(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050290
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】配達管理システム、配達管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230404BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230404BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q30/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160327
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】321003371
【氏名又は名称】LINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 彰二
(72)【発明者】
【氏名】徳原 希望
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB65
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザによる商品の発注の前に、商品の配達見積時間を算出できる配達管理システム、配達管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】商品配達システム1において、配達管理システム4は、リソース管理部と、第1通信部と、見積算出部と、を有する配達管理サーバ8を備える。リソース管理部は、配達リソース情報を管理する。配達リソース情報は、複数の配達リソースの情報を含む。第1通信部は、配達先への商品の配達見積時間の要求をユーザ端末5から受けた販売システム3から、商品の供給拠点の情報及び配達先エリアの情報を受信する。配達先エリアは、配達先を含むエリアである。見積算出部は、第1通信部が販売システムから受信する供給拠点を特定する情報及び配達先エリアの情報並びにリソース管理部が管理する配達リソースの情報に基づいて、販売システムがユーザ端末5から商品の発注を受ける前に配達見積時間を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報を管理するリソース管理部と、
配達先への商品の配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末から受けた販売システムから、前記商品の供給拠点を特定する情報および前記配達先を含むエリアである配達先エリアの情報を受信する受信部と、
前記受信部が前記販売システムから受信する前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報、ならびに前記リソース管理部が管理する前記配達リソース情報に基づいて、前記販売システムが前記ユーザ端末から前記商品の発注を受ける前に前記配達見積時間を算出する見積算出部と、
を備える配達管理システム。
【請求項2】
前記見積算出部は、前記複数の配達リソースのうちから選択される少なくともいずれかの配達リソースの各々について前記配達先への前記商品の配達時間を見積もり、見積もった配達時間の統計量を前記配達見積時間として算出する
請求項1に記載の配達管理システム。
【請求項3】
前記見積算出部は、前記受信部が前記販売システムから受信する前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報、ならびに前記リソース管理部が管理する前記配達リソース情報に基づいて、前記販売システムが前記ユーザ端末から前記商品の発注を受ける前に、前記複数の配達リソースの少なくともいずれかによる前記供給拠点への前記商品の集荷見積時間を算出する
請求項1または請求項2に記載の配達管理システム。
【請求項4】
前記見積算出部は、前記複数の配達リソースのうちから選択される少なくともいずれかの配達リソースの各々について前記供給拠点への前記商品の集荷時間を見積もり、見積もった集荷時間の統計量を前記集荷見積時間として算出する
請求項3に記載の配達管理システム。
【請求項5】
前記販売システムが前記ユーザ端末から前記商品の発注を受けたときに前記受信部が前記販売システムから受信する前記供給拠点の情報および前記配達先の情報、ならびに前記リソース管理部が管理する前記配達リソース情報に基づいて、前記商品の配達予定時間を算出する予定算出部
を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の配達管理システム。
【請求項6】
前記予定算出部は、前記販売システムが前記ユーザ端末から前記商品の発注を受けたときに前記受信部が前記販売システムから受信する前記供給拠点の情報および前記配達先の情報、ならびに前記リソース管理部が管理する前記配達リソース情報に基づいて、前記複数の配達リソースの少なくともいずれかによる前記供給拠点への前記商品の集荷予定時間を算出する
請求項5に記載の配達管理システム。
【請求項7】
前記受信部が前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報を受信するときに、前記配達見積時間の要求があったことを前記複数の配達リソースの少なくともいずれかに提示する要求発生情報を前記受信部が受信した情報に基づいて生成する生成部
を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配達管理システム。
【請求項8】
前記受信部は、前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報に加えて、前記商品の配達属性の情報を前記販売システムから受信し、
前記生成部は、前記配達属性の情報を含めて前記要求発生情報を生成する、
請求項7に記載の配達管理システム。
【請求項9】
前記受信部が前記販売システムから受信する情報を蓄積して記憶する記憶部と、
前記配達見積時間の要求の発生の傾向を前記複数の配達リソースの少なくともいずれかに提示する要求傾向情報を前記記憶部が記憶する情報に基づいて生成する生成部と、
を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配達管理システム。
【請求項10】
前記ユーザを特定する特定情報に対応づけて前記ユーザのユーザ属性を管理するユーザ管理部と、
前記受信部が前記販売システムから前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報に加えて前記特定情報を受信するときに、当該特定情報に対応づけて前記ユーザ管理部が管理する前記ユーザ属性、および予め登録されたターゲット属性が合致する場合に、前記ユーザに前記商品の購入を促すインセンティブを発行する発行部と、
を備える請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の配達管理システム。
【請求項11】
配達先への商品の配達見積時間をコンピュータが算出する配達管理方法であり、
前記配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末から受けた販売システムから、前記商品の供給拠点を特定する情報および前記配達先を含むエリアである配達先エリアの情報を受信することと、
前記販売システムから受信する前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報、ならびに複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報に基づいて、前記販売システムが前記ユーザ端末から前記商品の発注を受ける前に前記配達見積時間を算出することと、
を含む配達管理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
配達先への商品の配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末から受けた販売システムから、前記商品の供給拠点を特定する情報および前記配達先を含むエリアである配達先エリアの情報を受信することと、
前記販売システムから受信する前記供給拠点を特定する情報および前記配達先エリアの情報、ならびに複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報に基づいて、前記販売システムが前記ユーザ端末から前記商品の発注を受ける前に前記配達見積時間を算出することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達管理システム、配達管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、配達システムの例を開示する。配達システムにおいて、商品を発注したユーザに商品の配達予定時間が提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の配達システムにおいて、配達予定時間は、ユーザが商品を発注した後に、商品を提供する店舗から入力される。このため、ユーザは、商品の発注の前に、商品が配達されるまでの時間を知ることができない。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、ユーザによる商品の発注の前に、商品の配達見積時間を算出できる配達管理システム、配達管理方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る配達管理システムは、複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報を管理するリソース管理部と、配達先への商品の配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末から受けた販売システムから、商品の供給拠点を特定する情報および配達先を含むエリアである配達先エリアの情報を受信する受信部と、受信部が販売システムから受信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報、ならびにリソース管理部が管理する配達リソース情報に基づいて、販売システムがユーザ端末から商品の発注を受ける前に配達見積時間を算出する見積算出部と、を備える。
【0007】
本開示に係る配達管理方法は、配達先への商品の配達見積時間をコンピュータが算出する配達管理方法であり、配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末から受けた販売システムから、商品の供給拠点を特定する情報および配達先を含むエリアである配達先エリアの情報を受信することと、販売システムから受信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報、ならびに複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報に基づいて、販売システムがユーザ端末から商品の発注を受ける前に配達見積時間を算出することと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、配達先への商品の配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末から受けた販売システムから、商品の供給拠点を特定する情報および配達先を含むエリアである配達先エリアの情報を受信することと、販売システムから受信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報、ならびに複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報に基づいて、販売システムがユーザ端末から商品の発注を受ける前に配達見積時間を算出することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る配達管理システム、配達管理方法、またはプログラムであれば、ユーザによる商品の発注の前に、商品の配達見積時間を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る商品配達システムの構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る端末装置の構成図である。
【
図3】実施の形態1に係る配達管理システムの構成図である。
【
図4】実施の形態1に係る商品配達システムにおける配達が行われる状況の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る商品配達システムの動作の例を示すシーケンス図である。
【
図6】実施の形態1に係る商品配達システムの動作の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る商品配達システム1の構成図である。
【0012】
商品配達システム1は、ユーザによって指定された配達先に、ユーザが発注した商品を配達するサービスを提供するシステムである。ここで、配達される商品は、限定でなく例として、料理もしくは食材などの飲食物、食品容器などの消耗品、事務用品、日用品、または医薬品などを含む。商品配達システム1において、ネットワーク2を介して、販売システム3、または配達管理システム4などの情報処理システムと、ユーザ端末5、配達端末6、または拠点端末7などの端末装置とが接続される。なお、ネットワーク2に接続される販売システム3の数は限定されない。また、ネットワーク2に接続される端末装置の数は限定されない。
【0013】
ネットワーク2は、1以上の情報処理システムと1以上の端末装置とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク2は、端末装置が情報処理システムに接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0014】
ネットワーク2のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークまたは無線ネットワークのいずれであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク2は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(Integrated Service Digital Networks)、無線LAN、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク2は、1つまたは複数のネットワークを含むことができる。
【0015】
ユーザ端末5、配達端末6、および拠点端末7などの端末装置は、本開示の実施の形態において記載される機能を実現できるものであれば、どのような端末装置であってもよい。端末装置は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、もしくはコミュニケーションプラットホームを含む。
【0016】
販売システム3、および配達管理システム4などの情報処理システムは、端末装置に対して所定のサービスを提供する機能を備える。各々の情報処理システムは、本開示の実施の形態において記載される機能を実現できるものであれば、どのような情報処理装置であってもよい。各々の情報処理システムは、限定でなく例として、1台もしくは複数台のサーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、または他種のコンピュータ、もしくはコミュニケーションプラットホームを含む。また、各々の情報処理システムの機能の一部または全部は、例えばクラウドサービス上の仮想マシン、または処理もしくは記憶などのリソースなどによって実現されるものであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0017】
この例において、配達管理システム4は、配達管理サーバ8、およびユーザ管理サーバ9を含む。あるいは、配達管理システム4は、単一のサーバ装置またはその他のコンピュータ装置などによって構成されるシステムであってもよいし、そうでなくてもよい。配達管理サーバ8およびユーザ管理サーバ9の各々は、例えば、1台もしくは複数台のサーバ装置またはその他のコンピュータ装置などによって構成される。あるいは、配達管理サーバ8およびユーザ管理サーバ9の各々の機能の一部または全部は、例えばクラウドサービス上の仮想マシン、または処理もしくは記憶などのリソースなどによって実現されるものであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0018】
配達管理サーバ8は、配達リソース情報を管理する機能を搭載する。配達リソース情報は、複数の配達リソースの情報を含む。各々の配達リソースは、ユーザの配達先への商品の配達を担う。配達リソースは、例えば、ユーザの配達先への配達を担う個々の配達員などである。各々の配達員は、例えば、徒歩、自転車、自動二輪車、または自動車などによって商品を配達する人である。あるいは、複数の配達リソースの一部または全部は、ドローンまたは自動運転車などの自律的に移動する装置である自律移動体10などであってもよいし、そうでなくてもよい。この例において、配達リソース情報は、各々の配達リソースの位置情報を含む。この例において、配達管理サーバ8は、配達リソース情報として、各々の配達リソースについて、移動速度の情報、配達可能な商品の大きさもしくは重量の情報、または配達ランクの情報などを管理している。ここで、配達ランクは、例えば、配達員などの配達リソースの配達経験、配達技能、またはユーザによる評価などに基づいて設定される。なお、配達リソース情報は、例えば、複数の配達リソースに空きがあるか否かなどの情報であってもよい。当該情報は、例えば、各々の自律移動体10が動作せず待機中であるか否かなどの情報を含んでもよい。
【0019】
ユーザ管理サーバ9は、ユーザの情報を管理する機能を搭載する。ユーザ管理サーバ9において、ユーザの情報は、当該ユーザを特定する特定情報に対応づけて管理される。ユーザを特定する情報は、例えばユーザID(IDentifier)などである。ユーザIDは、例えばメッセージングアプリケーションまたはSNS(Social Networking Service)などのアカウントに対応するユーザIDであってもよいし、そうでなくてもよい。ユーザ管理サーバ9において管理されるユーザの情報は、例えばユーザ属性などの情報を含む。ユーザ属性は、例えばユーザの年齢、ユーザの性別、またはユーザの趣味嗜好などの情報を含む。また、ユーザ管理サーバ9において管理されるユーザの情報は、例えばユーザの名前、ユーザのアイコン画像、またはユーザの住所などの情報を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。
【0020】
販売システム3は、ユーザに商品を販売する機能を搭載したシステムである。この例において、販売システム3は、配達管理システム4の外部システムである。販売システム3は、例えばECシステム(Electronic Commerce System)などである。販売システム3は、例えばウェブサービスなどとして、商品を購入する機会をユーザに提供する。販売システム3において、配達見積時間の要求ボタンなどのインターフェイスが実装される。配達見積時間は、ユーザからの商品の発注を受ける前に算出される、当該商品の配達先への配達までに要する時間である。要求ボタンは、ユーザによる配達見積時間の要求を受け付けるインターフェイスの例である。要求ボタンは、例えば、販売システム3の商品を選択するページなどにおいて、個々の商品について実装される。このとき要求される配達見積時間は、例えば当該商品の配達に要する時間である。あるいは、要求ボタンは、カートに入れられた商品が確認可能なページなどに実装されていてもよい。このとき要求される配達見積時間は、例えば、カートに入れられた商品全体をまとめて配達することに要する時間であってもよいし、カートに入れられた商品の各々を個別に配達する場合に要する時間であってもよい。要求ボタンは、これらの両方のページにおいて実装されていてもよいし、これらの他のページに実装されていてもよい。
【0021】
販売システム3は、販売する商品の供給拠点の情報を管理する。供給拠点は、例えば商品を販売する店舗、または商品を保管する倉庫などである。供給拠点の情報は、例えば、当該供給拠点の住所、または当該拠点の配達対応エリアなどの情報を含む。
【0022】
この例において、販売システム3は、ユーザの配達先の情報を管理する。販売システム3が個別にユーザの情報を管理する場合に、ユーザの情報は、当該ユーザを販売システム3のユーザとして特定するユーザIDなどに対応づけて管理される。このとき、販売システム3におけるユーザIDは、ユーザ管理サーバ9が管理するユーザIDと異なっていてもよい。販売システム3において管理されるユーザの情報は、例えば、ユーザの配達先の住所、および当該配達先を含む配達先エリアの情報などである。配達先エリアは、配達先となりうる1つまたは複数の場所を含むエリアである。商品配達システム1において、配達先エリアに対応する代表点が予め設定されている。代表点は、配達先エリアに含まれるいずれかの場所を表す。配達先エリアの代表点は、例えば、配達先エリアの中心付近の場所などとして予め設定される。配達先エリアは、例えば、販売システム3がユーザの配達先または商品の供給拠点に応じて予め設定された複数のエリアのいずれかから設定してもよいし、販売システム3において予め設定された複数のエリアのいずれかからユーザが選択してもよい。なお、販売システム3は、ユーザ自身による許可が得られる場合に、例えば、ユーザ管理サーバ9が管理するユーザIDなどの、外部システムにおいて管理されるユーザIDとの連携を行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0023】
この例の販売システム3において、各々の商品に配達属性が予め設定されている。商品の配達属性は、当該商品の配達に影響する属性である。配達属性は、例えば、商品の大きさ、商品の重さ、または商品の配達難易度などを含む。商品の配達難易度は、例えば、商品が汁物を含む飲食物などの運搬に特に注意を要するものである場合に、より高く設定される。販売システム3において複数の商品をまとめた配達が可能である場合に、販売システム3は、これらの商品全体についての配達属性を設定する。このとき、配達属性は、商品の数量、商品全体の大きさ、商品全体の重さ、商品全体の配達難易度などを含む。ここで、商品全体の大きさまたは商品全体の重さは、例えば個々の商品の大きさまたは重さの総和などである。商品全体の配達難易度は、例えば個々の商品の配達難易度のうちの最大値などである。
【0024】
この例において、販売システム3は、ターゲットとするユーザ属性の情報をターゲット属性として配達管理システム4に予め登録している。ここで、ターゲット属性は、販売システム3自体に対応して登録されていてもよいし、販売システム3における例えば支店などの供給拠点ごとに対応して登録されていてもよいし、販売システム3において取り扱われる商品ごとに対応して登録されていてもよし、これらの組み合わせに対応して登録されていてもよい。
【0025】
図2は、実施の形態1に係る端末装置の構成図である。
【0026】
ユーザ端末5は、商品配達システム1のユーザが扱う端末装置である。配達端末6は、商品の配達を担う配達リソースが扱う端末装置である。配達リソースが配達員などの人である場合に、配達端末6は、例えば、配達員が所持する可搬な端末装置である。配達リソースが自律移動体10である場合に、配達端末6は、例えば当該自律移動体10に搭載されている。あるいは、自律移動体10自体が配達端末6の機能を搭載していてもよいし、そうでなくてもよい。拠点端末7は、商品の供給拠点のスタッフが扱う端末装置である。
【0027】
各々の端末装置は、端末通信部11と、端末入力部12と、端末出力部13と、端末制御部14と、端末記憶部15と、を備える。端末装置のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスを介して相互に接続される。なお、端末装置のハードウェア構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、端末装置は、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外せるような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0028】
端末通信部11は、ネットワーク2を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。端末通信部11は、ネットワーク2を介して、販売システム3、または配達管理システム4などの情報処理システムとの通信を実行する機能を有する。端末通信部11は、各種データを端末制御部14からの指示に従って、情報処理システムに送信する。また、端末通信部11は、情報処理システムから送信された各種データを受信し、端末制御部14に伝達する。また、端末通信部11を端末通信I/F(Interface)と表現する場合もある。また、端末通信部11が物理的に構造化された回路で構成される場合には、これを通信回路と表現する場合もある。
【0029】
端末入力部12は、端末装置に対する各種の操作の入力を受け付ける機能を有する。端末入力部12は、操作者からの操作の入力を受け付けて、当該操作に係る情報を端末制御部14に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、またはその組合せにより実現される。端末入力部12は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボードなどのハードウェアキー、マウスなどのポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、およびマイク(音声による操作入力)などを含む。端末入力部12は、端末装置に接続する他の装置などからの制御信号の入力を受け付けてもよい。
【0030】
端末出力部13は、端末装置で処理された処理結果を出力する機能を有する。端末出力部13は、端末制御部14で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組合せにより実現される。端末出力部13は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音声出力)、レンズ(限定でなく例として3D(Three Dimensions)出力、またはホログラム出力)、またはプリンターなどを含む。
【0031】
端末出力部13が表示によって処理結果を出力する場合に、端末出力部13は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組合せにより実現される。端末出力部13は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、またはOELD(Organic Electroluminescence Display))、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、または空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像またはテキスト情報などを表示可能な装置を含む。なお、これらの端末出力部13は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0032】
なお、端末入力部12および端末出力部13は、一体化していてもよいし、互いに分離していてもよい。端末入力部12および端末出力部13がタッチパネルの場合、端末入力部12および端末出力部13は、例えば、略同一の大きさおよび形状で対向して配置される。
【0033】
端末制御部14は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された1つまたは複数の回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、端末制御部14は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。端末制御部14は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プロセッサコア(Processor Core)、マルチプロセッサ(Multiprocessor)、ASIC(Application-specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などを含む。
【0034】
端末記憶部15は、端末装置が動作するうえで必要とする各種プログラムおよび各種データなどを記憶する機能を有する。端末記憶部15は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)など各種の記憶媒体を含む。また、端末記憶部15は、メモリ(Memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0035】
端末装置において、プログラムが端末記憶部15に記憶され、端末制御部14は、このプログラムを実行することで、端末制御部14に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、端末記憶部15に記憶されるプログラムは、端末装置に、端末制御部14が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。端末制御部14に含まれる各部としての処理を端末制御部14に実行させるプログラムは、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの組合せであってもよい。
【0036】
配達端末6において、端末制御部14は、位置取得部16を備える。位置取得部16は、端末装置の位置情報を取得する機能を有する。位置取得部16は、限定でなく例として、衛星測位システム、屋内測位システム、もしくは自律航法、またはこれらの組合せなどによって端末装置の位置情報を取得する。なお、ユーザ端末5および拠点端末7において、端末制御部14は、位置取得部16を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0037】
図3は、実施の形態1に係る配達管理システム4の構成図である。
【0038】
配達管理サーバ8は、第1通信部17と、第1制御部18と、第1記憶部19と、を備える。ユーザ管理サーバ9は、第2通信部20と、第2制御部21と、第2記憶部22と、を備える。配達管理サーバ8およびユーザ管理サーバ9などのサーバの各構成要素は、限定でなく例として、バスを介して相互に接続される。
【0039】
第1通信部17および第2通信部20などの通信部は、ネットワーク2を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部は、ネットワーク2を介して、ユーザ端末5、拠点端末7、または配達端末6などの端末装置との通信を実行する機能を有する。通信部は、第1制御部18および第2制御部21などの制御部からの指示に従って、各種データを端末装置に送信する。また、通信部は、端末装置から送信された各種データを受信し、制御部に伝達する。また、通信部を通信I/Fと表現する場合もある。また、通信部が物理的に構造化された回路で構成される場合には、これを通信回路と表現する場合もある。
【0040】
第1制御部18および第2制御部21などの制御部は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された1つまたは複数の回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。制御部は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、またはFPGAなどを含む。
【0041】
第1記憶部19および第2記憶部22などの記憶部は、配達管理サーバ8およびユーザ管理サーバ9などのサーバが動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部は、限定でなく例として、HDD、SSD、またはフラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。また、記憶部は、メモリと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0042】
本開示の実施の形態においては、端末装置および/または情報処理システムのサーバのCPUがプログラムを実行することにより、実現するものとして説明する。
【0043】
なお、端末制御部14および/またはサーバの制御部は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))などに形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、実施の形態に示される複数の処理が1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。そのため、端末制御部14および/またはサーバの制御部は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0044】
また、本開示の実施の形態のプログラム(限定ではなく例として、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、またはプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」にプログラムを記憶可能なものである。また、本開示の実施の形態のプログラムは、本開示の実施の形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示の実施の形態のプログラムは、本開示の実施の形態の機能を記憶媒体にすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0045】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、FPGAまたはASICなど)、HDD、HHD(Hybrid Hard Drive)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、SSD、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、もしくはその他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。また、記憶媒体は、メモリと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0046】
サーバおよび/または端末装置は、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することによって、本開示の実施の形態に示される複数の機能部の機能を実現することができる。
【0047】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークまたは放送波など)を介して、サーバおよび/または端末装置に提供されてもよいし、されなくてもよい。サーバおよび/または端末装置は、限定でなく例として、インターネットなどを介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、本開示の実施の形態に示される複数の機能部の機能を実現する。
【0048】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語、または関数型などその他のパラダイムによるプログラミング言語などを用いて実装される。また、本開示のプログラムは、電子的な伝送によって具現化される、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0049】
図3に示されるように、配達管理サーバ8の第1制御部18は、リソース管理部23と、見積算出部24と、予定算出部25と、生成部26と、発行部27と、を備える。
【0050】
リソース管理部23は、配達リソース情報を管理する機能を有する部分である。リソース管理部23は、配達リソース情報を更新しながら管理する。リソース管理部23は、例えば、各々の配達端末6から、当該配達端末6の位置取得部16によって取得された位置情報を随時取得することによって、現在の状況を反映した配達リソース情報を更新しながら管理する。
【0051】
見積算出部24は、配達見積時間を算出する機能を有する部分である。配達見積時間は、ユーザが販売システム3において配達見積時間の要求を行うときに算出される。この例において、見積算出部24は、集荷見積時間を算出する機能を有する。集荷見積時間は、ユーザからの商品の発注を受ける前に算出される、当該商品の供給拠点での集荷までに要する時間である。予定算出部25は、配達予定時間を算出する機能を有する部分である。配達予定時間は、ユーザから発注を受けた商品の、配達先への配達までに要する予定時間である。この例において、予定算出部25は、集荷予定時間を算出する機能を有する。集荷予定時間は、ユーザから発注を受けた商品の、供給拠点での集荷までに要する予定時間である。
【0052】
生成部26は、要求発生情報を生成する機能を有する部分である。要求発生情報は、販売システム3においてユーザから配達見積時間の要求があったことを配達リソースに提示する情報である。
【0053】
発行部27は、商品の購入を促すインセンティブをユーザに発行する機能を有する部分である。インセンティブは、例えばクーポンなどである。発行部27は、例えば、ユーザ属性に基づいてインセンティブを発行する。このとき、発行部27は、例えば、ユーザのユーザ属性が販売システム3によって配達管理システム4に登録されたターゲット属性に合致する場合に、当該ユーザにインセンティブを発行する。あるいは、発行部27は、例えば、リソース管理部23が管理する配達リソース情報に基づいてインセンティブを発行してもよい。発行部27は、例えば、複数の配達リソースに空きがある場合にインセンティブを発行する。これによってユーザが商品の購入を決定する場合に、空いている配達リソースがより積極的に活用されるようになるので、配達リソースの配達作業効率が向上する。あるいは、発行部27は、例えば、複数の配達リソースに空きがない場合にインセンティブを発行してもよい。一般に、配達リソースに空きがない場合に、配達にかかる時間がより長くなる。このため、配達かかる時間が長くなる可能性がある場合に商品の購入を促すインセンティブを発行することで、ユーザにとっての合理性が高められる。なお、インセンティブは、ユーザが使用するか否かを選択するものに限定されない。インセンティブは、例えば、ユーザによる使用の選択によらずに、商品の代金または配達料金などを割引するもの、またはポイントなどを付与するものであってもよい。このとき、インセンティブによる割引またはポイント付与などの内容はユーザに通知される。
【0054】
また、ユーザ管理サーバ9の第2制御部21は、ユーザ管理部28と、判定部29と、を備える。ユーザ管理部28は、ユーザの情報の管理に係る情報処理を行う機能を有する部分である。ユーザ管理部28は、例えば、第2記憶部22が記憶するデータベースへの情報の追加、更新、または削除などの操作によって、ユーザの情報の管理を行う。判定部29は、ユーザ属性がターゲット属性に合致するか否かの判定を行う機能を有する部分である。
【0055】
続いて、
図4を用いて、商品の配達が行われる状況の例を説明する。
図4は、実施の形態1に係る商品配達システム1における配達が行われる状況の例を示す図である。
【0056】
この例において、ユーザは、販売システム3に接続するユーザ端末5を通じて、商品の購入を検討している。ユーザは、商品を購入する場合に、供給拠点から配達先までの配達を希望している。ユーザは、希望する時間までに商品の配達が完了する場合に商品を購入し、そうでない場合に商品の購入を見送ろうとしている。このとき、ユーザは、ユーザ端末5を通じて、商品の配達見積時間を販売システム3に要求する。ユーザは、当該要求への応答として提示された配達見積時間を参照して、商品の購入を判断する。販売システム3においてユーザが商品を購入すると、当該商品を供給拠点で集荷した配達リソースによって、当該商品が配達先まで配達される。
【0057】
この例において、配達管理サーバ8のリソース管理部23は、配達リソースA、配達リソースB、配達リソースC、および配達リソースDの位置情報を、配達リソース情報として管理している。供給拠点に最も近い位置にいる配達リソースは、配達リソースBである。
【0058】
続いて、
図5および
図6を用いて、商品配達システム1の動作の例を説明する。
図5および
図6は、実施の形態1に係る商品配達システム1の動作の例を示すシーケンス図である。
【0059】
図5において、ユーザによる商品の発注の前における動作の例が示される。
【0060】
ステップS801において、配達管理サーバ8のリソース管理部23は、第1通信部17を通じて、各々の配達リソースの位置情報を収集する。リソース管理部23は、収集した情報に基づいて、管理している配達リソース情報を更新する。この例において、リソース管理部23は、他のステップにおける処理と並行して配達リソース情報の更新を行う。また、リソース管理部23は、例えば配達管理サーバ8が動作している間、配達リソース情報の更新を継続して行う。ここで、リソース管理部23は、例えば配達リソースの配達端末6から当該配達リソースの位置情報を個別に受信することで位置情報を収集してもよいし、位置情報を含むメッセージの通信を仲介する中継サーバなどを通じて各々の配達リソースの位置情報を収集してもよい。また、位置情報は、各々の配達端末6を起点としてリソース管理部23に送信されてもよいし、リソース管理部23を起点とする問合せへの回答として各々の配達端末6からリソース管理部23に送信されてもよい。
【0061】
ステップS501において、ユーザ端末5の端末入力部12は、販売システム3において配達見積時間を要求するユーザの操作を受け付ける。当該操作は、例えば、販売システム3上の要求ボタンのタップまたはクリックなどである。ユーザ端末5の端末通信部11は、当該操作に基づいて、配達見積時間を販売システム3に要求する。
【0062】
ステップS301において、販売システム3は、ユーザ端末5から受けた配達見積時間の要求に基づいて、見積条件情報を生成する。見積条件情報は、配達見積時間の算出に必要な条件を含む情報である。見積条件情報は、例えば、ユーザの配達先を含む配達先エリアの情報、および商品の供給拠点を特定する情報を含む。供給拠点を特定する情報は、例えば、供給拠点の住所などの情報である。あるいは、例えば、供給拠点の住所などの情報が配達管理サーバ8において管理されている場合に、供給拠点を特定する情報は、当該供給拠点を特定するためのIDなどの情報であってもよい。これにより、配達管理サーバ8は、当該IDに基づいて商品の供給拠点の住所などの情報を把握する。この例において、見積条件情報は、商品の配達属性の情報を含む。例えばユーザによるID連携の許可が得られている場合に、見積条件情報は、ユーザ管理サーバ9が管理するユーザIDの情報を含む。販売システム3は、生成した見積条件情報を配達管理サーバ8に送信する。このとき、販売システム3は、例えば配達先エリアの情報、供給拠点を特定する情報、配達属性の情報、およびユーザIDの情報などの見積条件情報に含まれる情報の一部または全部を、個別に送信してもよい。
【0063】
ステップS802において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、見積条件情報を販売システム3から受信する。第1通信部17は、配達管理システム4における受信部の例である。第1通信部17が受信した見積条件情報は、第1記憶部19に蓄積されて記憶される。第1記憶部19は、例えば、見積条件情報をデータベースに格納することで記憶する。第1記憶部19は、配達管理システム4における記憶部の例である。
【0064】
ステップS803において、配達管理サーバ8の見積算出部24は、第1通信部17が受信した見積条件情報、およびリソース管理部23が更新しながら管理している配達リソース情報に基づいて、例えば次のように集荷見積時間および配達見積時間を算出する。なお、見積算出部24は、他のアルゴリズムによって集荷見積時間および配達見積時間を算出してもよい。
【0065】
見積算出部24は、配達リソース情報に基づいて、いずれかの配達リソースを選択する。このとき、見積算出部24は、例えば、配達見積時間を短くしうる配達リソースを優先して選択する。見積算出部24は、例えば、見積条件情報で指定される供給拠点に最も近い配達リソースを選択する。ここで、見積算出部24は、商品の配達属性に応じて、配達リソースを選択してもよい。このとき、見積算出部24は、例えば、商品の配達難易度が予め設定された閾値より高い場合に、配達ランクが予め設定された閾値より高い配達リソースのうちから選択を行う。あるいは、見積算出部24は、例えば、見積条件情報で指定される商品の重量より大きい重量を配達可能な配達リソースのうちから選択を行う。
【0066】
見積算出部24は、選択した配達リソースについて、配達リソース情報に基づく移動速度、および配達リソースの現在位置から供給拠点までの経路などに基づいて、集荷見積時間を算出する。また、見積算出部24は、選択した配達リソースについて、配達リソース情報に基づく移動速度、および配達リソースの現在位置から供給拠点を経由して配達先エリア内のいずれかの場所までに至る経路などに基づいて、配達見積時間を算出する。当該経路は、例えば、配達先エリアの代表点までの経路、配達可能エリアの中での最も遠い点までの経路、または配達履歴に基づいて設定された地点までの経路などである。
【0067】
ステップS804において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、見積算出部24が算出した集荷見積時間を拠点端末7に通知する。ここで、第1通信部17による当該通知は、例えば、拠点端末7から閲覧可能なSNSアカウントへのメッセージ送信、拠点端末7にインストールされているアプリケーションのプッシュ通知、電子メール、SMS(Short Message Service)、またはその他の方法などによって行われる。当該通知は、配達見積時間の要求が行われた対象の商品の情報を含む。
【0068】
ステップS701において、拠点端末7は、配達管理サーバ8から通知された集荷見積時間などの情報を、例えば表示などによって供給拠点のスタッフに提示する。拠点端末7から情報の提示を受けた供給拠点のスタッフは、例えば商品の提供に必要な準備などを行う。
【0069】
ステップS805において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、見積算出部24が算出した配達見積時間を販売システム3に送信する。
【0070】
ステップS302において、販売システム3は、配達管理サーバ8から受信した配達見積時間をユーザ端末5に提示する。
【0071】
ステップS502において、ユーザ端末5は、販売システム3から提示された配達見積時間を、例えば表示などによってユーザに提示する。ユーザ端末5から商品の配達見積時間の提示を受けたユーザは、当該商品を購入するか否かを検討する。
【0072】
ステップS806において、配達管理サーバ8の第1制御部18は、第1通信部17が受信した見積条件情報が、ユーザ管理サーバ9に管理されるユーザIDの情報を、連携可能なユーザIDの情報として含んでいるかを判定する。当該ユーザIDの情報が見積条件情報に含まれている場合に、第1通信部17は、予め登録されたターゲット属性にユーザのユーザ属性が合致するかの確認を、ユーザ管理サーバ9に要求する。当該要求は、例えば、配達見積時間の要求が行われた販売システム3、商品、またはその供給拠点などに対応して登録されたターゲット属性の情報、および見積条件情報に含まれていたユーザIDの情報を含む。なお、販売システム3によって登録されるターゲット属性の情報は、例えば第1記憶部19が記憶するデータベースなどに格納されている。
【0073】
ステップS901において、ユーザ管理サーバ9の第2通信部20は、配達管理サーバ8からユーザIDの情報およびターゲット属性の情報を受信する。判定部29は、第2通信部20が受信したユーザIDに対応づけてユーザ管理部28が管理しているユーザ属性を参照する。判定部29は、配達管理サーバ8から受信したターゲット属性に、参照したユーザ属性が合致するかを判定する。第2通信部20は、判定部29による判定結果を配達管理サーバ8に送信する。なお、判定部29の機能の一部または全部は、配達管理サーバ8に搭載されていてもよい。このとき、例えば、ユーザ管理サーバ9がユーザ属性の情報を配達管理サーバ8に送信し、配達管理サーバ8がターゲット属性およびユーザ属性が合致するかを判定する。
【0074】
ステップS807において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、ユーザ属性がターゲット属性に合致するか否かの判定結果をユーザ管理サーバ9から受信する。ユーザ属性がターゲット属性に合致する場合に、発行部27は、商品の購入を促すインセンティブをユーザに発行する。このとき、発行部27は、配達見積時間の要求のタイミングに応じた有効期限をインセンティブに設定してもよい。インセンティブの有効期限は、例えば、配達見積時間の要求のタイミングから予め設定された時間が経過するまでなどである。ここで、インセンティブの有効期限は、例えば、見積算出部24が算出した配達見積時間が有効な期間までなどである。このとき、インセンティブの有効期限は、例えば、配達見積時間の要求のタイミングなどを起点として設定される。インセンティブの有効期限は、限定でなく例として、配達見積時間の要求のタイミングから1時間経過するまでなどである。第1通信部17は、発行部27が発行したインセンティブの情報をユーザ端末5に送信する。この例において、インセンティブとしてクーポンが発行される。ここで送信されるクーポンの情報は、ユーザが当該クーポンを利用できるようになる情報であればよく、例えばクーポンコードなどであってもよいし、その他の情報であってもよい。また、第1通信部17は、販売システム3を通じてユーザ端末5にクーポンの情報を送信してもよい。
【0075】
ステップS503において、ユーザ端末5は、発行されたクーポンの情報を、例えば表示などによってユーザに提示する。ユーザ端末5から商品の購入を促すクーポンの情報の提示を受けたユーザは、当該商品を購入するか否かを検討する。
【0076】
ステップS808において、配達管理サーバ8の生成部26は、第1通信部17が受信した見積条件情報に基づいて、要求発生情報を生成する。要求発生情報は、例えば、商品の配達属性、商品の供給拠点、および配達先エリアなどの情報を含む。
【0077】
ステップS809において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、生成部26が生成した要求発生情報を配達端末6に通知する。ここで、第1通信部17による当該通知は、例えば、配達端末6から閲覧可能なSNSアカウントへのメッセージ送信、配達端末6にインストールされているアプリケーションのプッシュ通知、電子メール、SMS、またはその他の方法などによって行われる。
【0078】
ステップS601において、配達端末6は、配達管理サーバ8から通知された要求発生情報を、例えば表示などによって配達リソースに提示する。配達端末6から情報の提示を受けた配達リソースは、例えば、供給拠点の付近に移動して発注を待機する。
【0079】
図6において、ユーザによる商品の発注が行われるときの動作の例が示される。
【0080】
ステップS851において、配達管理サーバ8のリソース管理部23は、ステップS801と同様に各々の配達リソースの位置情報を収集する。要求発生情報を確認した配達リソースが供給拠点の付近に移動している場合に、リソース管理部23が管理する配達リソース情報は、当該移動を反映するように更新される。
【0081】
ステップS551において、ユーザ端末5の端末入力部12は、販売システム3において商品の発注を行うユーザの操作を受け付ける。当該操作は、例えば、販売システム3上に実装された購入ボタンのタップまたはクリックなどである。ユーザ端末5の端末通信部11は、当該操作に基づいて、商品の発注を販売システム3に通知する。
【0082】
ステップS351において、販売システム3は、ユーザ端末5から受けた発注の通知に基づいて、配達条件情報を生成する。配達条件情報は、商品の配達に必要な条件を含む情報である。配達条件情報は、例えば、ユーザの配達先の情報、および商品の供給拠点を特定する情報を含む。この例において、配達条件情報は、商品の配達属性の情報を含む。販売システム3は、生成した配達条件情報を配達管理サーバ8に送信する。このとき、販売システム3は、例えば配達先の情報、供給拠点を特定する情報、および配達属性の情報などの配達条件情報に含まれる情報の一部または全部を、個別に送信してもよい。
【0083】
ステップS852において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、配達条件情報を販売システム3から受信する。
【0084】
ステップS853において、配達管理サーバ8の生成部26は、第1通信部17が受信した配達条件情報に基づいて、配達依頼情報を生成する。配達依頼情報は、例えば、商品の配達属性、商品の供給拠点、および配達先などの情報を含む。
【0085】
ステップS854において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、生成部26が生成した配達依頼情報を配達端末6に通知する。ここで、第1通信部17による当該通知は、例えば、配達端末6から閲覧可能なSNSアカウントへのメッセージ送信、配達端末6にインストールされているアプリケーションのプッシュ通知、電子メール、SMS、またはその他の方法などによって行われる。
【0086】
ステップS651において、配達端末6は、配達管理サーバ8から通知された配達依頼情報を、例えば表示などによって配達リソースに提示する。配達端末6から情報の提示を受けた配達リソースは、配達を受任するか否かを検討する。
【0087】
ステップS652において、いずれかの配達端末6の端末入力部12は、配達を受任する配達リソースの操作などの入力を受け付ける。配達端末6の端末通信部11は、当該操作などの入力に基づいて、配達の受任を配達管理サーバ8に通知する。
【0088】
ステップS855において、配達管理サーバ8の予定算出部25は、第1通信部17が受信した配達条件情報、およびリソース管理部23が更新しながら管理している配達リソース情報に基づいて、例えば次のように集荷予定時間および配達予定時間を算出する。なお、予定算出部25は、他のアルゴリズムによって集荷予定時間および配達予定時間を算出してもよい。
【0089】
予定算出部25は、配達を受任した配達リソースについて、配達リソース情報に基づく移動速度、および配達リソースの現在位置から供給拠点までの経路などに基づいて、集荷予定時間を算出する。また、予定算出部25は、選択した配達リソースについて、配達リソース情報に基づく移動速度、および配達リソースの現在位置から供給拠点を経由して配達先までに至る経路などに基づいて、配達予定時間を算出する。
【0090】
ステップS856において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、予定算出部25が算出した集荷予定時間を拠点端末7に通知する。ここで、第1通信部17による当該通知は、例えば、拠点端末7から閲覧可能なSNSアカウントへのメッセージ送信、拠点端末7にインストールされているアプリケーションのプッシュ通知、電子メール、SMS、またはその他の方法などによって行われる。当該通知は、発注された商品の情報を含む。
【0091】
ステップS751において、拠点端末7は、配達管理サーバ8から通知された集荷予定時間などの情報を、例えば表示などによって供給拠点のスタッフに提示する。拠点端末7から情報の提示を受けた供給拠点のスタッフは、例えば商品の提供の準備などを行う。
【0092】
ステップS857において、配達管理サーバ8の第1通信部17は、予定算出部25が算出した配達予定時間を販売システム3に送信する。
【0093】
ステップS352において、販売システム3は、配達管理サーバ8から受信した配達予定時間をユーザ端末5に提示する。
【0094】
ステップS552において、ユーザ端末5は、販売システム3から提示された配達予定時間を、例えば表示などによってユーザに提示する。ユーザ端末5から商品の配達見積時間の提示を受けたユーザは、例えば当該商品の到着を配達先において待機する。
【0095】
以上に説明したように、実施の形態1に係る配達管理システム4は、リソース管理部23と、第1通信部17と、見積算出部24と、を備える。リソース管理部23は、配達リソース情報を管理する。配達リソース情報は、複数の配達リソースの情報を含む。第1通信部17は、配達先への商品の配達見積時間の要求をユーザのユーザ端末5から受けた販売システム3から、商品の供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報を受信する。配達先エリアは、配達先を含むエリアである。見積算出部24は、第1通信部17が販売システム3から受信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報、ならびにリソース管理部23が管理する配達リソース情報に基づいて、販売システム3がユーザ端末5から商品の発注を受ける前に配達見積時間を算出する。
また、実施の形態1に係る配達管理方法は、配達先への商品の配達見積時間をコンピュータが算出する方法である。当該配達管理方法は、配達見積時間の要求をユーザ端末5から受けた販売システム3から、商品の供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報を受信することを含む。また、当該配達管理方法は、販売システム3から受信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報、ならびに配達リソース情報に基づいて、販売システム3がユーザ端末5から商品の発注を受ける前に配達見積時間を算出することを含む。
また、実施の形態1に係るプログラムは、当該配達管理方法をコンピュータに実行させる。
【0096】
このような構成により、実施の形態1に係る配達管理システム4または配達管理方法によれば、複数の配達リソースの情報を含む配達リソース情報、ならびに供給拠点の情報および配達先エリアの情報が利用できるので、ユーザによる商品の実際の発注の前に、商品の配達見積時間をより精度よく算出できるようになる。より精度の高い配達見積時間を確認した後に発注の要否を判断できるようになるので、ユーザの利便性がより高められる。
また、配達見積時間の算出精度が低いシステムなどにおいて、配達見積時間を安全側に遅く評価することがある。このとき、配達見積時間が遅いためにユーザが発注を見送る可能性がある。一方、配達管理システム4によればより精度の高い配達見積時間を発注前にユーザに提示できるので、販売システム3におけるこのような機会損失の発生を抑えられるようになる。
また、配達管理システム4によれば、販売システム3は、送信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報への応答として配達見積時間を取得できるようになる。ここで、販売システム3が送信する情報は、配達リソース情報を必要としない。このため、配達リソースを持っていない販売システム3であっても、より精度のよい配達見積時間をユーザに提示できるようになる。
また、この例において、配達管理システム4は、配達見積時間の算出に必要な条件として販売システム3に配達先エリアの情報を要求し、配達先そのものの情報を要求しない。このため、例えば販売システム3が配達先の住所などのユーザの許可が利用に必要な個人情報を管理している場合などに、当該個人情報をユーザによる発注の前に配達管理システム4に開示する必要がない。また、例えば配達先エリアを発注前にユーザが指定する場合などに、販売システム3は、当該個人情報をユーザによる発注の前に収集する必要がない。このように、配達見積時間の要求の際にユーザが配達先の住所などの個人情報の入力または当該個人情報の開示の許可などを行う必要がないので、配達見積時間の要求の際のユーザの抵抗感を抑えられる。なお、配達先の住所などの個人情報の配達管理システム4への開示、または当該個人情報の配達管理システム4との共有などをユーザが販売システム3に事前に許可している場合などにおいて、販売システム3は、配達見積時間の要求の際に当該個人情報を配達管理システム4に提供してもよいし、しなくてもよい。
【0097】
また、実施の形態1に係る配達管理システム4は、予定算出部25を備える。予定算出部25は、ユーザ端末5から商品の発注を受けたときに第1通信部17が販売システム3から受信する供給拠点の情報および配達先の情報、ならびにリソース管理部23が管理する配達リソース情報に基づいて、商品の配達予定時間を算出する。
【0098】
このような構成により、配達管理システム4によれば、更新しながら管理される配達リソース情報、ならびに供給拠点の情報および配達先の情報が利用できるので、商品の配達予定時間をより精度よく算出できるようになる。これにより、ユーザの利便性がより高められる。また、配達リソースを持っていない販売システム3であっても、より精度のよい配達予定時間をユーザに提示できるようになる。
【0099】
また、実施の形態1に係る配達管理システム4において、見積算出部24は、第1通信部17が販売システム3から受信する供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報、ならびにリソース管理部23が管理する配達リソース情報に基づいて、販売システム3がユーザ端末5から商品の発注を受ける前に、少なくともいずれかの配達リソースによる供給拠点への商品の集荷見積時間を算出する。
また、実施の形態1に係る配達管理システム4において、予定算出部25は、ユーザ端末5から商品の発注を受けたときに第1通信部17が販売システム3から受信する供給拠点の情報および配達先の情報、ならびにリソース管理部23が管理する配達リソース情報に基づいて、少なくともいずれかの配達リソースによる供給拠点への商品の集荷予定時間を算出する。
【0100】
このような構成により、配達管理システム4によれば、更新しながら管理される配達リソース情報、および供給拠点の情報が利用できるので、商品の集荷見積時間および集荷予定時間をより精度よく算出できるようになる。また、配達リソースを持っていない販売システム3であっても、より精度のよい集荷見積時間または集荷予定時間を供給拠点の拠点端末7に提示できるようになる。
ユーザからの配達見積要求があったこと、およびその場合のより精度の高い集荷見積時間が供給拠点において事前に把握できるようになるので、ユーザが実際に発注した場合に備える供給拠点における事前の準備などが可能になる。事前の準備は、例えば、人員、商品、材料、もしくは備品などの配置の調整、または商品を提供する作業の工程の調整などを含んでもよい。これにより、ユーザが実際に発注した場合に、供給拠点において商品をより効率よく提供できるようになる。
また、ユーザからの発注があったときにより精度の高い集荷予定時間が供給拠点において把握できるようになるので、集荷予定時間にあわせて商品の提供の作業を開始できるようになる。このため、商品がユーザに配達されるまでの時間は短縮される。したがって、ユーザの利便性、および配達リソースの配達作業効率がともに向上する。また、配達作業の効率化により、配達にかかるエネルギー消費などが抑えられる。
【0101】
また、実施の形態1に係る配達管理システム4は、生成部26を備える。生成部26は、第1通信部17が供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報を受信するときに、要求発生情報を第1通信部17が受信した情報に基づいて生成する。要求発生情報は、配達見積時間の要求があったことを少なくともいずれかの配達リソースに提示する情報である。
【0102】
このような構成により、配達管理システム4によれば、ユーザからの配達見積時間の要求があったことをその時点で配達リソースが配達端末6を通じて把握できるように要求発生情報が生成される。配達見積時間の要求があったことは、その後にユーザによる発注が発生する可能性があることを示す情報であるため、配達の受任を検討する配達リソースは、供給拠点の付近に移動して発注を待機できる。これにより、商品の集荷までの時間が短縮されるので、商品がユーザに配達されるまでの時間は短縮される。したがって、ユーザの利便性、および配達リソースの配達作業効率がともに向上する。また、配達作業の効率化により、配達にかかるエネルギー消費などが抑えられる。
【0103】
また、実施の形態1に係る配達管理システム4において、第1通信部17は、供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報に加えて、商品の配達属性の情報を販売システム3から受信する。生成部26は、配達属性の情報を含めて要求発生情報を生成する。
【0104】
このような構成により、配達管理システム4によれば、配達リソースが商品の配達属性を把握できるように要求発生情報が生成される。これにより、配達リソースは、当該商品の配達の受注の可否を事前に判断できるようになる。このため、商品の配達をより確実に行える配達リソースによって商品が配達されるようになる。したがって、配達遅延、商品の汚損、または商品の破損などを含む配達における不適合発生の可能性が抑えられる。
【0105】
また、実施の形態1に係る配達管理システム4は、ユーザ管理部28と、発行部27と、を備える。ユーザ管理部28は、ユーザを特定する特定情報に対応づけてユーザのユーザ属性を管理する。発行部27は、第1通信部17が販売システム3から供給拠点を特定する情報および配達先エリアの情報に加えてユーザの特定情報を受信するときに、当該特定情報に対応づけてユーザ管理部28が管理するユーザ属性、および予め登録されたターゲット属性が合致する場合に、当該ユーザに商品の購入を促すインセンティブを発行する。
【0106】
このような構成により、配達管理システム4によれば、配達見積時間の要求をきっかけとして、販売システム3のターゲット属性に合致するユーザが商品の購入を検討しているときに、当該商品の購入を促すインセンティブが発行されるようになる。このように発行されるインセンティブにより、ユーザによる商品の購入がより効果的に促されるようになる。
【0107】
なお、配達管理システム4は、予定算出部25を備えていなくてもよいし、備えていてもよい。また、見積算出部24は、集荷見積時間を出力可能な結果として算出してもよいし、算出しなくてもよい。また、予定算出部25は、集荷予定時間を出力可能な結果として算出してもよいし、算出しなくてもよい。また、配達管理システム4は、生成部26を備えていなくてもよいし、備えていてもよい。生成部26は、要求発生情報を生成してもよいし、しなくてもよい。また、見積条件情報は商品の配達属性の情報を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。生成部26は、要求発生情報の生成の際に、配達属性の情報を含めてもよいし、含めなくてもよい。また、配達管理システム4は、発行部27、ユーザ管理部28、および判定部29のうちの一部または全部を備えていなくてもよいし、備えていてもよい。
【0108】
また、配達管理システム4において、第1記憶部19は、第1通信部17が受信する情報を蓄積して記憶してもよい。このとき、生成部26は、要求傾向情報を第1記憶部19が記憶する情報に基づいて生成してもよい。要求傾向情報は、販売システム3におけるユーザからの配達見積時間の要求の発生の傾向を少なくともいずれかの配達リソースに提示する情報である。要求傾向情報は、例えば、配達見積時間の要求の発生件数の分布を表す情報などである。生成部26は、例えば、配達属性ごと、商品ごと、配達先エリアごと、供給拠点ごと、または販売システム3ごとの要求の発生件数の分布を要求傾向情報として生成してもよい。また、生成部26は、例えば、曜日ごと、または時間帯ごとの要求の発生件数の分布を要求傾向情報として生成してもよい。生成部26は、例えば過去に発生した配達見積時間の要求を、配達先エリアごとに集計することで、要求傾向情報を生成する。なお、要求傾向情報は、例えば、配達端末6からの要求への応答として配達管理サーバ8から配達端末6に提示されてもよいし、予め設定されたスケジュールで配達管理サーバ8から配達端末6に提示されてもよい。配達端末6は、配達管理サーバ8から提示された要求傾向情報を、要求発生情報と同様に、例えば表示などによって配達リソースに提示する。
【0109】
このような構成により、配達管理システム4によれば、ユーザからの配達見積時間の要求がある前に、当該要求が発生しやすい場所または時間などの条件を配達リソースが配達端末6を通じて把握できるように要求傾向情報が生成される。配達見積時間の要求が発生しやすい条件は、その後にユーザによる発注が発生しやすい条件であるため、配達の受任を検討する配達リソースは、当該条件での配達を行いやすいように待機場所などを予め検討できる。これにより、配達リソースの配達作業効率が向上する。また、配達作業の効率化により、配達にかかるエネルギー消費などが抑えられる。
【0110】
また、見積算出部24は、配達見積時間の算出の際に、複数の配達リソースを選択してもよい。このとき、見積算出部24は、例えば各々の配達リソースについて配達先への商品の配達時間を見積もる。見積算出部24は、見積もった配達時間の算術平均値、最小値、または最大値などの統計量を配達見積時間として出力可能に算出する。
また、見積算出部24は、集荷見積時間の算出の際に、複数の配達リソースを選択してもよい。このとき、見積算出部24は、例えば各々の配達リソースについて供給拠点への商品の集荷時間を見積もる。見積算出部24は、見積もった集荷時間の算術平均値、最小値、または最大値などの統計量を集荷見積時間として出力可能に算出する。
【0111】
配達見積時間の要求の時点ではまだ発注が確定していないため、配達見積時間の算出の際に見積算出部24が選択した配達リソースと実際に配達を受任する配達リソースとが異なる場合がある。このような場合においても、配達見積時間または集荷見積時間が統計量として算出されるので、実際の配達時間との乖離が抑えられる。例えば統計量として算術平均値が用いられる場合に、配達リソースが異なることによる配達見積時間と実際の配達時間との誤差が抑えられる。あるいは、統計量として最小値が用いられる場合に、最も早く配達できる配達リソースによる配達見積時間がユーザに提示されるので、ユーザによる商品の購入をより効果的に促すことができるようになる。あるいは、統計量として最大値が用いられる場合に、より安全側の配達見積時間の評価となるため、実際の配達時間が配達見積時間より遅れにくくなる。このため、配達遅延などが発生する可能性が抑えられる。
【0112】
また、販売システム3において配達見積時間を要求するユーザの操作は、配達管理システム4による配達見積時間の算出のトリガとなりうる操作であればよく、配達見積時間の要求ボタンのタップまたはクリックなどの明示的な要求の操作に限定されない。例えば、商品の配達見積時間を要求するユーザの操作は、間接的に配達見積時間を要求する操作、あるいはユーザが当該商品の購入を検討する過程で行ういずれかの操作などであってもよい。より具体的には、配達見積時間を要求するユーザの操作は、例えば、当該商品が入れられている販売システム3上のカート内の商品の一覧を閲覧する操作などであってもよい。また、商品の配達見積時間を要求するユーザの操作は、例えば、当該商品を販売システム3上のカート内に追加する操作などであってもよい。このとき、見積算出部24は、商品をカート内に追加する操作があったときに当該商品について配達見積時間を予め算出しておいてもよい。予め算出された配達見積時間は、例えば、販売システム3上のカート内の商品の一覧を閲覧する操作などであったときなどに、一覧とともに表示される。あるいは、例えば販売システム3において扱う商品の種類が少ない場合などに、配達見積時間を要求するユーザの操作は、当該販売システム3を訪問する操作などであってもよい。このとき、見積算出部24は、販売システム3において扱う各々の商品について配達見積時間を予め算出しておいてもよい。
【0113】
また、配達管理サーバ8の第1制御部18は、料金設定部を備えてもよい。料金設定部は、配達料金を設定する機能を搭載する部分である。料金設定部は、例えば、ダイナミックプライシングにより配達料金を設定する。料金設定部は、例えば、配達が行われる時間帯またはそのときの天気などの状況に応じて、配達料金を動的に決定する。あるいは、料金設定部は、ユーザ属性に基づいて、配達料金を動的に決定してもよい。このとき、料金設定部は、例えば、ユーザのユーザ属性が販売システム3によって配達管理システム4に登録されたターゲット属性に合致する場合に、配達料金を割引する。あるいは、料金設定部は、リソース管理部23が管理する配達リソース情報に応じて、配達料金を動的に決定してもよい。このとき、料金設定部は、例えば、複数の配達リソースに空きがある場合に割引するように配達料金を設定してもよいし、空いている配達リソースが多いほど配達料金が安くなるように配達料金を設定してもよい。この場合に、空いている配達リソースがより積極的に活用されるようになるので、配達リソースの配達作業効率が向上する。あるいは、料金設定部は、例えば、複数の配達リソースに空きがない場合に割引するように配達料金を設定してもよいし、空いている配達リソースが少ないほど配達料金が安くなるように配達料金を設定してもよい。一般に、配達リソースに空きがない、または少ない場合に、配達にかかる時間がより長くなる。このため、配達に時間がかかる場合に配達料金が安く設定されることで、ユーザにとっての合理性が高められる。
【0114】
料金設定部は、例えば、見積算出部24が配達見積時間を算出するタイミングで配達料金を設定する。あるいは、料金設定部は、例えば、見積算出部24が配達見積時間を算出するタイミングで配達料金を見積料金として設定し、予定算出部25が配達予定時間を算出するタイミングで正式な配達料金を設定してもよい。あるいは、料金設定部は、予定算出部25が配達予定時間を算出するタイミングではじめて配達料金を設定してもよい。あるいは、料金設定部は、その他のタイミングで配達料金を設定してもよい。
【0115】
料金設定部が設定する配達料金は、例えば、見積算出部24が算出する配達見積時間とともに販売システム3を通じてユーザに提示される。あるいは、料金設定部が設定する配達料金は、例えば、予定算出部25が算出する配達予定時間とともに販売システム3を通じてユーザに提示されてもよい。
【0116】
なお、明示的な言及のない限り、本開示の実施の形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよいし、そうでなくてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 商品配達システム、 2 ネットワーク、 3 販売システム、 4 配達管理システム、 5 ユーザ端末、 6 配達端末、 7 拠点端末、 8 配達管理サーバ、 9 ユーザ管理サーバ、 10 自律移動体、 11 端末通信部、 12 端末入力部、 13 端末出力部、 14 端末制御部、 15 端末記憶部、 16 位置取得部、 17 第1通信部、 18 第1制御部、 19 第1記憶部、 20 第2通信部、 21 第2制御部、 22 第2記憶部、 23 リソース管理部、 24 見積算出部、 25 予定算出部、 26 生成部、 27 発行部、 28 ユーザ管理部、 29 判定部