでは、ダブルタイヤをも表示できるようにするべく、一対の車輪を6組以上、選択可能に表示させている。
【0086】
この設定画面において、表示制御部22は、車輪の数及び配置の他、車輪の点検作業に関する複数の作業関連情報をも設定項目として選択可能にディスプレイDに表示している。具体的には、
図9に示すように、1つの車輪に用いられているナット又はボルト等の締結具の本数、ホイールの形状等を定める規格、ナット又はボルト等の締結具の締付作業における目標トルクなどが作業関連情報として表示されている。なお、以下では、締結具を代表してナットを取り上げて説明する。
【0087】
ただし、上述した設定項目の一部又は全部は、必ずしも作業者が設定する必要はなく、例えば整備対象のナンバープレートを撮影することにより、そのナンバープレートに紐付いて記憶されている設定項目の内容が自動的に設定されて、その内容が表示制御部22により表示されるようにしても良い。このような態様であれば、手入力によるミスを低減させることができる。
【0088】
また、ナットの本数として設定される値は、ホイールの規格に応じていくつかの選択肢に限定されることから、表示制御部22としては、ナットの本数とホイールの規格との不適切な組み合わせを選択不能に表示しても良い。
【0089】
上述した設定画面を操作することによる設定作業が終わり、そのことが例えばOKボタン等を介して入力されると、表示制御部22は、ディスプレイDの表示内容を設定画面から、
図10に示す作業画面に切り替える。
【0090】
この作業画面においても、表示制御部22は、整備対象を模した整備対象シンボルS1を表示しており、この整備対象シンボルS1は、大型車両を模したものであって、具体的には上述した設定画面で選択された車輪の数及び配置が反映されたものである。なお、この実施形態では、車輪の数及び配置の他、上述した設定画面で選択した設定項目の内容も、表示制御部22により作業画面に表示されている。
【0091】
より具体的に説明すると、本実施形態の表示制御部22は、作業画面においても、点検箇所である車輪を模した部品シンボルS2を表示しており、複数の点検箇所それぞれに車輪を模した部品シンボルS2を選択可能に表示している。
【0092】
そして、例えば点検作業の開始時に作業者が複数の中から1つの点検箇所を選択すると、表示制御部22は、選択されている部品シンボルS2を、その他の部品シンボルS2とは識別可能に表示する。
【0093】
識別可能にするための態様としては、例えば、選択された点検箇所の周りに枠線などのマークMを付したり、選択された点検箇所の色や明るさなどの表示態様を他の点検箇所とは変えたりする態様を挙げることができ、これにより、点検作業中の作業者に選択されている点検箇所を認知させることができる。
【0094】
また、1つの点検箇所が選択されると、表示制御部22は、選択された点検箇所の測定結果欄Aを、整備対象シンボルS1とともに同一画面上に表示する。このとき、表示制御部22により表示されている測定結果欄Aは、選択された1つ点検箇所に対応するもののみであり、その他の点検箇所に対応する測定結果欄Aは表示されない。
【0095】
測定結果欄Aには、上述した設定画面で選択されたナットの本数と同じ数の計測値表示領域V1が設けられている。そして、この実施形態においても、前記第1実施形態と同様、作業者が、例えばトルクレンチを用いてナットを締結すると、その締結作業における実際の締付トルクが、トルクレンチ又はレンチに取り付けられたトルク計測器から作業支援機器20に送信され、その締付トルクが計測値として、表示制御部22により上述した計測値表示領域V1に例えば逐次表示される。
【0096】
かかる構成により、本実施形態の表示制御部22は、選択された1つの点検箇所のみの計測値をディスプレイDに表示し、その他の点検箇所の計測値は仮に得られていたとしてもディスプレイDから非表示にする。
【0097】
そして、1つの点検箇所に含まれる全てのナットの締結作業が完了し、それぞれのナットの締付トルクが計測値表示領域V1に表示されると、この実施形態では、作業支援機器20により次の点検箇所が自動的に選択される。
【0098】
より具体的に説明すると、本実施形態の作業支援機器20は、所定の点検順序に従って点検箇所それぞれを自動的に順次選択する機能(以下、自動送り機能ともいう)を備えており、かかる機能により、1つの点検箇所の点検作業が完了した場合に、所定の点検順序に従って次の点検箇所を選択する。
【0099】
ここでの作業支援機器20は、自動送り機能の点検順序を複数パターンの中から選択できるように構成されており、
図10に示すように、点検順序のパターンが表示制御部22により例えば作業画面中の順序表示欄V5に切替可能に表示されている。
【0100】
点検順序の具体例としては、例えば始めに選択された点検箇所から右回り(時計回り)に選択していく順、或いは、左回り(半時計回り)に選択していく順などを挙げることができる。
また、別の点検順序としては、上述した設定画面で選択される規格それぞれに応じて定められていても良く、具体的には、内側に位置する点検箇所を点検した後に外側に位置する点検箇所を点検する順などを挙げることができる。
【0101】
かかる構成において、表示制御部22は、複数の点検箇所の中から1つが選択されるたびに、ディスプレイDの表示内容を選択された点検箇所に応じた作業画面に切り替える。
【0102】
この実施形態の表示制御部22は、
図11に示すように、選択された点検箇所に応じて、ディスプレイDの表示内容の一部を切り替えるように構成されており、具体的には、選択されている点検箇所を示す枠線などのマークMを上述した点検順序に従って自動送りさせるとともに、測定結果欄Aをその前に選択されていた点検箇所のものから新たに選択された点検箇所のものに切り替える。
【0103】
以上の動作が繰り返されて、全ての点検箇所の点検作業が終了すると、例えば1枚の点検用紙に測定結果が集約されてプリントアウトされるようにしても良い。
【0104】
このよう構成された作業支援機器20によれば、表示制御部22が、選択された1つの点検箇所のみの計測値を表示し、その他の点検箇所の計測値を非表示とするので、複数の点検箇所の計測値を一挙に表示する場合に比べて、選択された点検箇所の計測値を大きく表示することができ視認性が良いうえ、ワンタッチで所望の計測値を確認することができ作業性も良い。
【0105】
一方、複数の点検箇所の計測値を一挙に表示すると、車輪の数が多い本実施形態の大型車両のみならず、1つの車輪に用いられるナット等の締結具が一般的な車両よりも多い車両(例えばバス等)の整備においては、ナットの総本数、すなわち得られる計測値も多くなるので、仮に1つ1つの計測値を小さく表示したり、整備対象シンボルS1を表示させない別の画面に計測値を表示したりしたとしても、全ての計測値を一挙に表示することが難しい。その結果、例えば既に点検を終えた点検箇所の計測値を遡って確認したい場合など、画面をスクロールさせたりする必要が生じてしまい、作業性が損なわれる。
【0106】
また、表示制御部22が、整備対象たる大型車両を模した整備対象シンボルS1として、その大型車両の少なくとも車輪の数及び配置を選択可能に表示するので、本発明に係る作業支援機器20が種々の大型車両の点検作業に資するものとなる。
【0107】
さらに、選択されている点検箇所を、他の点検箇所とは識別可能に表示しているので、作業中の作業者に点検箇所を認知させることができ、点検箇所の誤認識などによるヒューマンエラーを防ぐことができる。
【0108】
そのうえ、1つの点検箇所の点検作業が完了すると、次の点検箇所が自動的に選択されるので、点検作業をスムーズに進めることができるし、点検箇所の点検順序を遵守する必要がある場合は、その点検順序を誤らずに作業を進めていくことができる。
【0109】
加えて、表示制御部22としては、ナットの本数とホイールの規格との不適切な組み合わせを選択不能に表示するので、これらの選択時における入力ミスを防ぐことができる。
【0110】
[第2実施形態の変形例]
なお、本発明は、前記第2実施形態に限られるものではない。
【0111】
前記第2実施形態では、点検作業としてナットの締付作業を取り上げたが、その他の点検作業としては、タイヤの溝深さ、空気圧、又は硬度などの計測作業を挙げることができる。
例えばタイヤの溝深さの計測作業においては、表示制御部22が、1つのタイヤに対する計測箇所数などを設定項目として設定画面に選択可能に表示しても良い。
【0112】
ところで、仮に1つの車輪に8つのナットが用いられており、これらのうちの1つを誤って2回締付けてしまうと、1つの車輪に対して9つの計測値が得られることになる。
この場合、前記実施形態では、1つの点検箇所の点検作業が完了すると、次の点検箇所が自動的に選択されるので、8つの計測値が得られた後には次の点検箇所が自動的に選択されており、9つ目の計測値が、知らぬ間に次の点検箇所に対する計測値として入力されてしまう。
そこで、このような誤入力を防ぐべく、1つの点検箇所の点検作業が完了した後、作業者が次の点検箇所を選択できるように構成されていても良く、具体的に作業支援機器20としては、自動送り機能をON・OFF切替可能に構成されていても良い。
【0113】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、前記第1実施形態及び前記第2実施形態に限られるものではない。
【0114】
例えば、点検箇所の1つを選択する態様としては、作業者の位置情報を取得するとともに、その位置情報に基づいて、作業者から近い点検箇所が自動的に選択されても良い。
【0115】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
100・・・作業支援システム
Z ・・・整備対象
X ・・・工具
10 ・・・サポート情報格納部
20 ・・・作業支援機器
21 ・・・識別情報受付部
22 ・・・表示制御部
23 ・・・点検箇所受付部
24 ・・・計測値受付部
S1 ・・・整備対象シンボル
D ・・・ディスプレイ
V1 ・・・計測値表示領域
V2 ・・・目標値表示領域
V3 ・・・対応領域
V4 ・・・タイプ選択領域
S2 ・・・部品シンボル
A ・・・測定結果欄