IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マンダムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023050663
(43)【公開日】2023-04-11
(54)【発明の名称】整髪剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20230404BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230404BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/34
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021160884
(22)【出願日】2021-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(72)【発明者】
【氏名】宍粟 政行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB012
4C083AB051
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC441
4C083AC442
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD132
4C083BB04
4C083CC32
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE03
(57)【要約】
【課題】フレーキングを抑制しながら、高い整髪力を有し、毛髪にとマットな質感を付与する整髪剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の整髪剤組成物は、成分A:乾式シリカ、成分B:湿式シリカ、成分C:ノニオン界面活性剤、成分D:エタノール、及び成分E:水を含有する。本発明の整髪剤組成物は、成分F:皮膜形成ポリマーを含有してもよい。本発明の整髪剤組成物は、成分G:ポリオキシプロピレンソルビットを含有してもよい。本発明の整髪剤組成物は、成分H:粘土鉱物を含有してもよい。本発明の整髪剤組成物は、ジェル状の整髪剤組成物であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D、及び下記成分Eを含有する整髪剤組成物。
成分A:乾式シリカ
成分B:湿式シリカ
成分C:ノニオン界面活性剤
成分D:エタノール
成分E:水
【請求項2】
さらに、下記成分Fを含む、請求項1に記載の整髪剤組成物。
成分F:皮膜形成ポリマー
【請求項3】
前記成分Fが下記成分F1を含む、請求項2に記載の整髪剤組成物。
成分F1:アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー
【請求項4】
さらに、下記成分Gを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の整髪剤組成物。
成分G:ポリオキシプロピレンソルビット
【請求項5】
さらに、下記成分Hを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の整髪剤組成物。
成分H:粘土鉱物
【請求項6】
前記成分Hが下記成分H1を含む、請求項5に記載の整髪剤組成物。
成分H1:ケイ酸(Li/Mg/Na)、フルオロケイ酸(Na/Mg)、及びケイ酸(Na/Mg)からなる群より選ばれる少なくとも1種
【請求項7】
ジェル状の整髪剤組成物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の整髪剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪を整えるために、液状、ジェル状、クリーム状及び固形状などの種々の性状の整髪剤組成物が用いられている。整髪剤組成物の中には、整髪力を付与するなどの目的で、シリカが配合されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、毛髪に艶のない質感、いわゆるマットな質感を付与するものとして、水に難溶性の粉体成分を含有する頭髪化粧料が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-342130号公報
【特許文献2】特開2002-87943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シリカ等の粉体により、整髪力とマット感の両方を高いレベルで両立しようとすると、粉体の配合量が多くなり、所謂フレーキング(毛髪上に白い粉をふいたような状態)が生じることがわかった。すなわち、フレーキングを十分に抑制しながら、毛髪にマットな(艶のない)質感を付与する特性と整髪力とを、高いレベルで両立することは困難であるのが現状であった。
【0005】
本発明の目的は、フレーキングを抑制しながら、高い整髪力を有し、毛髪にとマットな質感を付与する整髪剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、下記成分(D)、及び下記成分(E)を含有する整髪剤組成物を提供する。
成分(A):乾式シリカ
成分(B):湿式シリカ
成分(C):ノニオン界面活性剤
成分(D):エタノール
成分(E):水
【0007】
上記整髪剤組成物は、さらに、下記成分(F)を含むことが好ましい。
成分(F):皮膜形成ポリマー
【0008】
上記成分(F)は下記成分(F1)を含むことが好ましい。
成分(F1):アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー
【0009】
上記整髪剤組成物は、さらに、下記成分(G)を含むことが好ましい。
成分(G):ポリオキシプロピレンソルビット
【0010】
上記整髪剤組成物は、さらに、下記成分(H)を含むことが好ましい。
成分(H):粘土鉱物
【0011】
上記成分(H)は下記成分(H1)を含むことが好ましい。
成分(H1):ケイ酸(Li/Mg/Na)、フルオロケイ酸(Na/Mg)、及びケイ酸(Na/Mg)からなる群より選ばれる少なくとも1種
【0012】
上記整髪剤組成物は、ジェル状の整髪剤組成物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の整髪剤組成物は、高い整髪力を有し、毛髪にマットな質感を付与する特性に優れる。さらに、フレーキングを抑制する特性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明の整髪剤組成物は、乾式シリカ、湿式シリカ、ノニオン界面活性剤、エタノール、及び水を少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマーを含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、ポリオキシプロピレンソルビットを含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、粘土鉱物を含むことが好ましい。上記皮膜形成ポリマーは、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーを含むことが好ましい。また、上記粘土鉱物は、ケイ酸(Li/Mg/Na)、フルオロケイ酸(Na/Mg)、及びケイ酸(Na/Mg)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0016】
なお、本明細書においては、上記「乾式シリカ」を「成分(A)」;上記「湿式シリカ」を「成分(B)」;上記「ノニオン界面活性剤」を「成分(C)」;上記「エタノール」を「成分(D)」;上記「水」を「成分(E)」;上記「皮膜形成ポリマー」を「成分(F)」;上記「アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー」を「成分(F1)」;上記「ポリオキシプロピレンソルビット」を「成分(G)」;上記「粘土鉱物」を「成分(H)」;上記「ケイ酸(Li/Mg/Na)、フルオロケイ酸(Na/Mg)、及びケイ酸(Na/Mg)からなる群より選ばれる少なくとも1種」を「成分(H1)」とそれぞれ称する場合がある。
【0017】
本発明の整髪剤組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)を含む。本発明の整髪剤組成物は、成分(F)を含むことが好ましい。本発明の整髪剤組成物は、成分(G)を含むことが好ましい。本発明の整髪剤組成物は、成分(H)を含むことが好ましい。成分(F)は、成分(F1)を含むことが好ましい。成分(H)は、成分(H1)を含むことが好ましい。本発明の整髪剤組成物は、上記成分(A)~成分(H)以外の成分(その他の成分)を含んでもよい。また、本発明の整髪剤組成物に含まれる成分(例えば、成分(A)~成分(H)やその他の成分)は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0018】
[成分(A):乾式シリカ]
成分(A)は、乾式法で製造されたシリカ(無水ケイ酸)である。成分(A)は、主に、整髪力を付与する成分として機能する。成分(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0019】
成分(A)の比表面積は、50m/g以上が好ましく、より好ましくは100m/g以上、500m/g以下が好ましく、より好ましくは400m/g以下である。成分(A)の比表面積が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪力がより一層良好になる。上記比表面積は、BET法に準拠して測定される。
【0020】
成分(A)の平均粒径(平均1次粒径)は、0.1nm以上が好ましく、より好ましくは5nm以上、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。成分(A)の平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪力がより一層高くなる。成分(A)の平均粒径(平均1次粒径)は、体積平均粒径である。上記平均粒径は、レーザー光回折による粒度分布測定装置を用いて測定可能である。上記粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA-920」等が挙げられる。
【0021】
成分(A)としては、市販品を用いることができる。成分(A)の市販品としては、例えば、無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL 50」、商品名「AEROSIL 90G」、商品名「AEROSIL 130」、商品名「AEROSIL 150」、商品名「AEROSIL 200」、商品名「AEROSIL 300」、商品名「AEROSIL 380」、商品名「AEROSIL 200V」及び商品名「AEROSIL OX50」;ジメチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R972」、商品名「AEROSIL R974」及び商品名「AEROSIL R9200」;トリメチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL RX200」、商品名「AEROSIL R8200」、商品名「AEROSIL RX300」及び商品名「AEROSIL R812S」;オクチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R805」;シリコーンオイル処理無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R202」、商品名「AEROSIL RY200」、商品名「AEROSIL RY200S」及び商品名「AEROSIL RY300」;メタクリルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R711」等が挙げられる。
【0022】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、整髪力をより一層向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、フレーキングをより一層抑制する観点から、5.0質量%以下が好ましく、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。上記成分(A)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(A)の含有量の合計量である。
【0023】
[成分(B):湿式シリカ]
成分(B)は、湿式法で製造されたシリカ(無水ケイ酸)である。成分(B)は、主に、毛髪にマットな質感を付与する成分として機能する。成分(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0024】
成分(B)の吸油量は、100mL/100g以上が好ましく、より好ましくは150mL/100g以上、更に好ましくは200mL/100g以上、1000mL/100g以下が好ましく、より好ましくは800mL/100g以下、更に好ましくは700mL/100g以下である。成分(B)の吸油量が上記下限以上及び上記上限以下であると、マットな質感がより一層良好になる。上記吸油量は、JIS K5101に記載の方法に準拠して測定される。
【0025】
成分(B)の平均粒径(平均1次粒径)は、0.1nm以上が好ましく、より好ましくは5nm以上、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。成分(A)の平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、マットな質感がより一層高くなる。成分(B)の平均粒径(平均1次粒径)は、体積平均粒径である。上記平均粒径は、レーザー光回折による粒度分布測定装置を用いて測定可能である。上記粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA-920」等が挙げられる。
【0026】
成分(B)としては、市販品を用いることができる。成分(B)の市販品としては、例えば、無水ケイ酸である富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア 320」、商品名「サイリシア 310P」、商品名「サイリシア 250」、商品名「サイリシア 250N」、商品名「サイリシア 350」、商品名「サイリシア 370」、商品名「サイリシア 380」、商品名「サイリシア 420」、商品名「サイリシア 430」、商品名「サイリシア 440」、商品名「サイリシア 450」及び商品名「サイリシア 470」等が挙げられる。
【0027】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、マットな質感をより一層向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、フレーキングをより一層抑制する観点から、5.0質量%以下が好ましく、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。上記成分(B)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(B)の含有量の合計量である。
【0028】
[成分(C):ノニオン界面活性剤]
成分(C)は、ノニオン界面活性剤である。成分(C)は、成分(A)及び成分(B)の、基材である成分(D)及び成分(E)との親和性を向上させ、フレーキング(整髪後の毛髪に白く粉が付着したように見える現象)を抑制する効果を発揮する。成分(C)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0029】
成分(C)の、HLB((Hydrophile-Lipophile Balance)は、特に限定されないが、8~20が好ましく、より好ましくは10~17である。なお、上記HLBは、グリフィン(Griffin)法により算出することができる。
【0030】
成分(C)としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンラノリン等が挙げられる。
【0031】
より具体的には、成分(C)としては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4~10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6~10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0032】
成分(C)としては、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(グリセリン脂肪酸エステルのポリエチレングリコール付加物)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
【0033】
上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルのオキシエチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、5~60が好ましく、より好ましくは10~40である。上記ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリンの平均付加モル数は、特に限定されないが、2~20が好ましく、より好ましくは5~10である。
【0034】
上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、市販品を用いることができる。モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、商品名「ブラウノン RGL-5MISE」、商品名「ブラウノン RGL-8MISE」、商品名「ブラウノン RGL-10MISE」、及び商品名「ブラウノン RGL-20MISE」(以上、青木油脂工業株式会社製)、並びに、商品名「EMALEX GWIS-108」、商品名「EMALEX GWIS-120」、及び商品名「EMALEX GWIS-160」(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、商品名「EMALEX GWIS-210」、商品名「EMALEX GWIS-220」、商品名「EMALEX GWIS-230」、及び商品名「EMALEX GWIS-260」(以上、日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。
【0035】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、市販品を用いることができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、例えば、商品名「ブラウノン CH320L」、商品名「ブラウノン SR-720」(以上、青木油脂工業株式会社製)、商品名「NIKKOL BC-40」、商品名「NIKKOL BC-20」(以上、日本サーファクタント工業株式会社製)、商品名「エマルゲン 220」、商品名「エマルゲン 106」(以上、花王株式会社製)などが挙げられる。
【0036】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販品を用いることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、商品名「NIKKOL Decaglyn 1-SV」、商品名「NIKKOL Decaglyn 1-SVEX」(以上、日光ケミカルズ株式会社社製)、商品名「サンソフト Q-18Y-C」、商品名「サンソフト Q-14S-C」(以上、太陽化学株式会社製)、商品名「Sフェイス M-1001」、商品名「SYグリスター MM-750」(以上、阪本薬品工業株式会社製)などが挙げられる。
【0037】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、フレーキングをより一層抑制する観点から、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、速乾性の観点から、10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。上記成分(C)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(C)の含有量の合計量である。
【0038】
[成分(D):エタノール]
成分(D)は、エタノールである。成分(D)は、本発明の整髪剤組成物の速乾性を高める効果を発揮する。
【0039】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、速乾性をより一層向上する観点から、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上、塗布や整髪のしやすさの観点から、10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは7.0質量%以下である。
【0040】
[成分(E):水]
成分(E)は、水であり、好ましくは精製水である。成分(E)は、本発明の整髪剤組成物における基材の役割を発揮する。本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(E)の含有量は、特に限定されないが、30質量%以上が好ましく、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、90質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
【0041】
[成分(F):皮膜形成ポリマー]
成分(F)は、皮膜形成ポリマーである。成分(F)は、毛髪表面に皮膜を形成し整髪力をより一層向上する効果を発揮する。成分(F)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0042】
成分(F)としては、アニオン性皮膜形成ポリマー、カチオン性皮膜形成ポリマー、両性皮膜形成ポリマー、及びノニオン性皮膜形成ポリマー等が挙げられる。
【0043】
上記アニオン性皮膜形成ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、メチルビニルエーテル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロリルアクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、(スチレン/アクリル酸アルキル)共重合体、(スチレン/アクリル酸アミド)共重合体、ウレタン-アクリル系共重合体、及びポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」と「メタクリル」との双方を意味する。
【0044】
上記カチオン性皮膜形成ポリマーとしては、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、及び(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)共重合体等が挙げられる。
【0045】
上記両性皮膜形成ポリマーとしては、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,Nジメチル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)アミン=N-オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物、及び(イソブチレン/ジエチルアミノプロピルマレイミド/マレイン酸)共重合体等が挙げられる。
【0046】
上記ノニオン性皮膜形成ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
【0047】
成分(F)は、整髪力の観点から、成分(F1)を含むことが好ましい。成分(F1)は、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーである。成分(F1)は、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーであることが好ましい。すなわち、成分(F1)は、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドに由来する構成単位を含むポリマーであり、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位、並びにアルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドに由来する構成単位を含むポリマーである。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の内、一方又は両方を意味する。本発明においては、成分(F1)は、成分(F1)のナトリウム塩(以下、Naと略す)、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩(以下、AMPと略す)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩(以下、AMPDと略す)であってもよい。
【0048】
成分(F1)としては、例えば、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー[INCI名:ACRYLATES/DIACETONEACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP[INCI名:AMP-ACRYLATES/C1-18 ALKYL ACRYLATE/C1-8 ALKYL ACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP[INCI名:AMP-ACRYLATES/DIACETONEACRYLAMIDE COPOLYMER]等が挙げられる。
【0049】
成分(F1)は、市販品を用いることもできる。(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-53」、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、「プラスサイズL-9909B」、商品名「プラスサイズL-9716」、商品名「プラスサイズL-6740B」、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-6330」、商品名「プラスサイズL-6466」(いずれも互応化学工業株式会社製)等が挙げられる。(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマーの市販品としては、例えば、商品名「AMPHOMER 28-4910」、「AMPHOMER LV-71」、「AMPHOMER SH30」(いずれもヌーリオン・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
【0050】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(F)の含有量は、整髪力をより一層向上する観点から、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上、塗布後の髪のべたつきの観点から、20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは10.0質量%以下である。上記成分(F)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(F)の含有量の合計量である。
【0051】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(F1)の含有量は、整髪力をより一層向上する観点から、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上、塗布後の髪のべたつきの観点から、20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは10.0質量%以下である。上記成分(F1)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(F1)の含有量の合計量である。
【0052】
成分(F)100質量%中、成分(F1)の含有量は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%(即ち、成分(F)は成分(F1)である)。
【0053】
[成分(G):ポリオキシプロピレンソルビット]
成分(G)は、ポリオキシプロピレンソルビットである。成分(G)は、毛髪に粘着性を付与することにより整髪力をより一層向上する効果を発揮する。また、本発明の整髪剤組成物を増粘する効果を発揮する。成分(G)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0054】
成分(G)の数平均分子量は、整髪力をより一層向上する観点から、300以上が好ましく、より好ましくは400以上、べたつきを抑制する観点から、1000以下が好ましく、より好ましくは800以下である。
【0055】
成分(G)は25℃で液状であることが好ましい。成分(G)は、25℃で流動性を有することが好ましく、例えば、半径2cm、高さ7cmのガラスボトルに50gの試料を入れ、25℃の温度下、上記ガラスボトルを逆さにした場合に、逆さにした直後より5分間に、試料がガラスボトルから垂れ落ちる性状を有することが好ましい。
【0056】
成分(G)の市販品としては、例えば、三洋化成工業社製、商品名「サンニックス SP-750」等が挙げられる。
【0057】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(G)の含有量は、整髪力をより一層向上する観点や増粘効果の観点から、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、塗布後の髪のべたつきの観点から、20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは17.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下である。上記成分(G)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(G)の含有量の合計量である。
【0058】
[成分(H):粘土鉱物]
成分(H)は、粘土鉱物である。成分(H)は、本発明の整髪剤組成物を増粘する効果を発揮する。例えば、本発明の整髪剤組成物をジェル状とすることができる。さらに、整髪力をより一層向上することができる。成分(H)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0059】
成分(H)は、天然物であってもよく、合成物であってもよい。成分(H)としては、特に限定されないが、例えば、カオリン族粘土鉱物、アンティゴライト族粘土鉱物、パイロフィライト族粘土鉱物、雲母族粘土鉱物、スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘土鉱物、緑泥石族粘土鉱物及び有機変性粘土鉱物等が挙げられる。上記カオリン族粘土鉱物としては、カオリン、ナクライト、ディッカイト及びハロサイト等が挙げられる。上記アンティゴライト族粘土鉱物としては、アンティゴライト、アメサイト及びクロンステダイト等が挙げられる。上記パイロフィライト族粘土鉱物としては、パイロフィライト及びタルク(滑石)等が挙げられる。上記雲母族粘土鉱物としては、イライト、海緑石、セラドナイト、セリサイト、マイカ(雲母)、白雲母、クロム白雲母及び黒雲母等が挙げられる。上記スメクタイト族粘土鉱物としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントナイト、サポナイト、ヘクトライト及びルーセンタイト等が挙げられる。上記バーミキュライト族粘土鉱物としては、バーミキュライト等が挙げられる。上記緑泥石族粘土鉱物としては、緑泥石(クロライト)等が挙げられる。上記有機変性粘土鉱物としては、スメクタイト族粘土鉱物又はバーミキュライト族粘土鉱物などが有機変性処理された有機変性粘土鉱物等が挙げられる。有機変性処理には、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が好適に用いられる。上記第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、上記塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
【0060】
成分(H)は、製剤安定性の観点から、成分(H1)を含むことが好ましい。成分(H1)は、ケイ酸(Li/Mg/Na)、フルオロケイ酸(Na/Mg)、及びケイ酸(Na/Mg)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。成分(H1)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0061】
成分(H1)としては、例えば、INCI名「LITHIUM MAGNESIUM SODIUM SILICATE」と表記されるケイ酸(Li/Mg/Na);INCI名「SODIUM MAGNESIUM FLUOROSILICATE」と表記されるフルオロケイ酸(Na/Mg);INCI名「SODIUM MAGNESIUM SILICATE」と表記されるケイ酸(Na/Mg)などが挙げられる。
【0062】
成分(H1)は市販品を用いることもできる。成分(A)の市販品としては、例えば、商品名「ラポナイトXLG」、「ラポナイトXLG XR」、「ラポナイトXLS XR」、「ラポナイトXL21」(以上、ROCKWOOD社製);商品名「スメクトン-SWN」(クニミネ工業株式会社製)などが挙げられる。
【0063】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(H)の含有量は、増粘効果の観点から、0.3質量%以上が好ましく、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、塗布のしやすさの観点から、3.0質量%以下が好ましく、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。上記成分(H)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(H)の含有量の合計量である。
【0064】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(H1)の含有量は、増粘効果の観点から、0.3質量%以上が好ましく、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、塗布のしやすさの観点から、3.0質量%以下が好ましく、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。上記成分(H1)の含有量は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(H1)の含有量の合計量である。
【0065】
成分(H)100質量%中、成分(H1)の含有量は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%(即ち、成分(H)は成分(H1)である)。
【0066】
[他の成分]
本発明の整髪剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、成分(A)~(H)以外の成分を含んでいてもよい。上記成分(A)~(H)以外の成分は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0067】
上記成分(A)~(G)以外の成分としては、例えば、成分(D)以外の低級アルコール;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール;アニオン界面活性剤;カチオン界面活性剤;両性界面活性剤;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、アクリル酸アルキルコポリマー(商品名「アキュリン33A」など)、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー(商品名「アキュリン22」など)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、及びオレイルアルコール等の炭素数12~18の高級アルコール;ソルビトール、マルチトール、及びトレハロース等の糖アルコール;シリコーン油;脂肪酸エステル油;金属イオン封鎖剤(エデト酸二ナトリウム塩等);酸化防止剤;植物抽出エキス;染料;顔料;pH調整剤(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン等);香料;防腐剤(フェノキシエタノール、パラベン類等)等が挙げられる。
【0068】
(整髪剤組成物の他の詳細)
本発明の整髪剤組成物の性状は、特に限定されず、液状、ジェル状、クリーム状、ワックス状、及び固形状のいずれであってもよい。本発明の整髪剤組成物は、クリーム状又はジェル状であることが好ましい。
【0069】
本発明の整髪剤組成物の25℃における粘度は、好ましくは1000mPa・s以上、より好ましくは2000mPa・s以上、好ましくは100000mPa・s以下、より好ましくは50000mPa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、塗布性がより一層高くなり、更にべたつきがより一層抑えられる。上記粘度は、粘度計を用いて、No.4ローターを使用して回転速度12rpm、回転時間1分間の条件で測定される。上記粘度計としては、例えば、東機産業社製、TV-22型粘度計を用いることができる。
【0070】
本発明の整髪剤組成物の製造方法は特に限定されず、本発明の整髪剤組成物の製造方法として、公知の整髪剤組成物の製造方法を用いることができる。本発明の整髪剤組成物の製造方法としては、例えば、各成分をディスパーミキサーで攪拌後、パドルミキサーに交換して攪拌しながら他の成分を配合及び均一化する方法が挙げられる。
【0071】
本発明の整髪剤組成物は、成分(D)及び成分(E)を含む水系の整髪剤組成物において、異なる種類のシリカである、成分(A)と成分(B)とを少なくとも含む。乾式シリカである成分(A)は、内部比表面積の小さい密に詰まった構造を有しており、整髪剤組成物の整髪力(特に再整髪性を有する整髪力)を向上させる効果が高い。一方、湿式シリカである成分(B)は、内部比表面積が大きく内部に空孔を有する構造を有しており、毛髪にマットな質感を付与する効果が高い。このような、成分(A)と成分(B)とを併用することにより、本発明の整髪剤組成物は整髪力とマットな質感を付与する効果を高いレベルで両立できる。さらに、成分(A)と成分(B)とを併用することに加えて、成分(C)を配合することにより、成分(A)と成分(B)に起因するフレーキングを抑制することができるため、優れた整髪剤組成物となる。
さらに、成分(F)や成分(G)を配合することにより、シリカとは異なる作用機序による整髪力を付与し、整髪力をより一層向上することができる。また、成分(H)により、成分(A)~(E)を配合する系を効率的に増粘させ、例えば、ジェル状の剤型とすることができ、使用性を向上することができる。
【0072】
本発明の整髪剤組成物は、特に限定されないが、例えば、容器に充填された形態で用いることができる。上記容器としては、ボトル容器、ジャー容器及びチューブ容器等が挙げられる。上記容器は、ボトル容器又はチューブ容器であることが好ましい。
【実施例0073】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0074】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0075】
(成分(A))
シリカA1:日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL 200」
シリカA2:日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL 300」
シリカA3:日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL RX200」
シリカA4:日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R202」
(成分(B))
シリカB1:富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア 250」
シリカB2:富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア 320」
シリカB3:富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア 470」
(成分(C))
セテス‐20:ポリオキシエチレンセチルエーテル、酸化エチレンの平均付加モル数=20、HLB値=14
イソステアリン酸PEG-20グリセリル:酸化エチレンの平均付加モル数=20、HLB値=13
PEG-40水添ヒマシ油:酸化エチレンの平均付加モル数=40、HLB値=12
ステアリン酸ポリグリセリル-10:グリセリンの平均重合度=10、HLB値=14
(成分(D))
エタノール
(成分(E))
精製水
(成分(F))
(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP:成分(F1)
(ビニルピロリドン/VA)コポリマー
ポリクオタニウム-7
(成分(G))
ポリオキシプロピレンソルビット:三洋化成工業社製、商品名「サンニックス SP-750」
(成分(H))
ケイ酸(Li/Mg/Na):成分(H1)
フルオロケイ酸(Na/Mg):成分(H1)
ベントナイト
モンモリロナイト
(その他)
グリセリン
1,3-ブチレングリコール
ジグリセリン
リン酸
クエン酸
【0076】
(実施例1~19及び比較例1~2)
下記の表に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、常法により、下記の表に示す組成を有する整髪剤組成物を調製した。表中の配合量は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。
【0077】
(評価)
以下のとおり評価を行った。評価は、いずれも専門パネル3名により行った。
【0078】
(評価1:整髪力、マットな質感)
得られた整髪剤組成物約2gを掌上にとり、掌上でのばした後、ショートヘアのヘアウィッグ(レッスンマネキン、ユーカリジャパン社製)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪を後頭部へ向けて流すようにして整髪を施した。整髪10分後に、ヘアウィッグの整髪状態と毛髪の質感を観察し、下記の基準に従い評価した。
<整髪力の評価基準>
○(良好):整髪した髪型が保たれている。
△(実用可能):整髪した髪型がやや崩れている。
×(不良):整髪した髪型が明らかに崩れている。
<マットな質感の評価基準>
○○(優れる):毛髪に明らかに艶がない。
○(良好):整髪前(整髪剤組成物が未塗布の状態)の毛髪と比べて、やや艶がない。
×(不良):整髪前(整髪剤組成物が未塗布の状態)の毛髪と比べて、同等程度の艶であるか、より艶がある。
【0079】
(評価2:フレーキングのなさ)
評価1の直後に、整髪したヘアウィッグに、手櫛を5回通した後、ヘアウィッグを観察し、下記の基準に従い評価した。
<フレーキングのなさの評価基準>
○(良好):毛髪上に白い粉状のフレーキングがみられない。
△(実用可能):毛髪上に白い粉状のフレーキングがわずかに生じている。
×(不良):毛髪上に白い粉状のフレーキングが明らかに生じている。
【0080】
結果を下記の表に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
表に示す通り、実施例の整髪剤組成物は、フレーキングがなく、整髪力とマットな質感を付与する機能を有していた。
また、実施例1~12、14~18の整髪剤組成物は、評価1の整髪時に毛髪に塗布しやすかった。一方、実施例13の整髪剤組成物は整髪時に垂れ落ちやすく、また、実施例19の整髪剤組成物は毛髪上でののびがやや悪く、いずれも毛髪への塗布性が劣るものであった。
また、実施例1~10,13~19の整髪剤組成物で整髪したヘアウィッグは、整髪10分後に毛髪が乾いた感触であり、速乾性に優れていた。一方、実施例11,12の整髪剤組成物で整髪したヘアウィッグは、整髪10分後に毛髪が湿っており、速乾性が劣るものであった。
また、実施例1~14,16,18~19の整髪剤組成物で整髪したヘアウィッグは、整髪直後に毛髪にべたつきが感じられなかった。一方、実施例15,17の整髪剤組成物で整髪したヘアウィッグは、整髪直後に毛髪にべたつきが感じられた。
また、実施例1~17,19の整髪剤組成物は、いずれもジェル状の性状を有しており、シリカ(成分(A)や成分(B))の沈降が見られなかった。一方、実施例18の整髪剤組成物は、粘性液体の性状であり、1週間静置後には、シリカ(成分(A)や成分(B))の沈降が見られた。
【0085】
以下の表に、本発明の整髪剤組成物(ヘアジェル)の処方例を示す。
【0086】
【表4】
【0087】
以下の表に、本発明の整髪剤組成物(ヘアクリーム)の処方例を示す。
【0088】
【表5】