IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電解水生成装置 図1
  • 特開-電解水生成装置 図2
  • 特開-電解水生成装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050360
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】電解水生成装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20230404BHJP
【FI】
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160419
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】松本 一真
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 和也
【テーマコード(参考)】
4D061
【Fターム(参考)】
4D061DA03
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB02
4D061EB14
4D061EB16
4D061ED13
(57)【要約】
【課題】本発明は電解促進錠剤を所定の位置に保持されるようにし、毎運転ごとに電解促進錠剤に接触する水の流速のばらつきを抑制することで、電解促進錠剤の溶解の再現性を高めることを目的とする。
【解決手段】流路13は、給水部4によって給水される給水区画14と、錠剤投入機構3から電解促進錠剤6が投入され保持される錠剤保持区画15と、電解機構7が設けられる電解区画17と、を有し、錠剤保持区画15と電解区画17との間には、電解促進錠剤6を錠剤保持区画15内の所定の位置に保持し、電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水を集める保持集水機構16を設けたことを特徴とする電解水生成装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯水可能な生成部と、
前記生成部に水を給水する給水部と、
給水された水が流れる流路と、
前記流路に水に溶解する固体の電解促進錠剤を投入する錠剤投入機構と、
前記流路の水を電気化学的に処理する電解機構と、を有し、
前記流路は、
前記給水部によって給水される給水区画と、
前記錠剤投入機構から前記電解促進錠剤が投入され保持される錠剤保持区画と、
前記電解機構が設けられる電解区画と、を有し、
前記給水部から給水された水は、前記給水区画、前記錠剤保持区画、前記電解区画の順に流れ、
前記錠剤保持区画と前記電解区画との間には、前記電解促進錠剤を前記錠剤保持区画内の所定の位置に保持し、前記電解促進錠剤に前記錠剤保持区画内の水を集める保持集水機構を設けたことを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
前記保持集水機構は、集水面と、下端側リブと、を備え、
前記集水面は、前記流路における前記給水区画と前記錠剤保持区画の底面であり、
前記下端側リブは、
前記集水面の前記流路の下流側端部に沿うように設けられた鉛直方向上向きに突出した板であり、
前記流路の最も下流側の位置には上端から下端までを切り欠いた開口部を備え、
前記集水面は、前記開口部の設けられた位置に向けて傾斜しており、
前記電解促進錠剤は、前記錠剤投入機構によって投入された後、前記集水面と前記下端側リブによって前記開口部と接した状態で保持されることを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
【請求項3】
前記集水面は、下方に凸である曲面形状であり、
前記集水面の前記流路の流れ方向に垂直な複数の断面の連続した最下点を結んだ直線である頂線を有し、
前記開口部は、前記頂線上に位置することを特徴とする請求項2に記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記下端側リブは、前記開口部を頂点とし、前記流路の下流方向に凸である円弧形状の突出部分を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記電解機構は、通電されることで電気化学的処理を行う板形状の第1の電極と、第2の電極と、を備え、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に、前記頂線が位置するように電解機構を前記流路内に設けたを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の電解水生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解促進錠剤を投入する電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電解水生成装置では、水を貯水する生成部と、生成部に水を供給する給水部とを備え、前記生成部に電解促進錠剤を投入し、前記生成部内で水を電気化学的に処理することで次亜塩素酸を含んだ水を生成していた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―49032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の電解水を生成する装置においては、装置内に水の移動する流路を設け、流路は、電解促進錠剤を投入する錠剤投入位置と、錠剤投入位置の流路下流側に電解促進錠剤が水の流れにより移動しないように保持するメッシュ状の錠剤保持部分と、が備えられており、錠剤投入位置に投入された電解促進錠剤は錠剤保持部分にて保持され、そこに流路を移動する水が当たることで電解促進錠剤を素早く溶解させ、溶解後の水を電気化学的に処理することで、次亜塩素酸を含んだ水を短時間で得ていた。
【0005】
しかし、流路を移動する水には流速の分布があり、電解促進錠剤が錠剤保持部分にて保持される場所には毎運転ごとにばらつきがあったため、毎運転ごとに電解促進錠剤に接触する水の流速がばらつき、電解促進錠剤の溶解の再現性が低く、生成される次亜塩素酸を含んだ水の濃度にばらつきが起きるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電解促進錠剤を所定の位置に保持されるようにし、毎運転ごとに電解促進錠剤に接触する水の流速のばらつきを抑制することで、電解促進錠剤の溶解の再現性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明は、水を貯水可能な生成部と、前記生成部に水を給水する給水部と、給水された水が流れる流路と、前記流路に水に溶解する固体の電解促進錠剤を投入する錠剤投入機構と、前記流路の水を電気化学的に処理する電解機構と、を有し、前記流路は、前記給水部によって給水される給水区画と、前記錠剤投入機構から前記電解促進錠剤が投入され保持される錠剤保持区画と、前記電解機構が設けられる電解区画と、を有し、前記給水部から給水された水は、前記給水区画、前記錠剤保持区画、前記電解区画の順に流れ、前記錠剤保持区画と前記電解区画との間には、前記電解促進錠剤を前記錠剤保持区画内の所定の位置に保持し、前記電解促進錠剤に前記錠剤保持区画内の水を集める保持集水機構を設けた構造であり、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明は、生成部に投入された電解促進錠剤の溶解の再現性を高めるものであり、生成される次亜塩素酸を含んだ水の濃度のばらつきを抑制することが可能な電解水生成装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1の電解水生成装置とその周辺構成要素を示す斜視図
図2】同電解水生成装置の断面斜視図
図3】同電解水生成装置の天面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の電解水生成装置の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1の電解水生成装置の断面斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1の電解水生成装置の天面図である。
【0011】
図1に示すように、電解水生成装置1は、生成部2と、錠剤投入機構3と、給水部4と、を備えている。
【0012】
図2に示すように、生成部2は、水を貯留するケーシング5と、電解促進錠剤6が溶解した水を電気化学的に処理する電解機構7と、を有している。
【0013】
ケーシング5は、横長の椀形状であり、長手方向における一端側の側面である第1側面8と、長手方向における他端側の側面である第2側面9と、短手方向における一端側の第3側面10と、短手方向における他端側の第4側面11と、鉛直方向下方の面である底面12と、を備えている。
【0014】
第1側面8は、板形状であり、電解水生成装置1における水平方向に対して垂直に備えられており、後述する流路の上流側に設けられている。
【0015】
第2側面9は、板形状であり、第1側面8に平行に備えられており、後述する流路の下流側に設けられている。また、第2側面は、鉛直方向においてその下端が第1側面8の下端に比べ低い位置にある。
【0016】
第3側面10は、略板形状であり、第1側面8と第2側面9に垂直に備えられている。
【0017】
第4側面11は、略板形状であり、第1側面8と第2側面9に垂直に備えられている。
【0018】
底面12は、第1側面8側から第2側面9側に向けて順に、第1水平面12aと、集水面12bと、第2水平面12cと、を有している。
【0019】
第1水平面12aは、第1側面8の下端と集水面12bを繋ぐ平面であり、第3側面10と第4側面11と垂直に備えられている。
【0020】
集水面12bは、第1水平面と12aの流路下流側端部と第2水平面12cの流路上流側端部を繋ぐ傾斜した面である。
【0021】
第2水平面12cは、集水面と第2側面9の下端とを繋ぐ面である。
【0022】
また、第3側面10と、第4側面11と、底面12とにより、給水された水が移動する流路13が形成される。
【0023】
図3に示すように、流路13は、底面12が第3側面10と第4側面11とに挟まれたことにより形成され、流路13の上流側から順に、給水区画14と、錠剤保持区画15と、保持集水機構16と、電解区画17と、を備える。
【0024】
給水区画14は、流路13において最も上流側に設けられており、給水部4によって水が給水される区画である。
【0025】
錠剤保持区画15は、給水区画14の下流側に設けられており、錠剤投入機構3から電解促進錠剤6が投入され、電解区画17へと移動しないように保持する区画である。
【0026】
保持集水機構16は、錠剤保持区画15と電解区画17との間に設けられ、電解促進錠剤6を錠剤保持区画15内の所定の位置に保持し、保持された電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水を集めるものである。
【0027】
電解区画17は、錠剤保持区画15の下流側に設けられており、電解機構7が設けられている。
【0028】
電解機構7は、一部がケーシング5内の水に浸漬するように設けられており、板形状の第1の電極(図示せず)と、板形状の第2の電極(図示せず)と、これらの電極を固定するための電極ケース18とを有している。電解促進錠剤6が溶解した水に浸った第1の電極と第2の電極とに電圧を印加し、水を電気化学的に処理する。
【0029】
錠剤投入機構3は、生成部2の上方に設置され、錠剤投入ケース19と、錠剤投入ケース19内に設けた錠剤投入部材(図示せず)と、錠剤投入ケース19の上方に着脱自在に設けられた錠剤投入カバー20とを備えている。錠剤投入ケース19から錠剤投入カバー20を外し、錠剤投入ケース19内に電解促進錠剤6を入れておくと、錠剤投入部材が回動し、自動的に電解促進錠剤6は錠剤投入ケース19の底面の開口(図示せず)より落下する。なお、本発明において電解促進錠剤6には塩化ナトリウムを用いており、その形状は回転楕円体である。
【0030】
給水部4は、給水用ダクト21と、給水装置(図示せず)と、を備えており、給水用ダクト21は一端が給水装置に接続されており、他端は円形の開口21aとなっており、ケーシング5の給水区画14の上方に開口21aが位置するように設けられている。
【0031】
即ち、水を貯水可能な生成部2と、生成部2に水を給水する給水部4と、給水された水が流れる流路13と、流路13に水に溶解する固体の電解促進錠剤6を投入する錠剤投入機構3と、流路13の水を電気化学的に処理する電解機構7と、を有し、流路13は、給水部4によって給水される給水区画14と、錠剤投入機構3から電解促進錠剤6が投入され保持される錠剤保持区画15と、電解機構7が設けられる電解区画17と、を有し、給水部4から給水された水は、給水区画14、錠剤保持区画15、電解区画17の順に流れ、錠剤保持区画15と電解区画17との間には、電解促進錠剤6を錠剤保持区画15内の所定の位置に保持し、電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水を集める保持集水機構16を設けた構成である。
【0032】
上記の構成としたことにより、毎運転ごとに電解促進錠剤6を錠剤保持区画15内の所定の位置に保持し、保持された電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水が集められるため、毎運転ごとに電解促進錠剤6に接触する水の流速のばらつきを抑制することができる。これにより、電解促進錠剤6の溶解の再現性を高めることができる。
【0033】
本発明において、電解促進錠剤6を錠剤保持区画15内の所定の位置に保持し、保持された電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水を集める具体的な方法を説明する。
【0034】
保持集水機構16は、下端側リブ22と、集水面12bと、によって電解促進錠剤6を所定の位置に保持し、保持された電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水を集める。
【0035】
下端側リブ22は、集水面12bの流路13の下流側端部に沿うように設けられた鉛直方向上向きに突出した板である。下端側リブ22は、その一部を開口とする開口部23を備える。
【0036】
開口部23は、下端側リブ22において流路13の最も下流側の位置に設けられており、下端側リブ22の上端から下端までを切り欠く開口であり、その開口の幅は回転楕円体形状である電解促進錠剤6の短軸より短く設けられている。錠剤保持区画15内の水は開口部23を通過することで電解区画17へと流れる。
【0037】
集水面12bは、開口部23の設けられた位置に向けて傾斜している。
【0038】
上記の構成としたことにより、錠剤投入機構3によって投入された電解促進錠剤6は、集水面12bの傾斜により、開口部23に向けて移動し、下端側リブ22によって保持される。なお、開口部23は電解促進錠剤6の短軸より短く設けられた幅の開口であるので、電解促進錠剤6は電解区画17へと移動することなく、開口部23に接した状態で下端側リブ22に保持される。
【0039】
続いて電解水生成装置1の動作のうち本実施の形態に係る部分の主要な動作について説明する。
【0040】
最初に、錠剤投入機構3が動作を開始し、錠剤投入部材が回動することで錠剤投入ケース19の開口より電解促進錠剤6が錠剤保持区画15へと落下する。落下した電解促進錠剤6は、集水面12bの傾斜により開口部23まで移動し、下端側リブ22によって開口部23に保持される。次に、給水装置が動作を開始し、給水用ダクト21からケーシング5内へ給水が行われる。給水用ダクト21から給水された水は給水区画14へと落下し、集水面12bの傾斜により開口部23に集められ、開口部23に保持された電解促進錠剤6に接触しながら、開口部23より電解区画17へと流れだす。給水装置は目的の水位を得るために一定時間の動作を続けた後に停止する。この時、電解促進錠剤6は重力に従い集水面12bに沈降しているため、下端側リブ22を超え、流路13の下流に向かって移動することが出来ず、水の移動によって溶解され続ける。次に、第1の電極と第2の電極に電圧が印加され、水に溶解した塩化ナトリウムが消費されて次亜塩素酸を含んだ水が生成される。
【0041】
即ち、保持集水機構16は、集水面12bと、下端側リブ22と、を備え、集水面12bは、流路13における給水区画14と錠剤保持区画15の底面であり、下端側リブ22は、集水面12bの流路13の下流側端部に沿うように設けられた鉛直方向上向きに突出した板であり、流路13の最も下流側の位置には上端から下端までを切り欠いた開口部23を備え、集水面12bは、開口部23の設けられた位置に向けて傾斜しており、電解促進錠剤6は、錠剤投入機構3によって投入された後、集水面12bと下端側リブ22によって開口部23と接した状態で保持される構成である。
【0042】
電解促進錠剤6は、毎運転ごとに開口部23と接した状態で下端側リブ22へと保持される。また、錠剤保持区画15の水は開口部23を通過することで電解区画17へと流れるため、電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水を集めていることとなる。これにより、毎運転ごとに電解促進錠剤6を錠剤保持区画15内の所定の位置に保持し、保持された電解促進錠剤6に錠剤保持区画15内の水が集められるため、毎運転ごとに電解促進錠剤6に接触する水の流速のばらつきを抑制することができる。これにより、電解促進錠剤6の溶解の再現性を高めることができる。
【0043】
集水面12bにおいて、平面と平面が交わることで形成される角があった場合、この角をまたいで水が移動すると水流が乱れて流速が不安定になる。これにより、集水面12bは角のない曲面で構成する。結果として、より安定した流速の水流を得ることができる。
【0044】
また、開口部23に保持された電解促進錠剤6に向けて水を集めることができるように、水流は集水面12bの上流側で開口部23へ向かう直線状に近しくなるように整流されることが望ましい。この理由により、集水面12bは、流路の流れ方向に垂直な複数の断面の連続した最下点は、開口部23へと向かう直線である頂線Aを形成する構成とする。結果として、集水面12bの流路13の流れ方向に垂直などの断面上でも頂線A上を水が流れるように整流される力が働く。なお、本実施の形態において、流路13の流れ方向とは、第1側面8から第2側面9へと向かう、第3側面10および第4側面11と平行な方向である。
【0045】
即ち、集水面12bは、下方に凸である曲面形状であり、集水面12bの流路13の流れ方向に垂直な複数の断面の連続した最下点を結んだ直線である頂線Aを有し、開口部23は、頂線A上に位置する構成である。
【0046】
上記の構成としたことにより、集水面12bにおいて流路13を流れる水が開口部23に保持された電解促進錠剤6に集まるように整流される。これによって、毎運転ごとに電解促進錠剤6に接触する水の流速のばらつきをより抑制することができる。これより、電解促進錠剤6の溶解の再現性をより高めることができる。
【0047】
また、下端側リブ22は、開口部23を頂点とし、流路13の下流方向に凸である円弧形状の突出部分24を備えていることが望ましい。
【0048】
下端側リブ22は、開口部23に電解促進錠剤6を保持できるものであればよいが、開口部23近傍の壁面の傾斜角度が緩やかであると開口部23へと流れる水流によって電解促進錠剤6が開口部23から離れた位置へと一時的に移動する可能性がある。
【0049】
上記の理由より、開口部23を頂点とし、流路13の下方側に凸である円弧形状の突出部分24を設け、開口部23近傍の壁面をより傾斜させたことにより、より確実に電解促進錠剤6を開口部23と接した状態で下端側リブ22へと保持可能な電解水生成装置1を得ることができる。これより、電解促進錠剤6の溶解の再現性をより高めることができる。
【0050】
また、第1の電極と第2の電極の間に頂線Aが位置するように、電解機構7を流路内に設けることが望ましい。
【0051】
即ち、電解機構7は、通電されることで電気化学的処理を行う板形状の第1の電極と、第2の電極と、を備え、第1の電極と第2の電極の間に、頂線Aが位置するように電解機構7を流路13内に設けた構成である。
【0052】
給水区画14へと給水された水は、電解促進錠剤6を溶解しながら開口部23のみを介して、電解区画17へと流れ出す。そのため、流路13における開口部23より下流側の電解区画17では頂線A付近が電解促進錠剤6の成分の濃度が高くなりやすい。
【0053】
また、本発明における電解機構7は、電解促進錠剤6が溶解した水に浸った第1の電極と第2の電極とに電圧を印加し、水を電気化学的に処理するものであり、第1の電極と第2の電極の間に位置する水に含まれる電解促進錠剤6の成分を用いて次亜塩素酸を含んだ水を生成する。
【0054】
上記の理由により、第1の電極と第2の電極の間に頂線が位置するように、電解機構7を流路13内に設けたことで、電解機構7の水を電気化学的に処理する能力が向上する。これによって、より効率的に次亜塩素酸を含んだ水を生成することが可能な電解水生成装置を得ることができる。
【0055】
本発明における電解促進錠剤6は塩化ナトリウムを使用しているが、その成分を制限するものではなく、塩化物イオンを供給できるものであればよく、またpHの調整を目的として、りん酸等の緩衝剤を混合してもよく、その構成を制限するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る電解水生成装置は、電解促進錠剤が溶解した水を電気化学的に処理することで次亜塩素酸を含んだ水を生成できるもので、短時間かつ濃度にばらつきのない次亜塩素酸を含んだ水の生成装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0057】
1 電解水生成装置
2 生成部
3 錠剤投入機構
4 給水部
5 ケーシング
6 電解促進錠剤
7 電解機構
8 第1側面
9 第2側面
10 第3側面
11 第4側面
12 底面
12a 第1水平面
12b 集水面
12c 第2水平面
13 流路
14 給水区画
15 錠剤保持区画
16 保持集水機構
17 電解区画
18 電極ケース
19 錠剤投入ケース
20 錠剤投入カバー
21 給水用ダクト
21a 開口
A 頂線
図1
図2
図3