(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050562
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/00 20220101AFI20230404BHJP
B60R 1/04 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
B60R1/00 A
B60R1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160727
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】永冨 謙司
(72)【発明者】
【氏名】今村 典広
(72)【発明者】
【氏名】星田 裕文
(57)【要約】
【課題】電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることを抑制できる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置10は、表示部20を第1位置および第2位置に導くためのガイド機構50を備え、第1位置は、回動中心Oを通りかつ上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも後方側において前後方向に対して運転席3側に第1角度θだけ傾斜した第1面P1における、上下方向と直交する面に対して下方側に第2角度αだけ傾いた方向に、出射部27から画像光が出射される位置であり、第2位置は、回動中心Oを通りかつ上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも後方側において前後方向に対して運転席3側に第1角度θの半分の角度θ/2だけ傾斜した第2面P2における、上下方向と直交する面に対して下方側に第2角度αの半分の角度α/2だけ傾いた方向を、反射面28が向く位置である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後方を撮像する撮像部によって撮像された画像を形成する画像光を出射するための出射部、および前記出射部に設けられかつ前記画像光を透過させる透過状態と光を反射させる反射状態とに切り替えられることが可能な光学部材を有する表示部と、
前記車両に固定され、前記表示部を回動可能に支持する回動部と、
前記表示部を第1位置および第2位置に導くためのガイド機構とを備え、
前記光学部材は、前記反射状態のときに前記表示部の外部からの光を反射させる反射面を有し、
前記第1位置は、前記回動部に対する前記表示部の回動中心を通りかつ前記車両の上下方向と平行でありかつ前記回動中心よりも前記車両の後方側において前記車両の前後方向に対して前記車両の運転席側に第1角度だけ傾斜した第1面における、前記上下方向と直交する面に対して前記車両の下方側に第2角度だけ傾いた方向に、前記出射部から前記画像光が出射される位置であり、
前記第2位置は、前記回動中心を通りかつ前記上下方向と平行でありかつ前記回動中心よりも前記車両の後方側において前記前後方向に対して前記運転席側に前記第1角度の半分の角度だけ傾斜した第2面における、前記上下方向と直交する前記面に対して前記車両の下方側に前記第2角度の半分の角度だけ傾いた方向を、前記反射面が向く位置である、
表示装置。
【請求項2】
前記第1位置は、前記運転席に座っている運転者が前記出射部から出射された前記画像光を視認できる位置であり、
前記第2位置は、前記運転席に座っている運転者が前記反射面によって前記車両の後方を視認できる位置である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記回動部は、ボール部と、前記ボール部が嵌め込まれかつ前記ボール部に対して回動可能でありかつ前記表示部に接続されるホルダ部とを有し、
前記ガイド機構は、前記ボール部の表面に沿って配置される、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ガイド機構は、前記ボール部の前記表面から突出する第1軸部と、一端部に前記第1軸部が挿通されて前記第1軸部に回動可能に支持される第1可動板と、一端部に前記第1軸部が挿通されて前記第1軸部に回動可能に支持される第2可動板と、前記第1可動板の他端部に挿通されて前記第1可動板を回動可能に支持する第2軸部と、前記第2可動板の他端部に挿通されて前記第2可動板を回動可能に支持する第3軸部と、一端部に前記第2軸部が挿通されて前記第2軸部に回動可能に支持される第3可動板と、一端部に前記第3軸部が挿通されて前記第3軸部に回動可能に支持される第4可動板と、前記第3可動板の他端部および前記第4可動板の他端部に挿通されて前記第3可動板および前記第4可動板を回動可能に支持しかつ前記ボール部の前記表面に移動可能に設けられる第4軸部と、前記第1軸部と前記第4軸部との間に設けられる第5軸部と、前記表示部とともに前記回動部に対して回動しかつ前記第4軸部および前記第5軸部のそれぞれと嵌まり合うことが可能な嵌合部とを備え、
前記表示部は、前記嵌合部が前記第4軸部と嵌まり合っているときに前記第1位置に位置し、前記嵌合部が前記第5軸部と嵌まり合っているときに前記第2位置に位置する、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ガイド機構は、前記第2軸部および前記第3軸部が挿通されかつ前記第2軸部と前記第3軸部とが並ぶ方向における前記第2軸部および前記第3軸部のそれぞれの移動を所定範囲において規制する規制部を有し、
前記第5軸部は、前記規制部に設けられる、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第4軸部は、前記嵌合部が前記第4軸部と嵌まり合っているときに前記表示部が前記回動部に対して回動されることによって、前記第1軸部と前記第4軸部とが並ぶ方向に移動可能であり、
前記第2軸部および前記第3軸部は、前記第4軸部が前記第1軸部に近づく方向に移動した場合に相互に離れる方向に移動し、前記第4軸部が前記第1軸部から離れる方向に移動した場合に相互に近づく方向に移動する、
請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1可動板、前記第2可動板、前記第3可動板、および前記第4可動板のそれぞれは、前記ボール部の前記表面に沿って湾曲している、
請求項4から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記ガイド機構は、前記第4軸部に固定されかつ前記嵌合部が前記第4軸部と前記第5軸部との間を移動するための通路を形成する通路形成部を有する、
請求項4から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1可動板、前記第2可動板、前記第3可動板、および前記第4可動板で構成される四角形は、菱形、もしくは平行四辺形である、
請求項4から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ガイド機構は、前記嵌合部と前記第1軸部とに接続されかつ前記嵌合部と前記第1軸部とを相互に近づく方向に付勢する付勢部材を有する、
請求項4から9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ガイド機構は、前記嵌合部を前記第4軸部および前記第5軸部のそれぞれに対して嵌脱させるための操作を受け付ける操作部と、前記操作部における前記運転席に座っている運転者と対向する面に設けられかつ前記光学部材が前記透過状態および前記反射状態のいずれであるかを表示する表示部材とを有する、
請求項4から10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示部材は、鏡、発光素子、およびレンチキュラーレンズのいずれかを有する、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示部は、前記反射面が露出した状態で前記光学部材を支持する筐体を有し、
前記操作部は、前記運転席に座っている運転者から見たときに前記回動中心よりも左側または右側において前記筐体に設けられる押しボタン部を有する、
請求項11または12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記ガイド機構は、前記嵌合部が前記第4軸部と嵌まり合っているときに前記操作部が押された場合に前記操作部が沿って移動して前記嵌合部を前記第5軸部に導く第1ガイド部材と、前記嵌合部が前記第5軸部と嵌まり合っているときに前記操作部が押された場合に前記操作部が沿って移動して前記嵌合部を前記第4軸部に導く第2ガイド部材とを有する、
請求項11から13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記反射面は、前記表示部が前記第1位置に位置している状態において、前記画像光が出射される方向に対して傾いている、
請求項1から14のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示する表示装置が知られている。たとえば、表示装置の一例として、特許文献1には、車両の周囲領域を撮像した画像を表示する表示部と、表示部に表示された画像領域の一部または全部を映すミラー部とを備える車両用表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、表示部の画像をミラー部で反射させて視認する電子ミラーモードに対し、画像ではなく、ミラー部で直接、車両の周囲領域を視認する光学ミラーモードに切り替える構成とする場合、ミラー部を大きく動かす必要があることから、電子ミラーモードと光学ミラーモードとを切り替える場合に表示装置の位置を変更する必要がある。したがって、従来の表示装置では、電子ミラーモードで使用する場合における表示装置の位置および光学ミラーモードで使用する場合における表示装置の位置に表示装置を位置させる際に手間がかかる。
【0005】
そこで、本開示は、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることを抑制できる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、車両の後方を撮像する撮像部によって撮像された画像を形成する画像光を出射するための出射部、および前記出射部に設けられかつ前記画像光を透過させる透過状態と光を反射させる反射状態とに切り替えられることが可能な光学部材を有する表示部と、前記車両に固定され、前記表示部を回動可能に支持する回動部と、前記表示部を第1位置および第2位置に導くためのガイド機構とを備え、前記光学部材は、前記反射状態のときに前記表示部の外部からの光を反射させる反射面を有し、前記第1位置は、前記回動部に対する前記表示部の回動中心を通りかつ前記車両の上下方向と平行でありかつ前記回動中心よりも前記車両の後方側において前記車両の前後方向に対して前記車両の運転席側に第1角度だけ傾斜した第1面における、前記上下方向と直交する面に対して前記車両の下方側に第2角度だけ傾いた方向に、前記出射部から前記画像光が出射される位置であり、前記第2位置は、前記回動中心を通りかつ前記上下方向と平行でありかつ前記回動中心よりも前記車両の後方側において前記前後方向に対して前記運転席側に前記第1角度の半分の角度だけ傾斜した第2面における、前記上下方向と直交する前記面に対して前記車両の下方側に前記第2角度の半分の角度だけ傾いた方向を、前記反射面が向く位置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置によれば、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置が設置された車両を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1の表示装置の表示部の内部構造を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1の表示装置のガイド機構等を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図1の表示装置のガイド機構のパンタグラフ機構を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5のパンタグラフ機構の動きを示す図である。
【
図7】
図7は、
図1の表示装置の表示部の回動の動きを示す図である。
【
図8】
図8は、第1位置および第2位置について説明するための図である。
【
図9】
図9は、第2の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【
図11】
図11は、第3の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【
図13】
図13は、第4の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【
図14】
図14は、第5の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【
図15】
図15は、第6の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【
図16】
図16は、第7の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【
図17】
図17は、第8の実施の形態に係る表示装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る表示装置は、車両の後方を撮像する撮像部によって撮像された画像を形成する画像光を出射するための出射部、および前記出射部に設けられかつ前記画像光を透過させる透過状態と光を反射させる反射状態とに切り替えられることが可能な光学部材を有する表示部と、前記車両に固定され、前記表示部を回動可能に支持する回動部と、前記表示部を第1位置および第2位置に導くためのガイド機構とを備え、前記光学部材は、前記反射状態のときに前記表示部の外部からの光を反射させる反射面を有し、前記第1位置は、前記回動部に対する前記表示部の回動中心を通りかつ前記車両の上下方向と平行でありかつ前記回動中心よりも前記車両の後方側において前記車両の前後方向に対して前記車両の運転席側に第1角度だけ傾斜した第1面における、前記上下方向と直交する面に対して前記車両の下方側に第2角度だけ傾いた方向に、前記出射部から前記画像光が出射される位置であり、前記第2位置は、前記回動中心を通りかつ前記上下方向と平行でありかつ前記回動中心よりも前記車両の後方側において前記前後方向に対して前記運転席側に前記第1角度の半分の角度だけ傾斜した第2面における、前記上下方向と直交する前記面に対して前記車両の下方側に前記第2角度の半分の角度だけ傾いた方向を、前記反射面が向く位置である。
【0010】
これによれば、ガイド機構を設けたことにより、回動部に対する表示部の回動中心を通りかつ車両の上下方向と平行でありかつ回動中心よりも車両の後方側において車両の前後方向に対して車両の運転席側に第1角度だけ傾斜した第1面における、上下方向と直交する面に対して車両の下方側に第2角度だけ傾いた方向に、出射部から画像光が出射される位置である第1位置に、表示部を導くことができるので、電子ミラーとして使用する場合の位置に表示装置を位置させる際の手間がかかることを抑制できる。また、ガイド機構を設けたことにより、回動中心を通りかつ上下方向と平行でありかつ回動中心よりも車両の後方側において前後方向に対して運転席側に第1角度の半分の角度だけ傾斜した第2面における、上下方向と直交する面に対して車両の下方側に第2角度の半分の角度だけ傾いた方向を、反射面が向く位置である第2位置に、表示部を導くことができるので、光学ミラーとして使用する場合の位置に表示装置を位置させる際の手間がかかることを抑制できる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1位置は、前記運転席に座っている運転者が前記出射部から出射された前記画像光を視認できる位置であり、前記第2位置は、前記運転席に座っている運転者が前記反射面によって前記車両の後方を視認できる位置であってもよい。
【0012】
これによれば、運転者は、車両の後方の様子を容易に認識できる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記回動部は、ボール部と、前記ボール部が嵌め込まれかつ前記ボール部に対して回動可能でありかつ前記表示部に接続されるホルダ部とを有し、前記ガイド機構は、前記ボール部の表面に沿って配置されてもよい。
【0014】
これによれば、表示装置が大きくなることを抑制しつつ、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることを抑制できる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記ガイド機構は、前記ボール部の前記表面から突出する第1軸部と、一端部に前記第1軸部が挿通されて前記第1軸部に回動可能に支持される第1可動板と、一端部に前記第1軸部が挿通されて前記第1軸部に回動可能に支持される第2可動板と、前記第1可動板の他端部に挿通されて前記第1可動板を回動可能に支持する第2軸部と、前記第2可動板の他端部に挿通されて前記第2可動板を回動可能に支持する第3軸部と、一端部に前記第2軸部が挿通されて前記第2軸部に回動可能に支持される第3可動板と、一端部に前記第3軸部が挿通されて前記第3軸部に回動可能に支持される第4可動板と、前記第3可動板の他端部および前記第4可動板の他端部に挿通されて前記第3可動板および前記第4可動板を回動可能に支持しかつ前記ボール部の前記表面に移動可能に設けられる第4軸部と、前記第1軸部と前記第4軸部との間に設けられる第5軸部と、前記表示部とともに前記回動部に対して回動しかつ前記第4軸部および前記第5軸部のそれぞれと嵌まり合うことが可能な嵌合部とを備え、前記表示部は、前記嵌合部が前記第4軸部と嵌まり合っているときに前記第1位置に位置し、前記嵌合部が前記第5軸部と嵌まり合っているときに前記第2位置に位置してもよい。
【0016】
これによれば、嵌合部と第4軸部とを嵌まり合わせることによって、表示部をより確実に第1位置に位置させることができ、電子ミラーとして使用する場合の位置に表示装置を位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。また、嵌合部と第5軸部とを嵌まり合わせることによって、表示部をより確実に第2位置に位置させることができ、光学ミラーとして使用する場合の位置に表示装置を位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記ガイド機構は、前記第2軸部および前記第3軸部が挿通されかつ前記第2軸部と前記第3軸部とが並ぶ方向における前記第2軸部および前記第3軸部のそれぞれの移動を所定範囲において規制する規制部を有し、前記第5軸部は、前記規制部に設けられてもよい。
【0018】
これによれば、第5軸部が位置ずれすることなく容易に設けられるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0019】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第4軸部は、前記嵌合部が前記第4軸部と嵌まり合っているときに前記表示部が前記回動部に対して回動されることによって、前記第1軸部と前記第4軸部とが並ぶ方向に移動可能であり、前記第2軸部および前記第3軸部は、前記第4軸部が前記第1軸部に近づく方向に移動した場合に相互に離れる方向に移動し、前記第4軸部が前記第1軸部から離れる方向に移動した場合に相互に近づく方向に移動してもよい。
【0020】
これによれば、運転者に応じて第1位置の位置および第2位置の位置を容易に変更できるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0021】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1可動板、前記第2可動板、前記第3可動板、および前記第4可動板のそれぞれは、前記ボール部の前記表面に沿って湾曲していてもよい。
【0022】
これによれば、第1可動板、第2可動板、第3可動板、および第4可動板のそれぞれが表示部の回動の妨げになることを抑制でき、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。さらに、第1可動板、第2可動板、第3可動板、および第4可動板のそれぞれがボール部の表面に沿って湾曲しているので、ガイド機構を小型化することができる。
【0023】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記ガイド機構は、前記第4軸部に固定されかつ前記嵌合部が前記第4軸部と前記第5軸部との間を移動するための通路を形成する通路形成部を有してもよい。
【0024】
これによれば、嵌合部を第4軸部から第5軸部に位置ずれすることなく容易に移動させることができるとともに第5軸部から第4軸部に容易に移動させることができるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0025】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記第1可動板、前記第2可動板、前記第3可動板、および前記第4可動板で構成される四角形は、菱形、もしくは平行四辺形であってもよい。
【0026】
これによれば、第5軸部が第1軸部と第4軸部との中点となり、より正確に第1位置と第2位置との角度関係を維持できる。
【0027】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記ガイド機構は、前記嵌合部と前記第1軸部とに接続されかつ前記嵌合部と前記第1軸部とを相互に近づく方向に付勢する付勢部材を有してもよい。
【0028】
これによれば、嵌合部と第1軸部とを相互に近づく方向に付勢することによって、表示部を嵌合部とともに第1位置から第2位置に容易に移動させることができるので、光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。さらに、嵌合部が第1位置と第2位置の間にある時に切り替え操作が中断されたとしても、付勢部材により、嵌合部は第2位置に移動するので、表示部が第1位置でも第2位置でもない中途半端な方向に向いてしまう可能性を低減できる。
【0029】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記ガイド機構は、前記嵌合部を前記第4軸部および前記第5軸部のそれぞれに対して嵌脱させるための操作を受け付ける操作部と、前記操作部における前記運転席に座っている運転者と対向する面に設けられかつ前記光学部材が前記透過状態および前記反射状態のいずれであるかを表示する表示部材とを有してもよい。
【0030】
これによれば、運転者は光学部材の状態を容易に認識できるので、光学部材の状態を切り替える際に表示部をどの方向に回動させればよいかを容易に認識でき、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0031】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記表示部材は、鏡、発光素子、およびレンチキュラーレンズのいずれかを有してもよい。
【0032】
これによれば、運転者は光学部材の状態をさらに容易に認識できるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0033】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記表示部は、前記反射面が露出した状態で前記光学部材を支持する筐体を有し、前記操作部は、前記運転席に座っている運転者から見たときに前記回動中心よりも左側または右側において前記筐体に設けられる押しボタン部を有してもよい。
【0034】
これによれば、押しボタン部を押すことによって表示部を容易に回動させることができるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0035】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記ガイド機構は、前記嵌合部が前記第4軸部と嵌まり合っているときに前記操作部が押された場合に前記操作部が沿って移動して前記嵌合部を前記第5軸部に導く第1ガイド部材と、前記嵌合部が前記第5軸部と嵌まり合っているときに前記操作部が押された場合に前記操作部が沿って移動して前記嵌合部を前記第4軸部に導く第2ガイド部材とを有してもよい。
【0036】
これによれば、操作部を押すことによって、嵌合部が第4軸部または第5軸部の方向に誘導されるので、表示部を第1位置および第2位置に容易に位置させることができ、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0037】
また、本開示の一態様に係る表示装置において、前記反射面は、前記表示部が前記第1位置に位置している状態において、前記画像光が出射される方向に対して傾いていてもよい。
【0038】
これによれば、表示装置が第1位置に位置している状態において、表示部の外部からの光が光学部材で反射して運転者に視認されることを抑制できる。
【0039】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0040】
また、以下の実施の形態において、平行および直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。たとえば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、たとえば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0041】
また、以下の実施の形態における各図で例示する光路は、原理的な考え方を示すものであるため、必ずしも実際の光路を反映しているものではない。
【0042】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置10が設置された車両1を示す平面図である。車両1の前後方向は、
図1等におけるX軸で示す方向であり、X軸プラス側が車両1の前方であり、X軸マイナス側が車両1の後方である。また、車両1の左右方向は、
図1等におけるY軸で示す方向であり、Y軸プラス側が車両1の左方であり、Y軸マイナス側が車両1の右方である。また、車両1の上下方向は、
図1等におけるZ軸で示す方向であり、Z軸プラス側が車両1の上方であり、Z軸マイナス側が車両1の下方である。
【0043】
図1に示すように、表示装置10は、車両1に設置されている。本実施の形態では、表示装置10は、車両1の車室内に設置されている。本実施の形態では、表示装置10は、車両1の運転席3および助手席4よりも前方に設置されている。また、本実施の形態では、表示装置10は、車両1の左右方向において、運転席3と助手席4との間に設置されている。つまり、表示装置10は、運転席3よりも助手席4側に設置され、助手席4よりも運転席5側に設置されている。また、本実施の形態では、表示装置10は、車両1の天井に吊り下げられている。なお、たとえば、表示装置10は、車両1のフロントガラスに設置されていてもよい。
【0044】
表示装置10は、画像を表示する電子ミラーモードと表示装置10の外部からの光を反射させる光学ミラーモードとの切り替えが可能である。また、詳細は後述するが、表示装置10は、回動することによって第1位置と第2位置とに移動可能である(
図1の破線両側矢印を参照)。
【0045】
たとえば、表示装置10は、電子ミラーモードのときには、第1位置に位置し、車両1の後方を撮像する撮像部(図示せず)によって撮像された画像を表示する。これによって、車両1の運転者2は、表示装置10を見ることによって(
図1の破線片側矢印を参照)、車両1の後方の様子を視認できる。なお、たとえば、表示装置10は、車両1の車速、車両1に近接する物体の検知結果、または車両1の現在地から目的地までのナビゲーション情報等を示す画像を表示してもよい。
【0046】
また、たとえば、表示装置10は、光学ミラーモードのときには、第2位置に位置し、車両1の後方からの光を運転者2に向かって反射させる。これによって、車両1の運転者2は、表示装置10を見ることによって(
図1の破線片側矢印を参照)、車両1の後方の様子を視認できる。
【0047】
以下、表示装置10について詳細に説明する。
【0048】
図2は、
図1の表示装置10を示す3面図である。
図2の(a)は、表示装置10を示す正面図であり、
図2の(b)は、表示装置10を示す側面図であり、
図2の(c)は、表示装置10を示す平面図である。
図3は、
図1の表示装置10の表示部20の内部構造を示す図である。なお、
図2において、第2部材31については、輪郭のみを二点鎖線で示している。
【0049】
図2および
図3に示すように、表示装置10は、表示部20と、回動部40とを備えている。
【0050】
表示部20は、筐体21と、発光部22と、第1反射部23と、第2反射部24と、光学部材25と、取付部26とを備えている。
【0051】
筐体21は、発光部22、第1反射部23、および第2反射部24等を収容している。筐体21は、反射面28が露出した状態で光学部材25を支持している。本実施の形態では、筐体21は、車両1の天井から吊り下げられている。筐体21は、車両1の後方を撮像する撮像部によって撮像された画像を形成する画像光を出射するための出射部27を有している。具体的には、出射部27は、発光部22によって発せられた画像光を出射させる(
図3の太線矢印を参照)。出射部27は、筐体21の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。たとえば、撮像部は、カメラである。
【0052】
発光部22は、画像を形成する画像光を発する。たとえば、発光部22は、車両1の後方を撮像する撮像部によって撮像された画像を形成する画像光を発する。たとえば、発光部は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。
【0053】
第1反射部23は、発光部22から発せられた画像光を第2反射部24に向けて反射させる。たとえば、第1反射部23は、平面ミラーである。
【0054】
第2反射部24は、第1反射部23によって反射した光を光学部材25に向けて反射させる。たとえば、第2反射部24は、凹面ミラーである。
【0055】
光学部材25は、出射部27に設けられかつ画像光を透過させる透過状態と光を反射させる反射状態とに切り替えられることが可能である。光学部材25は、反射面28を有している。反射面28は、光学部材25が反射状態のときに表示部20の外部からの光を反射させる。たとえば、光学部材25に電流が供給されている場合、光学部材25は、透過モードになり、反射面28は、画像光を透過させる。また、たとえば、光学部材25に電流が供給されていない場合、光学部材25は、反射モードになり、反射面28は、外部からの光を反射させる。
【0056】
取付部26は、回動部40に回動可能に取り付けられている。取付部26は、第1部材29と、金具30と、第2部材31とを有している。
【0057】
第1部材29は、筐体21に固定されている。金具30は、第1部材29とともにホルダ部43を挟むことによって、ホルダ部43に取り付けられる。第2部材31は、金具30を覆うようにして、第1部材29に取り付けられる。第1部材29と金具30とでホルダ部43を挟むことによって、取付部26は、ホルダ部43に取り付けられ、ホルダ部43とともにボール部42に対して回動する。
【0058】
回動部40は、車両1に固定され、表示部20を回動可能に支持している。回動部40は、支柱部41と、ボール部42と、ホルダ部43とを有している。支柱部41は、車両1に固定されている。ボール部42は、支柱部41の下端部に設けられ、支柱部41と一体的に形成されている。ホルダ部43は、ボール部42が嵌め込まれかつボール部42に対して回動可能でありかつ表示部20に接続されている。
【0059】
図4は、
図1の表示装置10のガイド機構50等を示す平面図である。
図5は、
図1の表示装置10のガイド機構50のパンタグラフ機構51を示す図である。
図5の(b)は、
図5の(a)に示すパンタグラフ機構51に規制部53が取り付けられた状態を示し、
図5の(c)は、
図5の(b)に示すパンタグラフ機構51に通路形成部54が取り付けられた状態を示す。
図6は、
図5のパンタグラフ機構51の動きを示す図である。
図6の(a)、(c)、および(e)は、通路形成部54がない状態を示し、
図6の(b)、(d)、および(f)は、通路形成部54がある状態を示す。なお、
図4では、取付部26を断面で示し、筐体21等の図示を省略している。また、
図5および
図6では、パンタグラフ機構51等を平面的に図示している。
【0060】
図4および
図5に示すように、表示装置10は、ガイド機構50をさらに備えている。ガイド機構50は、表示部20を第1位置および第2位置に導くためのガイド機構である。第1位置および第2位置の詳細については後述する。ガイド機構50は、パンタグラフ機構51と、第5軸部52と、規制部53と、通路形成部54と、嵌合部55と、操作部56と、付勢部材57とを有している。
【0061】
パンタグラフ機構51は、第1軸部58と、第1可動板59と、第2可動板60と、第2軸部61と、第3軸部62と、第3可動板63と、第4可動板64と、第4軸部65とを有している。
【0062】
第1軸部58は、ボール部42の表面から突出している。第1可動板59は、第1可動板59の一端部に第1軸部58が挿通されて第1軸部58に回動可能に支持されている。第2可動板60は、第2可動板60の一端部に第1軸部58が挿通されて第1軸部58に回動可能に支持されている。第2軸部61は、第1可動板59の他端部に挿通されて第1可動板59を回動可能に支持している。第3軸部62は、第2可動板60の他端部に挿通されて第2可動板60を回動可能に支持している。第3可動板63は、第3可動板63の一端部に第2軸部61が挿通されて第2軸部61に回動可能に支持されている。第4可動板64は、第4可動板64の一端部に第3軸部62が挿通されて第3軸部62に回動可能に支持されている。第4軸部65は、第3可動板63の他端部および第4可動板64の他端部に挿通されて第3可動板63および第4可動板64を回動可能に支持しかつボール部42の表面に移動可能に設けられている。たとえば、第4軸部65のボール部42側の端部には、ボール部42と引き合う磁石が取り付けられ、第4軸部65は、当該磁石によってボール部42の表面に吸着され、ボール部42の表面上を移動可能である。
【0063】
パンタグラフ機構51を構成する第1可動板59、第2可動板60、第3可動板63、および、第4可動板64で構成される四角形は、菱形である。なお、この四角形は、菱形に限定されるものではなく、平行四辺形であってもよい。
【0064】
パンタグラフ機構51は、ボール部42の表面に沿って配置されている。第1可動板59、第2可動板60、第3可動板63、および第4可動板64のそれぞれは、ボール部42の表面に沿って湾曲している。
【0065】
第5軸部52は、第1軸部58と第4軸部65との間に設けられている。第5軸部52は、規制部53に設けられている。
【0066】
規制部53は、パンタグラフ機構51の動きを所定範囲において規制する。具体的には、規制部53は、第2軸部61および第3軸部62が挿通されかつ第2軸部61と第3軸部62とが並ぶ方向における第2軸部61および第3軸部62のそれぞれの移動を所定範囲において規制する。
【0067】
通路形成部54は、第4軸部65に固定されかつ嵌合部55が第4軸部65と第5軸部52との間を移動するための通路を形成している。
【0068】
嵌合部55は、表示部20とともに回動部40に対して回動しかつ第4軸部65および第5軸部52のそれぞれと嵌まり合うことが可能である。
【0069】
操作部56は、嵌合部55を第4軸部65および第5軸部52のそれぞれに対して嵌脱させるための操作を受け付ける。本実施の形態では、操作部56を押し引きすることによって、嵌合部55を第4軸部65および第5軸部52に対して移動させることができる。
【0070】
付勢部材57は、嵌合部55と第1軸部58とに接続されかつ嵌合部55と第1軸部58とを相互に近づく方向に付勢する。
【0071】
図6に示すように、パンタグラフ機構51は、伸縮可能である。具体的には、第4軸部65は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに表示部20が回動部40に対して回動されることによって、第1軸部58と第4軸部65とが並ぶ方向に移動可能である。第2軸部61および第3軸部62は、第4軸部65が第1軸部58に近づく方向に移動した場合に相互に離れる方向に移動し、第4軸部65が第1軸部58から離れる方向に移動した場合に相互に近づく方向に移動する。このようにして、パンタグラフ機構51は、伸縮可能する。
【0072】
図7は、
図1の表示装置10の表示部20の回動の動きを示す図である。なお、
図7では、通路形成部54等の図示を省略している。
【0073】
図7の(a)に示すように、嵌合部55が第4軸部65と嵌合している状態が第1位置であり、嵌合部55が第4軸部65と嵌合している状態で操作部56を押すと、
図7の(b)に示すように、嵌合部55が第4軸部65から外れる。
【0074】
嵌合部55が第4軸部65から外れた状態で上方から見たときに時計回りの方向に表示部20を回動させると、
図7の(c)に示すように、嵌合部55が第5軸部52に当たって表示部20の回動が止まる。
【0075】
嵌合部55が第5軸部52に当たって表示部20の回動が止まった状態で操作部56を引くと、
図7の(d)に示すように、嵌合部55が第5軸部52と嵌合する。嵌合部55が第5軸部52と嵌合している状態が第2位置である。
【0076】
このように、表示部20は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに第1位置に位置し、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに第2位置に位置する。ガイド機構50によって、表示部20を第1位置および第2位置に容易に位置させることができる。
【0077】
なお、操作部56には、押された際に、押圧方向と反対の方向へ反力を印加する弾性体(バネ)を備えていてもよい。この場合、嵌合部55が第4軸部65または第5軸部52と嵌まり合ったときに、操作部56を手放すと、弾性体により操作部56が元の位置に戻ることができる。
【0078】
図8は、第1位置および第2位置について説明するための図である。
【0079】
図8の(a)に示すように、第1位置は、回動部40に対する表示部20の回動中心Oを通りかつ車両1の上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも車両1の後方側において車両1の前後方向に対して運転席側に第1角度θだけ傾斜した第1面P1における、上下方向と直交する面に対して下方側に第2角度αだけ傾いた方向に、出射部27から画像光が出射される位置である。第1位置は、運転席3に座っている運転者2が出射部27から出射された画像光を視認できる位置である。
【0080】
図8の(b)に示すように、第2位置は、回動中心Oを通りかつ上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも車両1の後方側において前後方向に対して運転席側に第1角度θの半分の角度θ/2だけ傾斜した第2面P2における、上下方向と直交する上記面に対して下方側に第2角度αの半分の角度α/2だけ傾いた方向を、反射面28が向く位置である。たとえば、反射面28が当該方向を向くとは、当該方向と反射面28に直交する方向とが一致するように反射面28が位置していることである。第2位置は、運転者2が反射面28によって車両1の後方を視認できる位置である。
【0081】
本実施の形態では、表示部20が第1位置に位置している状態において出射部27から画像光が出射される方向に平行でありかつ反射面28の中心を通る直線と、表示部20が第2位置に位置している状態において反射面28に直交しかつ反射面28の中心を通る直線とは、車両1の上下方向に平行でありかつ回動中心Oを通る直線上において相互に交わる。
【0082】
以上、第1の実施の形態に係る表示装置10について説明した。
【0083】
第1の実施の形態に係る表示装置10は、車両1の後方を撮像する撮像部によって撮像された画像を形成する画像光を出射するための出射部27、および出射部27に設けられかつ画像光を透過させる透過状態と光を反射させる反射状態とに切り替えられることが可能な光学部材25を有する表示部20と、車両1に固定され、表示部20を回動可能に支持する回動部40と、表示部20を第1位置および第2位置に導くためのガイド機構50とを備え、光学部材25は、反射状態のときに表示部20の外部からの光を反射させる反射面28を有し、第1位置は、回動部40に対する表示部20の回動中心Oを通りかつ車両1の上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも車両1の後方側において車両1の前後方向に対して車両1の運転席3側に第1角度θだけ傾斜した第1面P1における、上下方向と直交する面に対して車両1の下方側に第2角度αだけ傾いた方向に、出射部27から画像光が出射される位置であり、第2位置は、回動中心Oを通りかつ上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも車両1の後方側において前後方向に対して運転席3側に第1角度θの半分の角度θ/2だけ傾斜した第2面P2における、上下方向と直交する面に対して車両1の下方側に第2角度αの半分の角度α/2だけ傾いた方向を、反射面28が向く位置である。
【0084】
これによれば、ガイド機構50を設けたことにより、回動部40に対する表示部20の回動中心Oを通りかつ車両1の上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも車両1の後方側において車両1の前後方向に対して車両1の運転席3側に第1角度θだけ傾斜した第1面P1における、上下方向と直交する面に対して車両1の下方側に第2角度αだけ傾いた方向に、出射部27から画像光が出射される位置である第1位置に、表示部20を導くことができるので、電子ミラーとして使用する場合の位置に表示装置10を位置させる際の手間がかかることを抑制できる。また、ガイド機構50を設けたことにより、回動中心Oを通りかつ上下方向と平行でありかつ回動中心Oよりも車両1の後方側において前後方向に対して運転席3側に第1角度θの半分の角度下/2だけ傾斜した第2面P2における、上下方向と直交する面に対して車両1の下方側に第2角度αの半分の角度α/2だけ傾いた方向を、反射面28が向く位置である第2位置に、表示部20を導くことができるので、光学ミラーとして使用する場合の位置に表示装置10を位置させる際の手間がかかることを抑制できる。
【0085】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、第1位置は、運転席3に座っている運転者2が出射部27から出射された画像光を視認できる位置であり、第2位置は、運転者2が反射面28によって車両1の後方を視認できる位置である。
【0086】
これによれば、運転者2は、車両1の後方の様子を容易に認識できる。
【0087】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、回動部40は、ボール部42と、ボール部42が嵌め込まれかつボール部42に対して回動可能でありかつ表示部20に接続されるホルダ部43とを有し、ガイド機構50は、ボール部42の表面に沿って配置される。
【0088】
これによれば、表示装置10が大きくなることを抑制しつつ、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることを抑制できる。
【0089】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、ガイド機構50は、ボール部42の表面から突出する第1軸部58と、一端部に第1軸部58が挿通されて第1軸部58に回動可能に支持される第1可動板59と、一端部に第1軸部58が挿通されて第1軸部58に回動可能に支持される第2可動板60と、第1可動板59の他端部に挿通されて第1可動板59を回動可能に支持する第2軸部61と、第2可動板60の他端部に挿通されて第2可動板60を回動可能に支持する第3軸部62と、一端部に第2軸部61が挿通されて第2軸部61に回動可能に支持される第3可動板63と、一端部に第3軸部62が挿通されて第3軸部62に回動可能に支持される第4可動板64と、第3可動板63の他端部および第4可動板64の他端部に挿通されて第3可動板63および第4可動板64を回動可能に支持しかつボール部42の表面に移動可能に設けられる第4軸部65と、第1軸部58と第4軸部65との間に設けられる第5軸部52と、表示部20とともに回動部40に対して回動しかつ第4軸部65および第5軸部52のそれぞれと嵌まり合うことが可能な嵌合部55とを備え、表示部20は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに第1位置に位置し、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに第2位置に位置する。
【0090】
これによれば、嵌合部55と第4軸部65とを嵌まり合わせることによって、表示部20をより確実に第1位置に位置させることができ、電子ミラーとして使用する場合の位置に表示装置10を位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。また、嵌合部55と第5軸部52とを嵌まり合わせることによって、表示部20をより確実に第2位置に位置させることができ、光学ミラーとして使用する場合の位置に表示装置10を位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0091】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、ガイド機構50は、第2軸部61および第3軸部62が挿通されかつ第2軸部61と第3軸部62とが並ぶ方向における第2軸部61および第3軸部62のそれぞれの移動を所定範囲において規制する規制部53を有し、第5軸部52は、規制部53に設けられる。
【0092】
これによれば、第5軸部52が位置ずれすることなく容易に設けられるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0093】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、第4軸部65は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに表示部20が回動部40に対して回動されることによって、第1軸部58と第4軸部65とが並ぶ方向に移動可能であり、第2軸部61および第3軸部62は、第4軸部65が第1軸部58に近づく方向に移動した場合に相互に離れる方向に移動し、第4軸部65が第1軸部58から離れる方向に移動した場合に相互に近づく方向に移動する。
【0094】
これによれば、運転者2に応じて第1位置の位置および第2位置の位置を容易に変更できるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0095】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、第1可動板59、第2可動板60、第3可動板63、および第4可動板64のそれぞれは、ボール部42の表面に沿って湾曲している。
【0096】
これによれば、第1可動板59、第2可動板60、第3可動板63、および第4可動板64のそれぞれが表示部20の回動の妨げになることを抑制でき、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。さらに、第1可動板59、第2可動板60、第3可動板63、および第4可動板64のそれぞれがボール部42の表面に沿って湾曲しているので、ガイド機構50を小型化することができる。
【0097】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、ガイド機構50は、第4軸部65に固定されかつ嵌合部55が第4軸部65と第5軸部52との間を移動するための通路を形成する通路形成部54を有する。
【0098】
これによれば、嵌合部55を第4軸部65から第5軸部52に位置ずれすることなく容易に移動させることができるとともに第5軸部52から第4軸部65に容易に移動させることができるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0099】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、第1可動板59、第2可動板60、第3可動板63、および、第4可動板64で構成される四角形は、菱形、もしくは平行四辺形である。
【0100】
これによれば、第5軸部52が第1軸部58と第4軸部65との中点となり、より正確に第1位置と第2位置との角度関係を維持できる。
【0101】
また、第1の実施の形態に係る表示装置10において、ガイド機構50は、嵌合部55と第1軸部58とに接続されかつ嵌合部55と第1軸部58とを相互に近づく方向に付勢する付勢部材57を有する。
【0102】
これによれば、嵌合部55と第1軸部58とを相互に近づく方向に付勢することによって、表示部20を嵌合部55とともに第1位置から第2位置に容易に移動させることができるので、光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。さらに、嵌合部55が第1位置と第2位置の間にある時に切り替え操作が中断されたとしても、付勢部材57により、嵌合部55は第2位置に移動するので、表示部20が第1位置でも第2位置でもない中途半端な方向に向いてしまう可能性を低減できる。
【0103】
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態に係る表示装置10aを示す図である。
図10は、
図9の表示装置10aの表示部材70を示す平面図である。
図9の(b)は、
図9の(a)に示す状態における表示部材70を示す拡大図である。
図9の(d)は、
図9の(c)に示す状態における表示部材70を示す拡大図である。
【0104】
第2の実施の形態に係る表示装置10aは、表示部材70をさらに備えている点において、第1の実施の形態に係る表示装置10と主に異なっている。以下では、第1の実施の形態に係る表示装置10と異なる点を中心に説明する。
【0105】
図9に示すように、表示部材70は、操作部56における運転者2と対向する面に設けられかつ光学部材25が透過状態および反射状態のいずれであるかを表示する。
図10に示すように、表示部材70は、レンチキュラーレンズ71と、レンチキュラーレンズ71の表面に印刷されている複数の印刷部材72とを有している。
【0106】
たとえば、
図9の(a)および(b)に示すように、表示部材70は、表示部20が第1位置にあるとき、光学部材25が透過状態であることを表示する。本実施の形態では、表示部20が第1位置にあるとき、レンチキュラーレンズ71および印刷部材72を透過した光によって「D」の文字が表示される。このように、表示部材70は、「D」の文字を表示することによって、光学部材25が透過状態であることを表示する。
【0107】
また、たとえば、
図9の(c)および(d)に示すように、表示部材70は、表示部20が第2位置にあるとき、光学部材25が反射状態であることを表示する。本実施の形態では、表示部20が第2位置にあるとき、レンチキュラーレンズ71および印刷部材72を透過した光によって「M」の文字が表示される。このように、表示部材70は、「M」の文字を表示することによって、光学部材25が反射状態であることを表示する。
【0108】
なお、たとえば、表示部材70は、鏡および発光素子等を有し、これらによって光学部材25が透過状態および反射状態のいずれであるかを表示してもよい。具体的には、たとえば、表示部材70は、カラーフィルタおよびLED素子等を用いて表示部20の位置に応じて異なる色を発することによって、光学部材25が透過状態および反射状態のいずれであるかを表示してもよい。また、表示部材70が鏡であれば、光学部材25が透過状態であれば、鏡には運転者2自身が映り、反射状態であれば車両1の内部が映るので、どちらの状態であるかを容易に知ることができる。
【0109】
以上、第2の実施の形態に係る表示装置10aについて説明した。
【0110】
第2の実施の形態に係る表示装置10aにおいて、ガイド機構50は、嵌合部55を第4軸部65および第5軸部52のそれぞれに対して嵌脱させるための操作を受け付ける操作部56と、操作部56における運転者2と対向する面に設けられかつ光学部材25が透過状態および反射状態のいずれであるかを表示する表示部材70とを有する。
【0111】
これによれば、運転者2は光学部材25の状態を容易に認識できるので、光学部材25の状態を切り替える際に表示部20をどの方向に回動させればよいかを容易に認識でき、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0112】
また、第2の実施の形態に係る表示装置10aにおいて、表示部材70は、レンチキュラーレンズ71を有する。
【0113】
これによれば、運転者2は光学部材25の状態をさらに容易に認識できるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0114】
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施の形態に係る表示装置10bを示す図である。
図12は、
図11の表示装置10bの操作部80の動きを示す図である。
図12の(a)は、押しボタン部81が押されていない状態を示し、
図12の(b)は、押しボタン部81が押されている状態を示す。
【0115】
第3の実施の形態に係る表示装置10bは、操作部56とは異なる操作部80を有している点において、第1の実施の形態に係る表示装置10と主に異なっている。以下では、第1の実施の形態に係る表示装置10と異なる点を中心に説明する。
【0116】
図11および
図12に示すように、操作部80は、押しボタン部81と、第1可動部82と、第2可動部83と、付勢部材84と、連結部85とを有している。
【0117】
押しボタン部81は、運転者2から見たとき、回動中心Oよりも左側において筐体21に設けられている。本実施の形態では、押しボタン部81は、筐体21に摺動可能に支持されており、筐体21の外部に突出している。第1可動部82は、押しボタン部81に接続され、軸部86を中心に回動する。第2可動部83は、第1可動部82に接続され、軸部87を中心に回動する。付勢部材84は、第1可動部82と第2可動部83との接続部分を付勢している。連結部85は、第2可動部83と嵌合部55とを連結している。
【0118】
図12に示すように、押しボタン部81を押すと連結部85が移動し、これによって嵌合部55が移動し、嵌合部55が第4軸部65から外れる。また、押しボタン部81を押した力によって表示部20を容易に回動させることができる。
【0119】
以上、第3の実施の形態に係る表示装置10bについて説明した。
【0120】
第3の実施の形態に係る表示装置10bにおいて、表示部20は、反射面28が露出した状態で光学部材25を支持する筐体21を有し、操作部80は、運転者2から見たときに回動中心Oよりも左側において筐体21に設けられる押しボタン部81を有する。
【0121】
これによれば、押しボタン部81を押すことによって表示部20を容易に回動させることができるので、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0122】
なお、押しボタン部81は、
図11および
図12において左右反転させて、筐体21の右側に配置してもよい。
【0123】
(第4の実施の形態)
図13は、第4の実施の形態に係る表示装置10cを示す図である。
図13の(a)は、押しボタン部81および押しボタン部91が押されていない状態を示し、
図13の(b)は、押しボタン部81および押しボタン部91の一方が押されている状態を示す。
【0124】
第4の実施の形態に係る表示装置10cは、操作部80とは異なる操作部90を有している点において、第3の実施の形態に係る表示装置10bと主に異なっている。以下では、第3の実施の形態に係る表示装置10bと異なる点を中心に説明する。
【0125】
図13に示すように、操作部90は、押しボタン部91と、第1可動部92と、第2可動部93と、付勢部材94とをさらに有している点において、操作部80と主に異なっている。
【0126】
押しボタン部91は、運転者2から見たとき、回動中心Oよりも右側において筐体21に設けられている。本実施の形態では、押しボタン部91は、筐体21に摺動可能に支持されており、筐体21の外部に突出している。第1可動部92は、押しボタン部91に接続され、軸部96を中心に回動する。第2可動部93は、第1可動部92に接続され、軸部97を中心に回動する。付勢部材94は、第1可動部92と第2可動部93との接続部分を付勢している。
【0127】
押しボタン部91を押すと連結部85が移動し、これによって嵌合部55が移動し、嵌合部55が第5軸部52から外れる。また、押しボタン部91を押した力によって表示部20を容易に回動させることができる。これらの動作は押しボタン部81と同様の動きとなる。このように、押しボタン部81、91を同時に備えることにより、第1位置から第2位置に表示部20を回動させる動作と、第2位置から第1位置に表示部20を回動させる動作とを、異なる押しボタン部で操作でき、操作性が向上する。さらに、どちらの押しボタン部を押しても回動が可能なため、右ハンドル車にも左ハンドル車にも使いやすい構成とすることができる。
【0128】
以上、第4の実施の形態に係る表示装置10cについて説明した。
【0129】
(第5の実施の形態)
図14は、第5の実施の形態に係る表示装置10dを示す図である。
図14の(a)は、押しボタン部101が押されていない状態を示し、
図14の(b)は、押しボタン部101が押されている状態を示す。
【0130】
第5の実施の形態に係る表示装置10dは、操作部80とは異なる操作部100を有している点において、第3の実施の形態に係る表示装置10bと主に異なっている。以下では、第3の実施の形態に係る表示装置10bと異なる点を中心に説明する。
【0131】
図14に示すように、操作部100は、押しボタン部101と、可動部102と、付勢部材103と、連結部104とをさらに有している点において、操作部80と主に異なっている。
【0132】
押しボタン部101は、運転者2から見たとき、回動中心Oよりも左側において筐体21に設けられている。本実施の形態では、押しボタン部101は、筐体21に摺動可能に支持されており、筐体21の外部に突出している。可動部102は、押しボタン部101に接触しており、筐体21に摺動可能に支持されている。付勢部材103は、連結部104を付勢している。連結部104は、可動部102と接触し、嵌合部55に接続されている。
【0133】
押しボタン部101を押すと連結部104が移動し、これによって嵌合部55が移動し、嵌合部55が第4軸部65から外れる。また、押しボタン部101を押した力によって表示部20を容易に回動させることができる。
【0134】
以上、第5の実施の形態に係る表示装置10dについて説明した。
【0135】
なお、押しボタン部101は
図14において左右反転させて、筐体21の右側に配置してもよい。
【0136】
(第6の実施の形態)
図15は、第6の実施の形態に係る表示装置10eを示す図である。
【0137】
第6の実施の形態に係る表示装置10eは、ガイド機構50とは異なるガイド機構110をさらに備えている点において、第1の実施の形態に係る表示装置10と主に異なっている。以下では、第1の実施の形態に係る表示装置10と異なる点を中心に説明する。
【0138】
図15に示すように、ガイド機構110は、ガイド部材111をさらに備えている点において、ガイド機構50と主に異なっている。
【0139】
ガイド部材111は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合に操作部56が沿って移動して嵌合部55を第5軸部52に導く第1ガイド部材の一例である。つまり、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合、操作部56がガイド部材111に当接し、ガイド部材111に沿って移動し、嵌合部55が第5軸部52に向かって移動する。
【0140】
また、ガイド部材111は、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合に操作部56が沿って移動して嵌合部55を第4軸部65に導く第2ガイド部材の一例である。つまり、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合、操作部56がガイド部材111に当接し、ガイド部材111に沿って移動し、嵌合部55が第4軸部65に向かって移動する。
【0141】
たとえば、ガイド部材111は、取付部材(図示せず)等を介して、筐体21に固定される。
【0142】
以上、第6の実施の形態に係る表示装置10eについて説明した。
【0143】
第6の実施の形態に係る表示装置10eにおいて、ガイド機構110は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合に操作部56が沿って移動して嵌合部55を第5軸部52に導く第1ガイド部材(ガイド部材111)と、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合に操作部56が沿って移動して嵌合部55を第4軸部65に導く第2ガイド部材(ガイド部材111)とを有する。
【0144】
これによれば、操作部56を押すことによって、嵌合部55が第4軸部65または第5軸部52の方向に誘導されるので、表示部20を第1位置および第2位置に容易に位置させることができ、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0145】
(第7の実施の形態)
図16は、第7の実施の形態に係る表示装置10fを示す図である。
【0146】
第7の実施の形態に係る表示装置10fは、ガイド機構50とは異なるガイド機構120をさらに備えている点において、第1の実施の形態に係る表示装置10と主に異なっている。以下では、第1の実施の形態に係る表示装置10と異なる点を中心に説明する。
【0147】
図16に示すように、ガイド機構120は、第1ガイド部材121と、第2ガイド部材122とをさらに備えている点において、ガイド機構50と主に異なっている。
【0148】
第1ガイド部材121は、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合に操作部56が沿って移動して嵌合部55を第5軸部52に導く。つまり、嵌合部55が第4軸部65と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合、操作部56が第1ガイド部材121に当接し、第1ガイド部材121に沿って移動し、嵌合部55が第5軸部52に向かって移動する。第1ガイド部材121は、第4軸部65に固定されている。
【0149】
第2ガイド部材122は、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合に操作部56が沿って移動して嵌合部55を第4軸部65に導く。つまり、嵌合部55が第5軸部52と嵌まり合っているときに操作部56が押された場合、操作部56が第2ガイド部材122に当接し、第2ガイド部材122に沿って移動し、嵌合部55が第4軸部65に向かって移動する。第2ガイド部材122は、第5軸部52に固定されている。
【0150】
このような構成であっても、第6の実施の形態と同様に、操作部56を押すことによって、嵌合部55が第4軸部65または第5軸部52の方向に誘導されるので、表示部20を第1位置および第2位置に容易に位置させることができ、電子ミラーとして使用する場合の位置および光学ミラーとして使用する場合の位置に位置させる際の手間がかかることをさらに抑制できる。
【0151】
以上、第7の実施の形態に係る表示装置10fについて説明した。
【0152】
(第8の実施の形態)
図17は、第8の実施の形態に係る表示装置10gを示す図である。
図18は、
図17の表示装置10gのパンタグラフ機構51を示す図である。
図18の(a)は、パンタグラフ機構51の第1軸部58と第5軸部52の可動範囲が上面視で干渉しない場合の図であり、
図18の(b)は、パンタグラフ機構51の第1軸部58と第5軸部52の可動範囲が上面視で干渉する場合の図である。なお、
図18では、パンタグラフ機構51等を平面的に図示している。
【0153】
第8の実施の形態に係る表示装置10gは、光学部材25が画像光の出射方向に対して傾いて設置されている点において、第1の実施の形態に係る表示装置10と主に異なっている。以下では、第1の実施の形態に係る表示装置10と異なる点を中心に説明する。
【0154】
図17に示すように、反射面28は、表示部20が第1位置に位置している状態において、画像光が出射される方向に対して傾いている。本実施の形態では、反射面28は、画像光が出射される方向に対して上方を向くように傾いている。
【0155】
このように反射面28を傾けることにより、後方像や太陽光などの、表示部20の外部からの光が光学部材25で反射して運転者2に視認されることを抑制できる。その一方で、第1位置から第2位置に切り替えた際に、反射面28を傾けた分、運転者2から見た車両1の後方像が上下方向にずれてしまう。そこで、反射面28を傾ける
図17の構成においては、
図18に示すように、第5軸部52の位置を左下方向にずらすことにより、第1位置と第2位置との角度関係(第2位置を、第1位置に適した第1角度θと第2角度αの半分の角度とする)が維持されるように構成している。この場合、表示装置10gの構成に応じて、第5軸部52の位置をずらす量(補正量)が少なく、パンタグラフ機構51の第1軸部58と第5軸部52の可動範囲が上面視で干渉しない場合は、
図18の(a)に示すような通路形成部54の構成とすればよい。また、第5軸部52の位置をずらす量(補正量)が多く、パンタグラフ機構51の第1軸部58と第5軸部52の可動範囲が上面視で干渉する場合は、
図18の(b)に示すような通路形成部54の構成とすればよい。
【0156】
以上、第8の実施の形態に係る表示装置10gについて説明した。
【0157】
第8の実施の形態に係る表示装置10gにおいて、反射面28は、表示部20が第1位置に位置している状態において、画像光が出射される方向に対して傾いている。
【0158】
これによれば、表示装置10gが第1位置に位置している状態において、表示部20の外部からの光が光学部材25で反射して運転者2に視認されることを抑制できる。
【0159】
(他の実施の形態等)
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本開示は、画像を表示するための表示装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0161】
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g 表示装置
20 表示部
21 筐体
22 発光部
23 第1反射部
24 第2反射部
25 光学部材
26 取付部
27 出射部
28 反射面
29 第1部材
30 金具
31 第2部材
40 回動部
41 支柱部
42 ボール部
43 ホルダ部
50,110,120 ガイド機構
51 パンタグラフ機構
52 第5軸部
53 規制部
54 通路形成部
55 嵌合部
56,80,90,100 操作部
57 付勢部材
58 第1軸部
59 第1可動板
60 第2可動板
61 第2軸部
62 第3軸部
63 第3可動板
64 第4可動板
65 第4軸部
70 表示部材
71 レンチキュラーレンズ
72 印刷部材
81,91,101 押しボタン部
82,92 第1可動部
83,93 第2可動部
84,94,103 付勢部材
85,104 連結部
86,96 軸部
87,97 軸部
102 可動部
111 ガイド部材
121 第1ガイド部材
122 第2ガイド部材