(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050172
(43)【公開日】2023-04-10
(54)【発明の名称】土工機械及び土工機械を運転するための方法
(51)【国際特許分類】
B62D 5/065 20060101AFI20230403BHJP
E01C 19/26 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B62D5/065 B
E01C19/26
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022154858
(22)【出願日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】10 2021 125 185.0
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508123375
【氏名又は名称】ハム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Hamm AG
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ダグナー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ブラウンシュレーガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クライン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュパーバー
【テーマコード(参考)】
2D052
3D333
【Fターム(参考)】
2D052AC01
2D052BB01
3D333DB00
3D333EB04
3D333EB05
(57)【要約】
【課題】油圧ステアリングシステムがエネルギー消費を削減して動作可能であるような土工機械と、当該土工機械を運転するための方法と、を提供する。
【解決手段】圧力流体で作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)で駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、を有する油圧ステアリングシステム(30)を含む土工機械、特にソイルコンパクタ。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機械、特にソイルコンパクタであって、
圧力流体で作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)で駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、を有する油圧ステアリングシステム(30)を含む土工機械。
【請求項2】
車両後部(12)、及び、前記車両後部(12)に対してステアリング軸の周りに旋回可能である車両前部(14)を含んでおり、前記車両前部(14)と前記車両後部(12)との間で作用する少なくとも1つの前記ステアリング機構(26)は、ステアリングピストン/シリンダユニット(28)を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の土工機械。
【請求項3】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、油圧ステアリングユニット(32)を含んでおり、前記油圧ステアリングユニット(32)は、前記ステアリング圧力流体回路(34)から圧力流体を供給され、ステアリング操作機構(66)の操作に依存して、少なくとも1つの前記ステアリング機構(26)に圧力流体を供給することを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項4】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供するように構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項5】
前記ステアリング情報が、ステアリング角又は/及びステアリング角変化率(L)を表していることを特徴とする、請求項4に記載の土工機械。
【請求項6】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記ステアリング情報に依存する回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の土工機械。
【請求項7】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作させるように構成されていること、又は/及び、前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、ステアリング角変化率(L)が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の土工機械。
【請求項8】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記土工機械(10)のトラクションモードの状態に依存する回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項9】
土工機械(10)のトラクションモードの状態が、以下の状態:
-トラクション操作機構(72)が駐車位置に合わせられた、又は/及び、操作者席(24)に誰も着席していない駐車状態、
-前記トラクション操作機構(72)がトラクション準備位置に合わせられたトラクション準備状態、及び
-前記トラクション操作機構(72)がトラクション位置に合わせられたトラクション状態、
を含んでおり、
前記油圧ステアリングシステム(30)は、
-前記駐車状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源の前記電動機(38)の動作を停止させておく、又は/及び、
-前記トラクション準備状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を基本回転数で動作させる、又は/及び、
-前記トラクション状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記基本回転数を超える運転回転数で動作させる、ように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の土工機械。
【請求項10】
前記基本回転数が、ステアリング油圧回路(34)内若しくは/及び前記ステアリング油圧回路から供給される運転油圧システム(67)内の油圧流体の温度に依存すること、又は/並びに、前記基本回転数が、前記ステアリング油圧回路から供給される前記運転油圧システム(67)内の負荷要求に依存することを特徴とする、請求項9に記載の土工機械。
【請求項11】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記トラクション状態において、つねに前記運転回転数で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の土工機械。
【請求項12】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング情報が、ステアリング状態の変化が存在することを示している場合に、前記トラクション状態に入る際、又は/及び、前記トラクション状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を運転回転数で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項4を引用する場合の、請求項9又は10に記載の土工機械。
【請求項13】
前記ステアリング油圧ポンプ(40)が、定量吐出ポンプであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項14】
油圧トラクションドライブシステム(46)が設けられており、前記油圧トラクションドライブシステム(46)は、少なくとも1つの電動機(50)、及び、圧力流体をトラクション油圧回路(54)に供給するための少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(52)を備えた電気油圧式圧力流体源(48)と、前記トラクション油圧回路(54)から圧力流体が供給される少なくとも1つのトラクション油圧モータ(56、58)と、を含んでいることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項15】
前記油圧ステアリングシステム(30)と前記油圧トラクションドライブシステム(46)とは、互いに独立して動作可能である電動機(38、50)を含んでいることを特徴とする、請求項14に記載の土工機械。
【請求項16】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング油圧回路(34)を通じて、圧力流体を前記トラクション油圧回路(54)に供給するように構成されていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の土工機械。
【請求項17】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング油圧回路(34)を通じて圧力流体を流体タンク(62)に送り戻すように構成されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項18】
土工機械(10)、好ましくは請求項1から17のいずれか一項に記載の土工機械(10)を運転するための方法であって、前記土工機械(10)は、油圧ステアリングシステム(30)を含んでおり、前記油圧ステアリングシステム(30)は、圧力流体によって作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)によって駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)と、を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供し、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)は、前記ステアリング情報に依存する回転数(n)で動作する方法。
【請求項19】
前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)が、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作すること、又は/及び、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)が、ステアリング角変化率(L)が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばソイルコンパクタ等の土工機械に関するものであり、ソイルコンパクタは、アスファルト、土壌又は砂利等の地面の上乗せ材料を締固めるために用いられ得る。本発明はさらに、当該土工機械を運転するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソイルコンパクタとして構成された当該土工機械の一例は、
図1に示されている。このソイルコンパクタとして構成された土工機械10は、車両後部12、及び、略垂直なステアリング軸の周りに旋回可能であるように車両後部12と接続された車両前部14を有するように構成されている。車両後部12には、駆動輪16が設けられており、駆動輪16は、ソイルコンパクタ10を締め固められるべき地面18上で移動させるために、回転するように駆動可能である。車両前部14には、締固めローラとして構成された土工ローラ20が回転可能に取り付けられている。
図1に示されたソイルコンパクタの構成では、例えば土工ローラ20も、回転するように駆動されてよい。代替的に、土工ローラ20は、駆動輪16によって前進するのみで、地面18上を転動する。例えば、車両後部12にも締固めローラが設けられているソイルコンパクタの場合、ソイルコンパクタを地面18上で移動させるために、一方又は両方の締固めローラを回転するように駆動してもよいであろう。
【0003】
車両後部12にはさらに、操作台22が設けられており、操作台22内では、ソイルコンパクタを操作するために、操作者が操作者席24に着席することが可能である。操作台22にはさらに、後述する様々な操作機構が設けられており、当該操作機構を通じて、操作台22で操作者席24に着席している操作者は、ソイルコンパクタを操作することができる。一般的に、このようなソイルコンパクタは、車両後部12に、ディーゼルエンジンとして構成された駆動ユニットを有している。本発明においては、車両後部12は、ソイルコンパクタの、当該駆動ユニット又は/及び操作台22が格納されたシステム領域とみなされることが指摘される。ソイルコンパクタの中央の領域に設けられ、一般的に駆動ユニット及び操作台を支持しているフレーム領域に、その両方の端部領域において、それぞれ土工ローラを回転可能に支持するステアリングピボットが、各ステアリング軸の周りに旋回可能に支持されているピボットステアリング式タンデムローラとしてソイルコンパクタが構成されている場合、この両方のステアリングピボットを旋回可能に支持する、ソイルコンパクタの中央に配置された領域は、本発明において、車両後部とみなされる。
【0004】
当該駆動ユニットは、様々な油圧回路において圧力流体を供給するために、1つ又は複数の油圧ポンプを駆動する。例えば、ソイルコンパクタを地面18上で動かすために、トラクション油圧回路が設けられていてよく、トラクション油圧回路を通じて、駆動輪16に配設された油圧モータに圧力流体が供給され得る。当該ソイルコンパクタが、回転するように駆動される1つ又は複数の締固めローラ又は土工ローラ20を有している場合、これらの締固めローラ又は土工ローラ20にも、回転するように駆動するために油圧モータが配設されていてもよい。さらなる油圧回路が、土工ローラ20内の不釣り合い装置を駆動するために用いられ得る。土工ローラ20の揺動運動又は/及び振動運動を生成するように構成され得る当該不釣り合い装置もまた、不釣り合い質量を回転するように駆動するために、1つ又は複数の油圧モータを含み得る。さらなる油圧回路が、ステアリングシステムに配設されていてよい。当該ステアリング油圧回路内に存在する圧力流体は、油圧ステアリングユニットを通じて、例えばハンドル等のステアリング操作機構のステアリング運動に依存して、油圧流体を、ステアリング機構26として有効な1つ又は2つのステアリングピストン/シリンダユニット28に誘導することができる。当該ステアリングピストン/シリンダユニット28によって、車両前部14と車両後部12とは、ステアリング軸の周りで互いに対して旋回し、これによって、ソイルコンパクタは、地面18上を移動する際に操縦される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、油圧ステアリングシステムがエネルギー消費を削減して動作可能であるような土工機械と、当該土工機械を運転するための方法と、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、本課題は、圧力流体で作動する少なくとも1つのステアリング機構と、圧力流体をステアリング圧力流体回路に供給するための少なくとも1つの電動機で駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプを備えた電気油圧式圧力流体源と、を有する油圧ステアリングシステムを含む土工機械、特にソイルコンパクタによって解決される。
【0007】
本発明に従って構成された土工機械では、油圧ステアリングシステムを動作させるためのエネルギーは、バッテリ等から供給を受ける電動機によって供給される。このようなステアリング圧力流体ポンプのための駆動部としての電動機は、ディーゼルエンジンの使用と比較して、電動機が、エネルギー又は圧力流体の当面の需要に合わせて動作することが可能であり、電動機の回転数の自発変化によって、輸送される圧力流体の量を変化する需要に合わせる可能性が提供されるという利点を有している。このような短期間での変化は、ディーゼルエンジンを用いる場合、ディーゼルエンジンの動作状態の変更によっては実現できない。しかしながら、本発明に係る油圧ステアリングシステムは、ステアリング油圧回路を含むことによって、例えば専ら電動で動作するステアリングシステムに対して、非常時ステアリング特性が維持され、このような油圧ステアリングシステムが、特に高い過負荷又は衝撃に対する安定度を有し、操作者に、目下のステアリング状態又はステアリング運動の機械的なフィードバックを与えるという利点を提供する。
【0008】
本発明に従って構成された土工機械は、車両後部と、車両後部に対してステアリング軸の周りに旋回可能な車両前部と、を含むことが可能であり、車両前部と車両後部との間で作用する少なくとも1つのステアリング機構は、ステアリングピストン/シリンダユニットを含んでいる。すでに冒頭で述べたように、2つの例えばステアリングピストン/シリンダユニットとして構成されたステアリング機構を設けることが有利であり、これらのステアリング機構の内の一方又は両方は複動式に、つまり両方の操作方向において作用するように構成されていてよい。
【0009】
ステアリング操作機構、つまり例えばハンドルの、操作者によって引き起こされる操作を、ステアリング機構の対応する変位運動に変換するために、油圧ステアリングシステムは、油圧ステアリングユニットを含むことが可能であり、油圧ステアリングユニットは、ステアリング圧力流体回路から圧力流体を供給され、ステアリング操作機構の操作に依存して、少なくとも1つのステアリング機構に圧力流体を供給する。
【0010】
油圧ステアリングシステムは、少なくとも1つのステアリングセンサを含むことが可能であり、ステアリングセンサは、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供するように構成されている。例えば、このようなステアリングセンサは、ステアリングシャフトの回転を検出し、ステアリング情報は、ステアリング角又は/及びステアリング角変化率を表し得る。本発明では、ステアリング角変化率は、ステアリング角の経時的変化、つまり例えばステアリングシャフトの回転位置の経時的変化、又は、土工機械の車両前部と車両後部との間に占める角度の変化を表していることが指摘される。
【0011】
油圧ステアリングシステムの需要に適合した動作を支援するために、油圧ステアリングシステムが、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、ステアリング情報に依存する回転数で動作させるように構成されていることが提案される。
【0012】
このために、例えば油圧ステアリングシステムは、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数で動作させるように、又は/及び、電動機を、ステアリング角変化率が増大した場合に、増大した回転数で動作させるように構成されていてよい。
【0013】
需要に適合し、従ってエネルギーを節約したステアリングシステムの動作のために、さらに、油圧ステアリングシステムが、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、土工機械のトラクションモードの状態に依存する回転数で動作させるように構成されていることが提案される。本発明では、このようなトラクションモードの状態は、ステアリング運動と直接には関連していない状態、又は、ステアリング運動自体を表してはいない状態によって特徴付けられていることが指摘される。
【0014】
例えば、土工機械のトラクションモードの状態は、以下の状態を含み得る:
-トラクション操作機構が駐車位置に合わせられた、又は/及び、操作者席に誰も着席していない駐車状態、
-トラクション操作機構がトラクション準備位置に合わせられたトラクション準備状態、及び
-トラクション操作機構がトラクション位置に合わせられたトラクション状態。
【0015】
油圧ステアリングシステムは、これらの異なるトラクションモードの状態とみなされる状態を考慮して、
-駐車状態においては、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機の動作を停止させておく、又は/及び、
-トラクション準備状態においては、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を基本回転数で動作させる、又は/及び、
-トラクション状態においては、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、基本回転数を超える運転回転数で動作させる、ように構成されていてよい。
【0016】
構造的かつ制御技術的に単純な構成の場合、油圧ステアリングシステムは、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、トラクション状態において、つねに運転回転数で動作させるように構成されていてよい。これは、当該土工機械がトラクション状態にある場合はつねに、操縦されるか、すなわちステアリング状態の変化が存在するかとは無関係に、当該電動機が運転回転数で、つまり基本回転数を超える回転数で動作することを意味している。
【0017】
代替的な、特に効率的なエネルギー使用に関して特に有利な変型例において、油圧ステアリングシステムは、ステアリング情報が、ステアリング状態の変化が存在することを示している場合、トラクション状態に入る際、又は/及び、トラクション状態において、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を運転回転数で動作させるように構成されていてよい。これは、トラクション状態の間、ステアリング状態の変化、つまりステアリング角の変化のためにエネルギーを消費しなければならないような段階では、電動機の回転数の増大が制限され得ることを意味している。これが必要ではない段階、つまり操縦が行われず、従って例えば直進又は略一定のカーブ半径でコーナリングする際にステアリング角の変化が存在しない段階では、電動機は、より小さい回転数で、すなわち例えば基本回転数で、従ってより少ないエネルギー使用で動作し得る。
【0018】
省エネルギーで、当面の需要にさらに適合した動作は、基本回転数が、ステアリング油圧回路内若しくは/及びステアリング油圧回路から供給される運転油圧システム内の油圧流体の温度に依存すること、又は/並びに、基本回転数が、ステアリング油圧回路から供給される運転油圧システム内の負荷要求に依存することによって支援され得る。
【0019】
本発明に従って構成された土工機械において、エネルギー需要又は圧力流体の需要に適合した油圧ステアリングシステムの動作は、ステアリング圧力流体ポンプの駆動のために設けられた電動機が、当面の需要に適合した回転数で動作する、又は、制御されることによって保証される。従って、ステアリング油圧ポンプの吐出量を存在する需要に適合させることを可能にする、ステアリング油圧ポンプの構造に関する処置は不要であり、従って、ステアリング油圧ポンプは、定量吐出ポンプであってよく、油圧流体の輸送量の変化は、専らポンプ又はポンプを駆動する電動機の回転数の変化によってもたらされる。
【0020】
本発明に係る土工機械の場合、土工機械に加工されるべき地面の上を移動させるために、さらに油圧トラクションドライブシステムが設けられていてよく、油圧トラクションドライブシステムは、少なくとも1つの電動機、及び、圧力流体をトラクション油圧回路に供給するための少なくとも1つのトラクション油圧ポンプを備えた電気油圧式圧力流体源と、トラクション油圧回路から圧力流体が供給される少なくとも1つのトラクション油圧モータと、を含んでいる。従って、油圧トラクションドライブシステムもまた、電気油圧式システムであり、やはり電気油圧によって機能するステアリングシステムのように、油圧トラクションドライブシステムの電動機の動作が、速やか又は自発的に、動作状態における変化又は動作状態において求められる変化に適応可能である、という利点を提供する。
【0021】
特に有利な態様では、油圧ステアリングシステムと油圧トラクションドライブシステムとは、互いに独立して動作可能である電動機を含んでいる。これは、これらの各油圧システムに1つの独立した電動機、又は、複数の独立して機能する電動機が配設されており、油圧ステアリングシステムの電動機は、1つ又は複数のトラクション油圧モータに圧力流体を供給するためには設けられていない一方で、油圧トラクションドライブシステムの電動機は、油圧ステアリングユニット又は1つ若しくは複数のステアリング機構に圧力流体を供給するようには設けられていないことを意味している。これによって、これらの電気油圧式システムのいずれをも、それぞれ他方のシステムとは無関係に、それぞれのシステムに存在する需要に最適に適合するように動作させることが可能になる。
【0022】
異なる油圧システムに、独立した、互いに対して独立して動作可能な電動機が配設されていてよいということとは無関係に、油圧ステアリングシステムは、ステアリング油圧回路を通じて、圧力流体をトラクション油圧回路に供給するように構成されていてよい。これによって、例えばトラクション油圧回路内に生じる圧力流体の損失、又は、トラクション油圧回路内で意図的に引き起こされた、ステアリング油圧回路からの圧力流体の吐出を補償することが可能である。
【0023】
油圧ステアリングシステムは、さらに、ステアリング油圧回路を通じて圧力流体を流体タンクに送り戻すように構成されていてよい。これは、油圧ステアリングシステム又はそのステアリング油圧回路が、基本的に開回路であってよく、回路内に存在する圧力流体の過熱を回避するために、流体タンクへの送り戻しを可能にする、ということを意味している。
【0024】
冒頭に挙げた課題は、さらに、土工機械、好ましくは本発明に従って構成された土工機械を運転するための方法によって解決され、当該土工機械は、油圧ステアリングシステムを含んでおり、当該油圧ステアリングシステムは、圧力流体によって動作する少なくとも1つのステアリング機構と、圧力流体をステアリング圧力流体回路に供給するための少なくとも1つの電動機によって駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプを備えた電気油圧式圧力流体源と、少なくとも1つのステアリングセンサと、を含んでおり、当該ステアリングセンサは、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供し、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機は、ステアリング情報に依存する回転数で動作する。
【0025】
当該方法では、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数で動作させること、又は/及び、電気油圧式ステアリング圧力流体源の電動機を、ステアリング角変化率が増大した場合に、増大した回転数で動作させることが可能である。
【0026】
以下において、本発明を添付の図面を用いて詳細に記載する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】ソイルコンパクタとして構成された土工機械の側面図である。
【
図2】土工機械の油圧ステアリングシステム及び油圧トラクションドライブシステムの原理を示す図である。
【
図3】ステアリング角変化率と
図2に係る油圧ステアリングシステムの電気油圧式圧力流体源の電動機の回転数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において
図2を用いて、土工機械の油圧ステアリングシステム及び油圧トラクションドライブシステムの構造及び機能について詳細に説明する前に、以下において
図2に関連して記載されるシステムは、
図1に示したように、例えばソイルコンパクタとして構成された土工機械10でも用いられ得ることが指摘される。しかしながら、基本的に、以下において
図2に関連して記載されるシステムは、異なる構造の土工機械、例えば車両前部及び車両後部に土工ローラを有している土工機械においても使用され得ることが指摘される。
【0029】
図2は、全体に参照符号30が付された油圧ステアリングシステムを示している。油圧ステアリングシステム30は、複動式ステアリングピストン/シリンダユニット28として構成された1つ又は複数のステアリング機構26を含んでおり、ステアリング機構26は、油圧ステアリングユニット32を通じて、ステアリング圧力流体回路34に連結されている。油圧ステアリングシステム30は、電動機38と、電動機38によって駆動されるステアリング圧力流体ポンプ40と、を備えた電気油圧式圧力流体源36を含んでいる。油圧ステアリングシステム30の電動機38は、制御ユニット42の制御下にあり、ステアリング圧力流体ポンプ40を駆動するために、電圧源、例えばバッテリ44から供給を受ける。バッテリ44から電動機38への電圧の印加は、制御ユニット42からの対応する制御コードに従って行われ得る。
【0030】
図2はさらに、全体に参照符号46が付された油圧トラクションドライブシステムを示している。油圧トラクションドライブシステム46は、電動機50及び電動機50によって駆動されるトラクション油圧ポンプ52を有する、油圧圧力流体源48を含んでいる。トラクション油圧ポンプ52は、流体、例えば油圧オイルを、トラクション油圧回路54内で輸送し、これによって、トラクション油圧回路54に組み込まれた2つのトラクション油圧モータ56、58に圧力流体を供給する。例えば、両方のトラクション油圧モータ56、58は、ソイルコンパクタに設けられた2つの土工ローラに配設されていてよく、これによって、これらの土工ローラのいずれもが、ソイルコンパクタを移動させるために駆動され得る。
図1に示された土工機械の構造では、両方のトラクション油圧モータ56、58の内の一方が、両方の駆動輪16の内の一方に配設されていてよく、両方のトラクション油圧モータ56、58の内の他方が、他方の駆動輪16に配設されていてよい。例えばローラ回転軸の方向において隣り合う2つのセグメントに分割された土工ローラを有する土工機械の場合、このように分割された土工ローラの各セグメントに、トラクション油圧モータ56、58の内の一方が配設されていてよい。
【0031】
油圧トラクションドライブシステム46はさらに、吐出弁装置60を含んでおり、吐出弁装置60を通じて、流体が、油圧トラクションドライブシステム46から流体タンク62に吐出され得る。この流体タンク62から、ステアリング油圧ポンプ40は、流体をステアリング油圧回路34内に吐出し、ステアリング油圧回路34は、
図2に示したように、ステアリング油圧ポンプ40によってステアリング油圧回路34に圧力流体として供給された流体、例えば油圧オイルが、油圧トラクションドライブシステム46に導入され得るように、トラクション油圧回路54と接続されている。これによって、例えば、吐出弁装置60を通じて、油圧トラクションドライブシステム46から流体が流体タンク62に吐出される場合に、ステアリング油圧回路34から流体を供給することによって、トラクション油圧回路54に存在する流体の量を概ね一定に保つことが可能になる。トラクション油圧回路54内でも生じる流体のリークは、このような方法で補償され得る。
【0032】
ステアリング油圧回路34はさらに、送り戻し弁64を含んでおり、送り戻し弁64を通じて、ステアリング油圧回路34から流体又は圧力流体が、流体タンク62に送り戻され得る。送り戻し弁64は、例えば圧力制御されていてよく、これによって、ステアリング油圧回路34内又はトラクション油圧回路54内の流体圧力も所定の限界圧力を超える場合に、流体が流体タンク62に送出され得る。従って、送り戻し弁64は、圧力逃し弁として機能する。
【0033】
図2はさらに、ステアリング油圧回路34には、1つ又は複数の運転油圧システム67が連結されており、これによって、運転油圧システム67に、ステアリング油圧回路34から、又は、ステアリング油圧ポンプ40によって、圧力流体が供給されることが示されている。このような運転油圧システム67は、例えばトラクション油圧回路54が非アクティブの場合にも動作するシステムであってよい。例えば、土工機械10のパーキングブレーキは、アスファルト材料の締固めに用いられるソイルコンパクタに存在する、静止したソイルコンパクタでも揚げ降ろし可能なエッジプレス機と同じように、このような運転油圧システム67であってよい。
【0034】
土工機械、例えば
図1に示された土工機械10を操縦するために、一般的にハンドルとして構成されたステアリング操作機構66が設けられている。操作台22に着席している操作者は、ステアリング操作機構66の操作によって、すなわちハンドルの回転によって、加工されるべき地面18上を移動する土工機械10を操縦することができる。この際、油圧ステアリングユニット32内でのステアリング操作機構66のステアリング運動は、各ステアリングピストン/シリンダユニット28のチャンバの内の一方への圧力流体の対応する供給と、各ステアリングピストン/シリンダユニット28の両方のチャンバの内の他方からの圧力流体の対応する送出と、に変換される。
【0035】
ステアリング操作機構66の操作は、ステアリングセンサ68によって検出される。ステアリングセンサ68は、例えば共に回転するようにステアリング操作機構66と連結されたステアリングシャフトの回転運動を検出し、ステアリング状態を表す情報を含む信号を制御ユニット42に出力することができる。当該情報は、例えばステアリング操作機構66又はステアリング操作機構66と連結されたステアリングシャフトの現在の回転位置に関する、ステアリング角を表す情報であってよい。この際、ゼロのステアリング角は、例えば直進に相当するステアリング状態を表し得る。ステアリング角の値の増大は、車両後部12に対する車両前部14の屈曲の増大を表しており、例えば符号は、ステアリング方向、すなわち屈曲方向を表し得る。
【0036】
ステアリング位置を表す信号の経時的変化から、ステアリング角変化率を決定することが可能である。代替的に、例えばステアリング操作機構66又はステアリング操作機構66に連結されたステアリングシャフトの運動から、回転速度及びステアリング角変化率を表す信号を直接生成することも可能である
【0037】
さらに、ステアリング状態を表す情報は、例えばステアリングピストン/シリンダユニット28のそれぞれの静止設置状態又は移動状態から導出可能であるか、又は、車両前部14と車両後部12との間で作用する、又は、測定を行うセンサシステムによって直接提供され得ることが指摘される。
【0038】
操作台22には、さらなる機構が設けられており、これらの機構を通じて、操作者は、当該土工機械10を操作することが可能である。例えばトラクション操作レバー70として構成されたトラクション操作機構72を用いて、操作者は、土工機械10を始動させることができる。これは、例えばトラクション操作レバー70の旋回によって、油圧トラクションドライブシステム46の電気油圧式圧力流体源48の電動機50が、操作者によって設定されたトラクションモードの状態に対応する回転数で動作することを意味している。例えば、操作者は、トラクション操作レバー70を駐車位置に動かすことが可能である。トラクション操作レバー70が駐車位置にある場合、土工機械10は基本的に停止状態にあり、転動を防止するために、例えばパーキングブレーキが作動し得る。駐車位置からトラクション準備位置に旋回することによって、トラクション準備状態になる。トラクション準備状態では、トラクション油圧モータ56、58は依然として非アクティブのままであり、すなわち、例えば電動機50は、駐車状態にある場合のように、動作しないままであるが、パーキングブレーキは解除される。トラクション準備状態に対応するトラクション準備位置から、トラクション状態に対応するトラクション位置に旋回する際、例えばそれぞれの旋回位置に対応する走行速度目標値の既定値と方向既定値とが、制御ユニット42によって、電動機50の既定値に対応する回転数又は回転方向に変換されるので、電動機50は、トラクション油圧ポンプ52を、それぞれのトラクション方向に対応する回転方向において駆動し、両方のトラクション油圧モータ56、58には、圧力流体が供給され、これによって、土工機械10は、地面18上を移動する。
【0039】
操作者席24には、席利用状況センサ74が配設されていてよく、席利用状況センサ74は、操作者席24に操作者が着席しているか否かに関する情報を提供する。当該情報は、トラクション操作機構72の各操作位置又は操作状態に関する情報と同様に、制御ユニット42に導入可能であり、これによって、電気油圧式圧力流体源36の電動機38は、以下に記載するように動作する。
【0040】
席利用状況又はトラクション操作機構72の操作状況を表す情報を考慮して、制御ユニット42は、電動機38を、例えばトラクション操作機構72が駐車位置に置かれた場合に電動機38が非アクティブになる、又は、非アクティブの状態で維持されるように制御することが可能であり、これは、その制御ユニットが非アクティブにされることを意味している。代替的又は付加的に、これは、席利用状況センサ74によって提供される情報が、操作者席24に操作者が着席していないことを示している場合に行われ得るものであり、結果として、任意で設けられるパーキングブレーキが、パーキングブレーキに対して開放状態保持圧力がもはや供給されないことによって作動する。さらに、これによって、電動機38の制御ユニット又は/及び電動機38が故障した場合に、土工機械が安全に停止することが構造的にも保証されている。
【0041】
操作者席24に、トラクション操作機構72に作用する操作者が座っている場合に一般的にそうであるように、トラクション操作機構72が、トラクション準備状態に対応するトラクション準備位置にある場合、制御ユニット42によって、電気油圧式圧力流体源36の電動機38は、基本回転数で回転するように動作し得る。結果として、ステアリング油圧回路34内に圧力が生じ、当該圧力は、1つ又は複数の運転油圧システム67を動作させるため、例えばパーキングブレーキを解除するためにも用いられ得る。この際、例えば基本回転数は、変動しないように規定されていてよい。しかしながら、基本回転数は、例えばステアリング油圧回路34内又は1つ若しくは複数の運転油圧システム67の領域における圧力流体の温度等の影響変数に依存しても調整され得るので、圧力流体のより高速な交換を保証するために、例えば圧力流体の温度の上昇と共に、基本回転数は引き上げられる。
【0042】
1つ又は複数の運転油圧システム67における負荷要求に依存しても、基本回転数を調整する、又は、引き上げることが可能である。例えば、複数の当該運転油圧システム67が同時に作動すべきことが認識される場合、この場合は高い負荷要求に相当し、例えば既存の基本回転数において、1つ又は複数の当該運転油圧システム67が低すぎる速度で動作することによって明らかになるのだが、対応して、基本回転数を引き上げることが可能である。
【0043】
トラクション操作機構72が、トラクション状態に対応するトラクション位置にいたらされる場合、制御ユニット42の制御作用下で、電気油圧式圧力流体源36の電動機38に印加される電圧は、電動機38が基本回転数を超える運転回転数で動作するように設定可能であり、運転回転数は、例えば変動しないように設定されていてよいか、又は、基本回転数のように、ステアリング油圧回路34内の圧力流体の温度、又は/及び、1つ若しくは複数の運転油圧システム67内の負荷要求に依存して調整することが可能である。
【0044】
ステアリング情報、すなわち例えばステアリング操作機構66の操作に対応して設定されるべきステアリング角又はステアリング角変化率に関する情報を考慮して、制御ユニット42は、電気油圧式圧力流体源36の電動機38の運転回転数を調整する。これは、以下において、
図3を参照して、ステアリング角変化率Lを用いて例示的に記載される。
【0045】
図3は、ステアリング角変化率Lと電動機38の回転数nとの関係を示している。電動機38の回転数nは、例えば下側境界値L
0に到達するまで、略一定の回転数n
0で動作可能であり、当該回転数は、例えば上述の運転回転数に対応し得る。ステアリング角変化率Lの上側境界値L
1を超過した場合、電動機38は、より大きい回転数n
1で動作する。下側境界値L
0と上側境界値L
1との間で、電動機38は、ステアリング角変化率Lと例えば直線関係にある回転数nで動作する。これは、境界値L
0とL
1との間で、電動機38は、その回転数nが、ステアリング角変化率Lに比例して変化するように制御されることを意味している。
【0046】
電動機38の回転数nとステアリング角変化率Lとの間には、他の関係も設けられていてよいことが指摘される。例えば、ステアリング角変化率Lに伴う回転数nの漸進的又は逓減的な増加が、段階的な増加と同様に設けられていてよい。
【0047】
電動機38の回転数をステアリング角変化率Lに適合させることによって、高いステアリング角変化率Lによって表される油圧ステアリングシステム30内の高い負荷要求に反応し、対応して速やかなステアリング反応をもたらすために十分な圧力流体がステアリング油圧システム30内に供給されていることを保証する可能性が存在する。従って、これは、
図2に示されたステアリングシステム30において可能である。なぜなら、電動機38は、対応する回転数の変化に伴う電動機38に印加される電圧の変化に非常に速やかに反応し、これによって、ステアリング操作機構66への作用に、概ね時間的な遅れを生じずに反応することができるからである。このために、ステアリング油圧ポンプ40に対して、ステアリング油圧ポンプ40の吐出量を調整するために何らかの調節手段を講じることは必要無い。ステアリング油圧ポンプ40の吐出量の変化は、専らステアリング油圧ポンプ40の回転数の変化、又は、ステアリング油圧ポンプ40を駆動する電動機38の回転数の変化によって生じる。従って、ステアリング油圧ポンプ40は、定量吐出ポンプであってよく、これによって、油圧ステアリングシステム30の単純な構造、及びその容易な制御可能性が保証される。
【0048】
電動機38の制御に際して、ステアリング角変化率Lの考慮に対して代替的又は付加的に、電動機38の回転数を調整するために、ステアリング角自体を用いることも可能である。例えば
図3に対応する概ね直線の関係、漸進的又は逓減的に増加する関係、又は、段階的な関係において、例えばステアリング角の増大と共に、電動機38の回転数も引き上げることが可能である。
【0049】
トラクション状態に入る際、又は、トラクション状態において、基本的に、電動機38の回転数が、場合によっては上述した方法で決定された、又は、調整されるべき運転回転数に設定される、又は、引き上げられることが生じ得る。代替的な手順では、トラクション状態に入る際又はトラクション状態において、電動機38が、ステアリング状態の変化が生じる場合、すなわち例えば直進からコーナリングに移行すべき場合、コーナリングから直進に移行すべき場合、又は、コーナリングの際にカーブの半径を変更すべき場合にのみ運転回転数で動作すると規定されていてよい。ステアリング状態が変化しない場合、すなわち例えば土工機械がトラクション状態に入る際又はトラクション状態において、先行して存在するステアリング状態に留まる場合、これは、土工機械が直進において動作しているか、又は、コーナリングの際に略一定のカーブの半径で動作している場合を意味しており、当該場合において電動機38の回転数は、運転回転数までは引き上げられない。なぜなら、ステアリング状態の変化のために、より大きな力を加えなくてもよいからである。トラクション状態において、ステアリング状態が変化する状態から、ステアリング状態が変化しない状態に移行する場合、さしあたり運転回転数で動作している電動機38の回転数は、例えば再び基本回転数にまで引き下げられ得る。これによって、油圧ステアリングシステム30の効率的で、省エネルギーな動作がもたらされる。
【0050】
本発明に従って構成された土工機械では、電気油圧式圧力流体源の使用によって、電気油圧式圧力流体源の動作の既存の、又は、要求されるステアリング動作への非常に速やかな適応を得るための可能性が創出される。これによって、エネルギー消費が減少する。なぜなら、油圧ステアリングシステムの電気油圧式圧力流体源の電動機の高い出力は、これが必要な場合にのみ存在するか、又は、利用されるからである。それにもかかわらず、このようなシステムは、例えば油圧ステアリングシステムの基本機能又は当該システムによって供給を受ける運転油圧システムを維持するために、基本回転数で動作し得る。本発明に従って構成された土工機械では、油圧ステアリングシステムの利点は、効率的なエネルギー使用、又は、省エネルギー、又は、比較的小さい回転数での動作で十分である段階における騒音放射の減少にも関して、ステアリング油圧ポンプの動作のための電動機の使用の利点と組み合わせられる。
【0051】
最後に指摘しておくべきことに、このような土工機械は、自明のことながら様々な態様において変更を加えられ得る。例えば、油圧ステアリングシステムにおいて、電気油圧式圧力流体源は複数のステアリング圧力流体ポンプを含むことが可能であり、当該ステアリング圧力流体ポンプは、電気油圧式圧力流体源の共通の、又は、それぞれ別個の電動機によって駆動され得る。油圧トラクションドライブシステムの領域においても、複数のトラクション油圧ポンプが設けられていてよく、当該トラクション油圧ポンプは、共通の、又は、場合によってはそれぞれ別個の電動機によって駆動され得る。すでに言及したように、自明のことながら、例えばソイルコンパクタとして構成された土工機械は、土工ローラ又は駆動輪の使用に関してさえ、上述した、又は、
図1に示した構成とは異なるように構成されていてよい。
【符号の説明】
【0052】
10 土工機械
12 車両後部
14 車両前部
16 駆動輪
18 地面
20 土工ローラ
22 操作台
24 操作者席
26 ステアリング機構
28 ステアリングピストン/シリンダユニット
30 油圧ステアリングシステム
32 油圧ステアリングユニット
34 ステアリング油圧回路、ステアリング圧力流体回路
36 電気油圧式圧力流体源、電気油圧式ステアリング圧力流体源
38 電動機
40 ステアリング油圧ポンプ、ステアリング圧力流体ポンプ
42 制御ユニット
44 バッテリ
46 油圧トラクションドライブシステム
48 電気油圧式圧力流体源
50 電動機
52 トラクション油圧ポンプ
54 トラクション油圧回路
56、58 トラクション油圧モータ
60 吐出弁装置
62 流体タンク
64 送り戻し弁
66 ステアリング操作機構
67 運転油圧システム
68 ステアリングセンサ
70 トラクション操作レバー
72 トラクション操作機構
74 席利用状況センサ
L ステアリング角変化率
L0 下側境界値
L1 上側境界値
n、n0、n1 回転数
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機械であって、
圧力流体で作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)で駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、を有する油圧ステアリングシステム(30)を含む土工機械。
【請求項2】
車両後部(12)、及び、前記車両後部(12)に対してステアリング軸の周りに旋回可能である車両前部(14)を含んでおり、前記車両前部(14)と前記車両後部(12)との間で作用する少なくとも1つの前記ステアリング機構(26)は、ステアリングピストン/シリンダユニット(28)を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の土工機械。
【請求項3】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、油圧ステアリングユニット(32)を含んでおり、前記油圧ステアリングユニット(32)は、前記ステアリング圧力流体回路(34)から圧力流体を供給され、ステアリング操作機構(66)の操作に依存して、少なくとも1つの前記ステアリング機構(26)に圧力流体を供給することを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項4】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項5】
前記ステアリング情報が、ステアリング角又は/及びステアリング角変化率(L)を表していることを特徴とする、請求項4に記載の土工機械。
【請求項6】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記ステアリング情報に依存する回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の土工機械。
【請求項7】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作させるように構成されていること、又は/及び、前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、ステアリング角変化率(L)が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の土工機械。
【請求項8】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記土工機械(10)のトラクションモードの状態に依存する回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項9】
土工機械(10)のトラクションモードの状態が、以下の状態:
-トラクション操作機構(72)が駐車位置に合わせられた、又は/及び、操作者席(24)に誰も着席していない駐車状態、
-前記トラクション操作機構(72)がトラクション準備位置に合わせられたトラクション準備状態、及び
-前記トラクション操作機構(72)がトラクション位置に合わせられたトラクション状態、
を含んでおり、
前記油圧ステアリングシステム(30)は、
-前記駐車状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源の前記電動機(38)の動作を停止させておく、又は/及び、
-前記トラクション準備状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を基本回転数で動作させる、又は/及び、
-前記トラクション状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記基本回転数を超える運転回転数で動作させる、ように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の土工機械。
【請求項10】
前記基本回転数が、ステアリング油圧回路(34)内若しくは/及び前記ステアリング油圧回路から供給される運転油圧システム(67)内の油圧流体の温度に依存すること、又は/並びに、前記基本回転数が、前記ステアリング油圧回路から供給される前記運転油圧システム(67)内の負荷要求に依存することを特徴とする、請求項9に記載の土工機械。
【請求項11】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記トラクション状態において、つねに前記運転回転数で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の土工機械。
【請求項12】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供するように構成されていること、並びに、前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング情報が、ステアリング状態の変化が存在することを示している場合に、前記トラクション状態に入る際、又は/及び、前記トラクション状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を運転回転数で動作させるように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の土工機械。
【請求項13】
前記ステアリング油圧ポンプ(40)が、定量吐出ポンプであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項14】
油圧トラクションドライブシステム(46)が設けられており、前記油圧トラクションドライブシステム(46)は、少なくとも1つの電動機(50)、及び、圧力流体をトラクション油圧回路(54)に供給するための少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(52)を備えた電気油圧式圧力流体源(48)と、前記トラクション油圧回路(54)から圧力流体が供給される少なくとも1つのトラクション油圧モータ(56、58)と、を含んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項15】
前記油圧ステアリングシステム(30)と前記油圧トラクションドライブシステム(46)とは、互いに独立して動作可能である電動機(38、50)を含んでいることを特徴とする、請求項14に記載の土工機械。
【請求項16】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング油圧回路(34)を通じて、圧力流体を前記トラクション油圧回路(54)に供給するように構成されていることを特徴とする、請求項14に記載の土工機械。
【請求項17】
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング油圧回路(34)を通じて圧力流体を流体タンク(62)に送り戻すように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項18】
土工機械(10)がソイルコンパクタであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工機械。
【請求項19】
土工機械(10)を運転するための方法であって、前記土工機械(10)は、油圧ステアリングシステム(30)を含んでおり、前記油圧ステアリングシステム(30)は、圧力流体によって作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)によって駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)と、を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供し、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)は、前記ステアリング情報に依存する回転数(n)で動作する方法。
【請求項20】
前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)が、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作すること、又は/及び、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)が、ステアリング角変化率(L)が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1または2に記載の土工機械(10)を運転するように構成されていることを特徴とする、請求項19又は20に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
最後に指摘しておくべきことに、このような土工機械は、自明のことながら様々な態様において変更を加えられ得る。例えば、油圧ステアリングシステムにおいて、電気油圧式圧力流体源は複数のステアリング圧力流体ポンプを含むことが可能であり、当該ステアリング圧力流体ポンプは、電気油圧式圧力流体源の共通の、又は、それぞれ別個の電動機によって駆動され得る。油圧トラクションドライブシステムの領域においても、複数のトラクション油圧ポンプが設けられていてよく、当該トラクション油圧ポンプは、共通の、又は、場合によってはそれぞれ別個の電動機によって駆動され得る。すでに言及したように、自明のことながら、例えばソイルコンパクタとして構成された土工機械は、土工ローラ又は駆動輪の使用に関してさえ、上述した、又は、
図1に示した構成とは異なるように構成されていてよい。
[付記項1]
土工機械、特にソイルコンパクタであって、
圧力流体で作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)で駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、を有する油圧ステアリングシステム(30)を含む土工機械。
[付記項2]
車両後部(12)、及び、前記車両後部(12)に対してステアリング軸の周りに旋回可能である車両前部(14)を含んでおり、前記車両前部(14)と前記車両後部(12)との間で作用する少なくとも1つの前記ステアリング機構(26)は、ステアリングピストン/シリンダユニット(28)を含んでいることを特徴とする、付記項1に記載の土工機械。
[付記項3]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、油圧ステアリングユニット(32)を含んでおり、前記油圧ステアリングユニット(32)は、前記ステアリング圧力流体回路(34)から圧力流体を供給され、ステアリング操作機構(66)の操作に依存して、少なくとも1つの前記ステアリング機構(26)に圧力流体を供給することを特徴とする、付記項1又は2に記載の土工機械。
[付記項4]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供するように構成されていることを特徴とする、付記項1から3のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項5]
前記ステアリング情報が、ステアリング角又は/及びステアリング角変化率(L)を表していることを特徴とする、付記項4に記載の土工機械。
[付記項6]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記ステアリング情報に依存する回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項4又は5に記載の土工機械。
[付記項7]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作させるように構成されていること、又は/及び、前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、ステアリング角変化率(L)が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項6に記載の土工機械。
[付記項8]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記土工機械(10)のトラクションモードの状態に依存する回転数(n)で動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項1から7のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項9]
土工機械(10)のトラクションモードの状態が、以下の状態:
-トラクション操作機構(72)が駐車位置に合わせられた、又は/及び、操作者席(24)に誰も着席していない駐車状態、
-前記トラクション操作機構(72)がトラクション準備位置に合わせられたトラクション準備状態、及び
-前記トラクション操作機構(72)がトラクション位置に合わせられたトラクション状態、
を含んでおり、
前記油圧ステアリングシステム(30)は、
-前記駐車状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源の前記電動機(38)の動作を停止させておく、又は/及び、
-前記トラクション準備状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を基本回転数で動作させる、又は/及び、
-前記トラクション状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記基本回転数を超える運転回転数で動作させる、ように構成されていることを特徴とする、付記項8に記載の土工機械。
[付記項10]
前記基本回転数が、ステアリング油圧回路(34)内若しくは/及び前記ステアリング油圧回路から供給される運転油圧システム(67)内の油圧流体の温度に依存すること、又は/並びに、前記基本回転数が、前記ステアリング油圧回路から供給される前記運転油圧システム(67)内の負荷要求に依存することを特徴とする、付記項9に記載の土工機械。
[付記項11]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を、前記トラクション状態において、つねに前記運転回転数で動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項9又は10に記載の土工機械。
[付記項12]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング情報が、ステアリング状態の変化が存在することを示している場合に、前記トラクション状態に入る際、又は/及び、前記トラクション状態において、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)を運転回転数で動作させるように構成されていることを特徴とする、付記項4を引用する場合の、付記項9又は10に記載の土工機械。
[付記項13]
前記ステアリング油圧ポンプ(40)が、定量吐出ポンプであることを特徴とする、付記項1から12のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項14]
油圧トラクションドライブシステム(46)が設けられており、前記油圧トラクションドライブシステム(46)は、少なくとも1つの電動機(50)、及び、圧力流体をトラクション油圧回路(54)に供給するための少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(52)を備えた電気油圧式圧力流体源(48)と、前記トラクション油圧回路(54)から圧力流体が供給される少なくとも1つのトラクション油圧モータ(56、58)と、を含んでいることを特徴とする、付記項1から13のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項15]
前記油圧ステアリングシステム(30)と前記油圧トラクションドライブシステム(46)とは、互いに独立して動作可能である電動機(38、50)を含んでいることを特徴とする、付記項14に記載の土工機械。
[付記項16]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング油圧回路(34)を通じて、圧力流体を前記トラクション油圧回路(54)に供給するように構成されていることを特徴とする、付記項14又は15に記載の土工機械。
[付記項17]
前記油圧ステアリングシステム(30)が、前記ステアリング油圧回路(34)を通じて圧力流体を流体タンク(62)に送り戻すように構成されていることを特徴とする、付記項1から16のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項18]
土工機械(10)、好ましくは付記項1から17のいずれか一項に記載の土工機械(10)を運転するための方法であって、前記土工機械(10)は、油圧ステアリングシステム(30)を含んでおり、前記油圧ステアリングシステム(30)は、圧力流体によって作動する少なくとも1つのステアリング機構(26)と、圧力流体をステアリング圧力流体回路(34)に供給するための少なくとも1つの電動機(38)によって駆動され得る少なくとも1つのステアリング圧力流体ポンプ(40)を備えた電気油圧式圧力流体源(36)と、少なくとも1つのステアリングセンサ(68)と、を含んでおり、前記ステアリングセンサ(68)は、ステアリング状態を表すステアリング情報を提供し、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)は、前記ステアリング情報に依存する回転数(n)で動作する方法。
[付記項19]
前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)が、ステアリング角が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作すること、又は/及び、前記電気油圧式ステアリング圧力流体源(36)の前記電動機(38)が、ステアリング角変化率(L)が増大した場合に、増大した回転数(n)で動作することを特徴とする、付記項18に記載の方法。
【外国語明細書】