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  • 特開-吐水圧上昇装置 図1
  • 特開-吐水圧上昇装置 図2
  • 特開-吐水圧上昇装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050335
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】吐水圧上昇装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20230404BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20230404BHJP
   B05B 7/04 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/14 Z
B05B7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160387
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】荒木 洋一
【テーマコード(参考)】
2D132
4F033
【Fターム(参考)】
2D132FA02
2D132FG00
4F033AA11
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033NA01
4F033QA06
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB15X
4F033QC06
4F033QD02
4F033QD03
4F033QD16
4F033QE23
4F033QF15Y
4F033QF17Y
4F033QF21Y
(57)【要約】
【課題】吐出口からの吐出圧力が低い場合にはポンプを配管途中に直列に配設すればポンプより下流の水圧を上昇させることは可能であるが、ポンプを稼働させるために電力を必要とするため、電気料金がランニングコストとして新たに発生するという不具合が生じる。
【解決手段】シャワー口その他の吐出口から吐出される水圧を上昇させる吐水圧上昇装置において、吐出口の上流側に水中に圧縮空気を混入させる圧縮空気出口を設けた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー口その他の吐出口から吐出される水圧を上昇させる吐水圧上昇装置において、吐出口の上流側に水中に圧縮空気を混入させる圧縮空気出口を設けたことを特徴とする吐水圧上昇装置。
【請求項2】
上記圧縮空気出口は水流を囲むように複数個配設されていることを特徴とする請求項1に記載の吐水圧上昇装置。
【請求項3】
上記圧縮空気は上記吐出口に供給される水流によって回転される回転翼を動力源として生成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吐水圧上昇装置。
【請求項4】
上記圧縮空気はシリンダと、このシリンダ内を往復移動するピストンとからなる圧縮機によって生成され、ピストンは上記回転翼の回転力によって往復移動され、かつシリンダ内壁とピストンとの間の潤滑は上記回転翼を回転させる水によって行うことを特徴とする請求項3に記載の吐水圧上昇装置。
【請求項5】
上記吐出口はシャワー口であって、シャワー口が設けられているシャワーヘッドの把持部分に、上記圧縮空気出口への通路を開閉する切り替え機構を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の吐水圧上昇装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワー口その他の吐出口から吐出される水圧を上昇させる吐水圧上昇装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャワー口その他の吐出口から吐出される水圧は、水道管の内径や配管状態によってばらつくことがある。水圧が高い場合には水栓などで吐出量を絞ることによって調節することができるが、低い場合には水栓を全開にしても低いままであり、不満が生じる。
【0003】
このような場合には、水道管にポンプを直列に接続して、ポンプより下流側に供給される水圧を高くするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-137144号公報(段落[0022])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ポンプを配管途中に直列に配設すればポンプより下流の水圧を上昇させることは可能であるが、ポンプを稼働させるために電力を必要とするため、電気料金がランニングコストとして新たに発生するという不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、ポンプを使用することなく吐水圧力を高めることのできる吐水圧上昇装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による吐水圧上昇装置は、シャワー口その他の吐出口から吐出される水圧を上昇させる吐水圧上昇装置において、吐出口の上流側に水中に圧縮空気を混入させる圧縮空気出口を設けたことを特徴とする。
【0008】
水は非圧縮性流体であるため、吐出口から吐出された後急速に圧力が大気圧まで低下して吐出速度を高速にできない。一方、空気は圧縮性流体であるから、吐出口から吐出される際に大気圧まで減圧され、その際に膨張する。その膨張によって水が吐出方向に押されるため、水の吐出速度が上がり、結果として水だけの場合よりも吐出圧力が上昇する。
【0009】
圧縮空気を水中に混入させる際に圧縮空気の出口である圧縮空気出口を1個にしてもよいが、上記圧縮空気出口は水流を囲むように複数個配設されているように構成すれば、混入される気泡を細かくすることができ、圧縮空気を水内に均等に混入させることができる。
【0010】
なお、圧縮空気を生成させる際に電力を消費するとランニングコストが生じる。そこで、上記圧縮空気は上記吐出口に供給される水流によって回転される回転翼を動力源として生成されるように構成することが望ましい。
【0011】
ところで、上記圧縮空気はシリンダと、このシリンダ内を往復移動するピストンとからなる圧縮機によって生成され、ピストンは上記回転翼の回転力によって往復移動され、かつシリンダ内壁とピストンとの間の潤滑は上記回転翼を回転させる水によって行うことができる。
【0012】
また、上記吐出口はシャワー口であって、シャワー口が設けられているシャワーヘッドの把持部分に、上記圧縮空気出口への通路を開閉する切り替え機構を設けてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明は、吐出口の上流側に水中に圧縮空気を混入させる圧縮空気出口を設けたことにより、ポンプを使用することなく吐水圧力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】シャワーヘッドの断面図
図2】II-II断面図
図3】空気圧縮機構を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2を参照して、1は本発明による吐水圧上昇装置の一部であるシャワーヘッドである。このシャワーヘッド1は中空形状であり、流入口11から内部に流入した湯水をシャワープレート12に形成した微細であって多数個のシャワー口からシャワー状に吐出するものである。
【0016】
シャワーヘッド1には圧縮空気が導入される導入口2が設けられており、この導入口2から導入された圧縮空気は空気通路21を通って圧縮空気出口23から水中へと放出される。なお、シャワーヘッド1内の通路部14の一部の内径を狭めてノズル部13を形成し、上記圧縮空気出口23はノズル部13の下流側であって、ノズル部13を囲むように配設した。また、空気通路21には常閉の開閉弁22を設け、押しボタン22aを押し操作した際に空気通路21が開いて圧縮空気が圧縮空気出口23から噴出するようにした。
【0017】
圧縮空気出口23をノズル部13の下流側に設けたことによって、圧縮空気出口23から圧縮空気が吐出された際の圧力上昇の影響が流入口11側ではなくシャワープレート12側に作用するようにした。また、複数個(本実施の形態では8個)の圧縮空気出口23を円周上に配置したことによって小さくて多数の気泡が水中に混入されるようにした。
【0018】
このように圧縮空気の気泡が混入された湯水がシャワープレート12に到達すると、シャワープレート12に形成した多数個のシャワー口から湯水が吐出される。吐出された湯水の圧力は直ちに大気圧まで低下するが、混入されている圧縮空気はシャワー口から放出される際に膨張するので、シャワー口から吐出する湯水を後方から押し出すことになり、圧縮空気を混入させない場合に対して吐出圧を高めることができる。また、吐出される湯水の粒子が細かくなってシャワーの当たりを柔らかくすることができると共に、多数の気泡を含むことになるので、特に毛髪を浮き上がらせて頭皮まで多くの湯水を到達させることができる。
【0019】
ところで、上記圧縮空気は電動のコンプレッサで生成してもよいが、図3に示すように、シャワーヘッド1に湯水を供給する給水管3の途中に設けた回転翼31の回転翼を動力源とした。この回転翼31は給水管3内を湯水が流れると、図において右方向に回転する。その回転力をクランク機構32を介してピストン4に伝達する。このピストン4はシリンダ41内を往復移動するように構成されており、回転翼31が回転してピストン4が往復移動すると、吸入口42から吸入された大気がシリンダ41内で圧縮されて排気管43からバッファタンク5内に送る出される。バッファタンク5内にはフィルタ用の水51が充填されており、この水51によって不純物が除去された圧縮空気はパイプ53を介して上記導入口2に導かれるようにした。なお、バッファタンク5には内部の圧力を一定圧力以上にしないためのリリーフバルブ52を設けた。
【0020】
ところで、シリンダ41の内周面とピストン4との間を潤滑することが望ましいが、本実施の形態では給水管3内の湯水を導水管33を介してシリンダ41内に導き、その導かれた湯水で潤滑を行うようにした。なお、上記実施の形態ではシリンダ内で往復移動するピストンによって圧縮空気を生成したが、圧縮空気を生成できる構造であれば特に限定されるものではなく、例えばダイヤフラム式の圧縮装置等を使用してもよい。
【0021】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0022】
1 シャワーヘッド
2 導入口
3 給水管
4 ピストン
5 バッファタンク
11 流入口
12 シャワープレート
13 ノズル部
21 空気通路
22 開閉弁
23 圧縮空気出口
31 回転翼
32 クランク機構
33 導水管
41 シリンダ
52 リリーフバルブ
図1
図2
図3