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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050523
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】間仕切り
(51)【国際特許分類】
   A47G 5/00 20060101AFI20230404BHJP
   E04B 2/82 20060101ALI20230404BHJP
   A61G 10/00 20060101ALI20230404BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20230404BHJP
   F24F 7/013 20060101ALI20230404BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230404BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A47G5/00 D
E04B2/82 501K
A61G10/00 Z
F24F13/08 B
F24F7/013 101F
F24F7/007 101
F24F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160667
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【弁理士】
【氏名又は名称】蓑和田 登
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
【テーマコード(参考)】
3L056
3L080
3L081
4C341
【Fターム(参考)】
3L056BG01
3L080AC05
3L081AB06
3L081BA06
4C341KK10
4C341KL07
(57)【要約】
【課題】感染防止対策としてシート状の間仕切りを天面方向から吊り下げて使用した場合
であっても、室内の空気をより効率的に換気して室内感染のリスクを抑止できる間仕切り
を提供する。
【解決手段】間仕切り1は、室内空間を複数のエリアに仕切るものであり、天面方向より
吊り下げられた遮蔽スクリーン2と、遮蔽スクリーン2の天面側に配置された少なくとも
1以上の換気用ファン3と、を備える。この構成により、感染防止対策としてシート状の
間仕切り1を天面方向から吊り下げて使用した場合であっても、間仕切り1で区切られた
室内の各エリアの空気をより効率的に換気して室内感染のリスクを抑止できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間を仕切る間仕切りであって、
天面方向より吊り下げられた遮蔽スクリーンと、
前記遮蔽スクリーンの天面側に配置された少なくとも1以上の換気用ファンと、を備え
ることを特徴とする間仕切り。
【請求項2】
前記遮蔽スクリーンには、その天面側に少なくとも1以上の貫通孔が形成され、
前記換気用ファンは、前記貫通孔に着脱可能に取付けられる、ことを特徴とする請求項
1記載の間仕切り。
【請求項3】
前記換気用ファンは吸気用ファン及び排気用ファンを有する、ことを特徴とする請求項
1又は2記載の間仕切り。
【請求項4】
前記遮蔽スクリーンはシート形状を有し、その上縁は天面と接触又は近接する、ことを
特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の間仕切り。
【請求項5】
さらに、前記遮蔽スクリーンの上縁に一体連結され、天面方向に沿って支持されるウエ
イトバーを備え、
前記ウエイトバーには前記換気用ファンとしての換気用サーキュレータが内蔵され、且
つ前記換気用サーキュレータ用の送風孔が形成される、ことを特徴とする請求項1記載の
間仕切り。
【請求項6】
前記ウエイトバーは中空構造を有し、当該中空構造において前記換気用サーキュレータ
の配線、又はバッテリーの少なくとも一方が内蔵される、ことを特徴とする請求項5記載
の間仕切り。
【請求項7】
さらに、前記遮蔽スクリーンの上縁に一体連結され、天面方向に沿って支持されるウエ
イトバーと、
前記ウエイトバーに係止可能な係止部を有し、且つ前記換気用ファンを固定する固定具
と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の間仕切り。
【請求項8】
前記ウエイトバーは中空構造を有し、当該中空構造において前記換気用ファンの配線、
又はバッテリーの少なくとも一方が内蔵される、ことを特徴とする請求項7記載の間仕切
り。
【請求項9】
さらに、前記換気用ファンの動作の制御する制御センサを備える、ことを特徴とする請
求項1乃至8の何れか一項に記載の間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間を複数のエリアに仕切る間仕切りに関し、特に、ウイルスの感染予
防対策として天面から吊り下げて使用されるシート状の間仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックが発生し、衛生的な理由により
マスクなどの感染防止対策が図られている。この感染防止対策の一つとして、飲食店やオ
フィスなどの多くの室内空間において、立設型のアクリル板製間仕切りや、天面から吊り
下げられた透明シート状の間仕切りが使用されている。この種の間仕切りは、会話、咳や
くしゃみなどにより発生する飛沫やウイルスの拡散を防止する効果が有り、国が示す感染
防止対策でもこの種の間仕切りを設けることが推奨されている。
【0003】
ところで、間仕切りとしては、区画が確実にされて着脱が容易で、且つ見栄えの良い仮
説間仕切りシートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この仮説間仕切りシー
トでは、上辺と左右の側面に面ファスナーなどを設けて開閉可能とすることで、区画内へ
の出入りをスムーズにすることを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3135737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような天面から吊下げられるシート状の間仕切りを使用した場合
、その設置の仕方によっては、却って室内の換気の状況を悪化させて、ウイルスを含んだ
飛沫が室内に滞留し、感染拡大の要因となるという問題が生じている。例えば、図8に示
すように、室内において天面から直接、透明シート10を吊り下げた場合、室内の空気は
透明シート10で区画された各々のエリア11,12のみに滞留して、却って換気が防が
れる。この結果、空気中を漂うウイルスを含んだ飛沫(マイクロ飛沫)が長期間に亘って
漂い続け、近年では実際にクラスターが発生した事例も知られている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、感染防止対策としてシート状の間仕
切りを天面方向から吊り下げて使用した場合であっても、室内の空気をより効率的に換気
して、室内感染のリスクを抑止できる間仕切りを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、室内空間を仕切る間仕切りであって、天面方向よ
り吊り下げられた遮蔽スクリーンと、前記遮蔽スクリーンの天面側に配置された少なくと
も1以上の換気用ファンと、を備えることを特徴とする。
【0008】
この間仕切りにおいて、前記遮蔽スクリーンには、その天面側に少なくとも1以上の貫
通孔が形成され、前記換気用ファンは、前記貫通孔に着脱可能に取付けられることが好ま
しい。
【0009】
この間仕切りにおいて、前記換気用ファンは吸気用ファン及び排気用ファンを有するこ
とが好ましい。
【0010】
この間仕切りにおいて、前記遮蔽スクリーンはシート形状を有し、その上縁は天面と接
触又は近接することが好ましい。
【0011】
この間仕切りにおいて、さらに、さらに、前記遮蔽スクリーンの上縁に一体連結され、
天面方向に沿って支持されるウエイトバーを備え、前記ウエイトバーには前記換気用ファ
ンとしての換気用サーキュレータが内蔵され、且つ前記換気用サーキュレータ用の送風孔
が形成されることが好ましい。
【0012】
この間仕切りにおいて、前記ウエイトバーは中空構造を有し、当該中空構造において前
記換気用サーキュレータの配線、又はバッテリーの少なくとも一方が内蔵されることが好
ましい。
【0013】
この間仕切りにおいて、さらに、前記遮蔽スクリーンの上縁に一体連結され、天面方向
に沿って支持されるウエイトバーと、前記ウエイトバーに係止可能な係止部を有し、且つ
前記換気用ファンを固定する固定具と、を備えることが好ましい。
【0014】
この間仕切りにおいて、前記ウエイトバーは中空構造を有し、当該中空構造において前
記換気用ファンの配線、又はバッテリーの少なくとも一方が内蔵されることが好ましい。
【0015】
この間仕切りにおいて、さらに、前記換気用ファンの動作の制御する制御センサを備え
ることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る間仕切りは、室内空間を複数のエリアに仕切るものであり、天面方向より
吊り下げられた遮蔽スクリーンと、遮蔽スクリーンの天面側に配置された少なくとも1以
上の換気用ファンと、を備える。この構成により、本発明では、感染防止対策としてシー
ト状の間仕切りを天面方向から吊り下げて使用した場合であっても、室内の空気をより効
率的に換気でき、室内感染のリスクを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1に係る間仕切りを用いた室内空間における空気の流れの説明図である。
図2】(a)同上間仕切りの正面図、(b)同上間仕切りの側面図である。
図3】(a)乃至(c)同上間仕切りが備える換気用ファンの配置例を示す図である。
図4】(a)同上換気用ファンを取り外した状態の正面図、(b)同上換気用ファンを取り外した状態の側面図である。
図5】本発明の実施の形態1の変形例に係る間仕切りを用いた室内空間の説明図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る間仕切りの正面図である。
図7】(a)本発明の実施の形態3に係る間仕切りの正面図、(b)同上間仕切りの側面図である。
図8】従来の間仕切りを用いた室内空間における空気の流れの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る間仕切りについて図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る間仕切り1の構成を示す。この間仕切り1は、飛沫拡散
防止などのウイルス感染防止対策のために室内空間のエリアを仕切るものであって、遮蔽
スクリーン2と、換気用ファン3とを備える。この遮蔽スクリーン2には換気用ファン3
が取り付けられる貫通孔4が天面側に形成されている。
【0020】
遮蔽スクリーン2は、図2に示すように、透明なシート形状(本実施の形態1では縦長
の長方形状)を有し、天面方向より吊り下げて使用される。この遮蔽スクリーン2は、室
内空間を区切るのに充分な大きさ(例えば幅1200mm×高さ1600mm)を有し、ポリ塩化
ビニルなどの可撓性を有した樹脂や薄板状のアクリル樹脂などで構成され、視野を確保す
るために透過性を有している。
【0021】
遮蔽スクリーン2の上縁は、天面と接触又は近接するように天面側に固定されている。
天面への固定方法は、画鋲、接着剤、磁石、面ファスナーや吊り具などあらゆる方法が含
まれる。このような天面からの隙間がほとんど無い遮蔽スクリーン2を用いる場合、特に
室内の空気の流れが遮断されるためにウイルス感染防止対策としての換気手段がより重要
となる。
【0022】
換気用ファン3は、貫通孔4に着脱可能に取り付けられる。図1において換気用ファン
3は1つであるが、図3に示すように換気用ファン3の配置や数は様々であり、天面側に
おいて少なくとも1以上あればよい。図3(a),(b)は換気用ファン3を一列で、図
3(c)は換気用ファン3を二列で配置している。換気用ファン3は、定期的に回転方向
を逆転させることで空気の流れを変化させるようにしても良い。また、換気用ファン3の
一方を吸気用ファン、他方を排気用ファンとして効率的に室内空気の循環・換気を行って
も良い。
【0023】
貫通孔4は、図4に示すように、遮蔽スクリーン2の天面側に少なくとも1以上、すな
わち換気用ファン3の配置・数に合わせて形成される。貫通孔4の配置や数は遮蔽スクリ
ーン2の大きさに応じて様々であり、好ましくは換気用ファン3からの排気が人に直接当
たらない位置に配置されることが好ましい。換気用ファン3を貫通孔4に取り付ける方法
は様々あり、粘着テープ、接着剤や専用の連結具を用いて固定しても良い。なお、本実施
の形態1の間仕切り1にはカールを防止するための棒状錘5が遮蔽スクリーン2の下縁に
一体連結されている。
【0024】
以上のように、本実施の形態1に係る間仕切り1は、天面方向より吊り下げられた遮蔽
スクリーン2と、遮蔽スクリーン2の天面側に配置された少なくとも1以上の換気用ファ
ン3と、を備える。遮蔽スクリーン2には、その天面側に少なくとも1以上の貫通孔4が
形成され、換気用ファン3は貫通孔4に着脱可能に取付けられる。この構成により、感染
防止対策としてシート状の間仕切り1を天面から吊り下げて使用したとしても、換気用フ
ァン3が作動しているために室内の空気が間仕切り1で区切られた各エリア内に滞留する
ことが無く、室内の空気をより効果的に換気できる。すなわち、間仕切り1を用いること
で、室内空間の空気は滞留せずに循環されるため、室内感染のリスクを効果的に抑止でき
る。
【0025】
(変形例)
次に、本実施の形態1の変形例に係る間仕切り1に関して図5を参照して説明する。換
気用ファン3は通常、天面側に配置されているために操作が困難な場合がある。そこで、
本変形例では、換気用ファン3の動作の制御する制御センサ6が室内空間(又は遮蔽スク
リーン2と一体)に配置されている。なお、制御センサ6は、リモコンスイッチ、人感セ
ンサ、カメラや照度センサなどであり、換気用ファン3の動作の制御、好ましくは遠隔か
ら有線又は無線で自動制御を行うものである。
【0026】
制御センサ6がリモコンスイッチの場合、間仕切り1を利用するユーザによってプッシ
ュ操作が可能な端末であり、操作スイッチの何れかが操作されるのに応じて、その操作ス
イッチに関連付けられている制御指令信号が換気用ファン3に送信される。
【0027】
制御センサ6が人感センサ(熱線センサ)などの場合には、例えば壁面側に埋め込まれ
、人体から放射される熱線を検知すると制御信号を発生して、この制御信号に応じて電波
到達エリア内の複数の換気用ファン3を回転/停止させる。このように、本変形例2では
、上記実施の形態1と同様の作用効果を奏すると共に、制御センサ6を用いて、より快適
に換気用ファン3の動作を自動制御できる。なお、換気用ファン3にタイマを内蔵するこ
とで換気用ファン3の回転/停止を制御しても良い。
【0028】
(実施の形態2)
以下、本発明に係る間仕切りの実施の形態2に関して図6を参照して説明する。なお、
上記実施の形態1の間仕切り1と同様の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省
略する。
【0029】
本実施の形態2に係る間仕切り1は、シート状の遮蔽スクリーン2の上縁に一体連結さ
れて天面方向に沿って支持されるウエイトバー7と、ウエイトバー7に内蔵された換気用
サーキュレータ(換気用ファンに相当)8と、を備える。そして、ウエイトバー7には、
正面及び背面の両側に換気用サーキュレータ8用の送風孔Sが形成される。
【0030】
具体的には、ウエイトバー7は、図6に示すように、ヒートン金具などの吊り具7aを
用いて天面方向に沿って吊下げられる。また、ウエイトバー7は長手方向に沿って中空構
造を有しており、この中空構造内に換気用サーキュレータ8及び換気用サーキュレータ8
用の配線やバッテリーが内蔵される。この構成においても、上記実施の形態1と同様に、
室内の空気をより効果的に換気して室内感染のリスクを抑止することができる。なお、上
記変形例のように、換気用サーキュレータ8の動作を制御センサ6で制御しても良い。
【0031】
(実施の形態3)
以下、本発明に係る間仕切りの実施の形態3に関して図7を参照して説明する。なお、
上記実施の形態の間仕切り1と同様の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略
する。
【0032】
本実施の形態3に係る間仕切り1は、シート状の遮蔽スクリーン2の上縁に一体連結さ
れて天面方向に沿って支持されるウエイトバー7と、ウエイトバー7に係止可能な係止部
9aを有して且つ換気用ファン3を固定する固定具9と、を備える。
【0033】
具体的には、ウエイトバー7は、図7(a)に示すように、ヒートン金具などの吊り具
7aを用いて天面方向に沿って吊下げられる。また、ウエイトバー7は長手方向に沿って
中空構造7bを有しており、この中空構造7b内に換気用ファン3の配線7cやバッテリ
ー7dが内蔵又は配置される。なお、配線7cは、図7(b)に示すように、ウエイトバ
ー7の両端側に開口から延出可能である。固定具9は、その上端側にウエイトバー7に係
止される係止部9a、その下端側で換気用ファン3を固定するための構造を有する。
【0034】
このように、本実施の形態2に係る間仕切り1は、換気用ファン3の配線7cやバッテ
リー7dを内蔵するウエイトバー7及び換気用ファン3を固定するための固定具9を備え
る。この構成により、上記実施の形態1と同様に、室内の空気をより効果的に換気して室
内感染のリスクを抑止すると共に、換気用ファン3へ安定的に電力を供給できる。また、
固定具9を用いることで換気用ファン3の間仕切り1への取り付けを容易化できる。なお
、本発明は、上記各実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の
変形が可能である。例えば、職場のような場所で間仕切り1を使用する場合には静音化対
策を施した換気用ファン3を用いても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 間仕切り
2 遮蔽スクリーン
3 換気用ファン
4 貫通孔
5 棒状錘
6 制御センサ
7 ウエイトバー
7a 吊り具
7b 中空構造
7c 配線
7d バッテリー
8 換気用サーキュレータ
9 固定具
9a 係止部
S 送風孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8