(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050358
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】放電生成物発生装置
(51)【国際特許分類】
F24F 8/30 20210101AFI20230404BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20230404BHJP
F24F 1/0358 20190101ALI20230404BHJP
【FI】
F24F8/30
F24F8/80 300
F24F1/0358
F24F8/80 260
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160417
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】水谷 衣里
(72)【発明者】
【氏名】森 一馬
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕基
(57)【要約】
【課題】負圧発生孔より空気を誘引し、放電生成物発生手段において生成された放電生成物を吹出口より空気と共に放電生成物発生装置外へと排出する放電生成物発生装置において、負圧発生孔の空気の誘引量を向上可能な放電生成物発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ケーシング部10cの舌片26を有する舌片形成面27に負圧発生孔32を備え、負圧発生孔32は、羽根の回転中心から舌片26への接線Aにおける接点Bよりケーシング部10c内の送風方向における下流側に設けられ、負圧発生孔32と接点Bとの距離は、負圧発生孔32と吹出口5との距離より短いことを特徴とする放電生成物発生装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の吸気口と第2の吸気口と吹出口を有する本体ケースと、
前記本体ケース内に設けられた送風機と、を備え、
前記送風機はスクロール形状のケーシング部と、
前記ケーシング部内に設けられた羽根と、
前記羽根を回転させる電動機と、から形成し、
前記送風機は、
前記第1の吸気口から前記本体ケース内に吸気した空気を前記吹出口へと送風すると共に、前記ケーシング部の舌片を有する舌片形成面に負圧発生孔を備え、
前記ケーシング部の外側に放電生成物発生手段を設け、
前記第2の吸気口から、前記放電生成物発生手段、前記負圧発生孔、前記ケーシング部内、前記吹出口へと通ずる送風路を形成し、
前記負圧発生孔は、前記羽根の回転中心から舌片への接線における接点より前記ケーシング部内の送風方向における下流側に設けられ、
前記負圧発生孔と前記接点との距離は、前記負圧発生孔と前記吹出口との距離より短いことを特徴とする放電生成物発生装置。
【請求項2】
前記負圧発生孔には、
前記ケーシング部内へ突出する突出部分を備え、
前記突出部分は、前記負圧発生孔の開口縁を囲うように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の放電生成物発生装置。
【請求項3】
前記突出部分は、前記羽根の回転軸に対して垂直な面に平行な面を有する乱流防止壁と、乱流防止対向壁と、を備え、
前記乱流防止壁は、平板であり、所定の位置に頂点を有する山形状であり、
前記乱流防止対向壁は、平板であり、所定の位置に頂点を有する山形状であり、
前記乱流防止壁と、前記乱流防止対向壁とは対向していることを特徴とする請求項2に記載の放電生成物発生装置。
【請求項4】
前記本体ケース内に除湿手段を設け、前記除湿手段を前記第1の吸気口と前記送風機との間の風路に備えた構成とした請求項1から3のいずれかに記載の放電生成物発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放電生成物発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放電生成物発生装置は、例えば臭気の分解等に活用され、更に、それに空気清浄機能や、除湿機能が取り付けられたものがある。このような従来の放電生成物発生装置の構成、は以下のようになっていた。
【0003】
従来、第1の吸気口と第2の吸気口と吹出口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた送風機とを備え、この送風機はスクロール形状のケーシング部と、このケーシング部内に設けられた羽根と、この羽根を回転させる電動機とから形成し、前記送風機は、第1の吸気口から本体ケース内に吸気した空気を吹出口へと送風すると共に、ケーシング部の舌片に対向した舌片対向面に負圧発生孔を備え、この負圧発生孔のケーシング部の外側に放電生成物発生手段を設け、第2の吸気口から、放電生成物発生手段、負圧発生孔、ケーシング部内、吹出口へと通ずる送風路を形成した放電生成物発生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の放電生成物発生装置は、羽根の動作によりケーシング部内が負圧となり、この負圧を用いて負圧発生孔より空気を誘引し、放電生成物発生手段において生成された放電生成物を吹出口より空気と共に放電生成物発生装置外へと排出していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の放電生成物発生装置は、吹出口より空気と共に排出される放電生成物の量が多くなるほど、臭気の分解等の効果が増加する。そして、放電生成物の排出量には、負圧発生孔による空気の誘引量が影響する。
【0006】
特許文献1に記載の放電生成物発生装置は、舌片に対向した舌片対向面に負圧発生孔を備えている。舌片対向面には、第1の羽根の回転による風が垂直に押し当てられる力が働き易く、誘引量が低下すると考えられる。即ち、負圧発生孔による更なる誘引量の向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の吸気口と第2の吸気口と吹出口を有する本体ケースと、前記本体ケース内に設けられた送風機と、を備え、前記送風機はスクロール形状のケーシング部と、前記ケーシング部内に設けられた羽根と、前記羽根を回転させる電動機と、から形成し、前記送風機は、前記第1の吸気口から前記本体ケース内に吸気した空気を前記吹出口へと送風すると共に、前記ケーシング部の舌片を有する舌片形成面に負圧発生孔を備え、前記ケーシング部の外側に放電生成物発生手段を設け、前記第2の吸気口から、前記放電生成物発生手段、前記負圧発生孔、前記ケーシング部内、前記吹出口へと通ずる送風路を形成し、前記負圧発生孔は、前記羽根の回転中心から舌片への接線における接点より前記ケーシング部内の送風方向における下流側に設けられ、前記負圧発生孔と前記接点との距離は、前記負圧発生孔と前記吹出口との距離より短いことを特徴とする放電生成物発生装置。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成により、負圧発生孔の空気の誘引量を向上可能な放電生成物発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態における放電生成物発生装置の斜視図
【
図5】同放電生成物発生装置の負圧発生孔の周辺構造を示す断面図
【
図6】同放電生成物発生装置の突出部分の拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における放電生成物発生装置の斜視図であり、
図2は分解斜視図を、
図3には水平面における概略断面図を示す。
【0012】
図1、
図2、
図3に示すように、本実施形態の放電生成物発生装置は、箱形状の本体ケース1の前面に第1の吸気口2と第2の吸気口3を設け、本体ケース1の上面の前面側には操作部4を、本体ケース1の上面の背面側には吹出口5を有している。使用者は、操作部4を操作することで放電生成物発生装置の操作および運転モードの確認をすることができる。吹出口5の上方には、回動自在なルーバー6を備えている。本体ケース1の背面側下方には、貯水部7が出没自在に設けられており、本体ケース1内で生成された除湿水を貯水する。
【0013】
本体ケース1内には、除湿手段8と、再生ユニット9と、送風機10と、放電生成物発生部11と、除湿風路12と、冷却風路13と、放電生成物発生風路14と、を備えている。
【0014】
除湿手段8は、除湿ロータ15と、支持枠16と、モータ17とを有している。
【0015】
除湿ロータ15は、円板形状で、回転軸が水平方向に延びるように、支持枠16に回動自在に設けられている。除湿ロータ15は、吸着材が担持された軸方向に通風可能なハニカム形状で構成されており、この吸着材は、晒される空気の相対湿度が高ければ多くの水分を保持でき、相対湿度が低くなると保持可能な水分量が減少する特性を有している。このように、相対湿度の異なる複数の空気との接触を繰り返せば、各々の相対湿度における吸着材の保持可能な水分量の差に応じて水分の吸脱着が行われることになる。除湿ロータ15は、空気中の水分を除湿ロータ15に吸着する吸湿領域15aと、除湿ロータ15に吸着した水分を放出する放湿領域15bとを有する。除湿ロータ15の外周には、多数の歯15cを有している。
【0016】
支持枠16は、本体ケース1における前面側と背面側とを仕切るように配置され、中央部には、円形の開口16aを有している。除湿ロータ15は、本体ケース1における背面と支持枠16との間に配置され、支持枠16の開口16aを塞ぐように、回動自在に設けられている。
【0017】
モータ17は、支持枠16に固定され、歯車17aを有し、歯車17aは、除湿ロータ15外周から突出した多数の歯15cと接触する。モータ17が駆動すると歯車17aが回転し、この歯車17aによって除湿ロータ15も回転する。
【0018】
再生ユニット9は、除湿ロータ15における放湿領域15bの一方側面(本体ケース1における前面側)と、除湿ロータ15における放湿領域15bの他方側面(本体ケース1における背面側)と連通する循環風路18と、循環風路18内に設けた、発熱部19と、熱交換器20と、循環送風機21とを有する。
【0019】
発熱部19は、除湿ロータ15における放湿領域15bの一方側面(本体ケース1における背面側)に配置されている。発熱部19は、ニクロム線などの通電発熱する材料で構成され、発熱することにより除湿ロータ15の放湿領域15bにおいて、除湿ロータ15から水分を放出させている。
【0020】
熱交換器20は、除湿ロータ15の放湿領域15bから放出した水分を含む再生空気と、送風機10が供給する室内空気とを熱交換して水分を凝縮する。熱交換器20は、本体ケース1における前面と支持枠16との間に、除湿ロータ15と水平方向に隣り合うように配置されている。
【0021】
循環送風機21は、循環モータ21aと羽根車21bを組み合わせた、いわゆるシロッコファンとして構成し、循環風路18内で空気の循環を行っている。循環送風機21は、循環風路18における発熱部19と熱交換器20との間に配置されている。循環送風機21から送風された空気は、発熱部19、除湿ロータ15における放湿領域15b、熱交換器20を順次介して、循環送風機21に吸い込まれる。
【0022】
送風機10は、本体ケース1における背面と支持枠16との間に配置されている。送風機10は、電動機10aと、電動機10aにより回転する羽根10bと、それらを囲むスクロール形状のケーシング部10cとを備えている。
【0023】
電動機10aは、ケーシング部10cに固定されている。
【0024】
羽根10bは、シロッコファンで、電動機10aから水平方向に延びた回転軸(図示せず)に固定されている。電動機10aの回転軸は、本体ケース1の前面側から背面側に延びている。
【0025】
図4は、本発明の実施の形態における放電生成物発生装置のケーシング部内を示す概略断面図である。
【0026】
図3、
図4に示すように、ケーシング部10cには、吐出口22と吸込口23とが設けられている。吐出口22は、ケーシング部10cの本体ケース1における上面側に設けられている。また、吸込口23は、ケーシング部10cの本体ケース1における前面側に設けられている。ケーシング部10cは、電動機10aを固定し、吸込口23が設けられた第1の側面24と、第1の側面24に対向した第2の側面25が設けられている。さらにケーシング部10cは第1の側面24と第2の側面25とを連結する、舌片26を有する舌片形成面27と、舌片形成面27に対抗する舌片対向面28とを有している。電動機10aによって、羽根10bが回転すると、ケーシング部10cの吸込口23からケーシング部10c内に空気が吸い込まれ、この吸い込まれた空気は、吐出口22からケーシング部10c外へ送風される。この時、ケーシング部10c内は負圧となる。
【0027】
放電生成物発生部11は、放電生成物発生手段29と、第1のダクト30と、第2のダクト31と、負圧発生孔32と、を備えている。
【0028】
放電生成物発生手段29は、本体ケース1の側面とケーシング部10cとの間に設けられ、デバイス部分29aと、デバイスケース29bと、を備える。
【0029】
デバイス部分29aは、電圧の印加により空気中へと放電生成物を発生させるものである。デバイス部分29aの1例を静電霧化手段として説明する。この静電霧化手段は、放電電極(図示せず)と、この放電電極に対向して配置された対向電極(図示せず)と、これらの対向電極と放電電極間に高電圧(この実施形態では-5KV)を印加する高電圧印加部(図示せず)と、放電電極を冷却する冷却部として配置したペルチェ素子(図示せず)と、このペルチェ素子の熱を放熱する放熱フィン(図示せず)とを備えている。ペルチェ素子は0.75V~2.8V程度の電圧を印加するものであり、この実施形態では、放電電極側を低温に、放熱フィン側を高温にする。よって、通過する室内空気が、この放電電極部分で冷却されることで、結露すると、帯電微粒子水が発生することになる。このため、帯電微粒子水が、次に、乾燥空気とともに、吹出口5から本体ケース1外に排気され、帯電微粒子水中のヒドロキシルラジカルが臭いと反応し、それを酸化させることで、臭いを分解することができるのである。なお、ヒドロキシルラジカルはヒドロキシ基(水酸基)に反応するラジカルであり、このラジカルは通常2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が1つしかないので、電気的に非常に不安定で、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするために、酸化力が非常に強いものであり、この酸化作用により臭いが分解、除去されるのである。
【0030】
デバイスケース29bは、デバイス部分29aを囲うように設けられた立方体形状の箱であり、第1のダクト30と、第2のダクト31とに連通できるように一部を開口16aしている。
【0031】
第1のダクト30は、本体ケース1における送風機10の回転軸と並行に伸びた筒形状であり、本体ケース1の側面とケーシング部10cとの間に設けられており、第2の吸気口3から放電生成物発生手段29までを空気が通風可能なように連通させている。
【0032】
第2のダクト31は、L字型に湾曲した筒形状であり、本体ケース1の側面とケーシング部10cとの間に設けられており、放電生成物発生手段29から負圧発生孔32までを空気が通風可能なように連通させている。
【0033】
負圧発生孔32は、ケーシング部10cに設けられた開口16aであり、第2のダクト31とケーシング部10cとを連通させている。
【0034】
除湿風路12は、本体ケース1の第1の吸気口2と、除湿ロータ15の吸湿領域15aと、送風機10とを連通する風路である。本体ケース1の第1の吸気口2から吸い込んだ空気の水分は、除湿ロータ15の吸湿領域15aで、除湿ロータ15に吸着され、除湿される。
【0035】
冷却風路13は、本体ケース1の第1の吸気口2と、熱交換器20と、送風機10とを連通する風路である。本体ケース1の第1の吸気口2から吸い込んだ空気によって、熱交換器20が冷却される。除湿風路12と冷却風路13とを通過したそれぞれの空気は、送風機10で混合され、吹出口5から本体ケース1外へ送風される。
【0036】
放電生成物発生風路14は、本体ケース1の第2の吸気口3と、第1のダクト30と、放電生成物発生手段29と、第2のダクト31と、負圧発生孔32とを連通する風路である。送風機10の動作により、ケーシング部10c内は負圧となるため、負圧発生孔32を介して空気が誘引される力が放電生成物発生風路14内に働き、第2の吸気口3から本体ケース1外の空気が第1のダクト30に進入し、放電生成物発生手段29、第2のダクト31、負圧発生孔32を順に通過し、除湿風路12内へと送風される。
【0037】
以上の構成における除湿動作について説明する。送風機10により第1の吸気口2から室内空気を吸引し、除湿ロータ15の吸湿領域15aに水分を吸湿させ、除湿された空気を乾燥空気として吹出口5から室内に送風する(除湿風路12)。除湿ロータ15に吸湿された水分は、除湿ロータ15の回転駆動により放湿領域15bに移動し、発熱部19の加熱により循環風路18に放出される。循環風路18では循環送風機21の送風により、除湿ロータ15の放湿領域15bから送出した高温多湿の空気は、熱交換器20に送風される。熱交換器20では循環風路18と送風機10により本体ケース1内に吸引され、熱交換器20を冷却する冷却風路13とが熱交換を行い、循環風路18の高温多湿空気は冷却され水分が凝縮し結露水として貯水部7に回収される。熱交換器20を冷却し、温度が上昇した冷却風路13の空気は、送風機10により、除湿風路12の空気と混合され吹出口5から室内に送風される。このように、室内空気の除湿動作がなされている。
【0038】
羽根10bは、シロッコファンであるため、羽根10bの中心から外周側に向けて風が送風される。これより、詳しいことは解っていないが、ケーシング部10cの羽根10bの外周と対向する壁面には風が垂直方向に押し当てられる力が働き易く、負圧発生孔32を羽根10bの外周と対向する壁面へ設けた場合、風が垂直に押し当てられる力により、空気が誘引しにくくなると考えられる。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態における放電生成物発生装置の負圧発生孔の周辺構造を示す断面図である。
【0040】
図4、
図5に示すように、舌片形成面27は、下流側部分27aを備える。
【0041】
下流側部分27aは、舌片形成面27の一部であり、舌片形成面27において、羽根の中心点から舌片26への接線Aにおける接点Bよりケーシング部10c内の送風方向における下流側の部分である。下流側部分27aは、羽根の外周と対向する壁面ではないため、風が垂直に押し当てられる力が働き難い。
【0042】
負圧発生孔32は、下流側部分27aにおいて、負圧発生孔32と接点Bとの距離が、負圧発生孔32と吹出口との距離より短くなる位置に設けられている。即ち、負圧発生孔32は、下流側部分27aにおいて除湿風路12の上流側に設けられている。なお、除湿風路12の上流側は、除湿風路12の下流側に比べて風速が速く、気流の乱れが少ない。
【0043】
即ち、第1の吸気口2と第2の吸気口3と吹出口を有する本体ケース1と、本体ケース1内に設けられた送風機10と、を備え、送風機10はスクロール形状のケーシング部10cと、ケーシング部10c内に設けられた羽根と、羽根を回転させる電動機10aと、から形成し、送風機10は、第1の吸気口2から本体ケース1内に吸気した空気を吹出口へと送風すると共に、ケーシング部10cの舌片26を有する舌片形成面27に負圧発生孔32を備え、ケーシング部10cの外側に放電生成物発生手段29を設け、第2の吸気口3から、放電生成物発生手段29、負圧発生孔32、ケーシング部10c内、吹出口5へと通ずる送風路を形成し、負圧発生孔32は、羽根の回転中心から舌片26への接線Aにおける接点Bよりケーシング部10c内の送風方向における下流側に設けられ、負圧発生孔32と接点Bとの距離は、負圧発生孔32と吹出口5との距離より短い構成である。
【0044】
この手の負圧を利用した開口16aからの空気の誘引技術において、空気の誘引量は、開口16aの面する位置の風速が速くなるほど増加する。
【0045】
負圧発生孔32を羽根10bの外周と対向する壁面以外に設け、除湿風路12の上流側に設けたので、空気の誘引が円滑に行われる。これによって、負圧発生孔32の空気の誘引量を向上可能な放電生成物発生装置を得ることができる。
【0046】
また、負圧発生孔32は、その開口縁に突出部分33を備えていることが望ましい。
【0047】
図6は、本発明の実施の形態における放電生成物発生装置の突出部分の拡大斜視図である。
【0048】
図6に示すように、突出部分33は、負圧発生孔32の開口縁を囲うように設けられたリブであり、負圧発生孔32から鉛直方向上向きに伸びている。
【0049】
即ち、負圧発生孔32には、ケーシング部10c内へ突出する突出部分33を備え、突出部分33は、負圧発生孔32の開口縁を囲うように設けられた構成である。
【0050】
舌片形成面27の表面上では、空気の粘性と摩擦により、風速が減少しやすい。突出部分33を設けたことによって、放電生成物発生風路14の除湿風路12に面する開口面の位置が舌片形成面27の表面より離れ、より風速の速い位置となる。結果として、負圧発生孔32の空気の誘引量が増加する。これより、負圧発生孔32の空気の誘引量を更に向上可能な放電生成物発生装置を提供することができる。
【0051】
また、突出部分33は、乱流防止壁33aと、乱流防止対向壁33bと、を備えている。
【0052】
乱流防止壁33aは、突出部分33の一部であり、突出部分33の本体ケース1の前面側に設けられた平板である。乱流防止壁33aは、羽根の回転軸に対して垂直な面に平行になるよう、本体ケース1の左右方向に伸びており、乱流防止壁33aの中央より除湿風路12の下流側に頂点を有する山形形状である。
【0053】
乱流防止対向壁33bは、突出部分33の一部であり、突出部分33の本体ケース1の背面側に設けられた平板である。乱流防止対向壁33bは、羽根の回転軸に対して垂直な面に平行になるよう、本体ケース1の左右方向に伸びており、乱流防止対向壁33bの中央より除湿風路12の下流側に頂点を有する山形形状である。乱流防止壁33aと、乱流防止対向壁33bとは、対向する位置にあり、同一の形状である。
【0054】
即ち、突出部分33は、羽根の回転軸に対して垂直な面に平行な面を有する乱流防止壁33aと、乱流防止対向壁33bと、を備え、乱流防止壁33aは、平板であり、所定の位置に頂点を有する山形状であり、乱流防止対向壁33bは、平板であり、所定の位置に頂点を有する山形状であり、乱流防止壁33aと、乱流防止対向壁33bとは対向している構成である。
【0055】
この手の空気の誘引を目的とした負圧発生孔32において、開口面で乱流が発生した場合、負圧発生孔32の空気の誘引量は低下する。空気の流れの中にある突出部分33において、流れに沿って直角もしくは鋭角の角があると、その角の前後では乱流が生じる。そのため、突出部分33の開口面にあたる上端の除湿風路12の流れに沿う部分は、鈍角以上の角度のみで形成される山形形状で構成されていることが望ましい。これによって、突出部分33の開口面では乱流の発生が抑制され、空気の誘引量を確保することができる。これより、負圧発生孔32の空気の誘引量を更に向上可能な放電生成物発生装置を提供することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では放電生成物発生装置は、本体ケース1内に除湿手段8を設け、この除湿手段8を第1の吸気口2と送風機10との間の風路に備えているが、除湿手段8の代わりに空気清浄機能を備えていてもよく、その形態を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
家庭用や事務所用などの、脱臭および除湿を目的とした放電生成物発生装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 本体ケース
2 第1の吸気口
3 第2の吸気口
4 操作部
5 吹出口
6 ルーバー
7 貯水部
8 除湿手段
9 再生ユニット
10 送風機
10a 電動機
10b 羽根
10c ケーシング部
11 放電生成物発生部
12 除湿風路
13 冷却風路
14 放電生成物発生風路
15 除湿ロータ
15a 吸湿領域
15b 放湿領域
15c 歯
16 支持枠
16a 開口
17 モータ
17a 歯車
18 循環風路
19 発熱部
20 熱交換器
21 循環送風機
21a 循環モータ
21b 羽根車
22 吐出口
23 吸込口
24 第1の側面
25 第2の側面
26 舌片
27 舌片形成面
27a 下流側部分
28 舌片対向面
29 放電生成物発生手段
29a デバイス部分
29b デバイスケース
30 第1のダクト
31 第2のダクト
32 負圧発生孔
33 突出部分
33a 乱流防止壁
33b 乱流防止対向壁
A 接線
B 接点