IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士紡ホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-終点検出用窓材の製造方法 図1
  • 特開-終点検出用窓材の製造方法 図2
  • 特開-終点検出用窓材の製造方法 図3
  • 特開-終点検出用窓材の製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050503
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】終点検出用窓材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230404BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20230404BHJP
   B24B 37/013 20120101ALI20230404BHJP
   C08G 18/48 20060101ALI20230404BHJP
   C08G 18/75 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H01L21/304 622S
B24B37/24 Z
B24B37/013
C08G18/48
C08G18/75
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160631
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005359
【氏名又は名称】富士紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】川村 佳秀
(72)【発明者】
【氏名】立野 哲平
(72)【発明者】
【氏名】糸山 光紀
(72)【発明者】
【氏名】関谷 仁志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼見沢 大和
【テーマコード(参考)】
3C158
4J034
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158CB03
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB15
3C158EB28
3C158ED00
4J034BA08
4J034CA03
4J034CA05
4J034CB04
4J034DA01
4J034DB04
4J034DG06
4J034HA01
4J034HA09
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034QB11
4J034QB15
4J034RA10
5F057AA19
5F057BA15
5F057CA12
5F057DA03
5F057EB03
5F057EB12
5F057GA12
5F057GB02
5F057GB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造作業面で簡易であり、物性が安定する終点検出窓を備えた研磨パッドの製造方法及び終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材を提供する。
【解決手段】終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓12用の透明な終点検出用窓材の製造方法であって、ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤の一部とを混合し、第1の反応混合物を調製する第1混合工程と、第1の反応混合物と硬化剤の残部とを混合し、第2の反応混合物を調製する第2混合工程と、第2の反応混合物を硬化して、終点検出用窓材を得る硬化工程と、を含む。硬化剤は、3以上の官能基を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材の製造方法であって、
ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤の一部とを混合し、第1の反応混合物を調製する第1混合工程と、
前記第1の反応混合物と前記硬化剤の残部とを混合し、第2の反応混合物を調製する第2混合工程と、
前記第2の反応混合物を硬化して、前記終点検出用窓材を得る硬化工程と、を含み、
前記硬化剤が3以上の官能基を有する、
終点検出用窓材の製造方法。
【請求項2】
前記第1混合工程における前記硬化剤の使用量aと、前記第2混合工程における前記硬化剤の使用量bとの合計を100質量%としたときに、
前記使用量aが、10~90質量%である、
請求項1記載の終点検出用窓材の製造方法。
【請求項3】
前記硬化剤が、分子量300未満の低分子量ポリオールを含む、
請求項1又は2に記載の終点検出用窓材の製造方法。
【請求項4】
前記ポリオールが、分子量300以上の高分子量ポリオールを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の終点検出用窓材の製造方法。
【請求項5】
前記ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の終点検出用窓材の製造方法。
【請求項6】
終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材であって、
前記終点検出用窓材の中心部及び両端部の20℃~80℃におけるD硬度(DW20~DW80)の標準偏差が1.5以下である、
終点検出用窓材。
【請求項7】
請求項6に記載の終点検出用窓材と、
該終点検出用窓材を備える研磨層と、を有する、
研磨パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程においては、絶縁膜成膜後の平坦化や金属配線の形成過程で化学機械研磨(CMP)が使用される。化学機械研磨に要求される重要な技術の一つとして、研磨プロセスが完了したかどうかを検出する研磨終点検出がある。例えば、目標とする研磨終点に対する過研磨や研磨不足は製品不良に直結する。そのため、化学機械研磨では、研磨終点検出により研磨量を厳しく管理する必要がある。
【0003】
化学機械研磨は複雑なプロセスであり、研磨装置の運転状態や消耗品(スラリー、研磨パッド、ドレッサー等)の品質や研磨過程における経時的な状態のばらつきの影響によって、研磨速度(研磨レート)が変化する。さらに、近年半導体製造工程で求められる残膜厚の精度、面内均一性はますます厳しくなっている。このような事情から、十分な精度の研磨終点検出はより困難となってきている。
【0004】
研磨終点検出の主な方法としては、光学式終点検出方式、トルク終点検出方式、渦電流終点検出方式などが知られている。光学式終点検出方式では、研磨パッド上に設けた透明な窓部材を通してウエハに光を照射し、反射光をモニタすることで終点検出を行う。
【0005】
透明な窓部材としては、例えばポリウレタンが用いられる。窓部材となるポリウレタンの製造方法としては、ワンショット法やプレポリマー法が知られている。
【0006】
ワンショット法は、全ての原料を同時に投入して反応させて窓部材を作製する方法をいう。プレポリマー法は、予めイソシアネートとポリマーポリオールを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを合成した後、そのプレポリマーに鎖延長剤(硬化剤)を添加し、鎖延長化を進める方法をいう。例えば、特許文献1には、ワンショット法やプレポリマー法により光透過領域となる透明部材を合成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-260156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1にも記載されるように、ワンショット法やプレポリマー法により合成した透明部材はバフィングなどにより表面を平滑にするなどしないと、膜厚評価性能に劣る。また、本発明者らが検討したところ、ワンショット法などでは、終点検出用窓材の物性にばらつきが生じやすいということが分かってきた。このようなばらつきが生じると、スライス時に終点検出用窓の表面形状が安定せず、研磨性能や終点検出に影響を及ぼすという可能性がある。また、プレポリマー法では、予めプレポリマーを作製してから鎖延長剤(硬化剤)を添加することになるため、ワンショット法に比べて、作業面で煩雑になるという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、均一な物性を有する終点検出用窓材をより簡便に得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤を多段階で反応させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材の製造方法であって、
ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤の一部とを混合し、第1の反応混合物を調製する第1混合工程と、
前記第1の反応混合物と前記硬化剤の残部とを混合し、第2の反応混合物を調製する第2混合工程と、
前記第2の反応混合物を硬化して、前記終点検出用窓材を得る硬化工程と、を含み、
前記硬化剤が3以上の官能基を有する、
終点検出用窓材の製造方法。
〔2〕
前記第1混合工程における前記硬化剤の使用量aと、前記第2混合工程における前記硬化剤の使用量bとの合計を100質量%としたときに、
前記使用量aが、10~90質量%である、
〔1〕記載の終点検出用窓材の製造方法。
〔3〕
前記硬化剤が、分子量300未満の低分子量ポリオールを含む、
〔1〕又は〔2〕に記載の終点検出用窓材の製造方法。
〔4〕
前記ポリオールが、分子量300以上の高分子量ポリオールを含む、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の終点検出用窓材の製造方法。
〔5〕
前記ポリイソシアネートが、脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを含む、
〔1〕~〔4〕いずれか一項に記載の終点検出用窓材の製造方法。
〔6〕
終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材であって、
前記終点検出用窓材の中心部及び両端部の20℃~80℃におけるD硬度(DW20~DW80)の標準偏差が1.5以下である、
終点検出用窓材。
〔7〕
〔6〕に記載の終点検出用窓材と、
該終点検出用窓材を備える研磨層と、を有する、
研磨パッド。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、均一な物性を有する終点検出用窓材をより簡便に得ることのできる製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の研磨パッドの概略斜視図である。
図2】本実施形態の研磨パッドの終点検出用窓部分の概略断面図である。
図3】CMPに搭載する膜厚制御システムを示す概略図である。
図4】各温度におけるD硬度のばらつきを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.終点検出用窓材の製造方法
本実施形態の終点検出用窓材の製造方法は、ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤の一部とを混合し、第1の反応混合物を調製する第1混合工程と、第1の反応混合物と硬化剤の残部とを混合し、第2の反応混合物を調製する第2混合工程と、第2の反応混合物を硬化して、終点検出用窓材を得る硬化工程と、を含み、硬化剤が3以上の官能基を有する。
【0015】
全ての原料を同時に投入して反応させるワンショット法では、反応性の高い成分から先に重合反応が進行するために、ミクロな視点で見たときに、架橋が密となった部分と、架橋が疎となった部分が生じやすく、得られる終点検出用窓材の物性にばらつきが生じ得る。このような物性のばらつきが生じると、スライス時に終点検出用窓の表面形状が安定し難かったり、また、研磨性能が不安定になったり、終点検出精度にばらつきが生じたりする可能性がある。
【0016】
また、プレポリマー法では、硬化剤とプレポリマーの間で反応が進行しているため、ワンショット法に比べて反応が制御しやすく、安定した物性の終点検出用窓材が得られるという利点があるものの、予めポリオールと過剰量のポリイソシアネートを反応させることによりプレポリマーを作製してから一度取り出して、プレポリマーを作製した容器とは別の容器でプレポリマーと鎖延長剤(硬化剤)と混合することとなるため、ワンショット法に比べて、作業面で煩雑になるという問題点がある。
【0017】
これに対して、本実施形態においては、第1混合工程において、ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤の一部とを混合することで、疑似プレポリマーを合成し、第2混合工程において、残りの硬化剤を添加し、疑似プレポリマーの鎖延長化を進行させる。これにより、第2混合工程における反応は硬化剤と疑似プレポリマーとなるため、プレポリマー法と同様に、終点検出用窓材の物性が安定しやすくなる。また、第1混合工程と第2混合工程とをワンバッチで実行することで、第1混合工程後に疑似プレポリマーを取り出すことなく、鎖延長剤(硬化剤)を添加するだけで第2混合工程の反応を進行させることができる。そのため、プレポリマー法における作業面の煩雑さを省くことができ、均一な物性を有する終点検出用窓材をより簡便に得ることが可能となる。
【0018】
以下、本実施形態の終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材の製造方法について詳説する。
【0019】
1.1.第1混合工程
第1混合工程は、ポリイソシアネートとポリオールと硬化剤の一部とを混合し、第1の反応混合物を調製する工程である。混合方法は従来公知の方法で混合するものであれば、特に限定されないが、自転公転式混合機を用いて混合することが好ましい。また、混合は減圧下及び/又は遠心力を印加した状態で行うことが好ましい。これにより、混合の際に生じた気泡が除かれやすくなり、得られる窓材に気泡が混入することが抑制できる。
【0020】
この第1混合工程により得られる第1の反応混合物(疑似プレポリマー)は、硬化剤の1以上の官能基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応した化合物、ポリオールの1以上の水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応した化合物、或いはこれら化合物が有するイソシアネート基にさらに硬化剤の官能基又はポリオールの水酸基が反応した化合物などを含みうる。
【0021】
このようにして得られる第1の反応混合物は硬化剤が不足した状態であるため、各化合物の末端はどちらかというとイソシアネート基を有するものとなり、これがプレポリマー法におけるプレポリマーに近いものとなる。より具体的に言えば、プレポリマー法では、ポリオールの水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応した化合物をプレポリマーとして生成させるのに対して、本実施形態の疑似プレポリマー法では、硬化剤の1以上の官能基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応した化合物、ポリオールの1以上の水酸基とポリイソシアネートのイソシアネート基とが反応した化合物、或いはこれら化合物が有するイソシアネート基にさらに硬化剤の官能基又はポリオールの水酸基が反応した化合物などが生じる。このような状態の化合物(群)を本実施形態では疑似プレポリマーと呼称する。
【0022】
第1混合工程における混合温度は、好ましくは40~80℃であり、より好ましくは40~70℃であり、さらに好ましくは40~60℃である。また、第1混合工程における混合時間は、好ましくは5~30分であり、より好ましくは7~25分であり、さらに好ましくは10~20分である。上記のような条件で混合を行うことにより、各成分の反応率を制御することができ、得られる終点検出用窓材の物性がより均一になる傾向にある。
【0023】
1.1.1.ポリイソシアネート
ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、及び芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。このなかでも、脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを含むことが好ましく、脂環族ポリイソシアネートを含むことがより好ましい。これにより、動的粘弾性特性、D硬度を上記範囲内に調整しやすいほか、透明性がより向上する傾向にある。
【0024】
脂環族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0025】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、テトラメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0026】
芳香族ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)が挙げられる。
【0027】
ポリイソシアネートが有するイソシアネートの数は、好ましくは2~4であり、より好ましくは2~3であり、さらに好ましくは2である。
【0028】
1.1.2.ポリオール
ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、分子量300未満の低分子量ジオールと、分子量300以上の高分子量ポリオールが挙げられる。ポリオールは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。このなかでも、高分子量ポリオールを含むことが好ましい。それにより、得られる終点検出用窓材の物性がより均一になる傾向にある。
【0029】
低分子量ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサングリコール、2,5-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0030】
また、高分子量ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、及び、ビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。このなかでも、ポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。それにより、得られる終点検出用窓材の物性がより均一になる傾向にある。また、高分子量ポリオールは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
ポリオールが有する水酸基の数は、好ましくは2~4であり、より好ましくは2~3であり、さらに好ましくは2である。
【0032】
以下のように、ポリイソシアネートのイソシアネート基量とポリオールの水酸基量とを定義した時、使用するポリオールの水酸基量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基量に対して、好ましくは0.20~0.50であり、より好ましくは0.25~0.40であり、さらに好ましくは0.30~0.35である。
【0033】
ポリイソシアネートのイソシアネート基量=ポリイソシアネート1分子当たりのイソシアネート基数×ポリイソシアネートの質量部/ポリイソシアネートの分子量・・・(1)
ポリオールの水酸基量=ポリオール1分子当たりの水酸基数×ポリオールの質量部/ポリオールの分子量・・・(2)
【0034】
1.1.3.硬化剤
硬化剤は、1分子中に3以上の官能基を有する。官能基としては、特に限定されないが、例えば、水酸基、1級アミノ基などが挙げられる。なお、「硬化剤が3以上の官能基を有する」とは、水酸基と1級アミノ基等の合計が3つ以上であってもよい。硬化剤は、ポリイソシアネートと反応することにより、架橋点を構成する。
【0035】
そのような硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、3以上の官能基を有するポリアミンやポリオールが挙げられる。硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0036】
ポリアミンとしては、3以上のアミノ基を有する物質であれば、特に限定されないが、例えば、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物等が挙げられる。
【0037】
水酸基を3以上有するポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、低分子量ポリオールが好ましく、グリセリンがより好ましい。そのような低分子量ポリオールとしては、特に限定されないが例えば、グリセリンの他、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、イソシアヌル酸、エリスリトール等が挙げられる。この様な硬化剤を用いることにより、第1の反応混合物の凝集を制御することができ、製造作業面で簡易な製造方法を用いつつ、終点検出用窓材の物性を安定させることができる。
【0038】
第1混合工程においては、第1混合工程及び第2混合工程で用いる硬化剤の全使用量のうち一部を用いる。第1混合工程における硬化剤の使用量としては、好ましくは第1混合工程における硬化剤の使用量aと、第2混合工程における硬化剤の使用量bとの合計を100質量%としたときに、使用量aは、10~90質量%であり、より好ましくは20~80質量%であり、さらに好ましくは30~70質量%であり、よりさらに好ましくは40~60質量%である。使用量aが上記範囲内にあることにより、得られる終点検出用窓材の物性がより均一になる傾向にある。
【0039】
硬化剤が有する官能基の数は、好ましくは3~5であり、より好ましくは3~4であり、さらに好ましくは3である。
硬化剤の分子量は、好ましくは500未満であり、より好ましくは、300であり、さらに好ましくは100未満である。
【0040】
以下のように、ポリイソシアネートのイソシアネート基量と硬化剤の官能基量とを定義した時、第1混合工程において使用する硬化剤の官能基量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基量に対して、好ましくは0.20~0.50であり、より好ましくは0.25~0.40であり、さらに好ましくは0.30~0.35である。
【0041】
ポリイソシアネートのイソシアネート基量=ポリイソシアネート1分子当たりのイソシアネート基数×ポリイソシアネートの質量部/ポリイソシアネートの分子量・・・(1)
硬化剤の官能基量=硬化剤1分子当たりの官能基数×硬化剤の質量部/硬化剤の分子量・・・(3)
【0042】
また、上記のようにポリイソシアネートのイソシアネート基量と硬化剤の官能基量とを定義した時、第1混合工程及び第2混合工程において使用する硬化剤の官能基量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基量に対して、好ましくは0.40~1.0であり、より好ましくは0.50~0.80であり、さらに好ましくは0.60~0.70である。
【0043】
1.2.第2混合工程
第2混合工程は、第1の反応混合物と硬化剤の残部とを混合し、第2の反応混合物を調製する工程である。混合方法は従来公知の方法で混合するものであれば、特に限定されないが、自転公転式混合機を用いて混合することが好ましい。また、混合は減圧下及び/又は遠心力を印加した状態で行うことが好ましい。これにより、混合の際に生じた気泡が除かれやすくなり、得られる窓材に気泡が混入することが抑制できる。
【0044】
この第2混合工程により、第1混合工程にて生成した疑似プレポリマーの有するイソシアネート基と、新たに添加された残りの硬化剤の有する官能基との反応が進行する。これによって、ワンショット法と比較して反応が制御された形で重合反応を進行することができ、物性がより均一なポリウレタンを生成させることができる。なお、この反応の際には、疑似プレポリマーの有する水酸基などの官能基と、疑似プレポリマーの有するイソシアネート基との反応が進行してもよい。
【0045】
第2混合工程における混合温度は、好ましくは40~80℃であり、より好ましくは40~70℃であり、さらに好ましくは40~60℃である。また、第2混合工程における混合時間は、好ましくは10秒~5分であり、より好ましくは30秒~4分であり、さらに好ましくは60秒~3分である。上記のような条件で混合を行うことにより、各成分の反応率を制御することができ、得られる終点検出用窓材の物性がより均一になる傾向にある。
【0046】
1.2.1.硬化剤
硬化剤は、第1混合工程で用いた硬化剤と同種のものを用いてもよく、異なるものを用いてもよいが、同種のものを用いることが好ましい。これにより、製造作業面で簡易な製造方法を用いつつ、得られる終点検出用窓材の物性をより均一にすることができる。
【0047】
上記のように、ポリイソシアネートのイソシアネート基量と硬化剤の官能基量とを定義した時、第2混合工程において使用する硬化剤の官能基量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基量に対して、好ましくは0.20~0.50であり、より好ましくは0.25~0.40であり、さらに好ましくは0.30~0.35である。
【0048】
1.3.硬化工程
硬化工程は、第2の反応混合物の攪拌後の原料を硬化させて終点検出用窓材を得る工程である。この硬化工程には、特に限定されないが、例えば、研磨層のくりぬいた部分に回転運動後の原料を流しいれそのくりぬいた部分の中で、硬化反応を進行させて終点検出用窓材を備える研磨層を得る態様;金型内で原料を硬化させて終点検出用窓材を得る態様が挙げられる。
【0049】
硬化工程は、プレキュアとポストキュアの多段階で行ってもよい。
【0050】
プレキュアにおける硬化温度は、好ましくは70~170℃であり、より好ましくは90~150℃であり、さらに好ましくは110~130℃である。また、プレキュアにおける硬化時間は、好ましくは5~180分であり、より好ましくは10~120分であり、さらに好ましくは15~60分である。
【0051】
ポストキュアにおける硬化温度は、好ましくは70~170℃であり、より好ましくは90~150℃であり、さらに好ましくは110~130℃である。また、ポストキュアにおける硬化時間は、好ましくは1~18時間であり、より好ましくは2~12時間であり、さらに好ましくは4~8時間である。
【0052】
2.研磨パッド
本実施形態の研磨パッドは、研磨層、及び該研磨層の開口に設けられた終点検出用窓材と、を有する。図1に、本実施形態の研磨パッドの概略斜視図を示す。図1に示すように、本実施形態の研磨パッド10は、ポリウレタンシートである研磨層11と、終点検出用窓12と、を有し、必要に応じて、研磨面11aとは反対側に、クッション層13を有していてもよい。
【0053】
図2に、図1における終点検出用窓12の周辺の断面図を示す。図2に示すように、研磨層11とクッション層13の間には、接着層14が設けられていてもよく、また、クッション層13の表面には、研磨装置のテーブルと貼り合わせるための接着層15が設けられていてもよい。本実施形態の研磨パッドの研磨面11aは、平坦の場合の他、図2に示すように、溝16が形成された凹凸状であってもよい。溝16は複数の同心円状、格子状、放射状等の様々な形状の溝を単独又は併用して形成してもよい。
【0054】
2.1.終点検出用窓
終点検出用窓としては、上記製造方法により作製したものを用いることができる。終点検出用窓材は、研磨層の開口に設けられた透明な部材であり、光学式の終点検出において、膜厚検出センサからの光の透過路となるものである。終点検出用窓は円形、正方形、長方形、多角形、楕円形等のいずれの形状としてもよい。
【0055】
なお、本実施形態の終点検出用窓材は、ポリイソシアネートと、高分子量ポリオールと、3以上の水酸基を有する低分子量ポリオールを構成単位に有し、終点検出用窓材の中心部及び両端部(上端部及び下端部)の20℃~80℃におけるD硬度(DW20~DW80)の標準偏差が1.5以下である。
【0056】
標準偏差は、好ましくは0.2~1.4であり、より好ましくは0.3~1.2であり、さらに好ましくは0.4~1.0である。これにより、製造作業面で簡易な製造方法を用いつつ、得られる終点検出用窓材の物性をより均一にすることができる。
【0057】
2.2.研磨層
本実施形態の研磨層としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタンシートを用いることができる。このポリウレタンシートは終点検出用窓が埋設される開口を有する。開口の位置は特に制限されないが、研磨装置のテーブルに設置された膜厚検出センサに対応する半径方向の位置に設けることが好ましい。また、開口の数は特に制限されないが、テーブルに貼られた研磨パッド10が一回転する際に、窓が膜厚検出センサ上を複数回通過するように、同様の半径方向の位置に複数個有することが好ましい。
【0058】
ポリウレタンシートの態様としては、特に制限されないが、例えば、発泡ポリウレタンシート、樹脂の無発泡ポリウレタンシート、繊維基材にポリウレタンを含浸したシートなどが挙げられる。
【0059】
ここで、樹脂の発泡成形体とは、繊維基材を有さず、所定の樹脂から構成される発泡体をいう。発泡形状は、特に制限されないが、例えば、球状気泡、略球状気泡、涙型気泡、あるいは、各気泡が部分的に連結した連続気泡などが挙げられる。
【0060】
また、樹脂の無発泡成形体とは、繊維基材を有さず、所定の樹脂から構成される無発泡体をいう。無発泡体とは、上記のような気泡を有しないものをいう。第1実施形態においては、フィルムなどの基材の上に、硬化性組成物を付着させて硬化させたようなものも樹脂の無発泡成形体に含まれる。より具体的には、ラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法等により形成された樹脂硬化物も樹脂の無発泡成形体に含まれる。
【0061】
さらに、樹脂含侵基材とは、繊維基材に樹脂を含浸させて得られるものをいう。ここで、繊維基材としては、特に制限されないが、例えば、織布、不織布、編地などが挙げられる。
【0062】
3.研磨パッドの製造方法
本実施形態の研磨パッドの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、終点検出用窓となる窓用部材を固定した金型に、研磨層を構成する樹脂組成物を充填し硬化させることで、窓用部材が埋没した樹脂ブロックを得る工程と、得られた樹脂ブロックをスライスすることで、開口に終点検出用窓を有するポリウレタンシートを得る工程と、を有し、必要に応じて、得られたポリウレタンシートの研磨面をドレス処理してもよい。
【0063】
なお、スライスする際の温度は、好ましくは80℃~100℃である。また、ドレス処理における温度は、好ましくは85℃~95℃である。これにより、平坦性がより向上する傾向にある。
【0064】
4.研磨加工物の製造方法
本実施形態の研磨加工物の製造方法は、研磨スラリーの存在下、上記研磨パッドを用いて、被研磨物を研磨し研磨加工物を得る研磨工程と、該研磨中に光学式終点検出方式で終点検出を行う終点検出工程と、を有する。
【0065】
4.1.研磨工程
研磨工程は、一次ラッピング研磨(粗ラッピング)であってもよく、二次ラッピング(仕上げラッピング)であってもよく、一次ポリッシング(粗ポリッシング)であってもよく、二次ポリッシング(仕上げポリッシング)であってもよく、これら研磨を兼ねるものであってもよい。なお、ここで、「ラッピング」とは粗砥粒を用いて比較的に高いレートで研磨することを言い、「ポリッシング」とは微細砥粒を用いて比較的に低いレートで表面品位を高くするために研磨することを言う。
【0066】
このなかでも、本実施形態の研磨パッドは化学機械研磨(CMP)に用いられることが好ましい。以下、化学機械研磨を例に本実施形態の研磨物の製造方法を説明するが、本実施形態の研磨物の製造方法は以下に限定されない。
【0067】
被研磨物としては、特に限定されないが、例えば、半導体デバイス、電子部品等の材料、特に、Si基板(シリコンウエハ)、SiC(炭化珪素)基板、GaAs(ガリウム砒素)基板、ガラス、ハードディスクやLCD(液晶ディスプレイ)用基板等の薄型基板(被研磨物)が挙げられる。特に、W(タングステン)やCu(銅)などの金属配線を有する半導体デバイスが挙げられる。
【0068】
研磨方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、まず、研磨パッドと対向するように配置された保持定盤に保持させた被研磨物を研磨面側へ押し付けると共に、外部からスラリーを供給しながら、研磨パッド及び/又は保持定盤を回転させる。研磨パッドと保持定盤は、互いに異なる回転速度で同方向に回転しても、異方向に回転してもよい。また、被研磨物は、研磨加工中に、枠部の内側で移動(自転)しながら研磨加工されてもよい。
【0069】
スラリーは、被研磨物や研磨条件等に応じて、水、過酸化水素に代表される酸化剤などの化学成分、添加剤、砥粒(研磨粒子;例えば、SiC、SiO、Al、CeO)等を含んでいてもよい。
【0070】
4.2.終点検出工程
本実施形態の研磨加工物の製造方法は、上記研磨工程において、光学式終点検出方式で終点検出を行う終点検出工程を有する。光学式終点検出方式による終点検出方法としては、具体的には従来公知の方法を用いることができる。
【0071】
図3に、光学式終点検出方式の終点検出方法の模式図を示す。この模式図は、トップリング21で保持したウエハWをテーブル22上に貼られた研磨パッド10上にスラリー24を流しながら押し付けてウエハW表面の凹凸膜を削り平坦化する化学機械研磨プロセスを示す。研磨装置20は平坦化と同時に所定の膜厚を終点検出して精度良くプロセスを終了させるため、膜厚をモニタする膜厚検出センサ23をテーブル22に搭載している。膜厚検出センサ23は、例えば、ウエハWの研磨面に光を照射し、その反射光の分光強度特性を測定・解析することにより、研磨終点を検出することができる。
【0072】
より具体的には、膜厚検出センサ23は終点検出用窓12を介して、ウエハW表面に光を入射し、ウエハW上の膜(ウェハ表面)で反射した光と、ウエハW上の膜とウエハの基板との界面において反射した光との位相差により生じる、反射強度の強弱を検出することで、膜厚変化を検出することができる。
【実施例0073】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0074】
〔実施例1〕
(終点検出用窓材の作製)
数平均分子量1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)、グリセリン、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)の各原料を80℃で予め保温し、数平均分子量1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)120.9質量部と、グリセリン7.4質量部と、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)100質量部と、を室温条件下、15分間真空攪拌脱泡を行うことにより混合することで第1の反応混合物を得た。
【0075】
その後、第1の反応混合物に対して、グリセリン7.4質量部を添加した後、室温条件下、1~2分間真空攪拌脱泡を行うことにより第2の反応混合物を得た。
【0076】
得られた第2の反応混合物を、得られた混合液を型枠に注型し、120℃で30分間加熱(プレキュア)した後、硬化した反応混合物を型から取りだし、120℃で6時間ポストキュアして、透明な終点検出用窓材を作製した。
【0077】
〔比較例1〕
第2混合工程を有さず、第1混合工程において硬化剤であるグリセリンを全量混合(ワンショット法)すること以外は、実施例1と同様にして、終点検出用窓材を調製した。
【0078】
それぞれ別個に調製した窓用部材をスライスしてポリウレタンシートを用意し、それぞれ実施例1及び比較例1として以下の試験に用いた。
【0079】
〔物性ばらつきの評価〕
温度上昇に伴う硬度変化のばらつきを確認するため各温度におけるD硬度測定を行った。
D硬度の測定はJIS K6253に準じて行った。測定に際しては、終点検出用窓材の下に金属板を敷いて、実際の研磨工程と同様の条件(研磨パッドを研磨装置の金属定盤に貼付した状態)でテクロック社製D硬度計を用いて測定した。なお、試料は、比較例及び実施例に記載のポリウレタンシート(厚さ約0.125cm(1.25mm))を4枚重ねとし、少なくとも総厚さ0.45cm(4.5mm)以上になるように設定した。
【0080】
実施例1及び比較例1に対して、各温度におけるD硬度測定を行うことにより、物性ばらつきを評価した。各温度においてD硬度のばらつきが生じる場合は、スライス時に終点検出用窓材の表面形状が安定せず、それにより、終点検出用窓の表面形状が凹状になれば、スラリーや研磨屑がたまってしまい研磨終点を正確に検出できない。また、窓の表面形状が凸状になれば、被研磨物にあたり、スクラッチ等が発生する可能性がある。以上を踏まえ、本実施例においては、実施例1のサンプル(1)~(2)間、及び比較例1のサンプル(1)~(2)間における耐熱性の標準偏差を物性のばらつきとして評価し、その結果を表1及び図4に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
表1より、実施例1のサンプル(1)~(2)間のD硬度の標準偏差は20℃~80℃においていずれも1.0以下であるのに対し、比較例1のサンプル(1)~(2)間におけるD硬度の標準偏差は、特に20℃、40℃、80℃においてそれぞれ3.0、4.0及び2.0であることから、実施例の製造方法を用いることにより、製造作業面で簡易な製造方法を用いつつ、耐熱性のばらつきを制御することができることがわかった。
【0083】
また、実施例1及び比較例1において、円柱状の窓用部材(長さ60mm)における上端部、中心部及び下端部の各温度におけるD硬度測定を行うことにより、各温度におけるD硬度のばらつきを評価した。その結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
表2より、実施例1におけるD硬度の標準偏差は20℃~80℃においていずれも1.5以下であるのに対し、比較例1におけるD硬度の標準偏差は、特に20℃~80℃においてそれぞれ1.7、1.9、1.7及び1.9であることから、実施例の製造方法を用いることにより、製造作業面で簡易な製造方法を用いつつ、耐熱性のばらつきを制御することができることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の終点検出用窓付き研磨パッドにおける終点検出用窓材の製造方法は、半導体ウエハなどを研磨するのに好適に用いられる光学式の終点検出法に適した研磨パッド用の終点検出用窓材の製造方法として、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0087】
10…研磨パッド、11…研磨層、11a…研磨面、12…終点検出用窓、13…クッション層、14,15…接着層、16…溝、20…研磨装置、21…トップリング、22…テーブル、23…膜厚検出センサ、24…スラリー、W…ウエハ
図1
図2
図3
図4