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特開2023-50654センサ装置、制御装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050654
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】センサ装置、制御装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230404BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20230404BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S7/484
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160871
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】石川 雄悟
(72)【発明者】
【氏名】竹村 到
(72)【発明者】
【氏名】林 真一
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA05
2F112BA06
2F112CA05
2F112CA12
2F112DA09
2F112DA15
2F112DA25
2F112EA05
2F112FA03
2F112FA21
2F112FA45
2F112GA01
2F112GA03
5J084AA05
5J084AC01
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA11
5J084BA18
5J084BA36
5J084BA50
5J084BB03
5J084CA03
5J084CA10
5J084CA31
5J084CA65
5J084EA04
5J084EA05
(57)【要約】
【課題】センサ装置によって取得される点群データに含まれる空間的な高周波成分を少なくしなくし、センサ装置の視野のうちビームが照射されない領域を大きくしなくする。
【解決手段】制御部200は、複数のフットプリントPの拡がり角θから複数の第1フットプリントP1A及び複数の第2フットプリントP2Aの拡がり角θにかけて、拡がり角θをベクトルVAに平行な方向に縮小させている。制御部200は、第1フットプリントP1A及び第2フットプリントP2AのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θから変化させず、一定に維持している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ部と、
前記センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる制御部と、
を備えるセンサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ装置において、
前記センサ部の移動を検出する検出部をさらに備え、
前記制御部が、前記検出部によって検出された前記移動に応じて、前記拡がり角を制御する、センサ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセンサ装置において、
前記制御部が、前記拡がり角が縮小された前記ビームによって取得される複数の点群データを合成する、センサ装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記制御部が、所定の時間区間における前記射出方向の移動距離が所定の距離以上である場合、前記拡がり角の制御を停止する、センサ装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記制御部が、前記拡がり角を、前記ベクトルに垂直な方向に、又は前記射影ベクトルに垂直な方向に、維持し、又は拡大させる、センサ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記センサ部を移動させる駆動部をさらに備えるセンサ装置。
【請求項7】
センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる制御部を備える制御装置。
【請求項8】
制御装置が、
センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる、制御方法。
【請求項9】
制御装置に、
センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる機能を持たせるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶させた記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置、制御装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LiDAR(Light Detection And Ranging)等のセンサ装置が開発されている。例えば、センサ装置は、発光素子と、可動反射部と、を有している。発光素子は、例えば、パルスレーザを出射するするレーザダイオード(LD)である。可動反射部は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ガルバノミラー、ポリゴンミラー等である。発光素子から出射されたビームは、可動反射部によってセンサ装置の視野内の複数の射出方向に向けて反射される。可動反射部によって反射されたビームは、所定の拡がり角を有した状態で、センサ装置の外部に存在する物体に照射される。当該物体のうちビームが照射された領域には、フットプリントが生成される。当該物体に照射されたビームは、当該物体に反射され、又は散乱される。センサ装置は、光検出素子を有している。光検出素子は、例えば、APD(アバランシェフォトダイオード)である。光検出素子は、当該物体に反射され又は散乱されたビームを検出する。センサ装置は、光検出素子によって検出されたビームによって生成される信号を用いて点群データを生成する。
【0003】
特許文献1及び2には、センサ装置の一例について記載されている。これらのセンサ装置は、センサ装置によって照射されるビームの拡がり角を制御している。
【0004】
特許文献3には、センサ装置の一例について記載されている。このセンサ装置は、センサ装置によって照射されるビームによって生成されるフットプリントの大きさを制御している。
【0005】
特許文献4及び5には、センサ装置の一例について記載されている。このセンサ装置は、センサ装置の視野の大きさを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-178853号公報
【特許文献2】特開平9-113622号公報
【特許文献3】特開2019-95353号公報
【特許文献4】特開2016-136090号公報
【特許文献5】特開2008-286565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
センサ装置によって取得される点群データが比較的多くの空間的な高周波成分を含むことが望ましいことがある。例えば、超解像において、複数のフレームにおける点群データを合成する場合がある。この場合、各フレームにおける点群データに含まれる空間的な高周波成分は比較的多いことが望ましい。点群データに含まれる空間的な高周波成分を多くするためには、フットプリントの大きさが小さいことが望ましい。しかしながら、フットプリントの大きさが小さくなるほど、センサ装置の視野のうちビームが照射されない領域が比較的大きくなり得る。センサ装置は、ビームが照射されない領域に存在する物体を検出することができない。したがって、センサ装置のうちビームが照射されない領域が比較的大きい場合、センサ装置の視野内に存在する物体であってもセンサ装置によって検出されない可能性が比較的高くなる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題としては、センサ装置によって取得される点群データに含まれる空間的な高周波成分を少なくしなくし、センサ装置の視野のうちビームが照射されない領域を大きくしなくすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、
センサ部と、
前記センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる制御部と、
を備えるセンサ装置である。
【0010】
請求項7に記載の発明は、
センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる制御部を備える制御装置である。
【0011】
請求項8に記載の発明は、
制御装置が、
センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる、制御方法である。
【0012】
請求項9に記載の発明は、
制御装置に、
センサ部から照射されるビームの拡がり角を、前記ビームの射出方向の移動方向に平行な方向に、又は前記移動方向に平行なベクトルを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させる機能を持たせるプログラムである。
【0013】
請求項10に記載の発明は、
前記プログラムを記憶させた記憶媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係るセンサ装置の構成を示す図である。
図2】所定の1フレームにおいてセンサ部から照射される複数のビームによって所定の仮想球面に生成されて近似的に平面状に描写された複数のフットプリントの一例を示している。
図3】制御部の動作の第1例を説明するための図である。
図4】制御部の動作の第2例を説明するための図である。
図5】制御部の動作の第3例を説明するための図である。
図6】制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7】実施例1に係るセンサ装置の構成を示す図である。
図8】実施例2に係るセンサ装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態及び実施例について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
図1は、実施形態に係るセンサ装置10の構成を示す図である。
【0017】
センサ装置10は、センサ部100及び制御部200を備えている。
【0018】
本実施形態において、センサ部100は、LiDAR(Light Detection And Ranging)である。
【0019】
センサ部100は、センサ部100の視野内の複数の所定の射出方向の各々に向けてビームBを照射する。例えば、センサ部100は、発光素子と、可動反射部と、を有している。発光素子は、例えば、パルスレーザを出射するレーザダイオード(LD)である。可動反射部は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ガルバノミラー、ポリゴンミラー等である。発光素子から出射されたビームは、可動反射部によって複数の射出方向に向けて反射される。或いは、センサ部100は、発光素子と、発光素子を移動させる駆動部と、を有していてもよい。この例において、発光素子からのビームBの射出方向は、駆動部によって発光素子が移動することで可変となっている。
【0020】
センサ部100によって照射されたビームBは、所定の拡がり角θを有した状態で、センサ装置10の外部に外部に存在する物体に照射される。当該物体のうちビームが照射された領域には、フットプリントが生成される。フットプリントの大きさは、センサ部100から当該物体までの距離が長くなるほど大きくなる。
【0021】
センサ部100によって照射されたビームBは、センサ装置10の外部に存在する物体によって反射され、又は散乱される。センサ部100は、光検出素子を有している。光検出素子は、例えば、APD(アバランシェフォトダイオード)である。当該物体によって反射され又は散乱された光は、光検出素子によって検出される。
【0022】
制御部200は、ビームBの拡がり角θを制御している。ビームBが物体に照射される場合、拡がり角θが大きくなるほど、当該物体に生成されるフットプリントの大きさが大きくなる。また、拡がり角θが小さくなるほど、当該物体に生成されるフットプリントの大きさが小さくなる。拡がり角θは、例えば、ビームBが通過するズームレンズ等の光学素子によって制御されている。
【0023】
図2は、所定の1フレームにおいてセンサ部100から照射される複数のビームBによって所定の仮想球面に生成されて近似的に平面状に描写された複数のフットプリントPの一例を示している。
【0024】
図2において、センサ部100は、球面座標系の原点に置かれている。図2に示す複数のフットプリントPは、センサ部100から所定の動径距離離れた仮想球面に生成されて近似的に平面状に描写されたフットプリントPを示している。図2において、センサ部100から照射されるビームBは、紙面の手前から奥に向かう方向に照射されて、フットプリントPが仮想球面に生成されている。
【0025】
図2において、第1方向D1は、センサ部100のヨー回転方向に平行な方向を示している。第2方向D2は、センサ部100のピッチ回転方向平行な方向を示している。本実施形態において、ヨー回転方向は、鉛直方向に垂直な水平方向に平行となっている。ピッチ回転方向は、鉛直方向に平行な方向となっている。第1方向D1又は第2方向D2を示す矢印は、当該矢印の基端から先端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の正方向であり、当該矢印の先端から基端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の負方向であることを示している。
【0026】
図2において、実線で示された複数のフットプリントPは、所定の1フレームにおいてセンサ部100から照射される複数のビームBよって生成されるフットプリントである。
【0027】
図2に示す例において、複数のフットプリントPは、第1方向D1及び第2方向D2に沿って行列状に並んでいる。各フットプリントPの形状は、第1方向D1の長さ及び第2方向D2の長さが互いに等しい円となっている。
【0028】
図3は、制御部200の動作の第1例を説明するための図である。図3に示す例は、以下の点を除いて、図2に示す例と同様である。
【0029】
図3に示す例において、破線で示された複数の第1フットプリントP1Aは、所定の1フレームにおいてセンサ部100から照射される複数のビームBによって生成される複数のフットプリントである。点線で示された複数の第2フットプリントP2Aは、当該所定の1フレームの次の1フレームにおいて、センサ部100から照射される複数のビームBによって生成される複数のフットプリントである。
【0030】
図3に示す例において、実線矢印によって示されたベクトルVAは、図2において説明した仮想球面におけるビームBの射出方向の移動方向を近似的に平面状に描写したベクトルを示している。ベクトルVAは、ビームBの射出方向の移動方向に平行となっている。図3に示す例において、ベクトルVAは、第2方向D2の正方向から第2方向D2の負方向に向かう方向に平行となっている。センサ部100から照射されるビームBの射出方向がベクトルVAに平行な方向に移動することで、複数の第2フットプリントP2Aの各々の中心が複数の第1フットプリントP1Aの各々の中心に対してベクトルVAの長さに等しい距離だけベクトルVAに平行な方向にずれている。
【0031】
ビームBの射出方向の移動は、センサ部100の並進移動、回転移動等の移動によって引き起こされる。センサ部100の並進移動としては、例えば、センサ部100のヨー軸に平行な方向の移動、センサ部100のピッチ軸に平行な方向の移動、センサ部100のロール軸に平行な方向の移動等が挙げられる。センサ部100の回転移動としては、センサ部100のヨー軸の周りの回転、センサ部100のピッチ軸の周りの回転移動、センサ部100のロール軸の周りの回転移動等が挙げられる。センサ部100の移動は、様々な要因によって引き起こされる。例えば、センサ部100が自動車、電車、飛行機、船舶等の移動体に搭載されている場合がある。この場合、センサ部100は、移動体の移動や移動体の振動によって移動する。
【0032】
図2及び図3を参照して、制御部200の動作を説明する。
【0033】
制御部200は、複数のフットプリントPの拡がり角θから複数の第1フットプリントP1A及び複数の第2フットプリントP2Aの拡がり角θにかけて、拡がり角θをベクトルVAに平行な方向に縮小させている。
【0034】
具体的には、第1フットプリントP1AのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θは、フットプリントPのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θ未満となっている。したがって、第1フットプリントP1AのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、複数の第1フットプリントP1Aによって取得される点群データに含まれる空間的な高周波成分を少なくしなくすることができる。
【0035】
また、第2フットプリントP2AのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θは、フットプリントPのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θ未満となっている。したがって、第2フットプリントP2AのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVAに平行な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、複数の第2フットプリントP2Aによって取得される点群データに含まれる空間的な高周波成分を少なくしなくすることができる。
【0036】
また、センサ部100の視野には、複数の第1フットプリントP1A及び複数の第2フットプリントP2Aの双方が生成されている。したがって、センサ部100の視野に複数の第1フットプリントP1A及び複数の第2フットプリントP2Aの一方のみが生成される場合と比較して、センサ部100の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0037】
図3に示す例において、制御部200は、第1フットプリントP1A及び第2フットプリントP2AのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θから変化させず、一定に維持している。したがって、第1フットプリントP1A及び第2フットプリントP2AのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θ未満である場合と比較して、センサ装置10の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0038】
制御部200の動作は、図2及び図3に示す例に限定されない。
【0039】
例えば、制御部200は、第1フットプリントP1A及び第2フットプリントP2AのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θから拡大させてもよい。この例においては、第1フットプリントP1A及び第2フットプリントP2AのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、センサ装置10の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0040】
或いは、制御部200は、第1フットプリントP1A及び第2フットプリントP2AのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVAに垂直な方向の拡がり角θから縮小させてもよい。
【0041】
制御部200は、複数の第1フットプリントP1Aによって取得される点群データと、複数の第2フットプリントP2Aによって取得される点群データと、を合成してもよい。この場合、制御部200は、複数のフットプリントPによって取得される点群データの解像度よりも高い解像度を得ることができる。さらに、制御部200は、2つの点群データを合成するだけでなく、3つ以上の点群データを合成してもよい。すなわち、制御部200は、拡がり角θが縮小されたビームBによって取得される複数の点群データを合成してもよい。
【0042】
図4は、制御部200の動作の第2例を説明するための図である。図4に示す第2例は、以下の点を除いて、図3に示す第1例と同様である。
【0043】
図2及び図4を参照して、制御部200の動作を説明する。
【0044】
制御部200は、複数のフットプリントPの拡がり角θから複数の第1フットプリントP1B及び複数の第2フットプリントP2Bの拡がり角θにかけて、拡がり角θをベクトルVBに平行な方向に縮小させている。ベクトルVBは、図2において説明した仮想球面におけるビームBの射出方向の移動方向を近似的に平面状に描写したベクトルを示している。ベクトルVBは、ビームBの射出方向の移動方向に平行となっている。図4に示す例において、ベクトルVBは、第1方向D1の正方向に対して第2方向D2の正方向に向けて斜めに傾いている。センサ部100から照射されるビームBの射出方向がベクトルVBに平行な方向に移動することで、複数の第2フットプリントP2Bの各々の中心が複数の第2フットプリントP2Aの各々の中心に対してベクトルVBの長さに等しい距離だけベクトルVBに平行な方向にずれている。例えば、制御部200は、ビームBの拡がり角θを第1方向D1及び第2方向D2の少なくとも一方に平行な方向に縮小させ、拡がり角θが縮小されたビームBをビームBの光軸の周りに回転させることで、拡がり角θをベクトルVBに平行な方向に縮小させている。
【0045】
図4に示す第2例においても、図3に示す第1例と同様にして、第1フットプリントP1BのベクトルVBに平行な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVBに平行な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、複数の第1フットプリントP1Bによって取得される点群データに含まれる空間的な高周波成分を少なくしなくすることができる。また、第2フットプリントP2BのベクトルVBに平行な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVBに平行な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、複数の第2フットプリントP2Bによって取得される点群データに含まれる高周波成分を少なくしないようにすることができる。
【0046】
また、図4に示す第2例においても、図3に示す第1例と同様にして、センサ部100の視野に複数の第1フットプリントP1B及び複数の第2フットプリントP2Bの一方のみが生成される場合と比較して、センサ部100の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0047】
図4に示す第2例において、制御部200は、第1フットプリントP1B及び第2フットプリントP2BのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θから変化させず一定に維持している。或いは、制御部200は、第1フットプリントP1B及び第2フットプリントP2BのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θから拡大させてもよい。これらの場合、第1フットプリントP1B及び第2フットプリントP2BのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θがフットプリントPのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θより小さい場合と比較して、センサ部100の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。或いは、制御部200は、第1フットプリントP1B及び第2フットプリントP2BのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θを、フットプリントPのベクトルVBに垂直な方向の拡がり角θから縮小させてもよい。
【0048】
図4に示す第2例においても、図3に示す第1例と同様にして、制御部200は、複数の第1フットプリントP1Bによって取得される点群データと、複数の第2フットプリントP2Bによって取得される点群データと、を合成してもよい。
【0049】
図5は、制御部200の動作の第3例を説明するための図である。図5に示す第3例は、以下の点を除いて、図3に示す第1例と同様である。
【0050】
図2及び図5を参照して、制御部200の動作を説明する。
【0051】
制御部200は、複数のフットプリントPの拡がり角θから複数の第1フットプリントP1C及び複数の第2フットプリントP2Cの拡がり角θにかけて、拡がり角θを第1射影ベクトルVC1に平行な方向に縮小させている。第1射影ベクトルVC1は、ベクトルVCを第1方向D1に射影したベクトルである。ベクトルVCは、図2において説明した仮想球面におけるビームBの射出方向の移動方向を近似的に平面状に描写したベクトルを示している。ベクトルVCは、ビームBの射出方向の移動方向に平行なベクトルとなっている。図5に示す例において、ベクトルVCは、第1方向D1の正方向に対して第2方向D2の正方向に向けて斜めに傾いている。センサ部100から照射されるビームBの射出方向がベクトルVCに平行な方向に移動することで、複数の第2フットプリントP2Cの各々の中心が複数の第1フットプリントP1Cの各々の中心に対してベクトルVCの長さに等しい距離だけベクトルVCに平行な方向にずれている。
【0052】
図5に示す第3例においては、第1フットプリントP1Cの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θがフットプリントPの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、複数の第1フットプリントP1Cによって取得される点群データに含まれる空間的な高周波成分を少なくしなくすることができる。また、第2フットプリントP2Cの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θがフットプリントPの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θと等しい場合と比較して、複数の第2フットプリントP2Cによって取得される点群データに含まれる高周波成分を少なくしないようにすることができる。
【0053】
また、図5に示す第3例においては、センサ部100の視野に複数の第1フットプリントP1C及び複数の第2フットプリントP2Cの一方のみが生成される場合と比較して、センサ部100の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0054】
図5に示す第3例において、制御部200は、第1フットプリントP1C及び第2フットプリントP2Cの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θを、フットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θから変化させず一定に維持している。第2射影ベクトルVC2は、ベクトルVCを第2方向D2に射影したベクトルである。或いは、制御部200は、第1フットプリントP1C及び第2フットプリントP2Cの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θを、フットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θから拡大させてもよい。これらの場合、第1フットプリントP1C及び第2フットプリントP2Cの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θがフットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θより小さい場合と比較して、センサ部100の視野のうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0055】
或いは、制御部200は、第1フットプリントP1C及び第2フットプリントP2Cの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θを、フットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θから縮小させてもよい。この場合、制御部200は、拡がり角θを、第1射影ベクトルVC1に平行な方向と、第2射影ベクトルVC2に平行な方向と、の双方に縮小させている。すなわち、制御部200は、拡がり角θを、ベクトルVCを所定方向に射影した少なくとも1つの射影ベクトルに平行な方向に縮小させるようにすることができる。
【0056】
図5に示す第3例においても、図3に示す第1例と同様にして、制御部200は、複数の第1フットプリントP1Cによって取得される点群データと、複数の第2フットプリントP2Cによって取得される点群データと、を合成してもよい。
【0057】
制御部200は、ビームBの射出方向の第1射影ベクトルVC1に平行な方向の移動距離に応じて、フットプリントPの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θを拡大させ、縮小させ、又は維持してもよい。例えば、制御部200は、当該移動距離が所定の第1閾値以上である場合、フットプリントPの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θを縮小させる。また、制御部200は、当該移動距離が所定の第1閾値未満である場合、フットプリントPの第1射影ベクトルVC1に平行な方向の拡がり角θを拡大させる。
【0058】
制御部200は、ビームBの射出方向の第2射影ベクトルVC2に平行な方向の移動距離に応じて、フットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θを拡大させ、縮小させ、又は維持してもよい。例えば、制御部200は、当該移動距離が所定の第2閾値以上である場合、フットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θを縮小させる。また、制御部200は、当該移動距離が所定の第2閾値未満である場合、フットプリントPの第2射影ベクトルVC2に平行な方向の拡がり角θを拡大させる。
【0059】
図4に示した例と、図5に示した例と、を比較する。
【0060】
図4に示した例においては、図5に示した例と比較して、図5に示した例における第1射影ベクトルVC1及び第2射影ベクトルVC2を算出する必要がない。したがって、図4に示した例においては、図5に示した例と比較して、射影ベクトルの算出に関する処理を簡易にすることができる。
【0061】
図5に示した例においては、図4に示した例と比較して、ビームBをビームBの光軸の周りに回転させる機構を設ける必要がない。具体的には、図4に示した例においては、ビームBの拡がり角θを第1方向D1及び第2方向D2の少なくとも一方において変化させる機構するだけでなく、ビームBをビームBの光軸の周りに回転させる機構も必要になる。これに対して、図5に示した例は、ビームBをビームBの光軸の周りに回転させる機構を設ける必要なく、ビームBの拡がり角θを第1方向D1及び第2方向D2の少なくとも一方において変化させる機構によって実現可能である。したがって、図5に示した例においては、図4に示した例と比較して、ビームBの制御に関する機構を簡易にすることができる。
【0062】
図6は、制御部200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0063】
制御部200の主な構成は、集積回路を用いて実現される。この集積回路は、制御部200を備える制御装置となっている。この集積回路は、バス202、プロセッサ204、メモリ206、ストレージデバイス208、入出力インタフェース210及びネットワークインタフェース212を有する。
【0064】
バス202は、プロセッサ204、メモリ206、ストレージデバイス208、入出力インタフェース210及びネットワークインタフェース212が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ204等を互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0065】
プロセッサ204は、マイクロプロセッサ等を用いて実現される演算処理装置である。
【0066】
メモリ206は、RAM(Random Access Memory)等を用いて実現されるメモリである。
【0067】
ストレージデバイス208は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を用いて実現されるストレージデバイスである。
【0068】
入出力インタフェース210は、制御部200を周辺デバイスと接続するためのインタフェースである。図6において、入出力インタフェース210にはセンサ部100が接続されている。
【0069】
ネットワークインタフェース212は、制御部200を通信網に接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース212が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0070】
ストレージデバイス208は、制御部200の各機能要素を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ204は、このプログラムモジュールをメモリ206に読み出して実行することで、制御部200の各機能を実現する。
【0071】
なお、上記した集積回路のハードウェア構成は図6に示した構成に限定されない。例えば、プログラムモジュールはメモリ206に格納されてもよい。この場合、集積回路は、ストレージデバイス208を備えていなくてもよい。
【実施例0072】
図7は、実施例1に係るセンサ装置10Aの構成を示す図である。実施例1に係るセンサ装置10Aは、以下の点を除いて、実施形態に係るセンサ装置10と同様である。
【0073】
実施例1に係るセンサ装置10Aは、検出部310を備えている。
【0074】
検出部310は、センサ部100の移動を検出する。制御部200は、検出部310によって検出された当該移動に応じてビームBの射出方向の移動を判断する。これによって、制御部200は、検出部310によって検出された当該移動に応じて拡がり角θを制御している。
【0075】
検出部310は、慣性センサ312及び演算部314を有している。慣性センサ312は、例えば、IMU(Inertial Measurement Unit)である。本実施例において、慣性センサ312はセンサ部100に取り付けられている。慣性センサ312は、角速度センサ312a及び加速度センサ312bを含んでいる。角速度センサ312aは、例えばジャイロスコープである。演算部314は、角速度センサ312aによって検出された角速度と、加速度センサ312bによって検出された加速度と、の少なくとも一方から、センサ部100の移動を演算する。
【0076】
角速度センサ312aによって検出された角速度に応じて拡がり角θを制御する方法の一例について説明する。
【0077】
まず、事前に、センサ部100と角速度センサ312aとを較正する。これによって、角速度センサ312aによって検出された角速度をセンサ部100の座標系の角速度へ変換することができる。
【0078】
次いで、演算部314は、角速度センサ312aによって検出された角速度をセンサ部100の座標系の角速度へ変換する。次いで、演算部314は、センサ部100の座標系の角速度をセンサ部100のフレーム間の時間で積分する。これによって、演算部314は、センサ部100のフレーム間の時間におけるセンサ部100の角度変化を演算する。当該角度変化は、例えば、センサ部100のヨー軸の周りの回転移動を示すヨー角と、センサ部100のピッチ軸の周りの回転移動を示すピッチ角と、センサ部100のロール軸の周りの回転運動を示すロール角と、を含んでいる。
【0079】
次いで、制御部200は、演算部314の演算によって得られたヨー角がセンサ部100の水平方向の視野角未満であるかと、演算部314の演算によって得られたピッチ角がセンサ部100の鉛直方向の視野角未満であるかと、を判断する。演算部314の演算によって得られたヨー角がセンサ部100の水平方向の視野角未満であり、かつ演算部314の演算によって得られたピッチ角がセンサ部100の鉛直方向の視野角未満である場合、複数のフレームにおける点群データの少なくとも一部分が互いに重なる。したがって、制御部200は、複数のフレームにおける点群データの合成によって解像度の向上が可能と判断することができる。これに対して、演算部314の演算によって得られたヨー角がセンサ部100の水平方向の視野角以上であり、又は演算部314の演算によって得られたピッチ角がセンサ部100の鉛直方向の視野角以上である場合、複数のフレームにおける点群データが互いに重ならない。したがって、制御部200は、複数のフレームにおける点群データを合成しても解像度の向上が見込めないと判断することができる。
【0080】
制御部200は、演算部314の演算によって得られたヨー角がセンサ部100の水平方向の視野角未満であり、かつ演算部314の演算によって得られたピッチ角がセンサ部100の鉛直方向の視野角未満である場合、演算部314の演算によって得られた角度変化に応じて拡がり角θを制御する。例えば、制御部200は、ヨー角を示すベクトルとピッチ角を示すベクトルとを合成して、ビームBの射出方向の移動方向を判断する。制御部200は、ビームBの射出方向の移動方向に応じて拡がり角θを制御する。
【0081】
次いで、制御部200は、センサ部100の複数のフレームの各々において取得される点群データをメモリ206等の記憶領域に記憶させる。また、制御部200は、フレーム間の時間のセンサ部100の角度変化をメモリ206等の記憶領域に記憶させる。制御部200は、記憶領域に記憶された点群データの数が2以上の所定の数に達した場合、記憶領域に記憶された複数の点群データを合成する。
【0082】
制御部200は、演算部314の演算によって得られたヨー角がセンサ部100の水平方向の視野角以上であり、又は演算部314の演算によって得られたピッチ角がセンサ部100の鉛直方向の視野角以上である場合、拡がり角θの制御を停止してもよい。この場合、制御部200が拡がり角θを制御する場合と比較して、制御部200の処理を少なくすることができる。
【0083】
上述した例において、制御部200は、センサ部100のフレーム間の時間におけるビームBの射出方向の移動距離が所定の距離以上である場合、拡がり角θの制御を停止している。しかしながら、制御部200は、センサ部100のフレーム間の時間と異なる時間区間におけるビームBの射出方向の移動距離が所定の距離以上である場合、拡がり角θの制御を停止してもよい。例えば、センサ部100が移動体に搭載されている場合がある。この場合、移動体の突発的な移動によって所定の時間区間においてセンサ部100が比較的大きな距離移動することがある。この場合、制御部200は、上述したように、拡がり角θの制御を停止してもよい。
【0084】
上述した例では、演算部314は、角速度センサ312aによって検出された角速度をフレーム間の時間で積分している。しかしながら、センサ部100の回転移動が比較的遅い場合、センサ部100の回転移動は等角速度運動とみなすことができる。この場合、演算部314は、フレーム間の時間のセンサ部100の回転移動が等角速度運動であるとして、フレーム間の時間のセンサ部100の角度変化を演算してもよい。
【0085】
次に、加速度センサ312bによって検出された加速度に応じて拡がり角θを制御する方法の一例について説明する。
【0086】
まず、演算部314は、加速度センサ312bによって検出された加速度をセンサ部100の座標系におけるセンサ部100の加速度へ変換する。次いで、演算部314は、センサ部100の加速度をセンサ部100のフレーム間の時間で積分する。これによって、演算部314は、センサ部100の現在の速度を演算する。次いで、演算部314は、センサ部100の速度をセンサ部100のフレーム間の時間で積分する。これによって、演算部314は、センサ部100のフレーム間の時間におけるセンサ部100の位置変化を演算する。当該位置変化は、例えば、センサ部100のヨー軸に平行な方向の並進移動と、センサ部100のピッチ軸に平行な方向の並進移動と、センサ部100のロール軸に平行な方向の並進移動と、を含んでいる。
【0087】
次いで、制御部200は、演算部314の演算によって得られた位置変化に応じて拡がり角θを制御する。例えば、制御部200は、センサ部100のヨー軸に平行な方向の並進移動を示すベクトルと、センサ部100のピッチ軸に平行な方向の並進移動を示すベクトルと、を合成して、ビームBの射出方向の移動方向を判断する。制御部200は、ビームBの射出方向の移動方向に応じて拡がり角θを制御する。
【0088】
次いで、制御部200は、センサ部100の複数のフレームの各々において取得される点群データをメモリ206等の記憶領域に記憶させる。また、制御部200は、フレーム間の時間のセンサ部100の位置変化をメモリ206等の記憶領域に記憶させる。制御部200は、記憶領域に記憶された点群データの数が2以上の所定の数に達した場合、記憶領域に記憶されたセンサ部100の位置変化の情報を用いて、記憶領域に記憶された複数の点群データを合成する。
【0089】
上述した例では、演算部314は、加速度センサ312bによって検出された加速度をフレーム間の時間で積分している。しかしながら、センサ部100の並進移動が比較的遅い場合、センサ部100の並進移動は等加速度運動とみなすことができる。この場合、演算部314は、フレーム間の時間のセンサ部100の並進移動が等加速度運動であるとして、フレーム間の時間のセンサ部100の位置変化を演算してもよい。
【0090】
制御部200は、角速度センサ312aによって検出された角速度と、加速度センサ312bによって検出された加速度と、の双方を用いて、拡がり角θを制御してもよい。例えば、制御部200は、角速度センサ312aによって検出された角速度に応じた適切な拡がり角θを決定する。また、制御部200は、加速度センサ312bによって検出された加速度に応じた適切な拡がり角θを決定する。次いで、制御部200は、決定された2つの拡がり角θのうちのいずれを使用するか決定する。例えば、制御部200は、決定された2つの拡がり角θのうちより小さい拡がり角θを使用することを決定してもよい。
【0091】
センサ部100の移動を検出する方法は、実施例1に係る方法に限定されない。例えば、センサ部100の移動を検出する検出部は、センサ部100自身、カメラ等の撮像部であってもよい。この例においては、センサ部100のセンシング結果や撮像部によって取得される画像を用いてのSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)等の自己位置推定によってセンサ部100の移動が検出される。
【0092】
図8は、実施例2に係るセンサ装置10Bの構成を示す図である。実施例2に係るセンサ装置10Bは、以下の点を除いて、実施形態に係るセンサ装置10と同様である。
【0093】
実施例2に係るセンサ装置10Bは、駆動部320を備えている。駆動部320は、センサ部100を移動させている。例えば、駆動部320は、センサ部100を振動させている。駆動部320がセンサ部100を移動させることで、ビームBの射出方向が移動する。制御部200は、ビームBの射出方向の移動に応じて拡がり角θを制御している。
【0094】
実施例2によれば、駆動部320がセンサ部100を移動させることで、複数のフレームの各々において生成されるフットプリントを互いにずらすことができる。したがって、駆動部320がセンサ部100を移動させない場合と比較して、センサ部100の視野にうちビームBが照射されない領域を大きくしなくすることができる。
【0095】
また、実施例2によれば、複数のフレームの各々において生成されるフットプリントのずれの大きさを駆動部320によって適当な大きさに調整することができる。例えば、一のフレームにおけるフットプリントと他の一のフレームにおけるフットプリントとを、意図的に、フットプリントのピッチの半分の距離だけすらすことができる。
【0096】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0097】
10 センサ装置
10A センサ装置
10B センサ装置
100 センサ部
200 制御部
202 バス
204 プロセッサ
206 メモリ
208 ストレージデバイス
210 入出力インタフェース
212 ネットワークインタフェース
310 検出部
312 慣性センサ
312a 角速度センサ
312b 加速度センサ
314 演算部
320 駆動部
B ビーム
D1 第1方向
D2 第2方向
P フットプリント
P1A 第1フットプリント
P1B 第1フットプリント
P1C 第1フットプリント
P2A 第2フットプリント
P2B 第2フットプリント
P2C 第2フットプリント
VA ベクトル
VB ベクトル
VC ベクトル
VC1 第1射影ベクトル
VC2 第2射影ベクトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8