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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050243
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】缶ホルダ
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/28 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
B65D25/28 106A
B65D25/28 103B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160261
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】521424611
【氏名又は名称】株式会社 大手
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(74)【代理人】
【識別番号】100214363
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 栄文
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA04
3E062AB02
3E062AC03
3E062HA03
3E062HB02
3E062HB07
3E062HC04
3E062HC06
3E062HC17
(57)【要約】
【課題】缶を簡単・確実に保持することができる缶ホルダを提供する。
【解決手段】把持部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体の一側面に設けられ缶を囲繞するリング部材と、前記ホルダ本体の一側面の上端に設けられ前記缶の上端に上方から当接する上挟持部と、前記ホルダ本体の一側面の上方位置に設けられ、前記缶の上方外周に対して接離可能な下挟持部と、トリガ部材を備え、前記トリガ部材の一方向への操作によって、前記下挟持部を前記缶の上方外周に当接させ、上挟持部と協働して前記缶の上部を挟持させる缶ホルダ。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体の一側面に設けられ缶を囲繞するリング部材と、前記ホルダ本体の一側面の上端に設けられ前記缶の上端に上方から当接する上挟持部と、前記ホルダ本体の一側面の上方位置に設けられ、前記缶の上方外周に対して接離可能な下挟持部と、トリガ部材を備え、
前記トリガ部材の一方向への操作によって、前記下挟持部を前記缶の上方外周に当接させ、上挟持部と協働して前記缶の上部を挟持させる缶ホルダ。
【請求項2】
前記上挟持部と前記下挟持部による前記缶の上部の挟持状態を維持するロック部材を有する請求項1に記載の缶ホルダ。
【請求項3】
前記トリガ部材の一方向への操作によって、前記リング部材が前記缶の外周を締め付ける請求項1又は請求項2に記載の缶ホルダ。
【請求項4】
前記リング部材は、前記ホルダ本体の側面に沿って折り畳み自在である請求項1ないし3のいずれかに記載の缶ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶に取に付けられる缶ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、缶飲料が普及しているが、缶飲料に対して取っ手を設けることのできる缶ホルダが知られている。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-314241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の缶ホルダは、缶を保持する際にゴムテープを缶に掛けまわす必要があり、缶の保持に手間がかかるものであった。
本発明は、缶ホルダにおいて、簡単な操作によって缶を確実に保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の缶ホルダは、把持部を有するホルダ本体と、前記ホルダ本体の一側面に設けられ缶を囲繞するリング部材と、前記ホルダ本体の一側面の上端に設けられ前記缶の上端に上方から当接する上挟持部と、前記ホルダ本体の一側面の上方位置に設けられ、前記缶の上方外周に対して接離可能な下挟持部と、トリガ部材を備え、前記トリガ部材の一方向への操作によって、前記下挟持部を前記缶の上方外周に当接させ、上挟持部と協働して前記缶の上部を挟持させる缶ホルダである。
前記缶ホルダは、前記上挟持部と前記下挟持部による前記缶の上部の挟持状態を維持するロック部材を有していてもよい。
前記缶ホルダは、前記トリガ部材の一方向への操作によって、前記リング部材が前記缶の外周を締め付けるものであってもよい。
前記缶ホルダの前記リング部材は、前記ホルダ本体の側面に沿って折り畳み自在とされていてもよい。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の缶ホルダによれば、簡単な操作によって缶を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の缶ホルダの使用状態を示す全体斜視図である。
図2】一実施形態の缶ホルダの使用状態を示す全体斜視図(缶不図示)である。
図3】一実施形態の缶ホルダの折り畳み状態を示す全体斜視図である。
図4】一実施形態の缶ホルダの分解斜視図である。
図5】一実施形態の缶ホルダの駆動機構部分の分解斜視図である。
図6】一実施形態の缶ホルダの使用状態を示す分解斜視図である。
図7】一実施形態の缶ホルダの使用状態を示す分解斜視図である。
図8】一実施形態の缶ホルダの折り畳み状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
-缶ホルダの全体構成-
一実施形態の缶ホルダについて、図面を参考に説明する。
なお、以下の説明において、図1に示すように、缶ホルダAの缶が保持される側を「前」側といい、その反対側を「後」側という。また、缶ホルダAの缶に向かって右側を「右」側といい、左側を「左」側という。
【0009】
本実施形態の缶ホルダAは、図1ないし図3に示すように、把持部を有するホルダ本体1と、ホルダ本体1の前側の面(一側面)に取り付けられたリング部材2と、ホルダ本体1の前側上端に形成された上挟持部1fと、ホルダ本体1の上方位置の前側の面から突出する下挟持部材3と、トリガ部材4と、ホルダ本体1の上面から操作可能なロック部材5を備えている。
【0010】
ホルダ本体1は、樹脂材料からなり、中央に手指を通す孔1aが設けられて把持部が形成されており、全体として扁平形状を有している。
ホルダ本体1は、左右二つの本体カバー部材11,11を向かい合わせ、ビス等の固定手段により一体化されて形成され、内部に中空部が形成されており、中空部の内部にはトリガ部材4の操作によって下挟持部材3及びリング部材2を駆動する駆動機構が収容されている。
【0011】
ホルダ本体1は、前面の上方位置にリング部材2を取り付けるための切欠き部1bが形成されており、前面の切欠き部1bよりも上方位置に下挟持部材3が突出される開口部1cが設けられている。ホルダ本体1は、上面にロック部材5を操作するための開口部1dが設けられており、孔1aの後側上方部分にトリガ部材4が露出する開口部1eが設けられている。
【0012】
ホルダ本体1は、前側の面に缶の側面に当接する複数の当接壁1g,1gが設けられている。
当接壁1gは、ホルダ本体1の前側の面で少なくともリング部材2を取り付けるための切欠き部1bの上下位置に設けられており、前側の面の左右縁部から前方に突出するとともに左右方向に延びて形成されている。
なお、本実施形態の缶ホルダは、ホルダ本体1の前側の面の下方位置にも当接壁1gが形成されている。
【0013】
上挟持部1fは、ホルダ本体1の前側の上端部分が前方に延設されて形成されている。
【0014】
缶ホルダAによって缶を保持する際に、上挟持部1fは、缶の上端外周縁部分に上方から当接し、当接壁1gは、缶の外周に沿って当接する。
なお、上挟持部1fもしくは当接壁1gは、ホルダ本体1とは別体に形成され、接着剤やビス等の固定手段によって固定されていてもよい。
【0015】
リング部材2は、樹脂材料からなり、缶を囲繞するリング部本体21と、リング部本体21を回動自在に支持する支持部材22を有しており、ホルダ本体1の切欠き部1bを通して駆動機構に連結されている。
【0016】
リング部材2は、リング部本体21がホルダ本体1の前側の面から水平状態に突出する使用状態(図1図2)と、リング部本体21が垂直状態でホルダ本体1の右側の本体カバー部材11に沿って配置される収納状態(図3)とに切替え自在である。
缶ホルダAは、使用状態においてトリガ部材4を操作することで、リング部本体21を後ろに引き付けて缶の外周を締め付ける。
【0017】
下挟持部材3は、缶の外周に当接する下挟持部3aを有しており、ホルダ本体1の前側の面の上方位置に設けられた開口部1cから下挟持部3aが前方に突出可能にホルダ本体1の内部に配置されている。
缶ホルダAは、使用状態においてトリガ部材4を操作することで、下挟持部材3の下挟持部3aを前方に向かって突出させ、缶の上方外周に当接させる。
【0018】
トリガ部材4は、ホルダ本体1の内部に水平移動自在に収容されており、トリガ部4aがホルダ本体1の孔1aに形成された開口部1eから操作可能に露出している。
【0019】
ロック部材5は、ホルダ本体1の内部に回動自在に収容されており、操作部5aがホルダ本体1の上面に形成された開口部1dから操作可能に露出している。
【0020】
本実施形態の缶ホルダAを使用するに際しては、使用者は、テーブル等に立てられた缶Bに対して缶ホルダAのリング部材2を上から通し、上挟持部1fが缶Bの上端部に当接するまで挿入した後、ホルダ本体1の孔1aから露出するトリガ部4aを後側(一方向)に操作する。
【0021】
缶ホルダAは、トリガ部材4が操作されることで、下挟持部材3の下挟持部3aを缶Bの上方外周に当接させて、上挟持部1fと下挟持部3aとによって缶Bの上部外縁を挟持すると共に、リング部材2によって缶Bの外周を締め付けて保持する。
【0022】
缶ホルダAは、トリガ部材4が後方に所定距離移動することで、ロック部材5がトリガ部材4に係合して前方への戻りを規制して、上挟持部1fと下挟持部3a及びリング部材2による缶Bの保持状態を維持することができる。
【0023】
缶ホルダAは、ロック部材5によってトリガ部材4の戻りが規制されている状態で、ホルダ本体1の上面から露出するロック部材5の操作部5aを操作することで、ロック部材5によるトリガ部材4の戻りの規制を解除して、缶ホルダAから缶Bを取り外すことができる。
【0024】
-缶ホルダの駆動機構-
次に、トリガ部材4の操作によって下挟持部材3及びリング部材2等による缶の保持動作を発生させる駆動機構Cの一例について、説明する。
【0025】
駆動機構Cは、図4,5に示すように、トリガ部材4と、リング部材2と、下挟持部材3と、トリガ部材4の上方位置に配置されるロック部材5と、トリガ部材4の前方位置に配置されるリング支持部材6を有している。
【0026】
内部に駆動機構Cを収容するホルダ本体1は、リング部材2を保持する高さ位置に設けられた切欠き部1bによってリング部材2が使用状態のときに支持部材22が配置される収容空間が形成されており、ホルダ本体1の内部で収容空間の上下位置に上下一対の隔離壁11a,11bが設けられている。
【0027】
なお、本実施形態の缶ホルダAは、隔離壁11a,11bが右側の本体カバー部材11に設けられており、図4に示す左側の本体カバー部材11には、隔離壁11a,11bは設けられていないが、右側の本体カバー部材11に設けられた隔離壁11a,11bが当接する部分を11a,11bとして示している。
上下一対の隔離壁11a,11bは、左側にそれぞれ軸受穴11c,11dが形成されている。
【0028】
トリガ部材4は、ホルダ本体1の孔1aから露出して使用者に操作されるトリガ部4aと、トリガ部4aの上方部位から前方に延びる本体部4bと、本体部4bの前側上方に連続する下挟持部材駆動部4cと、本体部4bの前側下方に連続するリング部材駆動部4dを有している。
【0029】
トリガ部材4は、本体部4bの前側上方位置と後側上方位置にそれぞれ左右両側に突出する案内ピン部4e,4eが設けられているとともに、本体部4bの上面にロック部材5が係合するロック溝4fが設けられている。
【0030】
トリガ部材4は、案内ピン部4e,4eがホルダ本体1の本体カバー部材11の内周面に形成された前後方向に延びる案内溝11eに案内されて前後方向に水平移動が可能であり、トリガ部4aの後側面とホルダ本体1との間に配置されたばね部材4gによって前方に付勢されている。
【0031】
トリガ部材4の下挟持部材駆動部4cは、トリガ部材4の本体部4bの右側上面から上方に延びる壁形状の部位であり、後方から前方に行くにしたがって下方から上方に向かって傾斜する孔により案内部4hが形成されている。
なお、案内部4hは、壁形状の下挟持部材駆動部4cを左右に貫く孔によって形成されてもよいが、下挟持部材駆動部4cの左側の面に設けられる溝によって形成されてもよい。
【0032】
トリガ部材4のリング部材駆動部4dは、トリガ部材4の本体部4bの前方下面から下方に延びたのち、右側部分が前方に水平に延びるアーム部を有しており、前方に延びるアーム部に上下方向に軸孔4iが形成されている。
【0033】
下挟持部材3は、ホルダ本体1に前後回動可能に軸支される支持軸部3bと、支持軸部3bの外周より上方に伸びながら前方に湾曲して形成される下挟持部3aと、上方に延びる下挟持部3aの後側面より後方に延びる作動片3cを有しており、下挟持部3aがホルダ本体1の前側の面の開口部1cから突出している。
【0034】
下挟持部材3の支持軸部3bは、左右両端に回動軸3eを有しており、ホルダ本体1の内部に回動軸3eを左右にして収容され、左右の回動軸3eがホルダ本体1の内周に形成された軸受11hに回動自在に支持されている。
下挟持部材3の作動片3cは、後端に右方に突出する入力軸3dを有しており、入力軸3dがトリガ部材4の下挟持部材駆動部4cの案内部4hに案内されている。
【0035】
缶ホルダAは、トリガ部材4が前後に移動することで、トリガ部材4の下挟持部材駆動部4cの案内部4hに案内された作動片3cの入力軸3dが上下に移動し、それに伴って下挟持部材3が支持軸部3bを中心に回動し、下挟持部3aが前後方向に移動する。
【0036】
リング部材2は、缶を囲繞するリング状のリング部本体21と、リング部本体21を回動自在に支持する支持部材22を有している。
【0037】
リング部本体21は、リング状のリング部21aと、リング部21aの外周面から突出する一対の支持片21b,21bを有している。
支持部材22は、水平方向の軸受部22aと、軸受部22aの側面から突出する上下一対の支持片部22b,22bを有しており、リング部本体21の一対の支持片21b,21bが支持部材22の軸受部22aに軸23により回動自在に軸支されている。
【0038】
リング支持部材6は、上下方向に延びる支柱部61と、支柱部61の上下端より一方方向に延びる一組の支持腕部62,62を有しており、支柱部61の上面及び下面にそれぞれ上方及び下方に突出する回動ピン部61aが設けられている。
【0039】
リング支持部材6は、ホルダ本体1の上下一対の隔離壁11a,11b間に支柱部61を左側にして支持腕部62,62が右方に延びるように配置されており、支柱部61に設けられる上下の回動ピン部61a,61aが隔離壁11a,11bに設けられる軸受穴11c,11dに回動自在に支持されている。
【0040】
隔離壁11a,11b間に配置されたリング支持部材6は、右方に存在する支持腕部62,62の間にリング部材2の支持片部22b,22b及びトリガ部材4のリング部材駆動部4dが軸6aによって回動自在に連結されている。
【0041】
缶ホルダAは、トリガ部材4が前後に移動することで、リング部材駆動部4dによって支持腕部62,62が前後方向に移動してリング支持部材6が支柱部61を中心にして回動するとともに、リング部材2が前後に移動する。
【0042】
ロック部材5は、トリガ部材4の本体部4bの上面に沿って配置される水平部5bと水平部5bの前端より上方に延びる垂直部5cを有する断面略L字形の部材であり、垂直部5cの上端に操作部5aが設けられており、操作部5aがホルダ本体1の上面の開口部1dから前後操作可能に露出している。
【0043】
ロック部材5は、水平部5bと垂直部5cの連結部分である前方下方位置に左右両側に突出する回動軸5dが設けられており、回動軸5dが本体カバー部材11の内周面に形成された軸受け11iに軸支されている。
【0044】
ロック部材5は、水平部5bの下面にトリガ部材4のロック溝4fに係合するロック部5eが設けられており、水平部5bの上面とホルダ本体1の内周面との間に配置されたばね部材5fによって水平部5bが下方に付勢されている。
【0045】
-缶ホルダの動作-
缶ホルダAは、使用前、図6に示すように、トリガ部材4がばね部材4gの付勢力によって前方に位置しており、下挟持部材3が回動軸3eを中心に後方に回動され、リング部材2が前方に位置している。
【0046】
缶ホルダAは、ホルダ本体1の切欠き部1bにリング部材2の支持部材22が収容され、前方に位置するリング部本体21の内周面がホルダ本体1の当接壁1g,1gの当接面とほぼ同一の面に存在している。
【0047】
缶ホルダAは、トリガ部4aがばね部材4gの付勢力に逆らって後方に操作されることでトリガ部材4全体が後方に水平移動し、下挟持部材駆動部4c及びリング部材駆動部4dが後方に水平移動する。
【0048】
缶ホルダAは、下挟持部材駆動部4cが後方に水平移動すると、案内部4hに案内されている下挟持部材3の入力軸3dが傾斜する案内部4hに沿って上方に移動し、下挟持部材3が回動軸3eを中心に前方に回動する。
【0049】
缶ホルダAは、下挟持部材3が回動軸3eを中心に前方に回動することで、図7に示すように、下挟持部材3の下挟持部3aの先端が缶Bの外周に当接し、上挟持部1fと下挟持部3aによって缶Bの上部を挟持する。
【0050】
この時、下挟持部材3の下挟持部3aは、支持軸部3bより上方に伸びながら前方に湾曲して形成されているので、缶Bの外周に当接することで、缶Bの外周の形状に合わせるように撓みながら缶Bの上方に移動するとともに、上挟持部1fと下挟持部3aによって缶Bをガタつきなく挟持することができる。
【0051】
また、缶ホルダAは、リング部材駆動部4dが後方に水平移動すると、リング支持部材6の支持腕部62とともに、軸支されているリング部材2の支持部材22の支持片部22b,22bが後方に移動して、併せてリング部本体21が後方に移動する。
【0052】
この時、缶ホルダAは、リング部材駆動部4dとリング部材2の支持部材22の支持片部22b,22bがリング支持部材6の支持腕部62,62に軸支されているので、トリガ部材4とリング部材2との連結部の動きを補助することができ、リング部材2の後方への移動を安定させることができる。
【0053】
缶ホルダAは、リング部材2が後方に移動することで、囲繞している缶Bも後方に移動するが、ホルダ本体1の前面には当接壁1gが設けられているので、缶Bはホルダ本体1の当接壁1gによって後方への移動が規制され、リング部本体21と当接壁1gによって缶Bを締め付けて強固に保持することができる。
【0054】
缶ホルダAは、トリガ部材4が後方に移動してトリガ部材4のロック溝4fがロック部材5のロック部5eの位置に達すると、図7に示すように、ばね部材5fの付勢力によりロック部5eがロック溝4fに係合するとともに、ロック部材5が後方に回動し、操作部5aが開口部1dの後方に移動する。
【0055】
缶ホルダAは、ロック部5eがロック溝4fに係合することでトリガ部材4の前方への移動が規制され、下挟持部3aと上挟持部1fによる缶の挟持状態及びリング部材2と当接壁1gによる缶Bの保持状態が維持される。
【0056】
缶ホルダAは、缶Bの保持状態において、ホルダ本体1の上面から露出するロック部材5の操作部5aを前方に操作することで、ロック部材5が回動軸5dを中心にして前方に回動し、ロック部5eがトリガ部材4のロック溝4fから離脱する。
【0057】
缶ホルダAは、ロック部5eがトリガ部材4のロック溝4fから離脱することで、トリガ部材4が後方のばね部材4gの付勢力によって前方に移動して、下挟持部材3が回動軸3eを中心に前方に回動させるとともに、リング部材2を前方に移動させて、締め付け状態が解除される。
【0058】
-リング部材の折り畳み-
本実施形態の缶ホルダは、不使用状態において、リング部材2を折り畳んで、携帯性の向上を図ることができる。
以下、缶ホルダAのリング部材2の折り畳み動作について説明する。
【0059】
缶ホルダAは、リング部材2が前方に突出した状態でリング部材2を下方に回動操作しようとしても、リング部本体21の支持片21b及び支持部材22がホルダ本体1の切欠き部1bに収まっており、リング部本体21の下面が切欠き部1bに当接してしまいリング部材2を下方に回動することができない。
【0060】
缶ホルダAは、リング部材2が前方に突出した状態からリング部材2を右方に回動させると、リング部材2は、リング支持部材6の支持腕部62の軸6aを中心にして回動して右方向に突出した状態となる。
【0061】
その後、缶ホルダAは、リング部本体21を下方に回動させることで、リング部本体21は、軸23を中心にしてリング部本体21が下方に回動して、図3図8に示すように、垂直状態となり、本体カバー部材11に沿った折り畳み状態とすることができる。
【0062】
-実施形態の缶ホルダの作用・効果-
以上のように、本実施形態の缶ホルダAは、缶に対して上方からリング部材2を被せ、トリガ部材4を操作することで、缶飲料に対して簡単に把手を設けることができるとともに、ロック部材5を操作することで、簡単に缶の保持状態を解除することができ、使い勝手が良い。
また、缶ホルダAは、不使用時にリング部材を折りたたむことができ、コンパクトにして携帯性がよい。
【0063】
なお、缶ホルダAの駆動機構を構成する各部材の構造や配置位置は、上記実施形態の駆動機構のものに限定されるものではない。
【0064】
例えば、ロック部材5の操作部5aは、ホルダ本体1の後側の面やホルダ本体1の上面と後側の面との境部分等の缶ホルダAを握っている手指によって操作可能な位置に配置してもよい。
ロック部材5の操作部5aを上面に設ければ、缶ホルダAを保持した手で操作部5aを安易に操作することを抑制し、不注意によるロック解除を防いで思わぬ缶Aの脱落を防止することができる。
一方、ロック部材5の操作部5aをホルダ本体1の後側の面や上面と後側の面との境部分に配置すれば、片手で缶Bの保持及び解除を操作することができるようになる。
【0065】
また、缶ホルダAを構成するホルダ本体1の本体カバー部材11をスケルトンに形成し、内部の駆動機構が視認可能に形成してもよい。さらに、ホルダ本体1の内部に配置された駆動機構の各部品の色を異ならせてもよい。
缶ホルダAは、内部を視認可能にすることで、さらには駆動機構の各部品に着色をすることで意匠性が向上する。
【0066】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0067】
1 :ホルダ本体
1f :上挟持部
1g :当接壁
2 :リング部材
3 :下挟持部材
3a :下挟持部
4 :トリガ部材
5 :ロック部材
A :缶ホルダ
B :缶
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8