(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050269
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】クラウドファンディング管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20230404BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20230404BHJP
【FI】
G06Q40/06
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160297
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】芦田 弘道
(72)【発明者】
【氏名】国安 千晶
(72)【発明者】
【氏名】▲かせ▼本 航希
(72)【発明者】
【氏名】小山 美里
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】クラウドファンディング案件に対する支援を活性化することができるクラウドファンディング管理システムを提供する。
【解決手段】
カード会サーバ(クラウドファンディング管理システム)1は、クレジットカード会員のクレジットカードの利用実績に基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定する案件特定部と、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、前記クレジットカード会員に提供する案件提供部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカード会員のクレジットカードの利用実績に基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定する案件特定部と、
特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、前記クレジットカード会員に提供する案件提供部と
を備える、クラウドファンディング管理システム。
【請求項2】
前記案件特定部は、クレジットカードの利用により購入された商品又はサービスに基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定する、
請求項1に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項3】
前記案件特定部は、前記クレジットカード会員の利用実績のあるクレジットカード加盟店が支援するクラウドファンディング案件を、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件として特定し、
前記案件提供部は、前記利用実績のあるクレジットカード加盟店を示す加盟店情報を含む前記案件情報を、前記クレジットカード会員に対して提供する、
請求項1又は2に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項4】
前記案件特定部は、前記クレジットカード会員が利用する可能性が高いクレジットカード加盟店が支援するクラウドファンディング案件を、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件として特定し、
前記案件提供部は、前記特定されたクレジットカード加盟店を示す加盟店情報を含む前記案件情報を、前記クレジットカード会員に対して提供する、
請求項1乃至3の何れかに記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項5】
前記案件特定部は、前記クレジットカード会員の属性に基づいて、当該クレジットカード会員が利用する可能性が高いクレジットカード加盟店を特定する、
請求項4に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項6】
前記案件特定部は、前記クレジットカードの利用実績に基づいて、前記クレジットカード会員が利用する可能性が高いクレジットカード加盟店を特定する、
請求項4又は5に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項7】
各クレジットカード会員が支援するクラウドファンディング案件を示す支援案件情報を取得する支援案件取得部と、
取得された支援案件情報に基づいて、各クレジットカード加盟店に適したクラウドファンディング案件を特定する第2案件特定部と、
特定されたクラウドファンディング案件を示す第2案件情報を、前記各クレジット加盟店に提供する第2案件提供部と
をさらに備える、
請求項1乃至6の何れかに記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項8】
前記第2案件特定部は、クレジットカード加盟店での利用実績があるクレジットカード会員が支援するクラウドファンディング案件を、当該クレジットカード加盟店に適したクラウドファンディング案件として特定する、
請求項7に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項9】
前記案件特定部は、クレジットカード加盟店での利用可能性が高いクレジットカード会員が支援するクラウドファンディング案件を、当該クレジットカード加盟店に適したクラウドファンディング案件として特定する、
請求項7又は8に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項10】
前記第2案件特定部は、前記クレジットカード加盟店の属性に基づいて、前記クレジットカード加盟店での利用可能性が高いクレジットカード会員を特定する、
請求項9に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項11】
前記第2案件特定部は、前記クレジットカード加盟店での利用実績に基づいて、前記クレジットカード加盟店での利用可能性が高いクレジットカード会員を特定する、
請求項9又は10に記載のクラウドファンディング管理システム。
【請求項12】
クレジットカード会員の属性を取得する属性取得部と、
取得された属性に基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定する案件特定部と、
特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、前記クレジットカード会員に提供する案件提供部と
を備える、クラウドファンディング管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドファンディング案件に関する情報を提供するクラウドファンディング管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードの利用によりユーザに対して付与されたポイントを活用するためのシステムが従来種々提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザに対して付与されたポイントを現金化して不動産投資用のクラウドファンディングに出資する出資管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の出資管理システムの場合、多数のクラウドファンディング案件の中から各ユーザが特定のクラウドファンディング案件を選択するにあたって、その選択を支援するような機能を有していない。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができるクラウドファンディング管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様のクラウドファンディング管理システムは、クレジットカード会員のクレジットカードの利用実績に基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定する案件特定部と、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、前記クレジットカード会員に提供する案件提供部とを備える。
【0007】
前記態様において、前記案件特定部は、クレジットカードの利用により購入された商品又はサービスに基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定してもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記案件特定部は、前記クレジットカード会員の利用実績のあるクレジットカード加盟店が支援するクラウドファンディング案件を、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件として特定し、前記案件提供部は、前記利用実績のあるクレジットカード加盟店を示す加盟店情報を含む前記案件情報を、前記クレジットカード会員に対して提供してもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記案件特定部は、前記クレジットカード会員が利用する可能性が高いクレジットカード加盟店が支援するクラウドファンディング案件を、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件として特定し、前記案件提供部は、前記特定されたクレジットカード加盟店を示す加盟店情報を含む前記案件情報を、前記クレジットカード会員に対して提供してもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記案件特定部は、前記クレジットカード会員の属性に基づいて、当該クレジットカード会員が利用する可能性が高いクレジットカード加盟店を特定してもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記案件特定部は、前記クレジットカードの利用実績に基づいて、前記クレジットカード会員が利用する可能性が高いクレジットカード加盟店を特定してもよい。
【0012】
また、前記態様において、各クレジットカード会員が支援するクラウドファンディング案件を示す支援案件情報を取得する支援案件取得部と、取得された支援案件情報に基づいて、各クレジットカード加盟店に適したクラウドファンディング案件を特定する第2案件特定部と、特定されたクラウドファンディング案件を示す第2案件情報を、前記各クレジット加盟店に提供する第2案件提供部とをさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記第2案件特定部は、クレジットカード加盟店での利用実績があるクレジットカード会員が支援するクラウドファンディング案件を、当該クレジットカード加盟店に適したクラウドファンディング案件として特定してもよい。
【0014】
また、前記態様において、前記第2案件特定部は、クレジットカード加盟店での利用可能性が高いクレジットカード会員が支援するクラウドファンディング案件を、当該クレジットカード加盟店に適したクラウドファンディング案件として特定してもよい。
【0015】
また、前記態様において、前記第2案件特定部は、前記クレジットカード加盟店の属性に基づいて、前記クレジットカード加盟店での利用可能性が高いクレジットカード会員を特定してもよい。
【0016】
また、前記態様において、前記第2案件特定部は、前記クレジットカード加盟店での利用実績に基づいて、前記クレジットカード加盟店での利用可能性が高いクレジットカード会員を特定してもよい。
【0017】
また、本発明の他の態様のクラウドファンディング管理システムは、クレジットカード会員の属性を取得する属性取得部と、取得された属性に基づいて、前記クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を特定する案件特定部と、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、前記クレジットカード会員に提供する案件提供部とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、クレジットカード会員に適したクラウドファンディング案件を当該会員に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】クラウドファンディング管理システム及びその通信先の構成を示すブロック図。
【
図2A】案件データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図2B】会員データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図2C】加盟店データベースのレイアウトの一例を示す図。
【
図3】第1会員提供処理の手順を示すフローチャート。
【
図4】第2会員提供処理の手順を示すフローチャート。
【
図5】第3会員提供処理の手順を示すフローチャート。
【
図7】第4会員提供処理の手順を示すフローチャート。
【
図8】第1加盟店提供処理の手順を示すフローチャート。
【
図10】第2加盟店提供処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
[システムの構成]
図1は、本実施の形態のクラウドファンディング管理システム及びその通信先の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、クレジットカード会社によって運用されるカード会社サーバ1が、クラウドファンディング管理システムとして機能する。ユーザ端末2は、クレジットカード会員(以下、単に「会員」という)側に設けられる装置であって、パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等で構成される。また、加盟店端末3は、クレジットカードの加盟店側に設けられる装置であって、パーソナルコンピュータ又はCAT(Credit Authorization Terminal)端末等で構成される。
【0022】
カード会社サーバ1とユーザ端末2及び加盟店端末3とは、ネットワーク101を介して相互に通信することが可能である。より具体的に説明すると、カード会社サーバ1及びユーザ端末2はインターネットを介して相互に通信し、カード会社サーバ1及び加盟店端末3はインターネット又は専用線を介して相互に通信する。
【0023】
カード会社サーバ1は、CPU、RAM、及びROMを含む制御部、並びに記憶部を備えるコンピュータであって、この制御部によって後述する各処理が実行される。また、カード会社サーバ1の記憶部には、クラウドファンディング案件に関する情報を格納する案件データベース(DB)11A、会員に関する情報を格納する会員DB11B、加盟店に関する情報を格納する加盟店DB11C、及び会員のクレジットカードの利用実績に関する情報を格納する利用実績DB11Dが設けられている。これらの各データベースの詳細について以下説明する。
【0024】
(A)案件DB11A
図2Aは、案件DB11Aのレイアウトの一例を示す図である。案件DB11Aは、クラウドファンディング案件の識別子(案件ID)、名称(案件名)、カテゴリ、目標金額、これまでの寄付総額(支援金額)、及び募集期限の各項目を少なくとも有している。このうち、案件名、目標金額、及び募集期限はクラウドファンディング案件の起案者により申告される情報であり、案件ID及びカテゴリはカード会社サーバ1により定められる情報である。また、支援総額は、支援者による支援額の総額であって、募集開始から募集期限までの間に更新される情報である。
【0025】
(B)会員DB11B
図2Bは、会員DB11Bのレイアウトの一例を示す図である。会員DB11Bは、会員の識別子(会員ID)及び氏名、並びに会員が支援しているクラウドファンディング案件の案件ID(支援案件)を少なくとも有している。支援案件は、会員によって、特定のクラウドファンディング案件の支援の決定がなされた場合に格納される。なお、会員DB11Bには、会員の連絡先として、会員の住所及び電子メールアドレス等の情報も格納される。カード会社サーバ1は、この連絡先を用いて、各会員に各種情報を提供することができる。また、会員DB11Bには、会員の氏名及び住所以外の各種属性として、性別、年齢、及び家族構成等の情報も格納される。
【0026】
会員DB11Bに支援案件が登録されている場合、その会員のクレジットカードの利用に伴い、その支援案件に対して寄付が行われる。具体的には、当該会員が所有しているポイント(クレジットカードの利用に応じて各会員に付与されるポイント)を用いて寄付が行われる。また、クレジットカードの利用額に所定の率を乗じて得た額の寄付が行われてもよい。この場合、その額は当該会員から徴収される。
【0027】
(C)加盟店DB11C
図2Cは、加盟店DB11Cのレイアウトの一例を示す図である。加盟店DB11Cは、加盟店の識別子(加盟店ID)及び名称(店舗名)、並びに加盟店が支援しているクラウドファンディング案件の案件ID(支援案件)を少なくとも有している。支援案件は、加盟店によって、特定のクラウドファンディング案件の支援の決定がなされた場合に格納される。なお、加盟店DB11Cには、加盟店の連絡先として、加盟店の住所及び電子メールアドレス等も格納される。カード会社サーバ1は、この連絡先を用いて、各加盟店に各種情報を提供することができる。
【0028】
加盟店DB11Cに支援案件が登録されている場合、その加盟店での会員によるクレジットカードの利用に伴い、その支援案件に対して寄付が行われる。具体的には、当該加盟店におけるクレジットカードによる売上高に所定の率を得た額の寄付が行われる。また、特定の会員(例えば、当該支援案件を支援している会員)の利用による売上高のみを対象にするようにしてもよい。これらの場合、寄付される額は当該加盟店から徴収される。
【0029】
(D)利用実績DB11D
利用実績DB11Dは、会員のクレジットカードの利用実績として、利用日時、利用加盟店、利用金額、及び購入内容(商品・サービス)等の情報を格納する。クレジットカードが利用される都度、利用実績DB11Dに利用実績が追加される。
【0030】
[システムの動作]
次に、上述したように構成されたカード会社サーバ1の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施の形態では、各会員に適したクラウドファンディング案件に関する情報を当該会員に提供する会員提供処理、及び各加盟店に適したクラウドファンディング案件に関する情報を当該加盟店に提供する加盟店提供処理が実行される。以下、各処理の詳細について説明する。
【0031】
(1)会員提供処理
カード会社サーバ1は、複数の方法によって、クラウドファンディング案件に関する情報を各会員に提供する。以下、その方法を例示する。
【0032】
(1-1)第1会員提供処理
第1会員提供処理では、クレジットカードの利用によって会員が購入した商品・サービスに基づいて当該会員に適したクラウドファンディング案件が特定され、その案件に関する情報が当該会員に対して提供される。この第1会員提供処理は、月1回など、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0033】
図3は、第1会員提供処理の手順を示すフローチャートである。カード会社サーバ1はまず、利用実績DB11Dからクレジットカードの利用実績を取得し(S101)、その利用実績に含まれる購入内容(購入された商品・サービス)に基づいて、案件DB11Aに格納されているクラウドファンディング案件の中から、それを購入した会員に適した案件を特定する(S102)。
【0034】
ステップS102では種々の処理が行われる。例えば、アウトドア用品を購入した会員に対して自然保護関連のクラウドファンディング案件を特定したり、戦国武将の書籍を購入した会員に対して熊本城修復のクラウドファンディング案件を特定したりすることなどが想定される。また、災害があった市町村に対してふるさと納税をした会員に対して他の市町村の災害復興関連のクラウドファンディング案件を特定したり、幼稚園・保育園等への支払を行った会員に対して児童公園の整備に関するクラウドファンディング案件を特定したりすることも想定可能である。このように、購入された商品・サービスと関連があるクラウドファンディング案件が特定されることになる。
【0035】
次に、カード会社サーバ1は、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、当該会員に対して出力する(S103)。この出力は、会員に対する提供手段に応じて実行される。例えば、会員に対して電子メールにて提供する場合、カード会社サーバ1は会員DB11Bに格納されている会員の電子メールアドレスを用いて、案件情報を含む電子メールを送信する。また、会員に対してウェブを用いて提供する場合、カード会社サーバ1は案件情報を閲覧可能なURLを発行し、そのURLを会員に対して通知する。また、会員に対して紙媒体で提供する場合であれば、カード会社サーバ1は紙媒体の印刷を行うためのシステムに対して案件情報を出力する。
【0036】
案件情報には、案件DB11Aに格納されている案件名、カテゴリ、目標金額、支援総額、及び募集期限等の各情報の他、クラウドファンディング案件の詳細な内容(寄付対象、リターン、及び起案者の詳細等)を閲覧するためのURLが含まれている。会員は、このURLを用いることにより、クラウドファンディング案件の詳細な内容を確認することができる。
【0037】
(1-2)第2会員提供処理
第2会員提供処理では、会員の属性に基づいて当該会員に適したクラウドファンディング案件が特定され、その案件に関する情報が当該会員に対して提供される。この第2会員提供処理も、第1会員提供処理と同様に、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0038】
図4は、第2会員提供処理の手順を示すフローチャートである。カード会社サーバ1はまず、会員DB11Bから会員に関する会員情報を取得し(S201)、その会員情報に含まれる会員の属性(住所、年齢、性別、及び家族構成等)に基づいて、案件DB11Aに格納されているクラウドファンディング案件の中からその会員に適した案件を特定する(S202)。
【0039】
ステップS202では種々の処理が行われる。例えば、特定の市町村の災害復興関連のクラウドファンディング案件を当該市町村に居住している会員に対して特定したり、幼児がいる家族構成の会員に対して児童公園の整備に関するクラウドファンディング案件を特定したりすることが想定される。このように、住所及び家族構成等の会員の属性と関連があるクラウドファンディング案件が特定されることになる。
【0040】
次に、カード会社サーバ1は、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、当該会員に対して出力する(S203)。この出力は、第1会員提供処理の場合と同様に、会員に対する提供手段に応じて実行される。また、案件情報の内容は、第1会員提供処理の場合と同様である。
【0041】
(1-3)第3会員提供処理
第3会員提供処理では、各加盟店が支援しているクラウドファンディング案件の中から特定の会員に適した案件が特定され、その案件に関する情報が当該会員に対して提供される。この第3会員提供処理も、第1会員提供処理と同様に、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0042】
図5は、第3会員提供処理の手順を示すフローチャートである。カード会社サーバ1はまず、案件DB11Aに格納されているクラウドファンディング案件の中から処理対象の案件を抽出する(S301)。次に、カード会社サーバ1は、加盟店DB11Cを参照して、処理対象の案件を支援している加盟店を特定する(S302)。
【0043】
次に、カード会社サーバ1は、利用実績DB11Dからクレジットカードの利用実績を取得し(S303)、ステップS302で特定した加盟店での利用実績がある会員を特定する(S304)。
【0044】
また、カード会社サーバ1は、当該加盟店での利用実績はないものの、将来当該加盟店を利用する可能性が高い会員を特定する(S305)。例えば、当該加盟店の所在地と住所が近い会員、当該加盟店での利用実績がある会員と年齢、性別、又は家族構成が一致若しくは類似する会員等のように、会員の属性に基づいて利用可能性が高い会員が特定される。
【0045】
ステップS305において、クレジットカードの利用実績に基づいて利用可能性が高い会員が特定されてもよい。例えば、当該加盟店と属性(所在地、及び取扱い商品・サービス等)が類似する他の加盟店での利用実績がある会員を、当該加盟店での利用可能性が高い会員として特定するようにしてもよい。
【0046】
次に、カード会社サーバ1は、ステップS304及びS305で特定された会員の中から、ステップS301で抽出された処理対象のクラウドファンディング案件を支援する可能性が高い会員を特定する(S306)。例えば、当該クラウドファンディング案件が、クレジットカードを利用して各会員が購入した商品・サービスと関連があるか否かを判定し、関連があると判定した場合に、当該会員を当該クラウドファンディング案件の支援可能性が高い会員として特定する。また、当該クラウドファンディング案件が、各会員の属性と関連があるか否かを判定し、関連があると判定した場合に、当該会員を当該クラウドファンディング案件の支援可能性が高い会員として特定してもよい。購入内容又は会員の属性とクラウドファンディング案件との関連性の有無の判断は、第1会員提供処理又は第2会員提供処理の場合と同様にして行うことができる。
【0047】
次に、カード会社サーバ1は、処理対象のクラウドファンディング案件を示す案件情報を、ステップS306にて特定された会員に対して出力する(S307)。この出力は、第1会員提供処理の場合と同様に、会員に対する提供手段に応じて実行される。また、案件情報の内容は、第1会員提供処理の場合と同様である。
【0048】
なお、上記の第3会員提供処理では、ステップS306にて支援可能性が高い会員を特定することによって案件情報の提供対象を絞り込んでいるが、このような絞り込みを行わずに、利用実績のある会員及び利用可能性が高い会員の全員に対して案件情報を提供するようにしてもよい。
【0049】
また、上記の第3会員提供処理では、先に加盟店を特定し(S302)、その後にその加盟店での利用実績がある会員及び利用可能性が高い会員等を特定しているが(S304及びS305)、先に会員を特定し、その後にその会員の利用実績がある加盟店及び利用可能性が高い加盟店を特定するようにしてもよい。結果として会員と加盟店とを対応付けることができれば、どちらの手順を採用しても構わない。
【0050】
上記の第1乃至第3会員提供処理では、特定の会員に対して特定の案件情報が提供される。上述したように、その提供手段は種々想定される。以下、第3会員提供処理によって、ウェブブラウザ上で利用明細を確認可能な所謂ウェブ明細を介して案件情報が提供される場合について例示する。
【0051】
会員は、所望のタイミングで、ユーザ端末2を用いてカード会社サーバ1に対してアクセスし、ウェブ明細を参照することができる。本実施の形態の場合、このウェブ明細の中に、当該会員に適したクラウドファンディング案件を示す案件情報が含まれる。
【0052】
図6は、ウェブ明細の表示例を示す図である。このウェブ明細には、従来のウェブ明細の場合と同様に利用日時、店舗名、購入内容、及び金額等が表示される一方、当該会員に提供される案件情報に示されるクラウドファンディング案件を表す情報(推奨案件)が表示される。この場合、利用された加盟店(会員の利用実績がある加盟店)が支援しているクラウドファンディング案件を表す情報が表示される。さらに、このウェブ明細には、その推奨案件に賛同するか否かを示す情報(賛同可否)が表示される。これらの推奨案件及び賛同可否には、後述するように特定の情報を出力するためのURLがリンクされている。
【0053】
また、
図6に示す例では、当該会員の利用可能性が高い加盟店が支援しているクラウドファンディング案件に関する情報も表示されている。具体的に説明すると、「下記の店舗でもクラウドファンディング案件を支援しています」とのメッセージの下方に、利用可能性が高い加盟店の店舗名、当該加盟店が支援しているクラウドファンディング案件を表す情報(推奨案件)、及びその推奨案件に対する賛同可否が表示されている。
【0054】
ウェブ明細中の推奨案件を会員がクリックすると、案件名、カテゴリ、目標金額、支援総額、及び募集期限等の案件DB11Aに格納されている各情報の他、寄付対象、リターン、及び起案者の詳細等が、ウェブブラウザ上に表示される。これにより、会員はその推奨案件の詳細まで確認することができる。
【0055】
また、推奨案件の内容について検討した結果、当該推奨案件の支援を会員が決定した場合、会員は、賛同可否における「YES」をクリックする。この場合、ユーザ端末2からカード会社サーバ1に対して推奨案件の支援が同意された旨の情報が送信される。この場合、カード会社サーバ1は、会員DB11Bにおける当該会員の支援案件として、この推奨案件の案件IDを格納する。これにより、会員による推奨案件の支援が実行可能となる。
【0056】
他方、推奨案件の支援を行わないことを会員が決定した場合、会員は、賛同可否における「NO」をクリックする。この場合、ユーザ端末2からカード会社サーバ1に対して推奨案件の支援が同意されなかった旨の情報が送信される。この場合、カード会社サーバ1は、当該会員が推奨案件の支援に同意しなかったことを示す情報を記憶しておく。この情報を用いることにより、その後当該会員に対して案件情報を提供する場合に、支援の同意が得られなかった案件を外す等の対応が可能になる。
【0057】
(1-4)第4会員提供処理
第4会員提供処理では、各会員がクレジットカードを利用するときに当該会員に適したクラウドファンディング案件に関する情報が当該会員に対して提供される。この第4会員提供処理は、会員によるクレジットカードの利用の都度、実行される。
【0058】
図7は、第4会員提供処理の手順を示すフローチャートである。特定の加盟店にて会員がクレジットカードを利用する場合、加盟店端末3から会員ID等の所定の情報がカード会社サーバ1に送信され、当該情報を用いてカード会社サーバ1にて信用照会(オーソリゼーション)が実行される。その結果クレジットカードの利用が承認された場合、カード会社サーバ1は、今回の利用に関するカード利用情報を取得する(S401)。このカード利用情報には、会員ID及び加盟店ID等が含まれている。
【0059】
次に、カード会社サーバ1は、加盟店DB11Cを参照し、今回利用された加盟店が支援しているクラウドファンディング案件を特定する(S402)。なお、当該加盟店が支援しているクラウドファンディング案件が存在しない場合、これ以降の処理は実行されない。
【0060】
次に、カード会社サーバ1は、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、会員に対して出力する(S403)。この出力は、クレジットカードの利用態様に応じて実行される。例えば、会員が加盟店の店頭にてクレジットカードを利用する場合、その店頭に設けられた加盟店端末3に対してカード会社サーバ1から案件情報が送信される。この場合、加盟店端末3は、案件情報に示されるクラウドファンディング案件の案件名等の情報を含む利用明細を印刷する。会員は、その利用明細を参照することにより、当該加盟店が支援しているクラウドファンディング案件を知ることができる。
【0061】
また、加盟店が運営するオンラインショップにて会員がクレジットカードを利用する場合であれば、そのオンラインショップを運用するウェブサーバに対してカード会社サーバ1から案件情報が送信される。この場合、そのウェブサーバは、上記の案件名等の情報を含む利用明細を、会員が操作するユーザ端末2に送信する。これにより、会員は、当該加盟店が支援しているクラウドファンディング案件を知ることができる。
【0062】
なお、上記の第4会員提供処理では、利用された加盟店の支援案件のみが会員に通知されているが、それに加えて、例えば当該加盟店と属性が類似する他の加盟店(当該会員の利用可能性が高い加盟店)の支援案件を会員に通知するようにしてもよい。
【0063】
上記の各会員提供処理によって、会員は、自身に適したクラウドファンディング案件を把握することができる。そのため、会員は、自身が支援するクラウドファンディング案件を容易に選択することが可能になる。その結果、クレジットカードのポイント等を利用したクラウドファンディングの寄付が促進され、各案件に対する支援の活性化が期待できる。
【0064】
また、第3会員提供処理によれば、会員は、自身が利用したことがある加盟店及び利用実績はないものの利用の可能性が高い加盟店等が支援するクラウドファンディング案件を把握することができる。これらの加盟店で当該会員がクレジットカードを利用する場合、会員及び当該加盟店の両者から当該クラウドファンディング案件に寄付がなされることになるため、より強力な支援となる。
【0065】
(2)加盟店提供処理
カード会社サーバ1は、複数の方法によって、クラウドファンディング案件に関する情報を各加盟店に提供する。以下、その方法を例示する。
【0066】
(2-1)第1加盟店提供処理
第1加盟店提供処理では、各会員が支援しているクラウドファンディング案件の中から特定の加盟店に適した案件が特定され、その案件に関する情報が当該加盟店に対して提供される。この加盟店提供処理は、月1回など、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0067】
図8は、第4会員提供処理の手順を示すフローチャートである。カード会社サーバ1はまず、案件DB11Aに格納されているクラウドファンディング案件の中から処理対象の案件を抽出する(S501)。次に、カード会社サーバ1は、会員DB11Bを参照して、処理対象の案件を支援している会員を特定する(S502)。
【0068】
次に、カード会社サーバ1は、利用実績DB11Dからクレジットカードの利用実績を取得し(S503)、ステップS502で特定した会員について利用実績がある加盟店を特定する(S504)。
【0069】
また、カード会社サーバ1は、当該会員の利用実績はないものの、将来当該会員が利用する可能性が高い加盟店を特定する(S505)。例えば、当該会員の住所と近い所在地の加盟店、当該会員の利用実績がある加盟店と属性(所在地、及び取扱い商品・サービス等)が類似する加盟店等のように、加盟店の属性に基づいて利用可能性が高い加盟店が特定される。
【0070】
ステップS505において、各加盟店でのクレジットカードの利用実績に基づいて利用可能性が高い加盟店が特定されてもよい。例えば、当該加盟店での利用実績がある会員と属性(年齢、性別、及び家族構成等)が類似する他の会員について利用実績がある加盟店を、当該会員が利用する可能性が高い加盟店として特定するようにしてもよい。
【0071】
次に、カード会社サーバ1は、ステップS504及びS505で特定された加盟店の中から、ステップS501で抽出された処理対象のクラウドファンディング案件を支援する可能性が高い加盟店を特定する(S506)。例えば、当該クラウドファンディング案件が、各加盟店が取り扱っている商品・サービス又は各加盟店の所在地と関連があるか否かを判定し、関連があると判定した場合に、当該加盟店を当該クラウドファンディング案件の支援可能性が高い加盟店として特定する。この場合、自然保護関連のクラウドファンディング案件はアウトドア用品を取り扱う加盟店と関連があると判定されたり、児童公園の整備に関するクラウドファンディング案件は当該児童公園の近隣に店舗を有する加盟店と関連があると判定されたりすることが想定可能である。
【0072】
次に、カード会社サーバ1は、処理対象のクラウドファンディング案件を示す案件情報を、ステップS506にて特定された加盟店に対して出力する(S507)。この出力は、加盟店に対する提供手段に応じて実行される。例えば、加盟店に対して電子メールにて提供する場合、カード会社サーバ1は加盟店DB11Cに格納されている加盟店の電子メールアドレスを用いて、案件情報を含む電子メールを送信する。また、加盟店に対してウェブを用いて提供する場合、カード会社サーバ1は案件情報を閲覧可能なURLを発行し、そのURLを加盟店に対して通知する。また、加盟店に対して紙媒体で提供する場合であれば、カード会社サーバ1は紙媒体の印刷を行うためのシステムに対して案件情報を出力する。
【0073】
会員提供処理の場合と同様に、案件情報には、案件DB11Aに格納されている案件名、カテゴリ、目標金額、支援総額、及び募集期限等の各情報の他、クラウドファンディング案件の詳細な内容(寄付対象、リターン、及び起案者の詳細等)を閲覧するためのURLが含まれている。加盟店は、このURLを用いることにより、クラウドファンディング案件の詳細な内容を確認することができる。
【0074】
なお、上記の第1加盟店提供処理では、ステップS506にて支援可能性が高い加盟店を特定することによって案件情報の提供対象を絞り込んでいるが、このような絞り込みを行わずに、利用実績のある加盟店及び利用可能性が高い加盟店のすべてに対して案件情報を提供するようにしてもよい。
【0075】
また、上記の第1加盟店提供処理では、先に会員を特定し(S502)、その後にその会員について利用実績がある加盟店及び利用可能性が高い加盟店等を特定しているが(S504及びS505)、先に加盟店を特定し、その後にその加盟店において利用実績がある会員及び利用可能性が高い会員を特定するようにしてもよい。結果として会員と加盟店とを対応付けることができれば、どちらの手順を採用しても構わない。
【0076】
上記の第1会員提供処理では、特定の加盟店に対して特定の案件情報が提供される。上述したように、その提供手段は種々想定される。以下、各加盟店がクレジットカードの売上情報を表示する売上情報画面を介して案件情報が提供される場合について例示する。
【0077】
加盟店は、所望のタイミングで、加盟店端末3を用いてカード会社サーバ1に対してアクセスし、売上情報画面を参照することができる。本実施の形態の場合、この売上情報画面の中に、当該加盟店に適したクラウドファンディング案件を示す案件情報が含まれる。
【0078】
図9は、売上情報画面の表示例を示す図である。この売上情報画面には、従来の売上情報画面の場合と同様に、処理対象の月における売上実績(会員ID及び金額等)が表示される一方、加盟店に提供される案件情報に示されるクラウドファンディング案件を表す情報(推奨案件)が表示される。この場合、当該会員が支援しているクラウドファンディング案件を表す情報が表示される。さらに、この売上情報画面には、その推奨案件に賛同するか否かを示す情報(賛同可否)が表示される。これらの推奨案件及び賛同可否には、後述するように特定の情報を出力するためのURLがリンクされている。
【0079】
また、
図9に示す例では、当該加盟店の利用可能性が高い会員が支援しているクラウドファンディング案件に関する情報も表示されている。具体的に説明すると、「貴店舗を利用する可能性が高い会員が、下記クラウドファンディング案件を支援しています」とのメッセージの下方に、利用可能性が高い怪異が支援しているクラウドファンディング案件を表す情報(推奨案件)、及びその推奨案件に対する賛同可否が表示されている。
【0080】
売上情報画面中の推奨案件を加盟店がクリックすると、案件名、カテゴリ、目標金額、支援総額、及び募集期限等の案件DB11Aに格納されている各情報の他、寄付対象、リターン、及び起案者の詳細等が、ウェブブラウザ上に表示される。これにより、加盟店はその推奨案件の詳細まで確認することができる。
【0081】
また、推奨案件の内容について検討した結果、当該推奨案件の支援を加盟店が決定した場合、加盟店は、賛同可否における「YES」をクリックする。この場合、加盟店端末3からカード会社サーバ1に対して推奨案件の支援が同意された旨の情報が送信される。この場合、カード会社サーバ1は、加盟店DB11Cにおける当該加盟店の支援案件として、この推奨案件の案件IDを格納する。これにより、加盟店による推奨案件の支援が実行可能となる。
【0082】
他方、推奨案件の支援を行わないことを加盟店が決定した場合、加盟店は、賛同可否における「NO」をクリックする。この場合、加盟店端末3からカード会社サーバ1に対して推奨案件の支援が同意されなかった旨の情報が送信される。この場合、カード会社サーバ1は、当該加盟店が推奨案件の支援に同意しなかったことを示す情報を記憶しておく。この情報を用いることにより、その後当該加盟店に対して案件情報を提供する場合に、支援の同意が得られなかった案件を外す等の対応が可能になる。
【0083】
(2-2)第2加盟店提供処理
第2加盟店提供処理では、各会員がクレジットカードを利用するときに、利用された加盟店に適したクラウドファンディング案件に関する情報が当該加盟店に対して提供される。この第2加盟店提供処理は、会員によるクレジットカードの利用の都度、実行される。
【0084】
図10は、第2加盟店提供処理の手順を示すフローチャートである。上述した第4会員提供処理の場合と同様に、カード会社サーバ1による信用照会の結果、クレジットカードの利用が承認された場合、カード会社サーバ1は、今回の利用に関するカード利用情報を取得する(S601)。このカード利用情報には、会員ID及び加盟店ID等が含まれている。
【0085】
次に、カード会社サーバ1は、会員DB11Bを参照し、今回クレジットカードを利用する会員が支援しているクラウドファンディング案件を特定する(S602)。なお、当該会員が支援しているクラウドファンディング案件が存在しない場合、これ以降の処理は実行されない。
【0086】
次に、カード会社サーバ1は、特定されたクラウドファンディング案件を示す案件情報を、加盟店に対して出力する(S603)。この出力は、クレジットカードの利用態様に応じて実行される。例えば、会員が加盟店の店頭にてクレジットカードを利用する場合、その店頭に設けられた加盟店端末3に対してカード会社サーバ1から案件情報が送信される。この場合、加盟店端末3は、案件情報に示されるクラウドファンディング案件の案件名等を表示部上に表示したり、紙媒体に印刷したりする。これにより、加盟店は、当該会員が支援しているクラウドファンディング案件を知ることができる。
【0087】
また、加盟店が運営するオンラインショップにて会員がクレジットカードを利用する場合であれば、そのオンラインショップを運用するウェブサーバに対してカード会社サーバ1から案件情報が送信される。この場合、そのウェブサーバは、上記の案件名等の情報を含む情報を加盟店端末3に送信する。これにより、加盟店は、当該会員が支援しているクラウドファンディング案件を知ることができる。
【0088】
なお、上記の第2加盟店提供処理では、今回クレジットカードを利用する会員の支援案件のみが加盟店に通知されているが、それに加えて、例えば当該会員と属性が類似する他の会員(当該加盟店の利用可能性が高い会員)の支援案件を加盟店に通知するようにしてもよい。
【0089】
上記の各加盟店提供処理によって、加盟店は、自身に適したクラウドファンディング案件として、自店での利用実績が既にある会員及び利用実績はないものの利用の可能性が高い会員等が支援するクラウドファンディング案件を把握することができる。加盟店がこれらのクラウドファンディング案件を支援することは、これらの会員が支援しているクラウドファンディング案件の支援となる。そのため、加盟店にとっては、顧客満足度の向上が可能となり、会員によるクレジットカードの利用の促進が期待できる。したがって、加盟店は、クラウドファンディング案件の支援を積極的に検討することになり、その結果クラウドファンディングの寄付の促進が図られることになる。
【0090】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、1社のクレジットカード会社を想定した内容となっているが、複数のクレジットカード会社を想定した内容とすることも可能である。例えば、複数のクレジットカード会社について、会員及び加盟店に関する情報並びに利用実績等の各種情報を蓄積するカード会社統合システムを構築し、このカード会社統合システムが、各クレジットカード会社のカード会社サーバ1に対して他社に係るこれらの各種情報を提供することにすれば、複数のクレジットカード会社を想定して上記の実施の形態を実現することが可能である。なお、複数のクレジットカード会社の各種情報を登録可能なインフラサービスが既に実現されているため、そのようなインフラサービスを利用することによっても、複数のクレジットカード会社を想定して上記の実施の形態を実現することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 カード会社サーバ
11A 案件DB
11B 会員DB
11C 加盟店DB
11D 利用実績DB
2 ユーザ端末
3 加盟店端末
101 ネットワーク