(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050466
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】トイレ用キャビネット
(51)【国際特許分類】
E03D 11/00 20060101AFI20230404BHJP
A47K 17/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
E03D11/00 Z
A47K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160572
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】坂本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 伸雄
【テーマコード(参考)】
2D037
2D039
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037EA03
2D037EA04
2D039CC06
2D039CC07
2D039CD03
2D039DB00
(57)【要約】
【課題】トイレ用キャビネット内部の照明の光をトイレルームの照明として活用可能なトイレ用キャビネットを提供すること。
【解決手段】トイレ用キャビネット1は、トイレルーム100の内部に配置され、トイレ用キャビネット1の前面に配置される前板部40と、トイレ用キャビネット1の内部に配置される照明3と、前板部40に設けられ、照明3から照射される光を拡散する光拡散性及び部分的に光を透過する光透過性の少なくともいずれか一方を有する透光性部材5と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレルームの内部に配置されるトイレ用キャビネットであって、
前記トイレ用キャビネットの前面に配置される前板部と、
前記トイレ用キャビネットの内部に配置される照明と、
前記前板部に設けられ、前記照明から照射される光を拡散する光拡散性及び部分的に光を透過する光透過性の少なくともいずれか一方を有する透光性部材と、を備えるトイレ用キャビネット。
【請求項2】
物品を収納する収納部をさらに備え、
前記前板部は、前記収納部の開口部を開閉する扉を有し、
前記透光性部材は、前記扉に配置される、請求項1に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項3】
前記透光性部材は、前記扉における前記トイレルームの壁面側に配置される、請求項2に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項4】
前記透光性部材は、前記壁面との距離を調整可能に前記扉に固定される、請求項3に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項5】
前記透光性部材は、
前記扉側から前記壁面側に向かって延びる本体部と、
前記本体部の前記壁面側の端部に配置され、前記本体部と前記壁面との間に延び、前記本体部よりも剛性の低い軟質部と、を有する、請求項3又は4に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項6】
前記本体部は、前記扉側よりも前記壁面側に向かうにしたがって厚さが薄くなる先細形状に形成される、請求項5に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項7】
前記軟質部は、前記壁面側の端部が、前記扉側の端部よりも前記収納部側に位置するように湾曲している、請求項5又は6に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項8】
前記扉を開閉する開閉機構をさらに有し、
前記開閉機構は、前記扉と前記透光性部材との間の境界よりも前記扉側に配置される、請求項2~7のいずれか1項に記載のトイレ用キャビネット。
【請求項9】
前記透光性部材は、光拡散性の部材で構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載のトイレ用キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ用キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器が配置されるトイレルームの内部に、物品を収容可能な収納部を有するトイレ用キャビネットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレ用キャビネットの内部に照明を配置すれば、収納部の内部は明るくなる。しかし、収納部の内部だけではなく、照明の光を収納部から外側にも通過させ、トイレルーム内の照明として活用することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、トイレルームの内部に配置されるトイレ用キャビネットであって、前記トイレ用キャビネットの前面に配置される前板部と、前記トイレ用キャビネットの内部に配置される照明と、前記前板部に設けられ、前記照明から照射される光を拡散する光拡散性及び部分的に光を透過する光透過性の少なくともいずれか一方を有する透光性部材と、を備えるトイレ用キャビネットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態のトイレ用キャビネットの正面図である。
【
図2】第1実施形態のトイレ用キャビネットの背面図である。
【
図3】第1実施形態のトイレ用キャビネットの側面図である。
【
図4】第1実施形態のトイレ用キャビネットの部分平面図である。
【
図6A】第2実施形態の透光性部材の平面図である。
【
図6B】第3実施形態の透光性部材の平面図である。
【
図6C】第4実施形態の透光性部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の第1実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、トイレルーム100は、略直方形の空間で、長手方向がトイレルーム100の手前側の入口(図示省略)と入口に対向する奥側の背面壁101とを結ぶ前後方向D1に沿っている。本明細書において、前とは入り口側、すなわち背面壁101に対向する側を言い、後ろとは、背面壁101側を言う。上下方向D3は天地方向であり、幅方向D2はトイレルーム100の左右の側面壁102を結ぶ横方向を意味する。
【0008】
トイレルーム100は、奥側の背面壁101と、背面壁101における幅方向D2の一方と他方の一対の側面壁102と、出入口用の扉が設けられた前壁(図示省略)と、床面103とを備えて構成されている。背面壁101及び側面壁102の下方には、床面103に沿って巾木105が配置されている。
【0009】
トイレルーム100の内部には、トイレ用キャビネット1と、壁掛け式の便器110が配置されている。便器110は、トイレ用キャビネット1の前側に配置され、便器本体111と、便座112と、便蓋113と、タンク114と、排水管115と、フレーム部120(
図3参照)と、を有する。
【0010】
便器本体111は、上部が開口した凹状の容器であり、床面103から離れた位置に浮いた状態で設置される。便器本体111は、底部に汚物等を排出する排水口を備えて形成され、排水口が排水トラップを通じて便器本体111の背面側の下水管に接続されている(図示省略)。
【0011】
便座112は、便器本体111の上面に配置され、使用者が着座する部材である。便蓋113は、便器本体111の上部開口を覆う蓋材である。便座112及び便蓋113は、それぞれ便器本体111の後方側に配されたヒンジ部で回転可能に接続され、開閉可能に設けられている。
【0012】
タンク114は、便器本体111の後方に配置され、内部に洗浄水が貯水される。タンク114には外部の給水源から水が供給され、タンク114に貯水された洗浄水は、給水管114aを通じて便器本体111へ供給される。
【0013】
排水管115は、便器本体111の背面側に設けられる排水口に接続される。排水管115は、床面103の下方内部の下水管に接続される。
【0014】
フレーム部120は、
図1に示すように、便器本体111の後端側を接続して便器本体111を片持ち状態で支持し、同時にタンク114を支持する。
図2に示すように、フレーム部120は、縦桟121と、上桟122と、下桟123と、タンク支持部材124と、天板支持部材125と、を有する。フレーム部120は、後述するトイレ用キャビネット1の内部に配置される。
【0015】
縦桟121は、便器本体111の幅方向D2に一方及び他方に所定の間隔をあけて一対、床面103から立設される。上桟122は、一対の縦桟121の上端に、幅方向D2に延びるように配置される。下桟123は、上桟122から間をあけて下方に配置され、一端を一方の縦桟121に、他端を他方の縦桟121に接続される。タンク支持部材124は、上桟122と下桟123の間で一対の縦桟121の間に幅方向D2に延びるように取り付けられる板材である。タンク支持部材124は、
図3に示すように、縦桟121の背面から後方へ突出する。タンク支持部材124の上に、タンク114が取り付けられる。
【0016】
天板支持部材125は、上桟122の上面に接続される平板状の部材である。天板支持部材125は、長手方向がトイレルーム100の幅方向D2に沿うように配置される。天板支持部材125は、長さが上桟122の長さよりも長く、上桟122の両側端部からトイレルーム100の幅方向の外側に張り出すように取り付けられる。天板支持部材125の上面には、後述する天板7が配置される。
【0017】
トイレ用キャビネット1は、トイレルーム100の内部に配置され、収納部2と、照明3と、前板部40と、扉4と、前パネル6と、透光性部材5と、天板7と、目隠部材8と、を有する。
【0018】
前板部40は、トイレ用キャビネット1の前面に配置される板状の部材である。前板部40は、後述する扉4と、前パネル6とを有する。前板部40は、背面壁101から前方に離れた位置で、幅方向D2に延びるように配置される。
【0019】
前パネル6は、便器110の背面に配置され、フレーム部120の前面に取り付けられる。前パネル6は、略長方形の板材であり、便器本体111とフレーム部120の間で背面壁101と略平行に配置される。前パネル6の幅方向D2の長さは、トイレルーム100の一対の側面壁102同士の間の距離よりも短い。
【0020】
天板7は、所謂カウンターであり、前パネル6の上端と背面壁101との間に配置される略長方形の板である。天板7は、略水平方向に配置され、前パネル6と背面壁101との間の空間を塞ぐ。天板7は、背面壁101に取付けられた支持部材(図示省略)にヒンジ接続され、後端側を回転させることで開閉可能に取り付けられている。
【0021】
収納部2は、トイレ用キャビネット1の内部に配置され、例えばトイレットペーパーや掃除用品等の物品を収納可能な空間である。収納部2は、前パネル6の背面に配置されるフレーム部120の幅方向D2両外側に配置される。収納部2は、仕切り部としての仕切り板21及び棚22を有する。
図4に示すように、仕切り板21は、前パネル6の幅方向D2の両端で、前パネル6の背面から背面壁101に向かってトイレルーム100の前後方向D1に延びる板である。仕切り板21は、フレーム部120やタンク114と収納部2との間を仕切る板である。棚22は、仕切り板21に固定され、水平方向に延びる。棚22は、収納部2を上下方向に区切り、物品を載置可能になっている。収納部2は、仕切り板21と、背面壁101と、側面壁102と、後述する扉4及び透光性部材5によって囲まれ、手前側に開口部2aを有して形成されている。
【0022】
照明3は、収納部2の内部で、棚22よりも前方の開口部2a側に配置され、収納部2の内部を照らす。照明3は、上下方向D3に長く延びる長尺の形状を有し、仕切り板21の上端から下端近傍まで延びる。照明3は、固定部31と、光源32と、カバー33とを有する。固定部31は、仕切り板21の外側面に沿う平坦な面31aと、仕切り板21から幅方向D2外側に突出する突出部31bとを有し、平坦な面31aをねじにより仕切り板21に固定する。光源32は、突出部31bに固定され、トイレルーム100の壁面としての側面壁102に向かって光を照射するように配置される。光源32は、例えばLEDの電球であり、発光部分が側面壁102に対面する。カバー33は、光源32の周囲を覆うとともに、固定部31に係止する。
【0023】
扉4は、収納部2の開口部2aを開閉する板状の部材である。扉4は、前パネル6に隣接して接続され、前パネル6の幅方向D2における両端と、側面壁102との間に配置される。扉4は、薄い略直方体の形状を有し、幅方向D2の端部が前パネル6の幅方向D2の外側の端部に蝶番で開閉可能に接続される。扉4は、扉4を開閉する開閉機構41を有する。開閉機構41は、扉4の背面側に配置される。開閉機構41は、所謂プッシュラッチ式の構造を有し、ラッチ本体42と、受け座部43とを有する。ラッチ本体42は、フレーム部120の天板支持部材125の下面に固定され、受け座部43は、ラッチ本体42の前面に当接可能な位置に、扉4の背面の上部に取り付けられる。使用者が、扉4の前面上部を押圧することで、扉4の開閉が可能となっている。開閉機構41は、例えばマグネット式のラッチ本体42と受け座部43とが吸着する。
【0024】
目隠部材8は、
図4に示すように、前パネル6及び扉4が隣接して接続される接続部64の後方で、かつ照明3の前方に配置される。目隠部材8は、平面視略L字型の長尺の部材である。目隠部材8は、L字型の一方の面81が、仕切り板21の外側面に固定され、L字型の他方の面82が、前パネル6と扉4との接続部64を跨るように配置される。目隠部材8は、扉4が開かれた際に、接続部64の隙間から照明3の光が漏れないように隠す部材である。
図4に示すように、扉4を開いた開状態における正面視で、照明3は目視できない。照明3は、正面視で隠蔽可能な位置に配置される。具体的には、照明3は、目隠部材8や、扉4の前パネル6側の端部、蝶番等によって隠蔽されている。
【0025】
透光性部材5は、前板部40の扉4に設けられる。具体的には、透光性部材5は、扉4とトイレルーム100の側面壁102との間に配置される。透光性部材5は、扉4の外縁側、すなわち側面壁102側の縁に、上下方向D3に沿って配置される。透光性部材5は、長尺の部材であり、薄い板状の形状を有する。透光性部材5は、樹脂に光拡散性の粒子である拡散材を混合して成型した光拡散性の部材により構成される。透光性部材5は、例えば乳白色であり、照明3から照射される光を拡散する。透光性部材5は、
図5に示すように、内側端部5aと、外側端部5bと、本体部51と、軟質部52と、長孔53と、を有する。
【0026】
内側端部5aは、扉4に取り付けられた状態の平面視で、扉4に近い側の端部である。外側端部5bは、トイレルーム100の側面壁102側の端部である。
【0027】
本体部51は、
図1に示すように、正面視で上下方向D3に長い略長方形の形状を有し、
図5に示すように、平面視で短手方向の一端が湾曲した形状を有する。本体部51は、扉4側から側面壁102側に向かって延びる。本体部51は、湾曲した部分が扉4側よりも側面壁102に向かうにしたがって厚さが薄くなる先細形状に形成されている。
【0028】
軟質部52は、本体部51よりも剛性が低く構成される。軟質部52の剛性は、例えばカッター等の刃物で作業者が切断できる程度に構成されている。
図1に示すように、トイレルーム100の側面壁102に巾木105が配置されていた場合、現場で軟質部52を切断して、巾木105が当たる部分を取り除くことが可能である。
【0029】
軟質部52は、本体部51における外側端部5b側に配置され、本体部51と側面壁102との間に延びる。軟質部52の厚さは、本体部51の厚さよりも薄い。軟質部52は、本体部51の外側端部5b側の先端から本体部51の延びる方向と略平行に延びる。
【0030】
長孔53は、本体部51に形成され、長手方向が本体部51の短手方向に沿う長円の貫通孔である。長孔53は、透光性部材5を扉4の外縁側に固定するねじが挿通する孔である。
図2に示すように、長孔53の中でねじを締結する位置を変更することで、透光性部材5の側面壁102との距離が調整可能になる。
【0031】
透光性部材5が扉4に固定された状態で、扉4及び透光性部材5が収納部2の開口部2aを塞ぐように配置される。扉4と透光性部材5との境界よりも扉4側に、開閉機構41が配置されている。
【0032】
照明3は、例えば人感センサ等と連動して自動で点灯又は消灯される。点灯されると、光を側面壁102側へ照射する。このとき、照明3が棚22より手前にあり、開閉機構41、並びに扉4及び開閉機構41の境界よりも扉4側に配置されている。このため、透光性部材5からトイレ用キャビネット1の外側へ漏れ出る光に、棚22、開閉機構41等の影が映らないようになっている。透光性部材5は、光を拡散しながら透過するので、収納部2内を照らした光が扉4の外側に漏れる。
【0033】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。トイレ用キャビネット1を、トイレルームの内部に配置し、トイレ用キャビネット1の前面に配置される前板部40と、トイレ用キャビネット1の内部に配置される照明3と、前板部40に設けられ、照明3から照射される光を拡散する光拡散性及び部分的に光を透過する光透過性の少なくともいずれか一方を有する透光性部材と、を含んで構成した。トイレ用キャビネット1内に配置された照明3の光を、光拡散性の透光性部材5を通して前板部40から外側へ拡がるように通過させる。光がトイレ用キャビネット1の外側に広がり、光が外側で弱く柔らかくなるので、トイレ用キャビネット1の照明効果を高めることができる。透光性部材5を介することで、外側からトイレ用キャビネット1の内部が見えにくくなる。
【0034】
第1実施形態によれば、物品を収納する収納部2をさらに含んで構成した。前板部40を、収納部2の開口部2aを開閉する扉4を含んで構成し、透光性部材5を、扉4に配置させた。これにより、扉4の近傍に柔らかい光が拡散し、トイレ用キャビネット1の照明効果を高めることができる。
【0035】
第1実施形態によれば、透光性部材5を、扉4におけるトイレルーム100の側面壁102側に配置させた。これにより、扉4の側面壁102側に柔らかい光が拡散し、トイレ用キャビネット1の照明効果を高めることができる。
【0036】
第1実施形態によれば、透光性部材5を、側面壁102との距離を調整可能に扉4に固定した。これにより、トイレ用キャビネット1の施工現場によって、トイレルーム100の一対の側面壁102の間の距離が異なっても、施工現場に合わせて調整することができる。側面壁102と透光性部材5との隙間を均一にすることができる。トイレ用キャビネット1の寸法が正確になるため、外観の印象も向上する。
【0037】
第1実施形態によれば、透光性部材5を、扉4側から側面壁102側に向かって延びる本体部51と、本体部51の側面壁102側の端部に配置され、本体部51と側面壁102との間に延び、本体部51よりも剛性の低い軟質部52と、を含んで構成した。透光性部材5の側面壁102側に位置する軟質部52の剛性を本体部51よりも低くすることで、施工現場で側面壁102との距離に応じて切断する等の加工が可能になる。よって、施工性が向上する。
【0038】
第1実施形態によれば、本体部51を、扉4側よりも側面壁102側に向かうにしたがって厚さが薄くなる先細形状に形成した。透光性部材5が、本体部51と軟質部52とを有している。本体部51と軟質部52との接合部分で、透過する光の照度が落ちやすくなる。そこで、本体部51と軟質部52との接合部側、すなわち側面壁102側を先細にすることで、透光性部材5から透過される本体部51と軟質部52の光の透過率を近づけ、光の照度を一定に保ちやすくなる。透光性部材5を介して扉4の外に漏れ出る光の強さを均一にし、照明3の演出効果を高めることができる。
【0039】
第1実施形態によれば、扉4を開閉する開閉機構41をさらに含んで構成し、開閉機構41を、扉4と透光性部材5との間の境界よりも扉4側に配置させた。これにより、透光性部材5から漏れ出る光に、開閉機構41の陰影が映らないようにすることができる。
【0040】
第1実施形態によれば、透光性部材5を、光拡散性の部材で構成した。これにより、透光性部材5を通過する光が拡散して収納部2から外側へ柔らかく漏れ出る。よって、収納部2を照らす光によって、トイレ用キャビネット1の照明効果を高めることができる。
【0041】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
図6A~
図6Cは、透光性部材の形状が異なる第2~第4実施形態を示す。
図6Aに示すように、第2実施形態の透光性部材5Aは、本体部51Aの厚みが内側端部5a側から外側端部5b側まで一定である。軟質部52Aは、扉4に取り付けられた場合に、外側端部5bが、内側端部5a側の端部よりも奥、すなわち収納部2側に位置するように湾曲している。軟質部52Aを湾曲させることで、照明3から漏れ出る光を、より柔らかく拡散しやすくなる。
【0042】
図6Bに示すように、第3実施形態の透光性部材5Bは、本体部51B全体の厚みが内側端部5a側から外側端部5b側に向かうにしたがって先細形状になっている。軟質部52Bは、扉4に取り付けられた場合に、外側端部5bが、内側端部5a側の端部よりも収納部2側に位置するように湾曲している。本体部51Bと軟質部52Bとの間で、照度が落ちやすくなるので、本体部51Bを先細にすることによって照度を一定に保つと同時に、軟質部52Bで光を柔らかく拡散させやすくなる。
【0043】
図6Cに示すように、第4実施形態の透光性部材5Cは、本体部51B全体の厚みが内側端部5a側から外側端部5b側に向かうにしたがって先細形状になっている。軟質部52Cは、内側端部5aから外側端部5bに向かって略直線状に延びている。本体部51C及び軟質部52Cは、略直線状に延びている。透光性部材5Cでは、軟質部52Cが略直線状に延びているので、運搬時等の取り扱いが容易である。
【0044】
上記実施形態では、透光性部材5が前板部40の扉4に配置される例を説明した。しかし、トイレ用キャビネット1が扉4を有していなくてもよい。この場合、透光性部材5は、前板部40の前パネル6に配置されてもよい。
【0045】
透光性部材として、上記実施形態では、半透明の光拡散板を例に説明した。透光性部材は、光を拡散する光拡散性及び低い透過率で部分的に光を透過する光透過性の少なくともいずれか一方を有していればよい。透光性部材は、例えば、着色された光透過性の板や、光透過性の材質の板の表面に凹凸を形成して光拡散性にした物等であってもよい。材質は、樹脂に限定されない。例えば、すりガラス等であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 トイレ用キャビネット、 2 収納部、 2a 開口部、 3 照明、 4 扉、 5 透光性部材、 41 開閉機構、 51 本体部、 52 軟質部、 100 トイレルーム、 102 側面壁(壁面)