(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050608
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20230404BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230404BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J7/35 K
H02J3/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160797
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】592151225
【氏名又は名称】株式会社ダイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】傍嶋 重憲
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066DA06
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA11
5G503GB03
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】自然エネルギーを利用して発電した電力を利用しつつ安定した出力の電力が得られる電源装置を提供する。
【解決手段】発電ユニット12と、外部発電手段50,52で発電した電力を充電する内蔵バッテリー16と、発電ユニット12が発電した電力および内蔵バッテリー16が充電した電力に基づいて入力される電圧を単相または三相交流に変換して外部へ出力する電圧変換手段24と、発電ユニット12による発電を制御する発電制御手段18とを備え、発電制御手段18は、内蔵バッテリー16の電力に基づいて電圧変換手段24から所定電圧の単相または三相交流を外部出力可能な状態の場合に、発電ユニット12を停止状態とし、当該内蔵バッテリー16の電力に基づいて当該電圧変換手段24から所定電圧の単相または三相交流を外部出力不能な状態の場合に、発電ユニット12を発電状態にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を出力可能に構成された電源装置であって、
内部発電手段と、
外部発電手段で発電した電力を充電するバッテリーと、
前記内部発電手段が発電した電力および前記バッテリーが充電した電力に基づいて入力される電圧を単相または三相交流に変換して外部へ出力する電圧変換手段と、
前記内部発電手段による発電を制御する発電制御手段とを備え、
前記発電制御手段は、前記バッテリーの電力に基づいて前記電圧変換手段から所定電圧の単相または三相交流を外部出力可能な状態の場合に、前記内部発電手段を停止状態とし、当該バッテリーの電力に基づいて当該電圧変換手段から所定電圧の単相または三相交流を外部出力不能な状態の場合に、前記内部発電手段を発電状態にするよう構成されている
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記バッテリーの出力電圧を監視する電圧監視手段を備え、
前記電圧監視手段の監視電圧に基づいて前記内部発電手段を停止状態と発電状態とに切り替えるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記内部発電手段が発電する電力を、前記バッテリーに充電可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電源装置。
【請求項4】
前記バッテリーに接続する外部接続部を備え、当該外部接続部に外部バッテリーを接続可能に構成されている請求項1~3の何れか一項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記電圧変換手段は、
前記バッテリーおよび前記内部発電手段を電源として入力される直流電圧を所定電圧に変換する直流電圧変換手段と、
前記直流電圧変換手段で電圧変換した直流電圧を単相または三相交流に変換して外部出力する直流-交流変換手段とを備えている請求項1~4の何れか一項に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流を出力可能に構成された電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力供給の多様化が進んでおり、火力発電や水力発電、原子力発電など在来の発電設備を補完するものとして、ソーラーパネルによる太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを利用した発電システムが多数実用化されている。そして、このような発電システムは、電力会社の送電系統と並立して採用する構成に限らず、発電に自然エネルギーを利用可能な地域であれば山間部や僻地などのように電力会社の送電設備の整備が不十分な地域にも導入することができる利点がある。
【0003】
自然エネルギーを利用した発電システムは、その利用による利点がある反面、発電量は自然環境に依存し、出力電力が不安定になる問題を内在している。このような問題を解決する技術として、例えば、特許文献1のように、外部発電手段として自然エネルギーを利用した発電システムで発電した電力をバッテリーに充電し、バッテリーから出力される電力を単相または三相交流に変換した後に外部出力する技術が提案されている。このように、自然エネルギーも利用して発電した電力をバッテリーに充電することにより、出力される電力を安定化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自然エネルギーを利用して発電した電力をバッテリーに充電する場合でも、発電に適さないような環境が続いた場合には、バッテリーに電力を充分に蓄えられなかったり、または蓄電した電力が枯渇し、安定した出力の電力が得られない問題が指摘される。例えば太陽光発電を利用した発電システムであれば、夜間だけでなく充分な太陽光が差し込まない曇天や雨天などが続いた場合には出力電圧の低下することが避けられない。その他の自然エネルギーを利用して発電する場合でも同様に電力出力の不安定化を避けられない問題がある。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記課題を好適に解決するべく提案されたものであって、自然エネルギーを利用して発電した電力を利用しつつ安定した出力の電力が得られる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、第1の発明は、
交流を出力可能に構成された電源装置であって、
内部発電手段と、
外部発電手段で発電した電力を充電するバッテリーと、
前記内部発電手段が発電した電力および前記バッテリーが充電した電力入力される電圧を単相または三相交流に変換して外部へ出力する電圧変換手段と、
前記内部発電手段による発電を制御する発電制御手段とを備え、
前記発電制御手段は、前記バッテリーの電力に基づいて前記電圧変換手段から所定電圧の単相または三相交流を外部出力可能な状態の場合に、前記内部発電手段を停止状態とし、当該バッテリーの電力に基づいて当該電圧変換手段から所定電圧の単相または三相交流を外部出力不能な状態の場合に、前記内部発電手段を発電状態にするよう構成されていることを要旨とする。
このように、内部発電手段と、外部発電手段で発電した電力を充電するバッテリーとを備えるようにし、バッテリーの電力に基づいて所定電力を外部出力可能か否かに応じて、バッテリーと内部発電手段の何れかを電源として常に外部出力することができる。すなわち、内部発電手段が発電した電力に基づいて外部出力するインバーター発電機としての機能の中に、バッテリーが充電した電力に基づいて外部出力するパワーコンディショナーと同等の機能を備えた従来にない電源装置を構成することができる。このため、自然環境の影響を受けやすい自然エネルギーを利用した発電システムを外部発電手段として利用した場合でも、外部発電手段の発電が安定しない環境下でも電源出力が途絶えることなく継続的に安定した出力が可能となる。また、外部発電手段として自然エネルギーを利用した発電システムで発電した電力を主要な電源とし、内部発電手段を補助的な発電手段として利用することで、燃料コストを低廉に抑制することができる。また外部発電手段として自然エネルギーを利用した発電システムを採用できるから、山間部や僻地などのように電力会社の送電設備の整備が不十分な地域で本発明の電源装置を好適に利用することができる。
【0008】
第2の発明は、
前記バッテリーの出力電圧を監視する電圧監視手段を備え、
前記電圧監視手段の監視電圧に基づいて前記内部発電手段を停止状態と発電状態とに切り替えるよう構成されていることを要旨とする。
このように、バッテリーの電力を監視することで、出力電力の安定化を図り得る。
【0009】
第3の発明は、
前記内部発電手段が発電する電力を、前記バッテリーに充電可能に構成されていることを要旨とする。
このように、内部発電手段が発電する電力をバッテリーに充電し得るようにすることで、内部発電手段が発電した余剰電力をバッテリー充電することができ、バッテリーの電力が満たされることで、常に電力出力することが可能になる。
【0010】
第4の発明は、
前記バッテリーに接続する外部接続部を備え、当該外部接続部に外部バッテリーを接続可能に構成されていることを要旨とする。
このように、外部バッテリーを接続可能にすることで、本発明に係る電源装置の設置環境に応じて蓄電容量を増やすことができる。
【0011】
第5の発明は、
前記電圧変換手段は、
前記バッテリーおよび前記内部発電手段を電源として入力される直流電圧を所定電圧に変換する直流電圧変換手段と、
前記直流電圧変換手段で電圧変換した直流電圧を単相または三相交流に変換して外部出力する直流-交流変換手段とを備えていることを要旨とする。
このように、自然エネルギーを利用して発電した電力を利用しつつ安定した出力の電力が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自然エネルギーを利用して発電した電力を利用しつつ安定した出力の電力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る電源装置を示すブロック図である。
【
図2】本発明に係る電源装置を示すブロック図であって、外部発電手段を電源として電流を外部出力する場合の電流の流れを示す。
【
図3】本発明に係る電源装置を示すブロック図であって、内部発電手段を電源として電流を外部出力する場合の電流の流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る電源装置について、添付図面を参照して好適な実施形態を説明する。なお、本実施形態に係る電源装置は、電源装置を構成する各構成部材が図示しない筐体の内部に収容されてユニット化されており、以下の説明では電源ユニット10と称するものとする。
【0015】
図1に示すように、電源ユニット10は、電源ユニット10に備えられた電力を発電する発電ユニット(内部発電手段)12と、電源ユニット10の外部に設けられた発電手段(外部発電手段50,52)で発電した電力(電流)を充電する内蔵バッテリー(バッテリー)16と、発電ユニット12が発電した電力および内蔵バッテリー16が充電した電力に基づいて入力される電圧を単相または三相交流に変換して電力出力する電圧変換手段24とを備えている。ここで、発電ユニット12としては、電力を発電可能なガソリン発電機やディーゼル発電機、ガス発電機などの内燃機関を利用した発電機の他に、蒸気タービン発電機など従来公知の各種発電機を採用できる。また、交流発電機に限らず直流発電機を採用することも可能である。本実施形態では、発電ユニット12としてガソリン発電機、ディーゼル発電機、ガス発電機を採用し、発電ユニット12が発電する交流を交流-直流変換手段14で変換した直流の電圧が第1の電圧変換手段24に入力されるように構成してある。ここで、交流-直流変換手段14としては、AC/DCコンバータが好適に使用される。
【0016】
また内蔵バッテリー16としては、放充電可能な鉛蓄電池やアルカリ蓄電池、リチウムイオン二次電池など従来公知の蓄電池が採用可能であり、高エネルギー密度で充電・放電効率に優れ、使用温度範囲が広い特性を有するリチウムイオン二次電池が特に好適である。外部発電手段50,52としては、電力を発電可能な手段であれば従来公知の各種手段を採用可能であり、自然エネルギーを利用した発電システムが特に好適である。この自然エネルギーを利用した発電システムとしては、太陽光を利用して直流を出力する太陽光発電などの直流発電装置50や、風力発電や水力発電など交流発電装置52を利用することができる。
【0017】
また、電源ユニット10には、当該電源ユニット10の外部のバッテリー56を接続可能な拡張端子(外部接続部)32が設けられている。拡張端子32に接続された外部バッテリー56は、電源ユニット10が備える内蔵バッテリー16と接続するようになっており、外部バッテリー56を接続することで電源ユニット10の全体としての蓄電容量を拡張し得るようになっている。なお、以下の説明では、内蔵バッテリー16と外部バッテリー56とを区別することなく、単にバッテリーと称する場合がある。
【0018】
電源ユニット10は、発電ユニット12による発電を制御する発電制御手段18を備えている。この発電制御手段18は、内蔵バッテリー16を電源とした電力に基づいて電圧変換手段24から所定電圧の単相または三相交流を外部出力可能な状態の場合に、発電ユニット12を停止状態にして発電を停止するよう制御すると共に、当該内蔵バッテリー16を電源とした電力に基づいて電圧変換手段24から所定電圧の単相または三相交流を外部出力不能な状態の場合には、発電ユニット12を作動して発電状態にして発電するよう制御する手段である。ここで、発電ユニット12の停止状態および発電状態への切り替えは、内蔵バッテリー16の出力電圧が設定された閾値を満たすかに基づいて行うようにすることができ、また内蔵バッテリー16への入力電力量と内蔵バッテリー16の出力電力量との入出力電力差が設定された閾値を満たすかに基づいて行うようにすることも可能である。ここで、内蔵バッテリー16の出力電圧に基づく制御について以下に具体的に説明する。なお、入出力電力差に基づく制御については、出力電圧に基づく制御と同様の基準に基づいて行うことができることから、その詳細は省略する。すなわち、電源ユニット10において、発電ユニット12、交流-直流変換手段14および電圧変換手段24によりインバーター発電機11を構成すると共に、インバーター発電機11の電圧変換手段24を、内蔵バッテリー16の電力を所定電圧の単相または三相交流に変換して出力するパワーコンディショナーとして利用するよう構成されている。
【0019】
具体的には、発電制御手段18は、内蔵バッテリー16の出力電圧を監視する電圧監視回路(電圧監視手段)18aが組み込まれており、発電制御手段18に接続した内蔵バッテリー16の出力電圧(監視電圧)を監視するよう構成されている。そして、電圧監視回路18aで監視する監視電圧が所定の閾値を下回る場合に、発電ユニット12を発電状態として発電し、監視電圧が所定の閾値以上となった場合に発電ユニット12を停止状態として発電を停止するよう構成されている。すなわち、監視電圧に基づいて発電ユニット12を停止状態と発電状態とに切り替えるようになっており、内蔵バッテリー16の蓄電状態に応じて途絶えることなく継続して単相または三相交流を外部へ出力し得るようにしている。
【0020】
ここで、発電ユニット12を停止状態から発電状態に切り替える監視電圧の閾値と、発電ユニット12を発電状態から停止状態に切り替える監視電圧の閾値とは同じ値である必要はなく、異なる値で設定するようにしてもよい。そして、発電ユニット12を停止状態に切り替える監視電圧の閾値を、発電ユニット12を発電状態に切り替える監視電圧の閾値より高い値に設定することで、発電ユニット12の運転状態が切り替わる頻度を抑制することができる。
【0021】
電源ユニット10の構成をより具体的に説明すると、内蔵バッテリー16には、直流の電圧を異なるレベルの直流電圧に昇圧または降圧させる第1の直流電圧変換手段20が接続されており、電源ユニット10が備える入力端子22(入力接続部)を介して外部発電手段50,52を第1の直流電圧変換手段20に接続し得るよう構成される。すなわち、外部発電手段50,52から入力される直流を第1の直流電圧変換手段20で充電に適した電圧に変換して内蔵バッテリー16を充電するようになっている。この第1の直流電圧変換手段20は、所謂DC/DCコンバータが好適に使用される。なお、交流発電装置52を外部発電手段とする場合には、交流発電装置52で発電した交流を交流-直流変換手段54を利用して直流に変換して、変換した直流を第1の直流電圧変換手段20に入力することで、外部発電手段に交流発電装置52を採用可能になっている。ここで、交流-直流変換手段54としては、AC/DCコンバータが好適に使用される。
【0022】
電圧変換手段24は、発電ユニット12および内蔵バッテリー16を電源とする直電圧流を入力可能に接続された第2の直流電圧変換手段26を備えており、発電ユニット12および内蔵バッテリー16を電源として入力される直流電圧を所定電圧に変換するよう構成されている。すなわち、発電ユニット12として交流発電機を採用する場合は、発電ユニット12が発電する交流を交流-直流変換手段14で変換した直流電圧が第2の直流電圧変換手段26に入力され、直流発電機を採用する場合は、発電ユニット12が発電する直流電圧が第2の直流電圧変換手段26に入力されるよう構成される。ここで、第2の直流電圧変換手段26としては、第1の直流電圧変換手段20と同様にDC/DCコンバータが好適に使用可能である。
【0023】
そして、第2の直流電圧変換手段26に直流―交流変換手段28が接続されており、第2の電圧変換手段からの直流を直流―交流変換手段28により単相または三相交流に変換するよう構成されている。直流―交流変換手段28としてはインバータを好適に使用可能である。そして、この電圧変換手段24は出力端子30に接続するよう構成されており、電圧変換手段24(直流―交流変換手段28)により変換された単相または三相交流が出力端子に接続した図示しない外部設備に出力される。
【0024】
そして、電圧変換手段24は、発電ユニット12が発電した電力を内蔵バッテリー16に入力して内蔵バッテリー16を充電し得るよう構成されている。この実施形態では、交流-直流変換手段14で変換した直流電圧に変換された発電ユニット12を電源とする電力により内蔵バッテリー16を充電するようになっている。すなわち、内蔵バッテリー16の電力に基づいて所定電圧の単相または三相交流を外部出力不能な状態の場合には、発電ユニット12で発電した電力に基づいて所定電圧の単相または三相交流を外部出力しつつ内蔵バッテリー16に充電するよう構成され、内蔵バッテリー16の電力に基づいて外部出力可能な状態に早期に回復し得るようになっている。
【0025】
このように構成された本発明に係る電源ユニット10の作用について説明する。
図2に示すように、外部発電手段50,52として直流発電装置で発電された直流電圧や、外部発電手段50,52として交流発電装置で発電された交流の電源を外部のAC/DCコンバータで変換した直流電圧は、電源ユニット10の入力端子22から第1の直流電圧変換手段20に入力されて充電に適した電圧で内蔵バッテリー16の充電が行われる。このとき、拡張端子32に外部バッテリー56が接続されている場合には、外部バッテリー56に対する充電も同時に行われる。そして、内蔵バッテリー16の出力電圧が所定の閾値以上となると、内蔵バッテリー16を電源として電圧変換手段24に直流の電圧が入力される。そして、電圧変換手段24において、DC/DCコンバータなどで構成された第2の直流電圧変換手段26により所定の電圧に変換された後に、直流―交流変換手段28により単相または三相交流に変換された電圧が外部出力される。このとき、発電ユニット12は、発電制御手段18により停止状態に制御されて発電を停止している。なお
図2における矢印は電流の流れを示している。
【0026】
また、内蔵バッテリー16の充電が不充分な状態で、発電制御手段18が備える電圧監視回路が監視する内蔵バッテリー16の監視電圧が所定の閾値を下回る場合には、
図3に示すように、発電制御手段18が発電ユニット12を発電状態に制御して、発電ユニット12による発電が行われる。発電ユニット12で発電が行われると、発電ユニット12で発電された電力が電圧変換手段24に入力される。そして、電圧変換手段24において、DC/DCコンバータなどで構成された第2の直流電圧変換手段26により所定の電圧に変換された後に、直流―交流変換手段28により変換された単相または三相交流の電圧が外部へ出力される。また、このとき、発電ユニット12で発電した電力により内蔵バッテリー16および外部バッテリー56の充電が同時に行われる。なお
図3における矢印は電流の流れを示している。
【0027】
そして、発電ユニット12による発電や外部発電手段50,52の発電により内蔵バッテリー16が充電され、内蔵バッテリー16の出力電圧(監視電圧)が所定の閾値を上回ると、
図2に示すように、発電制御手段18が発電ユニット12を停止状態に切り替え、これにより内蔵バッテリー16を電源として電圧変換手段24に電圧が入力され、前述のように内蔵バッテリー16からの電力に基づき単相または三相交流に変換されて外部へ出力されるようになる。このように、本発明の電源ユニット10は、内蔵バッテリー16の電力に基づいて所定電圧の単相または三相交流を外部出力可能な状態の場合には、発電ユニット12による発電を停止して内蔵バッテリー16の電力に基づいて外部出力され、内蔵バッテリー16の電力に基づいて所定電圧の単相または三相交流を外部出力不能な状態の場合には、発電ユニット12で発電した電力に基づいて外部出力される。
【0028】
このように、外部発電手段50,52から入力される電力を充電する内蔵バッテリー16と、発電ユニット12とを備えるようにし、内蔵バッテリー16の電圧に基づいて所定電力を外部へ出力可能か否かに応じて、内蔵バッテリー16と発電ユニット12との何れかを電源として所定電圧の単相または三相交流を外部へ出力できる。このため、外部発電手段50,52の発電が安定しない環境下でも電源出力が途絶えることなく継続的に安定した出力が可能となる。また、外部発電手段50,52として自然エネルギーを利用した発電システムで発電した電力を主要な電源とし、発電ユニット12を補助的な発電手段として利用することで、ガソリン等の化石燃料の消費量を抑制して二酸化炭素(Co2)や窒素酸化物(Nox)などの有害物質の発生を抑制できると共に、燃料コストを低廉に抑制することができる。また、外部発電手段50,52として自然エネルギーを利用した発電システムを採用できるから、山間部や僻地などのように電力会社の送電設備の整備が不十分な地域で本発明の電源ユニット10を好適に利用することができる。
【0029】
また、発電ユニット12の運転および停止の切り替えを、内蔵バッテリー16の出力電圧を監視することで実現でき、簡略な構成で出力電力の安定化を図り得る。ここで、発電ユニット12を発電状態にする出力電圧(監視電圧)の閾値と、発電ユニット12を停止状態にする出力電圧(監視電圧)の閾値とは同じ値である必要はなく、発電ユニット12を停止状態にする出力電圧(監視電圧)の閾値をより高い値に設定することで、発電ユニット12が運転および停止に切り替わる頻度を抑制することができる。
【0030】
そして、発電ユニット12や外部発電手段50,52が発電した電力を内蔵バッテリー16に充電し得るようにすることで、発電ユニット12が発電した余剰電力を内蔵バッテリー16に充電することができ、内蔵バッテリー16を電源として外部出力する状態にすることが可能になる。更に、電源ユニット10に外部バッテリー56を接続可能にすることで、電源ユニット10の設置環境に応じて蓄電容量を増やすことができ、汎用性を高めることができる。
【0031】
本発明に係る電源ユニット10について好適な実施形態を示して説明したが、電源ユニット10の構成は実施形態に示した物に限られるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々に変更することが可能であることは当然である。例えば、本実施形態では、電源装置を構成する各構成部材を筐体の内部に収容してユニット化する例を示したが、個別に設けた各構成部材を接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
12 発電ユニット(内部発電手段),16 内蔵バッテリー(バッテリー)
18 発電制御手段,18a 電源監視回路(電源監視手段)
24 電圧変換手段,32 拡張端子(外部接続部),56 外部バッテリー
26 第2の直流電圧変換手段(直流電圧変換手段)
28 直流-交流変換手段,50 直流発電装置(外部発電手段)
52 交流発電装置(外部発電手段)